JP2011247746A - リニアエンコーダとアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 Z相信号をより安定させ、確実に原点出しを行うことができ、信頼性が高く、コンパクト、且つ、低コストが容易になるように工夫したリニアエンコーダとそのようなリニアエンコーダを使用したアクチュエータを提供することである。
【解決手段】 原点用スケールパターンの符号系列が狭帯域化のための変調が掛かったパターンであることを特徴とするものであり、例えば、低コスト化容易なPETフィルム基材を用い、印刷により製作した反射面の平滑性が若干劣るリニアスケールを用いても、狭帯域化変調を施したスケールパターンを用いることにより、本来孤立ビットとなるZ相原点信号でも、信号振幅を確保することができる。又、差動検出により信号出力の増大やスレショルドレベルの安定化を図ることができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、例えば、精密位置決めシステムに用いられるリニアエンコーダとそのリニアエンコーダを使用したアクチュエータに係り、特に、装置のコンパクト化が容易であって信頼性が高く、低コスト化でき、且つ、Z相信号を安定して検出することができるように工夫したものに関する。
精密位置決め装置において、位置決めフィードバック用のセンサーとしては、リニアエンコーダが高精度であり、且つ、コスト的にも適当であって、優れている。ところが、現在多く用いられているリニアエンコーダは、原点復帰動作が必要なインクリメンタル方式であるが、原点復帰動作の安定性や精度が必ずしも十分ではない。
例えば、外部に原点復帰用のセンサーを設置したり、インクリメンタルスケール側に反射テープを張ったり、或いはインクリメンタルスケールの横に専用の原点出し用のスケールを設置して単純に中心部を境に左は白色の高反射率領域で右は黒色の低反射率領域にしたもの、等がある。
そのようなものの一例を図5に示す。図5に示すものは、原点復帰用のZ相用リニアスケール129をインクリメンタルリニアスケール127に並列に設置したものである。
尚、図5では上記インクリメンタルリニアスケール127、Z相用リニアスケール129を示すと共に、その下にA相信号、B相信号、Z相信号を示しているものである。
そして、インクリメンタルスケール127の1周期(図5の黒領域及び白領域)相当の幅(位相360°幅)を持ち、インクリメンタルスケール127から得られるA相信号の立ち上がりで、B相信号及びZ相信号が「ハイ(1)」の時に原点であると判断できるものであって優れた原点復帰信号を得る方法である(図5では黒領域が高反射率領域、白領域が低反射領域を示す)。
尚、この種の先行技術を開示するものとして、例えば、特許文献1等がある。特許文献1は本件特許出願人によるものである。
特開2008−215911号公報
上記従来の構成によると次のような問題があった。
すなわち、Z相信号が必ずしも安定に検出されず不安定であり、その結果、原点復帰精度がばらついてしまい、エンコーダとしての位置精度が低下するだけでなく、大きく原点位置が跳んでしまった場合にはアクチュエータ(機械)の暴走を招いてしまうという問題があった。
すなわち、図5の最下部に示すように、Z相信号はインクリメンタルスケール127のA相信号やB相信号とは異なり繰返し信号ではなく、よって、差動出力を用いることができないため、信号振幅が小さい。又、出力電圧にオフセットがあるため、Z相信号の黒色領域と白色領域を判別するためのスレショルド電圧の設定も電圧変動等の外乱を受け易く不安定となってしまうからである。
又、リニアスケールを低コストで容易に得るために、その素材をPETフィルム基材とし、且つ、そこに印刷技術によって所望のスケールパターンを設けることが行われている。ところが、そのような方法によって得られたリニアスケールはその平面度が低下しており、その結果、信号振幅(コントラスト)の低下という問題が生じてしまうとさらにZ相信号は不安定となる。
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、Z相信号をより安定させ、確実に原点出しを行うことができ、信頼性が高く、コンパクト、且つ、低コストが容易になるように工夫したリニアエンコーダとそのようなリニアエンコーダを使用したアクチュエータを提供することである。
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1によるリニアエンコーダは、原点用スケールパターンの符号系列が狭帯域化のための変調が掛かったパターンであることを特徴とするものである。
又、請求項2によるリニアエンコーダは、請求項1記載のリニアエンコーダにおいて、符号系列の1ビット幅より狭い符号幅を持つことを特徴とするものである。
又、請求項3によるリニアエンコーダは、請求項1記載のリニアエンコーダにおいて、位相シフトを行っている変調を用いていることを特徴とするものである。
又、請求項4によるリニアエンコーダは、請求項1記載のリニアエンコーダにおいて、差動あるいは差分検出を用いていることを特徴とするものである。
又、請求項5によるリニアエンコーダは、請求項1記載のリニアエンコーダにおいて、スケール基材に樹脂フィルムを用いていることを特徴とするものである。
又、請求項6によるリニアエンコーダは、請求項1記載のリニアエンコーダにおいて、Z相用リニアスケールやインクリメンタルリニアスケールが印刷により製造されていることを特徴とするものである。
又、請求項7によるアクチュエータは、請求項1〜請求項6の何れかに記載のリニアエンコーダを用いたことを特徴とするものである。
以上述べたように、本願発明の請求項1によるリニアエンコーダは、原点用スケールパターンの符号系列が狭帯域化のための変調が掛かったパターンである構成になっているので、例えば、低コスト化容易なPETフィルム基材を用い、印刷により製作した反射面の平滑性が若干劣るリニアスケールを用いても、狭帯域化変調を施したスケールパターンを用いることにより、本来孤立ビットとなるZ相原点信号でも、信号振幅を確保することができる。又、差動検出により信号出力の増大やスレショルドレベルの安定化を図ることができる。
又、請求項2によるリニアエンコーダは、請求項1記載のリニアエンコーダにおいて、符号系列の1ビット幅より狭い符号幅を持つ構成になっているので、符号の連続を効果的に遮断することができ、上記した効果を確実なものとすることができる。
又、請求項3によるリニアエンコーダは、請求項1記載のリニアエンコーダにおいて、位相シフトを行っている変調を用いている構成になっているので、このような位相シフトによっても所定の変調を施して効果を得ることができるものである。
又、請求項4によるリニアエンコーダは、請求項1記載のリニアエンコーダにおいて、差動あるいは差分検出を用いている構成になっているので、このような差動あるいは差分検出によっても信号振幅を2倍にでき、スレショルド電圧も安定し、所定の変調を施して効果を得ることができるものである。
又、請求項5によるリニアエンコーダは、請求項1記載のリニアエンコーダにおいて、スケール基材に樹脂フィルムを用いている構成になっているので、スケール基材に樹脂フィルムを用いている構成になっているので、コスト的にも好都合である。
又、請求項6によるリニアエンコーダは、請求項1記載のリニアエンコーダにおいて、Z相用リニアスケールやインクリメンタルリニアスケールが印刷により製造されている構成になっているので、この場合にもコスト的に好ましいものである。
又、請求項7によるアクチュエータは、請求項1〜請求項6の何れかに記載のリニアエンコーダを用いた構成になっているので、信号検出の安定性を図りアクチュエータとしての信頼性を向上させることができ、低コスト化も容易である。
本発明の一実施の形態を示す図で、アクチュエータの構成を示す平面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、リニアエンコーダの構成を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、スケールパターンの変調を説明するための図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、スケールパターンの変調を説明するための図である。 従来例を示す図で、スケールパターンを示す図である。
以下、図1乃至図4を参照して本発明の一実施の形態を説明する。この実施の形態は本願発明を一軸アクチュエータに適用した例を示すものである。図1は本実施の形態によるアクチュエータの全体の構成を示す平面図であり、まず、ハウジング1がある。このハウジング1にはスライダ3が図1中左右方向(矢印a方向)に移動可能な状態で取り付けられている。上記ハウジング1内にはボールねじ5が内装されていると共に駆動モータ7が設置されている。上記ボールねじ5は上記駆動モータ7の出力軸に連結されていて、駆動モータ7によって回転駆動されるように構成されている。
尚、図示したアクチュエータはボールねじ5と駆動モータ7の出力軸が一体化されたものもあるが、そのような構成のアクチュエータに限定されるものではない。
上記ボールねじ5には図示しないボールナットがその回転を規制された状態で螺合・配置されている。既に説明したスライダ3はこのボールナットに固着されている。上記ハウジング1にはガイド9、11が設置されていて、これらガイド9、11によって上記スライダ3の図1中左右方向(矢印a方向)への移動をガイドする。そして、駆動モータ7を適宜の方向に回転させることによりボールねじ5が同方向に回転し、それによって、ボールナットを介してスライダ3が上記ガイド9、11によってガイドされながら図1中左右方向(矢印a方向)に移動する。
上記ガイド11側にはリニアスケール部21が設置されており、一方、上記スライダ3には検出ヘッド部23が取り付けられている。又、アクチュエータに対して離間した場所にはコントローラ部25が設置されている。
次に、上記リニアスケール部21、検出ヘッド部23、コントローラ部25の構成について詳しく説明する。図2は図1の中から上記リニアスケール部21、検出ヘッド部23、コントローラ部25を抽出して示す図である。まず、リニアスケール部21であるが、インクリメンタルリニアスケール27とZ相用リニアスケール29とから構成されている。上記インクリメンタルリニアスケール27は、例えば、PETフィルムの上にアルミ蒸着層を転写・印刷し、さらに、その上に黒色転写印刷を施すことにより製作されたものである。又、上記インクリメンタルスケール27は、40μmの黒印刷(低反射率領域)27bと40μmのアルミ蒸着層(高反射率領域)27aの繰返しパターンから構成されている。
一方、上記Z相用リニアスケール29は、Z相原点信号以外の大部分は、上記インクリメンタルリニアスケール27のスケールパターンに対して20μm(90°位相遅れ)ずれた「黒/白(高反射率領域29a、低反射率領域29b)」のスケールパターンとなっている。
但し、Z相原点信号部分は異なったスケールパターンとなっている。これについては後で詳述する。
又、上記Z相用リニアスケール29も、例えば、PETフィルムの上にアルミ蒸着層を転写・印刷し、さらに、その上に黒色転写印刷を施すことにより製作されたものである。そして、上記インクリメンタルリニアスケール27とZ相用リニアスケール29は同一のPETテープ上に印刷を施した構成になっているので、相互の位相関係が正確であると共に長ストローク化も容易である。
次に、上記検出ヘッド部23であるが、まず、A相用検出ヘッド31、B相用検出ヘッド33、Z相用検出ヘッド35を備えている。又、上記A相用検出ヘッド31、B相用検出ヘッド33、Z相用検出ヘッド35からの信号を入力して処理を行う分割器37、原点抽出・パルス発生器39、ラインドライバ41が設置されている。上記A相用検出ヘッド31、B相用検出ヘッド33、Z相用検出ヘッド35はフォトダイオードを内蔵した構成をなすものであり、その内上記A相用検出ヘッド31、B相用検出ヘッド33はインクリメンタルスケール27の読取用のものであり、一方、上記Z相用検出ヘッド35はZ相用リニアスケール29の読取用のものである。
上記A相用検出ヘッド31、B相用検出ヘッド33、Z相用検出ヘッド35は、共に位相差180°を持つ2つの検出器の差動出力を検出する構成をなしている。
因みに、本実施の形態においては、白領域(低反射率領域27b、29b)40μm、黒領域(高反射率領域27a、29a)40um、合計80μmを位相360°としている。
又、A相とZ相は同位相(又は360°の整数倍位相差)であるが、B相はA相より90°(又は90°+360°の整数倍の位相差)位相が進んでいる。又、A相用検出ヘッド31、B相用検出ヘッド33より得られたA相信号とB相信号は、上記分割器37によって20分割され、その20分割されたA相信号とB相信号が上記ラインドライバへ41出力される。
又、20分割された場合でも、B相信号の方がA相信号に対して90°進んだ状態は保たれている。これは後でコントローラ部25側にて受信された後、この分割されたA相信号とB相信号より移動方向の判別を行うためであり、又、コントローラ部25によってA相信号とB相信号の位相差を持つ20分割信号をさらに4分割するためである。すなわち、本実施の形態の場合には、上記分割器37によって20分割、コントローラ部25によって4分割、トータル80分割することとなる。その結果、80μmのスケールピッチは1μmの分解能を得ることができる。
尚、上記分割器37はその分割数があまり多くないので、比較的安価な抵抗分割型のインタポレータを用いている。又、上記原点検出・原点パルス発生器39は、B相信号及びZ相信号が「ハイ(1)」でA相信号が立ち上がった点を原点として検出し、短いパルス信号を発生させるものであり、ラインドライバ41を経由して、原点をコントローラ部25に知らせるものである。
上記コントローラ部25は、ラインレシーバ43、カウンタ45、コントローラ47とから構成されている。既に説明したラインドライバ41及びコントローラ部25のラインレシーバ43は、差動信号の送受信によってより安定的にA相信号、B相信号、Z相信号を送ることができるように、例えば、「RS-485タイプ」のものを使用している。
上記コントローラ部25では、検出ヘッド部23側から送られてきたA相信号、B相信号、Z相信号に基づき位置情報を得る。具体的に説明すると、Z相信号により原点、すなわち、基準位置を知り、その基準位置とA相信号とB相信号により移動方向を知り、且つ、カウンタ45によるアップダウンカウントにより移動量を知り、それらによって、現在位置を知ることができるものである。
次に、スケールパターンの変調について説明する。本実施の形態における変調を説明する前に、従来例の説明で使用した図5を参照して、スケールパターンの変調前の不具合に関して詳細に説明する。図5に示した従来例では、原点復帰用のZ相用リニアスケール129をインクリメンタルリニアスケール127に並列に設置したものであり、このZ相用リニアスケール129は、インクリメンタルスケール127の1周期(図5の黒領域及び白領域)相当の幅(位相360°幅、80μm幅)の黒領域(高反射率領域)を原点を中心として設置している。
この場合、原点位置はインクリメンタルスケール127の黒領域の左側であり、このエッジの立ち上がり位置を原点として設定しようとするものである。Z相用リニアスケールのこの黒領域はインクリメンタルスケール127の白黒1周期幅しかないので、その周期内にはインクリメンタルスケール127の黒領域の立ち上がりエッジは1つしかなく、その結果、原点を特定することができるものである。すなわち、インクリメンタルスケール127から得られるA相信号の立ち上がりで、B相信号及びZ相信号が「ハイ(1)」の時に原点と判断できるものである。
しかしながら、Z相信号が必ずしも安定的に検出されず不安定だという難点がある。図5に例示してあるように、A相信号出力及びB相信号出力は、前述したように、180°位相差(ピッチ80μmで40μmの位置差)をもつ2つの検出器の差(差動)により出力された信号である。これはインクリメンタルスケール127が白黒の繰返しのスケールパターンを持つために利用できる安定な信号取得方法である。それは2つの検出器の内1つが白領域であれば必ず他の1つは黒領域にあり、1つの検出器が黒領域にあれば他の1つは白領域にあることにより、いつも白領域と黒領域の差の出力電圧が得られることに由来する。
ところが、Z相信号はA相信号やB相信号のように繰返しのスケールパターンではなく、このような差動信号出力を用いることができない。そのため、Z相信号出力は信号振幅が小さいばかりではなく、出力電圧にオフセットがあるため、Z相信号の黒色領域と白色領域を判別するためのスレショルド電圧の設定も電圧変動等の外乱を受け易く、出力不安定となりがちであった。
又、リニアスケールを長ストローク化しても低コストで製造できるPETフィルム基材上に印刷技術を用いて製造するリニアスケールの製造は大変魅力的な技術であるが、Z相信号にとってはリニアスケールの平面度の低下に伴う信号振幅(コントラスト)の低下という問題がある。このことは、ガラス等の硬質基材に較べ軟質のPETフィルム(あるいはテープ)のような樹脂フィルム(あるいはテープ)をスケー ル基材に用いたり、反射層(高反射率層および低反射率層)を平滑に形成し難い印刷等の製法を用いた時に生じ易い。
例えば、アルミ蒸着層により形成された高反射率領域(黒領域)の平面度が悪いと乱反射光量が多くなり、低反射率領域(白領域)からの光を受光する検出器にもこの隣接する高反射率領域からの乱反射光が入射することになり、その結果、黒領域からの受光検出器と白領域からの受光検出器との出力差が小さくなり、信号振幅が低下することになる。特に、図5に示したように、黒領域は一つの領域で他はすべて白領域などのように、白領域と黒領域の割合が異なるほど信号振幅(コントラスト)は小さくなってしまう。そこで、PETテープを用い印刷により製作したリニアスケール利用のためには、さらなるZ相信号出力の安定化が必要となる。
図5に示した場合についてより具体的にみてみると、黒領域を「1(ハイ)」、白領域を「0(ロー)」とし、1ビットの幅をインクリメンタルリニアスケール127の1周期(80μm、360°位相幅)とすると、図5に示す従来例のZ相用リニアスケール129の符号系列は「0010000」となり非常に大きな周波数帯域を持つものであることがわかる。例えば、「0」が100個(長さ8mm)しか続かなくても周波数帯域は100倍になってしまう。
このような場合、コントラスト(信号振幅)の小さい単ビット符号反転では「0/1」判定検出エラーが生じる可能性が高くなってしまう。そこで、本実施の形態では、同一符号連続を抑える、すなわち、狭帯域化のための変調を符号系列に掛けることにより、Z相用リニアスケール29の符号検出の安定化を図っているものである。そのような狭帯域化を図ることにより、コントラスト(信号振幅)の改善ができるばかりでなく、センサー素子が飽和しない程度まで光量を上げ、コントラストを少しでも上げることができ、且つ、「0/1」判定のスレショルド基準を安定化させることができるものである。
そのような狭帯域化の方法として、本実施の形態の場合には、符号系列の1ビット幅より狭い信号幅を用い、それによって、同一符号の連続を遮断するようにしている。又、狭帯域化や同一符号の連続遮断により差動検出の適用を可能にしている。
そこで、本実施の形態における上記狭帯域化の具体例を説明する。図3に第1の例を示す。図3では、インクリメンタルリニアスケール27の位相0°の位置、すなわち、右に黒(高反射率領域)27a、左に白(低反射率領域)27bの白黒境界と同じ位置にて1/2ビット幅(180°位相相当幅、この実施の形態の例では1ビット80μmであるから40μm)の黒(高反射率領域)27a又は白(低反射率領域)27bをZ相用リニアスケール29に配置したものである。
すなわち、スケールパターン符号系列が「1」であれば位相0°中心位置に1/2ビット幅の黒(高反射率領域)29a、逆にスケールパターン符号系列が「0」であれば位相0°位置中心に1/2ビット幅の白(低高反射率領域)29bを配置し、そのビットの符号を示すようにしたものである。又、位相180°位置中心1/2ビット幅にはそのままにしておくと白領域の遮断ができないので、符号「1」のある前後を除いて、符号系列が「0」である場合には180°位相位置中心に1/2ビット幅の黒領域を配置したものである。
このような方法によると、図3に示す例のように、白領域の連続を遮断でき、白黒どちらの領域も最小1/2ビットで、最大は白の1ビットとなり、2倍の周波数帯域まで狭帯域化することができる。又、その時、Z相においても、図3に示すように、180°位相差間隔を持つ2つの検出器、一つはA相と同位相であり、他の一つは180°位相遅れを持つ検出器であり、それらの差動出力を出せるZ相検出ヘッドを用いることにより、差動出力を得ることができる。又、原点位置にて、すなわち、A相立ち上がりで、B相「ハイ(1)」でZ相も「ハイ(1)」であり、原点位置では安定的に検出できる。
次に、図4を参照して第2の例を説明する。図3に示した例の場合には、原点位置より360°位相右の位置で原点と混同される可能性のある不安定な位置がある。この位置ではA相立ち上がりで、B相「ハイ(1)」でZ相はスレショルド次第で「0」又は「1」であり「ハイ(1)」になる可能性もある。
そこで、図4に示すように、原点のある符号「1」のビットにて位相180°中心位置にも黒領域を配したものである。この場合も周波数帯域は2倍と図3に示した例と同じく狭帯域化されており、Z相の差動出力も、図3の例と同様に、得ることができている。又、図3で問題になったA相立ち上がりでB相「ハイ(1)」の位置で不安定なZ相はなくすことができた。
又、狭帯域化と安定な差動出力が可能な別の構成方法について説明する。すなわち、符号系列の変調方法については、白40μm、黒40μmを1波長とし、波長の中心を位相−90度位置に設定し、信号が「1/0」又は「0/1」反転した時にこの1波長の位相を180°ずらす位相シフト(位相を反転又は白黒反転)を行うことにより、図4に示された例と同じ符号系列変調を行うこともできる。この位相シフト法は白黒ペアで1波長(1周期)として用いて変調するので、差動をとることが容易となる。
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、低コスト化容易なPETフィルム基材を用い、印刷により製作した反射面の平滑性が若干劣るリニアスケールを用いても、狭帯域化変調を施したスケールパターンを用いることにより、本来孤立ビットとなるZ相原点信号でも、信号振幅を確保することができる。
又、差動検出により信号出力の増大やスレショルドレベルの安定化を図ることができた。
又、本実施の形態の場合には、符号系列の1ビット幅より狭い符号幅を持つ構成になっているので、符号の連続を効果的に遮断することができ、上記した効果を確実なものとすることができる。
又、アクチュエータとしての信頼性も大幅に向上するものである。
尚、本発明は前記一実施の形態に限定されるものではない。
例えば、前記一実施の形態の場合には、位相0°〜360°の始点ということで、原点位置として、直感的にも判り易い位置であるため、位相0°の位置を採用しているが、それに限定されるものではなく、位相180°、90°、何度でも狭帯域化を図る上では構わない。
又、上記したスケールパターンの符号系列の狭帯域化の手法は任意の符号系列に適用可能である。前記一実施の形態の場合には、Z相原点信号が1箇所のみの例を挙げた(符号系列:「00000100000000000000000」)が、Z相原点信号が多数ある場合(符号系列:「000100000100000100000100」)、原点信号に区別をつけるための複雑な原点信号の場合(符号系列:「00010101000000001101000」)、等においても同様に適用可能であり、要は長い連続同一符号(スケール面では長い同一の状態の反射面)があるときには同様に適用可能である。
1 ハウジング
3 スライダ
5 ボールネジ
7 駆動モータ
9 ガイド
11 ガイド
21 リニアスケール部
23 検出ヘッド部
25 コントローラ部
27 インクリメンタルリニアスケール
29 Z相用リニアスケール
37 分割器
39 原点検出・原点パルス発生器
41 ラインドライバ
43 ラインレシーバ
45 カウンタ
47 コントローラ

Claims (7)

  1. 原点用スケールパターンの符号系列が狭帯域化のための変調が掛かったパターンであることを特徴とするリニアエンコーダ。
  2. 請求項1記載のリニアエンコーダにおいて、
    符号系列の1ビット幅より狭い符号幅を持つことを特徴とするリニアエンコーダ。
  3. 請求項1記載のリニアエンコーダにおいて、
    位相シフトを行っている変調を用いていることを特徴とするリニアエンコーダ。
  4. 請求項1記載のリニアエンコーダにおいて、
    差動あるいは差分検出を用いていることを特徴とするリニアエンコーダ。
  5. 請求項1記載のリニアエンコーダにおいて、
    スケール基材に樹脂フィルムを用いていることを特徴とするリニアエンコーダ。
  6. 請求項1記載のリニアエンコーダにおいて、
    Z相用リニアスケールやインクリメンタルリニアスケールが印刷により製造されていることを特徴とするリニアエンコーダ。
  7. 請求項1〜請求項6の何れかに記載のリニアエンコーダを用いたことを特徴とするアクチュエータ。

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