以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係る遊技機1について説明する。
[遊技機1の概略構成]
まず、遊技機1の概略構成について説明する。図1は、遊技機1の一例を示す概略正面図である。遊技機1は、例えば遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。図1に示されるように、遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2の表面側(図1の紙面手前側)に遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行に配置された透明なガラス板(不図示)を支持する部材であり、遊技盤2に対して蝶番(不図示)を介して開閉可能に構成されると共に、遊技盤2に対して着脱可能に構成されている。
枠部材3に支持されたガラス板と遊技盤2との間には、遊技球が移動する遊技領域20が形成されている。遊技者がハンドル31を握ってレバー32を時計方向へ回転させると、ハンドル31の回転角度に応じた打球力で不図示の発射装置から遊技球が発射される。図には示されていないが、遊技盤2には、発射装置から発射された遊技球を遊技領域20へ案内するガイド部材が設けられており、遊技球は、このガイド部材によって遊技領域20の上部位置へ案内される。遊技球は、遊技領域20に配置された不図示の遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら、遊技盤2の表面に沿って落下する。
遊技領域20には、入賞や抽選に関する役物として、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、普通入賞口24、およびゲート25等が設けられている。また、遊技領域20における大入賞口23の下方には、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、普通入賞口24に入らなかった遊技球を遊技領域20の外へ排出する排出口26が設けられている。
第1始動口21および第2始動口22は、後述する液晶表示器5の下方に設けられている。第1始動口21および第2始動口22は、第1始動口21を第2始動口22の上側として所定の間隔を隔てて上下に並んで配置されている。遊技機1では、第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞することで、大当たり抽選が実行される。なお、以下の説明では、第1始動口21への遊技球の入賞を契機として実行される大当たり抽選を第1特別図柄抽選と呼び、第2始動口22への遊技球の入賞を契機として実行される大当たり抽選を第2特別図柄抽選と呼び、第1特別図柄抽選および第2特別図柄抽選を総称して特別図柄抽選と呼ぶものとする。
第1始動口21と第2始動口22との間には、チューリップの花を模した一対の羽根部材を有する電動チューリップ27が配置されている。電動チューリップ27は、一対の羽根部材が閉じた閉姿勢(図1参照)と、一対の羽根部材が開いた開姿勢(不図示)との間で姿勢変化可能に構成されており、不図示の電動ソレノイドが作動することによって姿勢変化する。
電動チューリップ27の一対の羽根部材が閉姿勢の状態では、第1始動口21を構成する部材および電動チューリップ27によって第2始動口22への遊技球の進入経路が塞がれており、遊技球が第2始動口22へ入ることはない。これに対して、遊技球がゲート25を通過すると、普通図柄抽選(電動チューリップ27の開閉抽選)が実行され、この普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ27の一対の羽根部材が規定時間だけ開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、普通図柄抽選に当選することで、第2始動口22への遊技球の進入経路が開放されて、遊技球が第2始動口22に入賞可能となる。すなわち、第2特別図柄抽選の実行が可能な状態となる。なお、電動チューリップ27の動作に関する規定時間および規定回数は、遊技機1の遊技状態に応じて変更されることがある。
普通入賞口24は、ゲート25の下方に配置されている。普通入賞口24に遊技球が入賞した場合、抽選は実行されないが、第1始動口21や第2始動口22に遊技球が入賞した場合よりも多い賞球が払い出される。
大入賞口23は、第2始動口22の下方に配置されている。大入賞口23は、特別図柄抽選の結果に応じて開放される。大入賞口23の開口部には、大入賞口23を開閉するプレートが設けられている。特別図柄抽選に当選していない状態では、このプレートが遊技盤2の表面と同一平面を形成する姿勢となっているために、大入賞口23に遊技球が入らない状態となっている。これに対して、特別図柄抽選に当選すると、プレートの下端側を軸としてプレートの上端側が遊技盤2の表面側へ傾倒して、大入賞口23が開放される。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入って入賞すると、入賞した場所に応じた個数の賞球(遊技球)が払い出される。例えば、第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞すると4個の賞球が払い出され、大入賞口23に遊技球が入賞すると13個の賞球が払い出され、普通入賞口24に遊技球が入賞すると10個の賞球が払い出される。なお、遊技球がゲート25を通過しても賞球が払い出されることはない。
遊技盤2の中央部には、演出のための各種の画像を表示する液晶表示器5およびEL(Electro Luminescence)表示器6が設けられている。液晶表示器5およびEL表示器6については、後に詳述する。
液晶表示器5と近接する位置に、各種の演出に用いられる盤ランプ8および可動役物7が設けられている。盤ランプ8は、遊技者による遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成されており、例えば内蔵された発光素子を発光させながら回動することによって各種の演出を行う。なお、本実施形態では、遊技盤2に対して可動に構成された装飾役物が可動役物7のみである場合について説明するが、さらに他の可動役物が設けられていてもよい。
図2は、遊技機1の一部の一例を示す概略平面図である。図1および図2に示されるように、枠部材3には、ハンドル31およびレバー32の他に、停止ボタン33、取り出しボタン34、スピーカ35、枠ランプ36、演出ボタン37、演出キー38、および皿39が設けられている。
皿39は、枠部材3から遊技機1の正面側へ突出するように設けられており、上述の発射装置へ供給される遊技球を一時的に溜めるものである。この皿39には、上述のように払い出された賞球が排出される。遊技者がハンドル31を握ってレバー32を時計方向へ回転させると、皿39に溜められた遊技球が発射装置へ供給されて、遊技領域20へ所定の時間間隔で発射される。この遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン33を押下することによって一時的に停止される。
取り出しボタン34は、皿39と近接する位置に設けられている。遊技者が取り出しボタン34を操作すると、皿39の下面の一部が開口されて、皿39に溜まった遊技球が皿39の下方に配置された不図示の箱へ落下する。なお、この皿39は、1つの皿によって構成されてもよいし、発射装置へ供給される遊技球および賞球を溜める上皿と、賞球のみを溜める下皿との2つの皿によって構成されてもよい。
スピーカ35は、楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。枠ランプ36は、点灯または点滅のパターンの変更、発光色の変更、光の照射方向の変更等の光による各種の演出を行う。
演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者が演出に対する操作入力を行うために設けられている。演出ボタン37は、皿39の横に設けられており、演出キー38は、中央キーと中央キーの周辺に配列された複数(ここでは4つ)の周辺キーとを有しており、演出ボタン37に隣接配置されている。後述するが、遊技者が周辺キーのいずれかを押下することによって、EL表示器6を遊技盤2に対して移動させることができる。すなわち、遊技者が演出キー38の周辺キーを操作することによって、EL表示器6の移動方向(上下左右)を指示することができる。また、遊技者が演出キー38の周辺キーを操作することによって、液晶表示器5に表示された複数の選択肢の中からいずれかを選択指示することができる。このように、演出キー38は、遊技者が操作情報を入力するための入力手段として機能する。なお、演出キー38は、一例として遊技者に対して操作を促すために発光するボタンランプ40(図11参照)が内蔵されている。
図3は、図1における表示器4の一例を示す拡大図である。表示器4は、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する情報を表示するものである。図3に示されるように、表示器4は、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、および遊技状態表示器47を備えている。
第1特別図柄表示器41は、第1始動口21への遊技球の入賞を契機として特別図柄を変動表示してから第1特別図柄抽選の結果を示す特別図柄を停止表示する。第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄抽選の保留数を表示する。第2特別図柄表示器42は、第2始動口22への遊技球の入賞を契機として特別図柄を変動表示してから第2特別図柄抽選の結果を示す特別図柄を停止表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄抽選の保留数を表示する。普通図柄表示器45は、遊技球がゲート25を通過したことを契機として普通図柄を変動表示してから普通図柄抽選の結果を示す普通図柄を停止表示する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄抽選の保留数を表示する。例えば、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、または普通図柄表示器45によって表示図柄が変動表示されている期間(入賞1回分の変動表示が行われている間)等、表示図柄の変動表示を即時に開始できない期間に、さらに他の遊技球が入賞した場合、その入賞した遊技球に対する表示図柄の変動表示は、先に入賞した遊技球に対する変動表示が終了する等、表示図柄の変動表示が可能となるまで、規定回数(例えば、4回)を限度に保留される。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未抽選回数)が、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、および普通図柄保留表示器46にそれぞれ表示される。例えば、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、および普通図柄保留表示器46は、それぞれ列設されたLED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留回数が表示される。遊技状態表示器47は、遊技機1の電源投入時点における遊技状態(例えば、通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、潜伏遊技状態)を表示する。
ここまで遊技機1の概略構成について説明したが、上述した遊技機1の構成は単なる一例であって、遊技盤2の盤面構成(入賞や抽選に関する役物の配置)等は、適宜変更されてもよい。例えば本発明に係る遊技機が右打ちが必要なパチンコ遊技機に適用される場合には、大入賞口23やゲート25等を液晶表示器5に対して右側の遊技領域20に配置するといった変更が行われる。
ところで、液晶表示器5が遊技者が視認し易い位置に固定されているので、特別図柄抽選に当選しない期間が長時間続いたとき等に遊技者の視点が固定され易く、遊技が単調になるおそれがある。そこで、本実施形態に係る遊技機1は、演出キー38の操作に応じてEL表示器6を移動させ、EL表示器6が所定の位置へ移動したときにEL画面60を通して遊技者が視認できる情報を示す画像をEL画面60に表示することで、遊技者に対して効果的な演出が行われるように構成されている。例えば、図4(a)や図4(b)に示されるように、液晶表示器5の液晶画面50に表示された特別図柄抽選が保留されていることを示す画像(保留表示画像IM)がEL画面60を通して視認可能な位置に、EL表示器6が移動したときには、当該保留表示画像IMに対応する特別図柄抽選に当選する信頼度(期待度)を示す表示情報IFがEL表示器6のEL画面60に表示される。以下、このような効果的な演出を実現するための遊技機1の構成および動作について説明する。
例えば、液晶表示器5には、保留表示画像IMがそれぞれ表示される表示位置(例えば、液晶表示器5の表示画面下部領域)が設けられている。そして、上記表示位置には、第1始動口21や第2始動口22に遊技球が入賞した場合に行われる特別図柄抽選が保留されている回数それぞれに対応する保留表示画像IMが表示される。すなわち、保留表示画像IMは、その表示数によって第1始動口21や第2始動口22に遊技球が入賞した場合に行われる特別図柄抽選が保留されている回数を遊技者に示す画像であるが、現時点で特別図柄変動中の保留表示画像IMも液晶表示器5に表示してもかまわない。
一例として、列設された複数の表示位置の一方の端(例えば、左端)に配置されている表示位置には、現時点では特別図柄抽選が保留されており、次に特別図柄抽選が行われる予定となっている保留(以下、第1保留と記載する)に対応する保留表示画像IMが表示される。また、複数の表示位置のうち、第1保留の隣(例えば、右隣)に配置されている表示位置は、現時点では特別図柄抽選が保留されており、上記第1保留の次に特別図柄抽選が行われる予定となっている保留(以下、第2保留と記載する)に対応する保留表示画像IMが表示される。複数の表示位置のうち、第2保留の隣(例えば、右隣)に配置されている表示位置は、現時点では特別図柄抽選が保留されており、上記第2保留の次に特別図柄抽選が行われる予定となっている保留(以下、第3保留と記載する)に対応する保留表示画像IMが表示される。そして、複数の表示位置のうち、第3保留の隣(例えば、右隣)に配置されている表示位置は、現時点では特別図柄抽選が保留されており、上記第3保留の次に特別図柄抽選が行われる予定となっている保留(以下、第4保留と記載する)に対応する保留表示画像IMが表示される。なお、第1始動口21や第2始動口22に遊技球が入賞した場合に行われる特別図柄抽選を保留可能な最大回数が4回である場合、上記第4保留に対応する保留表示画像IMが列設された複数の表示位置の他方の端(例えば、右端)に配置されることになる。
そして、複数の表示位置にそれぞれ表示された保留表示画像IMは、第1始動口21や第2始動口22に遊技球が入賞した場合に行われる特別図柄抽選が終了するごとに、すなわち保留が消化されるごとに、順次表示位置を変更する。一例として、第1保留の表示位置に表示されていた保留表示画像IMは、特別図柄抽選における図柄変動が終了すると、表示画面外へ移動したり消滅したりすることによって、当該表示画面上から消える。そして、第2保留〜第4保留として表示されていた保留表示画像IMは、それぞれ次の表示位置(すなわち、第1保留〜第3保留の表示位置)へ移動する。このように、保留表示画像IMは、特別図柄抽選の保留が消化されるごとに、順次表示位置を移動していく。
後述により明らかとなるが、本実施形態では、特別図柄抽選の保留それぞれに対する抽選結果が、当該保留の発生した時点で決定している。つまり、特別図柄抽選が保留されていることを示す画像(保留表示画像IM)を液晶表示器5に登場させる時点において、当該保留表示画像IMに対応する保留の特別図柄抽選結果が判明している。したがって、特別図柄抽選において、当選する期待度が相対的に高い保留を他の保留と区別して表示すれば、後ほど行われる特別図柄抽選における当選を遊技者に期待させることができる。ここで、上記期待度は、遊技者に保留されている特別図柄抽選が当選する確率が高いことを示すものであり、特別図柄抽選に必ず当選することを示さなくてもかまわない。例えば、他の保留と区別して表示する確率を、「特別図柄抽選に当選する場合に区別して表示する確率」>「特別図柄抽選でリーチとなる場合に区別して表示する確率」>「特別図柄抽選にはずれる場合に区別して表示する確率」に設定する。これによって、通常の保留と異なった特殊な態様で保留表示が行われた場合、通常の保留より特別図柄抽選に当選したりリーチとなったりする確率が高いことを示すことができる共に、特別図柄抽選にはずれる場合もあり得る。このように、通常の保留表示と異なった特殊な態様で保留表示を行うことによって、特別図柄抽選における当選の期待度が高いことを遊技者に示すことができる。本実施形態では、保留されている特別図柄抽選における当選の期待度を示す情報が、表示情報IFとしてEL表示器6のEL画面60に表示される。なお、本実施形態では、特別図柄抽選における当選の期待度が相対的に高い場合、通常の保留表示を示す画像(以下、通常保留表示画像と記載する)に対して、異なる画像(以下、特殊保留表示画像と記載する)で保留表示画像IMを表示することがある。
[液晶表示器5の構成]
液晶表示器5は、遊技盤2を支持する遊技機1の筐体に固定されている。このため、液晶表示器5は、遊技機1の遊技盤2やガラス板等が閉状態、すなわち遊技機1が遊技可能な状態である場合、遊技盤2に対して固定された状態となる。液晶表示器5としては、一例として上下方向11の画素数が「600」で、左右方向12の画素数が「800」という画面解像度(垂直画素数×水平画素数)の液晶画面50を有する液晶ディスプレイが使用される。液晶表示器5は、後述する画像音響制御部140から出力される画像を液晶画面50に表示する。液晶画面50には、例えば、特別図柄抽選の結果を報知するための装飾図柄、予告演出を行うキャラクタやアイテム、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留表示画像等が表示される。
図5(a)は、液晶画面50の概略構成の一例を示す図である。図5(a)に示されるように、液晶画面50は、多数の画素ユニット51を有して構成されている。例えば、画素ユニット51は、上下方向11に600個、左右方向12に800個並んで配置されているが、説明の便宜上、図5(a)では、実際よりも少なく画素ユニット51が表記されている。
画素ユニット51は、カラー液晶素子52および光センサ56を有している。カラー液晶素子52は、3原色のそれぞれの色を表示するR(Red)色液晶素子53、G(Green)色液晶素子54、およびB(Blue)色液晶素子55から構成されている。光センサ56は、液晶画面50の前方からの光を検知する受光素子であり、R色液晶素子53、G色液晶素子54、およびB色液晶素子55と隣接するように配置されている(図5(b)参照)。このように、光センサ56は、各カラー液晶素子52のそれぞれに近接配置されている。
光センサ56が光を受光すると、受光した光の輝度に応じた電気信号が生成される。液晶画面50が有する各光センサ56は、後述する演出制御部130に接続されており、各光センサ56で生成された電気信号は演出制御部130に出力される。演出制御部130は、各光センサ56から出力される電気信号に基づいて、液晶画面50に対するEL画面60の位置(EL表示器6の位置)を検出する。具体的には、後述するEL表示器6のフレーム61(図7参照)は、液晶表示器5の液晶画面50と対向する面が黒色に形成されており、液晶画面50においてフレーム61によって覆われた領域(すなわち、フレーム61によって遊技機1の前方に着席する遊技者から遮られている液晶画面50の領域)に設けられている光センサ56からは、フレーム61によって覆われていない領域に設けられている光センサ56から出力される電気信号とは異なるレベルの電気信号が出力される。図6には、液晶表示器5の液晶画面50に対してEL表示器6のEL画面60が左下方に位置したときにフレーム61によって覆われた領域16(ハッチングされた領域)の一例が示されている。演出制御部130は、各光センサ56から出力される電気信号のレベルの違いに基づいて、フレーム61の位置、すなわちEL画面60の位置を検出することができる。
図5(b)に示されるように、各画素ユニット51には、画素ユニット51と隣接する他の画素ユニットとを区画する外壁57、および画素ユニット51を構成するカラー液晶素子52と光センサ56とを区画する内壁58が設けられている。外壁57は、カラー液晶素子52および光センサ56の外側を囲み、且つ画素ユニット51の基部から液晶画面50の前方へ向けて突出するように形成されている。内壁58は、カラー液晶素子52と光センサ56との間に画素ユニット51の基部から液晶画面50の前方へ向けて突出するように形成されている。この外壁57および内壁58が設けられていることにより、光センサ56に対して近接するカラー液晶素子52から光が直接入射することが防止されるので、液晶画面50の前方からの光を各光センサ56で正確に検知して、EL表示器6の位置を精度良く検出することができる。
[EL表示器6の構成]
EL表示器6は、液晶表示器5の前面側に液晶画面50と所定の間隔を隔てて配置されており、後述する駆動機構10によって遊技盤2および液晶表示器5に対して上下左右に移動可能である。一例として、本実施形態におけるEL表示器6は、透明なEL画面60に画像を単色表示する透明ELディスプレイである。例えば、EL画面60は、樹脂製のフレーム61に形成された開口部に嵌め込まれることによってフレーム61に固定されている。EL画面60としては、例えば上下方向11の画素数が「240」で、左右方向12の画素数が「320」という画面解像度を有するものが使用される。したがって、液晶表示器5およびEL表示器6は、EL画面60よりも液晶画面50の方が画面解像度が大きくなるように構成されている。
EL表示器6として透過型のELディスプレイが使用されるので、EL画面60に画像が表示された状態であっても、EL表示器6の裏面側に位置するオブジェクト(例えば、液晶画面50に表示された保留表示画像IM、キャラクタ、アイテムといった表示オブジェクト、可動役物7等)を遊技者がEL画面60を介して視認することができる。なお、EL表示器6のフレーム61の裏面(液晶画面50と対向する面)は、上述のように、黒色に形成されている。
[駆動機構10の構成および動作]
次に、図7〜図10を参照しつつ、EL表示器6を移動させる駆動機構10について説明する。図7は、駆動機構10の構成の一例を示す斜視図であり、EL画面60を介して液晶画面50に表示された表示オブジェクトが視認可能な位置にEL表示器6が位置した状態の一例を示している。図8は、駆動機構10の構成の一例を示す斜視図であり、EL画面60を介して可動役物7の一部が視認可能な位置にEL表示器6が位置した状態の一例を示している。図9は、駆動機構10の一例を示す分解斜視図である。図10は、EL表示器6の一例を示す拡大斜視図である。
駆動機構10は、EL表示器6を液晶表示器5の液晶画面50に沿って上下左右に移動させるものである。本実施形態においては、駆動機構10は、第1ステッピングモータ29(図11参照)の駆動力をEL表示器6に伝達して、EL表示器6を液晶画面50に沿って上下方向11(図1、図7、図8参照)に移動させる昇降駆動機構200と、第2ステッピングモータ30(図11参照)の駆動力をEL表示器6に伝達して、EL表示器6を液晶画面50に沿って左右方向12(図1、図7、図8参照)に移動させるスライド駆動機構220とから構成されている。
昇降駆動機構200は、大別して、第1支持部材201と、一対のガイド部材202および203と、第1回転軸204と、第2回転軸205と、第1駆動ベルト206と、および第2駆動ベルト207とを備えている。
第1支持部材201は、左右方向12を長手方向とする薄い板状部材である。この第1支持部材201は、図1に示されるように、液晶表示器5の液晶画面50の手前に配置されるため、液晶画面50に表示された画像の視認性の低下を最低限に抑えるために、例えば透明な樹脂で形成されている。EL表示器6のフレーム61には、左右方向12に貫通する挿通孔62(図9および図10参照)が形成されており、第1支持部材201は、挿通孔62に挿通されることによって、第1支持部材201に沿った左右方向12へフレーム61を移動可能に支持する。
図10に示されるように、第1支持部材201は、その一方端が連結部材194に固設されると共に、その他方端が連結部材197に固設される。連結部材194は、ガイド部材202(図9参照)が挿通される円筒状の挿通孔195と、第1駆動ベルト206(図9参照)を挟持する挟持片196とを有している。ガイド部材202は、断面外形が円形の棒状部材であり、その長手方向が上下方向11と一致するように遊技機1の筐体に固定されている。ガイド部材202の外径寸法は、挿通孔195に遊挿可能となるように挿通孔195の内径寸法よりも若干小さく設定されており、連結部材194は、挿通孔195にガイド部材202が挿通されることによって、ガイド部材202に沿った上下方向11へ移動可能にガイド部材202によって支持される。
連結部材197は、連結部材194と同形状の部材であって、ガイド部材203(図9参照)が挿通される挿通孔198と、第2駆動ベルト207(図9参照)を挟持する挟持片199とを有している。ガイド部材203は、ガイド部材202と同形状の部材であって、ガイド部材202との間に液晶画面50が配置されるように所定の間隔を隔てて遊技機1の筐体に列設固定されている。連結部材197は、挿通孔198にガイド部材203が挿通されることによって、ガイド部材203に沿った上下方向11へ移動可能にガイド部材203によって支持される。
このように連結部材194および連結部材197がガイド部材202およびガイド部材203に支持されているので、第1支持部材201は、上下方向11へスライド可能である。
ガイド部材202および203の上側に第1回転軸204が設けられると共に、ガイド部材202および203の下側に第2回転軸205が設けられている(図7および図8参照)。第1回転軸204および第2回転軸205は、それぞれ軸方向が左右方向12と一致するように、不図示の軸受けに回転可能に支持されている。図9に示されるように、第1回転軸204は、その一方端側にギヤ212およびプーリ208が固定されると共に、その他方端側にプーリ209が固定されている。第2回転軸205は、その一方端側にプーリ208と一対となるプーリ210が固定されると共に、その他方端側にプーリ209と一対となるプーリ211が固定されている。
一対のプーリ208とプーリ210との間には、内側に歯が形成された無端環状の第1駆動ベルト206が張り渡されている。また一対のプーリ209とプーリ211との間には、第1駆動ベルト206と同じ構成の第2駆動ベルト207が張り渡されている。
第1回転軸204のギヤ212(図7〜図9参照)には、第1ステッピングモータ29(図11参照)の駆動力が入力される。これにより、ギヤ212がその一方端に固定された第1回転軸204が回転する。プーリ208〜211の外周には、それぞれ第1駆動ベルト206または第2駆動ベルト207の歯と噛合する歯が形成されており、第1回転軸204の回転力がプーリ208および209を介して第1駆動ベルト206および第2駆動ベルト207にそれぞれ伝達される。その結果、第1駆動ベルト206および第2駆動ベルト207が周運動すると共に、第1回転軸204および第2回転軸205が同期回転する。また、第1駆動ベルト206には第1支持部材201の一方端に固定された連結部材194が挟持片196によって固定され、第2駆動ベルト207には第1支持部材201の他方端に固定された連結部材197が挟持片199によって固定されているので、第1ステッピングモータ29の駆動力が第1支持部材201にも伝達されて、結果的に第1支持部材201に支持されたEL表示器6が上下方向11へ移動する。なお、第1ステッピングモータ29の回転方向を正回転または逆回転に切り換えることで、上下方向11におけるEL表示器6の移動方向を切り換えることができる。
一方、スライド駆動機構220は、大別して、第2支持部材221と、一対のガイド部材222および223と、第3回転軸224と、第4回転軸225と、第3駆動ベルト226と、および第4駆動ベルト227とを備えている。
第2支持部材221は、上下方向11を長手方向とする薄い板状部材である。この第2支持部材221は、第1支持部材201と同様に、例えば透明な樹脂で形成されている。EL表示器6のフレーム61には、上下方向11に貫通する挿通孔63(図9および図10参照)が形成されており、第2支持部材221は、挿通孔63に挿通されることによって、第2支持部材221に沿った上下方向11へフレーム61を移動可能に支持する。
図10に示されるように、第2支持部材221は、その一方端が連結部材214に固設されると共に、その他方端が連結部材217に固設されている。連結部材214は、ガイド部材222(図9参照)が挿通される円筒状の挿通孔215と、第4駆動ベルト227(図9参照)を挟持する挟持片216とを有している。ガイド部材222は、断面外形が円形の棒状部材であり、その長手方向が左右方向12と一致するように遊技機1の筐体に固定されている。ガイド部材222の外径寸法は、挿通孔215に遊挿可能となるように挿通孔215の内径寸法よりも若干小さく設定されており、連結部材214は、挿通孔215にガイド部材222が挿通されることによって、ガイド部材222に沿った左右方向12へ移動可能にガイド部材222によって支持される。
連結部材217は、連結部材214と同形状の部材であって、ガイド部材223(図9参照)が挿通される挿通孔218と、第3駆動ベルト226(図9参照)を挟持する挟持片219とを有している。ガイド部材223は、ガイド部材222と同形状の部材であって、ガイド部材222との間に液晶画面50が配置されるように所定の間隔を隔てて対向するように遊技機1の筐体に列設固定されている。連結部材217は、挿通孔218にガイド部材223が挿通されることによって、ガイド部材223に沿った左右方向12へ移動可能にガイド部材223によって支持される。
このように連結部材214および連結部材217がガイド部材222およびガイド部材223に支持されているので、第2支持部材221は、左右方向12へスライド可能である。
左右方向12におけるガイド部材222および223の右側に第3回転軸224が設けられると共に、ガイド部材222および223の左側に第4回転軸225が設けられている(図7および図8参照)。第3回転軸224および第4回転軸225は、それぞれ軸方向が上下方向11と一致するように、不図示の軸受けに回転可能に支持されている。図9に示されるように、第3回転軸224は、その一方端側にギヤ232およびプーリ228が固定されると共に、その他方端側にプーリ229が固定されている。第4回転軸225は、その一方端側にプーリ228と一対となるプーリ230が固定されると共に、その他方端側にプーリ229と一対となるプーリ231が固定されている。
一対のプーリ228とプーリ230との間には、内側に歯が形成された無端環状の第3駆動ベルト226が張り渡されている。また、一対のプーリ229とプーリ231との間には、第3駆動ベルト226と同じ構成の第4駆動ベルト227が張り渡されている。
第3回転軸224のギヤ232(図7〜図9参照)には、第2ステッピングモータ30(図11参照)の駆動力が入力される。これにより、ギヤ232がその一方端に固定された第3回転軸224が回転する。プーリ228〜231の外周には、それぞれ第3駆動ベルト226または第4駆動ベルト227の歯と噛合する歯が形成されており、第3回転軸224の回転力がプーリ228および229を介して第3駆動ベルト226および第4駆動ベルト227にそれぞれ伝達される。その結果、第3駆動ベルト226および第4駆動ベルト227が周運動すると共に、第3回転軸224および第4回転軸225が同期回転する。また、第3駆動ベルト226には第2支持部材221の他方端に固定された連結部材217が挟持片219によって固定され、第4駆動ベルト227には第2支持部材221の一方端に固定された連結部材214が挟持片216によって固定されているので、第2ステッピングモータ30の駆動力が第2支持部材221にも伝達されて、結果的に第2支持部材221に支持されたEL表示器6が左右方向12へ移動する。なお、第2ステッピングモータ30の回転方向を正回転または逆回転に切り換えることで、左右方向12におけるEL表示器6の移動方向を切り換えることができる。
このように、EL表示器6は、昇降駆動機構200によって上下方向11へ移動し、スライド駆動機構220によって左右方向12へ移動する。なお、本実施形態では、演出キー38から入力される操作情報に応じて昇降駆動機構200および/またはスライド駆動機構220が駆動するので、遊技者は、所望の位置へEL表示器6を移動させることができる。なお、第1支持部材201および第2支持部材221を除く駆動機構10の各構成部材は、液晶表示器5等が設けられた領域と遊技領域20とを区画する化粧カバー14(図1参照)によって覆われているために、図1には現れていない。
[遊技機1の制御装置の構成]
また、遊技機1の背面側(図1の紙面奥側)には、払出用の遊技球を溜めておく球タンクや遊技球を皿39に払い出す払出装置が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の後面には、メイン基板およびサブ基板等が配設されている。具体的には、メイン基板には、内部抽選および当選の判定等を行う遊技制御部100として機能するメイン制御基板が配設されている。このメイン基板は、開封されることにより痕跡が残るように透明部材で構成されたメイン基板ケースによって密封されている。また、サブ基板には、賞球の払出を制御する払出制御部120として機能する払出制御基板、演出を統括的に制御する演出制御部130として機能する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像音響制御部140として機能する画像制御基板、および各種のランプ(枠ランプ36や盤ランプ8)や可動役物7による演出を制御するランプ制御部150として機能するランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤2の後面には、遊技機1の電源オン/オフを切り換えるとともに、遊技機1に供給された24V(ボルト)の交流電力を各種電圧の直流電力に変換して、それぞれの電圧の直流電力を上述した各種の基板等に出力するスイッチング電源が配設されている。
以下、図11を参照しつつ、遊技機1の制御装置の構成について説明する。ここで、図11は、遊技機1の制御装置の構成の一例を示すブロック図である。図11に示されるように、遊技機1の制御装置の構成の一例では、遊技制御部100、払出制御部120、演出制御部130、画像音響制御部140、およびランプ制御部150を備えている。
[遊技制御部100の構成]
遊技制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに基づいて、内部抽選や当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域またはデータ処理などの作業領域として使用される。この遊技制御部100の主な機能は、以下の通りである。
遊技制御部100は、第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を実行し、特別図柄抽選での当選か否かを示す判定結果データを演出制御部130へ送信する。また、遊技制御部100は、特別図柄抽選に応じて決定した当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)を示すデータ、特別図柄変動時間の短縮設定を示すデータ、普通図柄抽選に応じて決定した普通図柄変動時間の短縮設定を示すデータ等を演出制御部130へ送信する。
遊技制御部100は、電動チューリップ27の羽根部材が開姿勢となる開時間、羽根部材が開閉する回数、および羽根部材が閉じてから次に開くまでの開閉時間間隔を制御する。また、遊技制御部100は、遊技球が第1始動口21または第2始動口22へ入賞したことによる特別図柄抽選の保留数、および遊技球がゲート25を通過したことによる普通図柄抽選の保留数を管理し、保留回数に関連するデータを演出制御部130に送信する。
遊技制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口23の開閉動作を制御する。例えば、所定条件(例えば、大入賞口23が開いてから30秒が経過、大入賞口23への10個の遊技球の入賞、または大入賞口23の開放累積時間が1.8秒以内)を満たすまで、大入賞口23のプレートが突出傾倒して大入賞口23の開状態を維持するラウンドを所定回数(例えば15回または2回)繰り返す。
遊技制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入賞すると、入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御部120に指示する。払出制御部120が遊技制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払い出された賞球の個数に関する情報が払出制御部120から遊技制御部100へ送られる。遊技制御部100は、払出制御部120から取得した情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
これらの機能を実現するために、遊技制御部100には、第1始動口スイッチ(SW)111、第2始動口スイッチ(SW)112、電動チューリップ開閉部113、ゲートスイッチ(SW)114、大入賞口スイッチ(SW)115、大入賞口制御部116、および普通入賞口スイッチ(SW)117が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ送る。第2始動口スイッチ112は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部113は、電動チューリップ27の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを有している。遊技制御部100からの制御信号に応じて上記電動ソレノイドが作動して、電動チューリップ27の一対の羽根部材が姿勢変化する。ゲートスイッチ114は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ送る。大入賞口スイッチ115は、大入賞口23に遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ送る。大入賞口制御部116は、大入賞口23のプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを有している。遊技制御部100からの制御信号に応じて上記電動ソレノイドが作動して、大入賞口23が開閉される。普通入賞口スイッチ117は、普通入賞口24に遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ送る。
また、遊技制御部100には、表示器4が接続されている(図3参照)。遊技制御部100は、第1特別図柄抽選の結果を第1特別図柄表示器41に表示させ、第1特別図柄抽選を保留している保留数を第1特別図柄保留表示器43に表示させる。遊技制御部100は、第2特別図柄抽選の結果を第2特別図柄表示器42に表示させ、第2特別図柄抽選の保留数を第2特別図柄保留表示器44に表示させる。遊技制御部100は、普通図柄抽選の結果を普通図柄表示器45に表示させ、普通図柄抽選の保留数を普通図柄保留表示器46に表示させる。遊技制御部100は、遊技状態表示器47に遊技機1の遊技状態を表示させる。
[払出制御部120の構成]
払出制御部120は、CPU121、ROM122、およびRAM123を備えている。CPU121は、ROM122に記憶されたプログラムに基づいて、賞球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。RAM123は、CPU121が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域またはデータ処理などの作業領域として使用される。
払出制御部120は、遊技制御部100からの指示に基づいて、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球が皿39へ払い出されるように払出モータ125を制御する。ここで、払出モータ125は、遊技盤2の裏面側に配置された球タンクから遊技球を送り出すモータである。
払出制御部120には、払出モータ125の他に、払出球検出部126、球有り検出部127、および満タン検出部128が接続されている。払出球検出部126は、払出モータ125により球タンクから皿39へ払い出された賞球の数を検出する。球有り検出部127は、球タンクにおける遊技球の有無を検出する。満タン検出部128は、皿39が遊技球で満タンになったことを検出する。払出制御部120は、払出球検出部126、球有り検出部127、および満タン検出部128の検出結果に応じて所定の処理を実行する。
[演出制御部130の構成]
演出制御部130は、CPU131、ROM132、RAM133、およびRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。CPU131は、ROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域またはデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時を計測する。
演出制御部130は、遊技制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン37または演出キー38からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。さらに、特別図柄抽選の当選確率の変動設定を示すデータを遊技制御部100から受信した場合、特別図柄抽選の変動時間の短縮設定を示すデータを遊技制御部100から受信した場合、および普通図柄抽選の変動時間の短縮設定を示すデータを遊技制御部100から受信した場合には、これらのデータに応じて演出内容を設定する。演出制御部130は、このようにして設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140およびランプ制御部150へ送信する。
また、演出制御部130は、遊技球の入賞時点において事前に行われる特別図柄抽選処理(事前判定処理)の結果を示すデータ(先読演出コマンド)を遊技制御部100から取得した場合、当該データに基づいた先読演出内容を設定する。そして、演出制御部130は、設定した先読演出内容の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140およびランプ制御部150にそれぞれ送る。
演出制御部130には、液晶表示器5が備える光センサ56が接続されている。演出制御部130のCPU131は、各光センサ56から入力される電気信号に基づいて、EL表示器6のEL画面60の位置を検出する。
[ランプ制御部150の構成]
ランプ制御部150は、CPU151、ROM152、およびRAM153を備えている。CPU151は、盤ランプ8や枠ランプ36の発光、および可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM152は、CPU151によって実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM153は、CPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域またはデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプ制御部150のCPU151は、ROM152に記憶されている発光パターンデータの中から、演出制御部130から送信されたコマンドに対応する発光パターンデータを読み出して、盤ランプ8、枠ランプ36、および可動役物7の発光を制御する。また、CPU151は、演出制御部130から送信されたコマンドにEL表示器6の移動が可能な状態になったことを示す情報が含まれている場合に、遊技者に対して演出キー38の操作を促すために、演出キー38に内蔵されているボタンランプ40の発光を制御する。また、CPU151は、ROM152に記憶されている動作パターンデータの中から、演出制御部130から送信されたコマンドに対応する動作パターンデータを読み出して、可動役物7を動作させるモータ(不図示)の回転を制御する。
ランプ制御部150は、演出制御部130から送信されたコマンドに演出キー38の操作情報が含まれていた場合、その操作情報に基づいて、第1ステッピングモータ29および/または第2ステッピングモータ30の回転を制御する。第1ステッピングモータ29は、その回転軸が昇降駆動機構200のギヤ212(図7参照)と噛合するように配設されており、第1ステッピングモータ29の駆動力がギヤ212に入力されることによって、EL表示器6が上下方向11へ移動する。一方、第2ステッピングモータ30は、その回転軸がスライド駆動機構220のギヤ232(図7参照)と噛合するように配設されており、第2ステッピングモータ30の駆動力がギヤ232に入力されることによって、EL表示器6が左右方向12へ移動する。このように本実施形態においては、第1ステッピングモータ29および/または第2ステッピングモータ30を駆動制御することによって、昇降駆動機構200および/またはスライド駆動機構220を動作させるCPU151が、EL表示器6を移動させる駆動制御手段として機能している。
[画像音響制御部140の構成]
図12は、画像音響制御部140の構成を例示するブロック図である。図12に示されるように、画像音響制御部140は、各種演出の実行を指示する制御信号を生成するCPU141と、CPU141によって生成された制御信号に応じた演出を表現する画像を生成するVDP(Video Display Processor)142と、CPU141によって生成された制御信号に応じた演出を実現する音響データを生成する音響DSP(Digital Signal Processor)143とを備えている。
CPU141には、制御用ROM144およびRAM145が接続されている。制御用ROM144には、CPU141によって実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM145は、CPU141が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域またはデータ処理などの作業領域として使用される。CPU141は、演出制御部130から受信したコマンドに基づいて、VDP142および音響DSP143の動作を制御するための制御信号を生成して、その制御信号をVDP142および音響DSP143に出力する。
音響DSP143には、音響用ROM146およびSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)147が接続されている。音響用ROM146には、スピーカ35から出力させる楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データが記憶されている。SDRAM147は、音響DSP143によるデータ処理等の作業領域として使用される。
音響DSP143は、CPU141によって生成された制御信号に対応する音響データを音響用ROM146から読み出し、その音響データに対して必要なデータ処理を行う。そして、液晶画面50やEL画面60による画像表示と同期させて、または画像表示とは非同期に、データ処理後の音響データを不図示の増幅器を介してスピーカ35に出力する。
VDP142は、CPU141から入力された制御信号に基づいて画像を描画して、液晶表示器5およびEL表示器6に出力する表示制御手段として機能する。VDP142は、CPU I/F1421、デコーダ1422、ROM I/F1423、描画エンジン1424、VRAM_RS1425、VRAM_FB1426、および出力回路1427を備えている。
VDP142には、内部バス1428および内部バス1429が設けられている。CPU I/F1421、デコーダ1422、ROM I/F1423、描画エンジン1424、およびVRAM_RS1425は、内部バス1428を介して通信可能に接続されている。また、描画エンジン1424、VRAM_FB1426、および出力回路1427は、内部バス1429を介して通信可能に接続されている。
CPU I/F1421は、VDP142とCPU141とを通信可能に接続するインターフェースである。CPU141によって生成された制御信号は、CPU I/F1421を介してVDP142に入力される。ROM I/F1423は、画像用ROM148から画像データを読み出すためのインターフェースである。
画像用ROM148には、液晶表示器5およびEL表示器6に表示される演出画像を構成する素材となる素材データが記憶されている。具体的には、3つの数字からなる装飾図柄や期待度の大きさに応じた演出を行うためのキャラクタやアイテム等に関する画像データ、液晶表示器5に背景画面として表示される背景画像に関する画像データ、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留表示画像に関する画像データ、各種情報を示す文字に関する画像データといった、いわゆる素材データが記憶されている。
VRAM_RS1425は、画像用ROM148から読み出された素材データを一時的に記憶する記憶領域または描画エンジン1424が実行する描画処理などの作業領域として使用されるメモリである。なお、例えばMPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)方式で符号化された画像データが画像用ROM148から読み出される場合には、デコーダ1422によって復号された画像データが素材データとしてVRAM_RS1425に格納される。VRAM_RS1425に格納された素材データは、描画エンジン1424が行う描画処理に使用される。このため、描画処理で頻繁に使用される素材データをVRAM_RS1425にバッファリングしておくことによって、描画エンジン1424による描画処理を効率良く実行することができる。
描画エンジン1424は、CPU141からの制御信号に基づいて、液晶表示器5の液晶画面50およびEL表示器6のEL画面60に表示すべき画像をVRAM_FB1426に描画する。具体的には、CPU141からの制御信号およびVRAM_RS1425に格納された素材データに基づいて、各ピクセルの色を計算し、計算した色の値をVRAM_FB1426に書き込むレンダリング処理を行う。VRAM_FB1426に描画された画像は、1フレーム分の画像に対応する複数の画素データから構成されており、各画素データは、R(Red)、G(Green)、B(Blue)を示す色情報と、画素の透過度を示すアルファ値とを含んでいる。描画エンジン1424は、VRAM_FB1426に描画した画像を所定の表示タイミングで液晶表示器5およびEL表示器6に出力して、液晶画面50およびEL画面60に画像を表示させる。なお、液晶表示器5のみを使用する場合には、描画エンジン1424は、液晶画面50に表示するための画像のみをVRAM_FB1426に描画して、その画像を液晶表示器5に出力する。
図13は、VRAM_FB1426の構成の一例について説明するための説明図である。図13に示されるように、VRAM_FB1426は、描画エンジン1424によって描画される1フレーム分の画像をそれぞれ記憶する第1フレームバッファ1426Aおよび第2フレームバッファ1426Bを備えるダブルバッファ方式のメモリである。描画エンジン1424は、第1フレームバッファ1426A内の画像を液晶表示器5およびEL表示器6に出力している間には、次のフレームの画像を第2フレームバッファ1426Bに描画する。一方、第2フレームバッファ1426B内の画像を液晶表示器5およびEL表示器6に出力している間には、次のフレームの画像を第1フレームバッファ1426Aに描画する。このように、描画エンジン1424は、一方のフレームバッファから画像を出力している間に他方のフレームバッファに描画処理を行うことで、高いフレームレートで描画処理を行うことができる。
ところで、第1フレームバッファ1426Aおよび第2フレームバッファ1426Bは、本実施形態においては、いずれも上下方向11に720ドット、左右方向12に960ドットの画素データを格納可能なメモリ領域を有している(図13参照)。これに対して、液晶表示器5の液晶画面50に表示される画像(以下「メイン画像」と呼ぶ)は、例えば上下方向11に600ドット、左右方向12に800ドットの画素データから構成されている(図16(a)参照)。したがって、EL表示器6のEL画面60には画像を表示せずに液晶表示器5の液晶画面50にのみ画像を表示する場合には、何ら問題なく描画処理を行うことができる。しかしながら、EL表示器6のEL画面60に表示される画像(以下「サブ画像」と呼ぶ)が、例えば上下方向11に240ドット、左右方向12に320ドットの画素データから構成されている(図16(c)参照)。したがって、メイン画像およびサブ画像を縦または横に並べてVRAM_FB1426に描画した場合、上下方向11または左右方向12の画素数が第1フレームバッファ1426Aや第2フレームバッファ1426Bに格納可能な画素データの画素数を超えるため、そのままでは、第1フレームバッファ1426Aや第2フレームバッファ1426Bにメイン画像およびサブ画像を並べて同時に描画することは不可能である。そこで、本実施形態に係るVDP142は、第1フレームバッファ1426Aにメイン画像を描画した後にできる空き領域(図16(b)参照)にサブ画像を複数の領域に分割した状態で描画することによって、第1フレームバッファ1426A(または第2フレームバッファ1426B)にメイン画像およびサブ画像を同時に描画することを可能にしている。以下、このような描画処理を実現するための遊技機1の動作について詳細に説明する。なお、以下の説明では、第1フレームバッファ1426Aを使用して描画処理が行われる場合を例に説明するが、第2フレームバッファ1426Bを使用して描画処理を行う場合にも同様の処理が行われる。
[分割画像サイズおよび分割数の設定]
第1フレームバッファ1426Aおよび第2フレームバッファ1426Bは、メイン画像が描画された場合に、メイン画像の描画処理に使用されていない空き領域が生じる(図15(d)参照)。サブ画像は、この空き領域に描画されるが、空き領域にそのまま描画できない場合には複数の領域に分割された分割画像として空き領域に描画される。サブ画像を分割画像として描画する処理は、予め設定された分割画像サイズおよび分割数に基づいて行われる。
以下、図14〜図16を参照しつつ、分割画像サイズおよび分割数を設定する処理について説明する。ここで、図14は、画像音響制御部140のCPU141によって実行される設定処理の一例を示すフローチャートである。図15は、メイン画像サイズ、サブ画像サイズ、フレームバッファサイズ、および空き領域のサイズについて説明するための説明図である。図16は、画像音響制御部140のCPU141によって実行される設定処理の一例について説明するための説明図である。なお、図14以降のフローチャートに基づいて説明する画像音響制御部140で行われる処理は、制御用ROM144に記憶されているプログラムに基づいてCPU141が発行する命令にしたがってって行われる。また、図14の説明では、画像音響制御部140のCPU141が実行する各ステップを「S」と略称する。
例えば遊技機1の電源が投入された場合や、液晶表示器5のみを用いた1画面表示から液晶表示器5およびEL表示器6を用いた2画面表示に切り換えられる場合に、分割画像サイズおよび分割数の設定処理を指示する設定指示コマンドが演出制御部130から画像音響制御部140へ送信される。これに対して、画像音響制御部140のCPU141は、上記設定指示コマンドの受信を待つ(ステップ1)。なお、上記設定指示コマンドを受信していない場合(ステップ1:NO)、待機状態となる。
CPU141は、上記設定指示コマンドを受信した場合(ステップ1:YES)、メイン画像サイズ、サブ画像サイズ、フレームバッファ(FB)サイズを取得し(ステップ2)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU141は、VDP142から第1フレームバッファ1426Aおよび第2フレームバッファ1426Bのフレームバッファサイズを取得してRAM145に格納する。また、CPU141は、液晶画面50の画面解像度およびEL画面60の画面解像度を、メイン画像サイズおよびサブ画像サイズとしてVDP142を介して液晶表示器5およびEL表示器6から取得してRAM145に格納する。ここで、フレームバッファサイズは、図15(a)に示されるように、例えば第1フレームバッファ1426A(または第2フレームバッファ1426B)に格納可能な画素データの上下方向11の画素数L1および左右方向12の画素数C1を示す情報であり、本実施形態では720×960(垂直画素数L1×水平画素数C1)である(図16(a)参照)。メイン画像サイズは、図15(b)に示されるように、例えばメイン画像を構成する画素データの上下方向11の画素数L2および左右方向12の画素数C2を示す情報であり、液晶画面50の画面解像度と等しく、本実施形態では600×800(垂直画素数L2×水平画素数C2)である(図16(a)参照)。サブ画像サイズは、図15(c)に示されるように、例えばサブ画像を構成する画素データの上下方向11の画素数L3および左右方向12の画素数C3を示す情報であり、EL画面60の画面解像度と等しく、本実施形態では240×320(垂直画素数L3×水平画素数C3)である(図16(c)参照)。
次に、CPU141は、取得したメイン画像サイズおよびフレームバッファサイズに基づいて、第1フレームバッファ1426Aにメイン画像を描画した後に生じる空き領域のサイズを算出し(ステップ3)、次のステップに処理を進める。具体的には、以下の演算式を用いて、空き領域に描画可能な画素データの最低垂直画素数L4(図15(d)参照)および最低水平画素数C4(図15(d)参照)を算出する。
最低垂直画素数L4=垂直画素数L1−垂直画素数L2
最低水平画素数C4=水平画素数C1−水平画素数C2
本実施形態では、図16(a)および図16(b)に示されるように、垂直画素数L1が「720」であり、垂直画素数L2が「600」であるため、最低垂直画素数L4として「120」が算出され、水平画素数C1が「960」であり、水平画素数C2が「800」であるため、最低水平画素数C4として「160」が算出される。
次に、CPU141は、サブ画像サイズがステップ3で算出した空き領域サイズより小さいか否かを判定し(ステップ4)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU141は、以下の演算式を用いて、サブ画像を構成する画素データの総数STおよび空き領域に描画可能な画素データの総数VTを算出する。
総数ST=垂直画素数L3×水平画素数C3
総数VT=垂直画素数L4×垂直画素数C1+水平画素数C4×(垂直画素数L1−垂直画素数L4)
ここで、垂直画素数L3は、サブ画像を構成する画素データの上下方向11の画素数であり、水平画素数C3は、サブ画像を構成する画素データの左右方向12の画素数である。そして、総数STおよび総数VTを算出すると、CPU141は、総数STが総数VTよりも小さいか否かを判定する。総数STが総数VTよりも小さければ、サブ画像サイズが空き領域サイズより小さいと判定することができる。一方、総数STが総数VT以上であれば、サブ画像サイズが空き領域サイズよりも小さくないと判定することができる。
CPU141は、サブ画像サイズが空き領域のサイズよりも小さいと判定した場合(ステップ4:YES)、すなわち総数STが総数VTよりも小さい場合、サブ画像を空き領域に描画するためにサブ画像を分割する必要があるか否かを判定する(ステップ5)。例えば、CPU141は、サブ画像を構成する画素データの垂直画素数L3(図15(c)参照)が空き領域の最低垂直画素数L4(図15(d)参照)よりも小さく、且つサブ画像を構成する画素データの水平画素数C3(図15(c)参照)が空き領域の最低水平画素数C4(図15(d)参照)よりも小さいか否かを判定する。ここで、垂直画素数L3が垂直画素数L4よりも小さい、または水平画素数C3が水平画素数C4よりも小さければ、サブ画像を分割することなく空き領域に描画することが可能であると判定することができる。一方、垂直画素数L3が垂直画素数L4よりも大きい、且つ水平画素数C3が水平画素数C4よりも大きい場合、サブ画像を空き領域にそのまま描画できないので、サブ画像を分割して描画する必要があると判定することができる。このように、空き領域のサイズおよびサブ画像サイズに基づいて、サブ画像の分割の必要性を判定する。
そして、CPU141は、分割が不要であると判定した場合(ステップ5:NO)、分割数SNを「0」に設定し(ステップ6)、当該フローチャートによる処理を終了する。ここで、分割数SNは、空き領域に描画される分割画像の数を示す情報である。言い換えれば、分割数SNは、サブ画像を構成する分割画像の数を示す情報である。このステップ6で設定された分割数SNは、設定情報としてRAM145に格納される。後に詳述するが、分割数SNが「0」に設定された場合、空き領域には分割画像が描画されず、サブ画像がそのまま空き領域に描画されることになる。
一方、CPU141は、分割が必要であると判定した場合(ステップ5:YES)、空き領域サイズおよびサブ画像サイズに基づいて、分割画像サイズSSおよび分割数SNを算出し(ステップ7)、次のステップに処理を進める。ここで、分割画像サイズSSは、サブ画像が分割数SNで示される個数の分割画像に分割された場合に、1個の分割画像のサイズ(垂直画素数および水平画素数)を示す情報である。上記ステップ7では、以下の演算式を用いて、分割画像サイズSS(分割画像の垂直画素数SSLと分割画像の水平画素数SSC)および分割数SNを算出する。
分割画像の垂直画素数SSL=最低垂直画素数L4
分割画像の水平画素数SSC=最低水平画素数C4
分割数SN=(垂直画素数L3/垂直画素数L4)×(水平画素数C3/水平画素数C4)
例えば、図16(b)および図16(c)に示されるように、本実施形態では、垂直画素数L4として「120」が算出され、水平画素数C4として「160」が算出される。このため、ここでの分割画像サイズSSは、120×160(垂直画素数SSL×水平画素数SSC)となる。また、分割数SNは、(240/120)×(320/160)により「4」が算出される。
次に、CPU141は、分割画像サイズSSおよび分割数SNを算出した後、算出した分割画像サイズSSおよび分割数SNを設定情報としてRAM145に格納し(ステップ8)、当該フローチャートによる処理を終了する。この設定情報は、VDP142へ出力される制御信号に含まれて、VDP142へと送られる。なお、上記ステップ8の設定処理に代えて上記ステップ6の設定処理が行われた場合には、サブ画像を分割する必要がないので分割画像サイズSSが算出されず、分割数SNが「0」であることを示す情報のみが設定情報としてVDP142へ送られる。
ここで、分割画像サイズSSおよび分割数SNを変化させた場合の分割画像サイズSSと空き領域サイズとの関係について図16(c)に基づいて説明する。垂直画素数L3が「240」であり水平画素数C3が「320」であるサブ画像は、垂直画素数L3が最低垂直画素数L4を超え、且つ水平画素数C3が最低水平画素数C4を超えているので、サブ画像をそのまま空き領域に描画することはできない。
また、仮に分割数SNが「2」に設定された場合、サブ画像を垂直画素数が「240」で水平画素数が「160」である2個の分割画像として空き領域に描画する第1の方法と、サブ画像を垂直画素数が「120」で水平画素数が「320」である2個の分割画像として空き領域に描画する第2の方法とが考えられる(図16(c)の真ん中の図を参照)。しかしながら、第1の方法でサブ画像を描画することを考えた場合、空き領域内の上下方向11に延びる領域(図16(b)参照)に2個の分割画像を描画することは可能であるが、空き領域内の左右方向12に延びる領域に分割画像を描画することはできない。なぜなら、分割画像の垂直画素数「240」が、空き領域の最低垂直画素数L4(=120)を超えているからである。また、第2の方法でサブ画像を描画することを考えた場合、空き領域内の横方向に延びる領域(図16(b)参照)に2個の分割画像を描画することは可能であるが、空き領域内の上下方向11に延びる領域に2個の分割画像を描画することはできない。なぜなら、分割画像の水平画素数「320」が、空き領域の最低水平画素数C4(=160)を超えているからである。このように、本実施形態で例示したサブ画像を分割画像として空き領域に描画する際に分割数SNを「2」に設定すると、サブ画像の分割の仕方によっては、分割画像を空き領域に描画できないケースが生じ得る。
これに対して、上述のように分割数SNが「4」に設定された場合、図16(b)および図16(c)の右側の図から明らかなように、垂直画素数SSLが空き領域の最低垂直画素数L4と同じ「120」に設定され、且つ水平画素数SSCが空き領域の最低水平画素数C4と同じ「160」に設定される。そして、この分割画像サイズSSの4個の分割画像が空き領域に描画されることになる。この場合、各分割画像は、空き領域内の上下方向11に延びる領域と左右方向12に延びる領域とのいずれにも描画可能である。したがって、分割数SNが「2」に設定された場合とは異なり、分割画像の描画の仕方によって空き領域に描画できないケースが生じることはない。このように、上記ステップ7で算出される分割数SNおよび分割画像サイズSSは、分割画像をどのような配列で空き領域に描画したとしても確実に空き領域に収まるように、適切な値に設定される。
一方、上記ステップ4においてサブ画像サイズが空き領域サイズよりも小さくないとCPU141に判定された場合(ステップ4:NO)、たとえサブ画像を分割したとしても、サブ画像を構成する全ての画素データを空き領域に描画することは不可能または困難となる。このため、CPU141は、サブ画像サイズが空き領域サイズよりも大きいまたは同じと判定した場合(ステップ4:NO)、縮小倍率を算出して(ステップ9)、算出した縮小倍率を設定情報としてRAM145に格納する(ステップ10)。そして、CPU141は、ステップ7へ処理を進めて、分割画像サイズSSおよび分割数SNを設定する。
ここで、縮小倍率の設定方法について説明する。例えば上記ステップ9で縮小倍率が「0.5」に設定された場合、垂直画素数L3が「480」であり水平画素数C3が「640」であるサブ画像が、垂直画素数L3が「240」(=480×0.5)であり水平画素数C3が「320」(=640×0.5)であるサブ画像に縮小されて、ステップ7およびステップ8の処理が行われる。この場合、描画処理に際して、VRAM_RS1425上で上下方向11および左右方向12の画素数を1/2にしたサブ画像が生成されて、そのサブ画像が、分割画像サイズSSおよび分割数SNに基づく分割画像として第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画される。そして、これらの分割画像は、上下方向11および左右方向12の画素数をそれぞれ2倍にするスケーリング処理(拡大処理)が描画エンジン1424によって行われてからEL表示器6へ出力される。これにより、分割したとしても空き領域に描画できないサブ画像を空き領域に描画することが可能になる。したがって、空き領域サイズに対して画面解像度が大きい画像表示器を備える遊技機において、従来の描画処理ではその画像表示器に画像を表示することができないという問題を、分割画像サイズSSおよび分割数SNに加えて縮小倍率を設定することで解決することができる。
なお、縮小倍率は、例えば縮小後のサブ画像の総画素数(=垂直画素数×水平画素数)が、空き領域に描画可能な画素データの総数VT以下(好ましくは、総数VTより所定数以上小さな値)となるように設定すればよい。これにより、サブ画像を分割画像として空き領域に容易に描画することが可能となる。ただし、縮小倍率を小さくし過ぎると、スケーリング処理の結果としてEL表示器6に表示される画像の画質が低下するおそれがあるので、縮小倍率は、縮小後のサブ画像の総画素数が総数VTを超えない範囲で、できるだけ大きな値に設定することが好ましい。
以上説明した図14のフローチャートに基づく設定処理が行われることにより、第1フレームバッファ1426Aまたは第2フレームバッファ1426Bへのメイン画像およびサブ画像の描画に際して、サブ画像の縮小が必要か否かを示す情報、縮小が必要な場合には縮小倍率、サブ画像の分割が必要か否かを示す情報、分割が必要な場合には分割画像サイズSSおよび分割数SNが、それぞれ設定情報としてRAM145に格納される。そして、後述する描画エンジン1424による描画処理は、この設定情報に基づいて実行される。
CPU141は、液晶表示器5のみを用いた1画面表示を実行する際には、上記設定処理によってRAM145に格納した設定情報を含まない制御信号をVDP142へ出力する。これにより、VRAM_FB1426にメイン画像のみが描画されて、液晶表示器5のみを用いた1画面表示が行われる。一方、液晶表示器5およびEL表示器6を用いた2画面表示を実行する際には、CPU141は、設定情報を含む制御信号をVDP142へ出力する。これにより、VRAM_FB1426にメイン画像およびサブ画像が描画されて、液晶表示器5およびEL表示器6を用いた2画面表示が行われる。このように、CPU141が設定情報を含まない制御信号と設定情報を含む制御信号とを切り換えて出力することにより、VDP142が描画処理を適切に行うことができる。また、上記設定処理が行われることにより、例えばEL表示器6のリユースによってEL画面60の画面解像度、すなわちサブ画像サイズが変化した場合でも、第1フレームバッファ1426Aまたは第2フレームバッファ1426Bの空き領域へのサブ画像の描画を適切に行うことができる。
[メイン制御処理]
次に、遊技機1において行われる処理(具体的には、遊技制御部100において行われる処理)の詳細を説明する。まず、図17、図18(a)〜図18(d)、および図19(a)〜図19(c)を参照して、処理において用いられる主なデータおよびプログラムについて説明する。なお、図17は、遊技制御部100のRAM103に記憶されるデータおよびプログラムの一例を示す図である。図18(a)は、ROM102に記憶される大当たり乱数データD2の一例を示す図である。図18(b)は、ROM102に記憶される大当たり図柄乱数データD3の一例を示す図である。図18(c)は、ROM102に記憶されるリーチ乱数データD4の一例を示す図である。図18(d)は、ROM102に記憶される当たり乱数データD5の一例を示す図である。図19(a)は、ROM102に記憶されるテーブルデータD10の大当たり用テーブルの一例を示す図である。図19(b)は、ROM102に記憶されるテーブルデータD10のリーチ用テーブルの一例を示す図である。図19(c)は、ROM102に記憶されるテーブルデータD10のはずれ用テーブルの一例を示す図である。
図17に示すように、RAM103は、データ記憶領域103Dおよびプログラム記憶領域103Pを有している。データ記憶領域103Dには、乱数データD1、保留回数データD6、抽選結果乱数データD7、変動コマンドデータD8、変動時間データD9、変動パターンデータD11、図柄設定データD12、図柄データD13、補助遊技残余回数データD14、開放ラウンド回数データD15、当たりコマンドデータD16、入賞個数データD17、開放時間データD18、高確率遊技残余回数データD19、確変フラグデータD20、補助遊技フラグデータD21、長当たり遊技フラグデータD22、短当たり遊技フラグデータD23、小当たり遊技フラグデータD24、第1保留数増加コマンドデータD25、第2保留数増加コマンドデータD26、先読演出コマンドデータD27、および電チューフラグデータD28等が格納される。また、プログラム記憶領域103Pには、遊技機1を動作させる各種プログラムP1が格納される。
乱数データD1は、遊技制御部100によって更新された乱数を示すデータが格納される。例えば、乱数データD1には、遊技制御部100によって更新された各種乱数(大当たり乱数(例えば、0〜299)、大当たり図柄乱数(例えば、0〜249)、リーチ乱数(例えば、0〜249)、当たり乱数(例えば、0〜9)、変動パターン乱数(例えば、0〜249)、および初期値乱数(例えば、0〜299)等)を示すデータが、それぞれ格納される。
保留回数データD6は、特別図柄抽選が保留となっている回数(第1特別図柄抽選保留回数U1、第2特別図柄抽選保留回数U2)および普通図柄抽選が保留となっている回数(普通図柄抽選保留回数G)を示すデータが、それぞれ格納されている。
抽選結果乱数データD7は、特別図柄抽選や普通図柄抽選等で決定された各乱数を示すデータが、当該抽選の時系列順にそれぞれ格納されている。
変動コマンドデータD8は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって設定された設定情報を含んだ変動開始コマンドや変動停止コマンドを示すデータが格納されている。
変動時間データD9は、特別図柄抽選を行うための特別図柄変動時間および普通図柄抽選を行うための普通図柄変動時間を示すデータが、それぞれ格納されている。
変動パターンデータD11は、演出する図柄変動パターンを設定する処理で決定された変動パターン乱数を示すデータが、当該設定の時系列順にそれぞれ格納されている。
図柄設定データD12は、特別図柄抽選や普通図柄抽選等で決定され、変動表示された後に停止して表示される各図柄(特別図柄、普通図柄)を示すデータが格納されている。図柄データD13は、第1特別図柄表示器41および第2特別図柄表示器42にそれぞれ表示される各図柄を示すデータがそれぞれ格納されている。
補助遊技残余回数データD14は、補助遊技残余回数Jを示すデータが格納されている。開放ラウンド回数データD15は、大入賞口23が開放状態となるラウンド回数(開放ラウンド回数R)を示すデータが格納されている。
当たりコマンドデータD16は、大当たり遊技の開始を示すオープニングコマンドや大当たり遊技の終了を示すエンディングコマンドを示すデータが格納されている。
入賞個数データD17は、大入賞口23に入賞した遊技球個数(入賞個数C)を示すデータが格納されている。
開放時間データD18は、大入賞口23の開放時間を示すデータが格納されている。
高確率遊技残余回数データD19は、高確率遊技状態における特別図柄変動回数の残余回数を示すデータ(高確率遊技残余回数X)が格納されている。
確変フラグデータD20は、確変フラグの状態(オンまたはオフ)を示すデータが格納されている。補助遊技フラグデータD21は、補助遊技フラグの状態(オンまたはオフ)を示すデータが格納されている。長当たり遊技フラグデータD22は、長当たり遊技フラグの状態(オンまたはオフ)を示すデータが格納されている。短当たり遊技フラグデータD23は、短当たり遊技フラグの状態(オンまたはオフ)を示すデータが格納されている。小当たり遊技フラグデータD24は、小当たり遊技フラグの状態(オンまたはオフ)を示すデータが格納されている。なお、補助遊技フラグおよび確変フラグがともにオンになっているときは、遊技機1が確変遊技状態であることを示す。また、補助遊技フラグがオンであり、かつ、確変フラグがオフになっているときは、遊技機1が時短遊技状態であることを示す。また、補助フラグがオフであり、かつ、確変フラグがオンになっているときは、遊技機1が潜確遊技状態であることを示す。さらに、補助フラグおよび確変フラグがともにオフになっているときは、遊技機1が通常遊技状態であることを示す。
第1保留数増加コマンドデータD25は、第1始動口21に遊技球が入賞することによる特別図柄抽選が保留となって第1特別図柄抽選保留回数U1が増加した場合に設定される、増加した第1特別図柄抽選保留回数U1を示す情報を含んだ第1保留数増加コマンドを示すデータが格納されている。第2保留数増加コマンドデータD26は、第2始動口22に遊技球が入賞することによる特別図柄抽選が保留となって第2特別図柄抽選保留回数U2が増加した場合に設定される、増加した第2特別図柄抽選保留回数U2を示す情報を含んだ第2保留数増加コマンドを示すデータが格納されている。先読演出コマンドデータD27は、第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞した時点で行われる特別図柄抽選の事前判定処理の結果を示す情報を含んだ先読演出コマンドを示すデータが格納されている。電チューフラグデータD28は、電チューフラグの状態(オンまたはオフ)を示すデータが格納されている。
また、ROM102には、大当たり乱数データD2、大当たり図柄乱数データD3、リーチ乱数データD4、当たり乱数データD5、およびテーブルデータD10等が格納されている。
大当たり乱数データD2は、取得された大当たり乱数が大当たりなのか、小当たりなのか、はずれなのかを判定するためのデータが格納されている。例えば、図18(a)に示すように、大当たり乱数データD2には、遊技機1が通常遊技状態および時短遊技状態であるときに大当たりとなる乱数値、遊技機1が確変遊技状態および潜確遊技状態であるときに大当たりとなる乱数値、および小当たりとなる乱数値がそれぞれ記述されている。一例として、大当たり乱数の値の範囲は、0〜299である。そして、大当たり乱数データD2は、通常遊技状態および時短遊技状態の場合、大当たりに当選する乱数値が1個設定され、大当たりの当選確率が1/300となっている。また、大当たり乱数データD2は、確変遊技状態および潜確遊技状態の場合、大当たりに当選する乱数値が10個設定され、大当たりの当選確率が10/300(=1/30)となっている。すなわち、図18(a)の例では、確変遊技状態および潜確遊技状態で第1始動口21または第2始動口22に入賞し特別図柄抽選が行われると、通常遊技状態および時短遊技状態で特別図柄抽選が行われる場合に比べて、大当たりの当選確率が10倍となる。また、大当たり乱数データD2は、遊技機1の遊技状態によらず、小当たりに当選する乱数値が6個設定され、小当たりの当選確率が6/300(=1/50)となっている。
大当たり図柄乱数データD3は、取得された大当たり図柄乱数がどのような図柄を示す大当たりなのかを判定するためのデータが格納されている。例えば、図18(b)に示すように、大当たり図柄乱数データD3には、通常図柄Aを示す大当たりとなる乱数値、通常図柄Bを示す大当たりとなる乱数値、確変図柄Cを示す大当たりとなる乱数値、確変図柄Dを示す大当たりとなる乱数値、および潜確図柄Eを示す大当たりとなる乱数値が、それぞれ記述されている。一例として、大当たり図柄乱数の値の範囲は、0〜249である。そして、大当たり図柄乱数データD3は、通常図柄Aを示す大当たりとなる乱数値が第1始動口21および第2始動口22共に35個設定され、通常図柄Aを示す大当たりの当選確率が35/250となっている。大当たり図柄乱数データD3は、通常図柄Bを示す大当たりとなる乱数値が第1始動口21および第2始動口22共に15個設定され、通常図柄Bを示す大当たりの当選確率が15/250となっている。大当たり図柄乱数データD3は、確変図柄Cを示す大当たりとなる乱数値が第1始動口21に対して25個設定され、第2始動口22に対して175個設定され、確変図柄Cを示す大当たりの当選確率がそれぞれ25/250および175/250となっている。大当たり図柄乱数データD3は、確変図柄Dを示す大当たりとなる乱数値が第1始動口21に対して75個設定され、第2始動口22に対して25個設定され、確変図柄Dを示す大当たりの当選確率がそれぞれ75/250および25/250となっている。そして、大当たり図柄乱数データD3は、潜確図柄Eを示す大当たりとなる乱数値が第1始動口21に対してのみ100個設定され、潜確図柄Eを示す大当たりの当選確率が100/250となっている。
リーチ乱数データD4は、取得されたリーチ乱数がリーチ有を示す演出なのか、リーチ無を示す演出なのかを判定するためのデータが格納されている。ここで、「リーチ演出」とは、遊技者に大当たりを期待させるために、液晶表示器5等にて行われる演出を示している。例えば、図18(c)に示すように、リーチ乱数データD4には、リーチ有を示す演出となる乱数値およびリーチ無を示す演出となる乱数値が、それぞれ記述されている。一例として、リーチ乱数の値の範囲は、0〜249である。そして、リーチ乱数データD4は、リーチ有を示す演出となる乱数値が22個設定され、リーチ有を示す演出となる率が22/250となっている。また、リーチ乱数データD4は、リーチ無を示す演出となる乱数値が228個設定され、リーチ有を示す演出となる率が228/250となっている。
当たり乱数データD5は、取得された当たり乱数が普通図柄抽選における当たりなのか否かを判定するためのデータが格納されている。例えば、図18(d)に示すように、当たり乱数データD5には、遊技機1が通常遊技状態および潜確遊技状態であるときに普通図柄抽選における当たりとなる乱数値、および遊技機1が時短遊技状態および確変遊技状態であるときに普通図柄抽選における当たりとなる乱数値がそれぞれ記述されている。一例として、当たり乱数の値の範囲は、0〜9である。そして、当たり乱数データD5は、通常遊技状態および潜確遊技状態の場合、当たりに当選する乱数値が1個設定され、当たりの当選確率が1/10となっている。また、当たり乱数データD5は、時短遊技状態および確変遊技状態の場合、当たりに当選する乱数値が10個設定され、当たりの当選確率が10/10となっている。すなわち、図18(d)の例では、時短遊技状態および確変遊技状態で普通図柄抽選が行われると必ず当選する。
テーブルデータD10は、取得された変動パターン乱数がどのような図柄変動パターンで演出するのかを判定するためのデータが格納されている。例えば、図19(a)〜図19(c)に示すように、テーブルデータD10には、変動パターンA(10秒)で図柄変動する演出を行う乱数値、変動パターンB(30秒)で図柄変動する演出を行う乱数値、変動パターンC(60秒)で図柄変動する演出を行う乱数値、変動パターンD(90秒)で図柄変動する演出を行う乱数値、および変動パターンE(120秒)で図柄変動する演出を行う乱数値が、それぞれ記述されている。一例として、変動パターン乱数の値の範囲は、0〜249である。そして、図19(a)に示すように、テーブルデータD10は、遊技機1が大当たりする際に変動パターンBで図柄変動して演出する乱数値が25個設定され、変動パターンBとなる確率が25/250となっている。テーブルデータD10は、遊技機1が大当たりする際に変動パターンCで図柄変動して演出する乱数値が60個設定され、変動パターンCとなる確率が60/250となっている。テーブルデータD10は、遊技機1が大当たりする際に変動パターンDで図柄変動して演出する乱数値が110個設定され、変動パターンDとなる確率が110/250となっている。テーブルデータD10は、遊技機1が大当たりする際に変動パターンEで図柄変動して演出する乱数値が55個設定され、変動パターンEとなる確率が55/250となっている。
また、図19(b)に示すように、テーブルデータD10は、遊技機1がリーチ演出する際に変動パターンBで図柄変動して演出する乱数値が110個設定され、変動パターンBとなる確率が110/250となっている。テーブルデータD10は、遊技機1がリーチ演出する際に変動パターンCおよびDで図柄変動して演出する乱数値がそれぞれ60個設定され、変動パターンCおよびDとなる確率がそれぞれ60/250となっている。テーブルデータD10は、遊技機1がリーチ演出する際に変動パターンEで図柄変動して演出する乱数値が20個設定され、変動パターンEとなる確率が20/250となっている。
また、図19(c)に示すように、テーブルデータD10は、遊技機1がはずれとなる際に変動パターンAで図柄変動して演出する乱数値が250個設定され、変動パターンAとなる確率が250/250(=100%)となっている。
次に、図20〜図30を参照して、遊技制御部100において行われる処理の詳細を説明する。なお、図20は、遊技制御部100において実行されるタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。図21は、図20のステップ702における始動口スイッチ処理の詳細な動作の一例を示すサブルーチンである。図22は、図20のステップ703におけるゲートスイッチ処理の詳細な動作の一例を示すサブルーチンである。図23は、図20のステップ704における特別図柄処理の詳細な動作の一例を示すサブルーチンである。図24は、図23のステップ745における大当たり判定処理の詳細な動作の一例を示すサブルーチンである。図25は、図23のステップ746における変動パターン選択処理の詳細な動作の一例を示すサブルーチンである。図26は、図23のステップ754における停止中処理の詳細な動作の一例を示すサブルーチンである。図27は、図20のステップ705における普通図柄処理の詳細な動作の一例を示すサブルーチンである。図28は、図20のステップ706における大入賞口処理の詳細な動作の一例を示すサブルーチンである。図29は、図28のステップ866における遊技状態設定処理の詳細な動作の一例を示すサブルーチンである。図30は、図20のステップ707における電動チューリップ処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。なお、図20〜図30に示すフローチャートにおいては、本願発明と直接関連しない他の処理については詳細な説明を省略する。また、図20〜図30では、遊技制御部100が実行する各ステップを「S」と略称する。
遊技機1の電源が投入されると、遊技機1の各CPUは、図示しないブートROMに記憶されている起動プログラムを実行し、これによってメモリ等の各ユニットが初期化される。そして、各ROMに記憶されたプログラムがRAMに読み込まれ、各CPUによって当該プログラムの実行が開始される。例えば、遊技制御部100のCPU101は、図示しないブートROMに記憶されている起動プログラムを実行し、これによってRAM103等の各ユニットが初期化される。そして、ROM102に記憶されたプログラムがRAM103に読み込まれ、CPU101によって各プログラムの実行が開始される。
その後、遊技機1の遊技制御部100は、図20に示すタイマ割込処理を行う周期となるCTC(Counter Timer Circuit)周期を設定する。そして、遊技制御部100は、電源遮断監視処理、変動パターン乱数更新処理、割込禁止設定、初期値乱数更新処理、および割込許可設定の処理を、上記CTC周期より短い周期で繰り返す。
ここで、変動パターン乱数更新処理において、遊技制御部100は、変動パターン乱数を更新する。例えば、遊技制御部100は、乱数データD1に格納されている変動パターン乱数(例えば、0〜249)に1を加算し、加算された変動パターン乱数を用いて乱数データD1を更新する。
また、初期値乱数更新処理において、遊技制御部100は、初期値乱数を更新する。例えば、遊技制御部100は、乱数データD1に格納されている初期値乱数(例えば、0〜299)に1を加算し、加算された初期値乱数を用いて乱数データD1を更新する。
次に、図20を用いて、遊技制御部100が行うタイマ割込処理について説明する。なお、タイマ割込処理は、遊技機1に電源が供給されている期間中において、上記CTC周期(例えば4ms(ミリ秒))ごとに遊技制御部100が実行することによって、上記メイン制御処理に割込み動作する処理である。
図20において、遊技制御部100は、以降の処理で用いる各種乱数を更新して(ステップ701)、次のステップに処理を進める。例えば、遊技制御部100は、乱数データD1に格納されている大当たり乱数(例えば、0〜299)、大当たり図柄乱数(例えば、0〜249)、リーチ乱数(例えば、0〜249)、および当たり乱数(例えば、0〜9)にそれぞれ1を加算し、加算された乱数を用いて乱数データD1をそれぞれ更新する。なお、遊技制御部100は、大当たり乱数が一巡した場合(例えば、大当たり乱数が100から始まって99まで一巡した場合)、乱数データD1に格納されている初期値乱数(例えば、0〜299)を参照して、当該初期値乱数に大当たり乱数を更新する。また、遊技制御部100は、他の乱数において、加算前の乱数が最大値に到達している場合、乱数を0に戻して更新する。
次に、遊技制御部100は、第1始動口スイッチ111および第2始動口スイッチ112の状態を監視して第1始動口スイッチ111または第2始動口スイッチ112がオンとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。以下、図21を参照して、上記ステップ702で行う始動口スイッチ処理の詳細な動作について説明する。
図21において、遊技制御部100は、第1始動口21に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ111がオンとなったか否かを判断する(ステップ710)。そして、遊技制御部100は、第1始動口スイッチ111がオンとなった場合、次のステップ711に処理を進める。一方、遊技制御部100は、第1始動口スイッチ111がオフの場合、次のステップ716に処理を進める。
ステップ711において、遊技制御部100は、保留回数データD6を参照して、第1特別図柄抽選保留回数U1が上限値U1max未満か否かを判断する。例えば、遊技制御部100は、上限値U1maxを4回に設定している。そして、遊技制御部100は、第1特別図柄抽選保留回数U1が上限値U1max未満の場合、次のステップ712に処理を進める。一方、遊技制御部100は、第1特別図柄抽選保留回数U1が上限値U1maxに到達している場合、次のステップ716に処理を進める。
ステップ712において、遊技制御部100は、第1特別図柄抽選保留回数U1に1を加算して更新し、次のステップに処理を進める。例えば、遊技制御部100は、保留回数データD6に格納されている第1特別図柄抽選保留回数U1に1を加算し、加算後の第1特別図柄抽選保留回数U1を用いて保留回数データD6を更新する。
次に、遊技制御部100は、今回の入賞による抽選のための乱数をそれぞれ取得して、抽選結果乱数データD7に時系列順に格納し(ステップ713)、次のステップに処理を進める。ここで、遊技制御部100は、乱数データD1を参照して、上記ステップ701で更新された乱数のうち、特別図柄抽選のための乱数(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)を取得して、第1始動口21に遊技球が入賞したことに対応する特別図柄抽選のための乱数として抽選結果乱数データD7に格納する。なお、過去の入賞に応じて既に第1始動口21に遊技球が入賞したことに対応する特別図柄抽選のための乱数が抽選結果乱数データD7に格納されている場合、入賞順にそれぞれの乱数を抽選結果乱数データD7に格納する。後述によって明らかとなるが、ステップ713で取得されて抽選結果乱数データD7に格納されたそれぞれの乱数によって、特別図柄抽選の結果が確定される。
次に、遊技制御部100は、先読演出コマンドを設定して、先読演出コマンドデータD27に格納し(ステップ714)、次のステップに処理を進める。上記ステップ714において、遊技制御部100は、いわゆる先読演出機能を実現するために演出制御部130に送信される先読演出コマンドをセットする。すなわち、上記先読演出コマンドには、今回の入賞に関する情報が含まれている。一例として、上記先読演出コマンドには、上記ステップ713で取得された抽選のための各乱数そのもの(すなわち、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)を示す情報が、今回の入賞に関する情報として含まれている。他の例として、上記先読演出コマンドには、大当たり乱数データD2、大当たり図柄乱数データD3、リーチ乱数データD4、当たり乱数データD5、およびテーブルデータD10と、上記ステップ713で取得された乱数とを用いて、事前に判定された特別図柄抽選結果を示す情報が、今回の入賞に関する情報として含まれている。なお、前者の先読演出コマンドを演出制御部130に送信(すなわち、各乱数そのものを送信)する場合、演出制御部130において遊技制御部100と同様に特別図柄抽選を行うことが必要となるため、当該特別図柄抽選を行うための情報(例えば、大当たり乱数データD2、大当たり図柄乱数データD3、リーチ乱数データD4、当たり乱数データD5、およびテーブルデータD10)が予め演出制御部130にも設定される。
次に、遊技制御部100は、第1保留数増加コマンドを設定して、第1保留数増加コマンドデータD25に格納し(ステップ715)、次のステップ716に処理を進める。例えば、遊技制御部100は、上記ステップ712で加算されて更新された第1特別図柄抽選保留回数U1を示す情報を含む第1保留数増加コマンドをセットする。なお、上記ステップ714およびステップ715でそれぞれセットされた先読演出コマンドおよび第1保留数増加コマンドは、後述するステップ709の出力処理において、演出制御部130へ送信される。
ステップ716において、遊技制御部100は、第2始動口22に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ112がオンとなったか否かを判断する(ステップ716)。そして、遊技制御部100は、第2始動口スイッチ112がオンとなった場合、次のステップ717に処理を進める。一方、遊技制御部100は、第2始動口スイッチ112がオフの場合、当該サブルーチンによる処理を終了する。
ステップ712において、遊技制御部100は、保留回数データD6を参照して、第2特別図柄抽選保留回数U2が上限値U2max未満か否かを判断する。例えば、遊技制御部100は、上限値U2maxを4回に設定している。そして、遊技制御部100は、第2特別図柄抽選保留回数U2が上限値U2max未満の場合、次のステップ718に処理を進める。一方、遊技制御部100は、第2特別図柄抽選保留回数U2が上限値U2maxに到達している場合、当該サブルーチンによる処理を終了する。
ステップ718において、遊技制御部100は、第2特別図柄抽選保留回数U2に1を加算して更新し、次のステップに処理を進める。例えば、遊技制御部100は、保留回数データD6に格納されている第2特別図柄抽選保留回数U2に1を加算し、加算後の第2特別図柄抽選保留回数U2を用いて保留回数データD6を更新する。
次に、遊技制御部100は、今回の入賞による抽選のための乱数をそれぞれ取得して、抽選結果乱数データD7に時系列順に格納し(ステップ719)、次のステップに処理を進める。ここで、遊技制御部100は、乱数データD1を参照して、上記ステップ701で更新された乱数のうち、特別図柄抽選のための乱数(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)を取得して、第2始動口22に遊技球が入賞したことに対応する特別図柄抽選のための乱数として抽選結果乱数データD7に格納する。なお、過去の入賞に応じて既に第2始動口22に遊技球が入賞したことに対応する特別図柄抽選のための乱数が抽選結果乱数データD7に格納されている場合、入賞順にそれぞれの乱数を抽選結果乱数データD7に格納する。後述によって明らかとなるが、ステップ719で取得されて抽選結果乱数データD7に格納されたそれぞれの乱数によって、特別図柄抽選の結果が確定される。
次に、遊技制御部100は、先読演出コマンドを設定して、先読演出コマンドデータD27に格納し(ステップ720)、次のステップに処理を進める。上記ステップ720において、遊技制御部100は、上記ステップ714と同様の先読演出コマンドをセットし、当該先読演出コマンドはステップ714の処理において説明した内容と同様であるため、詳細な説明を省略する。
次に、遊技制御部100は、第2保留数増加コマンドを設定して、第2保留数増加コマンドデータD26に格納し(ステップ721)、当該サブルーチンによる処理を終了する。例えば、遊技制御部100は、上記ステップ718で加算されて更新された第2特別図柄抽選保留回数U2を示す情報を含む第2保留数増加コマンドをセットする。なお、上記ステップ720およびステップ721でそれぞれセットされた先読演出コマンドおよび第2保留数増加コマンドは、後述するステップ709の出力処理において、演出制御部130へ送信される。
図20に戻り、上記ステップ702における始動口スイッチ処理の後、遊技制御部100は、ゲートスイッチ114の状態を監視してゲートスイッチ114がオンとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する(ステップ703)。以下、図22を参照して、上記ステップ703で行うゲートスイッチ処理の詳細な動作について説明する。
図22において、遊技制御部100は、ゲート25を遊技球が通過してゲートスイッチ114がオンとなったか否かを判断する(ステップ731)。そして、遊技制御部100は、ゲートスイッチ114がオンとなった場合、次のステップ732に処理を進める。一方、遊技制御部100は、ゲートスイッチ114がオフの場合、当該サブルーチンによる処理を終了する。
ステップ732において、遊技制御部100は、保留回数データD6を参照して、普通図柄抽選保留回数Gが上限値Gmax未満か否かを判断する。例えば、遊技制御部100は、上限値Gmaxを4回に設定している。そして、遊技制御部100は、普通図柄抽選保留回数Gが上限値Gmax未満の場合、次のステップ733に処理を進める。一方、遊技制御部100は、普通図柄抽選保留回数Gが上限値Gmaxに到達している場合、当該サブルーチンによる処理を終了する。
ステップ733において、遊技制御部100は、普通図柄抽選保留回数Gに1を加算して更新して、次のステップに処理を進める。例えば、遊技制御部100は、保留回数データD6に格納されている普通図柄抽選保留回数Gに1を加算し、加算後の普通図柄抽選保留回数Gを用いて保留回数データD6を更新する。
次に、遊技制御部100は、今回の入賞による抽選のための乱数を取得し、抽選結果乱数データD7に格納し(ステップ734)、当該サブルーチンによる処理を終了する。ここで、遊技制御部100は、乱数データD1を参照して、上記ステップ701で更新された乱数のうち、普通図柄抽選のための乱数(当たり乱数)を取得して抽選結果乱数データD7に格納する。後述によって明らかとなるが、ステップ734で取得された乱数によって、普通図柄抽選の結果が確定される。
図20に戻り、上記ステップ703におけるゲートスイッチ処理の後、遊技制御部100は、特別図柄処理を行う(ステップ704)。以下、図23を参照して、上記ステップ704で行う特別図柄処理の詳細な動作について説明する。
図23において、遊技制御部100は、長当たり遊技フラグデータD22、短当たり遊技フラグデータD23、および小当たり遊技フラグデータD24を参照して、当たり遊技フラグの何れかがオンに設定されているか否かを判断する(ステップ741)。そして、遊技制御部100は、当たり遊技フラグが全てオフに設定されている場合、次のステップ742に処理を進める。一方、遊技制御部100は、当たり遊技フラグの何れかがオンに設定されている場合、当該サブルーチンによる処理を終了する。ここで、上記当たり遊技フラグは、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグ、および小当たり遊技フラグの総称であり、遊技機1の現在の状態が大当たり(特別図柄抽選の当選)中または小当たり中の場合、すなわち後述の停止中処理において、停止している特別図柄が当たりを示すものである場合にオンに設定されるフラグである。
ステップ742において、遊技制御部100は、変動コマンドデータD8を参照して、遊技機1の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する。例えば、遊技制御部100は、変動コマンドデータD8が特別図柄変動中を示している場合、遊技機1の現在の状態が特別図柄変動中であると判断する。そして、遊技制御部100は、遊技機1の現在の状態が特別図柄変動中でない場合、次のステップ743に処理を進める。一方、遊技制御部100は、遊技機1の現在の状態が特別図柄変動中である場合、次のステップ750に処理を進める。
ステップ743において、遊技制御部100は、保留回数データD6を参照して、第2特別図柄抽選保留回数U2が1以上であるか否かを判断する。そして、遊技制御部100は、第2特別図柄抽選保留回数U2が1以上である場合、次のステップ744に処理を進める。一方、遊技制御部100は、第2特別図柄抽選保留回数U2が0である場合、次のステップ755に処理を進める。
ステップ744において、遊技制御部100は、第2特別図柄抽選保留回数U2から1を減算して更新し、次のステップ745に処理を進める。例えば、遊技制御部100は、保留回数データD6に格納されている第2特別図柄抽選保留回数U2から1を減算し、減算後の第2特別図柄抽選保留回数U2を用いて保留回数データD6を更新する。
一方、ステップ755において、遊技制御部100は、保留回数データD6を参照して、第1特別図柄抽選保留回数U1が1以上であるか否かを判断する。そして、遊技制御部100は、第1特別図柄抽選保留回数U1が1以上である場合、次のステップ756に処理を進める。一方、遊技制御部100は、第1特別図柄抽選保留回数U1が0である場合、特別図柄抽選を始動するための入賞がないことを意味するため、当該サブルーチンによる処理を終了する。
ステップ756において、遊技制御部100は、第1特別図柄抽選保留回数U1から1を減算して更新し、次のステップ745に処理を進める。例えば、遊技制御部100は、保留回数データD6に格納されている第1特別図柄抽選保留回数U1から1を減算し、減算後の第1特別図柄抽選保留回数U1を用いて保留回数データD6を更新する。
上記ステップ743、ステップ744、ステップ755、およびステップ756の処理から明らかなように、第1特別図柄抽選保留回数U1および第2特別図柄抽選保留回数U2がともに1以上である場合、第2特別図柄抽選保留回数U2が優先的に減算処理される。すなわち、第2始動口22に遊技球が入賞することによる特別図柄抽選の保留は、第1始動口21に遊技球が入賞することによる特別図柄抽選の保留より優先的に消化されることになる。
ステップ745において、遊技制御部100は、大当たり判定処理を行い、次のステップに処理を進める。以下、図24を参照して、上記ステップ745で行う大当たり判定処理について説明する。
図24において、遊技制御部100は、上記ステップ713またはステップ719で取得して抽選結果乱数データD7に格納された大当たり乱数のうち、現時点の処理において判定対象とする大当たり乱数を参照して、特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判定する(ステップ761)。具体的には、遊技制御部100は、直前にステップ744が行われている場合、第2始動口22に入賞してから最も長い時間が経過している大当たり乱数を判定対象とする。また、遊技制御部100は、直前にステップ756が行われている場合、第1始動口21に入賞してから最も長い時間が経過している大当たり乱数を判定対象とする。そして、遊技制御部100は、大当たり乱数データD2に記述された乱数値および現時点の遊技状態(通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、潜確遊技状態)に応じて、判定対象となっている大当たり乱数が何れかの乱数値に相当するかを判定する。例えば、遊技制御部100は、確変フラグデータD20が示す確変フラグおよび補助遊技フラグデータD21が示す補助遊技フラグに基づいて、現時点の遊技機1の遊技状態を判断する。具体的には、遊技制御部100は、確変フラグおよび補助遊技フラグがともにオフに設定されている場合、現時点の遊技機1の遊技状態が通常遊技状態であると判定する。遊技制御部100は、確変フラグおよび補助遊技フラグがともにオンに設定されている場合、現時点の遊技機1の遊技状態が確変遊技状態であると判定する。遊技制御部100は、確変フラグがオフに設定され補助遊技フラグがオンに設定されている場合、現時点の遊技機1の遊技状態が時短遊技状態であると判定する。遊技制御部100は、確変フラグがオンに設定され補助遊技フラグがオフに設定されている場合、現時点の遊技機1の遊技状態が潜確遊技状態であると判定する。その後、遊技制御部100は、判定された大当たり乱数を示すデータを抽選結果乱数データD7から消去する。
次に、遊技制御部100は、上記ステップ761における判定が大当たりである場合(ステップ762でYes)、次のステップ763に処理を進める。また、遊技制御部100は、上記ステップ761における判定が小当たりである場合(ステップ765でYes)、次のステップ766に処理を進める。一方、遊技制御部100は、上記ステップ761における判定が大当たりでも小当たりでもない(すなわち、はずれ)場合(ステップ762およびステップ765が何れもNo)、次のステップ767に処理を進める。
ステップ763において、遊技制御部100は、上記ステップ713またはステップ719で取得して抽選結果乱数データD7に格納された大当たり図柄乱数のうち、上記ステップ761で用いた判定対象に対応する大当たり図柄乱数を参照して、特別図柄抽選で大当たりした種類を判定し、次のステップに処理を進める。例えば、遊技制御部100は、大当たり図柄乱数データD3に記述された乱数値を参照して、上記ステップ761で用いた判定対象に対応する大当たり図柄乱数が何れかの乱数値に相当するかを判定する。そして、遊技制御部100は、判定された大当たり図柄乱数を示すデータを抽選結果乱数データD7から消去する。
次に、遊技制御部100は、上記ステップ763の判定結果に応じた図柄を設定情報として図柄設定データD12に格納(セット)して、当該サブルーチンによる処理を終了する。例えば、ステップ763において、確変図柄Cであると判定された場合、遊技制御部100は、確変図柄Cを設定情報として図柄設定データD12に格納する。
ステップ766において、遊技制御部100は、小当たり図柄を設定情報として図柄設定データD12に格納(セット)して、上記ステップ761で用いた判定対象に対応する大当たり図柄乱数を示すデータを抽選結果乱数データD7から消去し、当該サブルーチンによる処理を終了する。
ステップ767において、遊技制御部100は、はずれ図柄を設定情報として図柄設定データD12に格納(セット)して、上記ステップ761で用いた判定対象に対応する大当たり図柄乱数を示すデータを抽選結果乱数データD7から消去し、当該サブルーチンによる処理を終了する。
なお、上記ステップ764、ステップ766、およびステップ767で設定される図柄は、大当たり後の遊技機1の遊技状態を示すものである。例えば、図18(b)に示すように、通常図柄Aおよび通常図柄Bは、確率変動を伴わずに補助遊技サポートされる大当たりであることを表す図柄であり、遊技機1が時短遊技状態となることを示している。そして、通常図柄Aは、「長当たり」となる大当たりであることを示す図柄であり、通常図柄Bは、「短当たり」となる大当たりであることを示す図柄である。確変図柄Cおよび確変図柄Dは、確率変動および補助遊技サポートが伴う大当たりであることを表す図柄であり、遊技機1が確変遊技状態となることを示している。そして、確変図柄Cは、「長当たり」となる大当たりであることを示す図柄であり、確変図柄Dは、「短当たり」となる大当たりであることを示す図柄である。潜確図柄Eは、補助遊技サポートが伴わずに確率変動を伴う「短当たり」の大当たりであることを表す図柄であり、遊技機1が潜確遊技状態となることを示している。一方、小当たり図柄は、確率変動も補助遊技サポートも伴わない当たりであることを表す図柄であり、遊技機1が上述した小当たり状態となることを示している。そして、はずれ図柄は、特別図柄抽選にはずれたことを表す図柄であり、遊技機1が遊技者に有利となる遊技状態とならないこと示している。
ここで、「大当たり」には、大当たり遊技の時間が相対的に長く多量の遊技球の払い出しが期待できる「長当たり」と、大当たり遊技の時間が相対的に短い「短当たり」とがある。例えば、「長当たり」は、1ラウンド中の単位動作が、大入賞口23を29.5秒開放または遊技球9個が入賞するまで開放する回数が1回であり、当該ラウンドを15回繰り返す大当たりである。また、「短当たり」は、1ラウンド中の単位動作が、大入賞口23を0.1秒開放する回数が1回であり、当該ラウンドを15回繰り返す大当たりである。
また、大当たりに当選していない場合の状態として「小当たり」や「はずれ」がある。例えば、「小当たり」は、「短当たり」に対応させて、1ラウンド中の単位動作が、大入賞口23を0.1秒開放する回数が15回であり、当該ラウンドを1回行う当たりである。これによって、「短当たり」に対応させて大入賞口23を15ラウンド連続作動させる際の大入賞口23の開放パターンと、「小当たり」に当選した場合に大入賞口23を1ラウンド作動させる際の大入賞口23の開放パターンとが類似することになる。また、「はずれ」は、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも発生させない、いわゆる「はずれ」である。
図23に戻り、上記ステップ745における大当たり判定処理の後、遊技制御部100は、変動パターン選択処理を行い(ステップ746)、次のステップに処理を進める。以下、図25を参照して、上記ステップ746で行う変動パターン判定処理について説明する。
図25において、遊技制御部100は、上記ステップ745における大当たり判定処理において、大当たりと判定されたか否か(ステップ781)を判断する。そして、遊技制御部100は、上記ステップ745における大当たり判定処理において、大当たりと判定された場合、次のステップ782に処理を進める。一方、遊技制御部100は、上記ステップ745における大当たり判定処理において、大当たりでないと判定された場合、次のステップ783に処理を進める。
ステップ782において、遊技制御部100は、テーブルデータD10から大当たり用テーブル(図19(a)参照)を変動パターン乱数判定に使用するテーブルとして選択して、次のステップ787に処理を進める。
一方、ステップ783において、遊技制御部100は、上記ステップ713またはステップ719で取得して抽選結果乱数データD7に格納されたリーチ乱数のうち、上記ステップ761で用いた判定対象に対応するリーチ乱数を参照して、リーチ状態か否かを判定する。例えば、遊技制御部100は、リーチ乱数データD4に記述された乱数値を参照して、上記判定対象に対応するリーチ乱数が何れの乱数値に相当するかを判定する。そして、遊技制御部100は、判定されたリーチ乱数を示すデータを抽選結果乱数データD7から消去する。次に、遊技制御部100は、上記ステップ783における判定がリーチ有である場合(ステップ784でYes)、次のステップ785に処理を進める。また、遊技制御部100は、上記ステップ783における判定がリーチ無である場合(ステップ784でNo)、次のステップ786に処理を進める。
ステップ785において、遊技制御部100は、テーブルデータD10からリーチ用テーブル(図19(b)参照)を変動パターン乱数判定に使用するテーブルとして選択して、次のステップ787に処理を進める。一方、ステップ786において、遊技制御部100は、テーブルデータD10からはずれ用テーブル(図19(c)参照)を変動パターン乱数判定に使用するテーブルとして選択して、次のステップ787に処理を進める。
ステップ787において、遊技制御部100は、上記ステップ713またはステップ719で取得して抽選結果乱数データD7に格納された大当たり図柄乱数のうち、上記ステップ761で用いた判定対象に対応する大当たり図柄乱数を用いて、変動パターンを決定する。例えば、遊技制御部100は、上記ステップ782、ステップ785、またはステップ786の処理によって選択されているテーブルに記述された乱数値を参照して、変動パターン乱数が何れの乱数値に相当するかを判定する。次に、遊技制御部100は、変動パターン乱数に対応付けられている変動パターンを示す設定情報を変動パターンデータD11に格納(セット)し(ステップ788)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
図23に戻り、上記ステップ746における変動パターン選択処理の後、遊技制御部100は、上記大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって設定された設定情報を含んだ変動開始コマンドを生成し、当該変動開始コマンドを用いて変動コマンドデータD8を更新(セット)する(ステップ747)。例えば、変動開始コマンドには、他の処理で決定された変動パターン(変動時間)、図柄(通常図柄、確変図柄、潜確図柄、小当たり図柄、はずれ図柄等)、および遊技状態(通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、潜確遊技状態)等が設定情報として含まれている。次に、遊技制御部100は、変動コマンドデータD8にセットされた設定情報に基づいて、特別図柄を変動させて第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42(図2)に表示する表示制御処理を開始する(ステップ748)。そして、遊技制御部100は、設定情報で設定されている変動パターンが示す変動時間だけ特別図柄変動表示を行うために、変動パターンが示す変動時間に変動時間データD9に格納された特別図柄変動時間を更新し、変動時間の計測を開始して(ステップ749)、次のステップ750に処理を進める。なお、上記ステップ747でセットされた変動開始コマンドは、後述するステップ709の出力処理において、演出制御部130へも送信される。
ステップ750において、遊技制御部100は、特別図柄変動時間が終了したか否かを判断する。例えば、遊技制御部100は、上記ステップ749からカウントが開始されている変動時間が、変動時間データD9に格納された特別図柄変動時間に達している場合、次のステップ751に処理を進める。一方、遊技制御部100は、上記変動時間が、変動時間データD9に格納された特別図柄変動時間に未達の場合、特別図柄変動表示が継続されるため、当該サブルーチンによる処理を終了する。
ステップ751において、遊技制御部100は、変動停止コマンドを生成し、当該変動停止コマンドを用いて変動コマンドデータD8を更新(セット)する。次に、遊技制御部100は、特別図柄変動表示を終了して、図柄設定データD12に格納されている特別図柄を第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42に表示して停止させる(ステップ752)。そして、遊技制御部100は、上記ステップ749からカウントが開始されている変動時間を初期化してリセットし(ステップ753)、次のステップに処理を進める。なお、上記ステップ751でセットされた変動停止コマンドは、後述するステップ709の出力処理において、演出制御部130へも送信される。
次に、遊技制御部100は、停止中処理を行い(ステップ754)、当該サブルーチンによる処理を終了する。以下、図26を参照して、上記ステップ754で行う停止中処理について説明する。
図26において、遊技制御部100は、補助遊技フラグデータD21を参照して、補助遊技フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップ801)。そして、遊技制御部100は、補助遊技フラグがオンに設定されている場合、次のステップ802に処理を進める。一方、遊技制御部100は、補助遊技フラグがオフに設定されている場合、次のステップ805に処理を進める。ここで、補助遊技フラグは、遊技機1が補助遊技状態であるか否かを示すフラグであり、後述する遊技状態設定処理においてオンに設定されるフラグである。
ステップ802において、遊技制御部100は、補助遊技残余回数データD14が示す補助遊技残余回数Jから1を減算した値を、新たな補助遊技残余回数Jとして補助遊技残余回数データD14を更新する。なお、補助遊技残余回数Jは、補助遊技の残余回数を示しており、後述する遊技状態設定処理において初期値Js1またはJs2にセットされる。そして、遊技制御部100は、上記ステップ802で減算した補助遊技残余回数Jが0か否かを判断する(ステップ803)。そして、遊技制御部100は、補助遊技残余回数Jが0の場合、補助遊技フラグをオフに設定して補助遊技フラグデータD21を更新し(ステップ804)、次のステップ805に処理を進める。一方、遊技制御部100は、補助遊技残余回数Jが0でない場合、そのまま次のステップ805に処理を進める。
ステップ805において、遊技制御部100は、確変フラグデータD20を参照して、確変フラグがオンに設定されているか否かを判断する。そして、遊技制御部100は、確変フラグがオンに設定されている場合、次のステップ806に処理を進める。一方、遊技制御部100は、確変フラグがオフに設定されている場合、次のステップ809に処理を進める。ここで、確変フラグは、遊技機1が高確率遊技状態(確変遊技状態、潜確遊技状態)であるか否かを示すフラグであり、後述する遊技状態設定処理においてオンに設定されるフラグである。
ステップ806において、遊技制御部100は、高確率遊技残余回数データD19が示す高確率遊技残余回数Xから1を減算した値を、新たな高確率遊技残余回数Xとして高確率遊技残余回数データD19を更新する。なお、高確率遊技残余回数Xは、高確率遊技状態における特別図柄変動回数の残余回数を示しており、後述する遊技状態設定処理において初期値Xsにセットされる。そして、遊技制御部100は、上記ステップ806で減算した高確率遊技残余回数Xが0か否かを判断する(ステップ807)。そして、遊技制御部100は、高確率遊技残余回数Xが0の場合、確変フラグをオフに設定して確変フラグデータD20を更新し(ステップ808)、次のステップ809に処理を進める。一方、遊技制御部100は、高確率遊技残余回数Xが0でない場合、そのまま次のステップ809に処理を進める。
ステップ809において、遊技制御部100は、上記ステップ752で変動を停止した特別図柄変動表示処理における特別図柄抽選結果が大当たりであるか否かを判断する。そして、遊技制御部100は、上記特別図柄抽選結果が大当たりでない場合、次のステップ810に処理を進める。一方、遊技制御部100は、上記特別図柄抽選結果が大当たりである場合、次のステップ812に処理を進める。
ステップ810において、遊技制御部100は、上記ステップ752で変動を停止した特別図柄変動表示処理における特別図柄抽選結果が小当たりであるか否かを判断する。そして、遊技制御部100は、上記特別図柄抽選結果が小当たりである場合、小当たり遊技フラグをオンに設定して小当たり遊技フラグデータD24を更新し(ステップ811)、当該サブルーチンによる処理を終了する。一方、遊技制御部100は、上記特別図柄抽選結果が小当たりでない場合、そのまま当該サブルーチンによる処理を終了する。
ステップ812において、遊技制御部100は、上記ステップ752で変動を停止した特別図柄変動表示処理における特別図柄抽選結果が長当たりであるか否かを判断する。そして、遊技制御部100は、上記特別図柄抽選結果が長当たりである場合、長当たり遊技フラグをオンに設定して長当たり遊技フラグデータD22を更新し(ステップ813)、次のステップ815に処理を進める。一方、遊技制御部100は、上記特別図柄抽選結果が短当たりである場合、短当たり遊技フラグをオンに設定して短当たり遊技フラグデータD23を更新し(ステップ814)、次のステップ815に処理を進める。
ステップ815において、遊技制御部100は、補助遊技残余回数Jおよび高確率遊技残余回数Xをそれぞれ0に設定して補助遊技残余回数データD14および高確率遊技残余回数データD19をそれぞれ更新する。そして、遊技制御部100は、補助遊技フラグおよび確変フラグをそれぞれオフに設定して補助遊技フラグデータD21および確変フラグデータD20をそれぞれ更新し(ステップ816)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
図20に戻り、上記ステップ704における特別図柄処理の後、遊技制御部100は、普通図柄処理を行う(ステップ705)。以下、図27を参照して、上記ステップ704で行う普通図柄処理の詳細な動作について説明する。
図27において、遊技制御部100は、電チューフラグデータD28を参照し、電チューフラグがオンに設定されているか否かを判断する。ここで、電チューフラグは、普通電動役物である電動チューリップ27の開放を示すものであり、具体的には、普通図柄変動が停止した際の普通図柄が当たり図柄である場合に、オンに設定されるフラグである。そして、遊技制御部100は、電チューフラグがオフに設定されている場合、次のステップ832に処理を進める。一方、遊技制御部100は、電チューフラグがオンに設定されている場合、当該サブルーチンによる処理を終了する。
ステップ832において、遊技制御部100は、遊技機1の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する。そして、遊技制御部100は、遊技機1の現在の状態が普通図柄変動中でない場合、次のステップ833に処理を進める。一方、遊技制御部100は、遊技機1の現在の状態が普通図柄変動中である場合、次のステップ839に処理を進める。
ステップ833において、遊技制御部100は、保留回数データD6を参照して、普通図柄抽選保留回数Gが1以上であるか否かを判断する。そして、遊技制御部100は、普通図柄抽選保留回数Gが1以上である場合、次のステップ834に処理を進める。一方、遊技制御部100は、普通図柄抽選保留回数Gが0である場合、普通図柄抽選を開始するための入賞がないことを意味するため、当該サブルーチンによる処理を終了する。
ステップ834において、遊技制御部100は、普通図柄抽選保留回数Gから1を減算して更新し、次のステップに処理を進める。例えば、遊技制御部100は、保留回数データD6に格納されている普通図柄抽選保留回数Gから1を減算し、減算後の普通図柄抽選保留回数Gを用いて保留回数データD6を更新する。
次に、遊技制御部100は、上記ステップ734(図22参照)で取得して抽選結果乱数データD7に格納された当たり乱数のうち、入賞してから最も長い時間が経過している当たり乱数を参照して、普通図柄抽選で当たったか否かを判定し(ステップ835)、次のステップに処理を進める。例えば、遊技制御部100は、当たり乱数データD5に記述された乱数値を参照し、遊技機1の現在の遊技状態に基づいて、入賞してから最も長い時間が経過している当たり乱数が当該乱数値に相当するか否かを判定する。そして、遊技制御部100は、判定された当たり乱数を示すデータを抽選結果乱数データD7から消去する。
次に、遊技制御部100は、判定結果に応じた図柄を設定情報として図柄設定データD12に格納(セット)して(ステップ836)、次のステップに処理を進める。
次に、ステップ837において、遊技制御部100は、補助遊技フラグデータD21を参照して、補助遊技フラグがオンであるか否かを判断する。そして、遊技制御部100は、補助遊技フラグがオン(すなわち、補助遊技サポートありの状態であり、確変遊技状態または時短遊技状態)の場合、変動時間データD9に格納された普通図柄変動時間を変動時間T1(例えば、T1=4.0秒)に更新して、次のステップに処理を進める。一方、遊技制御部100は、補助遊技フラグがオフ(すなわち、補助遊技サポートなしの状態であり、通常遊技状態または潜確遊技状態)の場合、変動時間データD9に格納された普通図柄変動時間を変動時間T2(T2<T1;例えば、T2=1.5秒)に更新して、次のステップに処理を進める。
次に、遊技制御部100は、図柄設定データD12にセットされた図柄に基づいて、普通図柄を変動させて普通図柄表示器45(図2)に表示する表示制御処理を開始する(ステップ838)。そして、遊技制御部100は、変動時間データD9に格納された普通図柄変動時間だけ普通図柄変動表示を行うために、変動時間の計測を開始する。
次に、遊技制御部100は、普通図柄変動時間が終了したか否かを判断する(ステップ839)。例えば、遊技制御部100は、上記ステップ838からカウントが開始されている変動時間が、変動時間データD9に格納された普通図柄変動時間に達している場合、次のステップ840に処理を進める。一方、遊技制御部100は、上記変動時間が、変動時間データD9に格納された普通図柄変動時間に未達の場合、普通図柄変動表示が継続されるため、当該サブルーチンによる処理を終了する。
ステップ840において、遊技制御部100は、普通図柄変動表示を終了して、普通図柄表示器45に図柄設定データD12に格納されている普通図柄を表示して停止させる。そして、遊技制御部100は、上記ステップ838からカウントが開始されている変動時間を初期化してリセットし、次のステップに処理を進める。
次に、遊技制御部100は、上記ステップ840で変動を停止した普通図柄変動表示処理における普通図柄抽選結果を判定する(ステップ841)。そして、遊技制御部100は、上記普通図柄抽選結果が当たりである場合、電チューフラグをオンに設定して電チューフラグデータD28を更新し(ステップ842)、当該サブルーチンによる処理を終了する。一方、遊技制御部100は、上記普通図柄抽選結果がはずれである場合、そのまま当該サブルーチンによる処理を終了する。
図20に戻り、上記ステップ705における普通図柄処理の後、遊技制御部100は、大入賞口処理を行う(ステップ706)。以下、図28を参照して、上記ステップ706で行う大入賞口処理の詳細な動作について説明する。
図28において、遊技制御部100は、上記ステップ752で変動を停止した特別図柄変動表示処理における特別図柄抽選結果が大当たりまたは小当たりであるか否かを判断する(ステップ848)。そして、遊技制御部100は、上記特別図柄抽選結果が大当たりまたは小当たりである場合、次のステップ849に処理を進める。一方、遊技制御部100は、上記特別図柄抽選結果が大当たりでも小当たりでもない場合、次のステップ851に処理を進める。
ステップ849において、遊技制御部100は、大当たりのオープニングを開始する。ここで、大当たりのオープニングとは、大当たり遊技の開始直前に遊技機1の液晶表示器5への画像表示等を用いて行われる演出であり、遊技者に大入賞口23への遊技球の入賞を促すものである。このオープニング演出により、遊技者は、大当たり遊技状態の開始タイミングがわかる。そして、遊技制御部100は、大当たり遊技の開始を示すオープニングコマンドを設定して、当たりコマンドデータD16に格納し(ステップ850)、次のステップ851に処理を進める。
ステップ851において、遊技制御部100は、長当たり遊技フラグデータD22、短当たり遊技フラグデータD23、および小当たり遊技フラグデータD24を参照して、当たり遊技フラグの何れかがオンに設定されているか否かを判断する。そして、遊技制御部100は、当たり遊技フラグの何れかがオンに設定されている場合、次のステップ852に処理を進める。一方、遊技制御部100は、当たり遊技フラグが全てオフに設定されている場合、当該サブルーチンによる処理を終了する。
ステップ852において、遊技制御部100は、遊技機1の現在の状態が上記ステップ849で開始された大当たりの動作制御におけるオープニング中か否かを判断する。そして、遊技制御部100は、オープニング演出中である場合、次のステップ853に処理を進める。一方、遊技制御部100は、オープニング演出中でない場合、次のステップ868に処理を進める。
ステップ853において、遊技制御部100は、予め設定された大当たりのオープニング演出が行われるべき時間(大当たりオープニング演出時間)が経過したか否かを判断する。そして、遊技制御部100は、大当たりオープニング演出時間が経過した場合、次のステップ854に処理を進める。一方、遊技制御部100は、大当たりオープニング演出時間が経過していない場合、大当たりのオープニング演出が継続されるため、当該サブルーチンによる処理を終了する。
ステップ854において、遊技制御部100は、作動パターン設定処理を実行し、次のステップに処理を進める。ここで、作動パターン設定処理では、当たり遊技フラグに応じたラウンド数および大入賞口23の作動パターンが設定される。大入賞口23の作動パターンは、大入賞口23の「開放時間」および「開放回数」で規定される1ラウンド中の単位動作と、当該単位動作の繰り返し回数である「ラウンド数」とにより規定される。例えば、大当たりの場合にラウンド数が15ラウンドに設定され、小当たりである場合にラウンド数が1ラウンドに設定される。より具体的な設定例としては、大当たりにおける長当たりの場合、1ラウンド中の単位動作が大入賞口23を29.5秒開放または遊技球9個が入賞するまで開放する動作を1回行う動作に設定され、当該ラウンドを15回繰り返す作動パターンが設定される。また、大当たりにおける短当たりの場合、1ラウンド中の単位動作が大入賞口23を0.1秒開放する動作を1回行う動作に設定され、当該ラウンドを15回繰り返す作動パターンが設定される。そして、小当たりの場合、短当たりに対応させて、1ラウンド中の単位動作が大入賞口23を0.1秒開放する動作を15回行う動作に設定され、当該ラウンドを1回行う作動パターンが設定される。
次に、遊技制御部100は、入賞個数データD17が示す入賞個数Cを0に初期化して更新し(ステップ855)、開放ラウンド回数データD15に格納されている開放ラウンド回数Rに1を加算し、加算後の開放ラウンド回数Rを用いて開放ラウンド回数データD15を更新する(ステップ856)。そして、遊技制御部100は、大入賞口制御部116を駆動させて大入賞口23を開放状態にして(ステップ857)、次のステップ858に処理を進める。
一方、上記ステップ852においてオープニング中でないと判断された場合、遊技制御部100は、遊技機1の現在の状態が大当たりの動作制御におけるインターバル時間か否かを判断する(ステップ868)。ここで、インターバル時間は、大入賞口23が閉口状態となってから次の開放状態となるまでの時間(すなわち、上記ラウンドの実施間隔)である。そして、遊技制御部100は、インターバル時間中でない場合、次のステップ869に処理を進める。一方、遊技制御部100は、インターバル時間中である場合、当該サブルーチンによる処理を終了する。
ステップ869において、遊技制御部100は、遊技機1の現在の状態が後述するステップ862で開始されるエンディング演出中か否かを判断する。そして、遊技制御部100は、エンディング演出中でない場合、次のステップ870に処理を進める。一方、遊技制御部100は、エンディング演出中である場合、次のステップ865に処理を進める。
ステップ870において、遊技制御部100は、大入賞口23が開放状態か否かを判断する。そして、遊技制御部100は、大入賞口23が開放状態である場合、次のステップ858に処理を進める。一方、遊技制御部100は、大入賞口23が閉口状態である場合、上記ステップ855に処理を進める。
ステップ858において、遊技制御部100は、大入賞口23の開放状態が予め設定された時間(開放時間;例えば、長当たりでは29.5秒、短当たりでは0.1秒、小当たりでは0.1秒×15回に対応する開放累積時間)を経過したか否かを判断する。次に、遊技制御部100は、大入賞口23の開放状態が開放時間を経過していない場合、入賞個数データD17を参照して、入賞個数Cが入賞個数最大値Cmax(例えば、Cmax=9)以上か否かを判断する(ステップ859)。そして、遊技制御部100は、入賞個数Cが入賞個数最大値Cmax以上である場合、次のステップ860に処理を進める。一方、遊技制御部100は、入賞個数Cが入賞個数最大値Cmax未満である場合、当該サブルーチンによる処理を終了する。また、遊技制御部100は、上記ステップ858において大入賞口23の開放状態が開放時間を経過したと判断された場合、そのまま次のステップ860に処理を進める。
ステップ860において、遊技制御部100は、大入賞口制御部116を駆動させて大入賞口23を閉口状態にする。そして、遊技制御部100は、開放ラウンド回数データD15を参照して、開放ラウンド回数Rが開放ラウンド最大回数Rmax(例えば、長当たりや短当たりによる大当たりではRmax=15、小当たりではRmax=1)に到達したか否かを判断する。そして、遊技制御部100は、開放ラウンド回数Rが開放ラウンド最大回数Rmaxに到達した場合、次のステップ862に処理を進める。一方、遊技制御部100は、開放ラウンド回数Rが開放ラウンド最大回数Rmaxに未達の場合、当該サブルーチンによる処理を終了する。
ステップ862において、遊技制御部100は、大当たりのエンディングを開始する。ここで、大当たりのエンディングとは、大当たり遊技が終了した後に遊技機1の液晶表示器5への画像表示等を用いて行われる演出であり、遊技者に大当たり遊技状態が終了することを報知するものである。この大当たりのエンディングにより、遊技者は、大当たり遊技が終了したタイミングがわかる。次に、遊技制御部100は、大当たり遊技の終了を示すエンディングコマンドを設定して、当たりコマンドデータD16に格納する(ステップ863)。そして、遊技制御部100は、開放ラウンド回数Rを0に設定して開放ラウンド回数データD15を更新し(ステップ864)、次のステップに処理を進める。
次に、遊技制御部100は、予め設定された大当たりエンディング演出が行われるべき時間(大当たりエンディング演出時間)が経過したか否かを判断する(ステップ865)。そして、遊技制御部100は、大当たりエンディング演出時間が経過した場合、次のステップ866に処理を進める。一方、遊技制御部100は、大当たりエンディング演出時間が経過していない場合、大当たりのエンディング演出が継続されるため、当該サブルーチンによる処理を終了する。
ステップ866において、遊技制御部100は、遊技状態設定処理を行い、次のステップに処理を進める。以下、図29を参照して、上記ステップ866で行う遊技状態設定処理について説明する。
図29において、遊技制御部100は、小当たり遊技フラグデータD24を参照して、小当たり遊技フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップ881)。そして、遊技制御部100は、小当たり遊技フラグがオフに設定されている場合、次のステップ882に処理を進める。一方、遊技制御部100は、小当たり遊技フラグがオンに設定されている場合、当該サブルーチンによる処理を終了する。
ステップ882において、遊技制御部100は、図柄設定データD12を参照して、通常大当たりに相当する図柄が設定されているか否かを判断する。そして、遊技制御部100は、通常大当たりに相当する図柄が設定されている場合、補助遊技フラグをオンに設定して補助遊技フラグデータD21を更新する(ステップ884)。次に、遊技制御部100は、補助遊技残余回数Jを初期値Js1(例えば、Js1=100)に設定し、初期値Js1を用いて補助遊技残余回数データD14を更新して(ステップ885)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
遊技制御部100は、上記ステップ882において通常大当たりに相当する図柄が設定されていない場合、確変大当たりに相当する図柄が設定されているか否かを判断する(ステップ883)。そして、遊技制御部100は、確変大当たりに相当する図柄が設定されている場合、補助遊技フラグをオンに設定して補助遊技フラグデータD21を更新する(ステップ886)。次に、遊技制御部100は、補助遊技残余回数Jを初期値Js2(例えば、Js1=10000)に設定し、初期値Js2を用いて補助遊技残余回数データD14を更新して(ステップ887)、次のステップ888に処理を進める。一方、遊技制御部100は、上記ステップ883において確変大当たりに相当する図柄が設定されていない(すなわち、潜確大当たりに相当する図柄が設定されている)場合、そのまま次のステップ888に処理を進める。
ステップ888において、遊技制御部100は、確変フラグをオンに設定して確変フラグデータD20を更新する。そして、遊技制御部100は、高確率遊技残余回数Xを初期値Xs(例えば、Xs=10000)に設定し、初期値Xsを用いて高確率遊技残余回数データD19を更新して(ステップ889)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
図28に戻り、上記ステップ866における遊技状態設定処理の後、遊技制御部100は、当たり遊技フラグを全てオフに設定して長当たり遊技フラグデータD22、短当たり遊技フラグデータD23、および小当たり遊技フラグデータD24を更新し(ステップ867)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
図20に戻り、上記ステップ706における大入賞口処理の後、遊技制御部100は、電動チューリップ処理を行う(ステップ707)。以下、図30を参照して、上記ステップ707で行う電動チューリップ処理の詳細な動作について説明する。
図30において、遊技制御部100は、電チューフラグデータD28を参照して、電チューフラグがオンであるか否かを判断する(ステップ891)。そして、遊技制御部100は、電チューフラグがオンである場合、次のステップ892に処理を進める。一方、遊技制御部100は、電チューフラグがオフである場合、当該サブルーチンによる処理を終了する。
ステップ892において、遊技制御部100は、電動チューリップ27の一対の羽根部が開いている作動状態(開放状態)であるか否かを判断する。そして、遊技制御部100は、電動チューリップ27が作動状態である場合、次のステップ895に処理を進める。一方、遊技制御部100は、電動チューリップ27の一対の羽根部が閉じている状態である場合、次のステップ893に処理を進める。
ステップ893において、遊技制御部100は、確変フラグデータD20が示す確変フラグおよび補助遊技フラグデータD21が示す補助遊技フラグに基づいて、現時点の遊技機1の遊技状態、すなわち確変遊技状態または時短遊技状態に該当するか否かを判断する。次に、遊技制御部100は、現時点の遊技機1の遊技状態に応じて、電動チューリップ27の作動パターンを設定する(ステップ893)。例えば、遊技制御部100は、現在の遊技機1の状態が確変遊技状態または時短遊技状態に該当する場合、開放時間データD18に格納された開放時間を開放時間T3(例えば、T3=1.80秒)×3回に更新(セット)する。一方、遊技制御部100は、現在の遊技機1の状態が確変遊技状態または時短遊技状態に該当しない場合、開放時間データD18に格納された開放時間を開放時間T4(T3>T4;例えば、T4=0.15秒)×1回に更新(セット)する。そして、遊技制御部100は、電動チューリップ開閉部113(図4参照)を駆動させて電動チューリップ27を開放状態にして、次のステップ895に処理を進める。
ステップ895において、遊技制御部100は、開放時間データD18を参照して、電動チューリップ27の作動時間が終了したか否かを判断する(ステップ895)。例えば、遊技制御部100は、上記ステップ894で開放状態となってからの経過時間が、開放時間データD18に格納された開放時間および回数に達している場合、次のステップ896に処理を進める。一方、遊技制御部100は、上記経過時間が、開放時間データD18に格納された開放時間および回数に未達の場合、電動チューリップ27の開放状態が継続されるため、当該サブルーチンによる処理を終了する。
ステップ896において、遊技制御部100は、電動チューリップ開閉部113を駆動させて電動チューリップ27の一対の羽根部が閉じている状態にする。そして、遊技制御部100は、電チューフラグをオフに設定して電チューフラグデータD28を更新し(ステップ897)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
図20に戻り、上記ステップ707における電動チューリップ処理の後、遊技制御部100は、賞球処理を行い(ステップ708)、次のステップに処理を進める。例えば、賞球処理においては、遊技制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24にそれぞれ入賞した遊技球数を管理する。具体的には、遊技制御部100は、大入賞口スイッチ115から大入賞口23に遊技球が入賞したことを示す検出信号を取得した場合、遊技制御部100は、入賞個数データD17に格納されている入賞個数Cに入賞が検出された遊技球数を加算し、加算後の入賞個数Cを用いて入賞個数データD17を更新する。そして、遊技制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24にそれぞれ入賞した遊技球数に応じた賞球の払出数を設定する。
次に、遊技制御部100は、払出制御部120、および演出制御部130に対して、それぞれ制御用コマンドを出力し(ステップ709)、当該タイマ割込処理を終了する。例えば、遊技制御部100は、上記払出数を示す制御用コマンドを払出制御部120に出力することによって、当該払出数を払出制御部120に対して指示する。また、遊技制御部100は、演出に関するコマンド(例えば、変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンド、第1保留数増加コマンド、第2保留数増加コマンド、先読選出コマンド等)を演出制御部130に出力することによって、遊技機1における演出内容を決定させる。
[演出制御処理]
次に、演出制御部130において行われる処理の詳細を説明する。まず、図31〜図34を参照して、処理において用いられる主なデータおよびプログラムについて説明する。なお、図31は、演出制御部130のRAM133に記憶されるデータおよびプログラムの一例を示す図である。図32は、ROM132に記憶される先読演出実行テーブルデータD41の一例を示す図である。図33は、ROM132に記憶される保留表示画像選択テーブルデータD42の一例を示す図である。図34は、RAM133に記憶される保留表示画像位置データD44の一例を示す図である。
図31に示すように、RAM133は、データ記憶領域133Dおよびプログラム記憶領域133Pを有している。データ記憶領域133Dには、乱数データD40、EL表示器位置データD43、保留表示画像位置データD44、保留数コマンドデータD45、保留表示画像コマンドデータD46、変動演出コマンドデータD47、当たり演出コマンドデータD48、演出ボタンコマンドデータD49、サブ画像演出コマンドデータD50、およびEL表示器移動コマンドデータD51等が格納される。また、プログラム記憶領域133Pには、演出制御部130を動作させる各種プログラムP2が格納される。
乱数データD40は、演出制御部130によって更新された乱数を示すデータが格納される。例えば、乱数データD40は、演出制御部130によって更新された各種乱数(先読演出実行乱数、保留表示画像選択乱数、変動演出選択乱数、オープニング演出選択乱数、エンディング演出選択乱数等)を示すデータが、それぞれ格納される。
EL表示器位置データD43は、現時点においてEL表示器6(EL画面60)が配置されている位置を示すデータが格納される。保留表示画像位置データD44は、現時点において液晶表示器5の表示画面に表示されている保留表示画像の位置、種別、および保留内容がそれぞれ記述されている。例えば、図34に示すように、保留表示画像位置データD44には、各表示位置に表示される保留表示画像の種別およびその保留内容を示すデータがそれぞれ記述される。
保留数コマンドデータD45、保留表示画像コマンドデータD46、変動演出コマンドデータD47、当たり演出コマンドデータD48、演出ボタンコマンドデータD49、サブ画像演出コマンドデータD50、およびEL表示器移動コマンドデータD51は、それぞれ画像音響制御部140および/またはランプ制御部150へ送信する各種コマンドを示すデータが格納される。例えば、保留数コマンドデータD45は、保留数を加算する演出を示す情報を、画像音響制御部140および/またはランプ制御部150へ送信するためのデータである。保留表示画像コマンドデータD46は、液晶表示器5に表示する保留表示画像の種別や表示位置等の保留表示画像に関する情報を、画像音響制御部140および/またはランプ制御部150へ送信するためのデータである。変動演出コマンドデータD47は、選択された変動演出パターンで演出を開始することを示す情報や当該演出を終了することを示す情報等を、画像音響制御部140および/またはランプ制御部150へ送信するためのデータである。当たり演出コマンドデータD48は、選択された当たり演出パターンでオープニング演出を開始することを示す情報や演出中の当たり演出を終了するためのエンディング演出を選択されたエンディング演出パターンで開始することを示す情報を、画像音響制御部140および/またはランプ制御部150へ送信するためのデータである。演出ボタンコマンドデータD49は、演出ボタン37や演出キー38における操作状況を示す情報を、画像音響制御部140および/またはランプ制御部150へ送信するためのデータである。サブ画像演出コマンドデータD50は、EL画面60に表示するためのサブ画像に関する情報を、画像音響制御部140および/またはランプ制御部150へ送信するためのデータである。EL表示器移動コマンドデータD51は、第1ステッピングモータ29および第2ステッピングモータ30の駆動を指示するための情報をランプ制御部150へ送信するためのデータである。
また、ROM132には、先読演出実行テーブルデータD41および保留表示画像選択テーブルデータD42等が格納されている。
先読演出実行テーブルデータD41は、第1始動口21または第2始動口22の入賞(以下の説明では、第1始動口21)に応じた保留表示演出において、先読保留演出を行うか否かを決定するための抽選対象とする保留を記述したデータが格納されている。例えば、図32に示すように、先読演出実行テーブルデータD41は、それ以前に取得している保留内容(大当たり図柄の種類、小当たり、リーチ、はずれ等)と、判定対象となっている保留内容との関係に応じて、当該判定対象を上記抽選対象とするか否かを示すデータが記述されている。一例として、図32に示すように、先読演出実行テーブルデータD41には、上記判定対象となっている保留内容が「はずれ」、「リーチ」、「小当たり」の場合は、何れも上記抽選対象とはしないことを示すデータが記述されている。これに対して、先読演出実行テーブルデータD41には、上記判定対象となっている保留内容が「大当たり」の場合、当該「大当たり」の図柄の種類(普通図柄、確変図柄、潜確図柄等)と、それ以前に取得している保留内容(保留の中身)との関係に応じて、当該判定対象を上記抽選対象とするか否かを決定することを示すデータが記述されている。一例として、先読演出実行テーブルデータD41には、上記判定対象となっている保留内容が「大当たり」の場合であっても、既に取得している保留内容に「大当たり」が含まれている場合、遊技者にとって後から発生する「大当たり」の期待度は相対的に低くなることがあるため、当該判定対象を上記抽選対象としないこともあり得ることが示されている。なお、図32においては、丸印が判定対象を抽選対象とすることを示し、バツ印が判定対象を抽選対象としないことを示している。
保留表示画像選択テーブルデータD42は、液晶表示器5の表示画面に保留表示画像を追加表示する際、または液晶表示器5の表示画面に表示された保留表示画像を次の表示位置へ移動(シフト)させる際等に、当該表示画面にどのような保留表示画像を表示するかを決定するためのデータが格納されている。例えば、図33に示すように、保留表示画像選択テーブルデータD42には、液晶表示器5の表示画面に保留表示画像を追加表示する場合に特殊A画像や特殊B画像を当該表示画面に追加表示する確率、液晶表示器5の表示画面に表示された特殊A画像を次の表示位置へ移動させる場合に特殊A画像や特殊B画像を当該表示画面に表示する確率、液晶表示器5の表示画面に表示された特殊B画像を次の表示位置へ移動させる場合に特殊A画像や特殊B画像を当該表示画面に表示する確率等が、それぞれ保留内容(先読演出内容)に応じて示すデータが記述されている。なお、図33では、保留表示画像選択テーブルデータD42の一例として、各保留内容に対する確率のみを示しているが、各保留内容に対してどのような保留表示画像を表示するかを決定するための保留表示画像選択乱数値を示すデータを記述してもよい。
次に、図35〜図39を参照して、演出制御部130において行われる処理の詳細を説明する。なお、図35は、演出制御部130において実行されるタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。図36は、図35のステップ901におけるコマンド受信処理の前半の詳細な動作の一例を示すサブルーチンである。図37は、図35のステップ901におけるコマンド受信処理の後半の詳細な動作の一例を示すサブルーチンである。図38は、図35のステップ905におけるEL表示器処理の詳細な動作の一例を示すサブルーチンである。図39は、EL表示器6のEL画面60に表示情報IFが表示されるまでの遊技機1の動作の一例について説明するための説明図である。例えば、図35〜図38に示す動作は、演出制御部130のCPU131がROM132に格納された演出制御プログラムを実行することによって実現され、具体的には、当該演出制御プログラムがROM132からRAM133上に適宜読み出されてCPU131によって実行される。なお、図35〜図38に示すフローチャートにおいては、本願発明と直接関連しない他の処理については詳細な説明を省略する。また、図35〜図38の説明では、演出制御部130が実行する各ステップを「S」と略称する。
遊技機1の電源が投入されると、演出制御部130のCPU131は、図示しないブートROMに記憶されている起動プログラムを実行し、これによってRAM133等の各ユニットが初期化される。そして、ROM132に記憶されたプログラムがRAM133に読み込まれ、CPU131によって各プログラムの実行が開始される。
その後、演出制御部130は、図35に示すタイマ割込処理を行う周期となるCTC周期を設定する。そして、演出制御部130は、乱数更新処理を、上記CTC周期より短い周期で繰り返す。すなわち、演出制御部130が行う遊技機1の演出処理において、演出制御部130は、遊技機1の起動中、所定期間ごとに乱数更新処理を繰り返しつつ、CTC周期ごとに所定のタイマ割込処理を行う。
ここで、乱数更新処理において、演出制御部130は、各種乱数を更新する。例えば、演出制御部130は、乱数データD40に格納されている先読演出実行乱数、保留表示画像選択乱数、変動演出選択乱数、オープニング演出選択乱数、エンディング演出選択乱数等に、それぞれ1を加算し、加算された各乱数を用いて乱数データD40を更新する。
次に、図35を用いて、演出制御部130が行うタイマ割込処理について説明する。なお、タイマ割込処理は、遊技機1に電源が供給されている期間中において、上記CTC周期(例えば4ms(ミリ秒))ごとに演出制御部130が実行することによって、演出制御部130の上記演出処理に割込み動作する処理である。
図35において、演出制御部130は、コマンド受信処理を行って(ステップ901)、次のステップに処理を進める。以下、図36および図37を参照して、上記ステップ901で行うコマンド受信処理の詳細な動作について説明する。
図36において、演出制御部130は、遊技制御部100から保留数増加コマンドを受信したか否かを判断する(ステップ910)。そして、演出制御部130は、保留数増加コマンドを受信した場合、次のステップ911に処理を進める。一方、演出制御部130は、保留数増加コマンドを受信していない場合、次のステップ931(図37)に処理を進める。
上述したように遊技制御部100は、演出制御部130に対して遊技機1の演出に関する各種コマンドを出力している。上記ステップ910において、演出制御部130は、遊技制御部100から保留数が増加したことを示す保留数増加コマンドを受信した場合、当該コマンドが示す保留種別(すなわち、第1始動口21に遊技球が入賞することによる保留であるのか、第2始動口22に遊技球が入賞することによる保留であるのか)に対応するの保留数に1を加算する(ステップ911)。そして、演出制御部130は、上記種別の保留数を加算する演出を示す保留数コマンドを保留数コマンドデータD45にセットし(ステップ912)、次のステップに処理を進める。
次に、演出制御部130は、遊技制御部100から先読演出コマンドを受信し(ステップ913)、先読演出抽選を実行するか否かを判断する(ステップ914)。そして、演出制御部130は、先読演出抽選を実行する場合、次のステップ915に処理を進める。一方、演出制御部130は、先読演出抽選を実行しない場合、次のステップ918に処理を進める。例えば、演出制御部130は、先読演出実行テーブルデータD41および遊技制御部100から受信した先読演出コマンドを用いて、当該先読演出コマンドが示す保留を、先読保留演出を行うか否かを決定するための抽選対象とするか否かを判断する。一例として、遊技制御部100から受信した先読演出コマンドには、遊技球の入賞時点において事前に行われた特別図柄抽選処理(事前判定処理)の結果(保留内容)が示されている。なお、先読演出コマンドが抽選のための各乱数そのものを示す情報である場合、演出制御部130は、予め準備されている特別図柄抽選を行うための情報(例えば、大当たり乱数データD2、大当たり図柄乱数データD3、リーチ乱数データD4、当たり乱数データD5、およびテーブルデータD10)を用いて、当該各乱数に対する特別図柄抽選処理の結果(保留内容)を判定する。そして、演出制御部130は、先読演出実行テーブルデータD41を参照して、先読演出コマンドが示す保留内容と、それ以前に取得している保留内容との関係に応じて、当該先読演出コマンドが示す保留を上記抽選対象とするか否かを判断する。なお、演出制御部130は、上記先読演出コマンドが先読演出抽選を実行する対象ではない始動口への入賞を示す場合(例えば、第2始動口22への入賞を示す場合)、上記抽選対象とはしない判断を行う。
ステップ915において、演出制御部130は、現時点で抽選対象となっている保留に対して先読演出抽選処理を行う。そして、演出制御部130は、先読演出抽選処理によって先読保留演出を行うことが選択された場合(ステップ916でYes)、次のステップ917に処理を進める。一方、演出制御部130は、先読演出抽選処理によって先読保留演出を行わないことが選択された場合(ステップ916でNo)、次のステップ918に処理を進める。例えば、演出制御部130は、上述した乱数更新処理において乱数データD40に格納された先読演出実行乱数を用いて、当該先読演出実行乱数が先読保留演出を行うことを示す乱数値か否かを判断する。なお、上記ステップ915における先読演出抽選処理においては、現時点で抽選対象となっている保留(すなわち、受信した先読演出コマンドが示す保留)の保留内容に応じて、先読保留演出を行う確率を変化させてもかまわない。一例として、現時点で抽選対象となっている保留の図柄に応じて、先読保留演出を行う確率を変化させる。他の例として、上述した説明では、先読演出実行テーブルデータD41において保留内容「はずれ」、「リーチ」、および「小当たり」が上記抽選対象とならないデータテーブルが設定されているが、これらの保留内容に対しても上記抽選対象とする場合、「保留内容が大当たりの場合に先読保留演出を行う確率」>「保留内容が小当たりの場合に先読保留演出を行う確率」>「保留内容がリーチの場合に先読保留演出を行う確率」>「保留内容がはずれの場合に先読保留演出を行う確率」に設定される。
ステップ917において、演出制御部130は、液晶表示器5の表示画面に特殊保留表示画像を追加表示する処理を行い、次のステップ931(図37)に処理を進める。例えば、演出制御部130は、保留表示画像選択テーブルデータD42を参照し、上述した乱数更新処理において乱数データD40に格納された保留表示画像選択乱数および保留内容(先読演出内容)に応じて液晶表示器5の表示画面に追加表示する特殊保留表示画像の種別(例えば、特殊A画像または特殊B画像)を決定する。そして、演出制御部130は、上記ステップ911で加算された保留数に応じた表示位置に、決定された特殊保留表示画像を追加表示することを示す保留表示画像コマンドを保留表示画像コマンドデータD46にセットする。また、演出制御部130は、上記ステップ911で加算された保留数に応じた表示位置に、決定された特殊保留表示画像が追加表示されたことおよびその保留内容を、保留表示画像位置データD44に格納されたデータテーブルに記述する。
一方、ステップ918において、演出制御部130は、液晶表示器5の表示画面に通常保留表示画像を追加表示する処理を行い、次のステップ931(図37)に処理を進める。例えば、演出制御部130は、上記ステップ911で加算された保留数に応じた表示位置に、通常保留表示画像を追加表示することを示す保留表示画像コマンドを保留表示画像コマンドデータD46にセットする。また、演出制御部130は、上記ステップ911で加算された保留数に応じた表示位置に、通常保留表示画像が追加表示されたことおよびその保留内容を、保留表示画像位置データD44に格納されたデータテーブルに記述する。
図37において、演出制御部130は、遊技制御部100から変動開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップ931)。そして、演出制御部130は、変動開始コマンドを受信した場合、次のステップ932に処理を進める。一方、演出制御部130は、変動開始コマンドを受信していない場合、次のステップ937に処理を進める。
ステップ932において、演出制御部130は、遊技制御部100から受信した変動開始コマンドに応じて、変動演出を選択する処理を行い、次のステップに処理を進める。ここで、変動開始コマンドは、特別図柄抽選を行うための変動演出を開始することを示す遊技制御部100からの指示を示している。例えば、演出制御部130は、当該変動開始コマンドおよび乱数データD40に格納されている変動演出選択乱数に応じて変動演出パターンを選択し、選択された変動演出パターンで演出を開始することを示す変動演出開始コマンドを変動演出コマンドデータD47にセットする。
次に、演出制御部130は、保留表示画像位置データD44を参照して、現時点において液晶表示器5の表示画面に保留表示画像IMが表示されているか否かを判断する(ステップ933)。そして、演出制御部130は、保留表示画像IMが表示されている場合、次のステップ935に処理を進める。一方、演出制御部130は、保留表示画像IMが表示されていない場合、次のステップ937に処理を進める。
ステップ933において、演出制御部130は、現時点において液晶表示器5の表示画面に表示されている各保留表示画像を移動(シフト)させる処理を行い、次のステップ937に処理を進める。例えば、演出制御部130は、各保留表示画像を移動させることを示す保留表示画像コマンドを保留表示画像コマンドデータD46にセットする。そして、演出制御部130は、それぞれの保留表示画像が移動した後の状態に保留表示画像位置データD44を更新する。具体的には、演出制御部130は、第2保留〜第4保留の表示位置(DP2〜DP4)に記述されている各データをそれぞれ第1保留〜第3保留の表示位置(DP1〜DP3)に移動させる。
ステップ937において、演出制御部130は、遊技制御部100から変動停止コマンドを受信したか否かを判断する。そして、演出制御部130は、変動停止コマンドを受信した場合、次のステップ938に処理を進める。一方、演出制御部130は、変動停止コマンドを受信していない場合、次のステップ939に処理を進める。
ステップ938において、演出制御部130は、遊技制御部100から受信した変動停止コマンドに応じて、演出モード等を設定する処理を行い、次のステップ939に処理を進める。ここで、変動停止コマンドは、演出中の変動演出を終了することを示す遊技制御部100からの指示を示している。例えば、演出制御部130は、当該変動停止コマンドに応じて、演出中の変動演出を終了することを示す変動演出終了コマンドを変動演出コマンドデータD47にセットする。
ステップ939において、演出制御部130は、遊技制御部100からオープニングコマンドを受信したか否かを判断する。そして、演出制御部130は、オープニングコマンドを受信した場合、次のステップ940に処理を進める。一方、演出制御部130は、オープニングコマンドを受信していない場合、次のステップ941に処理を進める。
ステップ940において、演出制御部130は、遊技制御部100から受信したオープニングコマンドに応じて、当たり演出等を選択する処理を行い、次のステップ941に処理を進める。ここで、オープニングコマンドは、特別図柄抽選に当選したことを演出する当たり演出を開始することを示す遊技制御部100からの指示を示している。例えば、演出制御部130は、当該オープニングコマンドおよび乱数データD40に格納されているオープニング演出選択乱数に応じてオープニング演出パターンを選択し、選択されたオープニング演出パターンで演出を開始することを示すオープニング演出開始コマンドを当たり演出コマンドデータD48にセットする。
ステップ941において、演出制御部130は、遊技制御部100からエンディングコマンドを受信したか否かを判断する。そして、演出制御部130は、エンディングコマンドを受信した場合、次のステップ942に処理を進める。一方、演出制御部130は、エンディングコマンドを受信していない場合、当該コマンド受信処理を示すサブルーチンによる処理を終了する。
ステップ942において、演出制御部130は、遊技制御部100から受信したエンディングコマンドに応じて、当たり演出等を選択する処理を行い、当該コマンド受信処理を示すサブルーチンによる処理を終了する。ここで、エンディングコマンドは、特別図柄抽選に当選したことを演出する当たり演出を終了することを示す遊技制御部100からの指示を示している。例えば、演出制御部130は、当該エンディングコマンドおよび乱数データD40に格納されているエンディング演出選択乱数に応じてエンディング演出パターンを選択し、選択されたエンディング演出パターンで演出を開始して当たり演出を終了することを示すエンディング演出開始コマンドを当たり演出コマンドデータD48にセットする。
図35に戻り、上記ステップ901のコマンド受信処理の後、演出制御部130は、演出ボタン37や演出キー38への操作が要求される演出中であって、現時点が当該操作の受付可能であるか否かを判断する(ステップ902)。そして、演出制御部130は、演出ボタン37や演出キー38への操作が要求される演出中であって、現時点が当該操作の受付可能期間中である場合、次のステップ903に処理を進める。一方、演出制御部130は、演出ボタン37や演出キー38への操作が要求される演出中でない場合や、当該演出中であっても当該操作の受付期間前または既に当該操作の受付が終了している場合、次のステップ905に処理を進める。
ステップ903において、演出制御部130は、演出ボタン37や演出キー38がオンされたか否かを判断する。そして、演出制御部130は、演出ボタン37や演出キー38がオンされた場合、演出ボタン37や演出キー38をオンする操作が行われたことを示す演出ボタンコマンドを演出ボタンコマンドデータD49にセットし(ステップ904)、次のステップ905に処理を進める。一方、演出制御部130は、演出ボタン37や演出キー38がオンされていない場合、そのまま次のステップ905に処理を進める。
ステップ905において、演出制御部130は、EL表示器6を移動させたりEL画面60に画像を表示したりするEL表示器処理を行い、次のステップに処理を進める。以下、図38を参照して、上記ステップ905で行うEL表示器処理について説明する。
図38において、演出制御部130は、保留表示画像位置データD44を参照して、液晶表示器5の液晶画面50に保留表示画像IMが少なくとも1つ表示されているか否かを判定する(ステップ951)。そして、演出制御部130は、液晶画面50に保留表示画像IMが少なくとも1つ表示されている場合、次のステップ952に処理を進める。一方、演出制御部130は、液晶画面50に保留表示画像IMが表示されていない場合、次のステップ958に処理を進める。
ステップ952において、演出制御部130は、演出ボタン37や演出キー38への操作が要求される演出中であって、現時点が当該操作の受付可能であるか否かを判断する。そして、演出制御部130は、演出ボタン37や演出キー38への操作が要求される演出中でない場合や、当該演出中であっても当該操作の受付期間前または既に当該操作の受付が終了している場合、次のステップ953に処理を進める。一方、演出制御部130は、演出ボタン37や演出キー38への操作が要求される演出中であって、現時点が当該操作の受付可能期間中である場合、次のステップ956に処理を進める。
ステップ953において、演出制御部130は、演出キー38からの操作情報の入力の有無に基づいて、演出キー38が操作されたか否かを判定する。そして、演出制御部130は、演出キー38が操作されたと判定した場合、次のステップ954に処理を進める。一方、演出制御部130は、演出キー38が操作されていないと判定した場合、次のステップ956に処理を進める。
ステップ954において、演出制御部130は、演出キー38から入力された操作情報に基づいて、EL表示器6を移動させ、次のステップに処理を進める。例えば、演出制御部130は、第1ステッピングモータ29および第2ステッピングモータ30の駆動を指示するEL表示器移動コマンドをEL表示器移動コマンドデータD51にセットする。上記EL表示器移動コマンドは、後述するステップ906のコマンド送信処理を実行することによってランプ制御部150へ送信される。上記EL表示器移動コマンドは、演出キー38から入力された操作情報が含まれており、ランプ制御部150は、当該操作情報に基づいて第1ステッピングモータ29および第2ステッピングモータ30の駆動を制御する。これにより、駆動機構10(図7参照)が駆動して、演出キー38の操作に応じた位置へEL表示器6が移動する(図39(a)参照)。このように、ランプ制御部150は、演出制御部130によって演出キー38からの操作情報の入力が受け付けられた場合に、その操作情報に基づいてEL表示器6を移動させる。
次に、演出制御部130は、液晶画面50に対するEL表示器6(EL画面60)の位置を示す位置情報を取得し(ステップ955)、次のステップ956に処理を進める。例えば、演出制御部130は、液晶画面50に設けられた各光センサ56による検知結果(各光センサ56から出力される電気信号の変化)に基づいて、液晶画面50に対する現時点のEL表示器6の位置を検出する。そして、演出制御部130は、上記検出結果に基づいてEL表示器6の位置を示す位置情報を生成し、当該位置情報を用いてEL表示器位置データD43を更新する。なお、演出制御部130が生成するEL表示器6の位置情報は、液晶画面50に対するEL表示器6に設けられた基準(例えば、フレーム61における上下左右に形成されている4つのコーナのうち、何れか1つのコーナ位置)の位置を示す情報でもかまわない。
ステップ956において、演出制御部130は、EL表示器位置データD43に格納されている位置情報および保留表示画像位置データD44に格納されている保留表示画像IMの各位置を示す情報に基づいて、液晶画面50に表示されている保留表示画像IMの1つがEL画面60を介して遊技者が視認可能であるか否かを判断する。すなわち、演出制御部130は、EL表示器位置データD43に格納されているEL表示器6の位置が、EL画面60の背面側(図1の紙面奥側)に保留表示画像IMの1つが配置されるような位置であるか否かを判断する。このように、演出制御部130は、光センサ56の検知結果に基づいて検出したEL表示器6(EL画面60)の位置および保留表示画像IMの位置に基づいて、EL表示器6を正視した場合にEL画面60を通して保留表示画像IMが視認可能な位置か否かの判定処理を行う。そして、演出制御部130は、EL画面60を通して保留表示画像IMが視認可能である場合、次のステップ957に処理を進める。一方、演出制御部130は、EL画面60を通して保留表示画像IMが視認できない場合、次のステップ958に処理を進める。なお、上記ステップ956の判定においては、液晶画面50に表示されている保留表示画像IMのうち、1つの保留表示画像IM全体がEL画面60を介して遊技者が視認可能である場合に肯定判定してもいいし、1つの保留表示画像IMの少なくとも一部がEL画面60を介して遊技者が視認可能である場合に肯定判定してもいい。また、上記ステップ956の判定においては、液晶画面50に複数の保留表示画像IMが表示されている場合、何れか1つの保留表示画像IMがEL画面60を介して遊技者が視認可能なものとして選択される。例えば、EL画面60を介して複数の保留表示画像IMが視認可能である場合、上記ステップ956の判定では、複数の保留表示画像IMのうち最も視認可能な範囲が大きい保留表示画像IMを選択してもいいし、複数の保留表示画像IMのうちEL画面60の中央に近い保留表示画像IMを選択してもいい。
ステップ957において、演出制御部130は、EL画面60を通して視認可能であると判定された保留表示画像IMに関連する表示情報IFをEL画面60に表示する指示を示すサブ画像演出コマンドをサブ画像演出コマンドデータD50にセットし、当該サブルーチンによる処理を終了する。なお、上記サブ画像演出コマンドは、後述するステップ906のコマンド送信処理を実行することによって画像音響制御部140へ送信され、画像音響制御部140が当該サブ画像演出コマンドに応じた表示情報IFをEL画面60に表示する。ここで、サブ画像演出コマンドとして、EL画面60を通して視認可能な保留表示画像IMの種別およびその保留内容を示す情報や、保留表示画像IMの種別およびその保留内容に基づいて遊技者へ報知する表示情報IF自体をセットすることが考えられる。前者のサブ画像演出コマンドを画像音響制御部140に送信する場合、画像音響制御部140において表示情報IFを生成する必要があるため、保留表示画像IMの種別およびその保留内容に対応する表示情報IFを予め画像音響制御部140(例えば、制御用ROM144や画像用ROM148内)に準備しておけばよい。一方、後者のサブ画像演出コマンドを画像音響制御部140に送信する場合、演出制御部130において表示情報IFを生成する必要があるため、保留表示画像IMの種別およびその保留内容に対応する表示情報IFを予め演出制御部130(例えば、ROM102内)に準備しておけばよい。表示情報IFは、保留表示画像IMに対応する特別図柄抽選が行われた場合の期待度や信頼度を示す文字情報(例えば、「大当たりの期待度大!」や「大当たりの可能性低い」;図39(b)参照)や非文字情報(例えば、大当たりの期待度に応じて色、サイズ、形状等が変化するマーク等)等が考えられるが、保留表示画像IMに関連するものであれば特に限定されるものではない。
一方、ステップ958において、演出制御部130は、EL画面60を未表示にする指示を示すサブ画像演出コマンドをサブ画像演出コマンドデータD50にセットし、当該サブルーチンによる処理を終了する。
なお、上述した処理では、液晶画面50に保留表示画像IMが表示されている場合にEL表示器6の移動が可能となる例を用いたが、他の契機に応じて、EL表示器6の移動を可能としてもかまわない。例えば、所定のアイテムや情報が液晶画面50に表示されたこと、大当たり遊技が開始されたこと、リーチに発展しない特別図柄の変動表示が所定回数(例えば15回)連続して行われたこと等を契機として、液晶画面50に保留表示画像IMが表示されている場合にEL表示器6の移動が可能な状態にしてもかまわない。
図35に戻り、上記ステップ905のEL表示器処理の後、演出制御部130は、画像音響制御部140および/またはランプ制御部150に対して、それぞれ制御用コマンドを出力し(ステップ906)、当該タイマ割込処理を示すサブルーチンによる処理を終了する。例えば、演出制御部130は、保留数コマンドデータD45、保留表示画像コマンドデータD46、変動演出コマンドデータD47、当たり演出コマンドデータD48、演出ボタンコマンドデータD49、サブ画像演出コマンドデータD50、およびEL表示器移動コマンドデータD51にそれぞれセットされている演出に関するコマンドを画像音響制御部140および/またはランプ制御部150に出力することによって、当該コマンドに応じた演出を画像音響制御部140および/またはランプ制御部150に実行させる。
[描画処理]
以下、図40〜図43を参照しつつ、画像音響制御部140(VDP142)によって行われる描画処理について説明する。ここで、図40は、画像音響制御部140(VDP142)によって行われる描画処理の一例を示すフローチャートである。図41は、分割数SNが「0」に設定されている場合にVDP142によって行われる描画処理の一例について説明するための説明図である。図42は、分割数SNが「4」に設定されている場合にVDP142によって行われる描画処理の一例について説明するための説明図である。図43は、分割画像の出力処理の一例について説明するための説明図である。なお、図40に示すフローチャートに基づいて説明する画像音響制御部140(VDP142)で行われる描画処理は、制御用ROM144に記憶されているプログラムに基づいてCPU141が生成する制御信号に基づいて行われる。また、以下の説明では、第1フレームバッファ1426Aおよび第2フレームバッファ1426Bのうち、第1フレームバッファ1426Aを使用して描画処理が行われる場合を例に説明するが、第2フレームバッファ1426Bを使用した描画処理も第1フレームバッファ1426Aを使用した描画処理と同様に行われる。
図40において、CPU141からの制御信号がVDP142に入力されると、描画エンジン1424は、メイン画像および/またはサブ画像の描画処理に使用するフレームバッファを選択する(ステップ290)。例えば、描画エンジン1424は、第1フレームバッファ1426Aおよび第2フレームバッファ1426Bのうち、現時点で液晶表示器5および/またはEL表示器6へ画像を出力しているフレームバッファを特定して、画像を出力していないフレームバッファを今回のフレームの描画処理に使用するフレームバッファとして選択する。
上記ステップ290で第1フレームバッファ1426Aが選択された場合、描画エンジン1424は、CPU141からの指示に応じた液晶表示器5に表示されるメイン画像を、第1フレームバッファ1426Aに描画し(ステップ291)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU141は、演出制御部130から指示されたコマンドに対応する演出を決定し、当該演出の実行を指示する制御信号をVDP142へ出力している。この制御信号に応じて、描画エンジン1424は、CPU141からの制御信号に応じて、装飾図柄や保留表示画像IMを示す第1画像と、装飾図柄等の背景を示す背景画像としての第2画像と、文字画像としての第3画像とを、画像用ROM148からVRAM_RS1425に読み出して、これらの画像を合成した画像であるメイン画像を第1フレームバッファ1426Aに描画する(図41参照)。
次に、画像音響制御部140は、EL画面60に画像を表示するか否かを判断する(ステップ292)。例えば、上述したように、演出制御部130は、サブ画面に表示情報IFを表示する場合に当該表示情報IFを表示することに関するサブ画像演出コマンドを生成し、サブ画面を未表示する場合にサブ画面を未表示にすることを示すサブ画像演出コマンドを生成している。このサブ画像演出コマンドに応じて、画像音響制御部140は、演出制御部130からサブ画面に表示情報IFを表示することを示すサブ画像演出コマンドを取得した場合、EL画面60に画像を表示すると判断し、サブ画面を未表示する場合にサブ画面を未表示にすることを示すサブ画像演出コマンドを取得した場合、EL画面60を未表示にすると判断する。そして、画像音響制御部140は、EL画面60に画像を表示する場合、次のステップ293に処理を進める。一方、画像音響制御部140は、EL画面60を未表示にする場合、次のステップ309に処理を進める。
ステップ293において、描画エンジン1424は、第1フレームバッファ1426Aに描画されたメイン画像のうち、EL画面60の位置に対応する領域をコピーしてコピー画像を生成し、次のステップに処理を進める。例えば、演出制御部130によってEL画面60の位置が検出されると、EL画面60の現時点の位置情報が画像音響制御部140へ送信され、CPU141がEL画面60の位置情報を含む制御信号をVDP142へ出力する。そして、描画エンジン1424は、第1フレームバッファ1426Aに描画されたメイン画像のうち、上記位置情報に対応する領域をコピーしてコピー画像を生成する。具体的には、描画エンジン1424は、第1フレームバッファ1426Aに描画されたメイン画像の中から、上記位置情報に対応する240×320(垂直画素数×水平画素数)の画素データをコピーして、VRAM_RS1425にコピー画像として格納する。
次に、描画エンジン1424は、図41に示されるように、液晶画面50には表示されず、EL画面60にのみ表示される表示内容を示す差分画像(すなわち、表示情報IFを示す画像)をコピー画像に合成してサブ画像を生成し(ステップ294)、次のステップに処理を進める。例えば、制御用ROM144には、保留内容に対応付けられた特別図柄抽選における当選の期待度を示す情報を示すサブ画像情報が記憶されており、CPU141は、演出制御部130から取得した位置情報および保留内容に対応するサブ画像情報を制御用ROM144から読み出してRAM145に格納する。そして、上記サブ画像情報を含む制御信号がVDP142へ出力される。描画エンジン1424は、CPU141からの制御信号に含まれているサブ画像情報が示す差分画像を生成するために必要な素材データを画像用ROM148から読み出してVRAM_RS1425に格納して、その素材データを用いて差分画像(すなわち、表示情報IFを示す画像)を生成する。そして、描画エンジン1424は、生成された差分画像をVRAM_RS1425上で例えばZバッファ法等を用いてコピー画像に合成することによって、サブ画像を生成する。図41には、メイン画像に対するサブ画像の位置が、破線18で示されている。本実施形態では、上述したように、垂直画素数L3が「240」で水平画素数C3が「320」のサブ画像が生成される。このように、描画エンジン1424は、メイン画像からEL画面60の位置に対応する領域をコピーして得られるコピー画像に、遊技者へ報知する情報(表示情報IF)を示す差分画像を合成して、EL画面60に表示するためのサブ画像を生成する。
次に、描画エンジン1424は、CPU141から出力された制御信号にステップ10(図14参照)の処理によって設定された縮小倍率を示す情報が含まれているか否かに基づいて、縮小倍率が設定されているか否かを判定する(ステップ295)。縮小倍率が設定されていると判定した場合(ステップ295:YES)、描画エンジン1424は、ステップ294の処理で生成されたサブ画像に対して、制御信号から抽出した縮小倍率を示す情報に基づいて、サブ画像の縮小処理を行い(ステップ296)、次のステップ297に処理を進める。例えば、縮小倍率が「0.5」に設定されている場合、描画エンジン1424は、垂直画素数L3が「240」で水平画素数C3が「320」のサブ画像から、垂直画素数L3が「120」(=240×0.5)で水平画素数C3が「160」(=320×0.5)のサブ画像を生成する。一方、縮小倍率が設定されていないと判定した場合(ステップ295:NO)、描画エンジン1424は、そのまま次のステップ297に処理を進める。
ステップ297において、描画エンジン1424は、CPU141から出力された制御信号に含まれている分割数SNが「0」であるか否かを判定する。そして、分割数SNが「0」であると判定した場合(ステップ297:YES)、描画エンジン1424は、VRAM_RS1425内のサブ画像を分割することなく第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画することができるので、サブ画像をそのまま空き領域に描画し(ステップ298)、次のステップに処理を進める。このように、描画エンジン1424は、分割が不要であるとCPU141によって予め判定されている場合には、サブ画像を分割することなく、メイン画像の描画によってできた第1フレームバッファ1426A内の空き領域にサブ画像を描画する。
図41には、サブ画像が分割されることなく第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画される例が示されている。図41に例示されているように、垂直画素数L2が「600」で水平画素数C2が「800」のメイン画像に対して上述した例とは異なり垂直画素数L1が「840」で水平画素数C1が「1120」であるフレームバッファが用意されている場合、そのフレームバッファの空き領域の最低垂直画素数L4が「240」(=840−600)となり、最低水平画素数C4が「320」(=1120−800)となる。一方、サブ画像の垂直画素数L3が「240」で水平画素数C3が「320」である場合、サブ画像の垂直画素数L3が最低垂直画素数L4と等しく、水平画素数C3も最低水平画素数C4と等しくなっている。このような場合には、描画エンジン1424は、サブ画像を分割することなく第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画することが可能である。
上記ステップ298の処理の後、描画エンジン1424は、第2フレームバッファ1426Bに格納されている前のフレームの画像を表示する処理が完了し、上記ステップ291およびステップ298の処理によって第1フレームバッファ1426Aに描画された次のフレームの画像を表示するタイミングになるのを待つ(ステップ299)。そして、上記表示タイミングになった場合(ステップ299:YES)、出力回路1427は、メイン画像を第1フレームバッファ1426Aから読み出して液晶表示器5へ出力すると共に(ステップ300;図41参照)、サブ画像を同じく第1フレームバッファ1426Aから読み出してEL表示器6へ出力する(ステップ301;図41参照)。そして、画像音響制御部140は、描画処理が終了するまで上記ステップ290に戻って描画処理を繰り返す。
一方、描画エンジン1424は、CPU141から出力された制御信号に含まれている分割数SNが「0」ではない(2以上の偶数)であると判定した場合(上記ステップ297:NO)、上記ステップ294の処理でVRAM_RS1425に生成したサブ画像を分割して第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画し(ステップ303)、次のステップに処理を進める。
図42には、分割数SNが「4」であり、分割画像サイズSSが120×160(垂直画素数×水平画素数)に設定されている場合に、第1フレームバッファ1426Aにメイン画像を描画して生じた空き領域に対して、サブ画像が4個の分割画像として描画される様子が示されている(図16(c)参照)。サブ画像の分割が必要であるとCPU141によって予め判定されている場合、図42に例示されるように、描画エンジン1424は、サブ画像を複数の領域に分割して得られる分割画像(ここでは4個の分割画像)にしてそれぞれ第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画する。このように、描画エンジン1424は、CPU141によって分割が必要であると判定されて分割画像サイズSSおよび分割数SNが予め設定されている場合、その設定に基づいてサブ画像を分割して第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画する。
次に、描画エンジン1424は、上記ステップ299の処理と同様に、上記ステップ291および303の処理で第1フレームバッファ1426Aに描画した次のフレームの画像を表示するタイミングになるのを待つ(ステップ304)。そして、表示タイミングになった場合、出力回路1427は、図42に示されるように、メイン画像を第1フレームバッファ1426Aから読み出して液晶表示器5に出力し(ステップ305)、次のステップに処理を進める。
次に、描画エンジン1424は、CPU141からの制御信号に縮小倍率を示す情報が含まれているか否かに基づいて、縮小倍率が設定されているか否かを判定する(ステップ306)。縮小倍率が設定されていない場合(ステップ306:NO)、すなわち上記ステップ296の処理が行われていない場合、出力回路1427は、分割画像を第1フレームバッファ1426Aから読み出して、そのままサブ画像としてEL表示器6に出力する(ステップ307)。そして、画像音響制御部140は、描画処理が終了するまで上記ステップ290に戻って描画処理を繰り返す。
ところで、メイン画像は、液晶画面50を構成する画素(カラー液晶素子52)と同じ配列で第1フレームバッファ1426Aに格納されている。このため、メイン画像を構成する各画素データに関しては、そのままの順番で液晶表示器5に出力すればよい。また、サブ画像が分割されることなく第1フレームバッファ1426Aに描画された場合(図41参照)、このサブ画像は、EL画面60を構成する画素と同じ配列で第1フレームバッファ1426Aに格納されている。このため、このサブ画像を構成する各画素データに関しては、そのままの順番でEL表示器6に出力すればよい。
これに対して、サブ画像が分割されて第1フレームバッファ1426Aに描画された場合(図42参照)、このサブ画像は、EL画面60を構成する画素とは異なる配列で第1フレームバッファ1426Aに格納されている。そこで、サブ画像がEL画面60に正しく表示されるように、出力回路1427は、サブ画像を構成する各画素データが本来出力されるべき順序で出力されるように、分割画像をそれぞれ構成する各画素データを読み出す。例えば、図42に例示された配列で4個の分割画像が第1フレームバッファ1426Aに格納されている場合、出力回路1427は、図43に示されるように、サブ画像の左上方の領域と同じ表示内容を示す第1分割画像に対して、左右方向12に1ライン分の画素データを読み出して出力する処理と、サブ画像の右上方の領域と同じ表示内容を示す第2分割画像に対して、左右方向12に1ライン分の画素データを読み出して出力する処理とを交互に繰り返す。これにより、サブ画像の上半分に対応する画素データが出力されたことになる。続いて、出力回路1427は、サブ画像の左下方の領域と同じ表示内容を示す第3分割画像に対して、左右方向12に1ライン分の画素データを読み出して出力する処理と、サブ画像の右下方の領域と同じ表示内容を示す第4分割画像に対して、左右方向12に1ライン分の画素データを読み出して出力する処理とを交互に繰り返す。これにより、分割画像の下半分に対応する画素データが出力されたことになる。このように、出力回路1427は、サブ画像が分割されて描画された場合であっても、そのサブ画像が正しくEL画面60に表示されるように、分割画像の読み出しを行うことができる。
一方、縮小倍率が設定されている場合(ステップ306:YES)、描画エンジン1424は、分割画像を拡大してから、サブ画像としてEL表示器6に出力する(ステップ308)。具体的には、縮小倍率の逆数を拡大倍率として第1フレームバッファ1426A内の各分割画像に対して拡大処理を行い、拡大処理された分割画像を出力回路1427に出力させる。その結果、EL画面60の画面解像度と同じ画素数の画素データが出力される。例えば、縮小倍率が「0.5」に設定されている場合、描画エンジン1424は、拡大倍率2倍(=1/0.5)に設定する。そして、第1フレームバッファ1426Aに格納されている各分割画像をVRAM_RS上で2倍に拡大し、拡大処理した各分割画像をサブ画像として出力回路1427に出力させる。そして、画像音響制御部140は、描画処理が終了するまで上記ステップ290に戻って描画処理を繰り返す。
また、上記ステップ292においてEL画面60を未表示にすると判断された場合、描画エンジン1424は、上記ステップ299や304の処理と同様に、上記ステップ291の処理で第1フレームバッファ1426Aに描画した次のフレームの画像を表示するタイミングになるのを待つ(ステップ309)。そして、表示タイミングになった場合、出力回路1427は、メイン画像を第1フレームバッファ1426Aから読み出して液晶表示器5に出力する(ステップ310)。そして、画像音響制御部140は、描画処理が終了するまで上記ステップ290に戻って描画処理を繰り返す。
このように、本実施形態によれば、演出用のEL表示器6が移動可能に構成されているので、遊技者の視点が固定されにくいという利点がある。また、EL画面60を介して、液晶表示器5に表示された保留表示画像IMが視認可能な位置までEL表示器6が移動した場合、その保留表示画像IMに関連する情報を示す画像(表示情報IF)がEL画面60に表示されるので、2つの画面に表示された画像を重ね合わせて遊技者に報知するという従来にはない効果的な演出を行うことができる。
また、本実施形態によれば、サブ画像が第1フレームバッファ1426Aの空き領域に収まるように分割された状態で描画される。このため、必要以上に容量の大きいフレームバッファを設けることなく、液晶画面50に表示されるメイン画像と、EL画面60に表示されるサブ画像とを1個の描画エンジン1424によって1つのフレームバッファ(第1フレームバッファ1426Aまたは第2フレームバッファ1426B)に描画することが可能となり、その結果、2個の画像表示器を備えることによる製造コストの上昇を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、光センサ56の検知結果に基づいて検出されたEL画面60の位置に基づいて、サブ画像として表示される画像の表示内容が決定されるので、EL画面60の位置に応じた適切な画像をEL画面60に表示することができる。
また、本実施形態によれば、メイン画像を描画した後の第1フレームバッファ1426Aの空き領域にサブ画像を分割しなければ描画できない場合にのみサブ画像が分割画像として描画され、分割が不要な場合にはサブ画像が空き領域にそのまま描画される。このため、第1フレームバッファ1426Aの空き領域に対するサブ画像のサイズに応じた適切な描画処理を行うことができる。
ところで、特別装飾図柄等を表示するメインの液晶表示器に別の画像表示器がさらに設けられた遊技機を製造する場合、別設される画像表示器の画面解像度(サブ画像の垂直画素数×水平画素数)は、別設される画像表示器のサイズ等によって異なるものと考えられる。しかしながら、本実施形態によれば、第1フレームバッファ1426Aの空き領域に収まるように分割画像サイズおよび分割数が算出されて、その算出結果に基づいてサブ画像が分割画像として描画されるため、別設される画像表示器の画面解像度に応じて第1フレームバッファ1426Aへの描画処理を適切に行うことができる。
また、本実施形態によれば、EL画面60を支持するフレーム61の位置を光センサ56が検知することによってEL画面60の位置が検出されるので、例えばステッピングモータ29および30のステップ数に基づいてEL画面60の位置を検出する場合に比べて、EL画面60の位置を正確に検出することができる。その結果、液晶画面50に表示された画像とのずれが少ない最適なサブ画像をEL画面60に表示することができる。
また、本実施形態では、一例として液晶画面50の前面に画像を単色表示する透明なEL画面60が重ねられて2画面演出が行われるので、液晶画面50に他の表示画面が重ねられたことによる液晶画面50上の画像視認性の低下を抑制しつつ、視認性の高い画像をEL画面60に表示することができる。
また、本実施形態では、遊技者が演出キー38を操作した場合にのみEL表示器6が移動する。このため、例えば保留表示画像IMに関連する表示内容を確認したいときだけEL表示器6を移動させるというように、遊技者がEL表示器6を任意に移動させることができるので、遊技者による遊技が単調になるのを効果的に防止することができる。
[描画処理の他の例]
図40を用いて説明した描画処理の一例では、EL画面60が重畳するメイン画像の一部をコピーして生成されたコピー画像に、EL画面60にのみ表示される表示内容を示す差分画像(すなわち、表示情報IFを示す画像)を合成することによってサブ画像を生成している。したがって、サブ画像内にはメイン画像に表示されている画像と差分画像とが合成されて表示されることになり、サブ画像と重畳してメイン画像に表示されている画像と差分画像との間の表示位置ずれを防止することができる。すなわち、サブ画像と重畳してメイン画像に表示されている画像と差分画像とを精確に位置合わせする必要がある画像をEL画面60に表示する場合は、非常に有効な描画方法となる。しかしながら、サブ画像と重畳してメイン画像に表示されている画像と差分画像との位置ずれがある程度許容される画像をEL画面60に表示する場合は、他の描画処理を用いてもかまわない。以下、図44および図45を参照しつつ、描画処理の他の例について説明する。なお、図44は、画像音響制御部140(VDP142)によって行われる描画処理の他の例を示すフローチャートである。図45は、VDP142によって行われる描画処理の他の例について説明するための説明図である。なお、上記実施形態に係る画像音響制御部140(VDP142)によって行われる描画処理の一例(図40参照)の各処理と共通する処理については、同じステップ番号を付してその詳細な説明を省略する。
図44において、描画エンジン1424によるステップ291の処理で第1フレームバッファ1426Aにメイン画像が描画され、画像音響制御部140によってEL画面60に画像を表示すると判断された場合(ステップ292でYES)、画像音響制御部140のCPU141は、演出制御部130から送信されるEL画面60の位置情報に基づいて、EL画面60に表示すべきサブ画像の内容(表示情報IF)を決定する(ステップ311)。例えば、制御用ROM144には、保留内容に対応付けられた特別図柄抽選における当選の期待度を示す情報を示すサブ画像情報が記憶されており、CPU141は、演出制御部130から取得した位置情報および保留内容に対応するサブ画像情報を制御用ROM144から読み出してRAM145に格納する。そして、上記サブ画像情報を含む制御信号がVDP142へ出力される。
次に、描画エンジン1424は、CPU141からの制御信号に含まれているサブ画像情報が示すサブ画像を生成するために必要な素材データを画像用ROM148から読み出してVRAM_RS1425に格納して、その素材データを用いて、ステップ311の処理で決定された内容のサブ画像(表示情報IFを示す画像)を生成する(ステップ312)。そして、このサブ画像を基づいて、上述したステップ295以降の処理が行われる。図45には、このステップ312の処理で生成されたサブ画像が4個の分割画像として第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画された後、各分割画像が元のサブ画像として出力される様子が示されている。
[駆動機構10の他の例]
また、上述では、図7〜図10を用いてEL表示器6を移動させる駆動機構の一例を説明したが、他の態様の駆動機構を用いてもかまわない。以下、図46を用いて、EL表示器6を移動させる他の態様の駆動機構について説明する。
図46(a)に例示されるように、基台601と、基台601に設けられた軸605を中心として回動可能に連結されたアーム602と、アーム602に設けられた軸606を中心として回動可能に連結されたアーム603と、アーム603に設けられた軸607を中心として回動可能に連結されると共にEL表示器6に固設されるアーム604とを備える駆動機構を用いてもよい。当該駆動機構においては、ランプ制御部150の制御に応じて、各アーム602〜603の回動角度が任意に調整される。このような駆動機構であっても、各アーム602〜603の回動角度を調整することによって、遊技者の操作に応じてEL表示器6を移動させることが可能である。
また、図46(b)に例示されるように、遊技機1に設けられた軸702を中心として、アーム701の先端に固設された透過液晶ディスプレイ700を回動可能にすることによって、透過液晶ディスプレイ700が移動する駆動機構を用いてもよい。当該駆動機構においては、ランプ制御部150の制御に応じて、アーム701の回動角度が任意に調整される。この場合、図7〜図10を用いて説明した駆動機構10や図46(a)を用いて説明した駆動機構より、透過液晶ディスプレイ700が移動可能な範囲領域が限定されることになるが、駆動機構の構成が簡素であるため、遊技機1の製造コストを低減させることができる。
[その他の変形例]
上記実施形態では、光センサ56の検知結果に基づいてEL表示器6(EL画面60)の位置を検出する場合について説明したが、第1ステッピングモータ29および第2ステッピングモータ30のステップ数に基づいて、EL表示器6(EL画面60)の位置を検出するようにしてもよい。また、光センサ56の検知結果と第1ステッピングモータ29および第2ステッピングモータ30のステップ数とを組み合わせて、EL表示器6(EL画面60)の位置を算出するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、保留表示画像IMが液晶画面50に表示され、当該保留表示画像IMとEL画面60とが重なった場合に重なった保留表示画像IMに関する表示情報IFがEL画面60に表示される場合について説明した。しかしながら、遊技者に対して遊技機1の保留回数を標示する態様は、液晶画面50に保留表示画像を表示する態様でなくてもかまわない。例えば、液晶画面50とは異なる場所に設けられた複数のランプを有するインジケータを用い、当該ランプの点灯数によって保留回数を標示してもかまわない。この場合、点灯しているランプとEL画面60とが重なった場合に重なったランプの保留に対応する表示情報IFがEL画面60に表示され、保留ランプの物理的な位置と、光センサ56や第1ステッピングモータ29および第2ステッピングモータ30のステップ数を用いて検出されるEL表示器6の位置とに基づいて判定処理を行えばよい。
また、上述した実施形態では、遊技盤2に固定された画像表示器として液晶表示器5とは別に設けられた画像表示器として、単色表示する透明ELディスプレイを用いている。単色表示する透明ELディスプレイを用いることによって、2つの表示器が重なった場合に背後に位置する液晶表示器5の視認性を確保することが可能となるが、このような効果を期待しない場合、画面を透過する画像表示媒体であれば他のディスプレイを用いてもかまわない。例えば、画面を透過する画像表示媒体として透過型液晶ディスプレイや多色表示する透明ELディスプレイを用いて、液晶表示器5とは別に設けられた画像表示器を構成してもかまわない。
また、上記実施形態では、遊技機1が、遊技盤2に固定された画像表示器として液晶表示器5を備えている場合について説明したが、本発明は液晶表示器5を備えていない遊技機にも適用されてもよい。すなわち、画像表示器としてEL表示器6のみを有する遊技機に本発明が適用されてもよい。この場合、2つの画面を重ねた演出は行われず、2つの表示器が重なった場合に背後に位置する液晶表示器5の視認性を考慮する必要がないため、単色表示する透明ELディスプレイに代えて他の透過型画像表示媒体(例えば、透過型液晶ディスプレイや多色表示する透明ELディスプレイ)を用いることが考えられる。
また、上記実施形態では、遊技者による演出キー38の操作に応じてEL表示器6が移動する場合について説明したが、演出キー38等の入力手段からの操作情報の入力とは無関係に、EL表示器6を自動的に移動させるようにしてもよい。例えば、特別図柄抽選に当選する期待度が相対的に高い保留表示画像IMが液晶画面50に登場したことに応じて、当該保留表示画像IMとEL画面60とが重なるようにEL表示器6を自動的に移動させるようにしてもよい。この場合、遊技者は、EL表示器6が移動することによって特別図柄抽選に当選する期待度が相対的に高いものが保留されたことを知ることができるとともに、EL表示器6に表示された表示情報IFによってその保留内容を知ることが可能となる。
また、遊技者にEL表示器6を移動させる操作を促すために、演出キー38を発光させてもよい。例えば、保留表示画像IMが追加表示されたり、特別図柄抽選に当選する期待度が相対的に高い保留表示画像IMが液晶画面50に登場したりすることに応じて、演出制御部130がランプ制御部150へボタンランプ40の発光を指示する所定のコマンドを送信し、演出キー38に内蔵されたボタンランプ40を発光させる。この処理によって、遊技者に対して演出キー38の操作によってEL表示器6の移動が可能な状態であることが報知されるとともに、EL表示器6を移動させることによって遊技者にとって有益な情報が得られる期待感を抱かせることができる。
また、上述した説明では、遊技制御部100から得られる先読演出情報(先読演出コマンド)に基づいて、演出制御部130が先読演出を行うか否かを判断して保留表示画像IMの表示種別や保留演出を決定し、演出制御部130から出力される保留表示画像コマンドやサブ画像演出コマンドに応じて、画像音響制御部140が画像処理することによって保留表示画像IMや表示情報IFが表現される例を用いたが、各処理段階を他の制御部が行ってもかまわない。例えば、遊技制御部100から得られる先読演出コマンドに基づいて、画像音響制御部140が先読演出を行うか否かを判断して保留表示画像IMの表示種別や保留演出を決定し、当該決定内容に応じて画像処理することによって保留表示画像IMや表示情報IFを表現してもかまわない。また、遊技制御部100が先読演出を行うか否かを判断し、演出制御部130が当該判断結果に基づいて保留表示画像IMの表示種別や保留演出を決定し、演出制御部130から出力される保留表示画像コマンドやサブ画像演出コマンドに応じて、画像音響制御部140が画像処理することによって保留表示画像IMや表示情報IFを表現してもかまわない。また、遊技制御部100から得られる先読演出コマンドに基づいて、演出制御部130が先読演出を行うか否かを判断し、当該判断結果に基づいて画像音響制御部140が保留表示画像IMの表示種別や保留演出を決定し、当該決定内容に応じて画像処理することによって保留表示画像IMや表示情報IFを表現してもかまわない。
また、上記説明では、特別図柄抽選における当選の期待度が相対的に高いことを示すために、他とは異なる特殊保留表示画像で保留表示画像IMを表示する例を用いたが、常に通常保留表示画像となった保留表示画像IMを表示してもかまわない。全て通常保留表示画像で保留表示画像IMが表示されている場合であっても、表示されている保留表示画像IMにEL画面60を重ねることによって保留表示画像IMに関する情報をEL画面60に表示することが可能であり、遊技者がEL画面60に表示された表示情報IFを見ることによって、特別図柄抽選における当選を期待させることができるとともに、新たな演出効果を加えることができる。
また、上述した説明では、第1始動口21に遊技球が入賞した場合に行われる特別図柄抽選が保留されることによって表示される保留表示画像IMの一例を用いたが、第2始動口22に遊技球が入賞した場合に行われる特別図柄抽選が保留されることによって表示される保留表示画像に対しても同様の表示処理を行ってもかまわない。
また、図32等を用いた説明では、判定対象となっている保留内容が「はずれ」、「リーチ」、「小当たり」の場合、何れも抽選対象とはしない例を用いているが、これらの保留内容に対しても先読演出の抽選対象としてもかまわない。この場合、上述したように、先読演出抽選処理(ステップ915)においては、「保留内容が大当たりの場合に先読保留演出を行う確率」>「保留内容が小当たりの場合に先読保留演出を行う確率」>「保留内容がリーチの場合に先読保留演出を行う確率」>「保留内容がはずれの場合に先読保留演出を行う確率」に設定することが好ましい。また、上記保留内容に対しても先読演出の抽選対象とする場合、保留表示画像選択テーブルデータD42(図33)において、上記保留内容(「はずれ」、「リーチ」、「小当たり」)それぞれに対しても特殊A画像や特殊B画像を当該表示画面に表示する確率(乱数値)を記述すればよい。
また、上述した遊技機1に設けられている各構成要素の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられる係数、判定値、数式、処理順序等は、単なる一例に過ぎず他の値や数式や処理順序であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
また、本発明で用いられるプログラムは、遊技機1内部の不揮発性記憶装置に予め記録されているだけでなく、光ディスク等の外部記憶媒体を通じて遊技機1に供給されたり、有線または無線の通信回線を通じて遊技機1に供給されたりしてもよい。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。また、当業者は、本発明の具体的な実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。