JP2011242150A - 凹曲面接着試験装置及び凹曲面接着試験方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粘着性シートの接着状態を試験する凹曲面接着試験装置1において、凹曲面接着試験装置1は、凹曲面貼り付け冶具30と、凹曲面押圧装置10を有する。凹曲面貼り付け冶具30は、中央部に凹曲面部32と、凹曲面部の両側に平坦部33が形成される。凹曲面押圧装置10は、冶具保持部17aと、膨張部材保持ユニット20を有する。膨張部材保持ユニット20は、下面に膨張可能な軟質部材の膨張部材21が取付けられ、膨張部材21が所定の圧力で膨張して、凹曲面貼り付け冶具30の平坦部33に接着された粘着性シート50を凹曲面貼り付け冶具30の凹曲面部32に圧着する。粘着性シート50が伸長状態のままで凹曲面部32からの剥がれ具合を測定する。
【選択図】図3
Description
さらに、日本工業規格 JISZ 0237:2009「粘着テープ・粘着シート試験方法」があるが、一定荷重の試験方法であり、所定の剥離角度で測定したせん断剥離を測定する方法であり、凹曲面部に使用する粘着テープに評価としては充分ではなかった。
しかしながら、一般に凹曲面の形状は3次元的に複雑であり、粘着シートの接着時の圧力を定量的に設定することが難しく、伸長歪も複雑であり、評価結果の標準化や規格化が困難であった。また、実際の製品の評価結果を得るために、実際の樹脂製品の基材に粘着性シートを接着して用いるため、試験の手間とコストがかかっていた。
凹曲面接着試験装置は、粘着性シートを接着する凹曲面貼り付け冶具と、凹曲面貼り付け冶具に粘着性シートを押圧する凹曲面押圧装置を有し、
凹曲面貼り付け冶具は、中央部に所定の曲率と深さを有する凹曲面部と、凹曲面部の両側に平坦部が形成され、平坦部に粘着性シートが接着可能に形成され、
凹曲面押圧装置は、凹曲面貼り付け冶具を保持する冶具保持部と、保持された凹曲面貼り付け冶具の上部に昇降可能な膨張部材保持ユニットを設け、膨張部材保持ユニットは、下面に膨張可能な軟質部材の膨張部材が取付けられ、膨張部材保持ユニットが凹曲面貼り付け冶具の上部に近接して、膨張部材が所定の圧力で膨張するとともに、凹曲面貼り付け冶具の平坦部に接着された粘着性シートを凹曲面貼り付け冶具の凹曲面部に圧着可能に形成され、
粘着性シートが伸長状態のままで凹曲面貼り付け冶具の凹曲面部からの剥がれ具合を測定可能としたことを特徴とする凹曲面接着試験装置である。
その後、粘着性シートが伸長状態の所定の条件のもとで、室温における経時変化や所定の温度における環境負荷をかけた後に、粘着性シートの凹曲面部からの剥がれ具合を測定することができる。このため、粘着性シートをさまざまな条件のもとで、粘着性シートの伸長状態と、接着力を測定することができる。
凹曲面接着試験方法は、粘着性シートを接着する凹曲面貼り付け冶具と、凹曲面貼り付け冶具に粘着性シートを押圧する凹曲面押圧装置を使用し、
中央部に所定の曲率と深さを有する凹曲面部と、凹曲面部の両側に平坦部が形成された凹曲面貼り付け冶具の平坦部に粘着性シートを接着し、
粘着性シートが接着された凹曲面貼り付け冶具を、凹曲面押圧装置の冶具保持部に取付け、
保持された凹曲面貼り付け冶具の上部に昇降可能に位置する凹曲面押圧装置の膨張部材保持ユニットを凹曲面貼り付け冶具に近接するように下降させ、
膨張部材保持ユニットの下面に取付けられた膨張部材を所定の圧力で膨張させて、凹曲面貼り付け冶具の平坦部に接着された粘着性シートを凹曲面貼り付け冶具の凹曲面部に伸長状態で圧着した後、
粘着性シートが伸長状態のままで凹曲面貼り付け冶具の凹曲面部からの剥がれ具合を測定することを特徴とする凹曲面接着試験方法である。
その後、粘着性シートが伸長状態の所定の条件のもとで、室温における経時変化や所定の温度における環境負荷をかけた後に、粘着性シートの凹曲面部からの剥がれ具合を測定することができる。このため、粘着性シートをさまざまな条件のもとで、粘着性シートの伸長状態と、接着力を測定することができる。
その後、耐熱試験等の所定の条件のもとで粘着性シートの凹曲面部からの剥がれ具合を測定することができ、粘着性シートの伸長度合いと、接着力を測定することができる。
凹曲面貼り付け冶具は、凹曲面部と平坦部を有する冶具本体と、凹曲面部に対応する凸曲面部を有する曲面矯正保持具と、粘着性シートを接着する試験板とを有するものを使用し、試験板を冶具本体の凹曲面部に位置させて、曲面矯正保持具の凸曲面部が試験板の両端部を押圧して冶具本体の凹曲面部に沿うように試験板を押圧して湾曲させ、湾曲した試験板を有する凹曲面貼り付け冶具の平坦部に粘着性シートを接着した後に、
膨張部材保持ユニットの下面に取付けられた膨張部材を所定の圧力で膨張させて、凹曲面貼り付け冶具の平坦部に接着された粘着性シートを凹曲面貼り付け冶具の凹曲面部に沿って伸長状態で湾曲した試験板に圧着する凹曲面接着試験方法である。
まず、凹曲面接着試験装置1について説明し、その後、凹曲面接着試験装置1を使用した凹曲面接着試験方法について説明する。
凹曲面接着試験装置1は、凹曲面押圧装置10と凹曲面貼り付け冶具30から構成される。凹曲面貼り付け冶具30を先に説明し、その後、凹曲面押圧装置10ついて説明する。
この凹曲面部32に直接、粘着性シート50の中央部を押圧して接着することも、後述する試験板40に粘着性シート50を接着することもできる。
冶具保持部17aは、凹曲面押圧装置10の下部に設けられた凹曲面押圧装置台部17の中央付近に設けられて、後述する膨張部材保持ユニット20の真下に位置する。ネジ、バンド、留め具等により、冶具保持部17aに凹曲面貼り付け冶具30が固定される。このため粘着性シート50を接着した凹曲面貼り付け冶具30を保持して、膨張部材保持ユニット20により粘着性シート50を押圧することができる。
エアシリンダ13にエアを送付するため、エアシリンダ用レギュレータ11とエアシリンダ用電磁弁12が取り付けられて、これらをエアホースで連結している。なお、空気圧ではなく油圧で駆動することも可能である。
なお、背面板17bには、凹曲面押圧装置10を駆動する制御板18やスイッチボックス19が設けられている。
まず、凹曲面貼り付け冶具30の平坦部33に粘着性シート50の両端部を張り付ける。凹曲面貼り付け冶具30は、図3に示すように試験板40を使用する場合を例にとり説明するが、試験板40を使用せず、直接粘着性シート50を凹曲面貼り付け冶具30の凹曲面部32に接着する場合でも同様に使用することができる。
このとき、上述のように膨張部材保持ユニット20の底面に空間部23を形成することができる。この場合には、空間部23をゴム膜21で覆い、空間部23に空気圧力を加えて、ゴム膜21を膨張させることができる。このため、ゴム膜21を均一に膨張させることができる。
なお、ゴム膜21の膨張は、空気圧のみではなく、油圧により行うこともできる。
また、膨張部材であるゴム膜21は、ゴム以外の弾力的に膨張・収縮可能な材料を使用することができる。
粘着性シート50の表面に枡目模様51を描いた場合には、図10に示すように、ゴム膜21により接着された粘着性シート50は、試験板40の凹曲面の表面に伸長されて接着するが、枡目模様51の伸びを測定することにより、どの部分がどの程度伸長されているか測定することができる。
本実施の形態では、粘着性シート50の伸長率が、20%、30%及び40%の場合について測定した。粘着性シート50の伸長率は、図8に示すように、粘着性シート50の元の長さ(凹曲面部32上の直線距離)であるLoと、伸長後の長さ(凹曲面部32の円弧長さ)で角度ω(ラジアン)とすれば、粘着性シート50に加わる伸長率はL/Loであある。円の半径をr、両端部からの凹曲面部32の最大深さDとすれば、下記の式1から式3の関係にあり、所定の伸長率L/Loを設定すれば、式1から円弧の凹曲面部角度が求めことができる。
直線距離Loを設定すれば式2により円の半径を求め、最大深さDは式3により求めることができる。
r=(Lo/2)/sinθ 式2
D=r・(1−cosθ) 式3
このようにして、所定の深さと、曲率を有する凹曲面部32を多種類用意することにより、異なった伸長率における粘着性シート50の接着力を測定することができる。
粘着性シート50の表面に枡目模様51を描いた場合には、剥離した枡目の数を数えることで、剥がれ状態と剥離強さを測定することができる。
また、凹曲面部32に接着された粘着性シート50の端部を引っ張り、凹曲面部32からの剥離力を測定することもできる。
10 凹曲面押圧装置
20 膨張部材保持ユニット
21 ゴム膜(膨張部材)
30 凹曲面貼り付け冶具
31 冶具本体
32 凹曲面部
33 平坦部
35 曲面矯正保持具
40 試験板
50 粘着性シート
Claims (10)
- 所定の曲率と深さを有する凹曲面に接着する粘着性シートの接着状態を試験する凹曲面接着試験装置において、
該凹曲面接着試験装置は、上記粘着性シートを接着する凹曲面貼り付け冶具と、該凹曲面貼り付け冶具に粘着性シートを押圧する凹曲面押圧装置を有し、
上記凹曲面貼り付け冶具は、中央部に所定の曲率と深さを有する凹曲面部と、該凹曲面部の両側に平坦部が形成され、該平坦部に上記粘着性シートが接着可能に形成され、
上記凹曲面押圧装置は、上記凹曲面貼り付け冶具を保持する冶具保持部と、保持された凹曲面貼り付け冶具の上部に昇降可能な膨張部材保持ユニットを設け、該膨張部材保持ユニットは、下面に膨張可能な軟質部材の膨張部材が取付けられ、上記膨張部材保持ユニットが上記凹曲面貼り付け冶具の上部に近接して、上記膨張部材が所定の圧力で膨張するとともに、上記凹曲面貼り付け冶具の平坦部に接着された上記粘着性シートを上記凹曲面貼り付け冶具の凹曲面部に伸長状態で圧着可能に形成され、
上記粘着性シートが伸長状態のままで上記凹曲面貼り付け冶具の上記凹曲面部からの剥がれ具合を測定可能としたことを特徴とする凹曲面接着試験装置。 - 上記凹曲面貼り付け冶具は、上記凹曲面部と上記平坦部を有する冶具本体と、上記凹曲面部に対応する凸曲面部を有する曲面矯正保持具と、粘着性シートを接着する試験板とを有し、該試験板を上記冶具本体の凹曲面部に位置させて、上記曲面矯正保持具の凸曲面部が上記試験板の両端部を押圧して、上記冶具本体の凹曲面部に沿うように上記試験板の両端部を押圧して湾曲させる構成を有し、上記平坦部に接着された粘着性シートを伸長状態で接着可能にした請求項1に記載の凹曲面接着試験装置。
- 上記膨張部材は、風船状のゴム膜で形成され、風船状の膨張部材に圧力を加えて膨張部材を膨張させ、その膨張圧力で上記粘着性シートを上記冶具本体の凹曲面部又は上記試験板に圧着した請求項1又は請求項2に記載の凹曲面接着試験装置。
- 上記膨張部材保持ユニットは、底面に空間部が形成され、該空間部をゴム膜で覆い、上記空間部に圧力を加えて、ゴム膜を膨張させ、その膨張圧力で上記粘着性シートを上記冶具本体の凹曲面部又は上記試験板に圧着した請求項1又は請求項2に記載の凹曲面接着試験装置。
- 所定の曲率と深さを有する凹曲面に接着する粘着性シートの接着状態を試験する凹曲面接着試験方法において、
該凹曲面接着試験方法は、上記粘着性シートを接着する凹曲面貼り付け冶具と、該凹曲面貼り付け冶具に粘着性シートを押圧する凹曲面押圧装置を使用し、
中央部に所定の曲率と深さを有する凹曲面部と、該凹曲面部の両側に平坦部が形成された上記凹曲面貼り付け冶具の平坦部に上記粘着性シートを接着し、
上記粘着性シートが接着された上記凹曲面貼り付け冶具を、上記凹曲面押圧装置の冶具保持部に取付け、
保持された上記凹曲面貼り付け冶具の上部に昇降可能に位置する上記凹曲面押圧装置の膨張部材保持ユニットを上記凹曲面貼り付け冶具に近接するように下降させ、
上記膨張部材保持ユニットの下面に取付けられた膨張部材を所定の圧力で膨張させて、上記凹曲面貼り付け冶具の平坦部に接着された上記粘着性シートを上記凹曲面貼り付け冶具の凹曲面部に伸長状態で圧着した後、
上記粘着性シートが伸長状態のままで上記凹曲面貼り付け冶具の上記凹曲面部からの剥がれ具合を測定することを特徴とする凹曲面接着試験方法。 - 上記凹曲面貼り付け冶具に上記粘着性シートを接着する際に、
上記凹曲面貼り付け冶具は、上記凹曲面部と上記平坦部を有する冶具本体と、該凹曲面部に対応する凸曲面部を有する曲面矯正保持具と、粘着性シートを接着する試験板とを有するものを使用し、該試験板を上記冶具本体の凹曲面部に位置させて、上記曲面矯正保持具の凸曲面部が上記試験板の両端部を押圧して上記冶具本体の凹曲面部に沿うように上記試験板を押圧して湾曲させ、湾曲した上記試験板を有する上記凹曲面貼り付け冶具の平坦部に上記粘着性シートを接着した後に、
上記膨張部材保持ユニットの下面に取付けられた膨張部材を所定の圧力で膨張させて、上記凹曲面貼り付け冶具の平坦部に接着された上記粘着性シートを上記凹曲面貼り付け冶具の凹曲面部に沿って伸長状態で湾曲した上記試験板に圧着する請求項5に記載の凹曲面接着試験方法。 - 上記膨張部材は、風船状のゴム膜で形成され、風船状の膨張部材に圧力を加えて膨張部材を膨張させ、その膨張圧力で上記粘着性シートを上記冶具本体の凹曲面部又は上記試験板に圧着した請求項5又は請求項6に記載の凹曲面接着試験方法。
- 上記膨張部材保持ユニットは、底面に空間部が形成され、該空間部をゴム膜で覆い、上記空間部に圧力を加えて、ゴム被膜を膨張させ、その膨張圧力で上記粘着性シートを上記冶具本体の凹曲面部又は上記試験板に圧着した請求項5又は請求項6に記載の凹曲面接着試験方法。
- 上記凹曲面貼り付け冶具に上記粘着性シートを接着する前に、上記粘着性シートの表面に枡目模様を描き、上記凹曲面部に伸長状態で接着した該枡目模様の歪みで、上記粘着性シートの伸びの状態を測定する請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載の凹曲面接着試験方法。
- 上記凹曲面貼り付け冶具に接着された上記粘着性シートを上記凹曲面貼り付け冶具の凹曲面部に圧着した後、所定の温度で所定時間経過した後に、上記粘着性シートの上記凹曲面部からの剥がれ具合を測定する請求項5乃至請求項9のいずれか1項に記載の凹曲面接着試験方法。
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