JP2011250372A - パッケージの製造方法、圧電振動子の製造方法、発振器、電子機器および電波時計 - Google Patents

パッケージの製造方法、圧電振動子の製造方法、発振器、電子機器および電波時計 Download PDF

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Abstract

【課題】貫通電極における空隙の発生を抑制すること。
【解決手段】互いに接合された複数の基板の間に形成されたキャビティ内に、電子部品を封入可能なパッケージの製造方法であって、複数の基板のうち、第1基板40を厚さ方向に貫通し、キャビティの内側とパッケージの外側とを導通する貫通電極を形成する貫通電極形成工程を有し、貫通電極形成工程は、第1基板40に凹部30、31を形成する凹部形成工程と、凹部30、31に導電部材9を配置する導電部材配置工程と、導電部材9の周囲の凹部30、31に充填材6aを充填する充填工程と、充填材6aを乾燥させる乾燥工程と、を有し、充填工程中に、または充填工程と乾燥工程との間に、充填材6aに超音波Sを印加するパッケージの製造方法を提供する。
【選択図】図12

Description

本発明は、パッケージの製造方法、圧電振動子の製造方法、発振器、電子機器および電波時計に関する。
近年、携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号等のタイミング源、リファレンス信号源等として水晶等を利用した圧電振動子が用いられている。この種の圧電振動子の1つとして、表面実装型で2層構造タイプの構成が知られている。この圧電振動子は、互いに接合されたベース基板およびリッド基板と、両基板の間に形成されたキャビティ内に収容された圧電振動片と、を備えている。
このような2層構造タイプの圧電振動子として、ベース基板に形成された貫通電極により、圧電振動片とベース基板に形成された外部電極とを導通させた構成が知られている(特許文献1参照)。
ところで、特許文献1には、金属からなるピン部材を導電材料として用いて貫通電極を形成する方法が記載されている。この方法は、後にベース基板となるベース基板用ウエハに貫通孔を形成した後に加熱して、熱軟化状態にあるうちに貫通孔にピン部材を打ち込むものである。
特開2002−124845号公報
しかしながら、前記従来の貫通電極の形成方法では、ピン部材と貫通孔との間隙を完全に塞ぐのが困難である。したがって、キャビティ内の気密性を確保できないおそれがある。また、ベース基板用ウエハは多数の貫通孔を有している。したがって、ベース基板用ウエハが熱軟化状態にあるうちに、全ての貫通孔にピン部材を打ち込むのは多大な工数を要する。
上記の問題を解決するために、平板状の土台部から立設された導電性の芯材部と、ペースト状のガラスフリットと、を用いて貫通電極を形成する方法が提案されている。この方法では、まず、ベース基板用ウエハの第1面側から貫通孔内に芯材部を挿入する。その後、貫通孔と芯材部との間隙に、ベース基板用ウエハの第1面とは反対の第2面側からガラスフリットを充填する。ガラスフリットは主に粉末状のガラス粒子と溶媒である有機溶剤とで構成される。そして、充填したガラスフリットを焼成して貫通孔、芯材部およびガラスフリットを一体化させた後、土台部を研磨して除去することにより貫通電極を形成する。
なお、ベース基板用ウエハに貫通孔を形成する金型には抜きテーパが必要となるため、貫通孔は、第1面側から第2面側に向けて漸次拡径するテーパ状となっている。
ここで、前記貫通電極の形成方法では、貫通孔内に充填されたガラスフリットを焼成する前に乾燥させることが考えられる。この場合、ガラスフリットに含まれる有機成分が蒸発してガラスフリット内部にガスが発生する。このガスが、ガラスフリットの露出部分から外部に放出されることで、ガラスフリットの表面に凹部が形成されることとなる。そこで、この凹部に再度ガラスフリットを充填する。
以上により、貫通孔内に充填されたガラスフリットの焼成前に、ガラスフリットに含まれる有機成分を予め蒸発させておくことが可能になり、焼成後に貫通電極表面に凹部が形成されるのを抑制することができる。
なお、ガラスフリットの充填回数を減らすためには、ガラスフリットの乾燥時の凹み量を抑制する必要がある。そのためには、ガラスフリット中の有機溶剤の含有比率を小さくすることが考えられる。この場合、ガラス粒子の含有比率が大きくなり、ガラスフリットの粘度が高くなる。
しかしながら、以上のような貫通電極の形成方法には、以下に示す問題がある。
すなわち、ベース基板用ウエハの第2面側からガラスフリットを充填すると、ベース基板用ウエハの第1面側の貫通孔内にガラスフリットが充填されにくく、気泡(空気)が残存してしまうおそれがある。特に、貫通孔が第1面側から第2面側に向けて漸次拡径するテーパ状となっていると、貫通孔の第2面側部分よりも小径な第1面側部分に気泡が残存し易い。
また、ガラスフリットの充填回数を減らすために、ガラス粒子の含有比率が大きいガラスフリットを用いた場合には、ガラスフリットの粘度が高くなる。そのため、前述のように貫通孔内に残存した気泡が、ガラスフリットから放出され難く貫通孔内に残存する可能性が高くなる。
以上より、前述した貫通電極の形成方法では、ガラスフリットが充填された貫通孔内に気泡が残留して、ガラスフリット焼成後のガラス内部に空隙が形成されるおそれがある。
すると、この空隙により、貫通孔および芯材部と焼成後のガラスとが密着できず、キャビティ内の気密性が損なわれるおそれがある。また、この空隙により、土台部を除去して貫通電極を形成したときに、貫通電極表面に凹部が形成される。そして、凹部上に電極膜を成膜すると、凹部の周縁部の膜厚が薄くなって電極膜が断切れを起こし、貫通電極の確実な導通が確保できなくなるおそれがある。さらに、ガラス内に空隙があることでパッケージの強度が確保できないおそれがある。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、貫通電極における空隙の発生を抑制することができるパッケージの製造方法を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係るパッケージの製造方法は、互いに接合された複数の基板の間に形成されたキャビティ内に、電子部品を封入可能なパッケージの製造方法であって、前記複数の基板のうち、第1基板を厚さ方向に貫通し、前記キャビティの内側と前記パッケージの外側とを導通する貫通電極を形成する貫通電極形成工程を有し、前記貫通電極形成工程は、前記第1基板に凹部を形成する凹部形成工程と、前記凹部に導電部材を配置する導電部材配置工程と、前記導電部材の周囲の前記凹部に充填材を充填する充填工程と、前記充填材を乾燥させる乾燥工程と、を有し、前記充填工程中に、または前記充填工程と前記乾燥工程との間に、前記充填材に超音波を印加することを特徴とする。
この発明によれば、充填工程中に、または充填工程と乾燥工程との間に、充填材に超音波を印加するので、超音波によって凹部内の充填材を振動させることで、充填材を流動させて凹部内の空隙に流入させることができる。またこのとき、超音波によって振動させられた充填材が発熱するので、充填材の粘度が低下して充填材が流動し易くなり、充填材を円滑に流動させて凹部内の空隙に効果的に流入させることができる。
以上より、充填材を流動させて凹部内の空隙に流入させ、充填材を凹部内の隅々まで行きわたらせることが可能になり、貫通電極における空隙の発生を抑制することができる。
また、このように貫通電極における空隙の発生を抑制することができるので、貫通電極の導通不良が抑制されるとともに強度が高められ、かつキャビティ内の気密が維持された高品質なパッケージを製造することができる。
また、前述したように充填材を流動させて凹部内の空隙に流入させることができるので、溶質または分散質の含有比率が大きく粘度が高い充填材を用いても、充填材を凹部内の隅々まで行きわたらせることができる。したがって、充填材中の溶質または分散質の含有比率を大きくすることで、乾燥工程時の充填材の凹み量を抑制することが可能になり、充填工程の反復を抑制することができる。また、このように充填工程の反復を抑制することができるので、凹部の充填に必要な充填材の使用量を抑制することができる。
以上より、パッケージ製造の低コスト化を図ることができる。
また、前記充填工程の際、大気圧未満の圧力下で前記充填材を前記凹部に充填しても良い。
この場合、充填工程の際、大気圧未満の圧力下で充填材を凹部に充填するので、充填材が脱気され、充填材中の気泡を除去することができる。また、このように充填工程を大気圧未満の圧力下で行うことで、大気圧下で行う場合に比べて、凹部内に存在する空気を少なくすることができる。
以上より、大気圧下で充填工程を行う場合に比べて、充填材を凹部内にスムーズに充填することが可能になり、充填材を凹部内の隅々まで確実に行きわたらせることができる。
また、本発明に係る圧電振動子の製造方法は、前記パッケージの製造方法を実施する工程と、前記電子部品としての圧電振動片を前記貫通電極に実装しつつ前記キャビティの内部に配置する工程とを有することを特徴とする。
この発明によれば、高品質化を図ることができるパッケージの製造方法を採用しているので、高品質な圧電振動子を提供することができる。
また、本発明に係る発振器は、前記圧電振動子の製造方法で製造された圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする。
また、本発明に係る電子機器は、前記圧電振動子の製造方法で製造された圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする。
また、本発明に係る電波時計は、前記圧電振動子の製造方法で製造された圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明に係る発振器、電子機器および電波時計によれば、高品質な圧電振動子を用いているため、高品質化を図ることができる。
本発明に係るパッケージの製造方法によれば、貫通電極における空隙の発生を抑制することができる。
また、本発明に係る圧電振動子の製造方法によれば、高品質な圧電振動子を提供することができる。
さらに、本発明に係る発振器、電子機器および電波時計によれば、高品質化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る圧電振動子を示す外観斜視図である。 図1に示す圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態の平面図である。 図2のA−A線における断面図である。 図1に示す圧電振動子の分解斜視図である。 圧電振動片の平面図である。 圧電振動片の底面図である。 図5のB−B線における断面図である。 本発明の一実施形態に係る圧電振動子の製造方法のフローチャートである。 ウエハ体の分解斜視図である。 鋲体配置工程を表す説明図である。 貼付工程を表す説明図である。 充填工程を表す説明図である。 充填工程を表す説明図である。 発振器の一実施形態を示す構成図である。 電子機器の一実施形態を示す構成図である。 電波時計の一実施形態を示す構成図である。 本発明の一実施形態に係る圧電振動子の製造方法の変形例のフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態につき図面を参照して説明する。
(圧電振動子)
図1から図4に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、互いに接合された複数の基板2、3の間に形成されたキャビティC内に、電子部品としての圧電振動片4が封入されたパッケージ5を備える表面実装型の構成とされている。パッケージ5は、ベース基板(第1基板)2とリッド基板3とで2層に積層された箱状に形成されている。なお、図4においては、図面を見易くするために後述する励振電極15、引き出し電極19、20、マウント電極16、17及び重り金属膜21の図示を省略している。
図5から図7に示すように、圧電振動片4は、水晶やタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。
この圧電振動片4は、平行に配置された一対の振動腕部10、11と、一対の振動腕部10、11の基端側を一体的に固定する基部12と、一対の振動腕部10、11の外表面上に形成されて一対の振動腕部10、11を振動させる第1の励振電極13と第2の励振電極14とからなる励振電極15と、第1の励振電極13及び第2の励振電極14に電気的に接続されたマウント電極16、17とを有している。
また、本実施形態の圧電振動片4は、一対の振動腕部10、11の両主面上に、振動腕部10、11の長手方向に沿ってそれぞれ形成された溝部18を備えている。この溝部18は、振動腕部10、11の基端側から略中間付近まで形成されている。
励振電極13、14は、図5および図6に示すように、一対の振動腕部10、11の主面上に形成される。励振電極13、14は、例えば、クロム(Cr)等の単層の導電性膜により形成される。第1の励振電極13と第2の励振電極14とからなる励振電極15は、一対の振動腕部10、11を互いに接近または離間する方向に所定の共振周波数で振動させる電極であり、一対の振動腕部10、11の外表面に、それぞれ電気的に切り離された状態でパターニングされて形成されている。具体的には、第1の励振電極13が、一方の振動腕部10の溝部18上と他方の振動腕部11の両側面上とに主に形成され、第2の励振電極14が、一方の振動腕部10の両側面上と他方の振動腕部11の溝部18上とに主に形成されている。
また、第1の励振電極13及び第2の励振電極14は、基部12の両主面上において、それぞれ引き出し電極19、20を介してマウント電極16、17に電気的に接続されている。そして圧電振動片4は、このマウント電極16、17を介して電圧が印加されるようになっている。
なお、マウント電極16、17及び引き出し電極19、20は、例えばクロム(Cr)と金(Au)との積層膜であり、水晶と密着性の良いクロム膜を下地として成膜した後に、表面に金の薄膜を施したものである。
また、一対の振動腕部10、11の先端には、自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振動するように調整(周波数調整)を行うための重り金属膜21が被膜されている。なお、この重り金属膜21は、周波数を粗く調整する際に使用される粗調膜21aと、微小に調整する際に使用される微調膜21bとに分かれている。これら粗調膜21a及び微調膜21bを利用して周波数調整を行うことで、一対の振動腕部10、11の周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に収めることができる。
このように構成された圧電振動片4は、図3および図4に示すように、金等のバンプBを利用して、ベース基板2の内面(上面)にバンプ接合されている。より具体的には、ベース基板2の内面にパターニングされた後述する引き回し電極36、37上に形成された2つのバンプB上に、一対のマウント電極16、17がそれぞれ接触した状態でバンプ接合されている。
リッド基板3は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる透明の絶縁基板であり、図1、図3および図4に示すように、板状に形成されている。そして、ベース基板2が接合される接合面側には、圧電振動片4が収まる矩形状の凹部3aが形成されている。この凹部3aは、両基板2、3が重ね合わされたときに、圧電振動片4を収容するキャビティCとなるキャビティ用の凹部である。
また、図3に示すように、リッド基板3のベース基板2との接合面には、陽極接合用の接合膜35が形成されている。接合膜35は、例えばアルミニウム等の導電性材料からなり、スパッタやCVD等の成膜方法により形成される。なお、凹部3aの内面全体に形成してもよい。これにより、接合膜35のパターニングが不要になり、製造コストを低減することができる。
そして、リッド基板3は、凹部3aをベース基板2側に対向させた状態で、接合膜35を介してベース基板2に陽極接合されている。
ベース基板2は、リッド基板3と同様に、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる透明な絶縁基板であり、図1から図4に示すように、板状に形成されている。
図3に示すように、このベース基板2には、ベース基板2を貫通する一対の貫通孔30、31が形成されている。貫通孔30は、ベース基板2の内面から外面(下面)に向けて漸次拡径する逆テーパ状に形成されている。図2に示すように、本実施形態の貫通孔30、31は、マウントされた圧電振動片4の基部12側に対応した位置に一方の貫通孔30が形成され、振動腕部10、11の先端側に対応した位置に他方の貫通孔31が形成されている。
そして図3に示すように、これら一対の貫通孔30、31には、貫通孔30、31を埋めるように一対の貫通電極32、33が形成されている。これら貫通電極32、33は、ベース基板2を厚さ方向に貫通し、キャビティCの内側と圧電振動子1の外側とを導通する。また貫通電極32、33は、焼成によって貫通孔30、31に対して一体的に固定された筒体6及び芯材部7によって形成されたものであり、貫通孔30、31を完全に塞いでキャビティC内の気密を維持しているとともに、後述する外部電極38、39と引き回し電極36、37とを導通させる役割を担っている。
筒体6は、後述するペースト状のガラスフリット6a(図12参照)が焼成されたものである。筒体6は、両端が平坦で且つベース基板2と略同じ厚みの円筒状に形成されている。そして、筒体6の中心には、芯材部7が筒体6を貫通するように配されている。筒体6および芯材部7は、貫通孔30、31内に埋め込まれた状態で焼成されており、貫通孔30、31に対して強固に固着されている。
芯材部7は、ステンレスや銀、Ni合金、アルミ等の金属材料により円柱状に形成された導電性の芯材であり、筒体6と同様に両端が平坦で、且つベース基板2の厚みと略同じ厚さとなるように形成されている。この芯材部7は、筒体6の略中心6cに位置しており、筒体6の焼成によって筒体6に対して強固に固着されている。なお、貫通電極32、33は、導電性の芯材部7を通して電気導通性が確保されている。また、芯材部7を形成する金属材料としては、例えば、鉄(Fe)を58重量パーセント含有し、Niを42重量パーセント含有する合金(42アロイ)も採用することができる。
また図4に示すように、一対の引き回し電極36、37は、一対の貫通電極32、33のうち、一方の貫通電極32と圧電振動片4の一方のマウント電極16とを電気的に接続するとともに、他方の貫通電極33と圧電振動片4の他方のマウント電極17とを電気的に接続するようにパターニングされている。
より詳しく説明すると、一方の引き回し電極36は、圧電振動片4の基部12の真下に位置するように一方の貫通電極32の真上に形成されている。また、他方の引き回し電極37は、一方の引き回し電極36に隣接した位置から、振動腕部10、11に沿って前記振動腕部10、11の先端側に引き回しされた後、他方の貫通電極33の真上に位置するように形成されている。
そして、これら一対の引き回し電極36、37上にそれぞれバンプBが形成されており、バンプBを利用して圧電振動片4がマウントされている。これにより、圧電振動片4の一方のマウント電極16が、一方の引き回し電極36を介して一方の貫通電極32に導通し、他方のマウント電極17が、他方の引き回し電極37を介して他方の貫通電極33に導通するようになっている。
また、ベース基板2の外面には、図1、図3および図4に示すように、一対の貫通電極32、33に対してそれぞれ電気的に接続される外部電極38、39が形成されている。つまり、一方の外部電極38は、一方の貫通電極32及び一方の引き回し電極36を介して圧電振動片4の第1の励振電極13に電気的に接続されている。また、他方の外部電極39は、他方の貫通電極33及び他方の引き回し電極37を介して、圧電振動片4の第2の励振電極14に電気的に接続されている。
このように構成された圧電振動子1を作動させる場合には、ベース基板2に形成された外部電極38、39に対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片4の第1の励振電極13及び第2の励振電極14からなる励振電極15に電圧を印加することで、一対の振動腕部10、11を接近・離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部10、11の振動を利用して、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源等として利用することができる。
(圧電振動子の製造方法)
次に、本実施形態における圧電振動子の製造方法(パッケージの製造方法)について、図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
初めに、圧電振動片作製工程S10を行って図5から図7に示す圧電振動片4を作製する。具体的には、まず水晶のランバート原石を所定の角度でスライスして一定の厚みのウエハとする。続いて、このウエハをラッピングして粗加工した後、加工変質層をエッチングで取り除き、その後ポリッシュ等の鏡面研磨加工を行って、所定の厚みのウエハとする。続いて、ウエハに洗浄等の適切な処理を施した後、ウエハをフォトリソグラフィ技術によって圧電振動片4の外形形状でパターニングするとともに、金属膜の成膜及びパターニングを行って、励振電極15、引き出し電極19、20、マウント電極16、17、重り金属膜21を形成する。これにより、複数の圧電振動片4を作製することができる。
また、圧電振動片4を作製した後、共振周波数の粗調を行っておく。これは、重り金属膜21の粗調膜21aにレーザ光を照射して一部を蒸発させ、重量を変化させることで行う。なお、共振周波数をより高精度に調整する微調に関しては、マウント後に行う。
次に図9に示すように、上記工程と同時或いは前後のタイミングで、後にリッド基板3(図3参照)となるリッド基板用ウエハ50を、陽極接合を行う直前の状態まで作製する第1のウエハ作製工程S20を行う。具体的には、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチング等により最表面の加工変質層を除去した円板状のリッド基板用ウエハ50を形成する(S21)。次いで、リッド基板用ウエハ50の接合面に、エッチング等により行列方向にキャビティ用の凹部3aを複数形成する凹部形成工程S22を行う。次に、ベース基板用ウエハ40との接合面を研磨する接合面研磨工程S23を行う。
次に、ベース基板用ウエハ40との接合面に接合膜35を形成する接合膜形成工程S24を行う。接合膜35は、ベース基板用ウエハ40との接合面に加えて、凹部3aの内面全体に形成してもよい。これにより、接合膜35のパターニングが不要になり、製造コストを低減することができる。接合膜35の形成は、スパッタやCVD等の成膜方法によって行うことができる。なお、接合膜形成工程S24の前に接合面研磨工程S23を行っているので、接合膜35の表面の平面度が確保され、ベース基板用ウエハ40との安定した接合を実現することができる。
以上で第1のウエハ作製工程S20が終了する。
次に、上記工程と同時或いは前後のタイミングで、後にベース基板2(図3参照)となるベース基板用ウエハ(第1基板)40を、陽極接合を行う直前の状態まで作製する第2のウエハ作製工程S30を行う。まず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチング等により最表面の加工変質層を除去した円板状のベース基板用ウエハ40を形成する(S31)。
次に図3に示すように、ベース基板用ウエハ40に貫通電極32、33を形成する貫通電極形成工程S32を行う。以下に、貫通電極形成工程S32について詳細を説明する。
貫通電極形成工程S32では、まず図10に示すように、例えばサンドブラスト法等により、ベース基板用ウエハ40に貫通孔30、31を形成する貫通孔形成工程(凹部形成工程)S32Aを行う。このとき本実施形態では、ベース基板用ウエハ40の内面(第1面)40a側から、内面40aとは反対の外面(第2面)40b側に向けて漸次拡径する逆テーパ状に貫通孔30、31を形成する。なお、ベース基板用ウエハ40の外面40bおよび内面40aはそれぞれ、後のベース基板2の外面および内面となる。
次いで、芯材部7と、表面に芯材部7が立設された土台部8と、を備える導電性の鋲体(導電部材)9を、貫通孔30、31に配置する鋲体配置工程(導電部材配置工程)S32Bを行う。なお図示の例では、鋲体9の芯材部7は、円柱状に形成されるとともに、土台部8は円盤状に形成されており、芯材部7は、土台部8の表面の中央部に土台部8の法線方向に沿って立設されている。
この工程では、ベース基板用ウエハ40の内面40a側から鋲体9の芯材部7を貫通孔30、31内に挿入するとともに、土台部8の表面をベース基板用ウエハ40の内面40aに当接させる。なお芯材部7の先端は、貫通孔30、31内に位置しており、芯材部7は、ベース基板用ウエハ40から外面40b側に張り出していない。
次いで図11に示すように、鋲体9の土台部8を覆うように、ベース基板用ウエハ40の内面40aにラミネート材70を貼付する貼付工程S32Cを行う。このとき、例えばラミネート材70を、ベース基板用ウエハ40の内面40aの全面にわたって貼付する。これにより、ベース基板用ウエハ40の内面40aに土台部8の表面を強く押し当てることができる。
なおラミネート材70としては、例えば、紙製のテープ本体にアクリル系などの熱可塑性粘着剤が塗布されたもの等を採用することができる。
次いで図12に示すように、芯材部7の周囲の貫通孔30、31にペースト状のガラスフリット6aを充填する充填工程S32Dを行う。このとき本実施形態では、真空スクリーン印刷機80を用いて、大気圧未満の圧力下でガラスフリット6aを貫通孔30、31に充填する。ここで真空スクリーン印刷機80は、図示しないチャンバーを備えており、このチャンバー内には、ベース基板用ウエハ40が載置される超音波ステージ81と、ガラスフリット6aを貫通孔30、31内に充填するスキージ82と、が設けられている。なおガラスフリット6aは、例えば、主に粉末状のガラス粒子(溶質、分散質)と、有機溶剤と、バインダと、で構成されている。
この充填工程S32Dでは、まず、ラミネート材70が貼付されたベース基板用ウエハ40を、前記チャンバー内の超音波ステージ81上に配置し、このチャンバー内を大気圧未満の圧力下(例えば、0.1〜100torr)に減圧する。次いで、ガラスフリット6aをベース基板用ウエハ40の外面40b側から塗布する。このとき、貫通孔30、31内にガラスフリット6aが充填されるように多めに塗布し、貫通孔30、31内からガラスフリット6aを溢れ出させ、貫通孔30、31内だけでなくベース基板用ウエハ40の外面40b上にも塗布する。
次いで、ベース基板用ウエハ40の外面40b上でスキージ82を走査させることで、スキージ82によってガラスフリット6aを貫通孔30、31内に押し流すように流動させ、ガラスフリット6aを貫通孔30、31内に充填する。このとき、ラミネート材70によって、ベース基板用ウエハ40の内面40aに土台部8の表面が強く押し当てられているので、ベース基板用ウエハ40の内面40a側からガラスフリット6aが漏出するのを抑制することができる。
なおこの充填工程S32Dでは、スキージ82を、ベース基板用ウエハ40において貫通孔30、31が形成された領域上で、複数回、多方向に走査させても良い。また、スキージ82の先端をベース基板用ウエハ40の外面40bに押し当てて、ベース基板用ウエハ40上の余分なガラスフリット6aを除去しながらスキージ82を走査させても良い。
そして本実施形態では、この充填工程S32D中に、貫通孔30、31内のガラスフリット6aに超音波Sを印加する。図示の例では、真空スクリーン印刷機80には、超音波ステージ81に超音波Sを印加する図示しない印加手段が備えられており、この印加手段が、超音波ステージ81、ラミネート材70、鋲体9を介してガラスフリット6aに超音波Sを印加する。この超音波Sは、例えば、振幅が5〜50μm、振動数が10〜100kHzとなっている。
すると、超音波Sによって貫通孔30、31内のガラスフリット6aが振動させられることとなる。このように貫通孔30、31内のガラスフリット6aを振動させることで、ガラスフリット6aを流動させて貫通孔30、31内の空隙6bに流入させることができる。またこのとき、超音波Sによって振動させられたガラスフリット6aが発熱するので、ガラスフリット6aの粘度が低下してガラスフリット6aが流動し易くなり、ガラスフリット6aを円滑に流動させて貫通孔30、31内の空隙6bに効果的に流入させることができる。
なお超音波Sは、例えば、ガラスフリット6aを塗布して以降、印加し続けても良いし、スキージ82を走査させながら印加しても良いし、スキージ82を複数回走査させる場合には、スキージ82の走査と走査との間に印加しても良い。
次いで、ガラスフリット6aを乾燥させる乾燥工程S32Eを行う。このとき例えば、ベース基板用ウエハ40を前記チャンバーから取り出し、図示しない恒温槽内に搬送した後、85℃程度の雰囲気下に30分程度保持することでガラスフリット6aを仮乾燥する。一般に、ガラス粒子の溶融温度は約400℃から500℃程度であり、仮乾燥時の温度である85℃よりもはるかに高い。したがって、仮乾燥時にガラスフリット6aは溶融しない。一方、ガラスフリット6aの有機溶剤の沸点は85℃よりも低い。したがって、仮乾燥時に有機溶剤はある程度蒸発してガスとなる。このガスは、ガラスフリット6aの外部に放出される。
ここで乾燥工程S32Eの後に、貫通孔30、31に充填されたガラスフリット6aの外面40b側の表面が大きく凹むことがある。この場合、この凹みを埋め込むように、前記充填工程S32Dおよび前記乾燥工程S32Eを反復しても良い。
また乾燥工程S32Eの後に、ベース基板用ウエハ40の外面40b上にガラスフリット6aが残存していることがある。この場合、外面40b上のガラスフリット6aは後述する焼成後の研磨工程S32Hによって除去されるため、別途ガラスフリット6aを除去する工程を行なう必要はない。但し、別途ガラスフリット6aを除去する工程を追加することで、後述する焼成工程S32Fにおいて、ガラスフリット6aの焼成時間を短縮できるとともに、研磨工程S32Hの研磨に要する時間も短縮することができる。
以上のようにして貫通孔30、31内にガラスフリット6aが充填された後、図13に示すように、ガラスフリット6aを焼成して硬化させる焼成工程S32Fを行う。焼成工程S32Fでは、貫通孔30、31に充填したガラスフリット6aを所定の温度(例えば、610℃)で焼成して硬化させる。この焼成工程S32Fを行うことで、貫通孔30、31および芯材部7にガラスフリット6aが強固に固着して筒体6となり、貫通電極32、33が形成される。
ここで本実施形態では、焼成工程S32F前に、乾燥工程S32Eを行っているので、ガラスフリット6aに含まれる有機溶剤を予め蒸発させておくことが可能になり、焼成工程S32F後に貫通電極32、33(筒体6)表面に凹部が形成されるのを抑制することができる。
続いて、ベース基板ウエハ40の内面40aからラミネート材70を剥離する剥離工程S32Gを行う。このとき、前記焼成工程S32Fにおいてラミネート材70に塗布された熱可塑性粘着剤の粘着力が低下しているため、容易にラミネート材70を剥離することができる。
最後に、ベース基板用ウエハ40および鋲体9の土台部8を研磨する研磨工程S32Hを行う。具体的には、ベース基板用ウエハ40の外面40b側を研磨し、芯材部7の先端を露出させるとともに、鋲体9の土台部8を研磨して除去する。その結果、図3に示すように、筒体6と芯材部7とが一体的に固定された貫通電極32、33を複数得ることができる。
以上で貫通電極形成工程S32が終了する。
次に図9に示すように、引き回し電極形成工程S33として、貫通電極32、33にそれぞれ電気的に接続された引き回し電極36、37を複数形成する。そして、引き回し電極36、37上に、それぞれ金等からなる尖塔形状のバンプBを形成する。なお、図9では、図面の見易さのためバンプBの図示を省略している。この時点で第2のウエハ作製工程が終了する。
次に、ベース基板用ウエハ40の引き回し電極36、37上に、バンプBを介して圧電振動片4を接合する実装工程S40を行い、その後、ベース基板用ウエハ40に対してリッド基板用ウエハ50を重ね合わせる重ね合わせ工程S50を行う。
そして、重ね合わせ工程S50の後、重ね合わせた2枚のウエハを図示しない陽極接合装置に入れ、所定の温度雰囲気で所定の電圧を印加して陽極接合し、ウエハ体60を形成する接合工程S60を行う。ところで、陽極接合を行う際、図3に示すように、ベース基板用ウエハ40に形成された貫通孔30、31は、貫通電極32、33によって完全に塞がれているため、キャビティC内の真空状態が貫通孔30、31を通じて損なわれることがない。しかも、焼成によって筒体6と芯材部7とが一体的に固定されているとともに、これらが貫通孔30、31に対して強固に固着されているため、キャビティC内の真空状態を確実に維持することができる。
そして、上述した陽極接合が終了した後、ベース基板用ウエハ40の外面40bに導電性材料をパターニングして、一対の貫通電極32、33にそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極38、39(図3参照)を複数形成する外部電極形成工程S70を行う。
次に、ウエハ体60の状態で、キャビティC内に封止された個々の圧電振動片4の周波数を微調整して所定の範囲内に収める微調工程を行う(S80)。
周波数の微調が終了後、接合されたウエハ体60を切断線Mに沿って切断して小片化する切断工程を行う(S90)。
その後、内部の電気特性検査(S100)を行うことで、圧電振動子1の製造が終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る圧電振動子の製造方法によれば、充填工程S32D中に、ガラスフリット6aに超音波Sを印加するので、ガラスフリット6aを流動させて貫通孔30、31内の空隙に流入させ、ガラスフリット6aを貫通孔30、31内の隅々まで行きわたらせることが可能になり、貫通電極32、33における空隙の発生を抑制することができる。
また、このように貫通電極32、33における空隙の発生を抑制することができるので、貫通電極32、33の導通不良が抑制されるとともに強度が高められ、かつキャビティC内の気密が維持された高品質なパッケージ5および圧電振動子1を製造することができる。
また、充填工程S32Dの際、大気圧未満の圧力下でガラスフリット6aを貫通孔30、31に充填するので、ガラスフリット6aが脱気され、ガラスフリット6a中の気泡を除去することができる。また、このように充填工程S32Dを大気圧未満の圧力下で行うことで、大気圧下で行う場合に比べて、貫通孔30、31内に存在する空気を少なくすることができる。
以上より、大気圧下で充填工程S32Dを行う場合に比べて、ガラスフリット6aを貫通孔30、31内にスムーズに充填することが可能になり、ガラスフリット6aを貫通孔30、31内の隅々まで確実に行きわたらせることができる。
また、前述したようにガラスフリット6aを流動させて貫通孔30、31内の空隙に流入させることができるので、ガラス粒子の含有比率が大きく粘度が高いガラスフリット6aを用いても、ガラスフリット6aを貫通孔30、31内の隅々まで行きわたらせることができる。したがって、ガラスフリット6a中のガラス粒子の含有比率を大きくすることで、乾燥工程S32E時のガラスフリット6aの凹み量を抑制することが可能になり、充填工程S32Dの反復を抑制することができる。また、このように充填工程S32Dの反復を抑制することができるので、貫通孔30、31の充填に必要なガラスフリット6aの使用量を抑制することができる。
以上より、パッケージ5製造の低コスト化を図ることができる。
なお本実施形態に係る圧電振動子の製造方法によれば、例えば、ガラスフリット6aとして、ガラス粒子の含有比率が約92〜93重量%で、かつ粘度が約120Pa・sの構成を採用しても、貫通電極32、33における空隙の発生が抑制されたことが確認された。ここで従来では、ガラスフリット6aとして、ガラス粒子の含有比率が約88重量%で、かつ粘度が約60Pa・sの構成を採用していたため、本実施形態では、粘度が2倍のガラスフリット6aを採用可能であることが確認された。
(発振器)
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図14を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器110は、図14に示すように、圧電振動子1を、集積回路111に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器110は、コンデンサ等の電子素子部品112が実装された基板113を備えている。基板113には、発振器用の前記集積回路111が実装されており、この集積回路111の近傍に、圧電振動子1の圧電振動片4が実装されている。これら電子素子部品112、集積回路111及び圧電振動子1は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
このように構成された発振器110において、圧電振動子1に電圧を印加すると、圧電振動子1内の圧電振動片4が振動する。この振動は、圧電振動片4が有する圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路111に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路111によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子1が発振子として機能する。
また、集積回路111の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
このような本実施形態の発振器110によれば、高品質な圧電振動子1を備えているので、高品質化を図ることができる。
(電子機器)
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図15を参照して説明する。なお電子機器として、前述した圧電振動子1を有する携帯情報機器120を例にして説明する。
始めに本実施形態の携帯情報機器120は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化及び軽量化されている。
次に、本実施形態の携帯情報機器120の構成について説明する。この携帯情報機器120は、図15に示すように、圧電振動子1と、電力を供給するための電源部121とを備えている。電源部121は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部121には、各種制御を行う制御部122と、時刻等のカウントを行う計時部123と、外部との通信を行う通信部124と、各種情報を表示する表示部125と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部126とが並列に接続されている。そして、電源部121によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
制御部122は、各機能部を制御して音声データの送信や受信、現在時刻の計測、表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部122は、予めプログラムが書き込まれたROMと、該ROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、該CPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
計時部123は、発振回路やレジスタ回路、カウンタ回路、インターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えている。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電振動片4が振動し、該振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部122と信号の送受信が行われ、表示部125に、現在時刻や現在日付、カレンダー情報等が表示される。
通信部124は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部127、音声処理部128、切替部129、増幅部130、音声入出力部131、電話番号入力部132、着信音発生部133及び呼制御メモリ部134を備えている。
無線部127は、音声データ等の各種データを、アンテナ135を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部128は、無線部127又は増幅部130から入力された音声信号を符号化及び複号化する。増幅部130は、音声処理部128又は音声入出力部131から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部131は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
また、着信音発生部133は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部129は、着信時に限って、音声処理部128に接続されている増幅部130を着信音発生部133に切り替えることによって、着信音発生部133において生成された着信音が増幅部130を介して音声入出力部131に出力される。
なお、呼制御メモリ部134は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部132は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
電圧検出部126は、電源部121によって制御部122等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部122に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部124を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部126から電圧降下の通知を受けた制御部122は、無線部127、音声処理部128、切替部129及び着信音発生部133の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部127の動作停止は、必須となる。更に、表示部125に、通信部124が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
すなわち、電圧検出部126と制御部122とによって、通信部124の動作を禁止し、その旨を表示部125に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部125の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。
なお、通信部124の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部136を備えることで、通信部124の機能をより確実に停止することができる。
本実施形態の携帯情報機器120によれば、高品質な圧電振動子1を備えているので、高品質化を図ることができる。
(電波時計)
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図16を参照して説明する。
本実施形態の電波時計140は、図16に示すように、フィルタ部141に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、前述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
以下、電波時計140の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ142は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ143によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部141によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子1は、前記搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部148、149をそれぞれ備えている。
更に、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路144により検波復調される。
続いて、波形整形回路145を介してタイムコードが取り出され、CPU146でカウントされる。CPU146では、現在の年や積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC148に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部148、149は、前述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
なお、前述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計140を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子1を必要とする。
本実施形態の電波時計140によれば、高品質な圧電振動子1を備えているので、高品質化を図ることができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、リッド基板用ウエハ50に接合膜35を形成したが、これとは逆に、ベース基板用ウエハ40の内面40aに接合膜35を形成してもよい。この場合は、引き回し電極36、37と接合膜35とが接触しないように、ベース基板用ウエハ40におけるリッド基板用ウエハ50との接合面のみに形成することが好ましい。
また前記実施形態では、貫通孔30、31内に充填される充填材がペースト状の前記ガラスフリットであるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、導電性のペースト(例えば銀ペーストなど)であっても良い。
また前記実施形態では、充填工程S32D中に、ガラスフリット6aに超音波Sを印加するものとしたが、これに代えて図17に示すように、充填工程S32Dと乾燥工程S32Eとの間に、貫通孔30、31内のガラスフリット6aに超音波Sを印加する印加工程S32Iを有していても良い。
また前記実施形態では、貼付工程S32Cを行うものとしたが、行わなくても良い。
また前記実施形態では、貫通電極形成工程S32は、貫通孔形成工程S32Aを有しているものとしたが、これに代えて、ベース基板用ウエハ40の内面40aに非貫通の有底凹部を形成する有底凹部形成工程(凹部形成工程)を有していても良い。この場合、鋲体9に代えて、例えば導電性のピン部材を採用し、鋲体配置工程S32Bに代えて、ベース基板用ウエハ40の内面40a側から前記有底凹部に前記ピン部材を挿入するピン部材配置工程(導電部材配置工程)を有していることが好ましい。またこの場合、研磨工程S32Hの際、ベース基板用ウエハ40の内面40a側および外面40b側をそれぞれ研磨し、前記ピン部材の両端を露出させることが好ましい。
また前記実施形態では、本発明に係るパッケージの製造方法を使用しつつ、パッケージ5の内部に圧電振動片4を封入して圧電振動子1を製造したが、パッケージ5の内部に圧電振動片4以外の電子部品を封入して、圧電振動子以外のデバイスを製造することも可能である。
さらに前記実施形態では、ベース基板2とリッド基板3との間にキャビティCを形成した2層構造タイプの圧電振動子1に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、圧電基板をベース基板とリッド基板とで上下から挟み込むように接合した3層構造タイプの圧電振動子に適用しても構わない。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1 圧電振動子
2 ベース基板(第1基板)
3 リッド基板(基板)
4 圧電振動片(電子部品)
5 パッケージ
6a ガラスフリット(充填材)
9 鋲体(導電部材)
30、31 貫通孔(凹部)
32、33 貫通電極
40 ベース基板用ウエハ(第1基板)
40a 内面(第1面)
40b 外面(第2面)
110 発振器
120 携帯情報機器(電子機器)
140 電波時計
C キャビティ
S 超音波

Claims (6)

  1. 互いに接合された複数の基板の間に形成されたキャビティ内に、電子部品を封入可能なパッケージの製造方法であって、
    前記複数の基板のうち、第1基板を厚さ方向に貫通し、前記キャビティの内側と前記パッケージの外側とを導通する貫通電極を形成する貫通電極形成工程を有し、
    前記貫通電極形成工程は、
    前記第1基板に凹部を形成する凹部形成工程と、
    前記凹部に導電部材を配置する導電部材配置工程と、
    前記導電部材の周囲の前記凹部に充填材を充填する充填工程と、
    前記充填材を乾燥させる乾燥工程と、
    を有し、
    前記充填工程中に、または前記充填工程と前記乾燥工程との間に、前記充填材に超音波を印加することを特徴とするパッケージの製造方法。
  2. 請求項1記載のパッケージの製造方法であって、
    前記充填工程の際、大気圧未満の圧力下で前記充填材を前記凹部に充填することを特徴とするパッケージの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のパッケージの製造方法を実施する工程と、前記電子部品としての圧電振動片を前記貫通電極に実装しつつ前記キャビティの内部に配置する工程とを有することを特徴とする圧電振動子の製造方法。
  4. 請求項3に記載の方法で製造された圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
  5. 請求項3に記載の方法で製造された圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
  6. 請求項3に記載の方法で製造された圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
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