JP2011241181A - クエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤 - Google Patents

クエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤 Download PDF

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Abstract

【課題】
クエチアピンフマル酸塩を含有する経口用錠剤において、クエチアピンフマル酸塩の溶出性が改善され、さらには、安定性が向上し、かつ、錠剤硬度等の諸特性を十分満足する経口用錠剤の提供。
【解決手段】
崩壊剤としてカルボキシメチルスターチナトリウム及び含水二酸化ケイ素を組み合わせて用いることを特徴とする、溶出性が改善されたクエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤、並びに、上記崩壊剤に加えて、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロースを用いることを特徴とする、安定性が向上したクエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、クエチアピンフマル酸塩経口用錠剤及びその製造方法に関する。
クエチアピン(Quetiapine)は、化学名2−[2−(4−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−11−イル−1−ピペラジニル)エトキシ]−エタノールであり、ジベンゾチアゼピン系の抗精神病用薬剤として使用されている。クエチアピンは、ドーパミンD及びD受容体、セロトニン5HTA1及び5HT受容体、ヒスタミンH受容体、並びに、アドレナリンα及びα受容体を含む、いくつかの神経伝達物質受容体の拮抗薬として作用する。クエチアピンは、主にドーパミンD受容体及びセロトニン5HT受容体の拮抗作用を介して抗精神病用薬剤としての効果を発揮すると考えられている。
現在クエチアピン及びその塩類、特にクエチアピンフマル酸塩は、統合失調症及び双極性躁病の治療用薬剤として使用されている。
クエチアピンフマル酸塩は、分散不良薬物として知られている。分散不良薬物を含有する経口固形製剤を溶出試験液中に投入すると、原薬自体の性状変化や結晶変異によって製剤の崩壊が阻害され、溶出試験用ビーカーの底に凝集滞留するなどして、溶出不良となる場合のあることが知られている(特許文献1)。
そのような分散不良薬物を含有する製剤の分散性を改善する方法として、従来は、製剤に希釈剤を多量に配合することにより、製剤全量に対する薬物含有量を減少させ、性状変化や結晶変異による崩壊阻害を緩和する方法が主に採られてきた。
しかし、多量の希釈剤を配合する方法では、錠剤とした場合、その形状が大きくなり、服用しにくく、また、細粒及び顆粒剤等では服用量が多くなる等の問題点がある。
特許文献1では、分散不良薬物に、結晶セルロースなどの非水溶性セルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、トラガント末またはキサンタンガム等の浮遊化剤を加えて造粒することにより、分散不良薬物の分散性及び溶出性を改善し、さらに、界面活性剤の併用で溶出性を微調整している。
特表2005−508370号公報
クエチアピンフマル酸塩を含有する経口用錠剤において、賦形剤等の希釈剤を増量することなく、クエチアピンフマル酸塩の溶出性を改善することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討したところ、クエチアピンフマル酸塩を含有する経口用錠剤を調製するに際し、崩壊剤として、カルボキシメチルスターチナトリウム及び含水二酸化ケイ素の両者を併用することによって、該錠剤の溶出性が著しく改善され、これにより上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成した。また、さらに特定の結合剤を組み合わせて使用することによって、該錠剤の安定性が向上することを見出した。
即ち本発明は、
(1)
クエチアピンフマル酸塩、及び、崩壊剤としてのカルボキシメチルスターチナトリウム及び含水二酸化ケイ素の両者、を含有することを特徴とするクエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤、
(2)
素錠の総量に対して、クエチアピンフマル酸塩を20〜80質量%、崩壊剤としてのカルボキシメチルスターチナトリウム及び含水二酸化ケイ素の両者の総量が5〜15質量%及び残部がその他の医薬用添加剤であり、カルボキシメチルスターチナトリウムに対する含水二酸化ケイ素の質量割合が、100:3〜100:350であることを特徴とする上記(1)に記載のクエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤、
(3)
素錠の総量に対して、クエチアピンフマル酸塩を20〜80質量%、カルボキシメチルスターチナトリウムを1〜12質量%、含水二酸化ケイ素を0.1〜10質量%含有し、残部がその他の医薬用添加剤であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のクエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤、
(4)
その他の医薬用添加剤として、ヒドロキシプロピルセルロースを結合剤として含有することを特徴とする上記(1)に記載のクエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤、
(5)
素錠の総量に対して、結合剤としてのヒドロキシプロピルセルロースを1〜10質量%含有することを特徴とする上記(4)に記載のクエチアピンフマル酸塩経口用錠剤、
(6)
その他の医薬用添加剤として、賦形剤を含み、賦形剤として乳糖水和物及びリン酸水素カルシウム水和物を、両者の合計で素錠の総量に対して20〜60質量%含有する上記(1)〜(5)の何れか一項に記載のクエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤、
(7)
クエチアピンフマル酸塩、及び、崩壊剤としてのカルボキシメチルスターチナトリウム及び含水二酸化ケイ素の両者、を混合及び造粒する工程並びに得られた造粒物を打錠する工程を含むことを特徴とするクエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤の製造方法、
(8)
混合及び造粒する工程において、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロースを使用することを特徴とする上記(7)に記載のクエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤の製造方法、
(9)
造粒物を打錠する前に、該造粒物に、更に、滑沢剤及び、崩壊剤としてのカルボキシメチルスターチナトリウムを添加混合した後、打錠することを特徴とする上記(7)又は(8)に記載のクエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤の製造方法、
に関する。
本発明のクエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤は、結晶セルロースなどの浮遊化剤を含有しないにもかかわらず、溶出性に優れる錠剤である。さらに、本発明のクエチアピン錠剤は、製剤中のクエチアピンフマル酸塩含有量にばらつきが少なく、含量均一性が良好であり、更に保存安定性に優れ、かつ、錠剤の打錠性も良好で、重量バラツキが少なく、錠剤硬度を満足するものであり、品質的に優れている。
本発明を以下により詳しく説明する。なお、以下特に断りのない限り、「%」は質量%を、「部」は質量部を、また、割合は質量割合をそれぞれ表す。
本発明のクエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤(以下、本発明のクエチアピン錠剤又は本発明の錠剤ともいう)は、クエチアピンフマル酸塩、及び、崩壊剤としてカルボキシメチルスターチナトリウム及び含水二酸化ケイ素の両者、を含有することを特徴とする。残部はその他の医薬用添加剤である。また、本明細書において「素錠」はコーティング前の裸錠を意味する。
本発明のクエチアピン錠剤における有効成分のクエチアピン(2−[2−(4−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−11−イル−1−ピペラジニル)エトキシ]−エタノール)は、通常医療上使用される品質のクエチアピンが使用される。本発明のクエチアピン錠剤においては、有効成分として、現在医療用に使用されているクエチアピンフマル酸塩を使用する。
本発明において使用するクエチアピンフマル酸塩は、特開昭63−8378号公報に記載の方法で製造することができる。
本発明のクエチアピン錠剤は、素錠の総量に対してクエチアピンフマル酸塩を20〜80%程度、好ましくは25〜75%程度、更に好ましくは35〜75%程度含有する。通常、1錠あたりのクエチアピン相当量が25mg、50mg、100mg又は200mg含有する錠剤として製造される。クエチアピンを25〜200mg含有する製剤における素錠の総量に対するクエチアピンフマル酸塩の好ましい含量は25〜50%程度、更に好ましくは35〜50%程度である。
本発明の錠剤で崩壊剤として使用されるカルボキシメチルスターチナトリウム及び含水二酸化ケイ素は、第十五改正日本薬局方に定められており、通常市販されているものは、何れも使用可能である。
また本発明の錠剤において、崩壊剤として、カルボキシメチルスターチナトリウム及び含水二酸化ケイ素以外に、他の崩壊剤を併用してもよい。そのような崩壊剤としては、例えばデンプン、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポピドン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどを挙げることができる。
これらの他の崩壊剤は、本発明の効果を達成する範囲において、併用しても良いが、通常、本発明の錠剤においては、他の崩壊剤を併用しなくてよい。
本発明の錠剤における崩壊剤としてのカルボキシメチルスターチナトリウムと含水二酸化ケイ素の総量の含有割合は、クエチアピンフマル酸塩100部に対して、5〜50部程度、好ましくは10〜40部程度、より好ましくは10〜30部程度、更に好ましくは13〜20部程度である。また、本発明の錠剤の素錠の総量に対する崩壊剤としてのカルボキシメチルスターチナトリウムと含水二酸化ケイ素の総量の含有割合は、通常5〜20%程度、好ましくは5〜15%程度、より好ましくは5〜10%である。
本発明において崩壊剤として用いるカルボキシメチルスターチナトリウムと含水二酸化ケイ素の割合は、カルボキシメチルスターチナトリウム100部に対して含水二酸化ケイ素3〜350部程度、好ましくは3〜50部程度、より好ましくは、4〜20部程度、更に好ましくは4〜10部程度である。
本発明の錠剤におけるカルボキシメチルスターチナトリウムの含有割合は、クエチアピンフマル酸塩100部に対して、通常2〜30部程度、好ましくは6〜26部程度、更に好ましくは10〜20部程度である。また、カルボキシメチルスターチナトリウムの素錠の総量に対する含有割合は、通常1〜12%程度、好ましくは3〜10%程度、更に好ましくは5〜10%程度である。
本発明の錠剤における含水二酸化ケイ素の含有割合は、クエチアピンフマル酸塩100部に対して、通常0.02〜40部程度、好ましくは0.2〜5部程度、更に好ましくは0.5〜3部程度である。また、含水二酸化ケイ素の、素錠総量に対する含有割合は、通常0.01〜10%程度、好ましくは0.1〜5%程度、より好ましくは0.2〜2%程度、更に好ましくは0.3〜1%である。
本発明の錠剤に使用することができる崩壊剤以外の主要な添加剤としては、結合剤、賦形剤及び滑沢剤などを挙げることができ、更に、必要に応じて添加されてもよい添加剤としては、甘味剤、矯味剤、香料、流動化剤、着色剤などが挙げられる。また、本発明の錠剤がコーティング錠である場合には、更に、コーティング剤を挙げることができる。
結合剤としては、錠剤用の結合剤として通常使用される結合剤は何れも使用することが出来る。例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、メタクリル酸コポリマー、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、白糖、ブドウ糖、トラガント末及びアルギン酸ナトリウムなどを挙げることができる。好ましいものとしてはポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを挙げることができ、ヒドロキシプロピルメチルセルロースがより好ましい。
本発明の錠剤においては、保存安定性の観点から、上記結合剤としてヒドロキシプロピルセルロースを使用するのが好ましい。ヒドロキシプロピルセルロースを使用した錠剤では、他の結合剤、例えばポリビニルピロリドン等を用いた錠剤に比して、苛酷試験で、クエチアピンの不純物含量の増加が抑えられる。本発明の錠剤に使用するヒドロキシプロピルセルロースは、第十五改正日本薬局方に定められており、水溶性(20℃で、水に10%以上溶解するものが好ましい)で、通常市販されているものであれば何れも使用可能である。
ヒドロキシプロピルセルロースの市販品としては、例えば日本曹達株式会社製のHPC−SSL(商品名:以下も同じ)(平均分子量15,000〜30,000)、HPC−SL(平均分子量30,000〜50,000)及びHPC−L(平均分子量55,000〜70,000)等が挙げられる。これらのうちHPC−SSLは、造粒機への付着抑制が期待できるためより好ましい。
本発明の錠剤においては、上記結合剤としてヒドロキシプロピルセルロースを単独で使用するのがより好ましい。
本発明の錠剤における結合剤の含有割合は、クエチアピンフマル酸塩100部に対して、通常2〜25部程度、好ましくは2〜18部程度、より好ましくは2〜14部程度、更に好ましくは2〜8部程度である。結合剤がヒドロキシプロピルセルロースの場合も同じでよいが、より好ましくは3〜12部程度、最も好ましくは4〜8部である。また本発明の錠剤における結合剤の素錠の総量に対する含有割合は、1〜10%程度、好ましくは1〜7%程度である。結合剤がヒドロキシプロピルセルロースの場合も同じでよいが、より好ましくは1〜4%程度、更に好ましくは2〜3%程度である。
本発明の錠剤においては、通常上記の崩壊剤及び結合剤の他に賦形剤を含み、更に所望により、流動化剤、滑沢剤及び凝集防止剤等の、通常医薬製剤分野で常用される添加剤を含んでいてもよい。
本発明の錠剤における賦形剤としては、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニトール、硫酸カルシウム及びリン酸水素カルシウム等が挙げられる。本発明の錠剤においては、賦形剤として、乳糖(水和物)若しくはリン酸水素カルシウム(水和物)又はこれらの両者を用いるのが好ましく、両者の併用がより好ましい。
本発明の錠剤における賦形剤の含有割合は、通常、素錠の総量に対して、20〜60%程度、好ましくは25〜60%程度である。クエチアピンを25〜200mg含む錠剤における好ましい賦形剤の含量は30〜60%程度、好ましくは35〜60%程度である。また、クエチアピンフマル酸塩100部に対する賦形剤の含有割合は、通常20〜220部程度、好ましくは30〜220部程度であり、クエチアピンを25〜200mg含む錠剤における好ましい賦形剤の含量は60〜160部程度、より好ましくは80〜130部程度である。
本発明の錠剤における賦形剤として、乳糖及びリン酸水素カルシウムを組み合わせて用いる場合、両者の合計が上記賦形剤の含量でよい。それぞれの含量としては、クエチアピンフマル酸塩100部に対して、乳糖が10〜150部程度、好ましくは20〜125部程度であり、クエチアピンを25〜200mg含む錠剤における好ましい乳糖の含量は40〜125部程度、更に好ましくは60〜100部程度であり、リン酸水素カルシウム水和物が4〜40部程度、好ましくは8〜35部程度であり、クエチアピンを25〜200mg含む錠剤における好ましい含量は、13〜35部程度、更に好ましくは17〜30部程度である。また、素錠の総量に対する含有割合は、乳糖が10〜60%程度、好ましくは15〜50%程度であり、クエチアピンを25〜200mg含む錠剤における好ましい含量は、20〜50%程度、更に好ましくは30〜43%程度であり、リン酸水素カルシウム水和物が2〜16%程度、好ましくは3〜14%程度、より好ましくは4〜14%程度、クエチアピンを25〜200mg含む錠剤における好ましい含量は4〜16%程度、好ましくは6〜14%程度、更に好ましくは8〜12%程度である。
乳糖水和物100部に対するリン酸水素カルシウム水和物の割合は、20〜40部が好ましい。
本発明の錠剤における滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸カルシウム等、通常使用されているものから適宜選択して使用すればよい。本発明においてはステアリン酸マグネシウムを使用するのが好ましい。滑沢剤を使用する場合、本発明のクエチアピン錠の素錠の総量に対する滑沢剤の含有割合は、0.8〜10%程度、好ましくは0.8〜5%程度、更に好ましくは0.8〜3.2%程度である。
本発明のクエチアピン錠剤は、崩壊剤としてカルボキシメチルスターチナトリウム及び含水二酸化ケイ素を組み合わせて用いるのが好ましく、さらに、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロースを組み合わせて用いるのが好ましい。
従って本発明の錠剤組成を、好ましい場合も含めて例示すれば下記の通りである。何れも素錠の総量に対する割合である。
クエチアピンフマル酸塩:20〜80%程度、好ましくは25〜75%程度、更に好ましくは35〜75%程度。クエチアピンを1錠あたり25〜200mg含有する場合、好ましくは25〜50%程度、更に好ましくは35〜50%程度。
カルボキシメチルスターチナトリウム:1〜12%程度、好ましくは3〜10%程度、更に好ましくは5〜10%程度。
含水二酸化ケイ素:0.01〜10%程度、好ましくは0.1〜5%程度、より好ましくは0.2〜2%程度、更に好ましくは0.3〜1%。
カルボキシメチルスターチナトリウムと含水二酸化ケイ素の両者の合計:5〜20%程度、好ましくは5〜15%程度、より好ましくは5〜10%。
結合剤(好ましくはヒドロキシプロピルセルロース):1〜10%程度、好ましくは1〜7%程度、より好ましくは1〜4%程度、更に好ましくは2〜3%程度。
賦形剤:通常20〜60%程度、好ましくは25〜60%程度。クエチアピンを1錠あたり25〜200mg含有する場合、通常30〜60%程度、好ましくは35〜60%程度。
任意成分:0〜10%程度、好ましくは0.8〜10%程度、より好ましくは0.8〜5%程度、更に好ましくは0.8〜3.2%程度。
なお、任意成分は、上記のクエチアピンフマル酸塩、カルボキシメチルスターチナトリウム、含水二酸化ケイ素、結合剤(好ましくはヒドロキシプロピルセルロース)及び賦形剤以外の成分であり、流動化剤、滑沢剤及び凝集防止剤等である。
本発明のクエチアピン錠剤は、素錠のまま使用してもよいし、必要に応じて、適当なフィルム層を錠剤表面にコーティングする等の方法により、コーティング錠(例えばフィルムコーティング錠)として使用することもできる。通常、本発明のクエチアピン錠剤はフィルムコーティング錠とするのが好ましい。該コーティングにより、錠剤の光、熱又は湿度等による変色や原薬の分解から保護したり、薬剤の味等を隠蔽したりすることが出来る。
該コーティングとしては、フィルムコーティングが好ましい。フィルムコーティングのためのフィルム形成成分としては、フィルム形成可能であれば特に限定されることはないが、フィルム形成可能な水溶性高分子化合物を含む組成物からなることが好ましい。
上記水溶性高分子化合物としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒプロメロースなどを挙げることが出来、中でもヒプロメロースが好適である。フィルム形成成分の、コーティング成分(固形成分)総量に対する含有割合は、65〜75%の範囲が好ましい。
フィルムコーティングに際して、上記フィルム形成成分以外に、フィルムに柔軟性を与えたり、光などによる変色や原薬の分解等を防ぐための遮光又は着色を行ったりする等の目的で、必要に応じて、可塑剤、不透明化剤及び着色剤等の成分をフィルムコーティング剤中に添加してもよい。本発明においてはこれらの成分を含む方が好ましい。該成分としては、ポリエチレングリコール(例えばポリエチレングリコール6000)、クエン酸トリエチル、フタル酸ジエチル、プロピレングリコール、グリセリン及びフタル酸ジブチルなどの可塑剤;酸化チタン等の不透明化剤;並びに、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄及びタール色素等の着色剤;等が挙げられる。それらはいずれも目的に応じて、該目的を達成する範囲で使用すればよい。可塑剤、不透明化剤及び着色剤のコーティング成分総量に対する組成比率は特に限定されないが、例えばコーティング成分(固形成分)総量に対して、可塑剤及び不透明化剤はそれぞれ10〜20%の範囲、着色剤は1〜2%の範囲が好ましい。
本発明のクエチアピン錠剤のコーティング剤におけるコーティング成分(固形成分)の使用量は、素錠の総量に対して1〜10%の範囲、好ましくは2〜8%の範囲である。
以下に本発明のクエチアピン錠剤の製造方法を具体的に説明する。
本発明のクエチアピン錠剤の素錠は、必要に応じてクエチアピンの原薬を粉砕し、適当な溶媒の存在下あるいは非存在下、崩壊剤、結合剤及びその他の医薬品添加剤(例えば、賦形剤等)と混合後、攪拌造粒法、押し出し造粒法、転動造粒法、流動層造粒法、乾式圧縮造粒法、噴霧乾燥造粒法等の慣用されている造粒法により造粒し、乾燥後、必要に応じて整粒することで得られた顆粒を、必要に応じて崩壊剤及び滑沢剤と混合して打錠末とし、打錠機を用いてこれを打錠することにより得られる。次いで、必要に応じて、該素錠をコーティングすることにより、本発明のクエチアピン錠剤のコーティング錠を得ることができる。
例えば、クエチアピンフマル酸塩、崩壊剤としてのカルボキシメチルスターチナトリウム及び含水二酸化ケイ素、更に、必要に応じてその他の添加剤(滑沢剤を除く)を均一に混合した後、精製水に溶解した結合剤(好ましくはヒドロキシプロピルセルロース)を溶媒として、造粒機等を用いて造粒し、乾燥することにより、造粒物を得ることができる。
本発明の錠剤の製造方法における造粒法としては、上記の慣用されている造粒法であればいずれでもよいが、打錠性、流動性及び圧縮成形性の面からは流動層造粒法が好ましく、また、スケールアップ、条件設定の容易性及び作業工程の少なさの面からは攪拌造粒法が好ましい。
また、崩壊剤としてのカルボキシメチルスターチナトリウム及び含水二酸化ケイ素は、この造粒工程で、全量を配合しても良いが、本発明においては、少なくともカルボキシメチルスターチナトリウムの一部を打錠前の造粒物と混合した後、打錠するのが好ましい。
カルボキシメチルスターチナトリウムは、素錠中に含まれる該カルボキシメチルスターチナトリウムの総量に対して、4〜7割程度(質量割合:以下同じ)、好ましくは4.5〜6割程度をこの造粒工程で配合し、残りを、打錠前に、造粒物と混合する方が、溶出性の点で好ましい。
造粒後の乾燥は、造粒機での乾燥でも、棚式乾燥機等による乾燥の何れでも良く、その乾燥時間は、乾燥温度等の条件により異なるので一概には言えないが、10分〜20時間程度である。乾燥が完了した目安としては、造粒により得られた造粒物の水含有量が1〜5%になるまで乾燥するのが好ましい。
該造粒により得られた造粒物は、通常、整粒するのが好ましい。整粒は、整粒後の顆粒の最長径が、1mm以下、好ましくは0.8mm以下、より好ましくは0.6mm以下、更に好ましくは0.5mm以下となるように整粒するのが好ましい。
該造粒により得られた造粒物、又は該造粒物を整粒して得られた顆粒に、滑沢剤を加えて、均一に混合して打錠用末とすることもできるが、好ましくは崩壊剤としてのカルボキシメチルスターチナトリウム及び滑沢剤(好ましくはステアリン酸マグネシウム)を加えて均一に混合することにより、打錠用末を調製するのが好ましい。この工程での崩壊剤としてのカルボキシメチルスターチナトリウムの添加量は、素錠中に含まれる崩壊剤としてのカルボキシメチルスターチナトリウムの全量に対して、3〜6割、好ましくは4〜5.5割程度である。
該打錠用末を常法により打錠することにより、本発明のクエチアピン錠剤(素錠)が製造される。打錠工程における打錠条件については、目的とする錠剤を得ることができればどのような条件であっても、特に制限されるものではない。通常、素錠の打錠圧は4〜15kN程度である。
上記で得られた本発明の錠剤(素錠)は、必要に応じて適宜錠剤をコーティング(例えばフィルムコーティング)して、本発明の錠剤として使用できる。
上記フィルムコーティングは常法によって行うことができる。例えば、前記コーティング成分(水溶性高分子、並びに、必要に応じて添加する不透明化剤、可塑剤及び着色剤等)を、水及び/又は有機溶媒からなるコーティング液用溶媒と混合してコーティング液を調製し、適当なコーティング装置を用いて、本発明のクエチアピン素錠にコーティングし、その後乾燥することにより、本発明のフィルムコーティング錠を得ることができる。上記有機溶媒としては、例えばアルコール(メチルアルコール、エチルアルコール及びイソプロピルアルコール等)、ケトン(例えばアセトン及びエチルメチルケトン等)、塩素化炭化水素(例えば塩化メチレン及びジクロロエタン等)などが挙げられる。上記コーティング液用溶媒としては、水、又は水とエチルアルコールなどのC2−C4アルコールとの混合液が好ましく、より好ましくは水とエチルアルコールとの混合液である。
上記コーティング装置としては、通常錠剤のコーティングに使用されるコーティングパンを用いることができ、具体的にはハイコーター(フロイント産業株式会社製、商品名)、ドリアコーター(株式会社パウレック製、商品名)などを挙げることができる。また、このときのコーティング錠の乾燥は常法によって行うことができる。
得られたコーティング錠は、所望により、ポリシング(艶出し)を行ってもよい。ポリシングは常法により行えばよく、カルナウバロウ等のポリシングワックスを投入し、フィルムコーティング錠にポリシングを行えばよい。
以上の工程により、コーティングされた本発明のクエチアピン錠剤を得ることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本発明の実施例で得られた錠剤につき、素錠の硬度は、1錠あたり25mg相当量のクエチアピンを含有する錠剤では3.0〜7.0kgfの範囲であり、1錠あたり100mg相当量のクエチアピンを含有する錠剤では6.0〜14.0kgfの範囲であった。また、コーティング錠の硬度は、1錠あたり25mg相当量のクエチアピンを含有する錠剤では4.0〜8.0kgfの範囲であり、1錠あたり100mg相当量のクエチアピンを含有する錠剤では7.0〜15.0kgfの範囲であった。本発明の素錠及びコーティング錠は共に、好ましい硬度を有している。
実施例1
下記表1の処方及び製法にて、本発明の25mgクエチアピン錠剤(素錠)を製造した。
クエチアピンフマル酸塩28.8部、乳糖(200)42.2部、リン酸水素カルシウム水和物10.00部及び含水二酸化ケイ素10.0部を均一に混合した後、ポリビニルピロリドン(PVP、平均分子量58,000、商品名:プラスドンK−29/32、アイエスピー・ジャパン株式会社製)5.0部を溶解した水を適宜添加して練合し、乳鉢で造粒した。造粒後、棚式乾燥機にて60℃で乾燥を行い、次いで30メッシュ篩で篩過し、整粒した。30メッシュオン品は乳鉢内で粉砕した後、30メッシュパス品と混合した。得られた造粒物96.00部にカルボキシメチルスターチナトリウム(ROQUETTE社製、商品名GLYCOLYSRTM)3.00部及びステアリン酸マグネシウム(太平化学産業株式会社製)1.00部を添加し、混合することにより、打錠用末を得た。
この打錠用末を単発打錠機(多能錠剤機、木村機械精工株式会社製)により、杵径6.0mm及び錠剤硬度4.0〜6.0kgfの条件で打錠し、クエチアピンを25mg含有する錠剤(素錠)を製造した。
比較例1−1及び1−2
下記表1の処方にて、上記実施例1において、含水二酸化ケイ素の代わりに、クロスポビドン(商品名:クロスポビドンCL−F、BASF社製)及びトウモロコシデンプン(日本食品化工株式会社製)をそれぞれ使用する以外は、上記実施例1と同様の製法により、クエチアピンを25mg含有する比較例1−1及び1−2のクエチアピン錠剤(素錠)を得た。
Figure 2011241181
試験例1
溶出試験
実施例1、比較例1−1及び1−2により得られたクエチアピン錠剤1個をとり、試験液として日本薬局方第二液900mL(pH約6.9)を用い、パドル法により、毎分50回転で溶出試験を行った。溶出試験の開始から10分後、溶出液10mLを測定用に抜き取り、直ちに37±0.5℃に加温した試験液10mLを補った。採取した溶出液を孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過した。初めのろ液5mLを除き、次のろ液1mLを正確に量り、水1mLを正確に加えたものを試料溶液とする。
試料溶液とは別に、定量用クエチアピンフマル酸塩を105℃で2時間乾燥し、その32mgを精密に量り、メタノールに溶かし、正確に100mLとした。この液2mLを正確に量り、上記日本薬局方第二液(試験液)を加えて正確に20mLとした。この液1mLを正確に量り取ったものを、標準溶液とする。
試料溶液及び標準溶液10μLずつを正確に量り、下記の条件で液体クロマトグラフィーによる測定を行った。n回目に採取した試料溶液及び標準溶液のクエチアピン(C2125S)のピーク面積をそれぞれAT(n)及びAとし、下記の式により、n回目の試料溶液採取時における各素錠の溶出率(%)を算出した。
式1
Figure 2011241181
:定量用クエチアピンフマル酸塩の秤取量(mg)
C:1錠中のクエチアピン(C2125S)の含有量(mg)
本試験例では、W=32及びC=25である。
液体クロマトグラフィー試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長254nm)
カラム:内径3mm、長さ10cmのステンレス管に平均粒子径3μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんして使用した。
カラム温度:30℃付近の一定温度
移動相:酢酸アンモニウム(77→10000)及びアセトニトリルの1:1混合溶液
流量:クエチアピンの保持時間が約4分になるように調整した。
実施例1、比較例1−1及び比較例1−2により得られたクエチアピン錠剤における、10分後の溶出率を、下記表2に示す。溶出試験は2回行い、溶出率はその平均値を記載した。崩壊剤として、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び含水二酸化ケイ素を組み合わせて使用した場合、優れた溶出率を示す錠剤が得られた。
Figure 2011241181
実施例2
下記表3の処方及び製法にて、本発明の25mgクエチアピン錠剤(素錠)を製造した。
前記実施例1において、クエチアピンフマル酸塩を40.0部、乳糖(200)を36.5部、含水二酸化ケイ素を0.50部、カルボキシメチルスターチナトリウムを7.0部、それぞれ使用すること以外は実施例1と同様の製法により、打錠用末を得た。この打錠用末を、ロータリー打錠機(株式会社菊水製作所製VELA5)により、杵径5.5mm及び錠剤硬度3.0〜7.0kgfの条件で打錠し、クエチアピンを25mg含有するクエチアピン錠剤(素錠)を得た。
比較例2
下記表3の処方で、上記実施例2において、乳糖(200)を37.0部使用し、含水二酸化ケイ素を使用しないこと以外は、実施例2と同様の製法により、クエチアピンを25mg含有するクエチアピン錠剤(素錠)を得た。
Figure 2011241181
試験例2
溶出試験
実施例2及び比較例2により得られたクエチアピン錠剤1個を取り、前記試験例1と同様にして、溶出試験を行った。試験溶液の採取は、溶出試験開始から5、10、15、30及び60分後に行った。このときの、n回目に採取した試料溶液及び標準溶液のクエチアピン(C2125S)のピーク面積(AT(n)及びA)から、前記試験例1と同様に、n回目の試料溶液採取時における各素錠の溶出率(%)を算出した。
実施例2及び比較例2により得られたクエチアピン錠剤の溶出試験の結果を、下記表2及び図1に示す。崩壊剤として、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び含水二酸化ケイ素を組み合わせて使用した場合、カルボキシメチルセルロースナトリウムを単独で使用した場合に比して、優れた溶出率を示す錠剤が得られた。
Figure 2011241181
実施例3
下記表5の処方及び製法にて、本発明の100mgクエチアピン錠剤(素錠)を得た。
クエチアピンフマル酸塩46.05部、乳糖(200)30.45部、リン酸水素カルシウム水和物10.00部、カルボキシメチルスターチナトリウム4.00部及び含水二酸化ケイ素0.50部を均一に混合した。その後、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達株式会社製、商品名HPC−L)を5.00部溶解した水を適宜添加して練合し、流動層造粒機(マルチプレックスMP−01、株式会社パウレック製)にて造粒及び乾燥した。次いで30メッシュ篩で篩過し、整粒した。30メッシュオン品はスピードミル(32メッシュ)で粉砕した後、30メッシュパス品と混合した。得られた造粒物96.00部にカルボキシメチルスターチナトリウム(ROQUETTE社製、商品名GLYCOLYSRTM)3.00部及びステアリン酸マグネシウム(太平化学産業株式会社製)1.00部を添加し、混合することにより、打錠用末を得た。
この打錠用末をロータリー打錠機(株式会社菊水製作所製、VELA5)により、杵径8.5mm及び錠剤硬度6.0〜14.0kgfの条件で打錠し、クエチアピンを100mg含有する錠剤(素錠)を製造した。
該錠剤は、実施例2と同様な優れた溶出性を示した。
Figure 2011241181
試験例3
苛酷試験
実施例3で製造したクエチアピン錠剤(素錠)の苛酷試験を行い、苛酷試験後の各クエチアピン錠剤(素錠)について、純度試験を行った。
実施例3で製造した錠剤につき、製造直後(イニシャル)、40℃及び75%RHの恒温湿度条件下で4週間放置後、及び、60℃の恒温度条件下で4週間放置後のそれぞれについて、下記の純度試験を行った。
各クエチアピン錠剤を粉末とし、クエチアピン10mgに対応する量を量り取り、20mLの水/アセトニトリル混液(1:1)を加えて振り混ぜた。この液を遠心分離して得られた上澄液を、試料溶液とした。
試料溶液10μLを正確に量り、下記の条件で高速液体クロマトグラフィーによる測定を行った。試料溶液につき、クエチアピンフマル酸塩を含む前記表5に記載の物質由来のピーク面積、及び、それら以外の、不純物と考えられる各類縁物質由来のピークの面積、をそれぞれ自動積分法により測定した。
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)
カラム:内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管に5μm径のクロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんしたカラムを使用した。
カラム温度:30℃付近の一定温度
移動相A:酢酸アンモニウム溶液(77→100000)
移動相B:アセトニトリル
移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を下記のように変えて濃度勾配制御する。
注入後の時間 移動相A 移動相B
(分) (vol%) (vol%)
0 〜 15 80 → 40 20 → 60
15 〜 25 40 → 10 60 → 90
25 〜 30 10 90
流量:毎分1.0mL
面積測定範囲:溶媒のピークの後からクエチアピンの保持時間の約2倍の範囲
得られた液体クロマトグラフィーのピーク面積値をもとに、総ピーク面積に対する、各類縁物質のピーク面積の総和の面積比(%)を算出した。その結果を下記表6に示す。
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)を結合剤として用いた製剤は、湿熱条件下(40℃、湿度75%)においても苛酷試験後の不純物の増加が抑制された。
Figure 2011241181
実施例4
下記の処方及び製法にて、本発明の25mgクエチアピン錠剤(コーティング錠)を製造した。
(1)クエチアピンフマル酸塩39.97部、乳糖(200)38.03部、リン酸水素カルシウム水和物10.00部、カルボキシメチルスターチナトリウム(ROQUETTE社製、商品名GLYCOLYSRTM)3.00部及び含水二酸化ケイ素0.50部を均一に混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SSL、日本曹達株式会社製)2.50部を溶解した水を適宜添加して練合し、攪拌造粒機(株式会社パウレック製、VG−10)にて造粒した。造粒後、棚式乾燥機にて60℃で6時間乾燥を行い、次いで30メッシュ篩で篩過し、整粒した。30メッシュオン品はスピードミル(32メッシュ)で粉砕した後、30メッシュパス品と混合した。得られた造粒物94.00部にカルボキシメチルスターチナトリウム3.00部及びステアリン酸マグネシウム(太平化学産業株式会社製)3.00部を添加し、混合することにより、打錠用末を得た。
この打錠用末をロータリー打錠機(株式会社菊水製作所製VELA5)により、杵径5.5mm及び錠剤硬度3.0〜7.0kgfの条件で打錠し、クエチアピンを25mg含有する錠剤(素錠)を製造した。
(2)無水エタノール中にヒプロメロース(信越化学工業株式会社製)68.97部を分散させ、精製水を加え、撹拌溶解させ、ヒプロメロースの7.17質量%溶液を得た。その溶液に、ポリエチレングリコール6000(商品名:マクロゴールRTM6000、日本油脂製)14.80部を撹拌溶解させた。さらに酸化チタン14.80部を分散させ、三二酸化鉄0.86部及び黄色三二酸化鉄0.57部を溶解させ、フィルムコーティング液を調製した。
上記(1)で得られた素錠をフィルムコーティング装置(フロイント産業株式会社製)に投入し、上記のフィルムコーティング液でコーティングした。得られたフィルムコーティング錠にカルナウバロウを適量投入してポリシングを行い、質量が75mgである円形のクエチアピン25mg含有フィルムコーティング錠を得た。
実施例5
下記の処方及び製法にて、本発明の100mgクエチアピン錠剤(コーティング錠)を製造した。
(1)クエチアピンフマル酸塩46.05部、乳糖(200)30.95部、リン酸水素カルシウム水和物10.00部、カルボキシメチルスターチナトリウム(ROQUETTE社製、商品名GLYCOLYSRTM)4.00部及び含水二酸化ケイ素0.50部を均一に混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SSL)2.50部を溶解した水を適宜添加して練合し、攪拌造粒機(株式会社パウレック製、VG−10)にて造粒した。造粒後、棚式乾燥機にて60℃で6時間乾燥を行い、次いで30メッシュ篩で篩過し、整粒した。30メッシュオン品はスピードミル(32メッシュ)で粉砕した後、30メッシュパス品と混合した。得られた造粒物94.00部にカルボキシメチルスターチナトリウム3.00部及びステアリン酸マグネシウム(太平化学産業株式会社製)3.00部を添加し、混合することにより、打錠用末を得た。
この打錠用末をロータリー打錠機(株式会社菊水製作所製、VELA5)により、杵径8.5mm及び錠剤硬度6.0〜14.0kgfの条件で打錠し、クエチアピンを100mg含有する錠剤(素錠)を製造した。
(2)無水エタノール中にヒプロメロース(信越化学工業株式会社製)68.77部を分散させ、精製水を加え、撹拌溶解させ、ヒプロメロースの7.17質量%溶液を得た。その溶液に、ポリエチレングリコール6000(商品名マクロゴールRTM6000、日本油脂製)14.76部を撹拌溶解させた。さらに酸化チタン14.76部を分散させ、黄色三二酸化鉄1.72部を溶解させ、フィルムコーティング液を調製した。
上記(1)で得られた素錠をフィルムコーティング装置(フロイント産業株式会社製)に投入し、上記のフィルムコーティング液でコーティングした。得られたフィルムコーティング錠にカルナウバロウを適量投入してポリシングを行い、質量が257mgである円形のクエチアピン100mg含有フィルムコーティング錠を得た。
本発明によって、溶出性が改善されたクエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤の提供が可能となる。また、製剤中のクエチアピン含量均一性が良好であり、クエチアピンフマル酸塩含有量にばらつきが少なく、錠剤の成形性及び錠剤硬度を満足し、さらには、該錠剤の打錠性も良好で、重量バラツキが少なく、品質的に優れたクエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤を提供することができる。

Claims (9)

  1. クエチアピンフマル酸塩、及び、崩壊剤としてのカルボキシメチルスターチナトリウム及び含水二酸化ケイ素の両者、を含有することを特徴とするクエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤。
  2. 素錠の総量に対して、クエチアピンフマル酸塩を20〜80質量%、崩壊剤としてのカルボキシメチルスターチナトリウム及び含水二酸化ケイ素の両者の総量が5〜15質量%及び残部がその他の医薬用添加剤であり、カルボキシメチルスターチナトリウムに対する含水二酸化ケイ素の質量割合が、100:3〜100:350であることを特徴とする請求項1に記載のクエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤。
  3. 素錠の総量に対して、クエチアピンフマル酸塩を20〜80質量%、カルボキシメチルスターチナトリウムを1〜12質量%、含水二酸化ケイ素を0.1〜10質量%含有し、残部がその他の医薬用添加剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載のクエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤。
  4. その他の医薬用添加剤として、ヒドロキシプロピルセルロースを結合剤として含有することを特徴とする請求項1に記載のクエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤。
  5. 素錠の総量に対して結合剤としてのヒドロキシプロピルセルロースを1〜10質量%含有することを特徴とする請求項4に記載のクエチアピンフマル酸塩経口用錠剤。
  6. その他の医薬用添加剤として、賦形剤を含み、賦形剤として乳糖水和物及びリン酸水素カルシウム水和物を、両者の合計で素錠の総量に対して20〜60質量%含有する請求項1〜5の何れか一項に記載のクエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤。
  7. クエチアピンフマル酸塩、及び、崩壊剤としてのカルボキシメチルスターチナトリウム及び含水二酸化ケイ素の両者、を混合及び造粒する工程並びに得られた造粒物を打錠する工程を含むことを特徴とするクエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤の製造方法。
  8. 混合及び造粒する工程において、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロースを使用することを特徴とする請求項7に記載のクエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤の製造方法。
  9. 造粒物を打錠する前に、該造粒物に、更に、滑沢剤及び、崩壊剤としてのカルボキシメチルスターチナトリウム、を添加混合した後、打錠することを特徴とする請求項7又は8に記載のクエチアピンフマル酸塩含有経口用錠剤の製造方法。
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