JP2011246512A - 塩化ビニル系重合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 グラフト共重合構造を有する共重合体を容易に製造することが可能となるリビングラジカル重合能を有する新規な塩化ビニル系重合体を提供する。
【解決手段】 特定の単量体残基単位(A)、好ましくはアリル−2−ブロモイソブチレート残基単位、アリル−2−ヨードイソブチレート残基単位、クロロ酢酸ビニル残基単位よりなる群より選択される単量体残基単位及び塩化ビニル単量体残基単位(B)からなる塩化ビニル系重合体。
【選択図】 なし
【解決手段】 特定の単量体残基単位(A)、好ましくはアリル−2−ブロモイソブチレート残基単位、アリル−2−ヨードイソブチレート残基単位、クロロ酢酸ビニル残基単位よりなる群より選択される単量体残基単位及び塩化ビニル単量体残基単位(B)からなる塩化ビニル系重合体。
【選択図】 なし
Description
本発明は、新規な塩化ビニル系重合体に関するものであり、更に詳しくは、リビングラジカル重合能を有することからグラフト共重合体を容易に製造することが可能となるマクロ開始剤としても有用な塩化ビニル系重合体に関するものである。
従来から、生産性の向上、低コスト化および省エネルギー化に伴い高速加工、薄肉加工および低温加工等の可能な、より加工性の優れた塩化ビニル樹脂が望まれている。一般的な塩化ビニル樹脂、なかでもいわゆる硬質塩化ビニル樹脂の加工性は、樹脂の溶融過程(ゲル化特性)と溶融状態の流動性(流動特性)に主として支配されている。広く加工性を改良するものとして、例えば塩化ビニル単独重合体にペンタエリスリトールまたはジペンタエリスリトールの高級脂肪酸エステルを滑剤として混合した硬質塩化ビニル樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献1〜3参照。)。
また、塩化ビニル単独重合体の存在下、水溶媒中で、ラジカル重合開始剤および分散剤を用いてアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルを懸濁重合し、加工性に優れる塩化ビニル系重合体を製造する方法が提案されている(例えば特許文献4参照。)。
しかし、特許文献1〜3に提案された樹脂組成物は、加工機と樹脂組成物の間に滑性が付与されるため加工機の駆動動力は低減されるが、ゲル化性の改良効果は十分ではなくゲル化の遅延が起こるという課題を有していた。
また、特許文献4に提案の方法により得られる塩化ビニル系重合体は、塩化ビニル樹脂を可塑化し、ゲル化性を改良したものであるが、得られる樹脂は溶融粘度、溶融張力が低く、成形加工時のドローダウンの発生、押出成形時の寸法安定性悪化、発泡成形時の発泡不良、ブロー・真空成形時の厚みの均一性の悪化、カレンダー成形時のエアマークの発生などの課題を有するものであった。
そこで本発明は、溶融粘度を必要以上に低下させることなく、ゲル化特性が優れ、加工性の良好なグラフト共重合体構造を有する塩化ビニル系重合体を容易に製造することが可能となるラジカル重合能を有する塩化ビニル系重合体を提供することを目的とするものである。
本発明らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定残基単位を有する新規な塩化ビニル系重合体が容易にグラフト共重合体を製造することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で表される単量体残基単位(A)及び塩化ビニル単量体残基単位(B)からなることを特徴とする塩化ビニル系重合体に関するものである。
(式中、X1は塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、R1およびR2は各々独立して水素原子、炭素数1〜5の炭化水素基であり、nは0〜5の整数である。)
以下に、本発明の塩化ビニル系重合体を詳細に説明する。
本発明は、上記一般式(1)で表される単量体残基単位(A)及び塩化ビニル単量体残基単位(B)からなる新規な塩化ビニル系共重合体に関するものであり、該塩化ビニル系重合体は該単量体残基単位を有することからリビングラジカル重合能を有するものとなる。また、リビングラジカル重合能を有することからマクロ開始剤として作用することが可能となり、容易にグラフト共重合体を製造することが可能となるものである。
該単量体残基単位(A)としては、上記一般式(1)の範疇に属する残基単位であり、X1は塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。また、R1およびR2は各々独立して水素原子、炭素数1〜5の炭化水素基であり、nは0〜5の整数である。ここで、R1とR2としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基を例示することができる。また、nとしては、塩化ビニル単量体との共重合性に特に優れるものとなることから、0または1の整数であることが好ましい。該単量体残基単位(A)の具体的例示としては、例えばクロロ酢酸ビニル残基単位、ブロモ酢酸ビニル残基単位、ヨード酢酸ビニル残基単位、ビニル−2−クロロイソブチレート残基単位、ビニル−2−ブロモイソブチレート残基単位、ビニル−2−ヨードイソブチレート残基単位、アリル−2−クロロアセテート残基単位、アリル−2−ブロモアセテート残基単位、アリル−2−ヨードアセテート残基単位、アリル−2−クロロプロピオネート残基単位、アリル−2−ブロモプロピオネート残基単位、アリル−2−ヨードプロピオネート残基単位、アリル−2−クロロイソブチレート残基単位、アリル−2−ブロモイソブチレート残基単位、アリル−2−ヨードイソブチレート残基単位等を挙げることができ、その中でも特にリビングラジカル重合能に優れる塩化ビニル系重合体となることから、クロロ酢酸ビニル残基単位、ブロモ酢酸ビニル残基単位、ヨード酢酸ビニル残基単位、アリル−2−クロロプロピオネート残基単位、アリル−2−ブロモプロピオネート残基単位、アリル−2−ヨードプロピオネート残基単位、アリル−2−クロロイソブチレート残基単位、アリル−2−ブロモイソブチレート残基単位、アリル−2−ヨードイソブチレート残基単位であることが好ましく、更にクロロ酢酸ビニル残基単位、アリル−2−ブロモイソブチレート残基単位、アリル−2−ヨードイソブチレート残基単位であることが好ましい。
本発明の塩化ビニル系重合体は、該単量体残基単位(A)を誘導する単量体及び塩化ビニル単量体を共重合することにより得ることができ、例えば該単量体残基単位(A)を誘導する単量体及び塩化ビニル単量体をラジカル重合開始剤および分散剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合することにより得ることができる。
該単量体残基単位(A)を誘導する単量体としては、例えばクロロ酢酸ビニル、ブロモ酢酸ビニル、ヨード酢酸ビニル、ビニル−2−クロロイソブチレート、ビニル−2−ブロモイソブチレート、ビニル−2−ヨードイソブチレート、アリル−2−クロロアセテート、アリル−2−ブロモアセテート、アリル−2−ヨードアセテート、アリル−2−クロロプロピオネート、アリル−2−ブロモプロピオネート、アリル−2−ヨードプロピオネート、アリル−2−クロロイソブチレート、アリル−2−ブロモイソブチレート、アリル−2−ヨードイソブチレート等を挙げることができ、その中でも特にリビングラジカル重合能に優れる塩化ビニル系重合体となることから、クロロ酢酸ビニル、ブロモ酢酸ビニル、ヨード酢酸ビニル、アリル−2−クロロプロピオネート、アリル−2−ブロモプロピオネート、アリル−2−ヨードプロピオネート、アリル−2−クロロイソブチレート、アリル−2−ブロモイソブチレート、アリル−2−ヨードイソブチレートであることが好ましく、更にクロロ酢酸ビニル、アリル−2−ブロモイソブチレート、アリル−2−ヨードイソブチレートであることが好ましい。
また、ラジカル重合開始剤としては、懸濁重合において該単量体残基単位(A)を誘導する単量体と塩化ビニル単量体との共重合を開始できるラジカル重合開始剤であれば如何なるものも使用でき、例えばクミルパーオキシネオデカノエート、tert−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ヘキシルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシピバレート等のパーエステル型開始剤;ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート等のジカーボネート型開始剤;イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等のジアシル型開始剤;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ型開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性開始剤等を挙げることができ、これらのラジカル重合開始剤は1種以上で使用することができる。
分散剤としては、懸濁重合において該単量体残基単位(A)を誘導する単量体と塩化ビニル単量体の分散が可能である分散剤であれば如何なるものも使用でき、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールおよびその部分ケン化物、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、デンプン等の有機物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム等の無機物等を挙げることができ、これら分散剤は1種以上で使用することができる。
水性媒体としては、水はもとより、イオン交換水、蒸留水、脱イオン水、工業用水、飲料水等を挙げることができ、例えばアルコール等の有機溶剤を懸濁重合に支障のない範囲で含んでいるものであってもよい。
重合温度としては、該単量体残基単位(A)を誘導する単量体と塩化ビニル単量体との懸濁共重合が可能であれば如何なる温度であってもよく、特に粒子形状を有する塩化ビニル系重合体を効率的に得ることが可能となることから0℃〜100℃であることが好ましく、特に40℃〜70℃であることが好ましい。
本発明の塩化ビニル系重合体は、該単量体残基単位(A)と塩化ビニル単量体残基単位(B)からなる共重合体であり、該単量体残基単位(A)を共重合成分として含有することから、ビニル単量体のリビングラジカル重合能を有するマクロ開始剤としても作用するものであり、マクロ開始剤として作用させることにより容易にグラフト共重合体を得ることが可能となる。そして、本発明の塩化ビニル系重合体をマクロ開始剤として作用する場合、特にその取り扱い性の優れたものとなることら、以下の(i)〜(vi)を満足するものであることが好ましい。i)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、GPCと記す。)により測定した数平均分子量(以下、Mnと記す。)が20000〜200000である、ii)GPCにより測定した重量平均分子量(以下、Mwと記す)とMnの比で表されるMw/Mnが1〜5である、iii)該単量体残基単位(A)の共重合組成(モル%)が0.001〜10である。iv)粒子形状を有している。v)JIS Z−8801に準拠し測定した平均粒径が50〜500μmである。vi)嵩比重が300〜700kg/m3である。
本発明の塩化ビニル系重合体は、該単量体残基単位(A)を有することから、リビングラジカル重合触媒を作用することにより、例えばスチレン類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、カルボン酸ビニル類等に代表される単量体のリビングラジカル重合能を有するものとなり、容易にグラフト共重合体を得ることが可能となる。
該リビングラジカル重合触媒としては、例えば周期律表第7族、8族、9族、10族、または11族元素を有する金属又は金属化合物と配位子化合物から構成される触媒を挙げることができる。具体的にはChem.Rev.(2001),101,2921、Chem.Rev.(2007),107,2270;Chem.rev.(2009),5069、Chem.Rev.101,3689(2001);Chem.Rev.109,4963(2009)などに記載のものを用いることができる。
本発明により得られる新規な塩化ビニル系重合体は、リビングラジカル重合能を有することから他の単量体との共重合を行うことにより容易にグラフト共重合体を得ることが可能となる。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例および比較例における分子量、Mw/Mn、共重合組成、平均粒径、嵩比重の評価は下記の方法により測定を行った。
〜分子量の測定〜
Mn、Mw及びMw/Mnは、GPCにより求めた。充填カラムとして東ソー(株)製、(商品名)TSKgel MultiporeHXL−Mを用い、テトラヒドロフランを移動相として、ピーク検出には示差屈折計(東ソー(株)製、(商品名)RI−8020)を用いた。また、Mn及びMwは、標準ポリスチレン換算で求めた。
Mn、Mw及びMw/Mnは、GPCにより求めた。充填カラムとして東ソー(株)製、(商品名)TSKgel MultiporeHXL−Mを用い、テトラヒドロフランを移動相として、ピーク検出には示差屈折計(東ソー(株)製、(商品名)RI−8020)を用いた。また、Mn及びMwは、標準ポリスチレン換算で求めた。
〜塩化ビニル系重合体の共重合組成測定〜
該単量体残基単位(A)としてアリル−2−ブロモイソブチレート残基単位を有する塩化ビニル系重合体の共重合組成は13C−NMR(Varian社製、(商品名)NMRSystem400)測定により求めた。なお、溶媒として重ベンゼン/オルトジクロロベンゼン=1/3の混合溶媒を用い、120℃で測定を行った。
該単量体残基単位(A)としてアリル−2−ブロモイソブチレート残基単位を有する塩化ビニル系重合体の共重合組成は13C−NMR(Varian社製、(商品名)NMRSystem400)測定により求めた。なお、溶媒として重ベンゼン/オルトジクロロベンゼン=1/3の混合溶媒を用い、120℃で測定を行った。
共重合組成の算出は32ppmのピークの積分強度(a)と54〜58ppmのピークの積分強度(b)から以下の式(2)に従って算出した。
共重合組成(モル%)=(アリル−2−ブロモイソブチレート残基単位の含有量/(塩化ビニル単量体残基単位の含有量+アリル−2−ブロモイソブチレート残基単位の含有量))=(a×100)/(6×b+a) (2)
該単量体残基単位(A)としてクロロ酢酸ビニル残基単位を有する塩化ビニル系重合体の共重合組成は1H−NMR(日本電子社製、(商品名)GSX270)測定により求めた。なお、溶媒としてテトラヒドロフラン−d8を用い、室温で測定を行った。
該単量体残基単位(A)としてクロロ酢酸ビニル残基単位を有する塩化ビニル系重合体の共重合組成は1H−NMR(日本電子社製、(商品名)GSX270)測定により求めた。なお、溶媒としてテトラヒドロフラン−d8を用い、室温で測定を行った。
共重合組成の算出は4.2ppmのピークの積分強度(c)と4.3〜5.8ppmのピークの積分強度(d)から以下の式(3)に従って算出した。
共重合組成(モル%)=(クロロ酢酸ビニル残基単位の含有量/(塩化ビニル単量体残基単位の含有量+クロロ酢酸ビニル残基単位の含有量))=(c×100)/(6×d+c) (3)
〜平均粒径の測定〜
JIS Z−8801に準拠して測定した。
〜平均粒径の測定〜
JIS Z−8801に準拠して測定した。
〜嵩比重の測定〜
JIS K−6721に従って測定した。
JIS K−6721に従って測定した。
実施例1
パドル型撹拌翼、バッフルを装備した内容積3リットルのステンレス製重合器に、脱イオン水1510g(175重量部)、ケン化度80モル%で平均重合度2600のポリビニルアルコール部分ケン化物1.06g(0.12重量部)を装入し、内部の空気を窒素で置換した。その後、アリル−2−ブロモイソブチレート3.49g(0.12モル%)、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート0.352g(0.04重量部)、塩化ビニル単量体879g(100重量部)を装入し、撹拌を行いながら内温57℃で懸濁重合を行った。内温が57℃に到達後8時間で重合を停止し、未反応単量体を回収し、懸濁スラリーのろ過を行った後、1リットルの蒸留水で洗浄した。その後、65℃、窒素気流下で6時間乾燥を行い、さらに65℃で6時間減圧乾燥することにより塩化ビニル系重合体を粒子形状で得た(収量:686g、収率:78%)。
パドル型撹拌翼、バッフルを装備した内容積3リットルのステンレス製重合器に、脱イオン水1510g(175重量部)、ケン化度80モル%で平均重合度2600のポリビニルアルコール部分ケン化物1.06g(0.12重量部)を装入し、内部の空気を窒素で置換した。その後、アリル−2−ブロモイソブチレート3.49g(0.12モル%)、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート0.352g(0.04重量部)、塩化ビニル単量体879g(100重量部)を装入し、撹拌を行いながら内温57℃で懸濁重合を行った。内温が57℃に到達後8時間で重合を停止し、未反応単量体を回収し、懸濁スラリーのろ過を行った後、1リットルの蒸留水で洗浄した。その後、65℃、窒素気流下で6時間乾燥を行い、さらに65℃で6時間減圧乾燥することにより塩化ビニル系重合体を粒子形状で得た(収量:686g、収率:78%)。
得られた塩化ビニル系重合体は、平均粒径155μm、嵩比重530kg/m3であった。また、Mnは57700、Mw/Mnは2.45であった。また、塩化ビニル系重合体のアリル−2−ブロモイソブチレート残基単位の共重合組成は0.1モル%であった。
実施例2
アリル−2−ブロモイソブチレート3.49g(0.12モル%)の代わりに、アリル−2−ブロモイソブチレート34.9g(1.2モル%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で懸濁重合を行い、塩化ビニル系重合体を粒子形状で得た(収量:698g、収率:76%)。
アリル−2−ブロモイソブチレート3.49g(0.12モル%)の代わりに、アリル−2−ブロモイソブチレート34.9g(1.2モル%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で懸濁重合を行い、塩化ビニル系重合体を粒子形状で得た(収量:698g、収率:76%)。
得られた塩化ビニル系重合体は、平均粒径180μm、嵩比重449kg/m3であった。また、Mnは56800、Mw/Mnは2.53であった。また、塩化ビニル系重合体のアリル−2−ブロモイソブチレート残基単位の共重合組成は1モル%であった。
実施例3
アリル−2−ブロモイソブチレート3.49g(0.12モル%)の代わりに、アリル−2−ブロモイソブチレート0.349g(0.012モル%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で懸濁重合を行い、塩化ビニル系重合体を粒子形状で得た(収量:710g、収率:81%)。
アリル−2−ブロモイソブチレート3.49g(0.12モル%)の代わりに、アリル−2−ブロモイソブチレート0.349g(0.012モル%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で懸濁重合を行い、塩化ビニル系重合体を粒子形状で得た(収量:710g、収率:81%)。
得られた塩化ビニル系重合体は、平均粒径150μm、嵩比重523kg/m3であった。また、Mnは57900、Mw/Mnは2.41であった。また、塩化ビニル系重合体のアリル−2−ブロモイソブチレート残基単位の共重合組成は0.01モル%であった。
実施例4
アリル−2−ブロモイソブチレート3.49g(0.12モル%)の代わりに、クロロ酢酸ビニル25.4g(1.5モル%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で懸濁重合を行い、塩化ビニル系重合体を粒子形状で得た(収量:670g、収率:74%)。
アリル−2−ブロモイソブチレート3.49g(0.12モル%)の代わりに、クロロ酢酸ビニル25.4g(1.5モル%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で懸濁重合を行い、塩化ビニル系重合体を粒子形状で得た(収量:670g、収率:74%)。
得られた塩化ビニル系重合体は、平均粒径205μm、嵩比重408kg/m3であった。また、Mnは56200、Mw/Mnは2.66であった。また、塩化ビニル系重合体のクロロ酢酸ビニル残基単位の共重合組成は0.9モル%であった。
本発明の新規な塩化ビニル系重合体は、リビングラジカル重合能を有するマクロ開始剤として作用することも可能なものであり、従来より製造が困難とされてきたグラフト共重合体を容易に製造することが可能となり、該グラフト共重合体は様々な特性を有することから各種成形品への展開が期待できる。
Claims (5)
- 上記単量体残基単位(A)が、アリル−2−ブロモイソブチレート残基単位、アリル−2−ヨードイソブチレート残基単位、クロロ酢酸ビニル残基単位からなる群より選択される単量体残基単位であることを特徴とする請求項1に記載の塩化ビニル系重合体。
- 上記単量体残基単位(A)0.001〜10モル%及び塩化ビニル単量体残基単位(B)90〜99.999モル%からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の塩化ビニル系重合体。
- ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定した標準ポリスチレン換算の数平均分子量が20000〜200000であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塩化ビニル系重合体。
- JIS Z−8801に準拠し測定した平均粒径が50〜500μmの粒子形状を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塩化ビニル系重合体。
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JP2015529277A (ja) * | 2012-11-02 | 2015-10-05 | ハンワ ケミカル コーポレイション | 塩化ビニル系樹脂およびその製造方法 |
WO2023190392A1 (ja) * | 2022-03-30 | 2023-10-05 | 三井化学株式会社 | マクロ重合開始剤、および、マクロ重合開始剤の製造方法 |
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