JP2011241367A - コイルスキッド - Google Patents

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正博 矢ケ部
Ryosuke Motochi
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Abstract

【課題】製鉄所等での冷間圧延によって製造された鋼板等の金属板を巻き取ったコイルを載置し保管したコイルスキッドが、倉庫内や屋外等に載置し保管されたときに、金属板に傷がつかず、しかも倉庫内での火災や製鉄所の火災に遭遇したときにも、当該コイルスキッドが難燃性を有するようにする。
【解決手段】 コイルスキッドCS1は、上面中央部に略断面V字の溝状体2が形成されている。当該溝状体2は対向する傾斜面1a、1bで構成されている。
上記コイルスキッドCS1は、ゴム組成物よりなり、当該ゴム組成物は、ゴム100重量部に対し、ハロゲン系難燃剤1〜60重量部、有機短繊維10〜80重量部を含む組成物である。
また、当該ゴム組成物は、ゴム100重量部に対し、ハロゲン系難燃剤1〜60重量部、アンチモン系難燃剤1〜30重量部、有機短繊維10〜80重量部を含む組成物である。
【選択図】図1

Description

本発明は、製鉄所等での冷間圧延によって製造された鋼板等の金属板を巻き取ったコイルを載置し保管するためのコイルスキッドに関し、特に、倉庫内や屋外等に、前記金属板を巻き取ったコイルを載置し保管しているときに、倉庫内での火災や製鉄所の火災に遭遇しても燃えにくく、しかも弾性も有するコイルスキッドに関する。
製鉄所等での冷間圧延によって製造された鋼板等の金属板は、錆や擦り傷の発生防止等のために表面に潤滑油が塗布され、コイル状に巻き取られる。コイル状になった金属板は、コイルスキッドに載置され、使用に供されるまで、倉庫内や屋外等に保管される。
コイルスキッドは、コイル状になった金属板が移動しにくく、安定して載置できるように、上面にV字状の溝状体が形成されている。
上記のようなコイルスキッドとしては、金属または木材等で形成され、載置されたコイル状の金属板が異物等により傷が生成するのを防止するため、V字状の溝状体の対向している傾斜面にシート状のゴムまたはプラスチック等の高分子組成物を貼着したものが提案され、実用化されている。
また、成形が容易で、しかも、軽量であり、取り扱いを容易な、全体を高分子組成物のみで形成したものも提案され、実用化されている。
なお、本発明に関連する公知技術として、次の特許文献1及び2を挙げることができる。
特開平11−216515号公報 特開平7−155840号公報
このようなコイルスキッドにおいて、その一つの課題として、滅多に遭遇することではないが、倉庫内での保管中に、漏電等による潤滑油への引火により、または、屋内での保管中に、製鉄所等の火災等により、V字状の溝状体を形成されている高分子組成物、もしくは、全体を形成している高分子組成物が燃焼し,黒煙や白煙が発生し大災害になる虞れがあった。
また、他の課題として、上記のような大災害になる虞れは少ないけれども、V字状の溝状体上面に貼着等されている高分子組成物の板状体に、または、全体を形成している高分子組成物に、無機繊維が混入されている場合は、弾性を失う虞れがあった。
その結果、いずれの場合も高分子組成物が硬くなりすぎ、V字状の溝状体上面に異物等が存在すると、当該溝状体上面に載置されている、コイルスキッドに巻かれている金属板に擦り傷等が生じ、商品価値を低下させるケースも散見されていた。
本発明は、このような従来の技術がかかえていた課題を解決しようとするものであり、そのために、一部または全体を形成するゴム組成物が難燃性でしかも弾性を有するコイルスキッドを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために講じた手段は次のとおりである。
第1の発明は、一部又は全体がゴム組成物で形成されているコイルスキッドであって、 当該ゴム組成物が、ゴム100重量部に対し、ハロゲン系難燃剤1〜60重量部、有機短繊維10〜80重量部を含む組成物であることを特徴とするコイルスキッドである。
第2の発明は、一部又は全体がゴム組成物で形成されているコイルスキッドであって、 当該ゴム組成物が、ゴム100重量部に対し、ハロゲン系難燃剤1〜60重量部、アンチモン系難燃剤1〜30重量部、有機短繊維10〜80重量部を含む組成物であることを特徴とするコイルスキッドである。
第3の発明は、ハロゲン系難燃剤が臭素系難燃剤であることを特徴とする第1または第 2の発明に係るコイルスキッドである。
第4の発明は、一部又は全体がゴム組成物で形成されているコイルスキッドであって、 当該ゴム組成物が、ゴム100重量部に対し、金属水酸化物系難燃剤1〜100重量部、有機短繊維10〜80重量部を含む組成物であることを特徴とするコイルスキッドである。
第5の発明は、一部又は全体がゴム組成物で形成されているコイルスキッドであって、 当該ゴム組成物が、ゴム100重量部に対し、臭素系難燃剤1〜60重量部、アンチモン系難燃剤1〜30重量部、金属水酸化物系難燃剤1〜100重量部、有機短繊維10〜80重量部を含む組成物であることを特徴とするコイルスキッドである。
第6の発明は、金属水酸化物系難燃剤が水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムであることを特徴とする第4または第5の発明に係るコイルスキッドである。
第7の発明は、有機短繊維が有機難燃性短繊維であることを特徴とする第1、第2、第3、第4、第5、または第6の発明に係るコイルスキッドである。
第8の発明は、有機難燃性短繊維が難燃性芳香族アラミド短繊維または難燃性ポリエステル短繊であることを特徴とする第7の発明に係るコイルスキッドである。
なお、上記第1の発明から第8発明に係る、一部又は全体がゴム組成物で形成されているコイルスキッドは、次のような構成である。
その一つは、全体が加硫されたゴム組成物で形成され、上面中央部に略V字形の溝状体が形成されており、当該溝状体の主要部は、対向する傾斜面より成る。
他の一つは、上記コイルスキッドと略同形状であり、木材またはプラスチック等よりなるが、対向する傾斜面に凹部が形成されており、当該凹部には、加硫されたゴム組成物シートが貼着されている。
上記したように、第1の発明に係るコイルスキッドは、一部又は全体がゴム組成物で形成されているコイルスキッドであって、当該ゴム組成物が、ゴム100重量部に対し、ハロゲン系難燃剤1〜60重量部、有機短繊維10〜80重量部を含む組成物である。
この発明においては、ゴムを上記のような組成物にすることによって、加熱によって生成したゴム分解物がゴム表面、そして気相に拡散して着火する燃焼サイクルにおいて、ハロゲン系難燃剤1〜60重量部がゴムの熱分解抑制とゴム分解物の内部拡散抑制を行なうことにより、ゴム分解時に、生成するラジカルを捕捉し、ゴム組成物を難燃化することができる。
上記ハロゲン系難燃剤の効果は、当該ハロゲン系難燃剤が3〜20重量部の範囲内がゴム組成物の難燃化に最も優れる。
また、有機短繊維10〜80重量部がゴム組成物中のゴムの含有率を下げることにより、ゴム組成物の難燃化を促進できると同時に、無機短繊維とは異なり、有機短繊維は、それ自体弾性を有するので、無機短繊維と比べ、ゴム組成物の弾性を低下させることが少なく、ゴム自体が有する弾性を十分維持することができる。
上記有機短繊維の効果は、当該有機短繊維が20〜60重量部の範囲内がゴム組成物の難燃化に最も優れる。
なお、本発明においては、以下、弾性は、JIS K6253 ゴムの硬さ試験方法およびJIS K6254 ゴムの低変形における応力・ひずみ試験方法で測定した値で判断するものとする。
第2の発明は、一部又は全体がゴム組成物で形成されているコイルスキッドであって、 当該ゴム組成物が、ゴム100重量部に対し、ハロゲン系難燃剤1〜60重量部、アンチモン系難燃剤1〜30重量部、有機短繊維10〜80重量部を含む組成物であることを特徴とするコイルスキッドである。
この発明においては、上記第1の発明のゴム組成物に対して、更に、アンチモン系難燃剤1〜30重量部が配合されている。このアンチモン系難燃剤が、ゴム組成物中のゴム分子のナノ領域に近かづくにつれて、ゴムとの相互作用が増大し、ゴム中に拘束層が形成されると考えられている。
その結果、この拘束層により、燃焼時のゴム分子の分解が抑制され、更に分解によって生成した揮発物質の内部拡散が遅延化され、ゴム組成物を難燃化することができる。
上記アンチモン系難燃剤の効果は、当該アンチモン系難燃剤が2〜15重量部の範囲内がゴム組成物の難燃化に最も優れる。
従って、第2の発明は、上記第1の発明のゴム組成物と同一の弾性を保持しつつ、難燃化を更に確実にすることができる。
第3の発明は、ハロゲン系難燃剤が臭素系難燃剤であることを特徴とする第1または第2の発明に係るコイルスキッドである。
この発明においては、ゴム組成物の燃焼サイクル過程で、ハロゲン系難燃剤のうちで最もラジカルを捕捉する能力が大きい臭素系難燃剤を含むので、上記第1または第2の発明にかかるゴム組成物の難燃化をより一層確実にすることができる。
第4の発明は、一部又は全体がゴム組成物で形成されているコイルスキッドであって、当該ゴム組成物が、ゴム100重量部に対し、金属水酸化物系難燃剤1〜100重量部、有機短繊維10〜80重量部を含む組成物であることを特徴とするコイルスキッドである。
この発明においては、ゴム組成物の燃焼サイクル過程で、水を発生する冷却材である金属水酸化物系難燃剤1〜100重量部を含むので、ゴム組成物を難燃化することができる。
上記金属水酸化物系難燃剤の効果は、当該金属水酸化物系難燃剤が5〜40重量部の範囲内がゴム組成物の難燃化に最も優れる。
また、更に、上記したように、有機短繊維10〜80重量部がゴム組成物中のゴムの含有率を下げることにより、ゴム組成物の難燃化を促進できると同時に、無機短繊維とは異なり、有機短繊維は、それ自体弾性を有するので、無機短繊維と比べ、ゴム組成物の弾性を低下させること少なく、ゴム自体が有する弾性を十分維持することができる。
上記有機短繊維の効果は、当有機短繊維20〜60重量部の範囲内がゴム組成物の弾性に最も優れる。
第5の発明は、一部又は全体がゴム組成物で形成されているコイルスキッドであって、 当該ゴム組成物が、ゴム100重量部に対し、臭素系難燃剤1〜60重量部、アンチモン系難燃剤1〜30重量部、金属水酸化物系難燃剤1〜100重量部、有機短繊維10〜80重量部を含む組成物であることを特徴とするコイルスキッドである。
この発明は、第3の発明のゴム組成物に対して、更に金属水酸化物系難燃剤1〜100重量部が加えられたものである。上記したように、金属水酸化物系難燃剤は、ゴム組成物の燃焼サイクル過程で、水を発生し冷却材となるので、第3の発明におけるよりも、更にゴム組成物を難燃化することができる。
上記金属水酸化物系難燃剤の効果は、当該金属水酸化物系難燃剤5〜40重量部の範囲内がゴム組成物の難燃化に最も優れる。
第6の発明は、金属水酸化物系難燃剤が水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムであることを特徴とする第4または第5の発明に係るコイルスキッドである。
この発明は、第4または第5の発明における、金属水酸化物系難燃剤として、冷却剤として最も作用が大きい水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムを使用しているので、第4または第5の発明に係るゴム組成物よりも、更にゴム組成物を難燃化することができる。
第7の発明は、有機短繊維が有機難燃性短繊維であることを特徴とする第1、第2、第3、第4、第5、または第6の発明に係るコイルスキッドである。
この発明は、第1、第2、第3、第4、第5、または第6の発明における、有機短繊維として有機難燃性短繊維を使用しているので、第1、第2、第3、第4、第5、または第6の発明に係るゴム組成物よりも、更にゴム組成物を難燃化することができる。
第8の発明は、有機難燃性短繊維が難燃性芳香族アラミド短繊維または難燃性ポリエステル短繊維であることを特徴とする第7の発明に係るコイルスキッドである。
この発明は、第7の発明における、有機難燃性短繊維として最も難燃性が大きい芳香族アラミド短繊維またはポリエステル短繊維を使用しているので、第7の発明に係るゴム組成物よりも、更にゴム組成物を難燃化することができる。
本発明の一実施例を示す斜視図である。 本発明の他の実施例を示す斜視図である。
本発明のコイルスキッドの一部または全体に使用されるゴム組成物中のゴムは、天然ゴム、スチレンブタジェン共重合ゴム、ポリブタジェンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリクロロプレンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブチルゴム、エチレンプロピレン共重合ゴム、アクリロニトリル共重合ゴム等が使用される。
ハロゲン系難燃剤としては、主に、臭素系難燃剤と塩素系難燃剤が使用される。臭素系難燃剤としては、臭素化脂肪族化合物、臭素化脂肪族・芳香族化合物、臭素化芳香族化合物、臭素化芳香族ポリマー、臭素化フエニルアリルエーテル、臭素化芳香族トリアジン、デカプロモジフエニルエーテル等が使用される。
上記のうちで代表的なものは臭素化脂肪族化合物であり、当該化合物は、炭素−臭素の結合エネルギーが小さく、比較的低い温度で分解するために少量の添加で難燃性が発揮される。
一方、臭素化芳香族化合物は、炭素−臭素の結合エネルギーが大きく、そのために分解温度が高く、かつ燃焼時に臭素が脱離した後に芳香族が架橋剤として作用し炭化被膜形成に寄与する。 その炭化被膜が、酸素を遮断し、ゴム組成物の燃焼を抑えることができる。
塩素系難燃剤としては、塩素化パラフィン、パークロロシクロペンタデカン、クロレンド酸等が使用される。
代表的なものとしての塩素化パラフィンは、高塩素化率で固形状のものが難燃剤として有効である。
臭素系難燃剤と塩素系難燃剤を比べると、前者の方が難燃性に優れるので、本発明に対しては特に、前者が好適である。
有機短繊維及び有機難燃性短繊維は、長さ5〜80mmのものが使用される。長さ5mm未満のものは、十分な弾性を発揮することができず、80mmを超えるものは、ゴム組成物を製造するときの混練工程で均一に分散しにくく、物性に偏りが生じることが多い。
これらの有機短繊維としては、ビスコース繊維(レーヨン等)、酢酸ビスコース繊維(アセテート、トリアセテート等)、ポリビニルアルコール繊維(ビニロン等)、アクリル繊維、脂肪族ポリアミド繊維(脂肪族ナイロン等)、芳香族ポリアミド繊維(芳香族ナイロン等)、ポリエステル繊維、ふっ素系繊維、炭素繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエチレン繊維、ポリビニリデン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリウレタン繊維等が使用される。
有機難燃性短繊維は、難燃性アラミド繊維と難燃性ポリエステル繊維が使用される。例えば、難燃性アラミド繊維は、メタ系アラミド繊維が多く使用され、その化学構造は、ベンゼン環が直接アミド結合で結ばれ,対称性が高く水素結合密度の高い構造である。
このような難燃性繊維は、ガラス転移点および融解点,分解点が高い、構成原子の結合エネルギー大きく熱安定性が高い、などの点で特徴づけられている。そして、加熱・接炎しても自己燃焼が少なく、類焼しないこと、および自己消炎性があること、燃焼時の分解生成物の毒性や煙濃度が低いことなどの性質を有している。
金属水酸化物系難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化ジルコニウム,酸化錫の水和物等が使用される。
金属水酸化物系難燃剤は、燃焼時に発生する水により冷却され、燃焼を抑制する。水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムの脱水反応は、それぞれ160℃、340℃、400℃から始まる。水酸化カルシウムは、脱水開始温度が高いため、燃焼効率が水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムよりも低い。また水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムの吸熱量は、それぞれ470cal/g、312cal/gであり、水酸化アルミニウムの方が、燃焼効率が高い。しかし、脱水反応開始温度が低いため,成形上注意が必要である。
有機難燃性繊維は、難燃性アラミド繊維と難燃性ポリエステル繊維が使用される。例えば、難燃性アラミド繊維は、メタ系アラミド繊維が多く使用され、その化学構造は、ベンゼン環が直接アミド結合で結ばれ,対称性が高く水素結合密度の高い構造である。
このような難燃性繊維は、ガラス転移点および融解点,分解点が高く、構成原子の結合エネルギーが大きく熱安定性が大きい、などの点で特徴づけられている。そして、加熱・接炎しても自己燃焼が少なく、類焼しないこと、および自己消炎性があること、燃焼時の分解生成物の毒性や煙濃度が低い、等の特徴を有する。
本発明のコイルスキッドに使用するゴム組成物に対して、ガラス短繊維、ポリアミド短繊維、ハロゲン系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤、アンチモン系難燃剤等が、弾性及び難燃性を向上させることができるか否かについて、大凡の傾向を見るための予備試験的な実験を行なう。
以下、本発明のコイルスキッドを、図面と実験例とにより詳細に説明する。
図中、CSはコイルスキッドである。コイルスキッドCSの一例をCS1で表し、他の例をCS2で表す。
コイルスキッドCS1は、上面中央部に略V字形の溝状体2が形成されており、当該溝状体2の主要部は、対向する傾斜面1a、1bより構成されている。図示はしていないが、傾斜面1a、1bに接するようにして、コイル状に巻かれた金属帯が載置される。コイルスキッドCS1は、全体が加硫されたゴム組成物で形成されている。
コイルスキッドCS2は、上記コイルスキッドCS1と全体は略同形状であり、木材またはプラスチック等よりなるが、傾斜面1a、1bには凹部が形成されており、当該凹部には、加硫されたゴム組成物シート3a、3bが貼着されている。
本発明のコイルスキッドCS1またはCS2に使用するゴム組成物(加硫物)の弾性と難燃性及び公知のゴム組成物(加硫物)の弾性と難燃性についてそれぞれを比較した結果を下記する。
なお、上記ゴム組成物(加硫物)の物性即ち弾性と難燃性を測定する試料は、下記の工程により得られたシートを使用した。
即ち、先ず、下記第1表に示すようなゴム、補強剤、充填剤及びその他のゴム薬品、難燃剤、繊維等を秤量し、その秤量物を、ロール機にて混練し、圧延機(カレンダー)にて所定の厚みに圧延した。この圧延シートを加硫缶にて間接加硫を行ない、試料用のシートを得た。
なお、以下の実施例においても同様である。
Figure 2011241367
Figure 2011241367
第1表中、ゴムはアクリロ・ニトリル共重合体を、補強剤はカーボンブラックを、充填剤はシリカ系充填剤を、上段に記載の加硫促進剤はテトラメチルチウラム−ヂスルフィドを、下段に記載の加硫促進剤はジベンゾチアジル−ジスルヒィドを、軟化剤はDOPをそれぞれ使用した。
そして、これらから成る配合のうち、後記の便宜のために、公知例1、2、及び3と同じ配合のものを基礎配合1、発明1及び3と同じ配合のものを基礎配合2、発明2,4、及び5と同じ配合のものを基礎配合3とした。
また、H系難燃剤はハロゲン系難燃剤を示し、具体的には臭素系難燃剤テトラブロモビスフエノールA(TBBA)を示し、M系難燃剤は金属水酸化物系難燃剤を示し、具体的には水酸化アルミニウム(商品名ハイジライド 昭和電工株式会社製)を示し、A系難燃剤はアンチモン系難燃剤を示し、具体的には三酸化アンチモン(商品名patox−M 日本精鉱株式会社製)を示し、有機短繊維はポリアミド短繊維を示し、有機難繊維は有機難燃短繊維を示し、具体的には難燃性アラミド短繊維を示し、無機短繊維はガラス短繊維を示す。
ここで、上記4種類の各繊維は太さ4,5〜5,5mmのものを使用した。
なお、第1表中の基礎配合1、基礎配合2、基礎配合3、H系難燃剤、M系難燃剤、A系難燃剤、有機短繊維、有機難繊維、無機短繊維の数字は重量部による配合部数を示す。
硬さは、JIS K6253 ゴムの硬さ試験方法で、 応力・歪は、JIS K6254ゴムの低変形における応力・歪試験(10%の圧縮時に測定した。単位μPa)でそれぞれ測定した。
T1、T2、T1+T2、T2+T3は、20mm垂直燃焼試験:94V−0、94V−1、94V−2(ASTM D3801)で測定した値を表す。
第1表中の弾性及び難燃性の結果判定欄のそれぞれにおいて、劣る場合は×印を、優れる場合は○印を、特に優れる場合は◎印を記している。
また、綜合結果判定欄において、弾性及び難燃性の両方共または何れか一方が劣る場合は×印を、両方共優れる場合は○印を、特に優れる場合は◎印を記している。
以下の実施例においても同様である。
第1表の結果より、公知例1は弾性と難燃性がないことが分かり、公知例2は、ガラス繊維を配合したものであり、そのことにより、弾性には寄与するけれども、難燃性には寄与しないことが分かる。
公知例3は、ポリアミド短繊維を配合したものであり、そのことにより、弾性には寄与するけれども、難燃性には寄与しないことが分かる。
また、発明1、2、3、4、5は共に弾性及び難燃性に優れていることが分かる。
このことから、ハロゲン系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤、アンチモン系難燃剤は共に弾性及び難燃性に寄与しているが分かる。また、ポリアミド短繊維は上記各難燃剤と併用することにより、難燃性にも寄与してくることが分かる。
実施例1により、ハロゲン系難燃剤のうちの臭素系難燃剤がゴム組成物の難燃化に寄与しているのが分かるので、その詳細を知るために、配合2をベースとして以下の実験を行なった。
念のため記すと下表の配合部数はゴム100部に対する重量部を示す。以下の実施例の場合も同様である。
なお、実験1〜6まですべて基礎配合1を使用した。
Figure 2011241367
Figure 2011241367
臭素系難燃剤がゴム100重量部に対して、1〜60重量部配合されれば難燃性に優れ、その配合量が3から60重量部であれば、特に難燃性に優れていることが分かる。
実施例1により、ポミアラミド短繊維がゴム組成物の難燃弾性に寄与しているのが分かったので、その詳細を知るために、以下の実験を行なった。
なお、実験1〜6まで全て基礎配合1を使用した。
Figure 2011241367
ポリアラミド短繊維がゴム100重量部に対して、10〜80重量部配合されれば弾性に優れ、その配合量が20〜60重量部であれば、特に弾性に優れていることが分かる。
尚、実験6は混練工程において、ポリアラミド繊維が均一に混練することが出来なかった。
実施例1により、A系難燃剤即ちアンチモン系難燃剤がゴム組成物の弾性に寄与しているのが分かったので、その詳細を知るために、以下の実験を行なった。
なお、実験1は基礎配合1を、実験2,3,及び4は基礎配合2を使用した。
Figure 2011241367
Figure 2011241367
アンチモン系難燃剤がゴム100重量部に対して、1〜35重量部配合されれば弾性と難燃性に優れ、その配合量が15重量部であれば、特に弾性に優れていることが分かる。
実施例1により、M系難燃剤即ち水酸化アルミニウムがゴム組成物の難燃性に寄与しているのが分かったので、その詳細を知るために、以下の実験を行なった。
なお、実験1〜6は全て基礎配合1を使用した。
Figure 2011241367
水酸化アルミニウムがゴム100重量部に対して、1〜100重量部配合されれれば弾性及び難燃性に優れ、その配合量が5〜40重量部であれば、特に、弾性と難燃性の両方を考慮した即ち綜合結果判定に優れていることが分かる。
尚、実験6は混練工程において、ポリアラミド繊維が均一に混練することが出来なかった。
本発明のコイルスキッド、即ち、その必須構成要素であるゴム部材は、難燃性と弾性を有するので、工場等で使用されるベルトやホース等、長靴、スニーカ、玩具、まな板、ロール、壁材、床材、ゴムスリーブ、手歯止め等数多くの分野に利用することができる。
本発明に係るコイルスキッドの他の例を示す斜視図である。
CS コイルスキッド
CS1 コイルスキッドCSの一例
CS2 コイルスキッドCSの他の1例
1a 溝状体2を形成する傾斜面
1b 傾斜面1aに対向して形成されている傾斜面
2 溝状体
3 加硫ゴム組成物
3a 傾斜面1aに貼着されている加硫ゴム組成物シート
3b 傾斜面1bに貼着されている加硫ゴム組成物シート

Claims (8)

  1. 一部又は全体がゴム組成物で形成されているコイルスキッドであって、
    当該ゴム組成物が、ゴム100重量部に対し、ハロゲン系難燃剤1〜60重量部、有機短繊維10〜80重量部を含む組成物であることを特徴とするコイルスキッド。
  2. 一部又は全体がゴム組成物で形成されているコイルスキッドであって、
    当該ゴム組成物が、ハロゲン系難燃剤1〜60重量部、アンチモン系難燃剤1〜30重量部、有機短繊維10〜80重量部を含む組成物であることを特徴とするコイルスキッド。
  3. ハロゲン系難燃剤が臭素系難燃剤であることを特徴とする請求項1または2記載のコイルスキッド。
  4. 一部又は全体がゴム組成物で形成されているコイルスキッドであって、
    当該ゴム組成物が、ゴム100重量部に対し、金属水酸化物系難燃剤1〜100重量部、有機短繊維10〜80重量部を含む組成物であることを特徴とするコイルスキッド。
  5. 一部又は全体がゴム組成物で形成されているコイルスキッドであって、
    当該ゴム組成物が、ゴム100重量部に対し、臭素系難燃剤1〜60重量部、アンチモン系難燃剤1〜30重量部、金属水酸化物系難燃剤1〜100重量部、有機短繊維10〜80重量部を含む組成物であることを特徴とするコイルスキッド。
  6. 金属水酸化物系難燃剤が水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項4または5記載のコイルスキッド。
  7. 有機短繊維が有機難燃性短繊維であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載のコイルスキッド。
  8. 有機難燃性短繊維が難燃性アラミド短繊維または難燃性ポリエステル短繊維であることを特徴とする請求項7記載のコイルスキッド。
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