JP2011247745A - アブソリュート型リニアエンコーダとアクチュエータ - Google Patents

アブソリュート型リニアエンコーダとアクチュエータ Download PDF

Info

Publication number
JP2011247745A
JP2011247745A JP2010121218A JP2010121218A JP2011247745A JP 2011247745 A JP2011247745 A JP 2011247745A JP 2010121218 A JP2010121218 A JP 2010121218A JP 2010121218 A JP2010121218 A JP 2010121218A JP 2011247745 A JP2011247745 A JP 2011247745A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
absolute
scale
linear scale
linear encoder
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010121218A
Other languages
English (en)
Inventor
Teruaki Fujinaga
輝明 藤永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IAI Corp
Original Assignee
IAI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IAI Corp filed Critical IAI Corp
Priority to JP2010121218A priority Critical patent/JP2011247745A/ja
Publication of JP2011247745A publication Critical patent/JP2011247745A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
  • Optical Transform (AREA)

Abstract

【課題】 信頼性が高くてコンパクト化が可能であり、且つ、低コスト化が容易であってアブソリュート信号を安定して検出することが可能なアブソリュート型リニアエンコーダとそのアブソリュート型リニアエンコーダを搭載したアクチュエータを提供すること。
【解決手段】 スケールパターンの符号系列を狭帯域化のための変調を掛けたパターンとしたアブソリュートスケールを用いることを特徴とするものであり、符号の連続を遮断して、コントラスト(信号振幅)変動を小さくすることができ、且つ、オフセット信号をキャンセルすることができるので、信号検出の安定性を図る上で有利となる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば、精密位置決めシステムに用いられるアブソリュート型リニアエンコーダとそのアブソリュート型リニアエンコーダを使用したアクチュエータに係り、特に、装置のコンパクト化が容易であって信頼性が高く、且つ、低コスト化できてアブソリュート信号を安定して検出することができるように工夫したものに関する。
精密位置決め装置において、位置決めフィードバック用のセンサーとして、例えば、リニアエンコーダが使用される。これはリニアエンコーダが高精度であって低コストであることに起因する。ところが、現在多く用いられているリニアエンコーダは原点復帰動作の必要なインクリメンタル型である。この種のインクリメンタル型のリニアエンコーダの場合には、装置立ち上げ時或いはトラブル発生時には原点復帰動作を行う必要がある。その為、装置の稼働率が低下してしまうという問題があった。
そこで、インクリメンタル型のリニアエンコーダに代わってアブソリュート型のリニアエンコーダの使用が提案されている。この種のアブソリュート型のリニアエンコーダの場合には上記原点復帰動作が不要になるからである。
尚、本件特許出願人も装置起動時に短い距離だけ動くことにより絶対位置を知ることができる簡易型のアブソリュート型リニアエンコーダに関する出願を行っている(特許文献1)。そこに開示されているアブソリュート型リニアエンコーダは、PN符号系列の必要ビット数のデータを読み込むセンサーが搭載されている装置可動部を必要ビット数動かす構成になっていて、それによって、一個のセンサーで済むように構成したものであり、簡易な構成で絶対位置を知ることができるというものである。
しかしながら、装置によっては装置起動時に僅かでも動くとワークやジグ類等を破損させてしまう装置もあり、そのような場合には上記簡易型のアブソリュート型リニアエンコーダが適用できないという問題があった。
一方、全く動かなくてもよいアブソリュート型リニアエンコーダの提案も多くなされている。そのようなアブソリュート型リニアエンコーダを開示するものとして、例えば、特許文献2、特許文献3等がある。
特開2009−68978号公報 特開平03−274414号公報 特開2005−121593号公報
上記従来の構成によると次のような問題があった。
すなわち、上記特許文献2、特許文献3に開示されているアブソリュート型リニアエンコーダの場合には、信頼性の確保が不十分であり、コストが高く、検出ヘッドのコンパクト化が困難であるという問題があった。具体的に説明すると、まず、上記特許文献2に記載されているアブソリュート型リニアエンコーダの場合には、1ビットエラー或いは奇数項のエラーについてはこれを検出することはできるが、2ビットエラー或いは偶数項のエラーについてはこれを検出することができないという問題があった。又、全てのビットのエラー検出を行うためには必要ビット数の約2倍のビット長の検査が必要であり、その為多くのセンサー(受光素子)が必要となってしまい、コンパクト化及び低コスト化が困難になってしまうという問題もあった。
因みに、特許文献3に記載された発明の場合には、コンパクトなセンサー部が開示されているが、その場合には所定の検出に必要なビット数分の受光素子しか搭載されておらず、結局、限定的なエラー検出ができるだけである。
又、特許文献2に記載された発明の場合には、そこに開示されているエラー検出方法によってエラーが検出された場合、装置が停止したままとなってしまうという問題もあった。
因みに、本件特許出願人は、この種の問題を解決するものとして特許出願を行っている(特願2009−1584571、未公開)。
しかしながら、低コスト化のためにPETフィルム基材を用い、アブソリュートリニアスケールを印刷により形成したため、リニアスケールの反射面の平滑性が若干悪く、同一符号(例えば、「0000」或いは「1111」)が長く続くと、検出信号の振幅(コントラスト)が繰返し符号(例えば、「0101」)の場合に比べて遥かに大きくなり、アブソリュート信号を安定して検出する上でさらなる改良が必要であった。
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、信頼性が高くてコンパクト化が可能であり、且つ、低コスト化が容易であってアブソリュート信号を安定して検出することが可能なアブソリュート型リニアエンコーダとそのアブソリュート型リニアエンコーダを搭載したアクチュエータを提供することにある。
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1によるアブソリュート型リニアエンコーダは、スケールパターンの符号系列が狭帯域化のための変調が施されたパターンであるアブソリュートリニアスケールを用いることを特徴とするものである。
又、請求項2によるアブソリュート型リニアエンコーダは、請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、 符号系列の1ビット幅より狭い符号幅を持つことを特徴とするものである。
又、請求項3によるアブソリュート型リニアエンコーダは、請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、スケールパターンの符号系列がPN符号系列であることを特徴とするものである。
又、請求項4によるアブソリュート型リニアエンコーダは、請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、位相シフトを行っている変調を用いていることを特徴とするものである。
又、請求項5によるアブソリュート型リニアエンコーダは、請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、差動あるいは差分検出を用いていることを特徴とするものである。
又、請求項6によるアブソリュート型リニアエンコーダは、請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、位相検出用リニアスケールを用いアブソリュートリニアスケールの位相を検出することを特徴とするものである。
又、請求項7によるアブソリュート型リニアエンコーダは、請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、スケール基材に樹脂フィルムを用いていることを特徴とするものである。
又、請求項8によるアブソリュート型リニアエンコーダは、請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、アブソリュートリニアスケールや位相検出用リニアスケールが印刷により製造されていることを特徴とするものである。
又、請求項9によるアクチュエータは、請求項1〜請求項8の何れかに記載のアブソリュート型リニアエンコーダを用いたことを特徴とするものである。
以上述べたように、本願発明の請求項1によるアブソリュート型リニアエンコーダは、スケールパターンの符号系列が狭帯域化のための変調が施されたパターンであるアブソリュートリニアスケールを用いるように構成されているので、符号の連続を遮断して、
コントラスト(信号振幅)変動を小さくすることができ、且つ、オフセット信号をキャンセルすることができるので、信号検出の安定性を図る上で有利となる。
又、請求項2によるアブソリュート型リニアエンコーダは、請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、 符号系列の1ビット幅より狭い符号幅を持つ構成になっているので、符号の連続を効果的に遮断することができ、上記した効果を確実なものとすることができる。
又、請求項3によるアブソリュート型リニアエンコーダは、請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、スケールパターンの符号系列がPN符号系列である構成になっており、PN符号系列の場合には長い連続同一符号を有しているので、本願発明がより有効にその効果を発揮するものである。
又、請求項4によるアブソリュート型リニアエンコーダは、請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、位相シフトを行っている変調を用いている構成になっており、このような位相シフトによっても所定の変調を施して効果を得ることができるものである。
又、請求項5によるアブソリュート型リニアエンコーダは、請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、差動あるいは差分検出を用いている構成になっており、このような差動あるいは差分検出によって、信号振幅を2倍にでき、所定の変調を施して効果を得ることができるものである。
又、請求項6によるアブソリュート型リニアエンコーダは、請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、位相検出用リニアスケールを用いアブソリュートリニアスケールの位相を検出する構成になっているので、変調したスケールパターンの場合の信号の復調も容易で信頼性が高い。
又、請求項7によるアブソリュート型リニアエンコーダは、請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、スケール基材に樹脂フィルムを用いている構成になっているので、コスト的にも好都合である。
又、請求項8によるアブソリュート型リニアエンコーダは、請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、アブソリュートリニアスケールや位相検出用リニアスケールが印刷により製造されている構成になっているので、この場合にもコスト的に好ましいものである。
又、請求項9によるアクチュエータは、請求項1〜請求項8の何れかに記載のアブソリュート型リニアエンコーダを用いた構成になっているので、信号検出の安定性を図りアクチュエータとしての信頼性を向上させることができ、低コスト化も容易である。
本発明の一実施の形態を示す図で、アクチュエータの構成を示す平面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、アブソリュート型リニアエンコーダの構成を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、LSFRの構成を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、位相検出用リニアスケール部とPN符号系列アブソリュートリニアスケール部の構成を示す側面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図4のV−V矢視図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、スケールパターンの変調を説明するための図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、スケールパターンの変調を説明するための図である。 本発明の一の実施の形態を示す図で、スケールパターンの変調を説明するための図である。 従来例の説明に使用した図で、アブソリュート型リニアスケールの反射信号を示す波形図である。 比較例を示す図で、スケールパターンを示す図である。
以下、図1乃至図8を参照して本発明の一実施の形態を説明する。この実施の形態は本願発明を一軸アクチュエータに適用した例を示すものである。図1は本実施の形態によるアクチュエータの全体の構成を示す平面図であり、まず、ハウジング1がある。このハウジング1にはスライダ3が図1中左右方向(矢印a方向)に移動可能な状態で取り付けられている。上記ハウジング1内にはボールねじ5が内装されていると共に駆動モータ7が設置されている。上記ボールねじ5は上記駆動モータ7の出力軸に連結されていて、駆動モータ7によって回転駆動されるように構成されている。
尚、図示したアクチュエータはボールねじ5と駆動モータ7の出力軸が一体化されたものもあるが、そのような構成のアクチュエータに限定されるものではない。
上記ボールねじ5には図示しないボールナットがその回転を規制された状態で螺合・配置されている。既に説明したスライダ3はこのボールナットに固着されている。上記ハウジング1にはガイド9、11が設置されていて、これらガイド9、11によって上記スライダ3の図1中左右方向(矢印a方向)への移動をガイドする。そして、駆動モータ7を適宜の方向に回転させることによりボールねじ5が同方向に回転し、それによって、ボールナットを介してスライダ3が上記ガイド9、11によってガイドされながら図1中左右方向(矢印a方向)に移動する。
上記ガイド11側にはリニアスケール部21が設置されており、一方、上記スライダ3には検出ヘッド部23が取り付けられている。又、アクチュエータに対して離間した場所にはコントローラ部25が設置されている。
次に、上記リニアスケール部21、検出ヘッド部23、コントローラ部25の構成について詳しく説明する。図2は図1の中から上記リニアスケール部21、検出ヘッド部23、コントローラ部25を抽出して示す図である。まず、リニアスケール部21は、位相検出用リニアスケール31、PN符号系列アブソリュートリニアスケール33とから構成されている。上記PN符号系列アブソリュートリニアスケール33だけでも必要な機能を奏することは可能であるが、PN符号系列アブソリュートリニアスケール33の分解能はアブソリュート信号の1ビットに等しく、よって、PN符号系列アブソリュートリニアスケール33だけで長いストロークと高分解能を両立させることは応答速度やコスト面で困難であった。
そこで、本実施の形態の場合には、ややラフな幅のPN符号系列アブソリュートリニアスケール33を用いて、ストロークに対して必要PN符号系列ビット数を適度に抑え、且つ、アブソリュート1ビットをさらに高分解能に分割できる位相検出用リニアスケール31を別途設けているものである。
因みに、ストローク2.6mで分解能0.1μmを実現するためには、アブソリュート1ビット幅80μmで15ビットのPN符号系列で800分割(位相0.45°)可能な位相検出用リニアスケール31が必要となる。
上記位相検出用リニアスケール31は縞状をなしていて、例えば、80μmピッチの光学反射式のものとして構成されている。すなわち、上記位相検出用リニアスケール31は、40μmの高反射率領域31aと、40μmの低反射領域31bが交互に配置されて連なった構成をなしている。
一方、上記PN符号系列アブソリュートリニアスケール33は1ビットが80μmに構成されていて、高反射率領域33aと低反射領域33bがPN符号系列に基づいて配置された構成になっている。
尚、図2ではアブソリュートリニアスケール33のパターンを、説明を容易にするために、PN符号系列に1:1に対応するように、高反射率領域(黒)33aと低反射率領域(白)33bにて表示しているが、本実施の形態におけるアブソリュートリニアスケール33ではPN符号系列に狭帯域化のために変調を施しており、これについては後で詳述する。
上記PN符号系列とは擬似ランダム系列(Pseudo Random Noise、その一部はM系列とも呼ばれる)であり、この擬似ランダム系列とは、例えば、スペクトラム拡散通信、白色雑音生成、暗号化、エラー訂正等に広く使われているものである。上記PN符号系列の生成にはLFSR(Linear Feedback Shift Register)と称されるシフトレジスタが使用される。このシフトレジスタは、図3に示すような構成になっており、XORゲート(又は、XNORゲート)50によって帰還をかける構成になっている。
尚、このLFSRについては追って詳細に説明する。
図2に戻って検出ヘッド部23側の構成をみてみると、まず、上記位相検出用リニアスケール31に対応する位相検出用リニアスケール用光学検出器(CMOSリニアアレイを使用したもの)35と、PN符号系列アブソリュートリニアスケール33に対応するPN符号系列アブソリュートリニアスケール用光学検出器(CMOSリニアアレイを使用したもの)37が夫々設置されている。上記位相検出用リニアスケール31と位相検出用リニアスケール用光学検出器35とによって位相検出リニアスケール部を構成している。又、上記PN符号系列アブソリュートリニアスケール33とPN符号系列アブソリュートリニアスケール用光学検出器37とによってアブソリュートリニアスケール部を構成している。
上記位相検出用リニアスケール用光学検出器35とPN符号系列アブソリュートリニアスケール用光学検出器37は、例えば、図4及び図5に示すような状態で設置される。図4及び図5中符号39はLED光源であり、このLED光源39より位相検出用リニアスケール31に対してLED光を投光する。位相検出用リニアスケール31にて反射した光は上記位相検出用リニアスケール用光学検出器35によって受光される。これは、上記PN符号系列アブソリュートリニアスケール用光学検出器37の場合も同様である。すなわち、LED光源39よりPN符号系列アブソリュートリニアスケール33に対してLED光が投光される。PN符号系列アブソリュートリニアスケール33にて反射した光は上記PN符号系列アブソリュートリニアスケール用光学検出器37によって受光されることになる。位相検出用リニアスケール31、PN符号系列アブソリュートリニアスケール33の反射率に応じて位相検出用リニアスケール用光学検出器35、PN符号系列アブソリュートリニアスケール用光学検出器37に入光する光の強度が異なり、これにより位相検出用リニアスケール31、PN符号系列アブソリュートリニアスケール33の信号を読むことができる。
因みに、PN符号系列アブソリュートリニアスケール33の低反射率領域33bで反射される光強度は低くPN符号系列アブソリュートリニアスケール用光学検出器37では低強度と検出され、信号「0」を検出することができる。
尚、図4の光学系では光学検出器上の信号ピッチはスケール上のピッチの約2倍に拡大されるが、図2の模式図ではわかり易くするためスケールと光学検出器上の信号は等倍で上下対応するように記載してある。
尚、本実施の形態では、上記位相検出用リニアスケール用光学検出器(CMOSリニアアレイを使用したもの)35、PN符号系列アブソリュートリニアスケール用光学検出器(CMOSリニアアレイを使用したもの)37としては、プリント基板の上に汎用のパッケージ品のCMOSリニアアレイ及び汎用パッケージ品のチップLEDを表面実装して用いており、汎用品を用いているので、低コストで製造できる利点がある。図4には図示していないが、上記位相検出用リニアスケール用光学検出器(CMOSリニアアレイを使用したもの)35、PN符号系列アブソリュートリニアスケール用光学検出器(CMOSリニアアレイを使用したもの)37に迷光が入射する場合には、それを防止する遮光板を上記位相検出用リニアスケール用光学検出器(CMOSリニアアレイを使用したもの)35、PN符号系列アブソリュートリニアスケール用光学検出器(CMOSリニアアレイを使用したもの)37とLED光源39の間に設置すると有効であり、コントラストの低下を軽減することができる。例えば、黒色の厚み0.1mmで高さは上記位相検出用リニアスケール用光学検出器(CMOSリニアアレイを使用したもの)35、PN符号系列アブソリュートリニアスケール用光学検出器(CMOSリニアアレイを使用したもの)37より0.2mm高い樹脂製の板を上記位相検出用リニアスケール用光学検出器(CMOSリニアアレイを使用したもの)35、PN符号系列アブソリュートリニアスケール用光学検出器(CMOSリニアアレイを使用したもの)37の側面に貼り付けることで、迷光を効果的に防止することができる。又、図4において、LED光源39が2個搭載されているのは、上記位相検出用リニアスケール用光学検出器(CMOSリニアアレイを使用したもの)35、PN符号系列アブソリュートリニアスケール用光学検出器(CMOSリニアアレイを使用したもの)37に比べ寿命の短いLED39が劣化した場合、他方のLED39に切替が容易であるからである。又、2個を切り替えて用いることにより、LED39の照射領域を拡大することもできるからである。
又、本実施の形態における上記位相検出用リニアスケール31とPN符号系列アブソリュートリニアスケール33は、PETフィルムの上に熱転写印刷により、アルミ蒸着層の熱転写、さらに、その上に黒色インクの熱転写印刷を行うことにより、アルミ蒸着層による高反射領域と黒インクによる低反射領域により、位相検出用リニアスケール31の繰り返しパターンとPN符号系列アブソリュートリニアスケール33のPN信号系列(変調)パターンを形成している。
又、図2に示すように、上記検出ヘッド部23には、位相演算器41、絶対位置データ演算器43、絶対位置データ構成器45、トランシーバ47が設置されている。又、上記コントローラ部25には、トランシーバ49、コントローラ51が設置されている。又、上記絶対位置データ演算器43では、LFSRを介して合致する絶対位置を検出しているが、予め作成されている信号データと絶対位置の対応表より求めても良い。
そして、PN符号系列アブソリュートリニアスケール用光学検出器37より出力された信号は絶対位置データ演算器43に入力され、その絶対位置データ演算器43においてアブソリュートビット単位の絶対位置が求められる。一方、位相検出用リニアスケール用光学検出器35より出力された信号は位相演算器41に入力され、その位相演算器41によりアブソリュート1ビットを360度とした位相が演算され、さらに高分解能の情報が得られる。絶対位置データ構成器45では、絶対位置データ演算器43と位相演算器41より求められた結果を結合して長ストロークで、且つ、高分解能の絶対位置データを演算・出力する。上記高分解能の絶対位置データはトランシーバ47、トランシーバ49を介してコントローラ51に入力される。コントローラ51はその入力した高分解能の絶対位置データに基づいて駆動モータ7を制御してスライダ23を位置決めするものである。
尚、本実施の形態におけるアブソリュート型リニアエンコーダは、既に説明したように、位相検出用リニアスケール部とアブソリュートリニアスケール部の二つのエンコーダ機能を持っている。前述したように、本来アブソリュートリニアスケール部のみであっても必要な機能を得ることはできるが、アブソリュートリニアスケール部の長ストローク化と高分解能化で応答速度を上げ、且つ、低コスト化することは困難であった。そこで、本実施の形態の場合には、位相検出用リニアスケール部を設け、アブソリュート1ビットをさらに高分解能分割することにより、ややラフな幅のアブソリュートビットを用いることができ、それによって、高分解能、高応答速度で且つ低コストのアブソリュート型リニアエンンコーダを実現しているものである。
以上が本実施の形態によるアクチュエータ及びそこに使用されているアブソリュート型リニアエンコーダの概略の構成である。以下、各部の構成をその作用・効果を交えながら説明する。
まず、前述したLFSRについて詳細に説明する。LFSRは、図3に示されているように、15個(0〜14の15ビット)のシフトレジスタによって構成されている。このような構成をなすLFSRにおいて、発生可能なPN符号系列の周期長(PN符号系列長、L)は次の式(I)に示すようなものである。
L=2−1―――(I)
但し、
L:PN符号系列長
m:ビット数(検出連続信号数)
である。
PN符号系列は二値「0/1(ここでは白黒)」の擬似ランダム系列の一つであって、比較的短い連続したm個の信号によって長大な信号周期(L)を得ることができる信号系列である。例えば、m=15個であればPN符号系列長(L)は、既に説明した式(I)によれば、次の式(II)に示すようなものとなる。
L=215−1=32767―――(II)
又、本実施の形態における上記LFSRの場合には、前述したように、0ビットと1ビットの信号がXORゲート50を介して14ビットへフィードバックされるように構成されている。
図2に示した位相検出用リニアスケール31は、既に説明したように、80μmピッチである。又、PN符号系列アブソリュートリニアスケール33も1ビットが80μmであり、よって、m=15でのPN符号系列アブソリュートスケール33のストローク(S)は次の式(III)に示すようなものとなる。
S=80μm×32767=約2.6m―――(III)
尚、式(I)、(II)から明らかなように、アブソリュートリニアスケール部側のPN符号系列の上記検出連続信号数mを増加させることにより長いストロークが実現できる。
上記PN符号系列アブソリュートリニアスケール33からの信号検出には、既に説明したように、PN符号系列アブソリュートリニアスケール用光学検出器37を使用しているが、このPN符号系列アブソリュートリニアスケール用光学検出器37はストロークに対して必要なPN符号系列ビット数以上の検出素子が必要となる。例えば、前記の例では、ストローク2.6mに対して15ビットのPN符号系列が必要であり、検出素子は15個以上必要となる。このようにアブソリュート用検出器37は多くの検出素子を必要とし、そのコンパクト化のためには専用の半導体ICを開発して使用される。しかしながら、専用の半導体ICは非常に高価という難点がある。一方CMOSリニアアレイはチャージアンプにより出力を増大させることできるため受光面積を小さくしても容易に出力を確保でき信頼性が高く、又、小型で低コストである。そこで、本実施の形態の場合には、汎用のCMOSリニアアレイを用いることにより、コンパクト化と低コスト化を実現するようにしている。
上記CMOSリニアアレイは、例えば、12.5μmピッチで512個の検出素子が並んでいる検出器であり、多くの検出素子を内蔵している。又、その信号出力は同時に行うことはできず1個ずつの信号出力となるため、例えば、512個の検出素子の信号出力を得ようとすると、略500倍の時間を要することになり、よって、高速の信号出力が困難である難点がある。そこで、本実施の形態の場合には、連続的に(あるいは極めて短時間応答で)位置データを出力する方式ではなく、ある一定時間間隔(またはある応答時間)にて位置データを出力する方式を用いることにより、ある一定サンプリング時間内にてCMOSリニアアレイの検出素子の出力を得てエラーチェックや絶対位置データの演算等を行う方式を採用している。
例えば、CMOSリニアアレイの検出素子1つ当りの出力時間が170nsec(6MHz)であれば、全検出素子512個の出力を得るのに略100μsec(10KHz)要することになる。よって、他のロス時間を無視すると、この略10KHzが最大応答周波数となり、高々100Hz程度のアクチュエータの応答周波数に比べ十分高応答であり実用上問題ない。
又、位相検出用リニアスケール31は、図2に示すように、PN符号系列アブソリュートリニアスケール33の1ビットをさらに分割し高分解能を得るものであり、既に説明したように、PN符号系列アブソソリュートリニアスケール33の1ビットに対して略1/2ビットの高反射率部31aと略1/2ビットの低反射率部31bが対応する構成になっている。PN符号系列アブソリュートリニアスケール33の1ビットを360度とした時、これら高反射率部31a、低反射率部31bよりの光反射強度が略正弦波1周期(360度)になるよう位相検出用リニアスケール用光学検出器35によって検出する。
又、位相検出用リニアスケール用光学検出器35においては少なくとも2個の検出素子が必要であり、互いに略90度の位相差(アブソリュート1/4ビット相当)を持つものである。そして、90度位相差を持つ2個の信号強度が得られれば、次の式(IV)、(V)に基づいて位相演算器41によって位相が算出される。
tanθ=sinθ/cosθ
={α・sinθ}/{α・sin(θ−90°)}―――(IV)
θ=arctan-1θ ―――(V)
そして、アブソリュート1ビット内における位置が位相で求められる。アブソリュート1ビットで360度に相当するので、例えば、位相45度が算出されたら、次の式(VI)に示すような位置となる。
80μm×45°/360°=10μm―――(VI)
つまり、アブソリュート1ビットの内側10μmの位置ということになる。このようにして位相検出用リニアスケール部を用いてややラフなアブソリュートスケール部の分解能を向上させることができるものである。
ところで、位相検出用リニアスケール用検出器35においては、既に説明したように、少なくとも2個のお互いに略90度位相差を持つ検出素子が必要であり、そのコンパクト化のためには専用の半導体ICを開発し用いるのが一般的である。しかしながら、専用の半導体ICは非常に高価という難点がある。そこで本実施の形態では、前述したPN符号系列アブソリュートリニアスケール用光学検出器37の場合と同様に汎用のCMOSリニアアレイを用いることによってコンパクト化と低コスト化を実現している。CMOSリニアアレイは、例えば、12.5μmピッチで512個の検出素子が並んでいる検出器であって多くの検出素子を内蔵しており、2個の略90度位相差の検出素子のみではなく、多数組の略90度位相差を持つ検出素子を用いることができる。各組の検出素子は位相差が等しく(360度の整数倍)、1組に多くの検出素子を用いて平均化することによって信号出力の安定化を図ることができる。例えば、位相検出用リニアスケール31のある箇所にゴミ付着等により信号出力が劣化してもより広い範囲にわたり平均化していればそのゴミの影響は軽微なものとすることができる。又、夫々の組と180°位相差を持つ検出素子を設けることにより、各信号出力との差動をとることができるので、信号出力の増大や外乱安定性を増加させることができる。
又、狭ピッチの多くの検出素子を内蔵しているので、PN符号系列アブソリュートリニアスケール用光学検出器37との対応付けも容易にできる。PN符号系列アブソリュートリニアスケール用光学検出器37の固定位置と位相検出用リニアスケール用光学検出器35の固定位置が検出器の実装ばらつきに起因してずれた場合には、位相検出用リニアスケール用光学検出器35の選択する検出素子をずれ量だけずらして選択することによって調整することができる。例えば、選択する検出素子が何番目の出力かFPGAのソフトを書き替えてやれば良い。
前述したように、本実施の形態では、アブソリュートスケール部と位相用検出用スケール部との2つのスケール部を用いることで、ややラフな幅のアブソリュートビットを用いて適度なPN符号系列ビット数にて長ストロークを実現すると共に、位相検出用スケール部によりアブソリュート1ビットを更に位相分割し高分解能も実現している。
これらを低コストかつコンパクトに実現するために、各検出器、すなわち、位相検出用リニアスケール用光学検出器35とPN符号系列アブソリュートリニアスケール用光学検出器37としてCMOSリニアアレイを使用している。前記したようにCMOSリニアアレイは多くの検出素子を内蔵していて高速での信号出力は困難である。そこであるサンプリング時間内にて検出素子の出力を得て絶対位置データ演算等を行う方式を用いることにより、低コストでかつコンパクトでありながら適度な応答周波数を確保している。
したがって、図2に示す絶対位置データ構成器45からの出力は連続的ではなくあるサンプリング時間で更新される間欠的なものとなっている。よって、絶対位置データ構成器45より受信したデータをコントローラ51側に送信するトランシーバ47は適度な送信ビットレートで十分であり、省配線化できるシリアル通信用トランシーバが望ましい。
次に、PN符号系列アブソリュートリニアスケール33のスケールパターンの変調に関して説明する。既に説明したPN符号系列アブソリュートリニアスケール33のスケールパターンをPN符号系列に対して「1:1」に対応させたスケールパターンとした場合には、繰返し符号(例えば、「0101」)の場合と同一符号の連続(例えば、「0000」或いは「1111」)の場合とでは、その反射光量のコントラスト(振幅)が大きく異なる。すなわち、図9に示すように、同一符号の連続が長い程大きなコントラストになり(図9中符号bで示す部位)、それに比べ短ビットでの符号の反転はコントラストが小さくなる(図9中符号aで示す部位)。このようなコントラストの違いは安定的に「0/1」符号を検出する上では問題がある。これはPN符号系列アブソリュートリニアスケール33の反射面の平滑性が理想的ではなく、PN符号系列アブソリュートリニアスケール用光学検出器37が受光する反射光量は正反射成分だけでなく乱反射成分を含んでしまうことに起因する。
この点に関して詳しく説明すると、PN符号系列アブソリュートリニアスケール33において、高反射率領域33aと低反射率領域33bが近接している場合には、高反射率領域33aで反射された光が低反射率領域33bの反射光を受光するセンサー素子に入り込み、その結果、低反射率領域33bの受光素子の出力は上がり、高反射率領域33aの反射光を受光するセンサー素子に入り込む光が減じることになる。その為、高反射率領域33aの出力が下がることになり、低反射率領域33bと高反射率領域33aのセンサー素子出力差が小さくなってしまう{コントラスト(振幅)の低下}。
因みに、このような現象は、ガラス等の硬質基材を使用した場合よりも、軟質のPETフィルム(或いはPETテープ)のような樹脂フィルム(或いは樹脂テープ)をスケール基材として使用したり、反射層(高反射率層及び低反射率層)を平滑に形成し難い印刷等の製法を使用した場合に生じ易い。このように、コントラスト差が大きい場合には、コントラストの小さい短ビット符号反転では「0/1」判定に検出エラーが生じる可能性がある。
そこで、本実施の形態では、同一符号の連続を抑制する、すなわち、PN符号系列アブソリュートリニアスケール33の符号系列に狭帯域化のための変調を施すことにより、アブソリュートスケール符号検出の安定化を図るようにしているものである。このような狭帯域化を施すことにより、コントラスト差は少なくなり、又、そのためセンサー素子が飽和しない程度まで光量を上げてコントラストを少しでも上げることができる。それらによって、「0/1」判定のスレショルド基準を安定化させることができるものである。
その狭帯域化の方法としては、PN符号系列アブソリュートリニアスケール33符号系列の1ビット幅より狭い信号幅を用いることによって、同一符号の連続を遮断することができる。
まず、本実施の形態における変調を説明する前に比較例を説明する。図10はアブソリュートリニアスケール33に関して、「1110000111」の同一符号の連続及び「1010」の繰返し反転符号のスケールパターンの例を示している。
尚、図10中上側に示されている線図が「1110000111」の同一符号の連続の場合であり、下側に示されている線図が「1010」の繰返し反転符号の場合である。又、夫々の場合について、位相検出用リニアスケール31とアブソリュートリニアスケール33のスケールパターンを夫々図示しているものである。
このようなスケールパターンにおいてはすでに説明したような問題、例えば、コントラストの小さい単ビット符号反転では「0/1」判定に検出エラーが生じてしまうという問題がある。
本実施の形態の場合には、この図10に示すようなスケールパターンの同一符号の連続を抑制するために、既に説明したように、符号系列1ビット幅より狭い符号幅を用いるようにしたものであり、それによって、同一符号の連続を遮断するようにしたものである。
以下、図6を参照して第1の例を説明する。図6においては、位相検出用リニアスケール31の位相180°の位置、すなわち、左に「黒」(高反射率領域31a)、右に「白」(低反射率領域31b)の黒白境界と同じ位置にて1/2ビット幅(180°位相相当幅、この例では1ビット80μmであるから40μm)の「黒」(高反射率領域33a)又は「白」(低反射率領域33b)をアブソリュートスケール33に設けている。すなわち、スケールパターン符号系列が「1」であれば、位相180°位置に1/2ビット幅の「黒」(高反射率領域33a)、逆にスケールパターン符号系列が「0」であれば位相180°位置に1/2ビット幅の「白」(低反射率領域33b)を配置してそのビットの符号を示すようにしている。
尚、図6中上側に示されている線図が「1110000111」の同一符号の連続の場合を示しており、下側に示されている線図が「1010」の繰返し反転符号の場合である。又、夫々の場合について、位相検出用リニアスケール31とアブソリュートリニアスケール33のスケールパターンを夫々図示しているものである。
次に、図7を参照して第2の例を説明する、すなわち、図6に示した第1の例では、符号の連続が「1」である場合はその符号の連続を遮断することができたが、「0」符合の連続については遮断できていない。その原因は位相180°の位置にのみ1/2ビット幅(180°位相相当幅)の「黒/白」の配置を行っているが、それ以外の位置,すなわち、位相0°〜90°及び270°〜360°の位置については「白」のままとしているために、位相180°位置(位相90°〜270°)の「白」(「0」)と区別がつかないためである。
そこで、図7に示すように、符号「0(白)」の前後で、位相0°〜90°及び270°〜360゜の位置に「黒」(高低反射率領域33a)を配置することにより、「0」符合の連続についてもこれを遮断することができるようにしたものである。
尚、図7中上側に示されている線図が「1110000111」の同一符号連続の場合を示しており、下側に示されている線図が「1010」の繰返し反転符号の場合である。又、夫々の場合について、位相検出用リニアスケール31とアブソリュートリニアスケール33のスケールパターンを夫々図示しているものである。
この場合、アブソリュートリニアスケール33の「白」及び「黒」のパターン幅は何れも最小1/2ビット幅、最大1ビット幅である。すなわち、図7に示す例は、位相180°の位置中心に位相180°相当の幅、すなわち、1ビット80μmの半分の40μmの幅で符号系列に従って配置した例であり、位相180°の位置中心±90゜(±20μm)以外は、同一符号の連続を避けるよう「白」又は「黒」を任意に配置すればよい。その結果、最大の「白」又は「黒」の幅は位相360°相当(80μm)となる。したがって、アブソリュートリニアスケール33は最小幅40μm(1/2ビット)、最大幅80μm(1ビット)の2倍まで狭帯域に圧縮することができる。その結果、従来の15ビットPN符号系列では最小1ビット、最大15ビットの15倍であったのが、2倍まで狭帯域化することができるものである。
尚、ここで用いた位相180°の位置についてはこれを特に限定するものではなく、例えば、位相0°、位相90°、その他何度でも構わない。
因みに、ここで用いた位相180°の位置はPN符号系列の1ビット(位相0゜〜360°)の中心位置あり、直感的にも判り易い位置であって好ましいものである。
次に、図8を参照して第3の例を説明する。図7に示した例では、位相180°の位置を中心にして±90°(±20μm)以外は、狭帯域化さえできれば「白」でも「黒」でも構わなかった。これに対して、図8に示す例では、図8中左側に必ず位相180°の位置を中心に±90゜の領域と反対の反射率領域が位置するようにしている。180°の中心の位置が「黒」であればその左は「白」、逆に180°の中心の位置が「白」であれば「黒」であり、その幅も1/2ビット、40μmとしたものであ。そして、符号系列の「1/0」又は「0/1」反転した場合は、結果として隣接領域とつながり、最大の1ビット幅(80μm)となったものであり、図7に示した例の場合と同様に2倍の狭帯域化が可能になっている。
尚、図8中上側に示されている線図が「1110000111」の同一符号連続の場合を示しており、下側に示されている線図が「1010」の繰返し反転符号の場合である。又、夫々の場合について、位相検出用リニアスケール31とアブソリュートリニアスケール33のスケールパターンを夫々図示しているものである。又、図8においては、差動出力例、すなわち、位相差180°間隔に配置した2つの検出器の差(右検出器出力−左検出器出力)を図8下部に線図A、Bとしてスケールパターンに対応させて示している。
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、既に説明したような変調されたスケールパターンとすることにより、位相180°の中心の位置にある1/2ビットの領域と反対の反射率をもつ1/2ビット幅の領域が必ず図面上の左側に配置されることになるので、その領域の反射光との差(差動又は差分)をとれば、反射信号振幅を2倍とすることができる。
又、オフセット信号はキャンセルされ、0/1判定スレショルドレベルを「0」とすることができ、信号検出の安定性を図る上で有利となる。
又、本実施の形態の場合には、符号系列の1ビット幅より狭い符号幅を持つ構成になっているので、符号の連続を効果的に遮断することができる。
又、本実施の形態の場合には、スケールパターンの符号系列が長い連続同一符号を有しているPN符号系列であるので、より有効にその効果を発揮するものである。
又本実施の形態によるアクチュエータは、上記したアブソリュート型リニアエンコーダを採用しているので、信号検出の安定性を図りアクチュエータとしての信頼性を向上させることができる。
尚、図8に示した内容とは別の符号系列の変調方法として、「白」が40μm、「黒」が40μmを1波長とし、波長の中心を位相90°位置におき、信号が「1/0」又は「0/1」反転した時にこの1波長の位相を180°ずらす位相シフト(位相を反転又は白黒反転)を行う方法もあり、それによっても、図8に示された例と同等の符号系列変調を行うことができる。
尚、上記のように,符号系列を変調したスケールパターンの場合の信号の復調(検出)方法で最も容易で確実な方法は、アブソリュートリニアスケール33に対応させた位相検出用リニアスケール31を使用し、アブソリュートリニアスケール33の位相を検出することにより、位相と同期させて検出する方法である。例えば、図8に図示した例では、180°位相(位相検出用スケールの白黒境界で左が「黒」の位置)の位置にて0/1判定を行えば、符号系列に復調(検出)することができる。
尚、位相180°を検出してからアブソリュートリニアスケール33を復号(復調)していたのでは、アブソリュートリニアスケール33とPN符号系列アブソリュートリニアスケール用光学検出器37が 高速で相対運動している時には間に合わない可能性がある。そこで、例えば、位相0°〜360°内(1ビット内)に位相差120°毎に3本のアブソリュートリニアスケール33用の光学検出素子を使用することにより、任意の位相角度位置にあっても、最も位相180°に近い検出素子を選択することにより、その検出素子の出力により「0/1」判定(検出)を行うように構成することが考えられる。
因みに、本実施の形態では多くの検出素子を内蔵するCMOSリニアアレイを用いているので、上記の素子選択による検出は容易である。
又、上記したスケールパターンの符号系列の狭帯域化手法は任意の符号系列に適用可能であるが、特に長い連続同一符 号を有するPN符号系列(その一部はM系列とも称される)への適用の効果が大きい。上述のように、低コスト化容易なPETフィルム基材を用い、印刷により製作した反射面の平滑性が若干劣るアブソリュートスケールを用いても、狭帯域化変調を用いることにより、大きなコントラスト(振幅)変動はなく、又差動検出により信号出力の増大やオフセットの低減を図ることも可能で、アブソリュート信号の安定な検出が実現できる。
尚、本発明は前記一実施の形態に限定されるものではない。
例えば、検出連続信号数mはここでは主に15を用いたが、アブソリュートリニアエンコーダの必要な分解能およびストロークで最適なmの値は変わってくる。例えば、より長いストロークではm=16〜18が適している場合もある。
又、前記一実施の形態ではCMOSリニアアレイを用いた実施例を挙げて説明したが、例えば、CCDリニアアレイ等を用いてもコストは高くつくが、同様の効果は期待できる。
又、前記一実施の形態ではスケール及び検出器は光学式のものを用いた例を挙げたが、PN符号系列を用いる磁気式あるいは静電式など他方式でも同様に本発明を適用できることは言うまでもない。
本発明は、アブソリュート型リニアエンコーダとそのアブソリュート型リニアエンコーダを使用したアクチュエータに係り、特に、装置のコンパクト化が容易であって信頼性が高く、且つ、低コスト化できてアブソリュート信号を安定して検出することができるように工夫したものに関し、例えば、精密位置決めシステムに好適である。
1 ハウジング
3 スライダ
5 ボールネジ
7 駆動モータ
9 ガイド
11 ガイド
21 リニアスケール部
23 検出ヘッド部
25 コントローラ部
31 位相検出用リニアスケール
33 アブソリュートリニアスケール
35 位相検出用リニアスケール用光学検出器)
37 アブソリュートリニアスケール用光学検出器
41 位相演算器
43 絶対位置データ演算器
45 絶対位置データ構成器
47 トランシーバ
49 トランシーバ
51 コントローラ

Claims (9)

  1. スケールパターンの符号系列が狭帯域化のための変調が施されたパターンであるアブソリュートリニアスケールを用いることを特徴とするアブソリュート型リニアエンコーダ。
  2. 請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、
    符号系列の1ビット幅より狭い符号幅を持つことを特徴とするアブソリュート型リニアエンコーダ。
  3. 請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、
    スケールパターンの符号系列がPN符号系列であることを特徴とするアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、
  4. 請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、
    位相シフトを行っている変調を用いていることを特徴とするアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、
  5. 請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、
    差動あるいは差分検出を用いていることを特徴とするアブソリュート型リニアエンコーダ。
  6. 請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、
    位相検出用リニアスケールを用いアブソリュートリニアスケールの位相を検出することを特徴とするアブソリュート型リニアエンコーダ。
  7. 請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、
    スケール基材に樹脂フィルムを用いていることを特徴とするアブソリュート型リニアエンコーダ。
  8. 請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、
    アブソリュートリニアスケールや位相検出用リニアスケールが印刷により製造されていることを特徴とするアブソリュート型リニアエンコーダ。
  9. 請求項1〜請求項8の何れかに記載のアブソリュート型リニアエンコーダを用いたことを特徴とするアクチュエータ。
JP2010121218A 2010-05-27 2010-05-27 アブソリュート型リニアエンコーダとアクチュエータ Pending JP2011247745A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010121218A JP2011247745A (ja) 2010-05-27 2010-05-27 アブソリュート型リニアエンコーダとアクチュエータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010121218A JP2011247745A (ja) 2010-05-27 2010-05-27 アブソリュート型リニアエンコーダとアクチュエータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011247745A true JP2011247745A (ja) 2011-12-08

Family

ID=45413183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010121218A Pending JP2011247745A (ja) 2010-05-27 2010-05-27 アブソリュート型リニアエンコーダとアクチュエータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011247745A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014081210A (ja) * 2012-10-12 2014-05-08 Mitsubishi Electric Corp 光学式エンコーダ
CN106840215A (zh) * 2015-09-30 2017-06-13 株式会社三丰 包括冗余相位信号的绝对位置编码器

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003344099A (ja) * 2002-05-27 2003-12-03 Koyo Seiko Co Ltd パルサ
JP2009150879A (ja) * 2007-12-19 2009-07-09 Dr Johannes Heidenhain Gmbh 絶対位置を測定するための位置測定装置と方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003344099A (ja) * 2002-05-27 2003-12-03 Koyo Seiko Co Ltd パルサ
JP2009150879A (ja) * 2007-12-19 2009-07-09 Dr Johannes Heidenhain Gmbh 絶対位置を測定するための位置測定装置と方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014081210A (ja) * 2012-10-12 2014-05-08 Mitsubishi Electric Corp 光学式エンコーダ
CN106840215A (zh) * 2015-09-30 2017-06-13 株式会社三丰 包括冗余相位信号的绝对位置编码器
CN106840215B (zh) * 2015-09-30 2019-07-23 株式会社三丰 包括冗余相位信号的绝对位置编码器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5611998B2 (ja) 単一の光トラックを用いる3チャネルエンコーダ
JP5424629B2 (ja) 絶対位置を測定するための位置測定装置と方法
US20080251700A1 (en) Encoder with a combined position and index track
CN1896694B (zh) 在图案介质的两个相对表面上进行光学编码的系统和方法
US20070018086A1 (en) Optical Encoder
US7227125B2 (en) Encoder device
JP2012523557A (ja) ポジションエンコーダ装置
JP2012037392A (ja) アブソリュートエンコーダ
US7112781B2 (en) Absolute encoder
US20200319001A1 (en) Optical encoder
JP2011247745A (ja) アブソリュート型リニアエンコーダとアクチュエータ
JP5943238B2 (ja) エンコーダ、エンコーダ付きモータ、サーボシステム
US20120006976A1 (en) High Resolution, High Speed, Miniaturized Optical Encoder
JP5372624B2 (ja) アブソリュート型リニアエンコーダとアクチュエータ
JP5164264B2 (ja) アブソリュート型リニアエンコーダとアクチュエータ
JP2012083281A (ja) アブソリュート型リニアエンコーダとアクチュエータ
JP5553669B2 (ja) 光学式絶対位置測長型エンコーダ
JP2012242313A (ja) エンコーダとアクチュエータ
US6759647B2 (en) Projection encoder
JP5372822B2 (ja) エンコーダ用スケールとアクチュエータ
US7638756B2 (en) Photodetector array and codewheel configuration for flexible optical encoder resolution
JP5998682B2 (ja) エンコーダ、符号板、駆動装置、及びロボット装置
JP2010204062A (ja) 測長器
US20050052729A1 (en) Optical encoder
JP2014134540A (ja) 差分インデックスを有するシングルトラック・スリーチャネル・エンコーダ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130306

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131224

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140903