JP2011236840A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特定気筒の排気ガスの全量をEGRガスとすることのできる内燃機関において、EGR実行状態とEGR停止状態との切り替え時のエミッションの悪化を回避することを目的とする。
【解決手段】内燃機関10は、外部EGRガス生成気筒(#4気筒)の排気ガスの全量を、EGR通路34を介して、外部EGRガス生成気筒以外の気筒を含む複数の気筒の吸気側に還流させる外部EGRを実行可能である。外部EGRの実行中は、外部EGRガス生成気筒以外の気筒の空燃比を理論空燃比に制御し、外部EGRガス生成気筒の空燃比を理論空燃比よりリッチな空燃比に制御する。外部EGRを停止する場合には、外部EGRガス生成気筒の空燃比を理論空燃比に切り替え、その後、外部EGRを停止させる。外部EGR停止状態から外部EGR実行状態への切り替えは、内燃機関の吸気量が増加しているときに実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
特開2009−79527号公報には、直列6気筒エンジンのうちの一気筒をEGRガス生成気筒とし、その気筒の排気ガスの全量をEGRガスとして他の5つの気筒の吸気側に還流させることのできるEGR装置が開示されている。
特開2009−79527号公報 特開2005−83362号公報 特開2002−54478号公報 特開2006−299936号公報 特開平9−209895号公報 特開平7−279709号公報
上記公報に開示された発明は、EGRガス生成気筒の燃料噴射マップを、エンジン運転状態にかかわらず、常にスモークが発生しない燃料噴射量および時期に設定することを特徴としており、ディーゼルエンジンを対象とした発明である。
本発明者の知見によれば、特定の気筒をEGRガス生成気筒とし、その気筒の排気ガスの全量をEGRガスとする技術は、火花点火式エンジンにおいても、大量EGRを行う方法として有効である。しかしながら、EGR実行状態とEGR停止状態とを切り替える際、EGR率が急変し、燃焼状態が大きく変化するため、一時的にエミッションが悪化し易いという問題がある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、特定気筒の排気ガスの全量をEGRガスとすることのできる内燃機関において、EGR実行状態とEGR停止状態との切り替え時のエミッションの悪化を回避することのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
排気ガスを吸気側に還流させることのできる気筒である外部EGRガス生成気筒と、それ以外の気筒と、EGR通路とを有する多気筒内燃機関と、
前記外部EGRガス生成気筒の排気ガスの全量を、前記EGR通路を介して、前記外部EGRガス生成気筒以外の気筒を含む複数の気筒の吸気側に還流させる外部EGRを実行する状態と、前記外部EGRを停止し、前記外部EGRガス生成気筒の排気ガスを排気系に流入させる状態とに切り替え可能な切替手段と、
前記外部EGRの実行中に、前記外部EGRガス生成気筒以外の気筒の空燃比を理論空燃比に制御し、前記外部EGRガス生成気筒の空燃比を理論空燃比よりリッチな空燃比に制御する空燃比制御手段と、
前記外部EGRの実行中に前記外部EGRを停止する要求が出された場合に、前記外部EGRガス生成気筒の空燃比をリッチ空燃比から理論空燃比に切り替え、その後、前記外部EGRを停止させる外部EGR停止制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記外部EGRの停止中に前記外部EGRを実行する要求が出された場合に、前記内燃機関の吸気量が増加しているときに、前記外部EGRを開始させる外部EGR開始制御手段を備えることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記外部EGR停止制御手段により外部EGR停止前に前記外部EGRガス生成気筒の空燃比がリッチ空燃比から理論空燃比に切り替えられた場合に、各気筒の点火時期を進角側に補正する点火時期補正手段を備えることを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、
前記外部EGR停止制御手段は、前記EGR通路内のリッチ空燃比の排気ガスが理論空燃比の排気ガスに置換された後、前記外部EGRを停止させることを特徴とする。
第1の発明によれば、外部EGRの実行中に、外部EGRガス生成気筒以外の気筒の空燃比を理論空燃比に制御し、外部EGRガス生成気筒の空燃比を理論空燃比よりリッチな空燃比に制御する。これにより、外部EGRガス生成気筒の排気ガス中に多くの水素が生成し、その水素を含む外部EGRガスを各気筒に還流させることができる。この水素の燃焼効果により、各気筒の燃焼を促進し、燃焼を改善することができる。また、第1の発明によれば、外部EGR実行状態から外部EGR停止状態に切り替える場合には、外部EGRガス生成気筒の空燃比をリッチ空燃比から理論空燃比に切り替え、その後、外部EGRを停止させることにより、リッチ空燃比の排気ガスが排気系に流出することを回避することができる。このため、外部EGR実行状態から外部EGR停止状態に切り替える際のエミッションの悪化を防止することができる。
第2の発明によれば、内燃機関の吸気量が増加しているときに、外部EGRの停止状態から外部EGR実行状態に切り替えることができる。これにより、外部EGR開始直後のEGR率を低下させることができるので、外部EGR開始直後の水素還流量の不足による燃焼の悪化を抑制することができる。
第3の発明によれば、外部EGR停止前に外部EGRガス生成気筒の空燃比をリッチ空燃比から理論空燃比に切り替え、水素還流量が減少した場合であっても、各気筒の燃焼速度の低下を補償することができる。
第4の発明によれば、EGR通路内のリッチ空燃比の排気ガスが理論空燃比の排気ガスに置換された後に外部EGRを停止させることにより、リッチ空燃比の排気ガスが排気系に流出することをより確実に防止することができる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態のシステムは、火花点火式の内燃機関10を備えている。内燃機関10は、車両等に搭載される。本実施形態の内燃機関10は、#1〜#4の四つの気筒を有する直列4気筒型のものである。内燃機関10の各気筒には、点火プラグ52、燃料インジェクタ54、吸気弁、排気弁等がそれぞれ設けられている。燃料インジェクタ54は、吸気ポート内あるいは筒内に燃料を噴射するように設けられる。各気筒の吸気ポートは、吸気マニホールド12に接続されている。吸気マニホールド12には、吸気通路14が接続されている。
本実施形態の内燃機関10には、ターボチャージャ16が備えられている。ターボチャージャ16は、排気ガスのエネルギによって回転するタービン18と、このタービン18によって駆動されるコンプレッサ20とを有している。#1、#2および#3気筒の排気ポートには、排気マニホールド22が接続されている。排気マニホールド22は、タービン18の入口に接続されている。タービン18の下流側の排気通路24には、排気ガスを浄化する排気浄化触媒26(三元触媒)が設置されている。コンプレッサ20は、吸気通路14の途中に配置されている。吸気通路14の入口には、エアクリーナ28が設置されている。コンプレッサ20と、吸気マニホールド12との間の吸気通路14には、コンプレッサ20で圧縮された吸入空気を冷却するインタークーラ30と、吸入空気量を制御するためのスロットル弁32とが設置されている。スロットル弁32を通過した吸入空気は、吸気マニホールド12を通って、#1〜#4の各気筒に分配されて流入する。
#4気筒の排気ポートには、EGR通路34の一端が接続されている。EGR通路34の他端は、吸気マニホールド12に接続されている。EGR通路34と吸気マニホールド12との接続部には、EGR弁36が設置されている。EGR通路34と、タービン18の下流側の排気通路24とは、排気通路42によって接続されている。排気通路42の途中または端部には、第2EGR弁44が設置されている。なお、EGR通路34の上記他端は、吸気マニホールド12とスロットル弁32との間の吸気通路14に接続されていてもよい。
上述したように、本実施形態では、#1〜#3気筒の排気ポートはEGR通路34に連通しておらず、#4気筒の排気ポートのみがEGR通路34に連通する。このため、EGR通路34による外部EGRを行う場合、#4気筒の排気ガスのみが外部EGRガスとして吸気マニホールド12内に還流し、新気と混合して#1〜#4の各気筒の吸気弁から吸入される。
EGR弁36を全開とし、第2EGR弁44を全閉状態とした場合には、#4気筒の排気ガスの全量が、EGR通路34を通って吸気マニホールド12に送られ、#1〜#4気筒の吸気側に還流する。この状態では、内燃機関10の全4気筒のうち、一つの気筒(#4気筒)の排気ガスの全量が外部EGRガスとなる。このため、各気筒の排気ガス量が等しいとした場合、外部EGR率は、正確に4分の1、すなわち25%となる。よって、この状態とすることにより、機関回転速度や機関負荷にかかわらず、外部EGR率を所定割合(本実施形態では25%)に正確且つ確実に維持することができる。
外部EGRを停止する場合には、EGR弁36を全閉状態とし、第2EGR弁44を全開状態とする。この状態では、#4気筒の排気ガスは、排気通路42を通って、タービン18の下流側の排気通路24に流出し、#1〜#3気筒の排気ガスと合流して、排気浄化触媒26に流入する。
本実施形態のシステムは、更に、以下に述べる各センサを含むセンサ系統と、内燃機関10に対して設けられた各アクチュエータの作動を制御するECU(Electronic Control Unit)50とを備えている。クランク角センサ58は、内燃機関10のクランク軸の回転に同期した信号を出力する。ECU50は、クランク角センサ58の出力に基いてクランク角および機関回転速度を検出することができる。エアフローメータ60は、吸入空気量GAを検出する。アクセル開度センサ62は、車両の運転者によるアクセルペダルの操作量(アクセル開度)を検出する。
また、センサ系統には、上記の他にも、車両やエンジンの制御に必要な各種のセンサ(例えばエンジン冷却水の温度を検出する水温センサ等)が含まれており、これらのセンサはECU50の入力側に接続されている。また、ECU50の出力側には、上述したスロットル弁32、EGR弁36、第2EGR弁44、点火プラグ52、燃料インジェクタ54のほか、各種のエンジン制御用アクチュエータが接続されている。
ECU50は、センサ系統によりエンジン運転情報を検出し、その検出結果に基いて各アクチュエータを駆動することにより、運転制御を行う。具体的には、クランク角センサ58の出力に基いて機関回転速度とクランク角とを検出し、エアフローメータ60により吸入空気量を検出する。また、吸入空気量、機関回転速度等に基いて燃料噴射量を算出し、クランク角に基いて燃料噴射時期、点火時期等を決定した後に、燃料インジェクタ54および点火プラグ52を駆動する。
ECU50には、外部EGRを実行すべき運転領域と、外部EGRを停止すべき運転領域とを定めたEGRマップが記憶されている。ECU50は、上記センサ系統により検出される機関回転速度および機関負荷と、上記EGRマップとに基づいて、外部EGR停止状態と、外部EGR実行状態との切り替えを制御する。ECU50は、外部EGR停止状態においては、原則として、#1〜#4の各気筒の空燃比を理論空燃比に制御する。
これに対し、外部EGRの実行中は、ECU50は、原則として、#1〜#3気筒の空燃比を理論空燃比に制御し、#4気筒の空燃比を理論空燃比よりリッチな空燃比に制御する。したがって、外部EGRの実行中は、未燃成分を含んだリッチ空燃比の外部EGRガス(#4気筒の排気ガス)が各気筒の吸気側に還流する。このため、#1〜#3気筒の燃料噴射量は、通常時と比べ、各気筒に還流する外部EGRガスに含まれる未燃成分の量だけ少なくなるように制御される。
一般に、空燃比をリッチにするほど、排気ガス中に多くの水素(H2)が生成する。このため、外部EGRの実行中に#4気筒の空燃比をリッチにすることにより、#4気筒の排気ガス、つまり外部EGRガス中に多量の水素が生成させ、その水素を各気筒の吸気側に還流させることができる。水素は燃焼速度が極めて速いので、水素が流入することにより、燃焼が促進され、燃焼を改善することができる。このように、外部EGRの実行中に#4気筒の空燃比をリッチ空燃比に制御することにより、EGRによって得られる通常の効果に加えて、水素が還流することによる燃焼改善効果が得られる。
しかしながら、#4気筒がリッチ空燃比で運転されている外部EGR状態から、外部EGRを停止する場合には、次のような問題がある。#4気筒がリッチ空燃比で運転されていると、EGR通路34内は、リッチ空燃比の排気ガスで満たされている。外部EGRを停止するためにEGR弁36を閉じて第2EGR弁44を開いたとき、EGR通路34内のリッチ空燃比の排気ガスが排気浄化触媒26に流入することにより、排気浄化触媒26内が理論空燃比よりリッチとなる。周知のように、三元触媒は、理論空燃比のときに浄化率が最良となる。このため、EGR通路34内のリッチ空燃比の排気ガスの流入によって排気浄化触媒26内の空燃比がリッチ側にずれることにより、エミッションが悪化する。
上記の問題を解決するため、本実施形態では、外部EGRを停止する要求が出された場合には、まず、#4気筒の空燃比をリッチ空燃比から理論空燃比に切り替える制御を行う。そして、EGR通路34内のリッチ空燃比の排気ガスが理論空燃比の排気ガスに置換された後に、EGR弁36および第2EGR弁44を切り替えて外部EGRを停止させることとした。これにより、リッチ空燃比の排気ガスが排気浄化触媒26に流入することを回避することができ、エミッションの悪化を防止することができる。
なお、上記の制御では、外部EGRの停止前、#4気筒の空燃比をリッチ空燃比から理論空燃比に切り替えた後に、水素含有量の少ない外部EGRガスが各気筒に還流する場合がある。その場合には、水素量の低下によって各気筒の燃焼速度が低下する。そこで、本実施形態では、各気筒の点火時期を進角側に補正することにより、その燃焼速度の低下を補償する制御を併せて実行することとした。
一方、外部EGR停止状態から外部EGR実行状態へ切り替える場合には、次のような問題がある。外部EGR停止状態においては、#4気筒も理論空燃比に制御されるので、EGR通路34内は理論空燃比の排気ガスで満たされている。この状態からEGR弁36を開いて第2EGR弁44を閉じることによって外部EGRを開始すると、その開始直後は、水素含有量の少ない理論空燃比の排気ガスが外部EGRガスとして還流する。このため、水素による燃焼改善効果が十分に得られず、燃焼が悪化し、エミッションに悪影響が出るおそれがある。特に、外部EGR停止状態から外部EGR実行状態へ切り替えのタイミングと、内燃機関10の減速のタイミングとが重なった場合には、更に状況が悪くなる。内燃機関10の減速によって吸気量が減少すると同時に外部EGRが開始されると、EGR通路34から流入する外部EGRガスの量が、減少した吸気量に比して過多となり、EGR率が所定割合(本実施形態では25%)より高くなってしまう。この過剰なEGR率と、外部EGR開始直後の水素不足とが重なることにより、燃焼がより悪化し易い。
この問題を解決するため、本実施形態では、外部EGR停止状態から外部EGR開始する場合には、内燃機関10の吸気量が増加しているとき(つまり内燃機関10の加速時)に、外部EGRを開始することとした。内燃機関10の吸気量が増加しているときに外部EGRを開始した場合には、EGR通路34から流入する外部EGRガスの量は、増加前の吸気量に対応した少ない量になるため、EGR率が所定割合(本実施形態では25%)より低くなる。このため、外部EGR開始直後の水素不足の影響を緩和することができ、燃焼の悪化を抑制することができる。
図2は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。図2に示すルーチンによれば、まず、外部EGR停止状態と外部EGR実行状態との切り替え要求が出されているか否かが判断される(ステップ100)。切り替え要求が出されている場合には、その切り替え要求が、外部EGR実行状態から外部EGR停止状態への切り替え要求であるか、外部EGR停止状態から外部EGR実行状態への切り替え要求であるかが更に判断される(ステップ102)。
上記ステップ102で、外部EGR実行状態から外部EGR停止状態への切り替え要求であると判定された場合には、EGR通路34内のリッチ空燃比の排気ガスを理論空燃比の排気ガスに置換するための処理が実行される(ステップ104)。すなわち、このステップ104では、#4気筒の空燃比がリッチ空燃比から理論空燃比に切り替わるように、#4気筒の燃料噴射量が変更(減量)される。また、このステップ104では、#1〜#3気筒において、理論空燃比が維持されるように、燃料噴射量が変更される。すなわち、#4気筒の空燃比、すなわち外部EGRガスの空燃比が理論空燃比に切り替わることにより、外部EGRガスとともに還流する燃料成分が減少するので、その減少を補うために#1〜#3気筒の燃料噴射量が増量される。このステップ104では、更に、#4気筒の理論空燃比化に伴う水素還流量の低下による燃焼速度の低下を補償するため、各気筒の点火時期が進角側に補正する処理も実行される。
続いて、#4気筒の空燃比がリッチ空燃比から理論空燃比に切り替えられた時点以降の、吸入空気量GAの積算値が算出される(ステップ106)。次いで、その吸入空気量GAの積算値と、EGR通路34内の排気ガス量とが比較される(ステップ108)。EGR通路34内の排気ガス量は、EGR通路34の容積に排気ガスの密度を乗じた値として求めることができる。上記ステップ108で、吸入空気量GAの積算値が、EGR通路34内の排気ガス量より少ない場合には、まだEGR通路34内が理論空燃比の排気ガスに置換し切れていないと判断できるので、ステップ106の処理が再度実行される。
これに対し、上記ステップ108で、吸入空気量GAの積算値が、EGR通路34内の排気ガス量を超えた場合には、EGR通路34内が理論空燃比の排気ガスに置換し終わったと判断できる。この場合には、外部EGR実行状態から外部EGR停止状態への切り替えが許可される(ステップ110)。これにより、EGR弁36を閉じて第2EGR弁44を開く制御が行われ、外部EGR実行状態から外部EGR停止状態への切り替えが実行される。また、吸入空気量GAの積算は終了され、積算値がゼロにリセットされる(ステップ112)。
一方、上記ステップ102で、外部EGR停止状態から外部EGR実行状態への切り替え要求であると判定された場合には、吸入空気量GAの前回値と今回値との差である変化量ΔGAと、正の所定値αとが比較される(ステップ114)。吸入空気量GAの変化量ΔGAが所定値αより大きい場合には、吸気量の増加勾配が十分に大きいため、外部EGRを開始した場合、EGR率が所定割合(本実施形態では25%)より低くなり、水素不足による燃焼悪化の影響を十分に緩和することができると判断できる。よって、この場合には、外部EGR停止状態から外部EGR実行状態への切り替えが許可される(ステップ116)。これにより、EGR弁36を開いて第2EGR弁44を閉じる制御が行われ、外部EGR停止状態から外部EGR実行状態への切り替えが実行される。
一方、上記ステップ114で吸入空気量GAの変化量ΔGAが所定値α以下であった場合には、外部EGRを開始した場合、EGR率を低くすることができず、水素不足による燃焼悪化のおそれがあると判断できる。このため、この場合には、外部EGR停止状態から外部EGR実行状態への切り替えは保留され、変化量ΔGAが所定値αより大きくなるタイミングを待って、外部EGR停止状態から外部EGR実行状態への切り替えが実行される。
上述した実施の形態1においては、#4気筒が前記第1の発明における「外部EGRガス生成気筒」に、EGR弁36および第2EGR弁44が前記第1の発明における「切替手段」に、それぞれ相当している。また、ECU50が、上記ステップ104,106,108および110の処理を実行することにより前記第1の発明における「外部EGR停止制御手段」が、上記ステップ114および116の処理を実行することにより前記第2の発明における「外部EGR開始制御手段」が、上記ステップ104の処理を実行することにより前記第3の発明における「点火時期補正手段」が、それぞれ実現されている。
また、本発明における内燃機関の気筒数および気筒配置は、直列4気筒に限定されるものではなく、例えば、直列3気筒、直列6気筒、V型6気筒、V型8気筒など、各種の多気筒内燃機関に本発明を適用可能である。また、外部EGRガス生成気筒の数が一つである構成に限らず、二つ以上であってもよい。
10 内燃機関
12 吸気マニホールド
14 吸気通路
16 ターボチャージャ
18 タービン
20 コンプレッサ
22 排気マニホールド
24 排気通路
30 インタークーラ
32 スロットル弁
34 EGR通路
36 EGR弁
42 排気通路
44 第2EGR弁
50 ECU

Claims (4)

  1. 排気ガスを吸気側に還流させることのできる気筒である外部EGRガス生成気筒と、それ以外の気筒と、EGR通路とを有する多気筒内燃機関と、
    前記外部EGRガス生成気筒の排気ガスの全量を、前記EGR通路を介して、前記外部EGRガス生成気筒以外の気筒を含む複数の気筒の吸気側に還流させる外部EGRを実行する状態と、前記外部EGRを停止し、前記外部EGRガス生成気筒の排気ガスを排気系に流入させる状態とに切り替え可能な切替手段と、
    前記外部EGRの実行中に、前記外部EGRガス生成気筒以外の気筒の空燃比を理論空燃比に制御し、前記外部EGRガス生成気筒の空燃比を理論空燃比よりリッチな空燃比に制御する空燃比制御手段と、
    前記外部EGRの実行中に前記外部EGRを停止する要求が出された場合に、前記外部EGRガス生成気筒の空燃比をリッチ空燃比から理論空燃比に切り替え、その後、前記外部EGRを停止させる外部EGR停止制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記外部EGRの停止中に前記外部EGRを実行する要求が出された場合に、前記内燃機関の吸気量が増加しているときに、前記外部EGRを開始させる外部EGR開始制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記外部EGR停止制御手段により外部EGR停止前に前記外部EGRガス生成気筒の空燃比がリッチ空燃比から理論空燃比に切り替えられた場合に、各気筒の点火時期を進角側に補正する点火時期補正手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記外部EGR停止制御手段は、前記EGR通路内のリッチ空燃比の排気ガスが理論空燃比の排気ガスに置換された後、前記外部EGRを停止させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
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