JP2011246629A - インク組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 着色剤が分散溶剤中に微細に分散された分散液と、該分散液と樹脂を含有するインク組成物を、迅速に、かつ少ない動力で製造すること。
【解決手段】 着色剤(A)、分散剤(B)、溶剤(C)、および圧力が2MPa以上である圧縮性流体(D)を混合し、混合物を減圧膨張して(D)を気化させ除去することで得られる、メジアン径1μm以下の着色剤(A)が溶剤(C)中に分散された分散液(E)と樹脂(F)を混合する工程を含むインク組成物の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、着色剤が分散溶剤に分散されたインク組成物の製造方法、およびインク組成物に関するものである。
インク組成物の製造工程において、着色剤等の材料を微細化し、この微粒子を水、有機溶剤等の分散溶剤に分散させて分散液を作成する工程が含まれているが、従来の方法、装置では着色剤等の微粒子を溶剤に分散するために長い時間と多くの動力を必要とした。
また、上述のような方法を改良するものとして、分散質と溶剤を混合した混合物を超臨界容器に供給し超臨界状態とした後、超臨界状態の混合物を大気中に解放し、衝突部に衝突させることにより分散質を溶剤中に微粒子化して分散する方法も提案されている(例えば特許文献1参照)が、分散質の溶剤への分散性が不十分であるという問題があった。
特開平10−192670号公報
本発明の解決課題は、着色剤が分散溶剤中に微細に分散された分散液と、該分散液と樹脂を含有するインク組成物を、迅速に、かつ少ない動力で製造することである。
本発明によれば、着色剤(A)、分散剤(B)、溶剤(C)、および圧力が2MPa以上である圧縮性流体(D)を混合し、混合物を減圧膨張して(D)を気化させ除去することで得られる、メジアン径1μm以下の着色剤(A)が溶剤(C)中に分散された分散液(E)と樹脂(F)を混合する工程を含むインク組成物の製造方法が提供され、上記課題が解決される。
本発明によれば、着色剤、分散剤、及び溶剤を圧縮性流体中で混合する事で、分散剤が着色剤中に浸透し一次粒子化を促進できる。また、高圧から大気中に急速に減圧膨張することにより密度を急激に小さくすることにより効果的な分散を行う事ができ、迅速に、かつ少ない動力で、着色剤のメジアン径が1μm以下の分散液を作製する事ができ、その分散液を用いて、インク組成物を簡便に得ることができる。また、得られたインク組成物は、保存安定性や吐出安定性に優れる。
本発明における、ラインブレンドによる混合方法での分散液の作成に用いる実験装置のフローチャートである。
以下に本発明を詳述する。
本発明のインク組成物の製造方法に用いる着色剤(A)としては、公知の染料及び顔料を広く用いることができ、具体的には、カーボンブラック、スーダンブラックSM、ファーストイエロ−G、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB、およびオイルピンクOP等が挙げられる。
分散剤(B)としては、着色剤(A)の分散性を向上させるものであれば、特に限定されないが、その酸価とアミン価の合計(単位:mgKOH/g、以下同様。)が、好ましくは10以上250以下、さらに好ましくは15以上220以下、とくに好ましくは20以上210以下である。10〜250の範囲であると、着色剤(A)と十分に相互作用し、分散性がより向上する。
本発明において、分散剤(B)の酸価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定される。また、アミン価は、JIS K7237(1996年版)規定の方法で測定される。
また、分散剤(B)は、分子量分布において、少なくとも1,000以上1,000,000以下の範囲にピークを有するものが好ましく、分子量のピークは、さらに好ましくは1,050以上10,000以下であり、とくに好ましくは1,100以上5,000以下である。この範囲にピークを有することで、分散剤(B)がより溶剤(C)中に溶解しやすくなり、着色剤(A)表面に効率的に吸着することができる。また(B)は、それに加えて1,000未満(好ましくは200〜990)の範囲にピークを有していてもよい。
本発明において、分散剤(B)の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
分散剤(B)の組成は、特に限定されないが、酸性や塩基性の官能基を持った重合高分子や、高分子化合物の塩が好ましい。例えば、酸性基と塩基性基を有するビニル共重合体、ポリエステル、およびポリオレフィン、並びに酸性基を有する高分子化合物のアルキルアンモニウム塩などが挙げられる。官能基を有することで、着色剤(A)の表面により吸着しやすくなり、溶剤(C)中での着色剤(A)の分散安定化を促進することができる。
分散剤(B)のうち、例えば、酸性基と塩基性基を有するビニル共重合体としては、酸性基を有するビニルモノマー、塩基性基を有するビニルモノマー、および必要により他のビニルモノマーの共重合体が挙げられる。
酸性基を有するビニルモノマーとしては、モノカルボン酸〔炭素数3〜15、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸〕、ジカルボン酸〔炭素数4〜15、例えば(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸〕、ジカルボン酸モノエステル〔上記ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜18)エステル、例えばマレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノアルキルエステル〕などのカルボキシル基含有ビニルモノマー;およびスルホン基含有ビニルモノマー等が挙げられる。
塩基性基を有するビニルモノマーとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアミノ基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
他のビニルモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素数が1〜18のアルキル(メタ)アクリレート、およびスチレン等が挙げられる。
上記において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/またはメタアクリル酸を意味し、以下同様の記載法を用いる。
他の構造からなる分散剤についても、例えば、酸性基を有するモノマーと塩基性基を有するモノマーを含有するモノマーから得られる高分子体等を用いる。
分散剤(B)は、市販品を用いてもよい。具体例としては、ビックケミー・ジャパン社製の、DISPERBYK106、および日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE71000が挙げられる。これらの分散剤の酸価とアミン価の合計は、前記の好ましい範囲内である。
溶剤(C)は、分散剤(B)を溶かすものであればよく、例えばケトン溶剤(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル溶剤(テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、環状エーテル等)、エステル溶剤(酢酸エステル、ピルビン酸エステル、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル、乳酸エステル等)、アミド溶剤(ジメチルホルムアミド等)、アルコール溶剤(メタノール、エタノール、イソプロパノール、フッ素含有アルコール等)、芳香族炭化水素溶剤(トルエン、キシレン等)、および脂肪族炭化水素溶剤(オクタン、デカン等)などが挙げられる。これらの中では、親水性の観点から、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、酢酸エステル、ピルビン酸エステル、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル、乳酸エステル、ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、イソプロパノール、フッ素含有アルコール等が好ましい。
また、溶剤(C)の溶解性パラメーター(SP値)は9〜16が好ましく、さらに好ましくは10〜15である。SP値とは、下記に示したように、凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表されるものである。
SP=(ΔE/V)12
ここでΔEは凝集エネルギー密度を表す。Vは分子容を表し、その値は、ロバート、エフ.フェードルス(Robert F.Fedors)らの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147〜154頁に記載されている。
圧縮性流体(D)としては、メタン、エチレン、代替フロン等でもよいが、安全性や、取り扱いの容易さなどの点から、液体状態の二酸化炭素又は超臨界状態の二酸化炭素が好ましい。
圧縮性流体(D)の圧力は2MPa以上であり、好ましくは3MPa以上20MPa以下、より好ましくは4MPa以上15MPa以下である。この圧力の範囲において、圧縮性流体(D)が着色剤(A)により浸透して着色剤(A)が粉砕されやすくなり、さらに分散剤(B)が圧縮性流体(D)と溶剤(C)の混合液により良く溶解し、着色剤(A)の表面に吸着しやすくなる。
本発明において、液体状態の二酸化炭素とは、二酸化炭素の温度軸と圧力軸とで表す相図上において、二酸化炭素の三重点(温度=−57℃、圧力0.5MPa)と二酸化炭素の臨界点(温度=31℃、圧力=7.4MPa)を通る気液境界線、臨界温度の等温線、および固液境界線に囲まれた部分の温度・圧力条件である二酸化炭素を表し、超臨界状態の二酸化炭素とは、臨界温度以上の温度・圧力条件である二酸化炭素を表す(ただし、圧力は、2成分以上の混合ガスの場合、全圧を表す)。
分散剤(B)は、本発明のインク組成物の製造方法による分散液(E)の製造時、圧縮性流体(D)と溶剤(C)の混合液に溶解するものであるのが好ましい。溶解することで、分散剤(B)が着色剤(A)表面に均一に接触して吸着しやすくなり、分散安定化効果を高める。
本発明においては、着色剤(A)、分散剤(B)、溶剤(C)および圧力が2MPa以上である圧縮性流体(D)を混合し、その後で減圧膨張して、(D)を気化させて除去することで、メジアン径1μm以下の着色剤(A)が、溶剤(C)中に分散された分散液(E)を得る。
着色剤(A)、分散剤(B)、溶剤(C)、および圧力が2MPa以上である圧縮性流体(D)を混合する順序、方法は特に限定されないが、まず、溶剤(C)に分散剤(B)を溶解させた後、着色剤(A)と混合し、次いで混合物に圧縮性流体(D)を導入するのが好ましい。
分散剤(B)は、着色剤(A)に対して1〜80重量%使用するのが好ましく、さらに好ましくは5〜70重量%、特に好ましくは10〜50重量%である。この範囲において、分散剤(B)は着色剤(A)の表面全体に効果的に吸着する。
溶剤(C)の量は、着色剤(A)1重量部に対して1〜100重量部使用するのが好ましく、さらに好ましくは2〜80重量部、特に好ましくは3〜50重量部である。この範囲内において、分散液(E)を取り扱いしやすい粘度で得ることができる。
着色剤(A)、分散剤(B)、および溶剤(C)の混合物(以下、スラリーと呼ぶ)と圧縮性流体(D)の混合を耐圧式の容器で行う場合、スラリーを耐圧容器に仕込み、耐圧容器に備え付けたポンプ等の加圧手段により、所望の圧力に達するまで圧縮性流体(D)を容器内に導入し、スラリーと混合するのが好ましい。圧縮性流体(D)を導入することでスラリー体積が膨張するため、スラリーの初期仕込み量は、容器の容積に対して10〜60体積%が好ましい。
本発明において、分散液(E)の製造に用いる耐圧容器は、2MPa以上の圧力に耐え得るものであり、容器内でスラリーと圧縮性流体(D)を攪拌混合できる設備を備え付けたもので、さらに容器下部にスラリー取り出し用のノズルを備えているものが好ましい。
ノズルの口径は、0.5〜5.0mm程度で、ニードルバルブあるいはボールバルブの開閉により、圧縮性流体(D)混合後のスラリーを高圧状態から大気中に一気に噴出させることができるものが好ましい。
圧縮性流体(D)の導入後、しばらく攪拌することで着色剤(A)に分散剤(B)を吸着させる。攪拌時間は、分散剤(B)が着色剤(A)に吸着できる最低限度の時間でよく、10〜30分程度攪拌するのが好ましい。
また、スラリーと圧縮性流体(D)の攪拌混合時の温度は、過昇温による分散質の凝集防止や、吐出時のスラリーの温度調整などの点から、好ましくは15〜120℃、さらに好ましくは30〜100℃である。
攪拌後、容器下部ノズルよりバルブを開けて(好ましくは全開状態で)スラリーを一気に大気圧まで減圧膨張させ、圧縮性流体(D)を気化させて除くことで、メジアン径1μm以下の着色剤(A)が溶剤(C)中に分散された分散液(E)が得られる。この減圧膨張の操作により、分散液(E)のスラリー温度が下がるため、減圧膨張前のスラリーをある程度(好ましくは50〜100℃)加熱温調しておいてもよい。温調することで、取り出し時の分散液(E)の液温低下による着色剤(A)の凝集を防ぐことができる。
スラリーと圧縮性流体(D)の混合は、上記の耐圧容器内で行う方法以外に、ラインブレンド(インライン混合)方法により連続的に行うことができ、生産性の向上、品質の一定化、製造スペースの縮小化等の面から好ましい。
ラインブレンド方法に用いる装置の具体例として、スタティックミキサー、インラインミキサー、ラモンドスーパーミキサー、スルザーミキサーのような静止型インライン混合機や、バイブミキサー、ターボミキサーのような撹拌型インライン混合機などが挙げられる。装置のミキサー部分の長さおよび配管径、ミキシング装置(エレメント)数に何ら限定はないが、2MPa以上の圧力に耐え得るものでなければならない。
ラインブレンド方法に用いる装置の出口には、耐圧容器と同様の、スラリー取り出し用のノズルを備えているのが好ましい。
スラリーと圧縮性流体(D)の混合方法としては、まず、圧縮性流体(D)をラインブレンドを行う装置内に導入して圧力が2MPa以上となるよう調整し、次いでスラリーを(D)に導入するのが好ましい。
ラインブレンドを行う温度は、前記の耐圧容器を用いて混合する場合と同様である。また、装置内の滞留時間は、混合が十分行われるのであれば特に限定されないが、0.1〜1800秒が好ましい。
ラインブレンド後の混合物を大気圧まで減圧膨張させ、圧縮性流体(D)を気化させて除くことで、メジアン径1μm以下の着色剤(A)が溶剤(C)中に分散された分散液(E)が得られる。
分散液(E)中の着色剤(A)は、メジアン径が、0.8μm以下で微細化しているのが好ましく、さらに好ましくは0.6μm以下、とくに好ましくは0.01μm以上0.5μm以下で、1μm以上の粒子が存在しないことである。メジアン径は、動的光散乱式粒度分布測定装置(例えば LB−550:堀場製作所製)、レーザー式粒度分布測定装置(例えば LA−920:堀場製作所製)、およびマルチサイザーIII(ベックマン・コールター社製)等で測定できる。
本発明におけるインク組成物は、上記の方法で得られた分散液(E)と樹脂(F)を混合することにより得られる。樹脂(F)としては、熱可塑性樹脂(F1)、該熱可塑性樹脂を微架橋した樹脂(F2)、および熱可塑性樹脂を海成分、硬化樹脂を島成分とするポリマーブレンド(F3)が挙げられ、2種以上を併用しても差し支えない。
熱可塑性樹脂としては、例えばビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。このうち好ましいのは、微細な樹脂粒子の分散体が得られやすいという観点からビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂およびそれらの併用である。
ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合または共重合したポリマーである。ビニルモノマーとしては、下記(1)〜(10)が挙げられる。
(1)ビニル炭化水素:
(1−1)脂肪族ビニル炭化水素:アルケン類、例えばエチレン、プロピレン、前記以外のα−オレフィン等;アルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン。
(1−2)脂環式ビニル炭化水素:モノ−もしくはジ−シクロアルケンおよびアルカジエン類、例えば(ジ)シクロペンタジエン等;テルペン類、例えばピネン等。
(1−3)芳香族ビニル炭化水素:スチレンおよびそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよび/またはアルケニル)置換体、例えばα−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン等;およびビニルナフタレン。
(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー及びその塩:炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸ならびにその無水物およびそのモノアルキル(炭素数1〜24)エステル、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニルモノマー。
(3)スルホン基含有ビニルモノマー、ビニル硫酸モノエステル化物及びこれらの塩:炭素数2〜14のアルケンスルホン酸、例えばビニルスルホン酸;およびその炭素数2〜24のアルキル誘導体、例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミド、例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、および硫酸エステルもしくはスルホン酸基含有ビニルモノマー;ならびそれらの塩等。
(4)燐酸基含有ビニルモノマー及びその塩:(メタ)アクリロイルオキシアルキル(C1〜C24)燐酸モノエステル、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)ホスホン酸類、例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸。なお、上記(2)〜(4)の塩としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、アミン塩もしくは4級アンモニウム塩が挙げられる。
(5)ヒドロキシル基含有ビニルモノマー:ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテル等。
(6)含窒素ビニルモノマー:
(6−1)アミノ基含有ビニルモノマー:アミノエチル(メタ)アクリレート等、
(6−2)アミド基含有ビニルモノマー:(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド等、
(6−3)ニトリル基含有ビニルモノマー:(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレート等、
(6−4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニルモノマー:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニルモノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)等、
(6−5)ニトロ基含有ビニルモノマー:ニトロスチレン等。
(7)エポキシ基含有ビニルモノマー:グルシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
(8)ハロゲン元素含有ビニルモノマー:塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプレン等。
(9)ビニルエステル、ビニル(チオ)エーテル、ビニルケトン、ビニルスルホン類:
(9−1)ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニルモノマー[ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等、
(9−2)ビニル(チオ)エーテル、例えばビニルメチルエーテル等、
(9−3)ビニルケトン、例えばビニルメチルケトン等。
(10)その他のビニルモノマー:イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等。
ビニルモノマーの共重合体としては、上記(1)〜(10)の任意のモノマー同士を任意の割合で共重合したポリマーが挙げられるが、例えばスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸、ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、ポリオールと、ポリカルボン酸(その酸無水物、その低級アルキルエステルを含む)との重縮合物などが挙げられる。ポリオールとしてはジオール(11)および3価以上のポリオール(12)が挙げられ、ポリカルボン酸としては、ジカルボン酸(13)および3価以上のポリカルボン酸(14)が挙げられる。
ポリオールとポリカルボン酸の反応比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/1、さらに好ましくは1.5/1〜1/1、とくに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ジオール(11)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;その他、ポリラクトンジオール(ポリε−カプロラクトンジオールなど)、ポリブタジエンジオールなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
3価以上のポリオール(12)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);トリスフェノール類(トリスフェノールPAなど);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記トリスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物;上記ノボラック樹脂のアルキレンオキサイド付加物、アクリルポリオール[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニルモノマーの共重合物など]などが挙げられる。
ジカルボン酸(13)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデセニルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);炭素数8以上の分岐アルキレンジカルボン酸[ダイマー酸、アルケニルコハク酸(ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸など)、アルキルコハク酸(デシルコハク酸、ドデシルコハク酸、オクタデシルコハク酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
3価以上(3〜6価又はそれ以上)のポリカルボン酸(14)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
なお、ジカルボン酸(13)または3価以上のポリカルボン酸(14)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
ポリウレタン樹脂としては、ポリイソシアネート(15)と活性水素基含有化合物(D){水、ポリオール[前記ジオール(11)および3価以上のポリオール(12)]、ジカルボン酸(13)、3価以上のポリカルボン酸(14)、ポリアミン(16)、ポリチオール(17)等}との重付加物などが挙げられる。
ポリイソシアネート(15)としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネートおよびこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などが挙げられる。
上記脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などが挙げられる。
上記脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)などが挙げられる。
上記芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
また、上記ポリイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。具体的には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDIなど)、ウレタン変性TDIなどのポリイソシアネートの変性物およびこれらの2種以上の混合物[たとえば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
これらのうちで好ましいものは6〜15の芳香族ポリイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ポリイソシアネート、および炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネートであり、とくに好ましいものはTDI、MDI、HDI、水添MDI、およびIPDIである。
ポリアミン(16)の例としては、下記のものが挙げられる。
・脂肪族ポリアミン類(C2〜C18):
〔1〕脂肪族ポリアミン{C2〜C6アルキレンジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、及びヘキサメチレンジアミンなど)、ポリアルキレン(C2〜C6)ポリアミン〔ジエチレントリアミンなど〕}
〔2〕これらのアルキル(C1〜C4)またはヒドロキシアルキル(C2〜C4)置換体〔ジアルキル(C1〜C3)アミノプロピルアミンなど〕
〔3〕脂環または複素環含有脂肪族ポリアミン〔3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなど〕
〔4〕芳香環含有脂肪族アミン類(C8〜C15)(キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミンなど)、
・脂環式ポリアミン(C4〜C15):1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4´−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)など、
・芳香族ポリアミン類(C6〜C20):
〔1〕非置換芳香族ポリアミン〔1,2−、1,3−および1,4−フェニレンジアミンなど;核置換アルキル基〔メチル、エチル、n−およびi−プロピル、ブチルなどのC1〜C4アルキル基)を有する芳香族ポリアミン、たとえば2,4−および2,6−トリレンジアミンなど〕、およびこれらの異性体の種々の割合の混合物
〔2〕核置換電子吸引基(Cl、Br、I、Fなどのハロゲン;メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基;ニトロ基など)を有する芳香族ポリアミン〔メチレンビス−o−クロロアニリンなど〕
〔3〕2級アミノ基を有する芳香族ポリアミン〔上記(4)〜(6)の芳香族ポリアミンの−NH2の一部または全部が−NH−R´(R´はメチル、エチルなどの低級アルキル基で置換したもの〕〔4,4´−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼンなど〕、
・複素環式ポリアミン(C4〜C15):ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジンなど、
・ポリアミドポリアミン:ジカルボン酸(ダイマー酸など)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類(上記アルキレンジアミン,ポリアルキレンポリアミンなど)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミンなど、
・ポリエーテルポリアミン:ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコールなど)のシアノエチル化物の水素化物など。
ポリチオール(17)としては、エチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオールなどが挙げられる。
エポキシ樹脂としては、ポリエポキシド(18)の開環重合物、ポリエポキシド(18)と活性水素基含有化合物(H){水、ポリオール[前記ジオール(11)および3価以上のポリオール(12)]、ジカルボン酸(13)、3価以上のポリカルボン酸(14)、ポリアミン(16)、ポリチオール(17)等}との重付加物、またはポリエポキシド(18)とジカルボン酸(13)または3価以上のポリカルボン酸(14)の酸無水物との硬化物などが挙げられる。
ポリエポキシド(18)としては、分子中に2個以上のエポキシ基を有していれば、特に限定されない。ポリエポキシド(18)として好ましいものは、硬化物の機械的性質の観点から分子中にエポキシ基を2〜6個有するものである。ポリエポキシド(18)のエポキシ当量(エポキシ基1個当たりの分子量)は、好ましくは65〜1000であり、さらに好ましくは90〜500である。エポキシ当量が1000以下であると、架橋構造が密になり硬化物の耐水性、耐薬品性、機械的強度等の物性が向上し、一方、エポキシ当量が65以上のものは、合成するのが容易である。
ポリエポキシド(18)の例としては、芳香族系ポリエポキシ化合物、複素環系ポリエポキシ化合物、脂環族系ポリエポキシ化合物あるいは脂肪族系ポリエポキシ化合物が挙げられる。芳香族系ポリエポキシ化合物としては、多価フェノール類のグリシジルエーテル体およびグリシジルエステル体、グリシジル芳香族ポリアミン、並びに、アミノフェノールのグリシジル化物等が挙げられる。多価フェノールのグリシジルエーテル体としては、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等が挙げられる。多価フェノールのグリシジルエステル体としては、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。グリシジル芳香族ポリアミンとしては、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジフェニルメタンジアミン等が挙げられる。さらに、前記芳香族系ポリエポキシ化合物として、P−アミノフェノールのトリグリシジルエーテル、トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートとグリシドールとの付加反応によって得られるジグリシジルウレタン化合物、前記2反応物にポリオールも反応させて得られるグリシジル基含有ポリウレタン(プレ)ポリマー、およびビスフェノールAのアルキレンオキシド(エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド)付加物のジグリシジルエーテル体も含む。複素環系ポリエポキシ化合物としては、トリスグリシジルメラミンが挙げられる。脂環族系ポリエポキシ化合物としては、ビニルシクロヘキセンジオキシド等が挙げられる。また、脂環族系ポリエポキシ化合物としては、前記芳香族系ポリエポキシド化合物の核水添化物も含む。脂肪族系ポリエポキシ化合物としては、多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル体、多価脂肪酸のポリグリシジルエステル体、およびグリシジル脂肪族アミンが挙げられる。多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル体としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。多価脂肪酸のポリグリシジルエステル体としては、ジグリシジルオキサレート、ジグリシジルマレート、ジグリシジルスクシネート、ジグリシジルグルタレート、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルピメレート等が挙げられる。グリシジル脂肪族アミンとしては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミンが挙げられる。また、脂肪族系ポリエポキシ化合物としては、ジグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体も含む。これらのうち、好ましいのは、脂肪族系ポリエポキシ化合物および芳香族系ポリエポキシ化合物である。ポリエポキシドは、2種以上併用しても差し支えない。
熱可塑性樹脂を微架橋した樹脂(F2)とは、架橋構造を導入させ樹脂(F)のTgが20〜200℃である樹脂を言うものとする。かかる架橋構造は、共有結合性、配位結合性、イオン結合性、水素結合性等、いずれの架橋形態であってもよい。具体例としては、例えば樹脂(F2)としてポリエステルを選択する場合、重合時にポリオールとポリカルボン酸のいずれか、あるいは両方に3官能以上の官能基数を有するものを使用することにより架橋構造を導入することができる。また樹脂(F2)としてビニル樹脂を選択する場合、重合時に二重結合を2つ以上有するモノマーを添加することにより、架橋構造を導入することができる。
熱可塑性樹脂を海成分、硬化樹脂を島成分とするポリマーブレンド(F3)としては、Tgが20〜200℃、且つ軟化開始温度が40〜220℃であるもの、具体的にはビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びこれらの混合物が挙げられる。
樹脂(F)の数平均分子量(GPCにて測定、以下Mnと略記する。)は、好ましくは1000〜500万、より好ましくは2,000〜500,000、溶解性パラメーター(SP値、詳細は後述する。)は、好ましくは7〜18、より好ましくは8〜16、特に好ましくは9〜14である。
樹脂(F)のガラス転移温度(Tg)は好ましくは20℃〜200℃、より好ましくは40℃〜150℃である。20℃以上では長期の保存安定性が良好である。なお、本発明におけるTgは、DSC測定から求められる値である。
樹脂(F)の軟化開始温度は、好ましくは40℃〜220℃、より好ましくは50℃〜200℃である。40℃以上では長期の保存安定性が良好である。220℃以下では定着温度が上昇せず問題がない。なお、本発明における軟化開始温度は、フローテスター測定から求められる値である。
分散液(E)と樹脂(F)を混合し、インク組成物を得る方法において、分散液(E)と樹脂(F)の混合順序、方法は特に限定されないが、以下(I)、および(II)の混合順序、方法が好ましい。
(I)着色剤(A)、分散剤(B)、溶剤(C)および圧力が2MPa以上である圧縮性流体(D)を混合し、混合物を減圧膨張して(D)を気化させ除去することで、分散液(E)を得た後、樹脂(F)を分散液(E)に加え混合、溶解し、分散液(E)と樹脂(F)を含有するインク組成物を得る。
(II)着色剤(A)、分散剤(B)、溶剤(C)および圧力が2MPa以上である圧縮性流体(D)を混合し、混合物を減圧膨張して(D)を気化させ除去することで、分散液(E)を得た後、樹脂(F)を予め溶剤(I)に溶解させた溶液(J)を分散液(E)に加え混合し、分散液(E)と樹脂(F)を含有するインク組成物を得る。
前記(II)の混合順序、方法において、樹脂(F)の溶液(J)を作製する際に使用する溶剤(I)としては、溶剤(C)と同様のものが挙げられる。溶剤(C)と溶剤(I)が同じ溶剤であってもよいし、異なった溶剤であってもよい。
樹脂(F)を予め溶剤(I)に溶解させた溶液(J)を作製する場合、溶液(J)の重量に対する樹脂(F)の濃度は、好ましくは5〜90重量%、さらに好ましくは10〜80重量%である。
本発明のインク組成物の製造方法においては、分散液(E)と樹脂(F)に加え、さらに水性媒体(G)を混合してもよい。水性媒体(G)としては、水、または、水と水溶性溶剤(K)の混合溶剤(G1)が挙げられる。水溶性溶剤(K)としては、水溶性を有するものであればよく、例えばケトン溶剤(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル溶剤(テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、エステル溶剤(酢酸エステル、ピルビン酸エステル、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル、乳酸エステル等)、アミド溶剤(ジメチルホルムアミド等)、およびアルコール溶剤(メタノール、エタノール、イソプロパノール、フッ素含有アルコール等)などが挙げられる。水溶性溶剤(K)としては、これらの中の2種類以上を併用してもよい。これらの中では、水溶性が特に高い、アセトン、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、酢酸エステル、ピルビン酸エステル、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル、乳酸エステル、ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、および、これらの2種以上の併用が好ましい。
水と水溶性溶剤(K)の混合溶剤(G1)を水性媒体(G)として使用する場合、混合溶剤(G1)中の水溶性溶剤(K)の量は、好ましくは5〜90重量%、さらに好ましくは10〜80重量%である。
水性媒体(G)をさらに混合する場合、混合順序、方法は特に限定されないが、以下(III)、および(IV)の混合順序、方法が好ましく、(IV)の混合順序、方法がより好ましい。
(III)前述の(I)または(II)の方法により、分散液(E)と樹脂(F)を含有する組成物を得た後、水性媒体(G)を混合し、インク組成物を得る。
(IV)着色剤(A)、分散剤(B)、溶剤(C)、および圧力が2MPa以上である圧縮性流体(D)を混合し、混合物を水性媒体(G)中に吐出し減圧膨張して(D)を気化させ除去することにより、水性媒体(G)を含む分散液(E)を得た後、前述の(I)または(II)の方法で樹脂(F)を分散液(E)に加え混合し、インク組成物を得る。
本発明のインク組成物において、分散液(E)、樹脂(F)、および水性媒体(G)の重量比〔合計を100とする〕は、インクの保存安定性から、(1〜99.9):(0.1〜99):(0〜98)が好ましく、(2〜99.5):(0.2〜90):(0〜90)がより好ましく、(3〜99):(0.5〜80):(0.5〜80)がさらに好ましい。
本発明のインク組成物において、着色剤(A)、分散剤(B)、樹脂(F)以外に他の添加剤(粘度調整剤、充填剤、被膜形成剤、離型剤、荷電制御剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤、難燃剤、防錆剤など)を含有しても差し支えない。インク組成物中に他の添加剤を含有させる方法としては、予め樹脂(F)、または樹脂(F)の溶剤(I)溶液(J)と添加剤を混合した後、インク組成物とその混合物を混合させるのが好ましい。
本発明の製造方法で得られる本発明のインク組成物は、着色剤の分散が良好であり、インクジェット印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、感熱転写印刷などのあらゆる印刷方式のインクとして使用することができる。中でもインクジェット印刷におけるインクジェット記録用インクとして優れた効果を発揮する。インクジェット印刷方式としては、オンデマンド方式、連続式などの方式であれば機種に限定なく適用することができる。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の記載において「部」は重量部を示す。
製造例1<樹脂(F−1)の調製>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール(以下、プロピレングリコールと記載)831部、テレフタル酸703部、アジピン酸47部、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が87℃になった時点で180℃まで冷却し、さらに無水トリメリット酸24部、テトラブトキシチタネート0.5部を投入し90分反応させた後、取り出した。回収されたプロピレングリコールは442部であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化し、ポリエステル樹脂(F−1)を得た。この樹脂のMnは1900、Tgは45℃であった。
製造例2<樹脂(F−2)の調製>
撹拌機及び加熱器を備えた簡易加圧反応装置に、水酸基価276のビスフェノールAのEO付加物(三洋化成工業(株)製、商品名「ニューポール BPE−40」)を100部、2,2−ジメチロールプロピオン酸を43部、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウムを5部、イソホロンジイソシアネートを64部、ヘキサメチレンジイソシアネートを38部、トリエチルアミンを3部およびテトラヒドロフランを250部、窒素を導入しながら仕込んだ。その後70℃に加熱し、8時間かけてウレタン化反応を行い、溶剤を留去することでポリウレタン樹脂(F−2)を得た。この樹脂のMnは4500、融点は56℃であった。
製造例3<樹脂溶液(F−1’)の調製>
攪拌装置のついた容器に、アセトン250部、製造例1で得られた樹脂(F−1)250部を仕込み、完全に溶解するまで攪拌し、樹脂溶液(F−1’)を得た。
製造例4<水性媒体(G−1)の調製>
攪拌装置のついた容器に、イオン交換水250部、およびアセトン250部を仕込み、攪拌、混合し、水性媒体(G−1)を得た。
実施例1<分散液(E−1)の調製>
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に、分散剤(DISPERBYK106:酸価132、アミン価74である高分子化合物の塩。分子量1,200および460にピークを有する。ビックケミー・ジャパン社製)1.2部のアセトン溶液40部、シアニンブルー8.85部を、反応容器の容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度85℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し5MPaにして10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、着色剤の分散液(E−1)を得た。分散した着色剤のLA−920(以下の着色剤についても同様)によるメジアン径は0.36μmで、1μm以上の割合が0体積%であった。
実施例2<分散液(E−2)の調製>
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に分散剤(SOLSPERSE71000:酸価0、アミン価78である櫛型重合体。分子量3,800にピークを有する。日本ルーブリゾール社製)1.0部のアセトン溶液45部、ピグメントレッド4.0部を、反応容器の容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度85℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し5MPaにして10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、着色剤の分散液(E−2)を得た。分散した着色剤のメジアン径は0.23μmで、1μm以上の割合が0体積%であった。
実施例3<分散液(E−3)の調製>
図1に示すラインブレンド方法を用いる実験装置〔ラインブレンド装置(M1)としては、スタティックミキサー(ノリタケカンパニーリミテド社製;内径3.4mm、エレメント数27)を使用した〕において、まずT1に分散剤(DISPERBYK106)11.5部のアセトン溶液411.5部、シアニンブルー88.5部を仕込み密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度85℃まで昇温し、スラリーを作製した。ボンベB1、ポンプP2より二酸化炭素を0.2L/hの流量で導入し、バルブV1を調整し、5MPaとした。次いで、タンクT1、ポンプP1よりスラリーを0.5L/hの流量で導入し、5MPaを維持しながら、M1でラインブレンドされた混合液をノズルからT2内(大気圧)に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、着色剤の分散液(E−3)を得た。分散した着色剤のメジアン径は0.21μmで、1μm以上の割合が0体積%であった。
比較例1<比較の分散液(E’−1)の調製>
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に、前記分散剤(DISPERBYK106)1.2部のアセトン溶液40部、シアニンブルー8.85部を仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度85℃まで昇温した。昇温後10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中に開放することで、比較の着色剤の分散液(E’−1)を得た。分散した着色剤のメジアン径は0.50μmで、1μm以上の割合が34.2体積%であった。
比較例2<比較の分散液(E’−2)の調製>
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に、アセトン40部、シアニンブルー10部を、反応容器の容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度85℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し5MPaにして10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、比較の着色剤の分散液(E’−2)を得た。分散した着色剤のメジアン径は0.89μmで、1μm以上の割合が56.4体積%であった。
実施例4
攪拌装置のついた容器に、着色剤の分散液(E−1)50部、およびポリエステル樹脂(F−1)5部を仕込み、(F−1)が完全に溶解するまで攪拌し、インク組成物(X−1)を得た。
実施例5
攪拌装置のついた容器に、着色剤の分散液(E−2)50部、およびポリエステル樹脂(F−1)0.5部を仕込み、(F−1)が完全に溶解するまで攪拌し、インク組成物(X−2)を得た。
実施例6
攪拌装置のついた容器に、着色剤の分散液(E−3)50部、およびポリエステル樹脂(F−1)100部を仕込み、(F−1)が完全に溶解するまで攪拌し、インク組成物(X−3)を得た。
実施例7
攪拌装置のついた容器に、着色剤の分散液(E−1)50部、およびポリウレタン樹脂(F−2)10部を仕込み、(F−2)が完全に溶解するまで攪拌し、インク組成物(X−4)を得た。
実施例8
攪拌装置のついた容器に、着色剤の分散液(E−1)50部、およびポリエステル樹脂溶液(F−1’)200部を仕込み、攪拌、混合し、インク組成物(X−5)を得た。
実施例9
攪拌装置のついた容器に、着色剤の分散液(E−1)50部、およびポリエステル樹脂(F−1)5部を仕込み、(F−1)が完全に溶解するまで攪拌した後、水性媒体としてイオン交換水20部を仕込み、攪拌、混合し、インク組成物(X−6)を得た。
実施例10
攪拌装置のついた容器に、着色剤の分散液(E−1)50部、およびポリエステル樹脂(F−1)30部を仕込み、(F−1)が完全に溶解するまで攪拌した後、水性媒体(G−1)100部を仕込み、攪拌、混合し、インク組成物(X−7)を得た。
実施例11
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に、分散剤(DISPERBYK106:酸価132、アミン価74である高分子化合物の塩。分子量1,200および460にピークを有する。ビックケミー・ジャパン社製)1.2部のアセトン溶液40部、シアニンブルー8.85部を、反応容器の容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度85℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し5MPaにして10分間攪拌した。別の容器に水性媒体(G−1)100部を仕込んでおき、耐圧反応容器下部に取り付けたノズルを水性媒体(G−1)中に浸し、ノズルを全開して水性媒体(G−1)中に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、着色剤の分散液と水性媒体との混合物(T−1)を得た。(T−1)にポリエステル樹脂(F−1)30部を仕込み、(F−1)が完全に溶解するまで攪拌し、インク組成物(X−8)を得た。
比較例3
攪拌装置のついた容器に、比較の着色剤の分散液(E’−1)50部、およびポリエステル樹脂(F−1)5部を仕込み、(F−1)が完全に溶解するまで攪拌し、比較のインク組成物(X’−1)を得た。
比較例4
攪拌装置のついた容器に、比較の着色剤の分散液(E’−2)50部、およびポリエステル樹脂(F−1)5部を仕込み、(F−1)が完全に溶解するまで攪拌し、比較のインク組成物(X’−2)を得た。
<保存安定性の評価>
本発明のインク組成物(X−1)〜(X−8)、比較のインク組成物(X’−1)および(X’−2)をそれぞれ密栓して、40℃で4週間保存した。保存前後のインク組成物について、それぞれ15mlを25mmφ孔径3μmメンブレンフィルターにより0.03MPaの減圧下で濾過し、濾過に要した時間を測定して保存後の濾過時間上昇率を求め、次の指標で吐出安定性を評価した。結果を表1および表2に示す
◎ 保存前後での濾過時間上昇率が110%未満
○ 保存前後での濾過時間上昇率が110%以上、130%未満
× 保存前後での濾過時間上昇率が130%以上
<吐出安定性の評価>
本発明のインク組成物(X−1)〜(X−8)、比較のインク組成物(X’−1)および(X’−2)を使用して、インクジェットプリンターで文字の印刷を連続して行い(1ページあたり1000字を20ページ)、次の指標で吐出安定性を評価した。結果を表1および表2に示す。
◎ 全く印字に乱れがない
○ 1〜2個所印字に乱れがある
× 3個所以上印字に乱れがある
Figure 2011246629
Figure 2011246629
実施例4〜11のインク組成物は、保存安定性および吐出安定性に優れていたのに対し、比較例3、4のインク組成物は、保存安定性および吐出安定性が悪化した。
本発明の製造方法により得られる本発明のインク組成物は着色剤の分散が良好であり、インクジェット印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、感熱転写印刷などのあらゆる印刷方式のインクとして有用である。中でもインクジェット印刷におけるインクジェット記録用インクとして優れた効果を発揮する。
T1:混合槽(最高使用圧力20MPa、最高使用温度200℃、攪拌機つき)
T2:分散液受け槽
B1:二酸化炭素ボンベ
P1:溶液ポンプ
P2:二酸化炭素ポンプ
M1:スタティックミキサー
V1:バルブ

Claims (8)

  1. 着色剤(A)、分散剤(B)、溶剤(C)、および圧力が2MPa以上である圧縮性流体(D)を混合し、混合物を減圧膨張して(D)を気化させ除去することで得られる、メジアン径1μm以下の着色剤(A)が溶剤(C)中に分散された分散液(E)と樹脂(F)を混合する工程を含むインク組成物の製造方法。
  2. さらに水性媒体(G)を混合する工程を含む請求項1記載の製造方法。
  3. 分散液(E)が、着色剤(A)、分散剤(B)、溶剤(C)、および圧力が2MPa以上である圧縮性流体(D)を混合し、混合物を水性媒体(G)中に吐出し減圧膨張して(D)を気化させ除去して得られたものである請求項2記載の製造方法。
  4. 分散剤(B)が、酸価とアミン価の合計(mgKOH/g)が10以上250以下であり、分子量分布において、少なくとも1,000以上1,000,000以下の範囲にピークを有する請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
  5. 圧縮性流体(D)が液体状態の二酸化炭素又は超臨界状態の二酸化炭素である請求項1〜4いずれか記載の製造方法
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の製造方法により得られたインク組成物。
  7. 分散液(E)、樹脂(F)、および水性媒体(G)の重量比が、(1〜99.9):(0.1〜99):(0〜98)である請求項6記載のインク組成物。
  8. インクジェット記録用インクである請求項6または7記載のインク組成物。
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