JP2011241682A - 車両の排気装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インレットパイプ9を挿入する拡張室の外壁を構成するシェルの大円弧部にこの大円弧部の外周面に沿うプレート部材37を設け、このプレート部材37を補強プレート36に連結する。
【選択図】図1
Description
図9に示すように、拡張型のマフラ101では、インレットパイプ102を通過する排ガスが、複数の拡張室のうち、隣接する隔壁103・103間でインレットパイプ102が挿入される拡張室104に最初に導入されるため、特に、このインレットパイプ102が挿入される拡張室104の室内温度が、他の拡張室に比べて最も上昇する傾向にあった。
そして、図9に示すように、エンジンの停止後、マフラ101の内部の温度が低下してマフラ101の変形が元の状態に戻る際に、内周側シェル105は膨張した状態から収縮した状態に変化するため、この形状の変化や内周側シェル105の収縮により内周側シェル105・外周側シェル106同士が衝突したりして異音が発生してしまうという問題があった。
従って、上記の特許文献1においても、走行風で冷却される外周側シェルとマフラの内部の排ガスの熱によって加熱される内周側シェルとの間で熱膨張量の差が生じて、この熱膨張量の差によって各シェル間(内周側シェルと中間板の間と中間板と外周側シェルの間)で剥離状態となり、剛性が低下してマフラの表面が変形してしまう問題があった。
図1、図2において、1は車両、2Lは左前輪、2R右前輪、3Lは左後輪、3R右後輪、4Lは左サイドメンバ、4Rは右サイドメンバである。
車両1には、前部でエンジン5が搭載されるとともに、このエンジン5からの排ガスを排出する排気装置6が搭載されている。
この排気装置6には、エンジン5に接続し且つ車両後方に延びて触媒コンバータ7を備えた排気管8と、この排気管8の後端が接続するインレットパイプ9及び右側から車両後方に延びるアウトレットパイプ10を備えてリアフロア11の下方で且つ左後輪3Lと右後輪3R間に配置されたマフラ12とが設けられている。
このマフラ12は、図1、図4に示すように、マフラ12に固定した前支持ロッド13F・後支持ロッド13Bと、この前支持ロッド13F・後支持ロッド13Bの先端に係止した前マウントゴム14F・後マウントゴム14Bと、この前マウントゴム14F・後マウントゴム14Bに係止されてリアフロア11に固定された前取付ピン15F・後取付ピン15Bとにより、リアフロア11に弾性支持されている。
マフラ本体18の外壁は、薄板を層状に巻き重ねた内周側シェル19と外周側シェル20とからなる筒状のシェル21と、このシェル21の軸方向両端部を閉鎖する左右の両端の左端板22L・右端板22Rとによって形成される。
第1拡張室27は、左端板22Lと複数の左通気孔32を備えた第1隔壁23とによって形成される。第2拡張室28は、第1隔壁23と通気孔を備えていない第2隔壁24とによって形成される。第3拡張室29は、マフラ本体18の中央部位に配置され、第2隔壁24と通気孔を備えていない第3隔壁25とによって形成される。第4拡張室30は、第3隔壁25と複数の右通気孔33を備えた第4隔壁26とによって形成される。第5拡張室31は、第4隔壁26と右端板22Rとによって形成される。
また、マフラ本体18内においては、第3拡張室29の排ガスを第5拡張室31に直接導く第1の短絡パイプ34が第3隔壁25と第4隔壁26とに取り付けられ、また、第4拡張室30の排ガスを第2拡張室28に直接導く第2の短絡パイプ35が第2隔壁24と第3隔壁25とに取り付けられ、更に、第2拡張室28に先端部位が開口するアウトレットパイプ10を第2隔壁24〜第4隔壁26と右端板22Rとに取り付けられている。
また、マフラ12においては、図3、図4に示すように、これら拡張室25〜31のうちの1つである第3拡張室29に排ガスを導入するインレットパイプ9を、シェル21の小円弧部としての前小円弧部17Fとこの前小円弧部17Fの外周面に接合される補強プレート36とを貫通して、第3拡張室29内へ挿入する構造としている。
このように、インレットパイプ9を挿入する第3拡張室29の外壁を構成するシェル21の下大円弧部16Dにこの下大円弧部16Dの外周面に沿うプレート部材37を接合することにより、このプレート部材37によって下大円弧部16Dの面剛性を向上できる。
また、プレート部材37を下大円弧部16Dの外周面に沿わせて、このプレート部材37を補強プレート36に連結したことにより、排ガスの通過で高温になったインレットパイプ9の排ガスの熱を補強プレート36からプレート部材37に伝達することができ、その後、プレート部材37に伝達された熱は、プレート部材37を介してシェル21の外周面となる外周側シェル20に伝達できる。
これによって、マフラ12の周囲(外周)を流れる走行風で冷却されるシェル21の外周面としての外周側シェル20と第3拡張室29内で溜まった排ガスの熱で加熱されるシェル21の内周面となる内周側シェル19との熱膨張量の差異を解消して、この二層(又は、複数層)から成る内周側シェル19・外周側シェル20同士の熱膨張量を略同等にでき、これら内周側シェル19と外周側シェル20との間を密接状態に維持して下大円弧部16Dの面剛性を向上できる。つまり、このプレート部材37は、単なるシェル21の補強板の機能を持たせただけでなく、シェル21の外周面に熱を伝達する伝熱板の機能を持たせたことで、二層(又は、複数層)から成る内周側シェル19と外周側シェル20との間の密接状態を向上させることができ、シェル21の変形を抑制することができる。
従って、エンジン5の停止によってマフラ12内部の温度が低下してシェル21の変形が元に戻るときに、内周側シェル19・外周側シェル20同士の衝突・接触によって生じる異音の発生を防止することができる。
このような構造により、排ガスの通過で高温になったインレットパイプ9の熱をプレート部材37に直接受熱させることができる。これによって、インレットパイプ9でプレート部材37が加熱されて、シェル21の内周側シェル19と外周側シェル20との間の表面温度の差異を解消して、2つの内周側シェル19・外周側シェル20の熱膨張量を均一にすることができる。
これによって、プレート部材37からシェル21の外周面に流れる熱伝達率を高めることができ、走行風によってシェル21の外周面としての外周側シェル20が収縮されるのを防止できる。
これは、一般的に、マフラ12の下方は速度の高い走行風が通過するため、マフラ12の下部はこの走行風の通過によって急激に冷却され、特に、マフラ12の下部では、マフラ12の内部と外部では温度差が大きくなり、内周側シェル19と外周側シェル20との間で熱膨張量の差が増加して、内周側シェル19と外周側シェル20との間の密接度が低下する。
そこで、この変形例では、上大円弧部16U・下大円弧部16Dのうち少なくとも鉛直方向下側の下大円弧部16Dにプレート部材37を取り付けたことで、マフラ12の下方で速度が高い走行風で急冷されるシェル21の外周面をプレート部材37で加熱して、特に、マフラ12の下方で生じる内周側シェル19と外周側シェル20との間の熱膨張の差異を解消して、マフラ12の下部でのシェル21の変形を防止できる。
5 エンジン
6 排気装置
8 排気管
9 インレットパイプ
10 アウトレットパイプ
12 マフラ
16U 上大円弧部
16D 下大円弧部
17F 前小円弧部
17R 後小円弧部
18 マフラ本体
19 内周側シェル
20 外周側シェル
21 シェル
22L 左端板
22R 右端板
23〜26 第1〜第4隔壁
27〜31 第1〜第5拡張室
36 補強プレート
37 プレート部材
38 連結部
Claims (4)
- 断面形状が大円弧部の両端部を小円弧部で繋いだ楕円形のマフラ本体をその断面を車両幅方向に向けて車両の下部に配置し、前記マフラ本体の外壁は薄板を層状に巻き重ねた筒状のシェルとこのシェルの軸方向両端部を閉鎖する端板とによって形成し、前記シェル内に隔壁によって区画される拡張室を複数個形成し、前記拡張室のうちの1つに排ガスを導入するインレットパイプを前記シェルの小円弧部とこの小円弧部の外周面に接合される補強プレートとを貫通して前記拡張室内へ挿入する構造とした車両の排気装置において、前記インレットパイプを挿入する拡張室の外壁を構成する前記シェルの大円弧部にこの大円弧部の外周面に沿うプレート部材を設け、前記プレート部材を前記補強プレートに連結したことを特徴とする車両の排気装置。
- 前記プレート部材のうち前記補強プレートに連結する部分を、前記インレットパイプの外周面の周辺まで延設したことを特徴とする請求項1に記載の車両の排気装置。
- 前記プレート部材を、前記シェルの外周面に密着させたことを特徴とする請求項2に記載の車両の排気装置。
- 前記大円弧部が前記マフラ本体の鉛直方向の上側及び下側に配置される前記マフラにて、前記大円弧部のうち少なくとも前記マフラ本体の鉛直方向下側の大円弧部に前記プレート部材を取り付けたことを特徴とする請求項3に記載の車両の排気装置。
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