JP2011246629A - インク組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 着色剤(A)、分散剤(B)、溶剤(C)、および圧力が2MPa以上である圧縮性流体(D)を混合し、混合物を減圧膨張して(D)を気化させ除去することで得られる、メジアン径1μm以下の着色剤(A)が溶剤(C)中に分散された分散液(E)と樹脂(F)を混合する工程を含むインク組成物の製造方法。
【選択図】 なし
Description
また、上述のような方法を改良するものとして、分散質と溶剤を混合した混合物を超臨界容器に供給し超臨界状態とした後、超臨界状態の混合物を大気中に解放し、衝突部に衝突させることにより分散質を溶剤中に微粒子化して分散する方法も提案されている(例えば特許文献1参照)が、分散質の溶剤への分散性が不十分であるという問題があった。
本発明のインク組成物の製造方法に用いる着色剤(A)としては、公知の染料及び顔料を広く用いることができ、具体的には、カーボンブラック、スーダンブラックSM、ファーストイエロ−G、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB、およびオイルピンクOP等が挙げられる。
本発明において、分散剤(B)の酸価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定される。また、アミン価は、JIS K7237(1996年版)規定の方法で測定される。
また、分散剤(B)は、分子量分布において、少なくとも1,000以上1,000,000以下の範囲にピークを有するものが好ましく、分子量のピークは、さらに好ましくは1,050以上10,000以下であり、とくに好ましくは1,100以上5,000以下である。この範囲にピークを有することで、分散剤(B)がより溶剤(C)中に溶解しやすくなり、着色剤(A)表面に効率的に吸着することができる。また(B)は、それに加えて1,000未満(好ましくは200〜990)の範囲にピークを有していてもよい。
本発明において、分散剤(B)の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
酸性基を有するビニルモノマーとしては、モノカルボン酸〔炭素数3〜15、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸〕、ジカルボン酸〔炭素数4〜15、例えば(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸〕、ジカルボン酸モノエステル〔上記ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜18)エステル、例えばマレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノアルキルエステル〕などのカルボキシル基含有ビニルモノマー;およびスルホン基含有ビニルモノマー等が挙げられる。
塩基性基を有するビニルモノマーとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアミノ基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
他のビニルモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素数が1〜18のアルキル(メタ)アクリレート、およびスチレン等が挙げられる。
上記において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/またはメタアクリル酸を意味し、以下同様の記載法を用いる。
他の構造からなる分散剤についても、例えば、酸性基を有するモノマーと塩基性基を有するモノマーを含有するモノマーから得られる高分子体等を用いる。
SP=(ΔE/V)1/2
ここでΔEは凝集エネルギー密度を表す。Vは分子容を表し、その値は、ロバート、エフ.フェードルス(Robert F.Fedors)らの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147〜154頁に記載されている。
圧縮性流体(D)の圧力は2MPa以上であり、好ましくは3MPa以上20MPa以下、より好ましくは4MPa以上15MPa以下である。この圧力の範囲において、圧縮性流体(D)が着色剤(A)により浸透して着色剤(A)が粉砕されやすくなり、さらに分散剤(B)が圧縮性流体(D)と溶剤(C)の混合液により良く溶解し、着色剤(A)の表面に吸着しやすくなる。
本発明において、液体状態の二酸化炭素とは、二酸化炭素の温度軸と圧力軸とで表す相図上において、二酸化炭素の三重点(温度=−57℃、圧力0.5MPa)と二酸化炭素の臨界点(温度=31℃、圧力=7.4MPa)を通る気液境界線、臨界温度の等温線、および固液境界線に囲まれた部分の温度・圧力条件である二酸化炭素を表し、超臨界状態の二酸化炭素とは、臨界温度以上の温度・圧力条件である二酸化炭素を表す(ただし、圧力は、2成分以上の混合ガスの場合、全圧を表す)。
分散剤(B)は、着色剤(A)に対して1〜80重量%使用するのが好ましく、さらに好ましくは5〜70重量%、特に好ましくは10〜50重量%である。この範囲において、分散剤(B)は着色剤(A)の表面全体に効果的に吸着する。
溶剤(C)の量は、着色剤(A)1重量部に対して1〜100重量部使用するのが好ましく、さらに好ましくは2〜80重量部、特に好ましくは3〜50重量部である。この範囲内において、分散液(E)を取り扱いしやすい粘度で得ることができる。
ノズルの口径は、0.5〜5.0mm程度で、ニードルバルブあるいはボールバルブの開閉により、圧縮性流体(D)混合後のスラリーを高圧状態から大気中に一気に噴出させることができるものが好ましい。
また、スラリーと圧縮性流体(D)の攪拌混合時の温度は、過昇温による分散質の凝集防止や、吐出時のスラリーの温度調整などの点から、好ましくは15〜120℃、さらに好ましくは30〜100℃である。
ラインブレンド方法に用いる装置の具体例として、スタティックミキサー、インラインミキサー、ラモンドスーパーミキサー、スルザーミキサーのような静止型インライン混合機や、バイブミキサー、ターボミキサーのような撹拌型インライン混合機などが挙げられる。装置のミキサー部分の長さおよび配管径、ミキシング装置(エレメント)数に何ら限定はないが、2MPa以上の圧力に耐え得るものでなければならない。
ラインブレンド方法に用いる装置の出口には、耐圧容器と同様の、スラリー取り出し用のノズルを備えているのが好ましい。
ラインブレンドを行う温度は、前記の耐圧容器を用いて混合する場合と同様である。また、装置内の滞留時間は、混合が十分行われるのであれば特に限定されないが、0.1〜1800秒が好ましい。
ラインブレンド後の混合物を大気圧まで減圧膨張させ、圧縮性流体(D)を気化させて除くことで、メジアン径1μm以下の着色剤(A)が溶剤(C)中に分散された分散液(E)が得られる。
熱可塑性樹脂としては、例えばビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。このうち好ましいのは、微細な樹脂粒子の分散体が得られやすいという観点からビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂およびそれらの併用である。
(1)ビニル炭化水素:
(1−1)脂肪族ビニル炭化水素:アルケン類、例えばエチレン、プロピレン、前記以外のα−オレフィン等;アルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン。
(1−2)脂環式ビニル炭化水素:モノ−もしくはジ−シクロアルケンおよびアルカジエン類、例えば(ジ)シクロペンタジエン等;テルペン類、例えばピネン等。
(1−3)芳香族ビニル炭化水素:スチレンおよびそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよび/またはアルケニル)置換体、例えばα−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン等;およびビニルナフタレン。
(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー及びその塩:炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸ならびにその無水物およびそのモノアルキル(炭素数1〜24)エステル、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニルモノマー。
(3)スルホン基含有ビニルモノマー、ビニル硫酸モノエステル化物及びこれらの塩:炭素数2〜14のアルケンスルホン酸、例えばビニルスルホン酸;およびその炭素数2〜24のアルキル誘導体、例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミド、例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、および硫酸エステルもしくはスルホン酸基含有ビニルモノマー;ならびそれらの塩等。
(4)燐酸基含有ビニルモノマー及びその塩:(メタ)アクリロイルオキシアルキル(C1〜C24)燐酸モノエステル、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)ホスホン酸類、例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸。なお、上記(2)〜(4)の塩としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、アミン塩もしくは4級アンモニウム塩が挙げられる。
(5)ヒドロキシル基含有ビニルモノマー:ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテル等。
(6)含窒素ビニルモノマー:
(6−1)アミノ基含有ビニルモノマー:アミノエチル(メタ)アクリレート等、
(6−2)アミド基含有ビニルモノマー:(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド等、
(6−3)ニトリル基含有ビニルモノマー:(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレート等、
(6−4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニルモノマー:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニルモノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)等、
(6−5)ニトロ基含有ビニルモノマー:ニトロスチレン等。
(7)エポキシ基含有ビニルモノマー:グルシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
(8)ハロゲン元素含有ビニルモノマー:塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプレン等。
(9)ビニルエステル、ビニル(チオ)エーテル、ビニルケトン、ビニルスルホン類:
(9−1)ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニルモノマー[ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等、
(9−2)ビニル(チオ)エーテル、例えばビニルメチルエーテル等、
(9−3)ビニルケトン、例えばビニルメチルケトン等。
(10)その他のビニルモノマー:イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等。
ポリオールとポリカルボン酸の反応比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/1、さらに好ましくは1.5/1〜1/1、とくに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
上記芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などが挙げられる。
上記脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などが挙げられる。
上記脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)などが挙げられる。
上記芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
また、上記ポリイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。具体的には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDIなど)、ウレタン変性TDIなどのポリイソシアネートの変性物およびこれらの2種以上の混合物[たとえば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
これらのうちで好ましいものは6〜15の芳香族ポリイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ポリイソシアネート、および炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネートであり、とくに好ましいものはTDI、MDI、HDI、水添MDI、およびIPDIである。
・脂肪族ポリアミン類(C2〜C18):
〔1〕脂肪族ポリアミン{C2〜C6アルキレンジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、及びヘキサメチレンジアミンなど)、ポリアルキレン(C2〜C6)ポリアミン〔ジエチレントリアミンなど〕}
〔2〕これらのアルキル(C1〜C4)またはヒドロキシアルキル(C2〜C4)置換体〔ジアルキル(C1〜C3)アミノプロピルアミンなど〕
〔3〕脂環または複素環含有脂肪族ポリアミン〔3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなど〕
〔4〕芳香環含有脂肪族アミン類(C8〜C15)(キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミンなど)、
・脂環式ポリアミン(C4〜C15):1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4´−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)など、
・芳香族ポリアミン類(C6〜C20):
〔1〕非置換芳香族ポリアミン〔1,2−、1,3−および1,4−フェニレンジアミンなど;核置換アルキル基〔メチル、エチル、n−およびi−プロピル、ブチルなどのC1〜C4アルキル基)を有する芳香族ポリアミン、たとえば2,4−および2,6−トリレンジアミンなど〕、およびこれらの異性体の種々の割合の混合物
〔2〕核置換電子吸引基(Cl、Br、I、Fなどのハロゲン;メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基;ニトロ基など)を有する芳香族ポリアミン〔メチレンビス−o−クロロアニリンなど〕
〔3〕2級アミノ基を有する芳香族ポリアミン〔上記(4)〜(6)の芳香族ポリアミンの−NH2の一部または全部が−NH−R´(R´はメチル、エチルなどの低級アルキル基で置換したもの〕〔4,4´−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼンなど〕、
・複素環式ポリアミン(C4〜C15):ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジンなど、
・ポリアミドポリアミン:ジカルボン酸(ダイマー酸など)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類(上記アルキレンジアミン,ポリアルキレンポリアミンなど)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミンなど、
・ポリエーテルポリアミン:ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコールなど)のシアノエチル化物の水素化物など。
(I)着色剤(A)、分散剤(B)、溶剤(C)および圧力が2MPa以上である圧縮性流体(D)を混合し、混合物を減圧膨張して(D)を気化させ除去することで、分散液(E)を得た後、樹脂(F)を分散液(E)に加え混合、溶解し、分散液(E)と樹脂(F)を含有するインク組成物を得る。
(II)着色剤(A)、分散剤(B)、溶剤(C)および圧力が2MPa以上である圧縮性流体(D)を混合し、混合物を減圧膨張して(D)を気化させ除去することで、分散液(E)を得た後、樹脂(F)を予め溶剤(I)に溶解させた溶液(J)を分散液(E)に加え混合し、分散液(E)と樹脂(F)を含有するインク組成物を得る。
樹脂(F)を予め溶剤(I)に溶解させた溶液(J)を作製する場合、溶液(J)の重量に対する樹脂(F)の濃度は、好ましくは5〜90重量%、さらに好ましくは10〜80重量%である。
(III)前述の(I)または(II)の方法により、分散液(E)と樹脂(F)を含有する組成物を得た後、水性媒体(G)を混合し、インク組成物を得る。
(IV)着色剤(A)、分散剤(B)、溶剤(C)、および圧力が2MPa以上である圧縮性流体(D)を混合し、混合物を水性媒体(G)中に吐出し減圧膨張して(D)を気化させ除去することにより、水性媒体(G)を含む分散液(E)を得た後、前述の(I)または(II)の方法で樹脂(F)を分散液(E)に加え混合し、インク組成物を得る。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール(以下、プロピレングリコールと記載)831部、テレフタル酸703部、アジピン酸47部、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が87℃になった時点で180℃まで冷却し、さらに無水トリメリット酸24部、テトラブトキシチタネート0.5部を投入し90分反応させた後、取り出した。回収されたプロピレングリコールは442部であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化し、ポリエステル樹脂(F−1)を得た。この樹脂のMnは1900、Tgは45℃であった。
撹拌機及び加熱器を備えた簡易加圧反応装置に、水酸基価276のビスフェノールAのEO付加物(三洋化成工業(株)製、商品名「ニューポール BPE−40」)を100部、2,2−ジメチロールプロピオン酸を43部、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウムを5部、イソホロンジイソシアネートを64部、ヘキサメチレンジイソシアネートを38部、トリエチルアミンを3部およびテトラヒドロフランを250部、窒素を導入しながら仕込んだ。その後70℃に加熱し、8時間かけてウレタン化反応を行い、溶剤を留去することでポリウレタン樹脂(F−2)を得た。この樹脂のMnは4500、融点は56℃であった。
攪拌装置のついた容器に、アセトン250部、製造例1で得られた樹脂(F−1)250部を仕込み、完全に溶解するまで攪拌し、樹脂溶液(F−1’)を得た。
攪拌装置のついた容器に、イオン交換水250部、およびアセトン250部を仕込み、攪拌、混合し、水性媒体(G−1)を得た。
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に、分散剤(DISPERBYK106:酸価132、アミン価74である高分子化合物の塩。分子量1,200および460にピークを有する。ビックケミー・ジャパン社製)1.2部のアセトン溶液40部、シアニンブルー8.85部を、反応容器の容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度85℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し5MPaにして10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、着色剤の分散液(E−1)を得た。分散した着色剤のLA−920(以下の着色剤についても同様)によるメジアン径は0.36μmで、1μm以上の割合が0体積%であった。
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に分散剤(SOLSPERSE71000:酸価0、アミン価78である櫛型重合体。分子量3,800にピークを有する。日本ルーブリゾール社製)1.0部のアセトン溶液45部、ピグメントレッド4.0部を、反応容器の容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度85℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し5MPaにして10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、着色剤の分散液(E−2)を得た。分散した着色剤のメジアン径は0.23μmで、1μm以上の割合が0体積%であった。
図1に示すラインブレンド方法を用いる実験装置〔ラインブレンド装置(M1)としては、スタティックミキサー(ノリタケカンパニーリミテド社製;内径3.4mm、エレメント数27)を使用した〕において、まずT1に分散剤(DISPERBYK106)11.5部のアセトン溶液411.5部、シアニンブルー88.5部を仕込み密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度85℃まで昇温し、スラリーを作製した。ボンベB1、ポンプP2より二酸化炭素を0.2L/hの流量で導入し、バルブV1を調整し、5MPaとした。次いで、タンクT1、ポンプP1よりスラリーを0.5L/hの流量で導入し、5MPaを維持しながら、M1でラインブレンドされた混合液をノズルからT2内(大気圧)に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、着色剤の分散液(E−3)を得た。分散した着色剤のメジアン径は0.21μmで、1μm以上の割合が0体積%であった。
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に、前記分散剤(DISPERBYK106)1.2部のアセトン溶液40部、シアニンブルー8.85部を仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度85℃まで昇温した。昇温後10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中に開放することで、比較の着色剤の分散液(E’−1)を得た。分散した着色剤のメジアン径は0.50μmで、1μm以上の割合が34.2体積%であった。
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に、アセトン40部、シアニンブルー10部を、反応容器の容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度85℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し5MPaにして10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、比較の着色剤の分散液(E’−2)を得た。分散した着色剤のメジアン径は0.89μmで、1μm以上の割合が56.4体積%であった。
攪拌装置のついた容器に、着色剤の分散液(E−1)50部、およびポリエステル樹脂(F−1)5部を仕込み、(F−1)が完全に溶解するまで攪拌し、インク組成物(X−1)を得た。
攪拌装置のついた容器に、着色剤の分散液(E−2)50部、およびポリエステル樹脂(F−1)0.5部を仕込み、(F−1)が完全に溶解するまで攪拌し、インク組成物(X−2)を得た。
攪拌装置のついた容器に、着色剤の分散液(E−3)50部、およびポリエステル樹脂(F−1)100部を仕込み、(F−1)が完全に溶解するまで攪拌し、インク組成物(X−3)を得た。
攪拌装置のついた容器に、着色剤の分散液(E−1)50部、およびポリウレタン樹脂(F−2)10部を仕込み、(F−2)が完全に溶解するまで攪拌し、インク組成物(X−4)を得た。
攪拌装置のついた容器に、着色剤の分散液(E−1)50部、およびポリエステル樹脂溶液(F−1’)200部を仕込み、攪拌、混合し、インク組成物(X−5)を得た。
攪拌装置のついた容器に、着色剤の分散液(E−1)50部、およびポリエステル樹脂(F−1)5部を仕込み、(F−1)が完全に溶解するまで攪拌した後、水性媒体としてイオン交換水20部を仕込み、攪拌、混合し、インク組成物(X−6)を得た。
攪拌装置のついた容器に、着色剤の分散液(E−1)50部、およびポリエステル樹脂(F−1)30部を仕込み、(F−1)が完全に溶解するまで攪拌した後、水性媒体(G−1)100部を仕込み、攪拌、混合し、インク組成物(X−7)を得た。
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に、分散剤(DISPERBYK106:酸価132、アミン価74である高分子化合物の塩。分子量1,200および460にピークを有する。ビックケミー・ジャパン社製)1.2部のアセトン溶液40部、シアニンブルー8.85部を、反応容器の容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度85℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し5MPaにして10分間攪拌した。別の容器に水性媒体(G−1)100部を仕込んでおき、耐圧反応容器下部に取り付けたノズルを水性媒体(G−1)中に浸し、ノズルを全開して水性媒体(G−1)中に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、着色剤の分散液と水性媒体との混合物(T−1)を得た。(T−1)にポリエステル樹脂(F−1)30部を仕込み、(F−1)が完全に溶解するまで攪拌し、インク組成物(X−8)を得た。
攪拌装置のついた容器に、比較の着色剤の分散液(E’−1)50部、およびポリエステル樹脂(F−1)5部を仕込み、(F−1)が完全に溶解するまで攪拌し、比較のインク組成物(X’−1)を得た。
攪拌装置のついた容器に、比較の着色剤の分散液(E’−2)50部、およびポリエステル樹脂(F−1)5部を仕込み、(F−1)が完全に溶解するまで攪拌し、比較のインク組成物(X’−2)を得た。
本発明のインク組成物(X−1)〜(X−8)、比較のインク組成物(X’−1)および(X’−2)をそれぞれ密栓して、40℃で4週間保存した。保存前後のインク組成物について、それぞれ15mlを25mmφ孔径3μmメンブレンフィルターにより0.03MPaの減圧下で濾過し、濾過に要した時間を測定して保存後の濾過時間上昇率を求め、次の指標で吐出安定性を評価した。結果を表1および表2に示す
◎ 保存前後での濾過時間上昇率が110%未満
○ 保存前後での濾過時間上昇率が110%以上、130%未満
× 保存前後での濾過時間上昇率が130%以上
本発明のインク組成物(X−1)〜(X−8)、比較のインク組成物(X’−1)および(X’−2)を使用して、インクジェットプリンターで文字の印刷を連続して行い(1ページあたり1000字を20ページ)、次の指標で吐出安定性を評価した。結果を表1および表2に示す。
◎ 全く印字に乱れがない
○ 1〜2個所印字に乱れがある
× 3個所以上印字に乱れがある
T2:分散液受け槽
B1:二酸化炭素ボンベ
P1:溶液ポンプ
P2:二酸化炭素ポンプ
M1:スタティックミキサー
V1:バルブ
Claims (8)
- 着色剤(A)、分散剤(B)、溶剤(C)、および圧力が2MPa以上である圧縮性流体(D)を混合し、混合物を減圧膨張して(D)を気化させ除去することで得られる、メジアン径1μm以下の着色剤(A)が溶剤(C)中に分散された分散液(E)と樹脂(F)を混合する工程を含むインク組成物の製造方法。
- さらに水性媒体(G)を混合する工程を含む請求項1記載の製造方法。
- 分散液(E)が、着色剤(A)、分散剤(B)、溶剤(C)、および圧力が2MPa以上である圧縮性流体(D)を混合し、混合物を水性媒体(G)中に吐出し減圧膨張して(D)を気化させ除去して得られたものである請求項2記載の製造方法。
- 分散剤(B)が、酸価とアミン価の合計(mgKOH/g)が10以上250以下であり、分子量分布において、少なくとも1,000以上1,000,000以下の範囲にピークを有する請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
- 圧縮性流体(D)が液体状態の二酸化炭素又は超臨界状態の二酸化炭素である請求項1〜4いずれか記載の製造方法
- 請求項1〜5のいずれか記載の製造方法により得られたインク組成物。
- 分散液(E)、樹脂(F)、および水性媒体(G)の重量比が、(1〜99.9):(0.1〜99):(0〜98)である請求項6記載のインク組成物。
- インクジェット記録用インクである請求項6または7記載のインク組成物。
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