JP2011245476A - 汚泥改質機およびこれを併設した水処理施設 - Google Patents

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Abstract

【課題】定期的に有用菌を投入するという方法でなく、これを増殖させるための機能を持つ生物増殖媒体を極力長持ちさせる方法を提供する。
【解決手段】被改質液の流入管7と改質液の流出管9を有し、かつ被改質液が収納されて改質処理が行われる汚泥改質機1において、該改質機の外部に底部と頂部を連結するエアリフト管2を複数設け、機内中央部に置いた篭状の容器8に入れた植物腐植媒体の上部から被改質液を下降流で通過させることによることを特徴とする汚泥改質機。
【選択図】図1

Description

本発明は汚泥改質機に関し、農漁村集落排水処理施設、大型合併処理浄化槽等の中規模生活排水処理施設および、ホテル等大型建築物に於ける中水製造施設、ゴルフ場に於ける排水処理施設において被改質液に光合成菌、放線菌、乳酸菌、糸状菌を培養、増加させることにより、水質浄化に資するだけでなく、菌相の変換及び濃縮性の向上による処理汚泥量の減少、放線菌などによる系内の臭気の減少が図られる。合わせて有害微生物を減少させ、且つその処理水が魚類、植物の生育に有効に働くように変質されることから、単に管理状況を良化させるだけでなく、その処理水を利用した、水道事業、有機栽培農業、養殖漁業分野への貢献が可能になる。
従来、土壌菌の一種であるバチルス菌を投入して、各種施設からの排水を処理し、一般的な水質浄化だけでなく、悪臭の発生も防ぐという方法や、またEMなる発酵合成型の土壌菌を投入して同じく一般的な水質浄化だけでなく、悪臭の発生も防ぎ、汚泥発生量の減少化も図れるとしている。しかしこれらの技術を用いた処理施設は全国的にも未だ稀少であり、大部分は好気性菌を用いた活性汚泥法または接触酸化法であり、最近は脱窒素、リンを図るために循環脱窒法なども採用される例が増えてきたが、処理に関わる微生物は、嫌気性、好気性ともいわば汚水系の菌であり、細菌と原生動物で構成され、外部から新たに土壌菌を投入するようなことはされなかった。
しかしながら、バチルス菌もEM菌も継続的に菌を投入するということは、施設管理者にとって負担であり、万一にも材料の供給がとぎれるという不安も与える。
またバチルス菌は汚水系の菌とも言えるボルティケラ、ズーグレアなどとも共存して使われるため、発生汚泥量の減少には繋がらない。
そこで本発明者は土壌菌を優先種とする水環境を作ることが、処理水を浄化し、悪臭の発生を防ぎ、汚泥の発生量も減少させ、更には有害菌の死滅作用も高いことが予測されることから、前記のような定期的に有用菌を投入するという方法でなく、これを増殖させるための機能を持つ生物増殖媒体を極力長持ちさせる方法に取り組んだ。
整形した生物増殖媒体に被改質液を連続的に接触させるに当たり、これを摩耗、破壊させないためには、極力静かに優しく接触させることが必要と考え、循環させる被改質液を反応槽の下部から取り出し、上部から投入する。上部からの被改質液の落ち口には受け皿を設けて、分散させる。更に反応槽の中間部に設けた篭に生物増殖媒体を充填してあり、この上には金網を設けてこれを通過した被改質液が生物増殖媒体に接触する。上部から落ちた被改質液が直接金網に当たらないよう、反応槽内の水面は常時金網より高く保たれている。また前記の下部から上部への取り出し管には中間に空気の取り入れ口を設け、管内の比重差で水を押し上げる機構とする。このことで被改質液を下から上へ移動する手段にすると同時に、槽内を好気性に保つ機能も持たせることが出来る。前記の受け皿での分散、水面に散ったときの波浪などからも液中への酸素の取り込みが図られる。
生物増殖媒体に接触させる機構を極力優しく考えることにより、これの取り替え頻度を少なくすることが可能となる。
そしてこのような本発明の汚泥改質機を従来の処理システムに組み込むことにより、汚水処理の高効率化が期待される。具体的には、施設内の臭気を減少させ、汚泥の発生量を減少させる。有害菌の死滅作用が高いことから処理水を有機農場、養殖漁場へ供給することで、農薬、抗生物質の減量化が図れる。
臭気については施設内だけでなく、畜産農家や学校便所など、悪臭が問題にされるような場所に処理水を供給することも可能となる。
本発明の汚泥改質機の平面図及び空気の流れを主体にした断面図である。 本発明の汚泥改質機を主体に水の流れを示した系統図である。 本発明と本体施設を組み合わせて使用する場合の相互の取り合いを示す系統図である。
次に本発明を更に詳しく説明する。本発明の汚泥改質機は1であるが、その構造はまず図1に示すようにエアリフト管2にブロワ3から空気を送り、吸い込み口4から取り込まれた被改質液は空気吹き込み口5から上方の水の比重が小さくなることにより、管内の水が上昇し、6から再び機内に戻る機構を有している。
この方法は沈殿槽の汚泥引き抜き方法としてしばしば用いられることから、やや高濃度の液であっても閉塞することなく、管内の上昇流と機内の下降流を形成し、機内は常に循環して好気的な状態に保たれ、被改質液に含まれる有用土壌菌が効率良く増殖して機内に蓄積される。
改質液は流出管9を通して機内へ10として取り出し、これを本体施設の原水槽流入口および流量調整槽へ2分して投入する。原水槽流入口へ送るのは、原水の腐臭を軽減し、かつスクリーンにかかるしさを改質し、脱臭するためである。流量調整槽へ送るのは以後の処理工程の中で、先の有用菌の働きを発揮させて、その効用を高めるためである。
流出させたら、直ちに本体施設のばっ気タンクから混合液を12のポンプで引き抜き、流入管7から機内へ送り込み、当初の液面を回復したら、ポンプを停止させ、再びもとの運転状態に戻る。
本機内の循環効率を高め、かつ機内を十分好気的な状態に保つため、エアリフト管2に供給された空気により、被改質液は20となって管内を上昇し、上部6から機内へ流入する。これにより下降流30が発生し、生物増殖媒体を収納した8を通過して底部に至り、再び上昇流となる。
7のばっ気タンク混合液流入部については前述したように受け皿を設け、水流を分散させて空気の取り込みを図り、生物増殖媒体への衝撃を少なくする。同じ目的で本施設からのエアリフト管の流出口6の下部にも受け皿を設ける。
エアリフト管は1組4本で構成されるため、機内底部に汚泥溜まりが発生することが少ない。エアリフトのポンプ効率は低いが、下降流発生のための動力源として他法に比して遜色は無い。
本機内には生物増殖媒体を収納した容器8を中央部に配置する。構造は改質機を平面的に4等分する形で受け台を槽壁に固定する。その上に同じく4等分する形で上蓋を置き、これは固定せずに取り出せる構造とする。受け台と上蓋の上には5〜15mm目幅の網を置き固定する。受け台の網は一部取り外し可能な構造とする。
生物増殖媒体としては植物性腐植土を主成分としたものと主として用いる。破砕、摩耗による損失を防ぐため、ペレット状に固形化したものとする。
このように構成された汚泥改質機内においては、エアリフト管によって上部に送り込まれた被改質液は上部から下部へ移動する際、8の内部にある生物増殖媒体に接触することにより、放線菌等有用土壌菌を増殖させながら下部に移動する。
上部に上がる際、空気を同伴することにより、好気性の状態を維持する。
好気性のゾーンと通性嫌気性のゾーンを繰り返し移動する間に、被改質液内に有用土壌菌が増殖され、一定周期で本体施設へ送り込まれて本体施設内の菌体の分布を一般細菌、原生動物から放線菌等有用土壌菌が優先する状態に変えてゆくことになる。
本機は本体施設新設と同時に設置する場合もあり、既存の本体施設に追加して設置する場合もある。追加して設置する場合、コンクリート造水槽を追加することは、敷地条件上からも難しい場合が多いため、図2に示すように撹拌槽は本機と同程度の規模の床置き型の撹拌タンク11として、攪拌機を設置した構造とする。
本機を本体施設に組み込む場合、上述の通り、本体施設のばつ気タンク内部か上部に混合液引き抜きポンプ12を設置し、ばっ気タンク混合液を本機に13のラインで流入させる。改質後の液は定時に10のラインで原水槽および流量調整槽へ送られる。その目的は上述のとおりである。
本体施設の汚泥計量槽からばっ気タンクへ汚泥が返送されるが、その一部を図2に示すように14のラインで流量調整槽へ流入させる。これは通性嫌気性状態にある沈殿汚泥を流量調整槽へ送ることにより、流量調整槽を通性嫌気性状態にならしめ、本機から送られてくる改質液と原水の混合液を通気嫌気性雰囲気において撹拌効果をあげるためである。ここで良く撹拌効果が得られれば、前項の撹拌タンクにさほど大きな効果を期待しないで済むことになる。

Claims (3)

  1. 被改質液の流入口と改質液の流出口を有し、かつ被改質液が収納されて改質処理が行われる汚泥改質機において、該改質機の外部に底部と頂部を連結するエアリフト管を複数設け、機内中央部に置いた篭状の容器に入れた生物増殖媒体の上部から被改質液を下降流で通過させることによることを特徴とする汚泥改質機。
  2. 前記生物増殖媒体が植物性腐植土を主成分とすることを特徴とする、請求項1に記載の汚泥改質機。
  3. 請求項1又は2に記載の汚泥改質機が設けられていることを特徴とする水処理施設。
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