JP2011245115A - 遮熱カーテン - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、日射を遮るためにカーテンを利用しても、昼間でも室内が暗くならない、しかも、日射による室温の上昇を抑えることのできる遮熱性を発揮する遮熱カーテンを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明者は、これらの課題を解決するために鋭意検討の結果、導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を、均一に0.1〜5.0g/m2固着させる技術を提案し、優れた遮熱性能を発現できるカーテンを見出し本発明に到達した。
【選択図】なし
【解決手段】本発明者は、これらの課題を解決するために鋭意検討の結果、導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を、均一に0.1〜5.0g/m2固着させる技術を提案し、優れた遮熱性能を発現できるカーテンを見出し本発明に到達した。
【選択図】なし
Description
本発明は、遮熱カーテンに関する。
近年住宅は、断熱性や気密性が著しく向上しており、空気の自然対流によって室内の空気の入れ替わる時間が、従来の住宅に比べ数倍もかかるような住宅も誕生している。断熱性や気密性が高いがゆえに1度室内の温度が上昇してしまうと、温度が下がり難く、快適に過ごすためにエアコンの冷房運転時間の増加を招き、室外機から発生する熱風によって外気温度上昇を引き起こしている。
従来、日射による室温の上昇を抑えるために、緻密な織物で二重、三重組織の厚い生地のカーテンや、樹脂塗料をコーテング、あるいは樹脂フィルムをラミネートした暗幕カーテンなどがある。また、軽量で、遮熱性のあるカーテンとして、例えば特許文献1において、二枚の布地の間に、金属薄膜が形成された合成樹脂フィルムを挟着した遮光、遮熱カーテンが開示されている。しかしながら、室温の上昇は抑えられるものの昼間でも室内が暗くなり、室内の照明を点灯しなければならないという問題があった。
特開平9−252931号公報
本発明は、日射を遮るためにカーテンを利用しても、昼間でも室内が暗くならない、しかも、日射による室温の上昇を抑えることのできる遮熱性を発揮する遮熱カーテンを提供することを目的とする。
本発明者は、これらの課題を解決するために鋭意検討の結果、導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を微量で、均一に固着させる技術を提案し、優れた遮熱性能を発現できるカーテンを見出し本発明に到達した。前記目的を達成するために、以下の手段を提供する。
[1]導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤が、バインダー樹脂により固着していることに特徴のある遮熱カーテン。
[2]前記遮熱剤が0.1〜5.0g/m2固着していることに特徴のある前項1に記載の遮熱カーテン。
[3]導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤と、バインダー樹脂とを含む溶液に浸漬し、加熱乾燥して遮熱剤を固着することに特徴のある遮熱カーテンの製造方法。
[1]の発明は、導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤がバインダー樹脂によりカーテンに固着しているので、窓を通してカーテンに到達する日射のうち、室温の上昇を引き起こす近赤外線より波長の長い領域の光の反射率を波長の増加とともに減少させ、同時に透過率を上昇させ、光の吸収率を上昇させるので、昼間でも室内が暗くならない、日射による室温の上昇を抑え、遮熱効果を発揮する遮熱カーテンとすることができる。
[2]の発明では、前記遮熱剤が0.1〜5.0g/m2固着しているので、日射の吸収が小さく室内を暗くすることなく、しかも遠赤外線を効果的に反射することができ、室温の上昇抑制に優れた遮熱カーテンとすることができる。
[3]の発明では、導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤と、バインダー樹脂とを含む溶液にカーテンを浸漬するので、塗布ムラのない均一な塗布をすることができ、加熱乾燥するので遮熱剤の固着性がより高まり、遮熱効果の持続性が一段と向上した遮熱カーテンの製造方法とすることができる。
次に、この発明に係わる遮熱カーテンの実施の形態について詳しく説明する。この実施形態の遮熱カーテンは、導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤が、バインダー樹脂により固着している。
本発明に使用する導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤は、室温の上昇を引き起こす近赤外線より波長の長い領域の光の反射率を波長の増加とともに減少させ、同時に透過率を上昇させ、光の吸収率を上昇させるものである。
日射は、窓を通して室温の上昇を引き起こすものなので、日射を遮るためにカーテンを利用することが有効である。しかしながら、緻密な織物で二重、三重組織の厚い生地のカーテンや暗幕カーテンなどでは、室温の上昇は抑えられるものの昼間でも室内が暗くなり、室内の照明を点灯しなければならない。そこで、日射を透過させつつ、光を反射・吸収させる機能をカーテンに付与する方法として、本発明のように導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤と、バインダー樹脂とを含む溶液にカーテンを浸漬するので、塗布ムラのない均一な塗布をすることができ、加熱乾燥するので遮熱剤の固着性がより高まり、遮熱効果の持続性が一段と向上した遮熱カーテンの製造方法は、効果的な方法といえる。
カーテンとしては、織物、編物等特にその形態は限定しないが、薄地の可視光が透過しやすい織物、編物からなるカーテンが好ましい。繊維製品からなるカーテンの繊維については、素材および形態は特に限定されない。例えば、木綿、麻、絹等の天然繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維等のような合成繊維、レ−ヨン繊維等の再生繊維からなるもの等を好適に使用できる。あるいは、このような繊維を用いた複合化繊維、混綿等の繊維を使用したカーテンが挙げられる。
バインダー樹脂としては、導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤をカーテンに固着することが出来れば特に限定されないが、例えばウレタン樹脂、自己架橋型アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、シリコン樹脂、グリオキザール樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ブタジエン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル−シリコン共重合体樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂(SBR)、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、イソブチレン無水マレイン酸共重合体樹脂、エチレン−スチレン−アクリレート−メタアクリレート共重合体樹脂等を挙げることができる。本発明においては、防炎性能や風合に影響しないで固着することのできるポリエステル樹脂やウレタン樹脂が望ましい。
カーテン用生地に導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を付与する方法は、導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を水に分散させた分散液を、バインダー樹脂溶液に均一に分散させた溶液を作成し、浸漬法でカーテン用生地に塗布し、マングル等で絞ってから、加熱乾燥して固着する。この時の加熱処理温度は、カーテン用生地の素材にもよるが、100〜180℃とするのが好ましい。この温度での加熱処理によりカーテン用生地への固着性がより高まり、導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤による遮熱性能の持続的耐久性能が一段と向上する。
また、前記導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を水に分散させた分散液と、バインダー樹脂とは、水に分散した水分散液として使用することができる。バインダー樹脂については水との間でエマルジョン状態を形成させるのがより好ましい。水に分散させる順序としては、導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を水に分散させた分散液としておいてから、バインダー樹脂を分散せしめるのが、導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤とバインダー樹脂をより均一に分散させる観点から好ましい。また、この水分散液に、分散剤、増粘剤などの各種添加剤を配合してもよい。
本発明において、カーテンに固着される導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤は、少なくとも0.1〜5.0g/m2固着されるのが好ましい。導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤が0.1g/m2を下回る場合は遮熱剤の効果が発揮されないので好ましくなく、5.0g/m2を越えると徒にコスト上昇を招くだけで、コスト上昇に見合った効果は得られないばかりか、逆に遮光性の効果が発揮されてしましまい、日射を取り入れることができなくなる。より好ましくは0.5〜3.0g/m2がよい。
次に、各試験方法は次の通りである。
<日射熱取得率測定試験>
JIS R 3106に準拠して日射熱取得率を測定して評価した。日射熱取得率が0以上0.4未満であるものを「◎」、0.4以上0.6未満であるものを「○」、0.6以上であるものを「×」と評価し「○」と「◎」を合格とした。
JIS R 3106に準拠して日射熱取得率を測定して評価した。日射熱取得率が0以上0.4未満であるものを「◎」、0.4以上0.6未満であるものを「○」、0.6以上であるものを「×」と評価し「○」と「◎」を合格とした。
<可視光透過率測定試験>
JIS R 3106に準拠して可視光透過率を測定して評価した。可視光透過率が0%以上20%未満であるものを「×」、20%以上40%未満であるものを「△」、40%以上60%未満であるものを「○」、60%以上100%以下であるものを「◎」と評価し「○」と「◎」を合格とした。
JIS R 3106に準拠して可視光透過率を測定して評価した。可視光透過率が0%以上20%未満であるものを「×」、20%以上40%未満であるものを「△」、40%以上60%未満であるものを「○」、60%以上100%以下であるものを「◎」と評価し「○」と「◎」を合格とした。
<洗濯耐久性試験>
JIS 0217 103に準じる方法を5回行なった。
JIS 0217 103に準じる方法を5回行なった。
<実施例1>
導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤分散液(固形分20質量%)を用意した。バインダー樹脂としてウレタン樹脂(固形分50質量%)を用意した。
水98.95gに遮熱剤分散液0.75gを分散させておいてから、ウレタン樹脂0.3gを分散した溶液にポリエステル繊維からなるカーテン生地(目付125g/m2)を浸漬し、マングルで絞り(絞り率80%)、160℃、3分間乾燥処理して、導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を0.15g/m2固着したカーテン生地を得た。
導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤分散液(固形分20質量%)を用意した。バインダー樹脂としてウレタン樹脂(固形分50質量%)を用意した。
水98.95gに遮熱剤分散液0.75gを分散させておいてから、ウレタン樹脂0.3gを分散した溶液にポリエステル繊維からなるカーテン生地(目付125g/m2)を浸漬し、マングルで絞り(絞り率80%)、160℃、3分間乾燥処理して、導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を0.15g/m2固着したカーテン生地を得た。
<実施例2>
水96.5gに導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を2.5g、ウレタン樹脂を1.0g分散した溶液とした以外は実施例1と同様にして導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を0.5g/m2固着したカーテン生地を得た。
水96.5gに導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を2.5g、ウレタン樹脂を1.0g分散した溶液とした以外は実施例1と同様にして導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を0.5g/m2固着したカーテン生地を得た。
<実施例3>
水79gに導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を15g、ウレタン樹脂を6g分散した溶液とした以外は実施例1と同様にして導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を3g/m2固着したカーテン生地を得た。
水79gに導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を15g、ウレタン樹脂を6g分散した溶液とした以外は実施例1と同様にして導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を3g/m2固着したカーテン生地を得た。
<比較例1>
水99.44gに導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を0.4g、ウレタン樹脂を0.16g分散した溶液とした以外は実施例1と同様にして導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を0.08g/m2固着したカーテン生地を得た。
水99.44gに導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を0.4g、ウレタン樹脂を0.16g分散した溶液とした以外は実施例1と同様にして導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を0.08g/m2固着したカーテン生地を得た。
<比較例2>
水44gに導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を40g、ウレタン樹脂を16g分散した溶液とした以外は実施例1と同様にして導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を8g/m2固着したカーテン生地を得た。
水44gに導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を40g、ウレタン樹脂を16g分散した溶液とした以外は実施例1と同様にして導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤を8g/m2固着したカーテン生地を得た。
<比較例3>
実施例1と同じカーテン生地(未加工)を用意した。
実施例1と同じカーテン生地(未加工)を用意した。
<比較例4>
アルミ箔が100g/m2蒸着したカーテン生地を用意した。
アルミ箔が100g/m2蒸着したカーテン生地を用意した。
表1から分かるように、この発明に係わる実施例1〜3の遮熱カーテンでは、日射熱取得率が低く、つまり遮熱性を発揮し、かつ可視光透過率高く光を透過するため、室内が明るいカーテンとすることができた。一方、比較例3では、室内は明るいものの遮熱性は劣るものであった。比較例4では、遮熱性を発揮するものの昼間でも室内が暗くなってしまった。
Claims (3)
- 導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤が、バインダー樹脂により固着していることに特徴のある遮熱カーテン。
- 前記遮熱剤が0.1〜5.0g/m2固着していることに特徴のある請求項1に記載の遮熱カーテン。
- 導電性酸化亜鉛を含有してなる遮熱剤と、バインダー樹脂とを含む溶液に浸漬し、加熱乾燥して遮熱剤を固着することに特徴のある遮熱カーテンの製造方法。
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JP2010123041A JP2011245115A (ja) | 2010-05-28 | 2010-05-28 | 遮熱カーテン |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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