JP2011248059A - 表示制御装置、表示システム及び表示制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光源制御量の導出時間が長くなった場合に、表示装置に表示する画像の明るさとバックライトの光量とが大きく乖離することを防止する。
【解決手段】制御量導出部341が表示装置に表示させる画像の明るさに基づいて光源制御量を導出し、導出された光源制御量を時間フィルタ342が時間軸方向において平滑化する。そして、時間フィルタ342の処理結果に直近に導出された光源制御量(導出値)を反映させる程度を示す係数αは、光源制御量(導出値)の導出時間が長くなるほど高く設定される。このため、光源制御量(導出値)の導出時間が長くなった場合は、光源の光量の調整に用いる光源制御量(使用値)に直近に導出された光源制御量(導出値)が速やかに反映される。その結果、表示装置に表示する画像の明るさとバックライト42の光量とが大きく乖離することを防止できる。
【選択図】図3
【解決手段】制御量導出部341が表示装置に表示させる画像の明るさに基づいて光源制御量を導出し、導出された光源制御量を時間フィルタ342が時間軸方向において平滑化する。そして、時間フィルタ342の処理結果に直近に導出された光源制御量(導出値)を反映させる程度を示す係数αは、光源制御量(導出値)の導出時間が長くなるほど高く設定される。このため、光源制御量(導出値)の導出時間が長くなった場合は、光源の光量の調整に用いる光源制御量(使用値)に直近に導出された光源制御量(導出値)が速やかに反映される。その結果、表示装置に表示する画像の明るさとバックライト42の光量とが大きく乖離することを防止できる。
【選択図】図3
Description
本発明は、表示装置の画面を照明するバックライトを制御する技術に関する。
液晶パネルを用いる表示装置は、通常、バックライトを用いて画面を背面から照明している。表示装置は、バックライトからの光の透過率を画素ごとに変更することで各種内容の表示を実現する。このようなバックライトは、液晶パネルの画面全体を一律の光量で照明することが一般的である。
これに対して、液晶パネルの画面を複数の光源で照明可能にバックライトを構成し、画面に表示される画像における明るさの分布に応じて、各領域に対応する光源の光量を調整する表示制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。具体的には、画像中の明るい領域に対応する光源の光量を比較的大きくし、暗い領域に対応する光源の光量を比較的小さくする。この技術を採用すれば、画面全体を一律の光量で照明した場合と比較して消費電力を有効に低減できる。
上記のように画像の明るさの分布に応じてバックライトの光量の調整を行う場合は、まず、光源の光量を規定するための光源制御量を入力画像に基づいて導出する。次に、画面上のちらつきを防止するため、導出された光源制御量を時間フィルタに通し、時間軸方向において光源制御量を平滑化する。すなわち、時間フィルタによって光源制御量の急激な変化を緩和する。そして、この時間フィルタの演算結果である光源制御量に基づいて、バックライトの光源の光量を調整することになる。
ところで、入力画像に基づく光源制御量の導出時間は一定ではなく処理の対象とする入力画像の内容等によって異なり、1フレーム分の期間以内で完了する場合がある一方で、入力画像によっては数フレーム分の期間が必要となる場合もある。
このように光源制御量の導出時間が長くなる場合においては、その間は時間フィルタの演算を実行することができなくなる。このため、時間フィルタは、光源制御量の導出が完了するまで演算を待機し、光源制御量の導出の完了後に、その導出された光源制御量に基づいて演算を実行する。この場合において時間フィルタの演算結果は、数フレーム前に導出された過去の光源制御量の影響を受けることになる。したがって、時間フィルタの演算結果である光源の光量の調整に用いる光源制御量が、実際に表示装置に表示される画像の明るさと大きく乖離し、不自然な表示がなされる可能性がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、制御量の導出時間が長くなった場合に、表示装置に表示する画像の明るさとバックライトの光量とが大きく乖離することを防止できる表示制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、表示装置の画面を複数の光源で照明するバックライトを制御する表示制御装置であって、前記表示装置に表示させる画像の明るさに基づいて、前記バックライトの光源の光量を規定する制御量を導出する導出手段と、前記導出手段に導出された制御量を、時間軸方向において平滑化する平滑化手段と、前記平滑化手段による処理結果に基づいて、前記光源の光量を調整する調整手段と、前記導出手段による前記制御量の導出時間が長くなるほど、前記平滑化手段の処理結果に直近に導出された制御量を反映させる程度を高くする処理変更手段と、を備えている。
また、請求項2の発明は、表示システムであって、請求項1に記載の表示制御装置と、前記表示制御装置から出力される画像を表示する表示装置と、を備えている。
また、請求項3の発明は、表示装置の画面を複数の光源で照明するバックライトを制御する表示制御方法であって、(a)前記表示装置に表示させる画像の明るさに基づいて、前記バックライトの光源の光量を規定する制御量を導出する工程と、(b)前記(a)工程で導出された制御量を、時間軸方向において平滑化する工程と、(c)前記(b)工程による処理結果に基づいて、前記光源の光量を調整する工程と、(d)前記(a)工程における前記制御量の導出時間が長くなるほど、前記(b)工程の処理結果に直近に導出された制御量を反映させる程度を高くする工程と、を備えている。
請求項1ないし3の発明によれば、制御量の導出時間が長くなるほど、平滑化手段の処理結果に直近に導出された制御量を反映させる程度を高くする。このため、制御量の導出時間が長くなった場合は、バックライトの光源の光量の調整に用いる平滑化手段の処理結果に、直近に導出された制御量が速やかに反映される。その結果、制御量の導出時間が長くなった場合に、表示装置に表示する画像の明るさとバックライトの光量とが大きく乖離することを防止できる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
<1.構成>
図1は、本実施の形態の車載表示システム1の構成を示すブロック図である。車載表示システム1は、例えば、自動車などの車両用のナビゲーションシステムとして構成されており、車両に搭載されて各種の画像を車室内のユーザに表示する機能を有している。例えば、車載表示システム1は、ナビゲーション案内用の地図画像の他、アンテナ91で受信したテレビジョン放送信号に基づく画像、車両に設けられる車載カメラ92で撮影された車両の周辺を示す車両周辺画像、及び、DVDなどの映像ディスク93を読み取った画像などを表示可能となっている。
図1は、本実施の形態の車載表示システム1の構成を示すブロック図である。車載表示システム1は、例えば、自動車などの車両用のナビゲーションシステムとして構成されており、車両に搭載されて各種の画像を車室内のユーザに表示する機能を有している。例えば、車載表示システム1は、ナビゲーション案内用の地図画像の他、アンテナ91で受信したテレビジョン放送信号に基づく画像、車両に設けられる車載カメラ92で撮影された車両の周辺を示す車両周辺画像、及び、DVDなどの映像ディスク93を読み取った画像などを表示可能となっている。
図1に示すように、車載表示システム1は、各種の表示が可能な表示装置4と、表示装置4の表示を制御する表示制御装置3と、表示装置4に表示するための映像ソースを提供する映像提供部2とを備えている。
さらに、車載表示システム1は、システム全体を制御するシステム制御部10を備えている。システム制御部10は、CPU、RAM及びROMなどを備えたマイクロコンピュータで構成される。システム制御部10のCPUが所定のプログラムに従って演算処理を行うことで、システム全体を制御するための各種の制御機能が実現される。システム制御部10は、映像提供部2、表示制御装置3及び表示装置4の動作を統括的に制御する。
表示装置4は、画像を表示する液晶パネル41と、その液晶パネル41の画面を照明するバックライト42とを備えている。この表示装置4の液晶パネル41の画面がユーザである車両の乗員から視認できるように、車載表示システム1は車両のインストルメントパネルなどに設置される。
図2は、表示装置4の構成の概要を示す分解斜視図である。液晶パネル41の画面43は、例えば、縦横の二次元に配列された複数の画素(例えば、横800画素×縦480画素)で構成されている。バックライト42は、このような液晶パネル41の画面43を背面から照明する。液晶パネル41は、このバックライト42からの光の透過率を画素ごとに変更することで、各種内容の表示を実現する。
バックライト42は、LED(Light Emitting Diode)などで構成される複数(本実施の形態では、例えば12個)の光源44を備えている。これら複数の光源44は、画面43の下辺に対応する位置の近傍に、画面43の横方向に沿って一列に並べて配置されている。各光源44の光軸44aは画面43の縦方向に沿っており、各光源44は画面43の上辺に対応する位置に向けて発光する。また、液晶パネル41の画面43は、横方向に光源44と同数の複数の区分領域43aに区分される。複数の光源44は、複数の区分領域43aにそれぞれ対応している。換言すれば、複数の光源44は、画面43に表示する画像を横方向に区分した複数の領域にそれぞれ対応しているとも言える。各光源44は、液晶パネル41の画面43の対応する区分領域43aの照明を主に担うことになる。
また、バックライト42には、各光源44に対応してドライバ(図示省略)が設けられている。ドライバは、対応する光源44が発光する光量を変更することが可能となっている。ドライバは、制御信号としてPWM(Pulse Width Modulation)信号を受信し、対応する光源44の光量をPWM信号が示すデューティ比に応じた光量にする。すなわち、デューティ比が高いほど光量を大きくし、デューティ比が低いほど光量を小さくする。したがって、バックライト42は、液晶パネル41の画面43を、領域に応じて異なる光量で照明可能となっている。
図1に戻り、映像提供部2は、放送受信部21、カメラ入力部22、ディスク読取部23、及び、ナビゲーション部24を備えている。これらの映像提供部2の各部21,22,23,24から出力される画像は、所定の周期の同期信号とともに入力画像として表示制御装置3に入力される。一の同期信号ごとに一の入力画像が表示制御装置3に入力される。このため、時間的に連続して所定の入力周期で入力画像が表示制御装置3に入力されることになる。
入力画像は表示制御装置3において所定の処理が施された後に、表示制御装置3から同期信号とともに連続して出力される。これにより、表示装置4においては、時間的に連続する複数の画像が、動画像として表示される。
放送受信部21は、車両に搭載されたアンテナ91で受信したテレビジョン放送やデータ放送などの放送信号をデコードし、その放送内容を示す画像を取得して表示制御装置3に出力する。
カメラ入力部22は、車載カメラ92と接続され、車載カメラ92で撮影された車両の周辺を示す画像を取得して表示制御装置3に出力する。
ディスク読取部23は、DVDなどの映像ディスク93の読取装置として構成され、映像ディスク93の記録内容を示す画像を取得して表示制御装置3に出力する。
また、ナビゲーション部24は、ナビゲーション案内のための機能を集約した電子基板として構成されている。ナビゲーション部24は、ナビゲーション案内用の地図画像などを表示制御装置3に出力する。
表示制御装置3は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)として構成され、表示対象となる入力画像を処理する機能とともに、バックライト42の動作を制御する機能を有している。
図1に示すように、表示制御装置3は、所定の機能を実現する機能部として、画像入力部31、画像補正部33、及び、バックライト制御部34を備えている。
画像入力部31は、映像提供部2の各部21,22,23,24から映像ソースとしての入力画像を入力する。画像入力部31は、システム制御部10からの指示に基づいてスイッチングを行って、映像提供部2から入力される4種類の映像ソースのいずれか一つを表示すべき対象として選択し、画像補正部33及びバックライト制御部34に供給する。
画像補正部33は、入力画像を増幅して増幅画像を生成し、増幅画像を表示装置4の液晶パネル41に出力して表示させる。また、バックライト制御部34は、入力画像の明るさに応じて表示装置4のバックライト42の複数の光源44の光量をそれぞれ調整する。
図3は、画像補正部33及びバックライト制御部34の機能構成を、より詳細に示す図である。図に示すように、画像補正部33は、画像増幅部331及び画像出力部332を備えている。また、バックライト制御部34は、制御量導出部341、時間フィルタ342、導出時間算出部343、及び、デューティ制御部348を備えている。以下、これらの機能の詳細について説明する。
<2.電力低減処理>
表示制御装置3は、表示装置4の消費電力を低減する電力低減処理を行うことが可能となっている。図3に示す構成のうち、バックライト制御部34の制御量導出部341はバックライト42の光量を抑制するための処理を行い、画像補正部33の画像増幅部331は入力画像の輝度を増幅する処理を行う。電力低減処理は主に、これらの制御量導出部341及び画像増幅部331の処理により実現される。図4は、この電力低減処理の概要を説明する図である。
表示制御装置3は、表示装置4の消費電力を低減する電力低減処理を行うことが可能となっている。図3に示す構成のうち、バックライト制御部34の制御量導出部341はバックライト42の光量を抑制するための処理を行い、画像補正部33の画像増幅部331は入力画像の輝度を増幅する処理を行う。電力低減処理は主に、これらの制御量導出部341及び画像増幅部331の処理により実現される。図4は、この電力低減処理の概要を説明する図である。
制御量導出部341は、バックライト42の複数の光源44の光量をそれぞれ規定する複数の光源制御量を導出する(処理P1)。制御量導出部341は、一の光源44に対して一の光源制御量を導出するため、光源44の数と同数(本実施の形態では、例えば12個)の光源制御量を導出する。この光源制御量は、光源44が発光すべき光量を最大光量に対する比率(%)で示している。
制御量導出部341は、入力画像G1の明るさを示す輝度の分布に基づいて光源44の光源制御量を導出する。具体的には、入力画像G1において、輝度が比較的大きい領域に対応する光源44の光源制御量は比較的大きく設定され、逆に、輝度が比較的小さい領域に対応する光源44の光源制御量は比較的小さく設定される。
このように導出された光源制御量は、時間フィルタ342にて所定の処理がなされた後、デューティ制御部348、及び、画像補正部33の画像増幅部331に入力される。
デューティ制御部348に入力された光源制御量は、PWM信号のデューティ比として利用される。デューティ制御部348は、このデューティ比を設定したPWM信号を、バックライト42の各光源44のドライバに送信する(処理P2)。
これにより、バックライト42においては、入力画像G1の輝度が大きい領域に対応する光源44の光量は小さく抑制され、光量は比較的大きくなる。逆に、入力画像G1の輝度が小さい領域に対応する光源44の光量は大きく抑制され、光量は比較的小さくなる。このように、バックライト42の光量を抑制することで、バックライト42の全ての光源44を一律に最大光量(100%の光量)で発光する場合と比較して消費電力が低減される。なお、図4中において、バックライト42において光量が比較的小さい部分については濃いハッチングを用い、光量が比較的大きい部分については薄いハッチングを用いている。
一方で、このようなバックライト42の光量を抑制した場合の視認上の影響を緩和するため、入力画像G1の画素値が増幅される。画像補正部33の画像増幅部331が、入力された光源制御量に応じて入力画像G1の画素値を増幅して、増幅画像G2を生成する(処理P3)。
具体的には、複数の光源44の光源制御量に基づいて、画面43上の入力画像G1を照明した場合におけるバックライト42の光量が、入力画像G1の各画素の位置ごとに導出される。そして、バックライト42の光量が比較的小さくなる位置の画素については増幅率が比較的大きく設定される。逆に、バックライト42の光量が比較的大きくなる位置の画素については増幅率が比較的小さく設定される。そして、設定された増幅率に基づいて、入力画像G1の各画素の画素値(RGB値または輝度値)が増幅され、増幅画像G2が生成される。生成された増幅画像G2は、画像出力部332から出力されて液晶パネル41に表示される。
このようなバックライト42の光量の調整と、増幅画像G2の液晶パネル41への表示とが同時になされることで、液晶パネル41の画面43においてユーザが観察する観察画像G3は自然なものとなる。これは、バックライト42の光量の抑制による視認性への影響が、画像の画素値の増幅によって相殺されるためである。その結果、観察画像G3を自然としながらも、消費電力を有効に低減できることになる。
ところで、制御量導出部341が一の入力画像に基づいて光源制御量を導出する処理にかかる時間(以下、「導出時間」という。)は、対象とする入力画像の内容(輝度の分布の状態)に応じて異なる。通常、導出時間は、1フレーム分の期間(=同期信号の周期=画像の入力周期)以内となるが、入力画像の内容によっては1フレーム分の期間以上となる場合もある。この導出時間は、導出時間算出部343によって算出される。
制御量導出部341は、光源制御量の導出処理が完了したときに、導出処理が完了したことを示す完了信号を導出時間算出部343に出力する。また、導出時間算出部343には、画像入力部31から同期信号も入力される。導出時間算出部343は、光源制御量の導出処理が開始される同期信号から完了信号を受信するまでに入力された同期信号の数に基づいて、光源制御量の導出時間を算出する。
導出時間算出部343は、制御量導出部341から完了信号の受信に応答して、光源制御量の導出時間を算出する。そして、導出時間算出部343は、算出した導出時間とともに、演算を実行すべきことを示す更新信号を同期信号のタイミングで時間フィルタ342に出力する。
<3.時間フィルタ>
時間フィルタ342は、制御量導出部341に繰り返し導出される光源制御量を、時間軸方向において平滑化する演算を実行する。
時間フィルタ342は、制御量導出部341に繰り返し導出される光源制御量を、時間軸方向において平滑化する演算を実行する。
制御量導出部341によって導出される光源制御量は入力画像の明るさに応じたものとなる。このため、入力画像の明るさにおいて急激な変化があるような場合は、制御量導出部341によって導出される光源制御量も急激に変化する。仮に、この制御量導出部341によって導出された光源制御量をそのまま光量の調整に用いた場合は、バックライトの光量が急激に変化して画面がちらついていると感じることになる。
このため、本実施の形態の車載表示システム1では、制御量導出部341によって導出される光源制御量を時間フィルタ342に通し、その時間フィルタ342の演算結果である光源制御量をデューティ制御部348及び画像増幅部331に入力して、実際の制御(光量の調整や増幅画像の生成)に用いるようになっている。時間フィルタ342は、時間軸方向において光源制御量を平滑化することで、光源制御量の変化を緩和する。これにより、光源制御量の急激な変化が緩和され、画面のちらつきを防止できる。以下、時間フィルタ342に通す前の制御量導出部341に導出された光源制御量を「光源制御量(導出値)」ともいい、時間フィルタ342の演算結果である実際の制御に用いる光源制御量を「光源制御量(使用値)」ともいう。
図5は、時間フィルタ342の構成を示す図である。図5に示す構成の時間フィルタ342は、光源44の数と同数(すなわち、制御量導出部341によって導出される光源制御量の数と同数)用意される。各時間フィルタ342は一の光源44に対応しており、対応する光源44の光源制御量(導出値)に基づいて、対応する光源44の光源制御量(使用値)を演算により求める。
図に示すように、時間フィルタ342は、2つの増幅器51,54と、加算器52と、使用値メモリ53と、係数設定部55とを備えている。使用値メモリ53には導出時間算出部343(図3参照。)から更新信号が入力され、係数設定部55には導出時間算出部343から光源制御量の導出時間が入力される。
増幅器51には、制御量導出部341によって直近に導出された光源制御量(導出値)が入力される。増幅器51では、光源制御量(導出値)に係数α(α<1)が乗算され、その結果は加算器52に出力される。
使用値メモリ53は、光源制御量(使用値)を記憶するためのメモリである。使用値メモリ53に記憶された光源制御量(使用値)は、増幅器54に入力される。増幅器54では、この光源制御量(使用値)に(1−α)が乗算され、その結果は加算器52に出力される。
2つの増幅器51,54の乗算結果は加算器52において加算される。これにより、加算器からは、次の式(1)で示されるZnが出力される。
Zn=α・In+(1−α)・Zn−1 …(1)
式(1)において、Inは増幅器51に入力された光源制御量(導出値)であり、Zn−1は演算前に使用値メモリ53に記憶されていた光源制御量(使用値)である。導出されたZnは、使用値メモリ53に新たに記憶されることになる。この使用値メモリ53に記憶されたZnが、光源制御量(使用値)として実際の制御(光量の調整や増幅画像の生成)に用いられる。これとともに、使用値メモリ53に記憶されたZnは、次の式(1)の演算におけるZn−1としても利用される。
式(1)において、Inは増幅器51に入力された光源制御量(導出値)であり、Zn−1は演算前に使用値メモリ53に記憶されていた光源制御量(使用値)である。導出されたZnは、使用値メモリ53に新たに記憶されることになる。この使用値メモリ53に記憶されたZnが、光源制御量(使用値)として実際の制御(光量の調整や増幅画像の生成)に用いられる。これとともに、使用値メモリ53に記憶されたZnは、次の式(1)の演算におけるZn−1としても利用される。
時間フィルタ342は、このような式(1)に示す演算を繰り返すことにより、時間的に連続して導出される複数の光源制御量(導出値)を、時間軸方向において平滑化することになる。式(1)に示す時間フィルタ342の演算は、更新信号が使用値メモリ53に入力されるごとに実行される。
また、係数αは、係数設定部55によって設定される。式(1)に示すように、係数αは、時間フィルタ342の処理結果であるZnに、直近に導出された光源制御量(導出値)Inを反映させる程度を示すものとなる。したがって、係数αが高いほど、光源制御量(使用値)は、直近に導出された光源制御量(導出値)の影響を受ける。すなわち、係数αが高いほど、光源制御量(導出値)の変化に合わせて、光源制御量(使用値)が敏感に変化することになる。
係数設定部55は、導出時間算出部343から入力される光源制御量(導出値)の導出時間に応じて係数αを設定する。具体的には、係数設定部55は、導出時間が長いほど係数αを高くする。例えば、導出時間が1フレーム分の期間以内であれば係数αは基準値である0.1に設定される。これに対して、導出時間が1フレーム分以上2フレーム分の期間以内であれば、係数αは基準値の2倍の0.2に設定され、導出時間が2フレーム分以上3フレーム分の期間以内であれば、係数αは基準値の3倍の0.3に設定される。
<4.処理の流れ>
次に、車載表示システム1の処理の流れについて説明する。図6は主に、制御量導出部341による光源制御量の導出に係る処理の流れを示す図である。一方、図7は、時間フィルタ342における処理の流れを示す図である。
次に、車載表示システム1の処理の流れについて説明する。図6は主に、制御量導出部341による光源制御量の導出に係る処理の流れを示す図である。一方、図7は、時間フィルタ342における処理の流れを示す図である。
まず、図6に示す処理から説明する。バックライト制御部34に同期信号が入力される(ステップS11にてYes)と、この同期信号とともに入力される入力画像に基づいて、制御量導出部341が光源制御量(導出値)を導出する導出処理が開始される(ステップS12)。前述のとおり、光源制御量(導出値)の導出時間は通常、1フレーム分の期間(=同期信号の周期=画像の入力周期)以内となるが、入力画像の内容によっては1フレーム分の期間以上となる場合もある。
光源制御量(導出値)の導出処理が完了すると(ステップS13にてYes)、制御量導出部341から時間フィルタ342に光源制御量(導出値)が出力されるとともに、導出時間算出部343に完了信号が出力される(ステップS14)。
導出時間算出部343は、この完了信号の受信に応答して、導出処理中に入力された同期信号の数に基づいて、光源制御量(導出値)の導出時間を算出する。例えば、導出処理中に同期信号が入力されなかった場合は導出時間は1フレーム分の期間以内となり、1つの同期信号が入力された場合は導出時間は1フレーム分以上2フレーム分の期間以内となり、2つの同期信号が入力された場合は導出時間は2フレーム分以上3フレーム分の期間以内となる(ステップS15)。
導出時間算出部343は、光源制御量(導出値)の導出時間を算出すると、算出した導出時間と更新信号とを時間フィルタ342に同期信号のタイミングで出力する(ステップS16)。その後、処理はステップS11に戻り、再び光源制御量(導出値)の導出処理が開始されることになる。
次に、図7に示す処理について説明する。導出時間算出部343から時間フィルタ342に更新信号が入力されると(ステップS21にてYes)、この更新信号とともに入力された光源制御量の導出時間に基づいて、係数設定部55が係数αを設定する。前述したとおり、係数設定部55は、光源制御量(導出値)の導出時間が長いほど係数αを高く設定することになる。設定した係数αは2つの増幅器51,54にそれぞれ入力される(ステップS22)。
そして、設定した係数αを用いて式(1)に示す時間フィルタ342の演算が実行される。これにより新たな光源制御量(使用値)が導出されて使用値メモリ53に記憶される。この光源制御量(使用値)は、実際の制御(光量の調整や増幅画像の生成)に用いられることになる(ステップS23)。その後、処理はステップS21に進み、更新信号の入力を待機する状態となる。
更新信号は光源制御量(導出値)の導出が完了するごとに出力されるため、時間フィルタ342は、光源制御量(導出値)の導出が完了するごとに、光源制御量(使用値)を更新する。したがって、光源制御量(導出値)の導出時間が長くなる場合においても、光源制御量(導出値)の導出中においては光源制御量(使用値)が更新されず、光源制御量(導出値)の導出の完了後に光源制御量(使用値)は更新されることになる。
これに対し、本実施の形態では、光源制御量(導出値)の導出時間が長いほど係数αが高く設定されることから、光源制御量(導出値)の導出時間が長くなった場合には、実際の制御に用いる光源制御量(使用値)に、直近に導出された光源制御量(導出値)が速やかに反映される。これにより、表示装置4に表示する画像の明るさとバックライトの光量とが大きく乖離することを防止できることになる。
<5.タイムチャート>
図8ないし図10は、光源制御量の変化の一例を示すタイムチャートである。これらの図中では、横軸は時間を示し、縦軸は光源制御量を示している。横軸に沿ったT11〜T17は同期信号が発生する時点をそれぞれ示している。また、円形記号は光源制御量(導出値)を示し、矩形記号は光源制御量(使用値)を示している。
図8ないし図10は、光源制御量の変化の一例を示すタイムチャートである。これらの図中では、横軸は時間を示し、縦軸は光源制御量を示している。横軸に沿ったT11〜T17は同期信号が発生する時点をそれぞれ示している。また、円形記号は光源制御量(導出値)を示し、矩形記号は光源制御量(使用値)を示している。
図8は、光源制御量(導出値)の導出時間が全て1フレーム分の期間以内で完了した場合の例を示している。この場合は、各時点T11〜T17において前同期信号から現同期信号までの間に光源制御量(導出値)の導出処理が完了している。このため、各時点T11〜T17においては、その光源制御量(導出値)に基づいて光源制御量(使用値)が更新される。図に示すように、時間フィルタ342の処理結果である光源制御量(使用値)は、光源制御量(導出値)と比較して緩やかに変化する。
また、図9及び図10は、光源制御量(導出値)の導出時間が2フレーム分の期間以上かかった場合の例を示している。具体的には、時点T13から開始された光源制御量(導出値)の導出処理は、時点T14及び時点T15においても完了せず、時点T15から時点T16までの間に完了した場合を例示している。この場合、時点T14及び時点T15においては、光源制御量(使用値)が更新されず、時点T13に更新された光源制御量(使用値)が継続して使用される。
図9は、本実施の形態に係る処理を実行せずに、係数αを固定して用いるようにした比較例を示している。一方、図10は、本実施の形態に係る処理を実行し、光源制御量(導出値)の導出時間が長いほど係数αを高く設定するようにした例を示している。いずれの場合も、光源制御量(導出値)の導出処理の完了後の時点T16において、時間フィルタ342の演算が実行されて光源制御量(使用値)が更新される。
図9に示す場合は、係数αは固定されているため、時点T16において更新された光源制御量(使用値)に、直近に導出された光源制御量(導出値)が反映される程度が低い。その結果、光源制御量(使用値)と、実際の画像に基づく光源制御量(導出値)とが乖離した状態がしばらく継続することになる。すなわち、表示装置4に表示する画像の明るさとバックライト42の光量とが乖離した状態が継続する可能性がある。
これに対して、図10に示す場合は、時点T16において係数αが基準値よりも高く設定される。このため、時点T16において更新された光源制御量(使用値)に、直近に導出された光源制御量(導出値)が反映される程度が高くなる。その結果、図9の場合と比較して、光源制御量(使用値)が、実際の画像に基づく光源制御量(導出値)に大きく近づくことになる。すなわち、表示装置4に表示する画像の明るさとバックライト42の光量とが乖離することを防止できることになる。
以上のように、本実施の形態の車載表示システム1では、制御量導出部341が表示装置4に表示させる画像の明るさに基づいて光源制御量(導出値)を導出し、導出された光源制御量(導出値)を時間フィルタ342が時間軸方向において平滑化する。そして、時間フィルタ342の処理結果に直近に導出された光源制御量(導出値)を反映させる程度である係数αは、光源制御量(導出値)の導出時間が長くなるほど高く設定される。このため、光源制御量(導出値)の導出時間が長くなった場合は、バックライト42の光源の光量の調整に用いる光源制御量(使用値)に直近に導出された光源制御量(導出値)が速やかに反映される。その結果、光源制御量(導出値)の導出時間が長くなった場合に、表示装置4に表示する画像の明るさとバックライト42の光量とが大きく乖離することを防止できる。
<6.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態で説明した形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態で説明した形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
上記実施の形態では、バックライト42が備える複数の光源44は画面43の横方向に沿って一列に並べて配置されていたが、図11に示すように、複数の光源45を縦横の二次元マトリクス状に配列してもよい。この場合、液晶パネル41の画面43も縦横の二次元マトリクス状に配列される複数の区分領域43bに区分され、一の光源45が一の区分領域43bに対応する。各光源45は、対応する区分領域43bを背面から照明することになる。
また、上記実施の形態において、ハードウェア回路によって実現されるとした機能のうちの一部は、ソフトウェア的に実現されてもよい。
3 表示制御装置
4 表示装置
34 バックライト制御部
41 液晶パネル
42 バックライト
51 増幅器
52 加算器
53 使用値メモリ
54 増幅器
55 係数設定部
341 制御量導出部
342 時間フィルタ
343 導出時間算出部
4 表示装置
34 バックライト制御部
41 液晶パネル
42 バックライト
51 増幅器
52 加算器
53 使用値メモリ
54 増幅器
55 係数設定部
341 制御量導出部
342 時間フィルタ
343 導出時間算出部
Claims (3)
- 表示装置の画面を複数の光源で照明するバックライトを制御する表示制御装置であって、
前記表示装置に表示させる画像の明るさに基づいて、前記バックライトの光源の光量を規定する制御量を導出する導出手段と、
前記導出手段に導出された制御量を、時間軸方向において平滑化する平滑化手段と、
前記平滑化手段による処理結果に基づいて、前記光源の光量を調整する調整手段と、
前記導出手段による前記制御量の導出時間が長くなるほど、前記平滑化手段の処理結果に直近に導出された制御量を反映させる程度を高くする処理変更手段と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。 - 請求項1に記載の表示制御装置と、
前記表示制御装置から出力される画像を表示する表示装置と、
を備えることを特徴とする表示システム。 - 表示装置の画面を複数の光源で照明するバックライトを制御する表示制御方法であって、
(a)前記表示装置に表示させる画像の明るさに基づいて、前記バックライトの光源の光量を規定する制御量を導出する工程と、
(b)前記(a)工程で導出された制御量を、時間軸方向において平滑化する工程と、
(c)前記(b)工程による処理結果に基づいて、前記光源の光量を調整する工程と、
(d)前記(a)工程における前記制御量の導出時間が長くなるほど、前記(b)工程の処理結果に直近に導出された制御量を反映させる程度を高くする工程と、
を備えることを特徴とする表示制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010120574A JP2011248059A (ja) | 2010-05-26 | 2010-05-26 | 表示制御装置、表示システム及び表示制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010120574A JP2011248059A (ja) | 2010-05-26 | 2010-05-26 | 表示制御装置、表示システム及び表示制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011248059A true JP2011248059A (ja) | 2011-12-08 |
Family
ID=45413412
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010120574A Withdrawn JP2011248059A (ja) | 2010-05-26 | 2010-05-26 | 表示制御装置、表示システム及び表示制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011248059A (ja) |
-
2010
- 2010-05-26 JP JP2010120574A patent/JP2011248059A/ja not_active Withdrawn
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