JP2011239107A - 時空間ビタビ復号器 - Google Patents

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Abstract

【課題】送受に複数のアンテナを用いて無線伝送を行う多入力多出力(MIMO)システムにおける時空間ビタビ復号器を提供する。
【解決手段】受信信号の逆正規化を行う逆正規化部と、ブランチ・メトリックおよび状態メトリックの計算を行うメトリック計算部と、状態メトリック情報を格納する状態メトリック・メモリと、生き残りパス情報を格納する生き残りパス・メモリと、生き残りパス情報の書き込みを行う生き残りパス書込み制御部と、トレースバックの制御を行うトレースバック制御部と、復号の制御を行う復号制御部とを備え、逆正規化部は、送信側でマッピングを行う際の正規化係数を受信信号に掛け、時空間トレリス符号化器の出力シンボル点が整数精度の値となるようにして逆正規化受信信号を生成する手段を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、多入力多出力(Multiple-Input Multiple-Output: MIMO)システムに適
用される時空間トレリス符号(Space-Time Trellis Code: STTC)を復号する時空間ビタビ復号器に関する。
送信と受信に複数のアンテナを用いて無線伝送を行うMIMO伝送方式の一つに時空間トレリス符号がある。時空間トレリス符号は、畳込み符号とマッピングを含む符号化変調であり、一つの情報を伝送するために複数の送信アンテナを冗長系として利用し、かつ、時間的にも冗長に送ることによって回線信頼性の向上を図っている。
時空間トレリス符号は、復号処理は複雑であるが符号化利得が得られるために、フェージングや相関のあるチャネルにおいても誤り率特性が優れており、片方向で途切れにくい伝送を必要とするアプリケーションに適している。そのようなアプリケーションの一つに、マラソンや駅伝のようなロードレース中継の番組素材伝送がある。ロードレース中継では、選手や周囲がめまぐるしく動く様子をカメラで撮影した高精細なハイビジョン映像を、FPUと呼ばれる伝送装置を用いて中継車からビルの屋上などに設けた受信点まで無線伝送する。このように、時空間トレリス符号をFPUに適用した技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
Figure 2011239107
このように、時空間トレリス符号化器では、各送信系統のブロックが同じ構造であるため、同じ入力信号に対して各送信系統で同じ状態遷移となる。一方、各送信系統で畳込み符号化部23の重み付け係数が異なるため、各送信系統で出力シンボルは異なる。この様子を表したものが、図6に示す状態遷移図である。図6では、レジスタが6個で状態数が64の16−QAMの時空間トレリス符号の状態遷移を模式的に示している。図6のように、各レジスタの値に応じて64の状態が定義され、それぞれの状態において、[b]の入力信号が入力されると、送信系統#1が[c13121110]を出力、送信系統#2が[c23222120]を出力・・・、送信系統#Nが[cN3N2N1N0]を出力して、次の状態に遷移する。4ビットの入力信号であるため、各状態から次の状態へは16のパスが存在し、それぞれのパスはブランチと呼ばれる。
時空間トレリス符号の復号には、ビタビ復号法を応用した時空間ビタビ復号が用いられる。時空間トレリス符号では前述したように符号化器の内部レジスタの状態が入力信号により遷移し、符号化器に固有の状態遷移図が描ける。ビタビ復号法では、まず、状態遷移図の各状態(図6に示す右側の各状態)に対して、このノードに入力される各ブランチの出力シンボルと推定したチャネル応答から受信信号のレプリカを作成し、受信信号とそのレプリカの間の2乗ユークリッド距離とこのブランチがつながる直前の状態の状態メトリックとの和をブランチ・メトリックとする。次に、ブランチ・メトリックが最小であるブランチを生き残りパスとし、生き残りパスのブランチ・メトリックを当該状態の状態メトリックとする。さらに、複数の受信信号に渡って各状態の生き残りパスの判定とメトリックの計算を行い、これをパス・メモリ長Pまで行って状態メトリックが最小となる状態から生き残りパスをトレースバックし、最後の生き残りパスに対応する入力信号を復号結果として出力する。この様子を図7に示す。ビタビ復号法のトレースバック処理を高速に行う技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−010939号公報 特開2006−229376号公報
前述のように、移動しながら高ビットレートの情報を途切れずに無線伝送しなければならないロードレース中継のようなアプリケーションには、時空間トレリス符号が適している。しかし、時空間トレリス符号は、同じ時空間符号の一つである時空間ブロック符号や空間多重MIMOと比較して復号方法が複雑であるため、符号化利得により優れた伝送特性が得られるにも関わらず、実現が難しいとされてきた。そこで、ハードウェア実装が容易な時空間ビタビ復号器が望まれていた。
前述した特許文献1では、主に、時空間トレリス符号化の方法について述べており、効率的な時空間ビタビ復号法について課題を有したままである。また、前述した特許文献2で述べられているビタビ復号法の高速化手法は、ビット単位の畳込み符号化を前提としたものであり、時空間トレリス符号が行うシンボル単位の符号化に対応していないため、効率的かつ高速に行うには更なる改善が必要である。従って、時空間トレリス符号の復号を行う時空間ビタビ復号を、性能劣化なく、効率的かつ高速に行うことが課題である。
本発明の目的は、上述の課題を鑑みて為されたものであり、性能劣化なく、効率的かつ高速に行う時空間ビタビ復号器を提供することにある。
本発明では、送受に複数のアンテナを用いて無線伝送を行う多入力多出力(Multiple-Input Multiple-Output: MIMO)システムの一つである時空間トレリス符号(Space-Time Trellis Code: STTC)に対して、これを効率的に復号する時空間ビタビ復号器を提供する。本発明の第1の特徴は、レプリカ演算を容易にするために、受信信号に正規化係数を掛けて受信信号の逆正規化を行い、回路規模を削減することにある。また、本発明の第2の特徴は、複数の受信信号で生き残りパス情報の書き込みとトレースバックおよび復号をブロック的に行い、復号時間を短縮することにある。これを実現するために、生き残りパス・メモリを少なくとも4つのメモリ・バンクで構成し、書き込み、トレースバック、復号の手順を順次行う。これによりメモリアクセスが競合することなく、効率的な時空間ビタビ復号を実現する。
即ち、本発明の時空間ビタビ復号器は、送受に複数のアンテナを用いて無線伝送を行う多入力多出力(Multiple-Input Multiple-Output: MIMO)システムにおける時空間ビタビ復号器であって、
受信信号の逆正規化を行う逆正規化部と、
ブランチ・メトリックおよび状態メトリックの計算を行うメトリック計算部と、
状態メトリック情報を格納する状態メトリック・メモリと、生き残りパス情報を格納する生き残りパス・メモリと、
生き残りパス情報の書き込みを行う生き残りパス書込み制御部と、
トレースバックの制御を行うトレースバック制御部と、
復号の制御を行う復号制御部とを備え、
前記逆正規化部は、送信側でマッピングを行う際の正規化係数を受信信号に掛け、時空間トレリス符号化器の出力シンボル点が整数精度の値となるようにして逆正規化受信信号を生成する手段を有し、
前記メトリック計算部は、前記逆正規化受信信号と、時空間トレリス符号化器の出力シンボルの候補にチャネル推定値を掛けて求めた逆正規化受信信号のレプリカからブランチ・メトリックを計算し、生き残りパスおよび状態メトリックを決定する手段を有し、
前記生き残りパス・メモリは、同一のパス長からなる少なくとも4つのメモリ・バンクで構成され、
前記生き残りパス書込み制御部は、メモリ・バンクごとに順番に、生き残りパス情報を生き残りパス・メモリにブロック的に書き込み、
前記トレースバック制御部は、メモリ・バンクごとに順番に、生き残りパスの書き込みが終わってから生き残りパスのトレースバックをブロック的に行い、
前記復号制御部は、メモリ・バンクごとに順番に、生き残りパスのトレースバックが終わってから復号をブロック的に行い、
前記生き残りパス・メモリに対して、前記書き込み、前記トレースバック、及び前記復号の処理を順次行うように構成されていることを特徴とする。
これにより、受信信号のレプリカ生成が容易になるように受信信号の逆正規化を行なうこと、および、生き残りパス・メモリを少なくとも4つのメモリ・バンクで構成し、生き残りパスの書き込み、トレースバック、復号をメモリ・バンク構成でブロック的に順次行なうことにより、従来の課題を解決することができる。
また、本発明の時空間ビタビ復号器において、前記生き残りパス・メモリは、前記書き込み、前記トレースバック、及び前記復号の処理を順次行うよう4つのメモリ・バンクで構成されていることを特徴とする。
このように、生き残りパス・メモリを4つのメモリ・バンクで構成することにより、最も処理効率の高い構成で実現することができるようになる。
本発明の時空間ビタビ復号器は、受信信号の逆正規化を行なうことにより、送信系統ごとの受信信号のレプリカを作成するときの演算をチャネル応答の整数倍やその符号反転など簡単なビット操作で実現することができる。さらに、生き残りパス・メモリを同一のパス長からなる少なくとも4つのメモリ・バンクで構成し、生き残りパスの書き込み、トレースバック、復号をメモリ・バンク構成でブロック的に順次行なうことにより、メモリアクセスが競合することなく、高速な時空間ビタビ復号が実現できる。ここで、1メモリ・バンクあたりのパス・メモリを、十分なトレースバックが行なえるメモリ長(例えば、拘束長の2倍以上となるメモリ長)とすることにより、ブロック的な復号処理では、このメモリ長以上の長さでトレースバックを行なうことに相当するので、一定の復調性能を維持できるようになる。
このように、本発明により、時空間トレリス符号の復号を行う時空間ビタビ復号を、性能劣化なく、効率的かつ高速に行うことが可能となる。
本発明による一実施例の時空間ビタビ復号器の構成を示すブロック図である。 本発明による一実施例の時空間ビタビ復号器における生き残りパス・メモリの構成を示す図である。 本発明による一実施例の時空間ビタビ復号器における4つのメモリ・バンク構成の生き残りパス・メモリの各メモリ・バンクにおける書込み、トレースバック、復号の動作を説明する図である。 16−QAMの時空間トレリス符号化器の構成例を表すブロック図である。 図4に対応する16−QAMのマッピング例を表す図である。 64状態の16−QAMの時空間トレリス符号化器に対応する状態遷移を示す図である。 生き残りパスのトレースバックと復号について説明した図である。 本発明による一実施例の時空間ビタビ復号器における時空間ビタビ復号器の、パス長Lをパラメータとした平均CNR対平均BERの特性例を示す図である。 本発明による一実施例の時空間ビタビ復号器における5つのメモリ・バンク構成の生き残りパス・メモリの各メモリ・バンクにおける書込み、トレースバック、復号の動作を説明する図である。
以下、本発明による一実施例の時空間ビタビ復号器について、図面を参照して説明する。図1は、本発明による一実施例の時空間ビタビ復号器の構成を表すブロック図である。図1において、時空間ビタビ復号器1は、逆正規化部2と、メトリック計算部3と、状態メトリック・メモリ4と、生き残りパス・メモリ5と、生き残りパス書込み制御部6と、トレースバック制御部7と、復号制御部8とを備える。
以下では、送信アンテナ数をN、受信アンテナ数をMとして、16−QAMの時空間トレリス符号を例に動作を説明する。送信側では、図4に示すような16−QAMの時空間トレリス符号化器により符号化され、図5に示すようなマッピング・ルールでマッピングされた送信信号x1,x,...,xが、N個の送信アンテナからそれぞれ送信され、空間で合成されて、M個の受信アンテナでそれぞれr,r,...,rとして受信される。送信アンテナiと受信アンテナjとの間のチャネル応答をhjiで表すと、受信信号rは、式(1)で表される。
Figure 2011239107
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Figure 2011239107
Figure 2011239107
Figure 2011239107
メトリックには、式(3)に示す2乗ユークリッド距離SEDを用いるのが原理的である。
Figure 2011239107
また、式(3)では乗算器を多用するためハードウェアのリソースを多く消費する欠点がある。そこで、復調性能はSEDに比べて少し劣化するが、計算が容易な式(4)に示すマンハッタン・メトリックMMなどを使用することもできる。式(4)でRe{z}、Im{z}はそれぞれzの実部およびzの虚部である。
Figure 2011239107
ブランチ・メトリックは、そのブランチに対応する逆正規化受信信号のレプリカと実際の逆正規化受信信号との間のメトリック(SEDやMMなど)と、そのブランチがつながる直前の状態の状態メトリックの和で表す。各状態において、ブランチ・メトリックが最小になるブランチを生き残りパスとして、そのブランチ・メトリックをその状態の状態メトリックに、生き残りパスがつながる直前の状態番号を生き残りパス情報とする。状態メトリックの値は、次の受信信号についてのブランチ・メトリックを求める際に使用するので、状態メトリック・メモリ4に格納する。
また、トレースバックを開始する際に状態メトリックの値が最小である状態の情報が必要となるので、メトリック計算部3では、状態メトリックの値が最小である状態を検出し、その状態番号をトレースバック制御部7に渡す。
生き残りパス・メモリ5は、図2に示す第1メモリ・バンク10〜第4メモリ・バンク13の4つのメモリ・バンクで構成される。各メモリ・バンク10,11,12,13は、2次元メモリとなっており、状態番号0〜Ns−1と、パス番号1〜Lでアドレスが定義される。
生き残りパス書き込み制御部6では、メトリック計算部3で判定した各状態の生き残りパス情報(各状態で、生き残りパスがつながる直前の状態番号)を生き残りパス・メモリ5に書き込む制御を行う。書き込みの動作について図3を参照して説明する。書き込みは、1〜Lの連続する受信信号を一つのブロックとして、第1メモリ・バンク10〜第4メモリ・バンク13に順番に行う。期間1では、はじめに1番目の受信信号r(t=1)についての各状態の生き残りパス情報を第1メモリ・バンク10のパス番号1の列に書き込む。次に2番目の受信信号r(t=2)についての生き残りパス情報を第1メモリ・バンク10のパス番号2の列に書き込み、これを次々と行って、L番目の受信信号r(t=L)についての生き残りパス情報を第1メモリ・バンク10のパス番号Lの列に書き込こむところまで行う。期間2では次の受信信号のブロックについて第2メモリ・バンク11に同様の書き込みを行い、期間3ではその次の受信信号のブロックについて第3メモリ・バンク12に同様の書き込みを行い、期間4ではさらにその次の受信信号ブロックについて第4メモリ・バンク13に同様の書き込みを行う。その後、第1メモリ・バンク10に戻って、この動作を繰り返し行う。
トレースバック制御部7は、生き残りパス書き込み制御部6が生き残りパス・メモリ5のメモリ・バンクへの書き込みを終了した後に、メトリック計算部3から得られたパス番号Lの状態メトリックが最小である状態番号を元に、生き残りパス・メモリ5の各メモリ・バンクから生き残りパス情報を次々と読み出して、生き残りパスのトレースバックを行う。
トレースバックの動作について図3を参照して説明する。期間3で、はじめに期間2の最後に第2メモリ・バンク11に書き込んだパス番号Lに対応する受信信号について、最小の状態メトリックとなる状態番号Sminをメトリック計算部3から受け取る。次に第2メモリ・バンク11から、パス番号L、状態番号Sminの生き残りパス情報を読み取る。この生き残りパス情報は、状態番号Sminの生き残りパスがつながる直前の状態番号であるため、この生き残りパス情報でSminを更新する。続いて第2メモリ・バンク11から、パス番号L−1、状態番号Sminの生き残りパス情報を読み取り、この生き残りパス情報でSminを更新する。これをパス番号1まで繰り返し、最後のSminを復号制御部8に渡す。次の期間4では第3メモリ・バンク12について、期間5では第4メモリ・バンク13について、期間6では第1メモリ・バンク10についてという様に、生き残りパス書き込み制御部6が1つのメモリ・バンクへの書き込みを終了した後に、順番にトレースバックを行う。
復号制御部8は、トレースバック制御部7が生き残りパス・メモリ5の1つのメモリ・バンクのトレースバックを終了した後に、トレースバック制御部7から受け取ったSminを元に、生き残りパス・メモリ5のメモリ・バンクから生き残りパス情報を次々と読み出して、生き残りパスのトレースバックを行うのと同時に、その生き残りパスに対応する符号化器入力信号を復号結果として出力する。
復号の動作について、図3を参照して説明する。期間4で、はじめにトレースバック制御部7から、第2メモリ・バンク11のトレースバックで最後に更新されたSminを受け取る。次に、第1メモリ・バンク10からパス番号L、状態番号Sminの生き残りパス情報を読みとりSminを更新する。ここで、更新前のSminを遷移後の状態番号、更新後のSminを遷移前の状態番号として、図6に示すような時空間トレリス符号化器に固有の状態遷移情報から対応するブランチ、つまり生き残りパスを特定し、そのブランチに対応する符号化器入力をパス番号Lの復号結果とする。
続いて、第1メモリ・バンク10からパス番号L−1、状態番号Sminの生き残りパス情報を読み取ってSminを更新し、パス番号Lと同様にして特定した生き残りパスに対応する符号化器入力をパス番号L−1の復号結果とする。これをパス番号1まで繰り返すことにより、第1メモリ・バンク10に書き込んだ1〜Lの連続した受信信号に対してブロック的に復号を行う。次の期間5では第2メモリ・バンク11に書き込んだ1〜Lの連続した受信信号に対して、期間6では第3メモリ・バンク12に書き込んだ1〜Lの連続した受信信号に対して、期間7では第4メモリ・バンク13に書き込んだ1〜Lの連続した受信信号に対してという様に、順番にブロック的に復号処理を行う。本発明による実施例の時空間ビタビ復号器1のトレースバック長は、1番目の受信信号が2L、2番目の受信信号が2L−1,...,L番目の受信信号がL+1である。
図8は、特許文献1で示されている時空間トレリス符号に対して、本発明を適用した場合の平均CNR対平均BERの特性を、パス長Lをパラメータにプロットしたものである。図8より、パス長Lを7以上(これは、例えば64状態の16QAMにおいて、拘束長の2倍以上を意味する)に設定することで十分な復調性能が得られることがわかる。
以上述べたように、本発明の時空間ビタビ復号器によれば、受信信号の逆正規化によりレプリカ演算が容易に実現でき、生き残りパス・メモリ5を同一のパス長からなる4つのメモリ・バンク構成として書き込み、トレースバック、復号を順番にブロック的に行うことにより、生き残りパス・メモリのアクセスが競合せず、高速な復号が実現できる。
なお、生き残りパス・メモリを同一のパス長からなる5つのメモリ・バンクで構成した場合の各メモリ・バンクにおける書込み、トレースバック、復号の動作を説明したものが図9である。図9が示すように、4つ以上のメモリ・バンクで構成した場合にも、生き残りパス・メモリのアクセスが競合せず、高速な復号が実現できる。しかし、1つの受信ブロックは4つ分の期間をかけて復号されることから、4つのメモリ・バンクで構成した方がメモリ・バンクを効率的に使用できることが分かる。
本発明の時空間ビタビ復号器によれば、受信信号の逆正規化を行なうことにより、送信系統ごとの受信信号のレプリカを作成するときの演算をチャネル応答の整数倍やその符号反転など簡単なビット操作で実現することができ、さらに、生き残りパス・メモリを同一のパス長からなる少なくとも4つのメモリ・バンクで構成し、生き残りパスの書き込み、トレースバック、復号をメモリ・バンクごとにブロック的に順次行なうことにより、メモリアクセスが競合することなく、高速な時空間ビタビ復号が実現できるから、送受に複数のアンテナを用いて無線伝送を行う多入力多出力(Multiple-Input Multiple-Output: MIMO)システムの用途に有用である。
1 時空間ビタビ復号器
2 逆正規化部
3 メトリック計算部
4 状態メトリック・メモリ
5 生き残りパス・メモリ
6 生き残りパス書込み制御部
7 トレースバック制御部
8 復号制御部
10 第1メモリ・バンク
11 第2メモリ・バンク
12 第3メモリ・バンク
13 第4メモリ・バンク
20 時空間トレリス符号化器
21 時空間トレリス符号化器のうちの送信系統#1のブロック
22 シリアル・パラレル変換部
23 畳込み符号化部
24 マッピング部

Claims (2)

  1. 送受に複数のアンテナを用いて無線伝送を行う多入力多出力(Multiple-Input Multiple-Output: MIMO)システムにおける時空間ビタビ復号器であって、
    受信信号の逆正規化を行う逆正規化部と、
    ブランチ・メトリックおよび状態メトリックの計算を行うメトリック計算部と、
    状態メトリック情報を格納する状態メトリック・メモリと、生き残りパス情報を格納する生き残りパス・メモリと、
    生き残りパス情報の書き込みを行う生き残りパス書込み制御部と、
    トレースバックの制御を行うトレースバック制御部と、
    復号の制御を行う復号制御部とを備え、
    前記逆正規化部は、送信側でマッピングを行う際の正規化係数を受信信号に掛け、時空間トレリス符号化器の出力シンボル点が整数精度の値となるようにして逆正規化受信信号を生成する手段を有し、
    前記メトリック計算部は、前記逆正規化受信信号と、時空間トレリス符号化器の出力シンボルの候補にチャネル推定値を掛けて求めた逆正規化受信信号のレプリカからブランチ・メトリックを計算し、生き残りパスおよび状態メトリックを決定する手段を有し、
    前記生き残りパス・メモリは、同一のパス長からなる少なくとも4つのメモリ・バンクで構成され、
    前記生き残りパス書込み制御部は、メモリ・バンクごとに順番に、生き残りパス情報を生き残りパス・メモリにブロック的に書き込み、
    前記トレースバック制御部は、メモリ・バンクごとに順番に、生き残りパスの書き込みが終わってから生き残りパスのトレースバックをブロック的に行い、
    前記復号制御部は、メモリ・バンクごとに順番に、生き残りパスのトレースバックが終わってから復号をブロック的に行い、
    前記生き残りパス・メモリに対して、前記書き込み、前記トレースバック、及び前記復号の処理を順次行うように構成されていることを特徴とする時空間ビタビ復号器。
  2. 前記生き残りパス・メモリは、前記書き込み、前記トレースバック、及び前記復号の処理を順次行うよう4つのメモリ・バンクで構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の時空間ビタビ復号器。
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