JP2011245632A - 液滴噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】多数のノズルを一列に配列しつつ、圧力室の間隔を大きくしてクロストークを抑制するとともに、ノズル−圧力室間の距離のばらつきを小さくして噴射特性を揃えることが可能な液滴噴射装置を提供する。
【解決手段】 第1方向に所定のノズルピッチで配列された複数のノズルは、それぞれが複数の第1ノズル54aで構成された複数のノズル群91と、第1方向に関して2つのノズル群91に挟まれた第2ノズル54bとに区分される。また、複数のノズル群91を構成する第1ノズル54aは一列に配列されて第1ノズル列92を構成し、対応する複数の第1圧力室53aも一列に配列されている。さらに、第1圧力室53aの配列間隔は前記所定のノズルピッチよりも大きく、第2ノズル54bに連通する第2圧力室53bは、第1方向と交差する第2方向において第1圧力室54aと異なる位置に配置されている。
【選択図】図7

Description

本発明は、液滴を噴射する液滴噴射装置に関する。
従来から、インクジェットプリンタ等の液滴噴射装置の分野において、圧電層に電界を作用させたときの変形(圧電歪み)を利用して、液体に圧力を付与して液滴を噴射させる、圧電式のアクチュエータを備えたものが知られている。
液滴噴射装置に用いられている一般的な圧電アクチュエータは、一方向に配列された複数のノズル、及び、これら複数のノズルにそれぞれ連通し、同じく一方向に配列された複数の圧力室を備えた、流路構造体(流路ユニット)に設けられ、複数の圧力室と対向する位置にそれぞれ配置された複数の圧電素子を有する。そして、複数の圧電素子に所定の電圧(電界)を個別に印加したときの、圧電素子の変形を利用して圧力室内の液体に圧力を付与し、ノズルから液滴を噴射させる構成となっている。
ところで、従来から、複数の圧電素子間での変形の相互干渉(クロストーク)を防止するため、複数の圧力室の間隔を一定以上に確保することが一般的に行われている。しかし、装置の小型化や、特にインクジェットプリンタの分野における、より一層の高解像度の印字の実現といった目的から、近年、ノズル間隔をより一層狭めることが要求されており、その場合、複数のノズルに対応して配列された複数の圧力室の間隔を大きく確保することが困難となってきている。そこで、例えば、特許文献1,2には上述した課題を解決することが可能な装置が提案されている。
特許文献1に記載の液滴噴射装置は、複数のノズル(オリフィス)とこれら複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室(液室)とを有する液室ユニットと、複数の圧力室を覆うように液室ユニットに設けられた振動プレートと、この振動プレート上の複数の圧力室と対向する領域に接着固定された複数の圧電素子とを有する。また、複数のノズルは一列に配列される一方、複数の圧力室はノズル列と平行な方向に沿って配列されつつ、配列方向と直交する方向におけるノズルとの距離が周期的に変化するように配置されている。これにより、隣接する圧力室間で配列方向と直交する方向の位置がずれることから、圧力室間の距離が一定以上に確保される。
特許文献2には、圧電アクチュエータを備えたインクジェットヘッドが開示されている。このインクジェットヘッドは、複数のノズルとこれら複数のノズルにそれぞれ連通する圧力室が形成された流路ユニット(キャビティユニット)と、この流路ユニットに複数の圧力室を覆うように配置された圧電セラミックスシートと、圧電セラミックスシートの複数の圧力室と対向する部分をそれぞれ挟むように配置された電極とを有する。この特許文献2では、圧電セラミックスシートの電極に挟まれた部分が前記圧電素子に相当する。また、この特許文献2においては、一列に配列された複数の圧力室の配列間隔が、対応する複数のノズルの配列間隔よりも大きくなっており、これによって隣接する圧力室間の距離を確保している。但し、圧力室の配列間隔をノズルの配列間隔よりも大きくするだけだと、ノズルと圧力室間の距離(即ち、両者を連通させるインク流路長)が複数の圧力室間で異なってしまうことから、前記インク流路長がほぼ等しくなるように、複数のノズルの位置を配列方向と直交する方向に異ならせており、その結果、ノズル列が全体として湾曲した形状となっている。
特開2009−78398号公報(図4) 特開2004−50510号公報(図3、図4)
特許文献1においては、ノズルと圧力室との距離、即ち、ノズルと圧力室とを連通させる流路の長さが、複数のノズルの間で異なっている。つまり、圧力室とノズルの間の流路抵抗や、圧力波の伝播等の条件が、複数のノズルの間で異なってしまうことから、複数のノズルの液滴噴射特性が揃わなくなる。
特許文献2においては、圧力室の配列間隔を大きくしつつ、圧力室とノズルの距離(連通させるインク流路の長さ)をほぼ等しくするために、複数のノズルの、配列方向と直交する方向の位置をそれぞれ異ならせている。ここで、複数のノズルが一列に配列されて、ノズル列が直線的な列となっている場合には、複数のノズルの噴射タイミングを全て同じにするだけで、液滴の噴射対象に直線的なドット列を形成することができるのに対し、特許文献2のように、複数の配列方向と直交する方向の位置がそれぞれ異なっている場合には、複数のノズルの噴射タイミングを個別に設定する必要が生じる。つまり、特許文献2の構成では、クロストークを抑制することは確かに可能ではあるが、複数のノズルが一列に配列されていないために液滴噴射制御が複雑になるという問題がある。
本発明の目的は、多数のノズルを一列に配列しつつ、圧力室の配列間隔を大きくしてクロストークを抑制するとともに、複数のノズル間でのノズル−圧力室間の距離の差を小さくして液滴噴射特性を揃えることが可能な、液滴噴射装置を提供することである。
第1の発明の液滴噴射装置は、所定の第1方向に所定のノズルピッチで配列された複数のノズルとこれら複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室を有する流路ユニットと、前記流路ユニットに設けられて、前記複数の圧力室内の液体に噴射圧力を付与する圧電アクチュエータとを備え、前記複数のノズルは、それぞれが、前記第1方向に前記所定のノズルピッチで配列された複数の第1ノズルで構成された複数のノズル群と、各ノズル群の前記第1方向における端位置にある第1ノズルに対して、前記第1方向に関して前記所定のノズルピッチを空けて配置され、前記第1方向に関して2つの前記ノズル群に挟まれた第2ノズルと、を含み、前記複数のノズル群が前記第1方向に並べられることによって、これら複数のノズル群にそれぞれ属する前記第1ノズルが、前記第1方向に一列に配列されて第1ノズル列を構成し、前記第1ノズル列を構成する前記第1ノズルにそれぞれ連通する複数の第1圧力室も、前記第1方向に一列に配列されており、1つの前記ノズル群に対応する前記第1圧力室の、前記第1方向における配列間隔は、前記第1ノズルの配列間隔である前記所定のノズルピッチよりも大きく、前記第2ノズルに連通する第2圧力室は、前記第1方向と交差する第2方向において、前記第1圧力室とは異なる位置に配置されていることを特徴とするものである。
本発明では、所定の第1方向に所定のノズルピッチで配列された複数のノズルが、それぞれが複数の第1ノズルで構成された複数のノズル群と、複数のノズル群の間に配置された第2ノズルとを含む。複数のノズル群は第1方向に並べられることにより、これら複数のノズル群を構成する第1ノズルが第1方向に一列に配置されて第1ノズル列を構成し、第1ノズルに連通する第1圧力室も第1方向に一列に配置されている。その上で、1つのノズル群単位で、第1圧力室の配列間隔が、第1ノズルの配列間隔であるノズルピッチよりも大きくなっている。ここで、各ノズル群において第1圧力室の配列間隔が大きくなっていると、1つのノズル群の配列長さよりも、これに対応する第1圧力室の列の長さが長くなるために、隣接する2つのノズル群にそれぞれ対応する、2つの第1圧力室の列の間のスペースが小さくなる。そのため、2つのノズル群に挟まれる第2ノズルに連通する第2圧力室は、前記2つの第1圧力室の列間ではなく、第1圧力室の配列方向(第1方向)と交差する第2方向において、第1圧力室とは異なる位置に配置されている。つまり、第1圧力室と第2圧力室は一列に配列されていない。
本発明によれば、複数の第1ノズルにそれぞれ連通する、複数の第1圧力室の配列間隔が大きくなるため、隣接する第1圧力室の間のクロストークが抑制される。尚、2つのノズル群の間を補間する第2ノズルに連通する第2圧力室は、配列方向(第1方向)と交差する第2方向において第1圧力室と異なる位置に配置されることから、第1圧力室と第2圧力室との間のクロストークはほとんど問題にならない。
また、一列のノズル列全体で圧力室の配列間隔をノズルピッチよりも大きくすると、特に、配列方向中央に位置するノズルと端に位置するノズルとの間で、ノズル−圧力室間の距離が大きく異なってしまう。しかし、本発明では、一列のノズル列が複数のノズル群に区分された上で、1つのノズル群単位で第1圧力室の配列間隔がノズルピッチよりも大きくなっている。このように、細かく区分されたノズル群単位で圧力室間隔を大きくすることで、ノズル列全体で圧力室の配列間隔を大きくする場合と比べて、複数のノズル間での、ノズル−圧力室間の距離のばらつきを小さくすることができる。これにより、第1圧力室の配列間隔を大きくしつつ、複数のノズルの噴射特性を揃えることが可能となる。
また、多数の第1ノズルが一列に配列されるため、液滴噴射制御が容易である。尚、本発明においては、第2ノズルは第1ノズルと同じ列に存在してもよいが、第1ノズルからなる第1ノズル列とは異なる位置に配置されてもよい。ここで、第2ノズルは、第1ノズルで構成されるノズル群の間に配置される、補間のためのノズルであって、第1ノズルと比べてその数はかなり少ないことから、第2ノズルが、第2方向に第1ノズル列とは異なる位置に配置されていても、多数の第1ノズルに対して、ごく少数の第2ノズルの噴射タイミングを調整するだけであるので、液滴噴射制御がそれほど複雑化することはない。
第2の発明の液滴噴射装置は、前記第1の発明において、複数の前記第2ノズル、及び、これら第2ノズルにそれぞれ連通する複数の前記第2圧力室が、それぞれ、前記第1方向に一列に配列されていることを特徴とするものである。
第2ノズルが複数存在する場合に、これら複数の第2ノズルの第2方向位置は特に限定されるものではないが、複数の第2ノズルが第2方向に異なる位置に配置されると、その分、ノズル列及び圧力室列の数が増えて、装置の大型化につながる。ここで、第2ノズルは、2つのノズル群の間に配置されるノズルであって、第1ノズルと比べて十分に数が少ないノズルである。そのため、複数の第2ノズル、及び、それらに連通する複数の第2圧力室を、それぞれ一列にまとめて配列し、ノズルや圧力室の列数を少なくして装置の小型化を図ることが好ましい。
第3の発明の液滴噴射装置は、前記第2の発明において、前記複数のノズルは、互いに平行に配置された複数の前記第1ノズル列と、前記複数の第1ノズル列のそれぞれにおいて前記ノズル群に挟まれた、複数の前記第2ノズルを含み、2以上の異なる前記第1ノズル列にそれぞれ対応する前記第2ノズルが、前記第1方向に一列に配列され、一列に配列された前記第2ノズルにそれぞれ連通する複数の前記第2圧力室も、前記第1方向に一列に配列されていることを特徴とするものである。
複数のノズル群からなる第1ノズル列が複数ある場合には、それら第1ノズル列のそれぞれについて第2ノズルが存在する。この場合に、2以上の異なる第1ノズル列にそれぞれ対応する第2ノズル、及び、第2圧力室が、それぞれ一列にまとめて配列されることにより、第2ノズル及び第2圧力室の列数をできるだけ少なくして、全体のノズル及び圧力室の列数を減らして装置の小型化を図ることができる。
第4の発明の液滴噴射装置は、前記第1〜第3の何れかの発明において、前記第1ノズル列を構成する前記第1ノズルと、前記第2ノズルとが、前記第1方向に一列に配列されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、第1ノズルと第2ノズルが一列に配列されて、一列のノズル列を構成するため、全体のノズル列の数が少なくなり、装置の一層の小型化を図ることができる。
第5の発明の液滴噴射装置は、所定の第1方向に所定のノズルピッチで配列された複数のノズルとこれら複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室を有する流路ユニットと、前記流路ユニットに設けられて、前記複数の圧力室内の液体に噴射圧力を付与する圧電アクチュエータとを備え、前記ノズルは前記第1方向に一列に配列されてノズル列を構成するとともに、前記ノズル列は前記第1方向に並ぶ複数のノズル群に区分され、1つの前記ノズル群に属する複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室が、前記第1方向に一列に配列されるとともに、前記第1方向に並ぶ複数のノズル群にそれぞれ対応する複数の圧力室の列が、前記ノズル列を挟んで両側に交互に配置されており、前記複数の圧力室の列のそれぞれにおいて、前記圧力室の前記第1方向における配列間隔は、前記ノズルの配列間隔である前記所定のノズルピッチよりも大きいことを特徴とするものである。
本発明では、複数のノズルが第1方向に配列されて一列のノズル列を構成するとともに、このノズル列が複数のノズル群に区分される。また、各ノズル群に属するノズルに連通する圧力室が第1方向に一列に配列されるとともに、複数のノズル群にそれぞれ対応する複数の圧力室の列が、ノズル列を挟んで両側に交互に配置される。このとき、第1方向に隣接する2つのノズル群にそれぞれ対応する2つの圧力室の列は、第1方向において隣り合わないことになり、圧力室の配置スペースに余裕ができることから、各ノズル群に対応する圧力室の配列間隔をノズルピッチよりも大きくすることができる。
これによれば、複数のノズルが一列に配列されるとともに、圧力室の配列間隔が大きくなり、隣接する圧力室の間のクロストークが抑制される。また、ノズル列を複数のノズル群に区分した上で、1つのノズル群単位で圧力室間隔を大きくすることで、ノズル列全体で圧力室間隔を大きくする場合と比べて、複数のノズル間での、圧力室とノズルとの距離(両者を連通させる流路長)の差を小さくすることができ、複数のノズルの噴射特性を揃えることが可能となる。
本発明によれば、圧力室の配列間隔がノズルピッチよりも大きくなっているため、隣接する圧力室の間のクロストークが抑制される。また、ノズル列を複数のノズル群に区分し、1つのノズル群単位で圧力室間隔を大きくすることで、ノズル列全体で圧力室間隔を大きくする場合と比べて、複数のノズル間での、圧力室とノズルとの距離(両者を連通させる流路長)の差を小さくすることができる。これにより、多数のノズルを一列に配列し、且つ、圧力室の間隔を大きくしつつも、複数のノズルの噴射特性を揃えることが可能となる。
本実施形態に係るインクジェットプリンタの概略平面図である。 インクジェットヘッドの分解斜視図である。 インクジェットヘッドの一部拡大平面図である。 図3のIV-IV線断面図である。 ノズルと圧力室とが同じピッチで配列された形態(a)と、圧力室がノズルよりも大きなピッチで配列された形態(b)を、それぞれ概略的に示した図である。 ノズル列が5列存在する場合において、ノズルと圧力室のピッチが等しい配置形態を示す図である。 図6に対応した、本実施形態のノズルと圧力室の配置形態を示す図である。 変更形態におけるノズルと圧力室の配置形態を示す図である。 別の変更形態におけるノズルと圧力室の配置形態を示す図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、ノズルから記録用紙に対してインクの液滴を噴射させて記録用紙に画像等を記録する、インクジェットプリンタに本発明を適用した一例である。
まず、本実施形態のインクジェットプリンタ1の概略構成について説明する。図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの概略平面図である。この図1に示すように、プリンタ1は、一方向に沿って往復移動可能に構成されたキャリッジ2と、このキャリッジ2に搭載されたインクジェットヘッド3及びサブタンク4a〜4dと、インクジェットヘッド3で使用されるインクを貯留するインクカートリッジ5a〜5dと、記録用紙Pを図1の紙送り方向に搬送する搬送機構6等を備えている。
キャリッジ2は、図1の左右方向(走査方向)に平行に延びる2本のガイド軸17に沿って往復移動可能に構成されている。また、キャリッジ2には、無端ベルト18が連結されており、キャリッジ駆動モータ19によって無端ベルト18が走行駆動されたときに、キャリッジ2は、無端ベルト18の走行に伴って左右方向に移動するようになっている。
このキャリッジ2には、インクジェットヘッド3と4つのサブタンク4a〜4dが搭載されている。インクジェットヘッド3は、その下面(図1の紙面向こう側の面)に多数のノズル54(図2参照)を備えている。また、4つのサブタンク4a〜4dは、走査方向に沿って並べて配置されており、これら4つのサブタンク4a〜4dにはチューブジョイント20が一体的に設けられている。そして、チューブジョイント20に連結された可撓性のチューブ11によって、4つのサブタンク4a〜4dと4つのインクカートリッジ5a〜5dとがそれぞれ接続されている。
4つのインクカートリッジ5a〜5dには、例えば、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの、4色のインクがそれぞれ貯留されており、これらのインクカートリッジ5a〜5dは、ホルダ10に着脱自在に装着されている。
これら4つのインクカートリッジ5a〜5dに貯留された4色のインクは、4本のチューブ11を介して4つのサブタンク4a〜4dに供給され、サブタンク4a〜4dにおいて一時的に貯留された後、インクジェットヘッド3に供給される。そして、インクジェットヘッド3は、キャリッジ2とともに走査方向に往復移動しつつ、その下面に設けられた多数のノズル54(図2参照)から、搬送機構6により図1の下方(紙送り方向)に搬送される記録用紙Pにインクの液滴を噴射する。
搬送機構6は、インクジェットヘッド3よりも紙送り方向上流側に配置された供給ローラ25と、インクジェットヘッド3よりも紙送り方向下流側に配置された排出ローラ26とを有する。供給ローラ25と排出ローラ26は、それぞれ、供給モータ27と排出モータ28により回転駆動される。そして、この搬送機構6は、供給ローラ25により、記録用紙Pを図1の上方からインクジェットヘッド3に供給するとともに、排出ローラ26により、インクジェットヘッド3によって画像や文字等が記録された記録用紙Pを図1の下方へ排出するように構成されている。
次に、インクジェットヘッド3について説明する。図2はインクジェットヘッドの分解斜視図、図3は図2に示されるインクジェットヘッドの一部拡大平面図、図4は図3のIV-IV線断面図である。尚、以下のインクジェットヘッド3の説明においては、図2における上下方向(プレートの積層方向)を上下方向と定義する。
図2〜図4に示すように、インクジェットヘッド3は、多数のノズル54や圧力室53を含むインク流路が形成された流路ユニット31と、この流路ユニット31の上面に配置され、圧力室53内のインクに噴射圧力を付与する圧電アクチュエータ32とを備えている。
流路ユニット31は、キャビティプレート42、ベースプレート43、アパーチャプレート44、2枚のマニホールドプレート45,46、ダンパープレート47、カバープレート48、及び、ノズルプレート49の、計8枚のプレート42〜49の積層体からなる。これら8枚のプレートは接着剤によって互いに接合されている。8枚のプレート42〜49のうち、最下層のノズルプレート49を除く、7枚のプレート42〜48は、それぞれ、ステンレス板やニッケル合金鋼板などの金属プレートである。一方、最下層のノズルプレート49は、ポリイミド等の合成樹脂材料で形成されている。
図2〜図4に示すように、流路ユニット31には、前述した4つのサブタンク4a〜4dにそれぞれ接続される4つのインク供給孔50aと、4つのインク供給孔50aに連通したマニホールド流路51とが設けられ、さらに、マニホールド流路51からアパーチャ52、及び、圧力室53を介してノズル54に至る個別インク流路が多数設けられている。
流路ユニット31の流路構造についてより詳細に説明する。まず、流路ユニット31の最下層のノズルプレート49には、インクの液滴をそれぞれ噴射する複数のノズル54が、紙送り方向に配列されている。一方、最上層に位置するキャビティプレート42には、ノズル54と同様に紙送り方向に配列された複数の圧力室53が形成されている。尚、図3に示すように、ノズル54の配列間隔(ノズルピッチ)P0と圧力室53の配列間隔P1は一致してはいない。このノズル54及び圧力室53の詳細な配置については、後ほど説明する。
また、キャビティプレート42の紙送り方向の一端部(図2における左側の端部)には、サブタンク4a〜4dから供給された4色のインクをマニホールド流路51に供給する4つのインク供給孔50aが走査方向に並んで形成されている。
図2、図4に示すように、ベースプレート43には、平面視で圧力室53の長手方向の両端部にそれぞれ連通する貫通孔56,57と、インク供給孔50aに連通するインク供給孔50bが形成されている。
アパーチャプレート44には、ベースプレート43の貫通孔56に連通するとともに圧力室53の長手方向に沿って延びる、絞り流路としてのアパーチャ52と、貫通孔57に連通する貫通孔58と、インク供給孔50bに連通するインク供給孔50cがそれぞれ形成されている。
マニホールドプレート45,46には、ノズル54及び圧力室53の配列方向(紙送り方向)に延在する開口51a,51bが、圧力室53の列に対応して形成されている。そして、これら2種類の開口51a,51bが重なった状態で、アパーチャプレート44とダンパープレート47によって上下両側から塞がれることにより、1本のマニホールド流路51が形成される。さらに、2枚のマニホールドプレート45,46には、アパーチャプレート44の貫通孔58に連なる貫通孔59,60がそれぞれ形成されている。
ダンパープレート47の下面の、平面視でマニホールド流路51とそれぞれ重なる位置には、ハーフエッチングによって形成された凹部61が設けられている。つまり、ダンパープレート47は、凹部61が形成された部分において厚みが局所的に薄くなっており、この薄肉部分が、マニホールド流路51内の圧力変動を減衰させるダンパー部として働く。また、ダンパープレート47には、マニホールドプレート46の貫通孔60に連なる貫通孔62も形成されている。カバープレート48には、ダンパープレート47の貫通孔62とノズルプレート49に形成されたノズル54とを連通させる貫通孔63が形成されている。
以上説明した8枚のプレート42〜49が積層した状態で接合されることにより、流路ユニット31内に、インク供給孔50aからマニホールド流路51に至るインク流路と、マニホールド流路51からアパーチャ52及び圧力室53を経由してノズル54に至る、多数の個別インク流路が形成されている。
次に、圧電アクチュエータ32について説明する。図2〜図4に示すように、圧電アクチュエータ32は、複数の圧力室53を覆うように流路ユニット31(キャビティプレート42)の上面に配置された振動板70と、この振動板70の上面に、複数の圧力室53と対向するように配置された圧電層71と、圧電層71の上面に配置された複数の個別電極72とを備えている。
振動板70は、例えば、ステンレス鋼等の鉄系合金、銅系合金、ニッケル系合金、あるいは、チタン系合金などの金属材料からなる。この振動板70は、キャビティプレート42の上面に複数の圧力室53を覆うように配設された状態で、キャビティプレート42に接合されている。また、導電性を有する振動板70の上面は、圧電層71の下面側に配置されることによって、上面の複数の個別電極72との間で圧電層71に厚み方向の電界を生じさせる、共通電極を兼ねている。
圧電層71は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との固溶体であり強誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電材料からなる。図3に示すように、この圧電層71は、振動板70の上面において、複数の圧力室53に跨って連続的に形成されている。また、この圧電層71は、少なくとも圧力室53と対向する領域において厚み方向に分極されている。
複数の個別電極72は、それぞれ、圧力室53よりも一回り小さい略矩形の平面形状を有し、圧電層71の上面の、複数の圧力室53の略中央部と対向する領域に配置されている。
図2に示すように、圧電アクチュエータ32の圧電層71の上面には、本体側の基板から送信された印字データに従って、圧電アクチュエータ32を駆動するドライバIC80が実装されている。このドライバIC80は、圧電層71の上面に形成された配線を介して、前述した複数の個別電極72と接続されている。そして、このドライバIC80から、複数の個別電極72のそれぞれに対して、所定の駆動電位とグランド電位の一方が選択的に付与されるようになっている。また、共通電極としての振動板は、ドライバIC80内のグランド線に接続されることにより、常にグランド電位に保持されている。尚、ドライバIC80は、フレキシブル配線基板(FPC)等に実装され、そのフレキシブル配線基板が圧電アクチュエータ32と電気的かつ機械的に接合されて、本体側と接続されていてもよい。
以上の圧電アクチュエータ32の、インク噴射時における動作について説明する。ドライバIC80から、ある個別電極72に対して駆動電位が付与されると、この駆動電位が付与された個別電極72と、グランド電位に保持されている共通電極としての振動板70との間に電位差が生じ、振動板70と個別電極72の間に挟まれた圧電層71の部分に厚み方向に電界が印加される。この電界の方向は圧電層71の分極方向と平行であるので、この圧電層71は、電界が印加された部分において厚み方向に伸びて面方向に収縮する。一方、振動板70は、圧力室53の周囲領域においてキャビティプレート42に固定されていることから、上側の圧電層71が面方向に収縮することによって、下側の振動板70は、圧力室53と対向する領域において、圧力室53側に凸となるように変形する(ユニモルフ変形)。このとき、圧力室53の容積が減少することから、その内部のインクの圧力が上昇し、圧力室53に連通するノズル54からインクの液滴が噴射される。
ところで、上述した圧電アクチュエータ32を備えたインクジェットヘッド3において、隣接する圧力室53間の離間距離が小さいと、1つの圧力室53において生じた振動板70の変形が、振動板70、あるいは、隣接する圧力室53を隔てる隔壁を介して、隣接する圧力室53に伝わり、その隣接する圧力室53内のインク圧力変動、ひいては、ノズル54からの液滴の噴射に影響を及ぼす(クロストーク)。そのため、クロストークを抑制するために圧力室53の配列間隔は一定以上に大きくする必要がある。その一方で、高画質印刷のためにより高い解像度を実現するためには、ノズル54の配列間隔(ノズルピッチ)はできるだけ小さくしたい。従って、複数のノズル54と複数の圧力室53が、共に一方向(ここでは紙送り方向)に等しい間隔で配列されていると、クロストークの抑制のために圧力室53の配列間隔を大きくした場合に、ノズルピッチも大きくなってしまうことから、上述した2つの要求の両方を満足することができなくなる。
そこで、本実施形態では、図3のように、圧力室53の配列間隔P1をノズルピッチP0よりも大きくしている。但し、圧力室53の配列間隔P1をノズルピッチP0よりも大きくするだけであると、一列に配列された複数のノズル54間で、ノズル54と圧力室53の位置関係が異なってしまい、その結果、ノズル−圧力室間の距離が異なってしまう。図5はノズル54と圧力室53とが同じピッチで配列された状態と、圧力室53がノズル54よりも大きなピッチで配列された状態を、それぞれ概略的に示した図である。図5(a)のように、圧力室53がノズル54のノズルピッチP0と等しいピッチで配列されている状態から、図b(b)のように、圧力室53の配列間隔P1を大きくすると、ノズル列に対して圧力室列の長さがかなり長くなる。このとき、配列方向中央に位置するノズル54と比べて、配列方向端位置のノズル54の、圧力室53との距離(ノズル54−圧力室53間の流路55(図4における貫通孔57〜63で構成される流路)の長さ)が大きくなってしまう。また、このノズル−圧力室間の距離の差は、ノズル列を構成するノズル54の数が多くなるほど大きくなる。
このように、複数のノズル54間でノズル−圧力室間距離が異なると、圧力室53とノズル54の間の流路抵抗や、圧力波の伝播等の条件が、複数のノズル54の間で異なってしまうことから、複数のノズル54の液滴噴射特性が揃わなくなり、その結果、印字品質が低下する。そこで、本実施形態では、圧力室53の配列間隔を大きくしつつ、複数のノズル54間で、ノズル−圧力室間距離(流路55の長さ)の差が小さくなるような構成が採用されている。
上記構成について具体的に説明する。図6は、本実施形態との比較のために挙げた図であり、ノズル54と圧力室53のピッチを等しくした配置形態を概略的に示す図である。この図6に示されるように、以下では、ノズル54が、60dpi(=0.423mm)のノズルピッチP0で所定の第1方向(本実施形態では紙送り方向)に配列されることによって構成されたノズル列を、前記第1方向と直交する第2方向(本実施形態では走査方向)に5列並べて、300dpiの解像度を実現する場合を例に挙げる。図6に示すように、5列のノズル列90のそれぞれについて、ノズル54とこれに対応する圧力室53の配列間隔を同じにすると、圧力室53が、ノズルピッチP0と同じ、60dpiという小さなピッチで配列されてしまうことになる。そこで、本実施形態においては、ノズル54及び圧力室53が以下のような構成となっている。
(ノズル配置)
図7は、図6に対応した、本実施形態のノズル54と圧力室53の配置形態を概略的に示す図である。まず、図6においてノズルピッチP0の1列のノズル列90を構成していた複数のノズル54が、図7においては、それぞれが、第1方向にノズルピッチP0で配列された複数(図では4つ)の第1ノズル54aで構成された複数のノズル群91と、第1方向において2つのノズル群91に挟まれて配置される複数の第2ノズル54bとに区分される。また、複数のノズル群91が第1方向に並べられることによって、これら複数のノズル群91にそれぞれ属する第1ノズル54aは、第1方向に一列に配列されて第1ノズル列92を構成する。一方、第2ノズル54bは、第1ノズル54a(第1ノズル列92)とは、その配列方向と直交する第2方向において、異なる位置に離れて配置されている。即ち、第1ノズル54aと一直線に並ぶ黒丸の位置から、5列の第1ノズル列92よりもさらに図中右方の、白丸の位置に離されて配置されている。
尚、第1ノズル54aと第2ノズル54bは、元は、図6において第1方向にノズルピッチP0で配列された1列のノズル列90を構成するノズル54である。そして、上述のように、第2ノズル54bは、第1ノズル54aと第2方向に離れているものの、第2ノズル54bとこれに隣接するノズル群91との、第1方向に関する距離(隣接するノズル群91の端位置にある第1ノズル54aとの距離)は、ノズルピッチP0と等しくなっている。
(圧力室配置)
上記ノズル配置を前提とした上で、第1ノズル列92を構成する第1ノズル54aにそれぞれ連通する、複数の第1圧力室53aは、第1ノズル列92と同様に、第1方向に一列に配列されている。但し、1つのノズル群91に対応する第1圧力室53aの配列間隔は、第1ノズル54aの配列間隔であるノズルピッチP0よりも大きくなっている。即ち、1つのノズル群91単位で、第1圧力室53aの配列間隔がノズルピッチP0よりも大きくなっている。例えば、図7に示されるように、ノズルピッチP0=0.423mmに対して、第1圧力室53aの配列間隔P1=0.52875mmとなっている。この第1圧力室53aの配列間隔P1を0.52875mmとした場合には、隣接する2つのノズル群の間隔も0.52875mmとなり、1つの第1ノズル列92に属する第1ノズル54aに連通する第1圧力室53a同士の間隔は、すべて同じ間隔となる。なお、第1圧力室53aの配列間隔P1は、ノズルピッチP0よりも大きければよく、上記数値に限定されるものではない。このとき、図7に示されるように、各ノズル群91を構成する第1ノズル54a間で、ノズル54と圧力室53の位置関係が異なることになる。
また、各ノズル群91で第1圧力室53aの配列間隔が大きくなっていると、1つのノズル群91の配列長さよりも、これに対応する第1圧力室53aの列の長さが長くなり、2つのノズル群91にそれぞれ対応する2つの第1圧力室53aの列の間に、第2ノズル54bに連通する圧力室53(第2圧力室53b)を配置することができなくなる。そこで、上述したように、第2ノズル54bが、第2方向において第1ノズル列92とは異なる位置に配置された上で、それに対応して、第2圧力室53bも、第2方向において、第1圧力室53aから離れた位置に配置されている。
以上説明した構成では、第1ノズル54aに連通する第1圧力室53aの配列間隔P1がノズルピッチP0よりも大きくなっているため、隣接する第1圧力室53aの間のクロストークが抑制される。尚、ノズル群91の間を補間する第2ノズル54bに連通する第2圧力室53bは、第1圧力室53aの列とは第2方向に異なる位置に配置されることから、第1圧力室53aとのクロストークはほとんど問題にならない。
また、図5で説明したように、1列のノズル列全体で、圧力室53の配列間隔P1をノズルピッチP0よりも大きくすると、特に、配列方向中央位置のノズル54と端位置のノズル54とで、圧力室53とノズル54との位置関係が異なることになり、複数のノズル間でのノズル−圧力室間距離の差が大きくなる。一方、本実施形態では、図6における1列のノズル列90が複数のノズル群91に区分された上で、1つのノズル群91単位で第1圧力室53aの配列間隔P1がノズルピッチP0よりも大きくなっている。このように、細かく区分されたノズル群91単位で圧力室53間隔を大きくすることで、ノズル列90全体で圧力室53の配列間隔を大きくする場合と比べて、複数の第1ノズル54a間での、第1圧力室53aと第1ノズル54aの位置ずれが小さくなる。即ち、圧力室53とノズル54との距離(両者を連通させる流路長)の差が小さくなり、複数のノズル54の噴射特性を揃えることが可能となる。
尚、図7のように、第1ノズル54aと第1圧力室53aの位置関係が多少ずれても、そのずれが小さいと、第1ノズル54aの平面的な位置を、対応する第1圧力室53aと重なる範囲内に収めることが可能となる。この場合、図4に示される、圧力室53とノズル54を連通させる流路(貫通孔57〜63で形成される連通流路)を斜めに傾ける必要がなく、全ての第1ノズル54aについて、ノズル54から鉛直上方へほぼ真っ直ぐ立ち上がるように形成することで、第1ノズル54a間での前記連通流路の長さを揃えることが可能である。
また、図6における1列のノズル列90を構成するノズル54のうち、大部分を占める複数の第1ノズル54aについては一列に直線的に配列された構成を維持しつつ、クロストークの抑制を実現している。従って、複数のノズル54の第2方向(走査方向)位置がそれぞれ異なっている場合(例えば、上記特許文献2)と比べて、ノズル54の液滴噴射制御が複雑にならない。尚、第2ノズル54bは、ノズル群91の間を補間するノズル54であって、第1ノズル54aと比べて十分に数が少ないノズル54である(図では4つの第1ノズル54aからなるノズル群91に対して1つの第2ノズル54bが対応しており、第2ノズル54bの数は第1ノズル54aの数の約1/4である)。従って、第2ノズル54bが第1ノズル列92から第2方向に離れた位置に配置されていても、多数の第1ノズル54aに対して、ごく少数の第2ノズル54bの噴射タイミングを調整するだけであるので、液滴噴射制御が複雑化することはない。
また、本実施形態では、1列の第1ノズル列92に対して2以上の複数の第2ノズル54bが存在する。これら複数の第2ノズル54bの第2方向位置は特に限定されるものではないが、複数の第2ノズル54bが第2方向にばらばらに配置されると、その分、ノズル列及び圧力室列の数が増えて、ヘッド3の大型化につながる。
そこで、本実施形態では、1列の第1ノズル列92に対応する複数の第2ノズル54bが第1方向に一列にまとめて配列され、また、前記複数の第2ノズル54bにそれぞれ連通する複数の第2圧力室53bも第1方向に一列にまとめて配列されている。具体的には、図7には、1列の第1ノズル列92に対して3つの第2ノズル54bが配置されている状態が示されているが、そのうち、上側と下側にそれぞれ位置する2つの第2ノズル54bが一列に配列されて、図中右端に配置されている。
さらに、本実施形態では、第1ノズル列92が複数(5列)平行に並べられており、それら5列の第1ノズル列92のそれぞれについて第2ノズル54bが存在する。そして、これら異なる第1ノズル列92に対応する、複数の第2ノズル54b及び第2圧力室53bについても、それぞれ一列にまとめて配列されている。図7では、5列の第1ノズル列92にそれぞれ対応する5つの第2ノズル54bが第1方向に一列に配列されており、さらに、これら5つの第2ノズル54bにそれぞれ連通する5つの第2圧力室53bも第1方向に一列に配列されている。
つまり、本実施形態では、1列の第1ノズル列92に対応する複数の第2ノズル54b(第2圧力室53b)が一列に配列されるとともに、異なる第1ノズル列92にそれぞれ対応する複数の第2ノズル54b(第2圧力室53b)も一列に配列されることによって、全ての第2ノズル54b(第2圧力室53b)がわずか2列にまとめられている。尚、図7の、第1方向に2列に配列された第2ノズル54bは、第1方向においてそれぞれの列の第2ノズル54bの配列間隔は、0.508mm(50dpi)である。また、第1方向に2列に配列された第2圧力室53bの、その第1方向の配列間隔P2は、第1ノズル54aの配列間隔であるノズルピッチP0よりも大きくなっており、隣接する第2圧力室53bの間のクロストークもそれほど問題にならない。この場合、第1方向における第2圧力室53bの配列間隔P2は、第2ノズル54bの配列間隔(0.508mm)と同じでもよいし、第2ノズル54bの配列間隔よりも大きく、さらに、第1圧力室53aの配列間隔P1と同じでもよい。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]前記実施形態では、各ノズル群を構成する複数の第1ノズル54a(第1ノズル列92)と、2つのノズル群91の間を補間する第2ノズル54bとが、第2方向に関して異なる位置に配置されていたが、図8に示すように、複数の第1ノズル54aと第2ノズル54bの第2方向位置が同じ、即ち、第1ノズル54aと第2ノズル54bが第1方向に一列に配列されてもよい。前記実施形態においても説明したように、ノズル群91単位で第1圧力室53aの配列間隔P1を、ノズルピッチP0よりも大きくしたときに、2つのノズル群91にそれぞれ対応する2つの第1圧力室53aの列の間に、第2ノズル54bに連通する第2圧力室53bを配置することが難しくなるが、図8のように、第2圧力室53bを第1ノズル列92に関して第1圧力室53aと反対側に配置することで、第1ノズル54aと第2ノズル54bとを一列に配列することが可能となる。このように、第1ノズル54aと第2ノズル54bとが一列に配列されることにより、ノズル列の数を減らしてヘッド3の小型化が可能となる。
2]前記実施形態や上述した変更形態は、所定のノズルピッチP0で配列された複数のノズルが複数のノズル群に区分されるとともに、複数のノズル群の間が別の第2ノズルで補間された構成を有するものであった。しかし、下記に示すような別の構成でも、上記構成と同様の作用効果を奏することが可能である。
図9に示すように、複数のノズル54が第1方向に一列に配列されてノズル列102を構成するとともに、このノズル列102は、それぞれが複数(ここでは4つ)のノズル54で構成され、且つ、第1方向に並ぶ複数のノズル群101に区分されている。また、1つのノズル群101に属する複数(4つ)のノズル54にそれぞれ連通する複数(4つ)の圧力室53は、第1方向に一列に配列される。さらに、複数のノズル群101にそれぞれ対応する複数の圧力室列が、ノズル列102を挟んで左右両側に交互に配置される。
この場合、第1方向に隣接する2つのノズル群101にそれぞれ対応する、2つの圧力室列が、第1方向において隣り合わないことになり、圧力室53の配置スペースに余裕ができる。そこで、複数のノズル群101のそれぞれについて、ノズル群101単位で、対応する圧力室53の配列間隔P1をノズルピッチP0よりも大きくすることができるようになる。
この構成でも前記実施形態と同様の効果が得られる。即ち、複数のノズル54が一列に配列されるとともに、圧力室53の配列間隔P1がノズルピッチP0よりも大きく設定されることで、隣接する圧力室53の間のクロストークが抑制される。また、ノズル列102を複数のノズル群101に区分し、1つのノズル群101単位で圧力室53間隔を大きくすることで、ノズル列102全体で圧力室53間隔を大きくする場合と比べて、複数のノズル54間での、圧力室53とノズル54との距離(両者を連通させる流路の長さ)の差が小さくなり、複数のノズル54の噴射特性を揃えることが可能となる。
以上説明した実施形態及びその変更形態は、液滴噴射装置の一種であるインクジェットプリンタに本発明を適用した例であるが、本発明の適用対象はこれには限られない。即ち、噴射される液体の種類、用途、技術分野に関係なく、本発明を適用することが可能である。
1 インクジェットプリンタ
3 インクジェットヘッド
31 流路ユニット
32 圧電アクチュエータ
53 圧力室
53a 第1圧力室
53b 第2圧力室
54 ノズル
54a 第1ノズル
54a 第2ノズル
91 ノズル群
92 第1ノズル列
101 ノズル群
102 ノズル列

Claims (5)

  1. 所定の第1方向に所定のノズルピッチで配列された複数のノズルとこれら複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室を有する流路ユニットと、前記流路ユニットに設けられて、前記複数の圧力室内の液体に噴射圧力を付与する圧電アクチュエータとを備え、
    前記複数のノズルは、
    それぞれが、前記第1方向に前記所定のノズルピッチで配列された複数の第1ノズルで構成された複数のノズル群と、
    各ノズル群の前記第1方向における端位置にある第1ノズルに対して、前記第1方向に関して前記所定のノズルピッチを空けて配置され、前記第1方向に関して2つの前記ノズル群に挟まれた第2ノズルと、を含み、
    前記複数のノズル群が前記第1方向に並べられることによって、これら複数のノズル群にそれぞれ属する前記第1ノズルが、前記第1方向に一列に配列されて第1ノズル列を構成し、
    前記第1ノズル列を構成する前記第1ノズルにそれぞれ連通する複数の第1圧力室も、前記第1方向に一列に配列されており、
    1つの前記ノズル群に対応する前記第1圧力室の、前記第1方向における配列間隔は、前記第1ノズルの配列間隔である前記所定のノズルピッチよりも大きく、
    前記第2ノズルに連通する第2圧力室は、前記第1方向と交差する第2方向において、前記第1圧力室とは異なる位置に配置されていることを特徴とする液滴噴射装置。
  2. 複数の前記第2ノズル、及び、これら第2ノズルにそれぞれ連通する複数の前記第2圧力室が、それぞれ、前記第1方向に一列に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の液滴噴射装置。
  3. 前記複数のノズルは、
    互いに平行に配置された複数の前記第1ノズル列と、前記複数の第1ノズル列のそれぞれにおいて前記ノズル群に挟まれた、複数の前記第2ノズルを含み、
    2以上の異なる前記第1ノズル列にそれぞれ対応する前記第2ノズルが、前記第1方向に一列に配列され、
    一列に配列された前記第2ノズルにそれぞれ連通する複数の前記第2圧力室も、前記第1方向に一列に配列されていることを特徴とする請求項2に記載の液滴噴射装置。
  4. 前記第1ノズル列を構成する前記第1ノズルと、前記第2ノズルとが、前記第1方向に一列に配列されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の液滴噴射装置。
  5. 所定の第1方向に所定のノズルピッチで配列された複数のノズルとこれら複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室を有する流路ユニットと、前記流路ユニットに設けられて、前記複数の圧力室内の液体に噴射圧力を付与する圧電アクチュエータとを備え、
    前記ノズルは前記第1方向に一列に配列されてノズル列を構成するとともに、前記ノズル列は前記第1方向に並ぶ複数のノズル群に区分され、
    1つの前記ノズル群に属する複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室が、前記第1方向に一列に配列されるとともに、前記第1方向に並ぶ複数のノズル群にそれぞれ対応する複数の圧力室の列が、前記ノズル列を挟んで両側に交互に配置されており、
    前記複数の圧力室の列のそれぞれにおいて、前記圧力室の前記第1方向における配列間隔は、前記ノズルの配列間隔である前記所定のノズルピッチよりも大きいことを特徴とする液滴噴射装置。
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