JP2011241953A - 主軸装置 - Google Patents
主軸装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011241953A JP2011241953A JP2010116812A JP2010116812A JP2011241953A JP 2011241953 A JP2011241953 A JP 2011241953A JP 2010116812 A JP2010116812 A JP 2010116812A JP 2010116812 A JP2010116812 A JP 2010116812A JP 2011241953 A JP2011241953 A JP 2011241953A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lubricating oil
- rotating shaft
- hollow portion
- centrifugal force
- flow rate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Abstract
【課題】高速回転の場合でも、回転軸の中空部内に供給される潤滑油量に不均衡が生じ難く、転がり軸受毎に温度差が生じることを抑制できる主軸装置を提供する。
【解決手段】軸線方向に中空部が形成された回転軸と、前記回転軸を支持するハウジングと、外輪、内輪及び転動体からなり、前記回転軸を前記ハウジングに回転支持する軸受と、前記回転軸の中空部内に外部から潤滑油を供給する潤滑油供給手段と、を有した主軸装置において、前記潤滑油供給手段は、前記回転軸の回転で生じる遠心力により、潤滑油の流路面積を変更する流速調整機構を有していることを特徴とする主軸装置。
【選択図】図1
【解決手段】軸線方向に中空部が形成された回転軸と、前記回転軸を支持するハウジングと、外輪、内輪及び転動体からなり、前記回転軸を前記ハウジングに回転支持する軸受と、前記回転軸の中空部内に外部から潤滑油を供給する潤滑油供給手段と、を有した主軸装置において、前記潤滑油供給手段は、前記回転軸の回転で生じる遠心力により、潤滑油の流路面積を変更する流速調整機構を有していることを特徴とする主軸装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、工作機械の主軸等の高速回転する軸を支持するための軸受における潤滑構造に関し、特に回転軸側に固定される内輪を貫通して転動体に潤滑油を供給するアンダーレース方式の潤滑構造を有する主軸装置に関するものである。
工作機械の主軸等の高速回転する回転軸を支持する構造として、図9に示すような、回転軸1と、回転軸1を支持するハウジング2と、回転軸1とハウジング2との間に介される一対のアンギュラ玉軸受等の転がり軸受3、4とで構成される軸受装置が用いられている。このような軸受装置において、回転軸1が高速回転すると、転がり軸受3、4や回転軸1の温度は上昇し、熱膨張により予圧が変化する結果、焼付等の不具合が生じるという問題があり、従来から、このような回転軸1及び転がり軸受3、4の冷却の一方式として、特許文献1に記載されるようなアンダーレース潤滑方式が用いられてきた。
特許文献1に記載のアンダーレース潤滑方式で用いられる回転軸1は、図9に示すように、一端が開放された回転軸1と同心に形成された中空部1aを有する中空軸となっている。その中空部1aの開放端は固定部材5によって中心に所定の開口5aを残して閉鎖されている。この開口5aを通じ、図示しないポンプに接続された潤滑油ノズル6が、中空部1aに向かって開口している。また回転軸1には、中空部1aから径方向外方に放射状に伸び、回転軸1の外周と連通する複数本の潤滑油通路1b、1bと、回転軸1の外周の周方向にあり、複数の潤滑油通路1bの外周側開口部を連絡する環状溝1c、1cが設けられている。
また、転がり軸受3、4は、内周面に外輪軌道面を有する外輪3a、4aと、外周面に内輪軌道面を有する内輪3b、4bと、外輪軌道面と内輪軌道面との間に、円周方向に転動可能に配設される複数の転動体3c、4cと、転動体3c、4cを転動自在に保持する保持器3d、4dと、を有する。内輪3b、4bは前記回転軸1の外周に固定され、ハウジング2に保持された外輪3a、4aに対して回転可能に回転軸1を支持している。また、内輪3b、4bには、内輪3b、4bの内周面から径方向外方に放射状に伸び、内輪3b、4bの軌道面ではない外周面と連通する複数本の給油孔3e、4eが形成され、この給油孔3e、4eは、転がり軸受3、4を回転軸に取り付けた際に、前記環状溝1c、1cと軸方向同位置となる位置に設けられている。
このような構成により、図示しないポンプから供給された潤滑油は、潤滑油ノズル6から回転軸1の中空部1aへ供給される。回転軸1が回転している場合、中空部1a内にある潤滑油は、遠心力により径方向外側へ移動し、回転軸の潤滑油通路1b、1bから環状溝1c、1cへと達し、転がり軸受3、4の給油孔3e、4eを経て、転がり軸受3、4の内部へ供給することができ、結果として、転がり軸受3、4の潤滑、冷却及び回転軸1の冷却が為される。
しかしながら、特許文献1に記載された冷却構造では、潤滑油に作用する遠心力が回転軸1の回転数に応じて変化する。これにより高速回転の場合には、当該中空部1aの内周面と潤滑油との摩擦が大きくなり、給油口から離れるほど潤滑油が到達し難くなる。このため、潤滑油ノズル6からの軸方向距離により、前記中空部1aに供給される潤滑油量に不均衡が生じるという問題がある。この場合、回転軸1を支持する転がり軸受3、4のうち、潤滑油ノズル6から離れた位置にある転がり軸受4に供給される潤滑油が、他方の転がり軸受3よりも少なくなるため軸受温度が上昇すると共に、回転軸1も軸方向位置により温度差が生じることとなる。その結果、回転軸1や転がり軸受3、4の熱膨張も不均衡となり、適切な予圧を付与し続けることが難しいという問題がある。
このような問題を解決する手段として、特許文献2には、従来構造の前記潤滑油通路1b、1bに遠心力を利用した絞り弁を追加して、転がり軸受3、4の内部へ供給される潤滑油量を回転軸1の回転数に応じて可変とした冷却構造が記載されている。しかしながら、特許文献2に記載された構造は、軸受に供給される潤滑油量にのみ着目したものであり、前述した中空部1a内における潤滑油量の不均衡という問題は解決されておらず、回転軸1の発熱の対策も不十分となる。
また特許文献3には、潤滑油の乱流発生を促進することにより、中空部1a内の対流熱伝達の効率を向上させ、回転軸1や転がり軸受3、4の冷却能力を向上させるため、前記潤滑油ノズル6の給油路6bを回転軸に対して傾斜させて、中空軸1a内へ潤滑油を噴射する構造が記載されている。また、特許文献2には、給油路6bの傾斜角を、転がり軸受3、4の中間位置に潤滑油が向かうようにすることで、転がり軸受3、4の潤滑油量の差を減らし、前述した問題を防止できることが記されている。しかしながら、このような構造では、特に高速回転時に、潤滑油ノズル6から噴射された潤滑油に遠心力が作用することにより、転がり軸受3、4の中間位置から大きくずれた位置に潤滑油が到達し、その結果、潤滑油の供給量の差を減少させることができない虞がある。
上記の問題を鑑み、本発明は、高速回転の場合でも、回転軸の中空部内に供給される潤滑油量に不均衡が生じ難く、各転がり軸受や回転軸の各部で温度差が生じることを抑制できる主軸装置を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)軸線方向に中空部が形成された回転軸と、前記回転軸を支持するハウジングと、外輪、内輪及び転動体からなり、前記回転軸を前記ハウジングに回転支持する軸受と、前記回転軸の中空部内に外部から潤滑油を供給する潤滑油供給手段と、を有した主軸装置において、前記潤滑油供給手段は、前記回転軸の回転で生じる遠心力により、潤滑油の流路面積を変更する流速調整機構を有していることを特徴とする主軸装置。
(2)前記流速調整機構は、前記遠心力により径方向に移動する部材を有することを特徴とする請求項1に記載の主軸装置。
(3)前記部材は、前記遠心力により潤滑油の流路面積を狭める絞り部材を有することを特徴とする請求項2に記載の主軸装置。
(1)軸線方向に中空部が形成された回転軸と、前記回転軸を支持するハウジングと、外輪、内輪及び転動体からなり、前記回転軸を前記ハウジングに回転支持する軸受と、前記回転軸の中空部内に外部から潤滑油を供給する潤滑油供給手段と、を有した主軸装置において、前記潤滑油供給手段は、前記回転軸の回転で生じる遠心力により、潤滑油の流路面積を変更する流速調整機構を有していることを特徴とする主軸装置。
(2)前記流速調整機構は、前記遠心力により径方向に移動する部材を有することを特徴とする請求項1に記載の主軸装置。
(3)前記部材は、前記遠心力により潤滑油の流路面積を狭める絞り部材を有することを特徴とする請求項2に記載の主軸装置。
以上のような構成により、前記回転軸の回転速度に応じて前記中空部内に供給される潤滑油の流速を変えることができるので、高速回転の場合でも、回転軸の中空部内に供給される潤滑油量に不均衡が生じ難く、各転がり軸受や回転軸の各部で温度差が生じることを抑制することが可能となる。
以下、本発明の実施形態に係る主軸装置の図面を参照しつつ説明する。
なお、従来構造と同一または同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化し、本発明の特徴部分である潤滑油ノズル(図9の符号6)について詳述する。また、各図面において、給油路以外の隠れ線は省略する。
なお、従来構造と同一または同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化し、本発明の特徴部分である潤滑油ノズル(図9の符号6)について詳述する。また、各図面において、給油路以外の隠れ線は省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る主軸装置の潤滑油ノズル6Aの(a)径方向断面図と(b)軸方向断面図である。図1(a)は図1(b)のA方向矢視図となっている。本実施形態に係る潤滑油ノズル6Aは、ノズル本体6Aaと、ポンプから送られた潤滑油を回転軸1の中空部1a内に供給するためにノズル本体6Aaの内部に形成された給油路6Abと、給油路6Aの中空部1a近傍に形成された略直方体状の空隙部6Acと、空隙部6Acに設けられた流速調整機構7Aと、から成る。
図1は、第1実施形態に係る主軸装置の潤滑油ノズル6Aの(a)径方向断面図と(b)軸方向断面図である。図1(a)は図1(b)のA方向矢視図となっている。本実施形態に係る潤滑油ノズル6Aは、ノズル本体6Aaと、ポンプから送られた潤滑油を回転軸1の中空部1a内に供給するためにノズル本体6Aaの内部に形成された給油路6Abと、給油路6Aの中空部1a近傍に形成された略直方体状の空隙部6Acと、空隙部6Acに設けられた流速調整機構7Aと、から成る。
流速調整機構7Aは、コイルばね7Aa、7Abと、絞り部材7Ac、7Adと、から成る。コイルばね7Aaの一端部は、前記空隙部6Acの長手方向と直交する壁面6Adに取付固定され、コイルばね7Abの一端部は、コイルばね7Aaが固定された壁面6Adと対向する壁面6Aeに取付固定されている。コイルばね7Aa、7Abの壁面6Ad、6Aeに取付けられた端部の反対側端部には、それぞれ絞り部材7Ac、7Adが取り付けられており、絞り部材7Ac、7Adは空隙部6Acの内壁面により、径方向に摺動自在に保持されている。
絞り部材7Ac、7Adの形状は略コ字状で、コイルばね7Aa、7Abの取付け面の反対側には、鉤爪状の鉤爪部7Ae、7Afが設けられている。また、絞り部材7Acと絞り部材7Adは、図示の通り、軸方向略同位置に、180度の回転対称となるように取付けられ、鉤爪部7Aeと鉤爪部7Afとの間に給油路6Abを遮断しない流路7Agが形成されている。
このような潤滑油ノズル6Aの構成により、以下のような作用を得ることができる。回転軸1が低速回転している時、図1のように、コイルばね7Aa、7Abにより鉤爪部7Aeと鉤爪部7Afとは十分な距離を持って対向しているので、流速調整機構7Aにおける潤滑油の流路7Agの断面積と給油路6Abの断面積との差は大きくない。このため、ポンプから給油路6Abに流入した潤滑油は、流速を大きく変えないままに回転軸1の中空部1aへと供給される。
一方、回転軸1が高速回転しているとき、図2に示すように、遠心力により絞り部材7Ac、7Adはそれぞれ径方向コイルばね7Aa、7Ab側へ移動し、鉤爪部7Aeと鉤爪部7Afとの距離は近くなる。このため、流速調整機構7Aにおける潤滑油の流路7Agの断面積は、給油路6Abの断面積と比較して小さくなり、ポンプから給油路6Abに流入した潤滑油は、流速が大きくなった状態で回転軸1の中空部1aへと供給される。その結果、高速回転の場合でも、中空部1a内の潤滑油ノズル6Aから離れた位置まで潤滑油が達し易くなる。
以上のように、本実施形態に係る潤滑油ノズル6Aによれば、流速調整機構7Aにより、回転軸1の回転数(コイルばね7Aa、7Abに負荷される遠心力)に応じて流速調整機構7Aにおける潤滑油の流路7Agの断面積を変更することができ、回転数に応じて中空部1aへ供給される潤滑油の流速を変更することができる。このため、回転速度の大きさに関わらず、中空部1aの潤滑油ノズル6Aから適切な位置に十分な潤滑油を到達させることが可能となり、図9における転がり軸受3、4に供給される潤滑油量の不均衡の発生を抑制することができる。この結果、転がり軸受3、4の潤滑、冷却、及び回転軸1の冷却を十分に行うことが可能となる。
また、絞り部材7Ac、7Adにおいて流路7Agを形成する両鉤爪部7Ae、7Afの形状を凹曲面の鉤爪状とすることにより、高速回転により絞り部材7Ac、7Adにかかる遠心力が大きくなった場合でも、流速調整機構7における潤滑油の流路7Agを完全に塞ぐことを防止できる。この鉤爪部7Ae、7Afの形状は、本実施形態のような円弧状でなく、V字形状等、同様の効果を持つ他の形状としても問題ない。
なお、本実施形態における潤滑油ノズル6Aのノズル本体6aの径方向断面形状(図1(a)、図2(a))を、円を2平行直線で切り取った形状としているが、円形状でも問題はない。ただし、潤滑油ノズル6Aを固定部材5に取付固定する方法において、潤滑油ノズル6Aの外周を雄ねじ、固定部材の内周を雌ねじとしたねじの締結により固定するような場合、図1(a)、図2(a)に示した形状の方が取付性の面で好ましい。
(第2実施形態)
次に、図3、4を用いて第2実施形態に係る主軸装置について説明する。なお、第1実施形態と同一または同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
次に、図3、4を用いて第2実施形態に係る主軸装置について説明する。なお、第1実施形態と同一または同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
図3は、第2実施形態に係る主軸装置の潤滑油ノズル6Bの(a)径方向断面図と(b)軸方向断面図である。図3(a)は図3(b)のB方向矢視図となっている。本実施形態に係る潤滑油ノズル6Bは、ノズル本体6Baと、ポンプから送られた潤滑油を回転軸1の中空部1a内に供給するためにノズル本体6Baの内部に形成された給油路6Bbと、給油路6Bの中空部1a近傍に形成されたノズル本体6Baと同心円筒状の空隙部6Bcと、空隙部6Bcに設けられた流速調整機構7Bと、から成る。
流速調整機構7Bは、コイルばね7Ba、7Bbと、絞り部材7Bc、7Bdと、保持部材7Beから成る。コイルばね7Baの一端部は、前記空隙部6Bcに設けられたコイルばね保持部6Bdの内周面に取付固定され、コイルばね7Bbの一端部は、コイルばね保持部6Bdと径方向逆位置に設けられたコイルばね保持部6Beの内周面に取付固定されている。コイルばね7Ba、7Bbのコイルばね保持部6Bd、6Beに取付けられた端部の反対側端部には、それぞれ絞り部材7Bc、7Bdが取り付けられ、絞り部材7Bc、7Bdは、保持部材7Beにより径方向に摺動自在に保持されている。
保持部材7Beの径方向断面形状は、前記空隙部6Bcの内周面に嵌合固定される円筒状となっており、絞り部材7Bc、7Bdを保持するための矩形の凹部7Bf、7Bgを、径方向に対向する2箇所に有している。また、保持部材7Beは、外周と同心円状に設けられた貫通孔7Bhを有する。絞り部材7Bc、7Bdは、径方向外方に空隙部6Bc内周に沿う凸曲面を有する略矩形の断面形状を有し、前記凹部7Bf、7Bgで保持されている。
このような潤滑油ノズル6Bの構成により、以下のような作用を得ることができる。回転軸1が低速回転している時、図3のように、絞り部材7Bc、7Bdは、空隙部6Bcの内周面に対し、コイルばね7Aa、7Abにより十分な距離を以って対向しており、潤滑油の流路は比較的大きい。このため、ポンプから給油路6Bbに流入した潤滑油は、流速を大きく変えないままに回転軸1の中空部1aへと供給される。
一方、回転軸1が高速回転しているとき、図4のように、絞り部材7Bc、7Bdが遠心力により径方向外側へ移動し、空隙部6Bcの内周面との距離は近くなる。このため、流速調整機構7Bにおける潤滑油の流路の断面積が、図3よりも小さくなり、ポンプから給油路6Bbに流入した潤滑油は、流速が大きくなった状態で回転軸1の中空部1aへと供給される。その結果、高速回転の場合でも、中空部1a内の潤滑油ノズル6Bから離れた位置まで潤滑油が達し易くなる。
以上のように、本実施形態に係る潤滑油ノズル6Bによれば、流速調整機構7Bにより、回転軸1の回転数(コイルばね7Ba、7Bbに負荷される遠心力)に応じて潤滑油の流路7Bgの断面積を変更することができ、回転数に応じて中空部1aへ供給される潤滑油の流速を変更することができる。このため、回転速度の大きさに関わらず、中空部1aの潤滑油ノズル6Aから適切な位置に十分な潤滑油を到達させることが可能となり、図9における転がり軸受3、4に供給される潤滑油量の不均衡の発生を抑制することができる。この結果、転がり軸受3、4の潤滑、冷却、及び回転軸1の冷却が十分に行うことが可能となる。
また、高速回転により絞り部材7Bc、7Bdにかかる遠心力が大きくなり、絞り部材7Bc、7Bdと空隙部6Bcとの間に形成される流路となる空間が塞がれたとしても、保持部材7Beに貫通孔7Bhを設けたことにより、潤滑油の流路を完全に塞ぐことを防止できる。また、絞り部材7Bc、7Bdの断面形状を長方形にする等、潤滑油流路を完全に塞がない工夫をすれば、貫通孔7Bhを設けなくとも問題ない。その他の構成及び作用効果については、第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図5は、第5実施形態に係る主軸装置の潤滑油ノズル6Cの(a)径方向断面図と(b)軸方向断面図である。図5(a)は図5(b)のC方向矢視図となっている。本実施形態に係る潤滑油ノズル6Cは、ノズル本体6Caと、ポンプから送られた潤滑油を回転軸1の中空部1a内に供給するためにノズル本体6Caの内部に形成された給油路6Cbと、給油路6Cの中空部1a近傍に形成された略直方体状の空隙部6Ccと、空隙部6Ccに設けられた流速調整機構7Cと、から成る。
図5は、第5実施形態に係る主軸装置の潤滑油ノズル6Cの(a)径方向断面図と(b)軸方向断面図である。図5(a)は図5(b)のC方向矢視図となっている。本実施形態に係る潤滑油ノズル6Cは、ノズル本体6Caと、ポンプから送られた潤滑油を回転軸1の中空部1a内に供給するためにノズル本体6Caの内部に形成された給油路6Cbと、給油路6Cの中空部1a近傍に形成された略直方体状の空隙部6Ccと、空隙部6Ccに設けられた流速調整機構7Cと、から成る。
流速調整機構7Cは、コイルばね7Ca、7Cbと、絞り部材7Cc、7Cdと、から成る。コイルばね7Caの一端部は、前記空隙部6Ccの長手方向と直交する壁面6Cdに取付固定され、コイルばね7Cbの一端部は、コイルばね7Caが固定された壁面6Cdと対向する壁面6Ceに取付固定されている。コイルばね7Ca、7Cbの壁面6Cd、6Ceに取付けられた端部の反対側端部には、それぞれ絞り部材7Cc、7Cdが取り付けられており、絞り部材7Cc、7Cdは空隙部6Ccの内壁面により、径方向に摺動自在に保持されている。また、絞り部材7Cc、7Cdは矩形状板で、略楕円の貫通孔7Ce、7Cfを有している。
このような潤滑油ノズル6Cの構成により、以下のような作用を得ることができる。回転軸1が低速回転している時、図5のように、絞り部材7Cc、7Cdの貫通孔7Ce、7Cfは、コイルばね7Ca、7Cbにより、空隙部6Ccの壁面6Cd、6Ceと十分な距離を以って対向しており、流速調整機構7Cにおける潤滑油の流路の断面積と給油路6Cbの断面積との差は大きくない。このため、ポンプから給油路6Cbに流入した潤滑油は、流速を大きく変えないままに回転軸1の中空部1aへと供給される。
一方、回転軸1が高速回転しているとき、図6のように、絞り部材7Cc、7Cdが遠心力により径方向外側(コイルばね7Ca、7Cb方向)へ移動し、流速調整機構7Cにおける潤滑油の流路の断面積は、給油路6Cbの断面積と比較して小さくなる。この結果、ポンプから給油路6Cbに流入した潤滑油は、流速が大きくなった状態で回転軸1の中空部1aへと供給される。その結果、高速回転の場合でも、中空部1a内の潤滑油ノズル6Cから離れた位置まで潤滑油が達し易くなる。
なお、本実施形態では絞り部材を1つとしたが、回転のバランス等を考慮して複数用いることが好ましい。また、絞り部材の貫通孔形状をコイル側を底辺とする二等辺三角形のような形状にして流速調整機構7Cにおける潤滑油流路の断面積を小さくすることにより、高速回転時の流速をより速くすることができる。その他の構成及び作用効果については、第1および第2実施形態と同様である。
(第4実施形態)
図7は、第4実施形態に係る主軸装置の潤滑油ノズル6Dの(a)径方向断面図と(b)軸方向断面図である。図7(a)は図7(b)のD方向矢視図となっている。本実施形態に係る潤滑油ノズル6Dは、ノズル本体6Daと、ポンプから送られた潤滑油を回転軸1の中空部1a内に供給するためにノズル本体6Daの内部に形成された給油路6Dbと、給油路6Dの中空部1a近傍に形成された、平行四辺形の径方向断面形状を有する略直方体状の空隙部6Dcと、空隙部6Dcに設けられた流速調整機構7Dと、から成る。
図7は、第4実施形態に係る主軸装置の潤滑油ノズル6Dの(a)径方向断面図と(b)軸方向断面図である。図7(a)は図7(b)のD方向矢視図となっている。本実施形態に係る潤滑油ノズル6Dは、ノズル本体6Daと、ポンプから送られた潤滑油を回転軸1の中空部1a内に供給するためにノズル本体6Daの内部に形成された給油路6Dbと、給油路6Dの中空部1a近傍に形成された、平行四辺形の径方向断面形状を有する略直方体状の空隙部6Dcと、空隙部6Dcに設けられた流速調整機構7Dと、から成る。
流速調整機構7Dは、コイルばね7Da、7Dbと、絞り部材7Dc、7Ddと、から成る。コイルばね7Daの一端部は、前記空隙部6Dcの、径方向断面の平行四辺形の長辺の一つに当たる壁面6Ddに、径方向外側に寄せて取付固定され、コイルばね7Dbの一端部は、壁面6Ddと対向する壁面6Deに、コイルばね7Daに対し180度回転対象の位置に取付固定されている。コイルばね7Da、7Dbの壁面6Dd、6Deに取付けられた端部の反対側端部には、それぞれ絞り部材7Dc、7Ddが取り付けられている。この絞り部材7Dc、7Ddは、空隙部6Dcの径方向断面の平行四辺形各辺と平行な辺を有する平行四辺形の板であり、コイルばね絞り部材7Dc、7Ddのコイルばね7Da、7Dbが取付られた面と交わる面は、空隙部6Dcの内周面により摺動自在に保持されている。
このような潤滑油ノズル6Dの構成により、以下のような作用を得ることができる。回転軸1が低速回転している時、図7のように、絞り部材7Dc、7Ddは、コイルばね7Da、7Dbにより、空隙部6Dcの壁面6Ddと接近して対向しており、給油路6Dbを遮ってはいない。このため、ポンプから給油路6Dbに流入した潤滑油は、流速を変えないままに回転軸1の中空部1aへと供給される。
一方、回転軸1が高速回転しているとき、図8のように、絞り部材7Dcが遠心力により径方向外側へ空隙部6Dcの内壁に沿って移動し、給油路6Cbの断面の一部は、絞り部材7Dcにより遮られる。この結果、ポンプから給油路6Dbに流入した潤滑油は、流速が大きくなった状態で回転軸1の中空部1aへと供給される。その結果、高速回転の場合でも、中空部1a内の潤滑油ノズル6Dから離れた位置まで潤滑油が達し易くなる。その他の構成及び作用効果については、第1乃至第3実施形態と同様である。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、回転数の上昇に伴い、潤滑油の給油路の断面積が小さくなる構成であれば、適宜変更、改良等が可能である。たとえば、上記実施形態では、絞り部材の数を1または2としたが、回転バランスを欠かない構成であれば、絞り部材の数を増やしても良く、コイルばねを皿ばね等の弾発部材としたり、遠心力によりばねの伸縮を上記実施形態の逆とする等の構成としても良い。
以上のように、本発明によれば、潤滑油を供給するポンプによる潤滑油供給量が一定の場合でも、潤滑油ノズル部分で回転数に応じて潤滑油供給速度を可変にすることが可能となり、回転速度によらず潤滑油を適切な位置まで供給できる。この結果、高速回転の場合でも、回転軸の中空部内に供給される潤滑油量に不均衡が生じ難く、転がり軸受毎に温度差が生じることを抑制できる。またこのため、既存の主軸装置の潤滑油ノズルを本発明のものに付け替えるだけで、高価な装置を用いることなく、前述したような潤滑油量のアンバランスの問題を低コストで解決することができる。
1 回転軸
2 ハウジング
3、4 転がり軸受け
5 固定部材
6 潤滑油ノズル
7 流速調整機構
2 ハウジング
3、4 転がり軸受け
5 固定部材
6 潤滑油ノズル
7 流速調整機構
Claims (3)
- 軸線方向に中空部が形成された回転軸と、前記回転軸を支持するハウジングと、外輪、内輪及び転動体からなり、前記回転軸を前記ハウジングに回転支持する軸受と、前記回転軸の中空部内に外部から潤滑油を供給する潤滑油供給手段と、を有した主軸装置において、前記潤滑油供給手段は、前記回転軸の回転で生じる遠心力により、潤滑油の流路面積を変更する流速調整機構を有していることを特徴とする主軸装置。
- 前記流速調整機構は、前記遠心力により径方向に移動する部材を有することを特徴とする請求項1に記載の主軸装置。
- 前記部材は、前記遠心力により潤滑油の流路面積を狭める絞り部材を有することを特徴とする請求項2に記載の主軸装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010116812A JP2011241953A (ja) | 2010-05-21 | 2010-05-21 | 主軸装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010116812A JP2011241953A (ja) | 2010-05-21 | 2010-05-21 | 主軸装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011241953A true JP2011241953A (ja) | 2011-12-01 |
Family
ID=45408814
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010116812A Pending JP2011241953A (ja) | 2010-05-21 | 2010-05-21 | 主軸装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011241953A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9227810B2 (en) | 2012-11-21 | 2016-01-05 | Seiko Epson Corporation | Medium transport device and recording apparatus |
-
2010
- 2010-05-21 JP JP2010116812A patent/JP2011241953A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9227810B2 (en) | 2012-11-21 | 2016-01-05 | Seiko Epson Corporation | Medium transport device and recording apparatus |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10859113B2 (en) | Bearing arrangement for fluid machinery application | |
JP5261664B2 (ja) | 真空ポンプ | |
US9739310B2 (en) | Tilt pad bearing with through-pivot lubrication | |
JP6419177B2 (ja) | プロペラブレード支持装置 | |
CN104105895A (zh) | 滚动轴承设施 | |
WO2016084937A1 (ja) | ジャーナル軸受、回転機械 | |
KR101898348B1 (ko) | 모터 | |
JP6762943B2 (ja) | 真空ポンプ潤滑油供給システム | |
JP2019218952A (ja) | ターボチャージャ二重ボールベアリングシステム | |
JP2008240796A (ja) | シール付きアンギュラ玉軸受及び主軸装置 | |
JP2018501431A5 (ja) | ||
CN104632879A (zh) | 用于流体机械应用的轴承单元 | |
JP2011241953A (ja) | 主軸装置 | |
JP2014005848A (ja) | 転がり軸受及び工作機械用主軸装置 | |
CN117006045A (zh) | 用于涡旋压缩机的防自转机构及涡旋压缩机 | |
CN102163887A (zh) | 高速电机用静压升举与滚动环轴承混合支承及该旋转机械 | |
JP6975710B2 (ja) | 傾斜補正付きボールベアリング構造 | |
JP2011106493A (ja) | 転がり軸受装置 | |
JP2010156383A (ja) | 転がり軸受装置 | |
JP2021532298A (ja) | 軸受ケージ | |
JPH11132244A (ja) | 潤滑装置付円筒ころ軸受装置 | |
JP2006077814A (ja) | 工作機械の主軸用回転支持装置 | |
KR102507213B1 (ko) | 트러스트 에어포일 베어링 | |
JP4225104B2 (ja) | 転がり軸受装置 | |
KR20060121343A (ko) | 가변 급기공을 갖는 외부 가압 저널 베어링 |