JP2011244564A - モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】リングバリスタやコンデンサなどを用いなくても、モータの構造を変更するだけでスパークを効果的に防止できるモータ。
【解決手段】シャフト1やアーマチュア、スロット11、複数のコイル、マグネット、コミュテータ、複数のセグメント15、正極ブラシ5a及び負極ブラシ5bを備える。前記複数のコイルの各コイルが、第1コイルと、前記第1コイルと逆向きに巻回される第2コイルと、を含むモータである。前記正極ブラシ5a及び負極ブラシ5bを通じて、前記各コイルに一定の周期で電流が供給され、前記各コイルにおける前記第1コイル及び前記第2コイルに供給される電流が、同一の巻回方向に流れるように設定されており、これら第1コイル及び第2コイルへの電流の供給タイミングがずれるように、前記正極ブラシ5a及び前記負極ブラシ5bが配置されている。
【選択図】図14

Description

本発明は、ブラシ付モータに関する。
ブラシ付モータでは、回転するコンミテータに摺接(摺れながら接触)するブラシを通じてアーマチュアに電流が供給され、モータが回転する。その際、ブラシとコンミテータとの間で火花放電(スパーク)が発生するおそれがある。
図21に、例えば、正極ブラシ101とコンミテータ102との関係を表した模式図を示す。図中、103a,103bは互いに隣接してコンミテータ102に配設されている第1、第2のセグメントである。同図では、コンミテータ102の回転により、第1、第2のセグメント103a,103bは正極ブラシ101に対して白抜き矢印が示す方向に変位する。
巻線構造にもよるが、通常、第1、第2のセグメント103a,103bを含め、コンミテータ102の各セグメントはコイル等を介して電気的に接続されているため、正極ブラシ101に摺接しているセグメントから、負極ブラシに摺接しているセグメントに向かって電流が流れる。
従って、同図の(a)に示すように、正極ブラシ101が第1のセグメント103aに摺接しているときには、第1のセグメント103aからコイルや他のセグメント等を経由して第2のセグメント103bに向かって電流が流れる。コンミテータ102が回転して、正極ブラシ101が第1のセグメント103aから離れて第2のセグメント103bに摺接すると、今度は、同図の(b)に示すように、第2のセグメント103bからコイルや他のセグメント等を経由して第1のセグメント103aに向かって電流が流れる。
このようにブラシと摺接するセグメントが切り替わる時、極短時間で電流の流れる方向が逆転するため、コイルのインダクタンスによって電流の急激な変化に比例した所謂サージ電圧が発生し、このサージ電圧等の作用によってスパークが発生する。スパークが発生すると、ブラシの寿命が短くなり、モータの耐久性が低下する。
特に、巻線方式に集中巻を採用したモータは、分布巻を採用したモータよりも小型化や高出力化には有利であるが、スパークが発生し易い傾向がある。
集中巻を採用したモータの中には、1つのティースに複数のコイルを形成するモータがある(例えば、特開2009−183114号公報参照)。そこでの各ティースには、順方向に巻回された第1コイルと、第1コイルの逆方向に巻回された第2コイルとが備えられている。
特開2009−183114号公報
従来より、スパークの発生を抑制するために、例えば、コンミテータにリングバリスタを組み込むことが行われている。しかし、リングバリスタは、取り付け難いうえに、高温下での使用に不向きで駆動電圧が限られるなど、使用条件が限られる難点がある。
また、コンデンサを利用してスパークの発生を抑制する技術もいくつか提案されている。しかし、限られた小さなスペースにコンデンサを組み込む必要があり、取り付けが難しく、生産性に欠ける。特に、モータが小さい場合に問題となる。また、コンデンサは、通常、はんだ付けにより接合されているため、高温下では使用できないという不利もある。
本発明の目的は、リングバリスタやコンデンサなどを用いなくても、モータの構造を変更するだけでスパークを効果的に防止できるモータを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、特に、同じティースに巻かれている複数のコイルの整流タイミングがずれるように、ブラシの配置を工夫した。
具体的には、本発明のモータは、回転可能なシャフトと、前記シャフトに同軸に固定され、半径方向に放射状に張り出す複数のティースを有するアーマチュアと、互いに隣接する2つの前記ティースの間に設けられる複数のスロットと、前記複数のティースのそれぞれに、前記スロットに通しながら導電線を巻回して形成される複数のコイルと、前記アーマチュアの周囲に該アーマチュアと隙間を隔てて設けられ、周方向にN極とS極とが交互に並ぶ磁極を有するマグネットと、前記アーマチュアに隣接して前記シャフトに同軸に固定されるコミュテータと、前記コミュテータの外周面に周方向に並んで設けられ、前記複数のコイルと接続される複数のセグメントと、前記複数のセグメントのうち、いずれかのセグメントに摺接して該セグメントに電流を供給する正極ブラシ及び負極ブラシと、を備え、前記複数のコイルの各コイルが、第1コイルと、前記第1コイルと逆向きに巻回される第2コイルと、を含み、前記正極ブラシ及び負極ブラシを通じて、前記各コイルに一定の周期で電流が供給され、前記各コイルにおける前記第1コイル及び前記第2コイルに供給される電流が、同一の巻回方向に流れるように設定されており、これら第1コイル及び第2コイルへの電流の供給タイミングがずれるように、前記正極ブラシ及び前記負極ブラシが配置されている。
本構成のモータでは、各コイルが、第1コイルと、第1コイルと逆向きに巻回される第2コイルとを含んでいる。正極ブラシ及び負極ブラシを通じて、各コイルに一定の周期で電流が供給され、各コイルにおける第1コイル及び第2コイルに供給される電流が、同一の巻回方向に流れるように設定されている。そして、これら第1コイル及び第2コイルへの電流の供給タイミングがずれるように、正極ブラシ及び負極ブラシが配置されている。
その結果、電流が供給される各コイルの第1コイルと第2コイルでは、整流のタイミングにズレが発生し、電流変化率が低下するため、スパークの発生が効果的に抑制される。
本発明によれば、リングバリスタやコンデンサなどを用いなくても、巻線構造やブラシの配置を変更するだけでスパークを効果的に防止できる。従って、耐久性や汎用性に優れたモータを提供することができる。
図1は、本実施形態のモータの概略断面図である。 図2は、図1におけるI−I線での概略断面図である。 図3は、バックカバーを外し、図1における矢印II方向から見た概略平面図である。 図4は、ティース等とセグメントとの位置関係を示す図である。 図5の(a),(b)は、巻線構造を説明するための図である。 図6は、巻線の順序を説明するための図である。 図7は、図6に続く巻線の順序を説明するための図である。 図8は、図7に続く巻線の順序を説明するための図である。 図9は、図8に続く巻線の順序を説明するための図である。 図10は、図9に続く巻線の順序を説明するための図である。 図11は、図10に続く巻線の順序を説明するための図である。 図12は、図11に続く巻線の順序を説明するための図である。 図13は、各コイルの構造を説明するための図である。 図14は、ブラシの配置を説明するための図である。 図15は、セグメントの切り替わり時の電流変化を示す概念図である。 図16は、本実施形態のモータにおける所定状態での電流の流れ変化を説明するための図である。 図17は、本実施形態のモータにおける所定状態での電流の流れ変化を説明するための図である。 図18は、本実施形態のモータにおける所定状態での電流の流れ変化を説明するための図である。 図19は、本実施形態のモータにおける所定状態での電流の流れ変化を説明するための図である。 図20は、ブラシの配置の変形例を示す図である。 図21は、スパークの発生を説明するための図である。 図22は、従来のモータにおけるブラシの配置を説明するための図である。 図23の(a)、(b)は、従来のモータにおける所定状態での電流の流れ変化を説明するための図である。 図24の(a)、(b)は、従来のモータにおける所定状態での電流の流れ変化を説明するための図である。 図25は、従来のモータにおけるセグメントの切り替わり時の電流変化を示す概念図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限するものではない。
(モータの構成)
図1〜図4等に、本実施形態のモータを示す。このモータは、DCモータであり、シャフト1やアーマチュア2、マグネット3、コミュテータ4、ブラシ5などを備え、これらがハウジング6に収容されている。
図1に示すように、ハウジング6は、一端が開口する扁平な略円筒状のケース6aと、ケース6aの開口を塞ぐバックカバー6bとを備える。これらケース6a及びバックカバー6bの略中央にベアリング7,7を介してシャフト1が回転可能に支持されている。シャフト1には、アーマチュア2やコミュテータ4が同軸に固定されている。
図2に示すように、アーマチュア2には、シャフト1の軸方向の中間部分に固定された円盤状のコア8と、コア8の外周から半径方向に等間隔で放射状に張り出す略T字状をした複数のティース9,9,…と、これらティース9,9,…に設けられた一群のコイル10,10,…とが備えられている。コア8及びティース9は金属板を軸方向に積層して形成されている。本実施形態では、ティース9は12個形成されていて、互いに隣接する2つのティース9の間には、それぞれスロット11,11,…が形成されている(12スロット)。
これら各スロット11,11,…の間を通るように、各ティース9にインシュレータを介して導電線12が巻回され、各ティース9ごとにコイル10が形成されている(集中巻き)。従って、コア8の外周部分には12個のコイル10,10,…が形成されている。
マグネット3は、4つのN極及び4つのS極からなる複数の磁極3aを有し、環状に形成されている。マグネット3は、アーマチュア2の外周面と僅かな隙間を隔てて対向するようにケース6aの内周面に固定されている。各磁極3aは、周方向にN極とS極とが交互に並んでいる(8ポール)。マグネット3が固定されたハウジング6の周壁は、バックヨークを兼ねている。
コミュテータ4は、アーマチュア2に隣接してシャフト1の端部分に固定されている。コミュテータ4の外周面には、帯板状の複数のセグメント15,15,…が、その長手方向を軸方向に向けて、互いに絶縁された状態で周方向に連続して等間隔で固定されている。本実施形態では、セグメント15は24個設けられている(24セグメント)。すなわち、本実施形態のモータは、所謂8ポール12スロット24セグメントのモータである。
各セグメント15のアーマチュア2側の端部には、導電線12を掛けて止めるための掛止部15aが一体に設けられている。これら掛止部15aには、一群のコイル10,…,10から導出された導電線12が掛け止められ、掛止部15aと導電線12とが溶接されている。従って、各セグメント15は一群のコイル10,…,10と電気的に接続されている。
図3に示すように、ブラシ5は、ハウジング6内に配置されたブラシプレート16に組み付けられている。ブラシプレート16は、円盤状の部材からなり、その中央にはコミュテータ4の外径より大径の丸孔16aが形成されている。この丸孔16aにシャフト1が挿通され、丸孔16aの内側にはコミュテータ4が位置している。
本実施形態のブラシ5は、2個の正極ブラシ5a,5aと2個の負極ブラシ5b,5bとで構成されている。これらブラシ5a,…,5bは、コミュテータ4の周囲に配設されている。各ブラシ5a,…,5bは、それぞれ、ブラシプレート16の半径方向に沿って延びるように配置され、丸孔16aに向かって出退自在に支持されている。各ブラシ5a,…,5bの丸孔16a側の端部はスプリング5cによってコミュテータ4の外周面に押し付けられている。各ブラシ5a,…,5bの先端は各セグメント15と軸方向に線接触している。
従って、コミュテータ4が回転すると、各ブラシ5a,…,5bの先端は各セグメント15と周期的に摺接し、電気的に接続される。各ブラシ5a,…,5bは、接続端子17を介して図外の制御装置等と接続され、各セグメント15には、そこから各ブラシ5a,…,5bを介して電流が供給される。なお、各ブラシ5a,…,5bの配置については、別途後述する。
(巻線構造)
12個のコイル10,10,…は、1本の導電線12を連続的に巻回することにより形成されている。すなわち、各セグメント15の掛止部15aに導電線12の所定部位を掛け止めながら、各ティース9に1本の導電線12を連続的に巻回することにより、12個のコイル10,…,10を形成している。
図4に示すティース9とセグメント15との配置に基づき、巻線構造について詳しく説明する。反時計回り(CCW)及び時計回り(CW)のいずれでもよいが、便宜上、同図に示すように、各ティース9のそれぞれは、所定のティース9から時計回りに1〜12の番号を順に付して区別する。同様に、各コイル10もそのコイルが形成されているティース9と同じ番号により区別する。また、各セグメント15のそれぞれは、1番の番号を付したティース9の近傍の所定のセグメント15からティース9と同じ時計回りに1〜24の番号を順に付して区別する。
図5に、導電線12の巻き付け順序を表した概念図を示す。同図の(a)はティース9とセグメント15とを平面状に表し、導電線12の巻き付け順序を矢印線で示したものである。同図の(b)は巻き付けた導電線12の構成を模式的に示したものである。また、図6〜図12のそれぞれに、導電線12の巻き付け順序を複数に分けて表した図を示す。
図6に示すように、例えば、1番のセグメント15を巻き始め端(図中、黒丸で示す)とした場合、まず、1番のティース9と2番のティース9の間のスロット11を通して、ティース9におけるコミュテータ4の無い側(ティース9側)に導出し、3番のティース9と4番のティース9の間のスロット11を通して、ティース9におけるコミュテータ4の有る側(コミュテータ4側)に導出する。導出した導電線12は7番のセグメント15に引っ掛ける。つまり、1番のセグメント15と7番のセグメント15とは短絡している。
7番のセグメント15に引っ掛けた導電線12は、4番のティース9と5番のティース9の間のスロット11から通して、4番のティース9に所定回数巻き付けてコイル10を形成する。このコイル10は、ティース9の先端側から見て反時計回り(CCW)に形成されている(図5の(a)にて太線で示す)。そして、8番のセグメント15に引っ掛けた後、3番のティース9と4番のティース9の間のスロット11を通してティース9側に導出し、1番のティース9と2番のティース9の間のスロット11を通してコミュテータ4側に導出する。導出した導電線12は2番のセグメント15に引っ掛ける。つまり、8番のセグメント15と2番のセグメント15とは短絡している。
2番のセグメント15に引っ掛けた導電線12は、11番のティース9と12番のティース9との間のスロット11から通して、12番のティース9に所定回数巻き付けてコイル10を形成する。このコイル10は、ティース9の先端側から見て時計回り(CW)に形成されている(図5の(a)にて細線で示す)。そして、3番のセグメント15に引っ掛けた後、2番のティース9と3番のティース9の間のスロット11を通してティース9側に導出し、4番のティース9と5番のティース9の間のスロット11を通してコミュテータ4側に導出する。導出した導電線12は9番のセグメント15に引っ掛ける。つまり、3番のセグメント15と9番のセグメント15とは短絡している。
9番のセグメント15に引っ掛けた導電線12は、5番のティース9と6番のティース9との間のスロット11から通して、5番のティース9に所定回数巻き付けてコイル10を形成する。このコイル10は、ティース9の先端側から見て反時計回り(CCW)に形成されている。そして、10番のセグメント15に引っ掛けた後、先と同様にして4番のセグメント15に引っ掛ける。
4番のセグメント15に引っ掛けた導電線12は、12番のティース9と1番のティース9との間のスロット11から通して、1番のティース9に所定回数巻き付けてコイル10を形成する。このコイル10は、ティース9の先端側から見て時計回り(CW)に形成されている。そして、5番のセグメント15に引っ掛ける(その端部を図6において白丸で示す)。
後は、これと同様に、図7〜図12に示す順序に従って導電線12を各セグメント15に掛け止め、各ティース9に巻き付けて12個のコイル10を形成する。このように、1本の導電線12を連続的に巻き付けて形成しているため、巻線作業が容易である。巻線機で自動的に処理することも可能であり、生産性に優れる。また、導電線12における各セグメント15間、もしくは各ティース9間を渡って設けられる部分(均圧線)は、ティース側に偏在しているため、製造過程やモータの回転中などに、均圧線の部分がシャフト1等に不用意に引っ掛かるのを防ぐことができる。各セグメント15に掛け止められた導電線12の部分は、溶接によりそのセグメント15と接続される。
このようにして形成される巻線構造は、前半部分と後半部分とで点対称状になっている。すなわち、図5の(a)に示すように、巻線構造を軸方向から見て巻き始め側と巻き終わり側とに2分したとき、換言すれば、1〜6番のコイル10及び1〜12番のセグメント15(第1巻線構造20a)と、7〜12番のコイル10及び13〜24番のセグメント15(第2巻線構造20b)とに分けたとき、第1及び第2の巻線構造20a,20bは、シャフト1の軸中心に対して点対称な構造となっている。
それに合わせて、本実施形態では、正極ブラシ5a及び負極ブラシ5bは、第1巻線構造20a及び第2巻線構造20bにそれぞれ1つずつ(合計4つ)設けられている。更に均圧線を設けることで、正極ブラシ5a及び負極ブラシ5bを全体で1つずつ(合計2つ)設けることもできるが、このように各ブラシを2つずつ設けて所定の電流を2箇所から供給することで、導電線12の線径に対する電流量を小さくできるようになり、効率よく電流を供給することができる。なお、ブラシが4つの場合には、同極のブラシが互いに対向する180°の配置になるため、均圧線は90°での接続になる。
図13に示すように、また、各コイル10は、ティース9の先端側から見て時計回り(CW)の第1コイル21と、第1コイル21と逆向きに巻回され、ティース9の先端側から見て反時計回り(CCW)の第2コイル22とで構成されている。
更に、12個のコイル10は、それぞれ4つのコイルで構成されるU相、V相、及びW相からなる3つのコイル群を構成するように設定されている。例えば、1番、4番、7番、10番の位置の各コイル10がU相を構成し、2番、5番、8番、11番の位置の各コイル10がV相を構成し、3番、6番、9番、12番の位置の各コイル10がW相を構成している。
これら各コイル群を構成する各コイル10には、正極ブラシ5a及び負極ブラシ5bを通じて、一定の周期で電流が供給されるように設定されている。その際、各コイル10の第1コイル21及び第2コイル22に供給される電流は、同一の巻回方向に流れるように設定されている。
図13において、例えば、ティース9の先端側から見て時計回り(CW)に電流が流れるコイル10には、第1コイル21の巻き始め端側に正極ブラシ5aが接続され、その巻き終わり端側に負極ブラシ5bが接続される。そして、第2コイル22の巻き始め端側に負極ブラシ5bが接続され、その巻き終わり端側に正極ブラシ5aが接続される。
ただし、これらU相、V相、W相の各コイル群を構成している各コイル10の第1コイル21及び第2コイル22への電流の供給に際しては、そのタイミングが所定量だけずれるように、正極ブラシ5a及び負極ブラシ5bの配置が工夫されている。これら第1コイル21及び第2コイル22への電流の供給タイミングをずらすことで、スパークの発生を効果的に防止することができる。
図22に、従来のモータのブラシの配置の一例を示す。通常、モータの出力を最大限に発揮させるため、各相における各コイル10の第1コイル21及び第2コイル22への電流の供給が同期するように、正極ブラシ5a及び負極ブラシ5bは配置される(同期供給位置)。従って、そのような従来の考え方であれば、本実施形態のモータと同じ構成の場合、同図に示すように、正極ブラシ5a及び負極ブラシ5bは、それぞれ中心角で45度離れた位置に設置される。なお、同じ部材は同じ符号を用いて説明する。
図23に示すように、例えば、一方の正極ブラシ5aが1番のセグメント15に摺接し、他方の正極ブラシ5aが13番のセグメント15に摺接し、一方の負極ブラシ5bが4番のセグメント15に摺接し、他方の負極ブラシ5bが16番のセグメント15に摺接しているとする。この状態では、例えば、同図の(b)に示すように、1番のコイル10に着目すると、その第1コイル21及び第2コイル22には、1番のティース9の先端側から見て反時計回り(CCW)に同期して電流が流れている(プラス接続期間t1)。なお、図中、同じ模様でハッチングしたセグメント15は同電位にあることを示している。
次に、シャフト1が回転して、一方の正極ブラシ5aが1番と2番の2つのセグメント15に摺接し、他方の正極ブラシ5aが13番と14番の2つのセグメント15に摺接し、一方の負極ブラシ5bが4番と5番の2つのセグメント15に摺接し、他方の負極ブラシ5bが16番と17番の2つのセグメント15に摺接したとする。この状態では、1番のコイル10は短絡するため、その第1コイル21及び第2コイル22には電流は流れない(整流期間t2)。
図24に示すように、更に、シャフト1が回転して、一方の正極ブラシ5aが1番のセグメント15から離れ、他方の正極ブラシ5aが13番のセグメント15から離れ、一方の負極ブラシ5bが4番のセグメント15から離れ、他方の負極ブラシ5bが16番のセグメント15から離れたとする。そうすると、同図の(b)に示すように、電流の流れる方向が逆転し、1番のコイル10の第1コイル21及び第2コイル22には、1番のティース9の先端側から見て時計回り(CW)に同期して電流が流れるようになる(マイナス接続期間t3)。
図25にその時の電流変化を模式的に示す。縦軸は電流量、横軸は経過時間を表している。実線が第1コイル21の電流、破線が第2コイル22の電流である。同図に示すように、第1コイル21及び第2コイル22に流れる電流は同期して変化する。
プラス接続期間t1の各コイル20,21にはプラスの電流が流れていて、整流期間t2に入るとその電流値は徐々に減少する。そして、マイナス接続期間t3に入ると、マイナスの電流が流れるようになる。ところが、その切り替わりの際、各コイル20,21には電流が流れ切れずに残るため、電流が急激に変化(減少)する。その大きな電流変化率に起因してスパークが発生する。
それに対し、図14に示すように、本実施形態のモータでは、負極ブラシ5b及び正極ブラシ5aが、同期供給位置から中心角で所定のズレ角度θずれた位置に配置されている。具体的には、互いに近接する負極ブラシ5bと正極ブラシ5aとが、中心角で実質的に50度離れた位置に配置されている。換言すれば、各負極ブラシ5bが、その同期供給位置から中心角で実質的に5度(ズレ角度θ)、対応する正極ブラシ5aから離れて位置している。なお、ここでいう実質的とは、製造上生じるばらつきを含むとの意味である。
図15に、この場合の電流変化を模式的に示す。負極ブラシ5bと正極ブラシ5aとが同期供給位置からずれて配置される結果、各コイル10では、第1コイル21と第2コイル22とで整流のタイミングにずれが発生する。
図16に示すように、この場合では、例えば、各正極ブラシ5aが1番、13番の各セグメント15に摺接した状態で、各負極ブラシ5bが4番と5番、16番と17番のそれぞれ2つのセグメント15,15に摺接する。この時、同図の(b)に示すように、1番のコイル10の第2コイル22は電流が流れている。そして、1番のコイル10の第1コイル21は短絡されている(同じ模様のセグメント15は同電位)。
図15に示すように、この時、1番のコイル10では、第2コイル22がプラス接続期間(第2プラス接続期間t12)にあり、電流が流れている状態で、第1コイル21は、プラス接続期間(第1プラス接続期間t11)から整流期間(第1整流期間t21)に入り、短絡されて電流量が減少する。その結果、その第1コイル21の電流変化により、第2コイル22に電圧が誘導され、第2コイル22を流れる電流が僅かに増加する。
図17のように、続いて、各正極ブラシ5aもそれぞれ1番と2番、13番と14番の2つのセグメント15,15に摺接すると、第2コイル22も短絡されて整流期間(第2整流期間t22)に入る。そうすると、第2コイル22も電流量が減少するため、第1コイル21及び第2コイル22は、互いに電圧を誘導し合い、同様の電流変化率で電流量が減少する。その結果、各コイル20,21にプラスの電流が残り難くなるため、スパークの発生が効果的に減少する。
図18のように、そして、各負極ブラシ5bが、4番や16番のセグメント15から離れると、第1コイル21は、マイナス接続期間(第1マイナス接続期間t31)に入って電流が流れる。その際、第2コイル22の電流変化により、第1コイル21に電圧が誘導され、第1コイル21を流れる電流が僅かに変化する。
図19のように、続いて、各正極ブラシ5aが、1番や13番のセグメント15から離れると、第2コイル22もマイナス接続期間(第2マイナス接続期間t32)に入り、第1コイル21及び第2コイル22に電流が流れる。
このように各ブラシ5a,5bと摺接するセグメント15が切り替わる時に、各コイル10の第1コイル21と第2コイル22とで整流のタイミングにずれを発生させることにより、スパークの発生を効果的に抑制することができる。リングバリスタやコンデンサなどを用いなくても、巻線構造やブラシの配置を変更するだけでスパークを効果的に防止できる。従って、耐久性や汎用性に優れたモータを提供することができる。
負極ブラシ5b及び正極ブラシ5aは、同期供給位置から僅かでもずれていればよいが、製造上、安定してずらすためには、少なくともズレ角θを2度以上に設定するのが好ましい。この場合、例えば、危険率5%でズレ角θの平均値が2度以上となるように管理すればよい。
更に、ズレ角θは、1つのセグメント15に対する中心角(本実施形態では15度)以下に設定するのが好ましい。ズレ角θを大きくすればするほど、スパークの発生は軽減できるが、モータの出力は低下する。それに対し、ズレ角θを1つのセグメント15に対する中心角以下に設定すれば、モータ出力の低下を抑制しながら、スパークの発生を効果的に軽減することができる。
(変形例)
複数の負極ブラシ5b及び正極ブラシ5aを設ける場合、同極のブラシ5は電気角で0度と90度の位置に配置できる。従って、本実施形態のモータの場合、機械角で180度離して配置するのではなく、例えば、図20に示すように、同極の各ブラシ5を機械角で90度離して配置できる。
なお、本発明にかかるモータは、前記の実施の形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
例えば、負極ブラシ5b及び正極ブラシ5aをずらす方向は離れる方向にずらすだけなく、互いに近づく方向にずらしてもよい。もちろん、負極ブラシ5b及び正極ブラシ5aは相対的にずれていればよく、負極ブラシ5bではなく、正極ブラシ5aをその同期供給位置からずらしてもよい。
本実施形態のモータのように、8ポール12スロット24セグメントのモータに限らず、2ポール3スロット6セグメントのモータ等にも適用できる。
本発明のモータは、エンジンのクーリングファン用モータなど、車載モータに利用できる。特に、一方向に回転するモータに好適である。
1 シャフト
2 アーマチュア
3 マグネット
3a 磁極
4 コミュテータ
5a 正極ブラシ
5b 負極ブラシ
9 ティース
10 コイル
11 スロット
12 導電線
15 セグメント
21 第1コイル
22 第2コイル

Claims (6)

  1. 回転可能なシャフトと、
    前記シャフトに同軸に固定され、半径方向に放射状に張り出す複数のティースを有するアーマチュアと、
    互いに隣接する2つの前記ティースの間に設けられる複数のスロットと、
    前記複数のティースのそれぞれに、前記スロットに通しながら導電線を巻回して形成される複数のコイルと、
    前記アーマチュアの周囲に該アーマチュアと隙間を隔てて設けられ、周方向にN極とS極とが交互に並ぶ磁極を有するマグネットと、
    前記アーマチュアに隣接して前記シャフトに同軸に固定されるコミュテータと、
    前記コミュテータの外周面に周方向に並んで設けられ、前記複数のコイルと接続される複数のセグメントと、
    前記複数のセグメントのうち、いずれかのセグメントに摺接して該セグメントに電流を供給する正極ブラシ及び負極ブラシと、
    を備え、
    前記複数のコイルの各コイルが、
    第1コイルと、
    前記第1コイルと逆向きに巻回される第2コイルと、
    を含み、
    前記正極ブラシ及び負極ブラシを通じて、前記各コイルに一定の周期で電流が供給され、
    前記各コイルにおける前記第1コイル及び前記第2コイルに供給される電流が、同一の巻回方向に流れるように設定されており、これら第1コイル及び第2コイルへの電流の供給タイミングがずれるように、前記正極ブラシ及び前記負極ブラシが配置されているモータ。
  2. 請求項1に記載のモータにおいて、
    前記正極ブラシ及び前記負極ブラシのそれぞれは、前記コミュテータの周囲において半径方向に延びるように配置され、
    前記負極ブラシ及び前記正極ブラシは、前記第1コイル及び前記第2コイルに同期して電流を供給する所定の同期供給位置から、中心角で所定のズレ角度ずれた位置に配置され、
    前記ズレ角度が2度以上に設定されているモータ。
  3. 請求項2に記載のモータにおいて、
    前記ズレ角度が、1つの前記セグメントに対する中心角以下に設定されているモータ。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のモータにおいて、
    前記磁極、前記スロット、及び前記セグメントの各個数の比が、この順に2:3:6に設定されているモータ。
  5. 請求項4に記載のモータにおいて、
    前記磁極、前記スロット、及び前記セグメントの各個数が、この順に8:12:24に設定され、
    前記複数のコイルが、それぞれ4つのコイルで構成されるU相、V相、及びW相からなる3つのコイル群で構成され、
    前記複数のコイルを所定のコイルから順に周方向に1番〜12番の番号を付した場合、前記U相、V相、W相の各コイル群を構成する各コイルは、それぞれ、この順に3n+1、3n+2、3n+3(nは0,1,2,3)番目の位置に配置され、
    前記負極ブラシ及び前記正極ブラシが、中心角で実質的に50度離れた位置に配置されているモータ。
  6. 請求項5に記載のモータにおいて、
    前記複数のセグメントを所定のセグメントから順に周方向に1番〜24番の番号を付した場合、前記複数のコイル及び前記複数のセグメントのうち、1〜6番目の前記各コイル及び1〜12番の前記各セグメントで構成される第1巻線構造と、7〜12番目の前記各コイル及び13〜24番の前記各セグメントとで構成される第2巻線構造とが、それぞれ対称状に形成され、
    前記第1巻線構造及び前記第2巻線構造のそれぞれに対し、前記負極ブラシ及び前記正極ブラシが1つずつ設けられているモータ。
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