以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係るファクシミリ通信システム1の概略構成を説明するための概要図である。
図1に示すように、ファクシミリ通信システム1は、少なくともファクシミリ通信機能を有する複数の画像処理装置10(画像処理装置(1)10−1、・・・、画像処理装置(N)10−N))(N:2以上の任意の整数)(以下、特定しない画像処理装置を単に画像処理装置10という場合がある。)が、LAN(Local Area Network)などのネットワークNを介して相互に通信可能に接続されて構成されている。
また、各画像処理装置10は、PSTN(Public Switched Telephone Network)やISDN(Integrated Services Digital Network)などの交換機(不図示)を備えた電話交換網2と接続されており、その電話交換網2を介して相手先となる他の画像処理装置(例えば、画像処理装置(X)10−Xなど)とファクシミリ通信可能に接続されている。
なお、ファクシミリ通信システム1は、企業、学校、家庭等の所定組織の管理下に設置されるものである。
図2は、画像処理装置10のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
図2に示すように、画像処理装置10は、一般的に良く知られている複合機(MFP:Multi Function Peripherals)のハードウェア構成となっており、例えば、制御部11と、この制御部11とバスラインBLなどを介して接続される操作表示部12、通信I/F部13、エンジン部14等と、電源供給部15などを主体に構成される。
ここで、制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)等を有し、この画像処理装置10全体を制御するコンピュータである。
なお、CPUは、各種演算や各構成要素部に対する各種処理を制御し、ROMは、画像処理装置における各種処理を実行するための制御プログラムなどの各種ファイルを記憶し、RAMは、作業中のデータを一時的に記憶したり、画像処理装置10の起動時などにROMやHDDから読み出された制御プログラムなどを一時的に記憶し、ファクシミリ送信用またはファクシミリ受信用の送信ファイルを一時蓄積する。
操作表示部12は、タッチパネルや複数のキーなどで構成される。なお、タッチパネルは、ユーザが画像処理装置10における各種機能を指定するための各種のユーザインタフェース画面(図3〜図6参照)を表示する。また、複数の押しボタンは、ユーザが各種機能を指定するための各種のキー(スタートキー、テンキー、リセットキー、コピーキー、ファックスキー、プリンタキー、スキャナキー等)を備えている。
図3〜図6は、操作表示部12に表示される各種ユーザインタフェース画面の概略構成を説明するための図であり、図3が、アプリ選択画面S1の一構成例を示し、図4が、ファクシミリ送信設定画面S2の一構成例を示し、図5が、初期設定画面S3の一構成例を示し、図6が、ジョブ実行時の設定画面S4の一構成例を示している。
図3に示すアプリ選択画面S1は、画像処理装置10が起動した場合に操作表示部12のタッチパネル部分に表示される画面であり、ユーザによるコピーやファクシミリ送信などの各種機能(アプリ)の選択を受け付けるための画面である。
なお、図3の例では、コピーやファクシミリ送信などの各種機能を指定するための複数の機能指定ボタン以外にも、初期設定画面S3(図5参照)の表示を指示するための初期設定ボタンや、実行済みジョブ、実行中ジョブ、待機中ジョブ等の各種ジョブの一欄表示を指示するためのジョブ一欄ボタンなどを有している。
図4に示すファクシミリ送信設定画面S2は、アプリ選択画面S1においてユーザによりファクシミリ送信の機能指定ボタンが選択された場合に、操作表示部12のタッチパネル部分に表示される画面であり、ユーザによるファクシミリ送信のための各種設定(宛先の設定、動作条件の設定、送信条件の設定等)を受け付けるための画面である。
なお、図4の例では、予め短縮ダイヤル帳に登録されている複数の宛先(「1.Aさん」、「2.Bさん」、・・・)の中から所望の宛先を選択するための複数の宛先指定ボタンや、読取サイズを指定するための読取サイズボタンや、原稿種別を指定するための文字・写真ボタンや、スキャン詳細を指定するためのスキャン詳細ボタンや、送信詳細を指定するための送信詳細ボタンなどを有している。
図5に示す初期設定画面S3は、画像処理装置10を導入した初期状態において電源が投入された場合や、アプリ選択画面S1の初期設定ボタンが選択された場合に操作表示部12のタッチパネル部分に表示される画面であり、ユーザによる各種の初期設定を受け付けるための画面である。
なお、図5の例では、初期設定画面S3の列信化ボタンが選択された場合の初期設定画面S3を示しており、この場合、自己で受付けたファクシミリ送信用の送信ファイルを他の画像処理装置10で一括送信するか/しないかをユーザに設定させるための列信化設定画面をポップアップ表示した様子を示している。
図6に示すジョブ実行時の設定画面S4は、ユーザによりファクシミリ送信のジョブの実行指示を受付けた場合に操作表示部12のタッチパネル部分に表示される画面であり、前記した図5のポップアップ画面と同様の機能画面を表示する。
なお、図5及び図6のポップアップ画面の表示例では、ユーザにより列信化する指定が行われている様子を示している。
図2に戻って、通信I/F(インタフェース)部13は、LANなどのネットワークNと接続されており、他の画像処理装置10との間で各種データの送受信を行うインタフェースである。
エンジン部14は、スキャナユニット141、ファクシミリユニット142、プリンタユニット143等を有している。
ここで、スキャナユニット141は、ユーザによってセットされた原稿を読み取り、当該原稿の画像データを取得するスキャナ機能を実現するためのユニットである。
ファクシミリユニット142は、スキャナユニット141で取得した画像データや、PC(Personal Computer:パーソナルコンピュータ)(不図示)から取得した画像データを、G3規格(Group 3 Facsimile)やG4規格(Group 4 Facsimile)などの一般的に知られているファクシミリ通信プロトコルに従って相手先の画像処理装置10に送信したり、他方、相手先の画像処理装置10から画像データを受信するファクシミリ通信機能を実現するためのユニットである。
プリンタユニット143は、スキャナユニット141で取得した画像データやPCから取得した画像データを、紙などの印刷媒体に印刷するプリンタ機能を実現するためのユニットである。
なお、前記した各種機能ユニットは、一般的に良く知られているハードウェア構成を有しており、例えば、ファクシミリユニット142は、メモリ、符号化・復号化部(不図示)、モデム、DSU(Digital Service Unit:回線終端装置)(不図示)等を有している。
ここで、メモリは、ファクシミリ送信する画像データやファクシミリ受信した画像データを記憶(蓄積)する記憶手段である。
符号化・復号化部は、一定の符号化方式に基づいてファクシミリ送信する画像データを圧縮したり、ファクシミリ受信した画像データを復元する。
モデムは、NCU(Network Control Unit:網制御装置)を内蔵し、符号化・復号化部や、PSTNなどの電話交換網2と接続され、ファクシミリ送信する画像データをPSTN用の音声帯域信号に変換したり、受信したPSTN用の音声帯域信号からファクシミリ受信した画像データを再生する変換を行う。
DSUは、NCUを内蔵し、ISDNなどの電話交換網2と接続され、ファクシミリ送信する画像データをISDN用の信号に変換したり、受信したISDN用の信号からファクシミリ受信した画像データを再生する変換を行う。
電源供給部15は、商用電源などの電源からの電圧を画像処理装置10の内部回路に供給する直流電圧に変換して出力する。
図7は、第1の実施形態に係る画像処理装置10の機能的構成を説明するための機能ブロック図である。
図7に示すように、画像処理装置10は、機能的構成として、例えば、送信先設定部101、ジョブ管理部102、転送判定部103、機器能力取得部104、送信先情報取得部105、ジョブ制御部106、送信ファイル転送部107、読取部108、ファクシミリ送信部109、機器能力保持部110、転送設定部111、ファクシミリ受信部112、印刷部113、送信ファイル受信部114等を有している。
なお、前記した各機能構成部101〜114は、制御部11のCPUが、ROMやHDDなどから所定のプログラムを読みだしてRAM上に展開して実行することにより実現される。
ここで、送信先設定部101は、操作部のキー押下情報を受け、画面表示、画面遷移をし、送信先を設定するとともに、ジョブ管理部102への実行制御指示を伝達する。
ジョブ管理部102は、ジョブの実行管理を行うとともに、複数のジョブが実行される際の実行順を管理する。
転送判定部103は、所定の列信委譲条件の成立の可否により、自己で受付けたファクシミリ送信用の画像データを他の画像処理装置10に転送するか否かの転送判定を実行する。
機器能力取得部104は、ネットワークNで接続される他の画像処理装置10との通信により、他の画像処理装置10が保持している機器能力情報(図8参照)や、他の画像処理装置10の最新の機器状態情報などを取得する。
送信先情報取得部105は、ネットワークNで接続される他の画像処理装置10との通信により、他の画像処理装置10においてファクシミリ送信が待機中である待機中ジョブ即ち、まだファクシミリ送信動作に入っていないジョブの送信先情報(図11参照)を取得する。
ジョブ制御部106は、入力と出力とを組み合わせたジョブ、即ち、ファクシミリ送信用のジョブや、コピー印刷用のジョブや、ファクシミリ受信用のジョブなどの各種ジョブの実行を制御する。
送信ファイル転送部(列信委譲手段)107は、自己で受付けたファクシミリ送信用の画像データの一括送信(列信送信)を他の画像処理装置10に委譲するものであり、より具体的には、自己で受付けたファクシミリ送信用の画像データ及びそのジョブ情報から成る送信ファイルと、列信送信の委譲を指示する情報とを含む列信委譲指示情報を、他の画像処理装置10に転送する。
読取部108は、スキャナユニット141を制御して原稿を読取り、自己で取り扱い可能な形式の画像データを生成する。
ファクシミリ送信部109は、ファクシミリユニット142を制御してファクシミリ送信用の画像データを電話交換網2に送出する。なお、このファクシミリ送信部109は、列信送信部109aを有している。
この列信送信部109aは、送信ファイル受信部114で受信した列信送信対象となる画像データ及び自己における列信送信対象となる画像データを収集し、該収集した列信送信対象となる複数の画像データを同一宛先に対して列信送信する処理を実行する。
即ち、この列信送信部109aは、ネットワークNに接続される自己を含む複数の画像処理装置10において、同一宛先に対するファクシミリ送信用の画像データが複数ある場合に、それら複数の画像データを収集する収集手段と、その収集手段で収集した複数の画像データを前記同一宛先に対して列信送信する列信送信手段として機能するものである。
機器能力保持部110は、自己の機器構成の情報、及び、各機器がどのような機能を提供することができるかを示す機器能力情報を保持するとともに、正常動作/故障、サプライ残量等の機器状態を監視して最新の機器状態情報を保持する。
転送設定部111は、自己で受付けたファクシミリ送信用の画像データを他の画像処理装置10に転送して列信送信を委譲するか否かを示す転送設定情報を設定する。
ファクシミリ受信部112は、ファクシミリユニット142を制御して電話交換網2を介してファクシミリ受信用の画像データを受信する。
印刷部113は、プリンタユニット143を制御して画像を印刷する。
送信ファイル受信部114は、他の画像処理装置10から転送されてきた送信ファイル(列信送信対象となる画像データ及びそのジョブ情報)を受信する。
図8〜図11は、前記した機能構成部において処理される各種情報の概略構成を示す図であり、図8が、機器能力情報I1の一構成例を示し、図9が、ジョブ情報I2の一構成例を示し、図10が、ジョブ情報に含まれる送信条件情報I3の一構成例を示し、図11が、送信条件情報I3に含まれる送信先情報I4の一構成例を示している。
図8に示す機器能力情報I1は、画像処理装置10の機器能力を示す情報であり、例えば、機器の名称を示す機器名情報(例えば、「部署代表FAX」など)と、機器が有する機能の名称を示す機能名情報(例えば、「列信送信」など)と、各機能を提供できるか否かを示す能力有無情報(例えば、「あり」や「なし」など)と、各機能を提供できる状態であるか否かを示す機器状態情報(例えば、「使用可」や「使用不可」など)などから構成される。
なお、能力有無情報における「あり」は、各機能を提供する能力がある場合を示しており、他方、「なし」は、各機能を提供する能力がない場合を示している。また、機器状態情報における「使用可」は、各機能を提供できる状態にある場合を示しており、他方、「使用不可」は、各機能を提供できる状態にない場合を示している。従って、能力有無情報に「なし」が設定されている場合には、機器状態情報に「使用不可」が設定される。
一方、能力有無情報に「あり」が設定されている場合は、機器の構成や状態に応じて、機器状態情報に「使用可」以外にも「使用不可」が設定される場合がある。
図9に示すジョブ情報I2は、ジョブ情報を示す情報であり、例えば、受付日時(例えば、「2010/04/01」など)、実行状態(例えば、「実行中」や「待機中」など)、実行機器名(例えば、「機器B」など)等を示す実行情報と、オーナー名(例えば、「ABCさん」など)及び受付機器名(例えば、「機器A」など)を示す実行者情報と、条件ID(例えば、「1234」など)、読取条件情報、送信条件情報I3(図10参照)等を示す動作条件情報などから構成される。
図10に示す送信条件情報I3は、送信条件を示す情報であり、例えば、送信先情報I4(図11参照)を含むとともに、優先度(例えば、「普通」など)、解像度(例えば、「200dpi」など)、時刻指定(例えば、「指定する」など)、ファイル名、ファイル形式等の各種条件を示す情報などから構成される。
図11に示す送信先情報I4は、送信先を示す情報であり、例えば、FAX送信やメール送信などの送信種別を示す送信種別情報(例えば、「FAX」など)と、宛先を識別する情報(ファクシミリ番号やメールアドレスなど)を示す宛先情報(例えば、「03−1234−5678」など)と、列信化の対象であるか否かを示す列信送信対象情報(例えば、「対象にする」など)と、送信日を示す送信日情報(例えば、「2010/04/01」など)と、送信時刻を示す送信時刻情報(例えば、「15:30」など)などから構成される。
次に、前記説明した構成のファクシミリ通信システム1における各種処理動作について図12〜図16を用いて説明する。
図12は、ファクシミリ通信システム1における複数の画像処理装置間の列信送信の処理の手順を説明するためのシーケンス図である。
なお、以下の説明では、自己でファクシミリ送信の実行を受け付けた画像処理装置10であって、自己で受付けたファクシミリ送信用の画像データを他の画像処理装置10で列信送信してもらうように他の画像処理装置10に列信委譲する画像処理装置10のことを列信委譲側装置という。なお、図12の例では、画像処理装置(1)10−1が、列信委譲側装置である。
また、前記した列信委譲側装置から列信委譲を受けて、複数の画像処理装置間の列信送信を実行する画像処理装置10のことを列信実行側装置という。なお、図12の例では、画像処理装置(N)10−Nが、列信実行側装置である。
また、送信側となる画像処理装置から送信されてきた画像データを受信する受信側となる画像処理装置10のことを受信側装置という。なお、図12の例では、画像処理装置(X)10−Xが、受信側装置である。
図12に示すように、このシーケンスでは、まず、ユーザが、列信委譲側装置10−1において、ファクシミリ送信を行うための設定操作を行うと(ステップS1)、列信委譲側装置10−1が、ファクシミリ送信の受付処理を行うとともに、(ア)他の画像処理装置10が列信送信できるか否か、(イ)他の画像処理装置10において同一宛先にファクシミリ送信する待機中のジョブがあるか否か、(ウ)自己で受付けたファクシミリ送信を他の画像処理装置10で実行する列信送信の許可設定がされているか否か、などの各種条件を満足するか否かなどによって列信委譲の実行有無を判定する判定処理を行う(ステップS2)。
ステップS2の判定処理において、列信委譲すると判定された場合(1)、列信委譲側装置10−1は、列信実行側装置10−Nに対して、自己で受付けたファクシミリ送信用の画像データの列信送信を委譲する(ステップS3)。即ち、列信委譲側装置10−1は、送信ファイル(列信送信対象となる画像データ及びそのジョブ情報)と列信送信の委譲を指示する情報とを含む列信委譲指示情報を、列信実行側装置10−Nに送信する。
続いて、列信委譲指示情報を受信した列信実行側装置10−Nでは、複数の画像処理装置間の列信送信処理を実行する(ステップS4)。即ち、受信した画像データと、その画像データの宛先と同一の宛先が指定されているファクシミリ送信が待機中の画像データとを、一回の回線接続及びネゴシエーション処理によって一括送信(列信送信)する。
具体的には、ステップS4の処理では、列信実行側装置10−Nと受信側装置10−X間で行われる回線接続及びネゴシエーション処理の送信側処理を行い、その後、列信実行側装置10−Nから受信側装置10−Xに対して、自己(列信実行側装置10−N)で受付けたファクシミリ送信用の画像データ及び列信委譲側装置10−1から受取った画像データを順次送信する送信側処理を行い、続いて、それら複数の画像データの送信が全て完了した後、列信実行側装置10−Nと受信側装置10−X間で行われる回線切断処理の送信側処理を行う。
一方、ステップS2の判定処理において、列信委譲しないと判定された場合(2)、列信委譲側装置10−1は、単独でファクシミリ送信を行う(ステップS5)。即ち、列信委譲側装置10−1は、自己で受付けたファクシミリ送信用の画像データを受信側装置10−Xに送信する。
具体的には、ステップS5の処理では、列信委譲側装置10−1と受信側装置10−X間で行われる回線接続及びネゴシエーション処理の送信側処理を行い、その後、列信実行側装置10−1から受信側装置10−Xに対して、自己(列信委譲側装置10−1)で受付けたファクシミリ送信用の画像データを送信する送信側処理を行い、続いて、その画像データの送信が完了した後、列信実行側装置10−1と受信側装置10−X間で行われる回線切断処理の送信側処理を行う。
なお、受信側装置10−Xでは、ステップS4及びステップS5の処理における受信側の処理を実行する(ステップS6)。即ち、ステップS4の処理に対応する受信側処理では、列信委譲側装置10−1の画像データ及び列信実行側装置10−Nの画像データを、一回の回線接続及びネゴシエーション処理によって受信し、他方、ステップS5の処理に対応する受信側処理では、列信委譲側装置10−1の画像データを受信する。
図13は、図12のシーケンスにおける列信委譲側装置の処理手順の詳細を説明するためのフローチャートである。
図13に示すように、列信委譲側装置10−1では、ステップS11において、ユーザからのファクシミリ送信の設定を受け付ける。
具体的には、ステップS11の処理では、アプリ選択画面S1の「ファクシミリ送信」機能ボタンがユーザによって選択されると、送信先設定部101が、ジョブ情報の一部であるファクシミリ送信用の動作条件を記憶する動作条件エリアをRAMなどの一時記憶手段上に作成する。続いて、送信先設定部101は、ファクシミリ送信設定画面S2を操作表示部12に表示させる。続いて、送信先設定部101は、ファクシミリ送信設定画面S2でユーザにより指定された種々の設定情報(宛先情報、読取条件、送信条件等の設定情報)を、前記した動作条件エリアに記憶する。
そして、動作条件の設定が終了してユーザにより操作表示部12のスタートキー(不図示)が押下される、即ち、ファクシミリ送信の実行が指示されると、送信先設定部101は、それ以降、ジョブの実行中に不用意に設定内容が変更されないように、その時点で保持している動作条件に対する設定変更の受付を不可状態にする。その後、送信先設定部101は、ジョブ管理部102に動作条件情報を渡して、ジョブ実行を指示する。すると、ジョブ管理部102は、転送判定部103に動作条件を渡して、転送判定の実行を指示する。
続いて、ステップS12において、転送判定部103は、自己で受付けたファクシミリ送信用の画像データを他の画像処理装置10で列信送信するか否か、即ち、他の画像処理装置10に対する列信委譲を実行するか否かの判定処理を行う。
図14は、前記したステップS12の列信委譲の実行有無判定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
図14に示すように、列信委譲の実行有無判定処理においては、まず、ステップS121において、転送判定部103が機器能力取得部104に対して機器能力の取得指示を行うと、機器能力取得部104が、LANなどのネットワークNに接続されている他の画像処理装置10に対して機器能力情報の取得要求を行って、他の画像処理装置10から機器能力情報を取得してRAMなどの記憶手段に一時記憶する。
なお、機器能力情報の取得要求を受信した他の画像処理装置10では、自己の機器能力保持部110が保持する機器能力情報を、当該取得要求を送出した画像処理装置10に返信する。
続いて、ステップS122において、転送判定部103は、受信した機器能力情報に基づいて、本実施形態の特徴である複数の画像処理装置10間における列信送信を実行するための列信送信機能を有した画像処理装置10が存在するか否かを判定する。
この判定の結果、列信送信機能を有する画像処理装置10が存在すると判定された場合(ステップS122:YES)、続いて、ステップS123において、転送判定部103が送信先情報取得部105に対して送信先情報の取得指示を行うと、送信先情報取得部105が、列信送信機能を有する他の画像処理装置10に対してファクシミリ送信が待機中である画像データの送信先情報の取得要求を行い、その画像処理装置10から送信先情報を取得してRAMなどの記憶手段に一時記憶する。
なお、送信先情報の取得要求を受信した他の画像処理装置10では、ジョブ管理部102が管理するファクシミリ送信用のジョブのうち、送信動作に入っていない1又は複数の待機中のジョブを検索し、そのジョブに対応した画像データの送信先情報を、当該取得要求を送出した画像処理装置10に返信する。
続いて、ステップS124において、転送判定部103は、受信した送信先情報に基づいて、他の画像処理装置10における待機中のジョブの送信先情報と、自己で受付けたファクシミリ送信用の画像データの送信先情報とに所定の共通点が有るか否か、即ち、前記待機中ジョブの中に、自己で受付けたファクシミリ送信用の画像データの宛先(ファクシミリ番号)と同一の宛先(ファクシミリ番号)が指定されているものが有るか否かを判定する。
この判定の結果、有ると判定された場合(ステップS124:YES)、続いて、ステップS125において、転送判定部103が転送設定部111に対して転送設定情報(列信化を許可する/許可しないを示す情報)の取得指示を行うと、転送設定部111が転送設定情報を転送判定部103に転送する。すると、転送判定部103は、取得した転送設定情報に基づいて、転送設定が「列信化を許可する」という列信許可設定になっているか否かを判定する。
この判定の結果、「列信化を許可する」の列信許可設定になっていると判定されると(ステップS125:YES)、転送判定部103は、列信委譲条件が成立したと判定する。即ち、図13のステップS14の判定結果がYESとなる判定結果を得る。
他方、前記したステップS122、ステップS124及びステップS125の判定の結果、それぞれNOと判定された場合(ステップS122:NO、ステップS124:NO、ステップS125:NO、)には、図13のステップS14の判定結果がNOとなる判定結果を得る。
なお、転送判定部103は、列信委譲条件の成立の可否結果をジョブ管理部102に転送する。
図13に戻って、ステップS13において、ジョブの作成及び原稿の読取の処理を実行する。
具体的には、ジョブ管理部102が、受取った列信委譲条件の成立の可否結果に基づいて、ジョブ制御部106に対してジョブ作成の実行を指示する。すると、ジョブ制御部106が、動作条件に従ったファクシミリ送信を実行するためのジョブを作成し、ジョブIDを結果としてジョブ管理部102に返信する。
その後、ジョブ作成が完了すると、ジョブ管理部102がジョブ制御部106に対してジョブIDを指定して、ジョブの実行開始を指示する。すると、ジョブ制御部106が、読取部108に対して原稿の読取の実行を指示する。
すると、読取部108が、スキャナユニット141の駆動を制御してユーザによりセットされた1または複数枚の原稿の読取を実行し、原稿の画像データを生成する。なお、この画像データは、RAMなどの一時記憶手段に一時保持される。なお、全ての原稿の読取及び画像データの生成が完了すると、読取部108は、読取が完了した旨をジョブ制御部106に通知する。
そして、これ以降の処理は、ステップS12の判定結果によって異なり、転送判定部103において、列信委譲条件が成立したという判定結果が得られた場合(ステップS14:YES)、続いて、ステップS15において、自己で受付けたファクシミリ送信用の画像データを他の画像処理装置10に転送して列信送信を委譲するための列信委譲処理を実行する。
具体的には、このステップS15の処理では、ジョブ制御部106が、列信実行側装置10−Nに対してファクシミリ送信の処理を委譲するために、送信ファイル転送部107に対して、ジョブ情報及び画像データから成る送信ファイルの転送を指示する。すると、送信ファイル転送部107が、LANなどのネットワークを介して送信ファイルを含む列信委譲指示情報を列信実行側装置10−Nに転送する。
他方、ステップS12の判定の結果、転送判定部103において、列信委譲条件が成立しないという判定結果が得られた場合(ステップS14:NO)、続いて、ステップS16において、単一装置のファクシミリ送信処理を実行する。
具体的には、このステップS16の処理では、ジョブ制御部106が、ファクシミリ送信部109に対して原稿の読取で取得した画像データを出力し、ファクシミリ送信の実行を指示する。すると、ファクシミリ送信部109は、ファクシミリユニット142を制御して、取得した画像データを電話交換網2に送出する処理を実行する。
図15は、図12のシーケンスにおける列信実行側装置の処理手順の詳細を説明するためのフローチャートである。
図15に示すように、列信実行側装置10−Nでは、ステップS21において、列信委譲側装置10−1から列信委譲指示情報を受信すると、続いて、ステップS22において、列信送信対象となる画像データに対応するジョブの検索処理を実行する。
具体的には、このステップS22の処理では、送信ファイル受信部114が、受信した列信委譲指示情報に基づいてジョブ管理部102に対して列信送信すべき送信ファイルが転送されてきた旨を通知する。すると、ジョブ管理部102が、その時点でファクシミリ送信が待機中である1又は複数のジョブの中から、転送されてきた画像データとともに列信送信する必要のある列信送信対象となるジョブ、即ち、転送されてきた画像データの宛先(ファクシミリ番号)と同一の宛先(ファクシミリ番号)が指定されているジョブを検索する。
続いて、ステップS23において、ステップS22で検索したジョブの画像データと列信委譲側装置10−1から受取った画像データとを一括送信(列信送信)する。
具体的には、このステップS23の処理では、ファクシミリ送信が待機中のジョブの実行の順番がまわってきた場合に、ジョブ制御部106は、ファクシミリ送信部109に対して列信送信の実行を指示する。
すると、ファクシミリ送信部109の列信送信部109aが、列信送信処理を実行する。即ち、列信送信部109aは、列信送信側装置10−Nと受信側装置10−X間で行われる回線接続及びネゴシエーション処理における送信側処理を実行し、その後、まず、自己(列信送信側装置10−N)でファクシミリ送信が待機中であったジョブの画像データを受信側装置10−Xに送信し、次いで、列信委譲側装置10−1から受取った画像データを受信側装置10−Xに送信し、それら複数の画像データの送信が全て完了した後、列信送信側装置10−Nと受信側装置10−X間で行われる回線切断処理における送信側処理を実行する。
即ち、前記説明してきた実施形態によれば、列信委譲側装置10−1で受付けたファクシミリ送信用の画像データと、列信実行側装置10−Nで受付けたファクシミリ送信用の画像データとで一回線を共有することが可能である。これにより、従来に比べて、同一宛先に対するファクシミリ送信の通信効率を向上させることができ、通信費の削減を図ることができる。
なお、前記した実施形態では、宛先、即ち、ファクシミリ番号の全部が同一である複数の画像データを列信送信する形態について説明したが、これ以外にも、例えば、ファクシミリ番号の所定の一部(市外局番など)が同一である複数の画像データを列信送信するような変形形態とすることも可能である。
なお、この変形形態では、前記した図14のステップS124の判定処理における送信先情報の共通点として、「宛先(ファクシミリ番号の全部)」ではなく、「ファクシミリ番号の所定の一部(市外局番)」を設定しておき、ステップS124の判定処理において、転送判定部103が、ファクシミリ番号の市外局番が同一である待機中ジョブが有るか否かという判定処理を行うように構成する。
このような構成によれば、図16に示すように、列信実行側装置10−Nと複数の受信側装置10−P、10−Qとの間に、ファクシミリ送信を中継することが可能な中継側となる画像処理装置(以下、単に「中継側装置」という場合がある。)10−Oが存在するような場合、列信実行側装置10−Nから中継側装置10−Oまで列信送信を実行することにより、列信委譲側装置10−1及び列信実行側装置10−Nが、それぞれの受信側装置(10−P、10−Q)にファクシミリ送信を実行する場合に比べ、中継側装置10−Oまでの通信効率を向上させることができ、通信費の削減を図ることが可能となる。
なお、前記した列信実行側装置10−Nから中継側装置10−Oまでの列信送信においては、画像データだけでなく、各画像データに対応したジョブ情報(特に、宛先(ファクシミリ番号)情報を含む情報)を付加して送信する。これにより、中継側装置10−Oでは、列信実行側装置10−Nから受信した画像データに付加されたジョブ情報に含まれる宛先(ファクシミリ番号)情報の識別処理を行って、それぞれ該当する受信側装置10−P、10−Qに画像データを中継送信する。
また、この変形形態においては、どこの中継側装置に列信送信するかの設定情報として、中継側となる画像処理装置の宛先(ファクシミリ番号)を、列信実行側装置に予め登録しておく。
また、この変形形態においては、中継側装置に列信送信機能を実装しておくことにより、中継側装置が同一宛先に対する複数の画像データを受信した場合の、中継側装置と受信側装置間の通信効率を向上し、通信費の削減を図ることができる。
また、図16の例では、列信実行側装置と受信側装置との間に、中継側装置が一つだけある場合を示したが、これ以外にも、列信実行側装置と受信側装置との間に中継側装置が複数介在するような形態とすることも可能である。
更に、前記した変形形態以外にも、例えば、ファクシミリ番号の全部と送信予定時刻の両者が同一であったり、ファクシミリ番号の一部(市外局番)と送信予定時刻の両者が同一である複数の画像データを列信送信するような変形形態とすることも可能である。
即ち、この変形形態では、図14のステップS124の判定処理において、ファクシミリ番号の全部と送信予定時刻の両者が同一、または、ファクシミリ番号の一部(市外局番)と送信予定時刻の両者が同一である待機中ジョブが有るか否かという判定処理を行うように構成する。
なお、送信予定時刻は、ジョブ管理部102が、自己で処理中のジョブ数などを参照して決定するものであるが、ユーザが明示的に指定することも可能である。なお、ユーザが送信予定時刻を指定した場合には、ジョブ管理部102が、指定された送信予定時刻でファクシミリ送信できるように該当するジョブの実行順を決定する。
また、この変形形態における図14のステップS124の判定処理においては、ユーザが送信予定時刻を指定したか否かに関係なく、ジョブ管理部102で設定された送信予定時刻に基づいて判定されるものである。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図17〜図21を用いて説明する。
即ち、前記した第1の実施形態では、ある画像処理装置(列信委譲側装置)においてファクシミリ送信の受付が行われた場合に、他の画像処理装置(列信実行側装置)に列信送信を委譲する形態について説明したが、これとは別に、第2の実施形態では、ある画像処理装置(列信実行側装置)においてファクシミリ送信の受付が行われた場合に、他の画像処理装置(列信委譲側装置)に対して送信ファイルの転送指示を行って当該他の画像処理装置からファクシミリ送信の委譲を受付ける形態を採用している。
図17は、第2の実施形態に係る画像処理装置10の機能的構成を説明するための機能ブロック図である。
図17に示すように、この場合では、画像処理装置10は、機能的構成として、例えば、送信先設定部101、ジョブ管理部102、受信判定部203、機器能力取得部104、送信先情報取得部105、ジョブ制御部106、送信ファイル転送部107、読取部108、ファクシミリ送信部109、機器能力保持部110、受信設定部211、ファクシミリ受信部112、印刷部113、送信ファイル受信部114、転送指示部115、転送指示受信部116などを備えている。
なお、図7に示す機能構成部と同様の構成については同一の符合を付し、ここでの説明を省略する。
受信判定部203は、他の画像処理装置10のメモリに蓄積されているファクシミリ送信待機中の画像データを、自己の画像処理装置10で受付けたファクシミリ送信用の画像データとともに一括送信(列信送信)するか否かを判定し、一括送信すると判定した場合に、他の画像処理装置10に対して前記待機中の画像データの転送を指示する。
転送指示部(転送指示手段)115は、他の画像処理装置10に対して列信送信の対象となる画像データを含む送信ファイルの転送を指示する転送指示情報を送信する。
転送指示受信部(転送指示受信手段)116は、他の画像処理装置10からの前記転送指示情報を受信する。
図18は、第2の実施形態のファクシミリ通信システム1における複数の画像処理装置間の列信送信の処理の手順を説明するためのシーケンス図であり、図19は、図18のシーケンスにおける列信実行側装置の処理手順の詳細を説明するためのフローチャートであり、図20は、図19のステップS32の列信の実行有無判定処理の詳細を説明するためのフローチャートであり、図21は、図18のシーケンスにおける列信委譲側装置の処理手順の詳細を説明するためのフローチャートである。
なお、第2の実施形態における以下の説明では、他の画像処理装置10に対して画像データの転送指示を行い、その転送指示に応答して他の画像処理装置10から転送されてきた画像データを受信し、該受信した画像データを、自己で受付けたファクシミリ送信用の画像データとともに同一宛先に対して列信送信する画像処理装置10のことを列信実行側装置という。なお、図18の例では、画像処理装置(1)10−1が、列信実行側装置である。
また、前記した第2の実施形態における列信実行側装置10から列信送信の対象となる画像データの転送指示を受け、該当する画像データを列信実行側装置10に転送して列信委譲する画像処理装置10のことを列信委譲側装置という。なお、図18の例では、画像処理装置(N)10−Nが、列信委譲側装置である。
また、第1の実施形態と同様に、画像データを受信する受信側となる画像処理装置10のことを受信側装置という。なお、図18の例では、画像処理装置(X)10−Xが、受信側装置である。
図18に示すように、このシーケンスでは、まず、ユーザが、列信実行側装置10−1において、ファクシミリ送信を行うための設定操作を行うと(ステップS100)、列信実行側装置10−1が、ファクシミリ送信の受付処理を行うとともに、(あ)他の画像処理装置10において同一宛先に対するファクシミリ送信用の画像データがあるか否か、(い)その画像データが一括送信(列信送信)の許可設定がされているものであるか否か、などの各種条件を満足するか否かにより列信を実行する/実行しないを判定する(ステップS200)。
ステップS200の判定処理において、列信実行すると判定された場合(I)、列信側装置10−1は、列信委譲側装置10−Nに対して、列信送信対象となる画像データを含む送信ファイルの転送を指示する転送指示情報を送信する。
続いて、ステップS300において、列信委譲側装置10−Nでは、転送指示情報を受信すると、列信送信対象となる画像データを含む送信ファイルと列信委譲を指示する情報とを含む列信委譲指示情報を列信実行側装置10−1に送信する。
前記列信委譲指示情報を受信した列信実行側装置10−1では、ステップS400において、複数の画像処理装置10間の列信送信を実行する。即ち、受信した画像データと、自己で受付けたファクシミリ送信用の画像データとを一括送信する列信送信を実行する。
具体的には、ステップS400の処理では、図12のステップS4の処理と略同様の処理を実行する。ただし、この場合は、ステップS4の画像データの送信順と異なり、列信実行側装置10−1の送信ファイルを送信してから、列信委譲側10−Nの送信ファイルを送信するようになっている。
一方、ステップS200の判定処理において、列信実行しないと判定された場合(II)、続いて、ステップS500において、図12のステップS5の処理と同様の単独によるファクシミリ送信を実行する。
なお、受信側装置10−Xでは、ステップS400及びステップS500の処理における受信側の処理を実行する(ステップS600)。
図19は、図18のシーケンスにおける列信実行側装置の処理手順の詳細を説明するためのフローチャートである。
図19に示すように、列信実行側装置10−1では、ステップS31において、ユーザからのファクシミリ送信の設定を受け付ける。なお、このステップS31の処理では、図13のステップS11の処理と略同様の処理を行う。ただし、この場合には、ステップS11における転送判定部103が受信判定部203に変更され、ジョブ管理部102は、受信判定部203に動作条件を渡して、受信判定の実行を指示する。
続いて、ステップS32において、受信判定部203は、自己で受付けたファクシミリ送信用の画像データと、他の画像処理装置10の画像データとを一括送信(列信送信)するか否か、即ち、他の画像処理装置10に対して列信送信対象となる画像データの転送指示を実行する否かの判定処理を行う。
図20は、ステップS32の列信の実行有無判定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
図20に示すように、列信の実行有無判定処理においては、まず、ステップS321において、受信判定部203が、ステップS123の処理と同様の処理により、他の画像処理装置10におけるファクシミリ送信が待機中である画像データの送信先情報を取得する。
続いて、ステップS322において、受信判定部203が、受信した送信先情報に基づいて、列信委譲の許可設定がされているジョブがあるか否かを判定し、この判定の結果、列信委譲の許可設定がされているジョブ(以下、列信許可ジョブという場合がある。)があった場合(ステップS322:YES)、続いて、ステップS323において、受信判定部203が、列信許可ジョブの宛先(ファクシミリ番号)が自己で受付けたファクシミリ送信用のジョブの宛先(ファクシミリ番号)と同一であるか否かを判定する。
ステップS323の判定の結果、宛先が同一であると判定された場合(ステップS323:YES)、受信判定部203は、列信実行の条件が成立したと判定する。即ち、図19のステップS34の判定結果がYESとなる判定結果を得る。
他方、ステップS322の判定の結果、列信委譲の許可設定がされていない場合(ステップS322:NO)、及び、ステップS323の判定の結果、宛先が同一でないと判定された場合(ステップS323:NO)、受信判定部203は、列信実行の条件が成立しないと判定する。即ち、図19のステップS34の判定結果がNOとなる判定結果を得る。
なお、受信判定部203は、列信実行条件の成立の可否結果をジョブ管理部102に転送する。
図19に戻って、ステップS33において、図13のステップS13の処理と同様の処理により、ジョブの作成及び原稿の読取の処理を実行する。
そして、これ以降の処理は、ステップS32の判定結果によって異なり、受信判定部203において、列信実行条件が成立したという判定結果が得られた場合(ステップS34:YES)、続いて、ステップS35において、転送指示部115が、該当する他の画像処理装置10、即ち、列信委譲側装置10−Nに対して列信送信対象となる画像データを含む送信ファイルの転送を指示する転送指示情報を送信する。
なお、転送指示受信部116を介して前記転送指示情報を受信した列信委譲側装置10−Nでは、ファクシミリ送信が待機中であるジョブの中から列信送信対象となるジョブを検索し、そのジョブに対応した送信ファイル(列信送信対象となる画像データ及びジョブ情報)と列信委譲を指示する情報とを含む列信委譲指示情報を列信実行側装置10−1に転送する。
続いて、ステップS36において、列信実行側装置10−1では、送信ファイル受信部114が、列信委譲側装置10−Nから列信送信対象となる画像データを含む送信ファイルを受信すると、続いて、ステップS37において、図15のステップS23の処理と同様の処理により、複数の画像処理装置10間の列信送信を実行する。
他方、受信判定部203において、列信実行条件が成立しないという判定結果が得られた場合(ステップS34:NO)、続いて、ステップS38において、図13のステップS16の処理と同様の処理により、単独のファクシミリ送信処理を実行する。
図21は、図18のシーケンスにおける列信委譲側装置の処理手順の詳細を説明するためのフローチャートである。
図21に示すように、列信委譲側装置10−Nでは、ステップS41において、列信実行側装置10−1からの列信送信対象となる画像データの転送を指示する転送指示情報を受信すると、続いて、ステップS42において、列信送信対象となるジョブを検索する検索処理を実行する。そして、検索されたジョブに対応する送信ファイル及び列信委譲を指示する情報を含む列信委譲指示情報を生成し、ステップS43において、送信ファイル転送部107(列信委譲手段)が、その生成した列信委譲指示情報を列信実行側装置10−1に転送する。
以上、例示的な実施形態に基づいて本発明の実施形態を説明したが、本発明の実施形態は前記した実施形態により限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載により表される技術的思想の範囲内において種々の変更、改変を行うことが可能である。
例えば、前記した実施形態では、図13に示す列信委譲の実行有無判定の形態として、図14に示す形態を一例として示したが、これ以外にも、転送判定部103が、判定材料となる全ての情報(他の画像処理装置の能力情報、他の画像処理装置におけるファクシミリ送信待機中のジョブの送信先情報、自己における列信委譲の許可/不許可を示す設定情報)を取得した後に、列信条件の成立/不成立を判定するような形態とすることも可能である。
即ち、そのような形態では、転送判定部103は、取得した情報に基づいて、列信送信機能を有する他の画像処理装置があって、その画像処理装置におけるファクシミリ送信の待機中ジョブの送信先情報に共通点(ファクシミリ番号の全部が同一、または、ファクシミリ番号の市外局番が同一など)があり、且つ、自己において列信委譲の許可設定がされている場合に列信条件が成立したと判定する。
また、前記した実施形態では、ファクシミリ送信の受付があった場合をトリガとして列信送信を実行するような形態について説明したが、これ以外にも、例えば、予めマスタとして設定された画像処理装置が、LANなどのネットワークに接続された他のスレーブとして設定された画像処理装置のファクシミリ送信用のジョブの発生を監視し、同一宛先に対するファクシミリ送信用のジョブが複数ある場合に、他の画像処理装置から列信送信対象となる前記同一宛先へのファクシミリ送信用のジョブを引き取る、即ち、該ジョブの送信ファイルを受信して前記同一宛先に対して列信送信を実行するような形態とすることも可能である。
また、前記した実施形態では、列信委譲側となる画像処理装置10及び列信実行側となる画像処理装置10の両者で共通のハードウェア構成及びソフトウェア構成を有する形態について説明したが、これ以外にも、両者で異なるハードウェア構成及びソフトウェア構成とすることも可能である。
例えば、列信委譲側となる画像処理装置10と、列信実行側となる画像処理装置10とを予め設定するような形態において、列信委譲側装置10の機能的構成として、列信実行側で必要となる構成要素(例えば、図7に示す送信ファイル受信部114)を省略し、他方、列信実行側装置10の機能的構成として、列信委譲側で必要となる構成要素(例えば、図7に示す転送判定部103、送信先情報取得部105、送信ファイル転送部107、転送設定部111等)を省略することも可能である。
また、前記した実施形態では、図14のステップS123の処理における待機中ジョブとは、列信委譲側の画像処理装置10からの送信先情報の要求があった時点において待機中であったジョブのことを示しているが、これ以外にも、送信先情報の要求があった時点から所定時間(例えば、数秒、数分など)が経過するまでの間にファクシミリ送信が実行されないと思われるジョブを、待機中のジョブと設定することも可能である。これにより、列信委譲側の画像処理装置10で送信ファイルの転送判定を行っている間に、待機中ジョブが実行されてしまう事態を未然に防ぐことが可能である。
また、前記した実施形態では、G3及びG4規格に準拠したファクシミリ通信機能を有する画像処理装置10について説明したが、これ以外にも、例えば、G3及びG4のいずれかの規格にのみ対応するものであっても良いし、G1やG2などのその他の規格に対応したものであっても良い。
また、前記した画像処理装置では、PSTNやISDNなどの回線交換網を利用したファクシミリ通信を行う装置の場合について説明したが、これ以外にも、例えば、インターネットを利用したインターネットファクシミリ通信を行う機能、即ち、画像データを電子メールの添付ファイルに変換して送受信するファクシミリ機能を更に備え、それら2種のファクシミリ機能を任意に選択して使用することが可能な画像処理装置とすることも可能である。
また、前記した実施形態では、画像処理装置10として、ファクシミリ機能、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能等を有する複合機である場合について説明したが、これ以外にも、例えば、少なくともファクシミリ機能を有していれば、その他の機能構成の装置であっても良く、ファクシミリ専用のファクシミリ装置などであっても良い。
また、前記した実施形態の画像処理装置10で実行されるプログラムは、ROMなどの記憶手段に予め組み込むように提供してもよいし、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良いし、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成しても良い。
その他、前記した実施形態における画像処理装置のハードウェア及びソフトウェアの構成や、画像処理装置の操作表示部で表示される画面構成や、各機能構成部で処理される各種情報の構成や、各処理手順の順番などは単なる一例として記載したものであり、本発明の実施形態はこれらにより限定されない。