JP2011241868A - オイルシール - Google Patents

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俊介 青木
Takehiro Nakagawa
岳洋 中川
Masayuki Tanida
昌幸 谷田
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Abstract

【課題】シールリップの摺動部に設ける微細な凹凸が摺動摩耗によって早期に消失してしまうのを抑制することができ、もって微細な凹凸による低摩擦化の効果を長期間に亙って維持するとともに、しかもコーティング膜による低摩擦化の効果を併せ発揮することが可能なオイルシールを提供する。
【解決手段】シールリップの摺動部に微細な凹凸を設けるとともに凹凸上に低摩擦のコーティング膜を設ける。摺動部は、コーティング膜を設けた後においても凹凸による立体構造が残っている形状である。コーティング膜は、PTFEコーティング膜である。コーティング膜の厚み寸法は、5〜15μmである。コーティング膜を設けた後における凹凸による立体構造の大きさは、Rz10〜25である。
【選択図】図2

Description

本発明は、密封装置の一種であるオイルシールに関するものである。
オイルシールにおけるシールリップの摺動部には、流体潤滑膜と固体接触部(真実接触部)とが存在し、後者の固体接触部(真実接触部)の存在が摺動抵抗を増大させる要因となっている。
そこで、従来技術として図4に示すように、オイルシールにおけるシールリップaの摺動部に微細な凹凸(マイクロディンプル)bを設けることによって固体接触部(真実接触部)の面積を減らし、これにより低摩擦化を実現し、摺動抵抗を低減させる技術が開発されている(特許文献1参照)。
しかしながら、ゴム状弾性体よりなるシールリップaの表面に微細な凹凸bを設けるだけの構造では、微細な凹凸bが摺動摩耗等によって早期に消失してしまうため、微細な凹凸bによる低摩擦化の効果も限定されたものとならざるを得ない。
特開2004−316795号公報(請求項4、図3)
本発明は以上の点に鑑みて、シールリップの摺動部に設ける微細な凹凸が摺動摩耗等によって早期に消失してしまうのを抑制することができ、もって微細な凹凸による低摩擦化の効果を長期間に亙って維持するとともに、しかもコーティング膜による低摩擦化の効果を併せ発揮することが可能なオイルシールを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1によるオイルシールは、シールリップの摺動部に微細な凹凸を設けるとともに前記凹凸上に低摩擦のコーティング膜を設け、前記摺動部は、前記コーティング膜を設けた後においても前記凹凸による立体構造が残っている形状とされていることを特徴とする。
また、本発明の請求項2によるオイルシールは、上記した請求項1記載のオイルシールにおいて、前記コーティング膜は、PTFEコーティング膜であることを特徴とする。
また、本発明の請求項3によるオイルシールは、上記した請求項1または2記載のオイルシールにおいて、前記コーティング膜の厚み寸法は、5〜15μmであり、前記コーティング膜を設けた後における前記凹凸による立体構造の大きさは、Rz10〜25であることを特徴とする。
シールリップの摺動部に微細な凹凸を設けるとともにこの凹凸の表面上に低摩擦のコーティング膜を設け、前者の凹凸を後者のコーティング膜によって保護することにより、凹凸が摺動摩耗等によって早期に消失しないようにする。
但し、凹凸の表面上にコーティング膜を設けることにより凹凸による立体構造が埋まってしまっては凹凸を形成したことが意味を成さなくなるので、コーティング膜を設けた後においても凹凸による立体構造が残っている形状とし、このためコーティング膜を薄膜状に被着する。
また、低摩擦のコーティング膜には、このコーティング膜自体の材質上の特性による低摩擦化を期待することもできる。
したがって、上記構成を備える本発明によれば、コーティング膜による保護によって微細な凹凸による低摩擦化の効果を長期間に亙って維持することが可能となり、しかもその上で、微細な凹凸による低摩擦化とコーティング膜の材質上の特性による低摩擦化を双方ともに獲得することが可能となる。
コーティング膜の種類としては、薄膜状の被着が可能で、しかも材質上低摩擦の特性を備えるPTFEコーティング膜が好適である。
コーティング膜の厚み寸法としては、5〜15μmとするのが好適であり、5μmを下回ると、低摩擦化の効果代が少なく、15μmを上回ると、凹凸がコーティングにより埋まってしまう懸念が生じることになる。
また、コーティング膜を設けた後における凹凸による立体構造の大きさとしては、Rz10〜25とするのが好適であり、Rz10を下回ると、低摩擦化の効果代が少なく、Rz25を上回ると、更なる低摩擦化とはなるが、シール性が低下してしまうため推奨することができない。また離型抵抗が大きくなるため、成形性の観点からも望ましくない。
本発明は、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明においては上記したように、コーティング膜による保護によって微細な凹凸による低摩擦化の効果を長期間に亙って維持することが可能となり、しかもその上で、微細な凹凸による低摩擦化とコーティング膜の材質上の特性による低摩擦化を双方ともに期待することが可能となる。したがって本発明所期の目的どおり、シールリップの摺動部に設ける微細な凹凸が摺動摩耗等によって早期に消失してしまうのを抑制することができ、もって微細な凹凸による低摩擦化の効果を長期間に亙って維持するとともに、しかもコーティング膜による低摩擦の効果を併せ発揮することができるオイルシールを提供することができる。
本発明の実施例に係るオイルシールの要部断面図 同オイルシールにおけるシールリップ摺動部の説明図 同オイルシールの製造工程を示す説明図 従来例に係るオイルシールの断面図
本発明には、以下の実施形態が含まれる。
(1)上記課題を解決するため、リップ摺動部に微細な凹凸(梨地、微細ネジ)を設ける。微細な凹凸を設けることにより固体接触部(真実接触部)が減少するため、低摩擦化が実現できると考える。また、リップ摺動部に低摩擦のコーティング(PTFEなど)を塗布することで低摩擦化することが可能であるが、母材よりも硬いコーティングとの組み合わせにより突起が潰れにくくなり、効果がより顕著にみられると考える。
(2)本発明において微細な凹凸を形成するのは、低摩擦化(低トルク化)、摺動抵抗の低減を目的としており(主に摺動時(摩耗後も含む)の低摩擦化を目的としており)、従来見られるようなポンプ量の増大、異音(鳴き)の防止、起動トルクの抑制などを目的とするものではない。
(3)本発明は主に回転用オイルシールを対象とし、回転用オイルシールの低摩擦化を提案するものである。
(4)本発明においてコーティングは、シールリップ(摺動部)に塗布する低摩擦のコーティングである。コーティングの仕様としては、シール性を維持し、かつ低摩擦化が可能なPTFEコーティングが好適である。
(5)本発明において微細な凹凸を設けるとともにコーティングを施す面は、リップ摺動部であるが、より具体的には、リップ摺動部の大気側斜面とするのが好適である。工程としては、ゴムに微細な凹凸を設けた上で、膜厚がコントロールされたコーティング処理を施し、コーティング後メスカットしてリップ先端を形成する。
(6)凹凸(粗し)およびコーティングの狙い値について
(6−1)粗し加工狙い粗さ
Rz10〜Rz25を狙い値とし、Rz20が望ましい。Rz10以下(Rz10未満)では低トルク化が見込めない(下記「比較試験1」参照)。Rz25以上にする(Rz25よりも大きくする)ことにより、更なる低トルク化が望めるが、シール性が低下してしまうため推奨できない(下記「比較試験2」参照)。また、離型抵抗が大きくなるため、成形性の観点からも望ましくない。
(6−2)粗し+コーティング後の狙い粗さ
Rz10〜Rz25を狙い値とする。コーティングの膜厚が薄いため、元の粗さに影響を与えない。
(6−3)コーティング膜厚狙い値
5μm〜15μmを狙い値とし、10μmが望ましい。5μm以下(5μm未満)では低トルク化の効果代が少なく、15μm以上(15μmよりも大きい場合)では梨地による凹凸がコーティングにより埋まってしまうため、梨地による低トルク化が望めない。
比較試験1・・・
1.供試試料の仕様
試料A:リップ摺動面の表面粗さ実測値:7μm
試料B:リップ摺動面の表面粗さ実測値:20μm
2.トルク測定結果
(1)摺動面に油が介在するとき
Figure 2011241868
(2)摺動面にグリースが介在するとき
Figure 2011241868
比較試験2・・・
1.供試試料の仕様
試料C:リップ摺動面の表面粗さ実測値:23μm
試料D:リップ摺動面の表面粗さ実測値:30μm
2.トルク測定結果
Figure 2011241868
(7)リップ摺動面にPTFEコーティングのような薄い皮膜を被覆し、下地の凸凹を生かす(浮き出させる)。形を長期維持する。粗さは10μm程度。リップ摺動面にはあらかじめ粗し加工を施す。
(8)PTFEコーティングは、従来技術では困難であったリップ摺動面への膜厚を薄くすることに成功し、シール性を維持しかつ低トルク化の実現が可能となる。本発明はこの技術の発展的な技術として、リップ摺動面へ微細な凹凸を設けることにより、更なる低トルク化が実現できる。
(9)低トルクアイテムとして、主リップ摺動面に10μm程度の粗さを設けることによりトルクが20%低減するのを評価試験にて確認済みである。
(10)従来技術では、リップへのコーティングが厚いため、リップの摺動面へ微細な凹凸を設けても、コーティングにより凹凸が埋まってしまうが、PTFEコーティングは膜厚を10μm程度と薄く塗布することができるため、凹凸が埋まることがなく、リップと軸の接触面積を小さくすることができるため、低トルク化することが可能となる。
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の実施例に係るオイルシールにおけるシールリップ1を示しており、このシールリップ1における回転軸2と摺動自在に密接する摺動部(摺動面)3に、図2に拡大して示すような微細な凹凸4が設けられるとともに、この凹凸4の表面上に低摩擦のコーティング膜5が設けられ、摺動部3は図示するように、コーティング膜5が設けられた後においても凹凸4による立体構造6が残っている形状とされている。
凹凸4は、梨地加工や粗し加工やネジ加工などによって形成されている。コーティング膜5としては具体的に、厚み5〜15μmのPTFEコーティング膜とされ、このコーティング膜5を設けた後における凹凸4による立体構造6の大きさは、Rz10〜25の大きさとされている。
尚、シールリップ1は、その摺動部3に、密封流体側斜面7と大気側斜面8とを有しており、このうちの大気側斜面8に凹凸4およびコーティング膜5が設けられている。
製造工程としては、図3に示すように、バリ9付きの成形品を製作して、大気側斜面8に凹凸4を加工し、次いでコーティング膜5を被着し、次いでメスカットCしてリップ先端を形成する。
上記構成のオイルシールにおいては、コーティング膜5による保護によって微細な凹凸4による低摩擦化の効果を長期間に亙って維持することが可能となり、しかもその上で、微細な凹凸4による低摩擦化とコーティング膜5の材質上の特性による低摩擦化を双方ともに期待することが可能となる。したがって本発明所期の目的どおり、シールリップ1の摺動部3に設ける微細な凹凸4が摺動摩耗等によって早期に消失してしまうのを抑制することができ、もって微細な凹凸4による低摩擦化の効果を長期間に亙って維持するとともに、しかもコーティング膜5による低摩擦の効果を併せ発揮することができるオイルシールを提供することができる。
1 シールリップ
2 回転軸
3 摺動部
4 凹凸
5 コーティング膜
6 立体構造
7 密封流体側斜面
8 大気側斜面
9 バリ
C メスカット

Claims (3)

  1. シールリップの摺動部に微細な凹凸を設けるとともに前記凹凸上に低摩擦のコーティング膜を設け、
    前記摺動部は、前記コーティング膜を設けた後においても前記凹凸による立体構造が残っている形状とされていることを特徴とするオイルシール。
  2. 請求項1記載のオイルシールにおいて、
    前記コーティング膜は、PTFEコーティング膜であることを特徴とするオイルシール。
  3. 請求項1または2記載のオイルシールにおいて、
    前記コーティング膜の厚み寸法は、5〜15μmであり、
    前記コーティング膜を設けた後における前記凹凸による立体構造の大きさは、Rz10〜25であることを特徴とするオイルシール。
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