JP2011236550A - 鍵違い止め具 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型かつ軽量で簡単に取り外しができないスナップ錠を提供する。
【解決手段】ケース内に錠部を有する受け金具と係止部を有する止め金具と合鍵用磁石および駆動用磁石が埋設されている磁石鍵からなり、前記受け金具の錠部は止め金具の係止部に係止させる係止部材と、係止部材と係止部との係止が解放されるのを防ぐ磁性体で作られたストッパーと、該ストッパーを付勢して施錠状態に保持するばねとを具備し、前記ストッパーには可動障害子としての磁性体で作られたボールが落ち込む逃げ孔が設けられ、該逃げ孔の上方にはボールが転がり逃げないように制御するガイドが設けられており、前記磁石鍵の合鍵用磁石は該逃げ孔に一致する位置に埋設されており、前記ボールを合鍵用磁石でストッパーの逃げ孔の位置に整合させた状態で、ストッパーを駆動用磁石の磁力でばねの付勢に抗して動かし前記係止を解放させることによって、受け金具と止め金具とが解錠状態となり取り外しできることを特徴とする鍵違い止め具。
【選択図】図1

Description

本発明は、共通の磁石鍵では解錠し取り外すことができない鍵違い止め具に関する。
ロック付き止め具の一つとして、例えば、受け金具の内部に止め金具に係合する係止部材と該係止部材を止め金具の係止部(ダボ)に係合した状態で係止するストッパーとを設け、該ストッパーを磁性材料から形成して磁石の磁力で動かし前記係止を開放することにより解錠し、受け金具と止め金具とを外す止め具が知られている(特許文献1および特許文献2参照)。
この止め具は、受け金具の係止部材を止め金具の係止部に係合した状態で係止するストッパーを磁石の磁力で動かし係止を解放させない限り、受け金具と止め金具とを解錠して外すことができない止め具でありロック機能を有し、磁石鍵で簡単に解錠できる利点を持っている。
特開2006−136557号公報 特開2005−230358号公報
上記止め具は、例えば痴呆症患者の不潔行為を未然に防ぐために痴呆症患者のねまきや手袋などに取り付けるロック付き簡易止め具としては、磁石鍵で解錠しない限り止め具を外すことが不可能であり、かつすべての患者の止め具を共通の磁石鍵で容易に解錠し外せるので適している。しかし、共通の磁石鍵で解錠できるために、家庭などに使用される鍵や鞄などの止め具のように固有の鍵でないと解錠できない、いわゆる鍵違いが要求される止め具には使用することができないという問題を有している。
本発明は、このような課題を解消することを目的とし、磁石鍵により解錠する従来の止め具に鍵違い機能を持たせた新規な鍵違い止め具を提供する。
本発明は、ケース内に錠部を有する受け金具と係止部を有する止め金具と合鍵用磁石および駆動用磁石が埋設されている磁石鍵からなり、前記受け金具の錠部は止め金具の係止部に係止させる係止部材と、係止部材と係止部との係止が解放されるのを防ぐ磁性体で作られたストッパーと、該ストッパーを付勢して施錠状態に保持するばねとを具備し、前記ストッパーには可動障害子としての磁性体で作られたボールが落ち込む逃げ孔が設けられ、該逃げ孔の上方にはボールが転がり逃げないように制御するガイドが設けられており、前記磁石鍵の合鍵用磁石は該逃げ孔に一致する位置に埋設されており、前記ボールを合鍵用磁石でストッパーの逃げ孔の位置に整合させた状態で、ストッパーを駆動用磁石の磁力でばねの付勢に抗して動かし前記係止を解放させることによって、受け金具と止め金具とが解錠状態となり取り外しできることを特徴とする鍵違い止め具を提供する。
本発明によれば、止め金具の係止部に係止された受け金具の係止部材をストッパーで保持して施錠された状態の止め具を合鍵でない磁石鍵で解錠しようとしても、磁石鍵の合鍵用磁石で磁着されたボールは、ストッパーに形成されたボール逃げ孔とずれた位置にあるため、ボールがストッパーの可動障害子として機能し、駆動用磁石でストッパーを動作させることができなくなるので解錠できない。
これに対し、合鍵の磁石鍵では合鍵用磁石がストッパーに形成されたボール逃げ孔と整合する位置に設けられているため、合鍵用磁石で磁着されたボールはストッパーのボール逃げ孔の位置と一致し、該逃げ孔に没入してストッパーの可動障害子にならないため、駆動用磁石でストッパーを動作させることが可能となり解錠できる。これにより、磁石鍵を近接するだけで容易に解錠できる磁石鍵の利点を活用できるとともに、施錠された止め具を合鍵の磁石鍵のみにより解錠し取り外すことができる鍵違い止め具が得られる。
さらに、ボール、逃げ孔および合鍵用磁石の位置数と、一つのボールに対して設定する逃げ孔と合鍵用磁石の段数との組み合わせによって、鍵違い止め具を容易に得ることができる。
本発明に係わる好ましい鍵違い止め具であり、(A)は磁石鍵の断面図、(B)は受け金具の断面図、(C)は止め金具の断面説明図を示す。 図1の受け金具の平面図である。 図1の鍵違い止め具の磁石鍵とガイドとストッパーとの関係を示す斜視図である。 本発明の止め具の解錠時の説明図であり、(A)は合鍵用磁石でボールを磁着した状態の部分断面図、(B)はストッパーが駆動用磁石で引き寄せられた状態の部分断面図を示す。 (A)は合鍵でない磁石鍵を使用したときの部分断面図、(B)は合鍵の磁石鍵を使用したときの部分断面図である。 合鍵用磁石とボール逃げ孔が3段である場合の関係を示す断面説明図である。 ボール逃げ孔とガイド孔を3位置に設けたストッパーとガイドの関係を示す斜視図である。 本発明の他の好ましい鍵違い止め具の断面説明図である。 図8の鍵違い止め具の磁石鍵とガイドとストッパーの斜視図である。
本発明の好ましい実施形態であるスナップタイプの止め具(以下、本止め具という)について図面を参照して説明する。
図1(A)は本止め具の磁石鍵3、(B)は受け金具1、(C)は止め金具2を示す。本止め具は受け金具1と止め金具2の水平断面が円形であるスナップタイプの止め具である。受け金具1および止め金具2は、例えば皮革や衣服などの本止め具で鍵止めする物品(以下、皮革等という)12に対で取り付けられ、受け金具1の錠部に止め金具2の係止部(ダボ)13を嵌挿することにより係止と同時に施錠される。そして、受け金具1の錠部に鍵違い手段を設けることにより、合鍵の磁石鍵3のみで前記係止を開放して解錠し取り外すことができる鍵違い止め具が得られる。
上記受け金具1は、錠部を下ケース9と上ケース10との間に組み込んで形成される。図1に示すように下ケース9は、内部に錠部を組み込むための空間部を有するドーナツ状体で、底部には先端を内側に折り曲げて止め金具2のダボ13を嵌挿するための透き孔が、ダボ13の最大径より大きい径で設けられている。
受け金具1の錠部は、止め金具2のダボ13に係止されるリングばね4と、該リングばね4を止め金具のダボ13に係止した状態に保持するキャップ状のストッパー5と、該ストッパーを付勢して施錠状態に保持するばね6とに鍵違い手段を付設し、これらを下ケース9と上ケース10との間に組み込むことによって形成される。ストッパー5は上部が平坦部に形成されていることが好ましい。ストッパー5、特にこの平坦部は、鉄、18−8ステンレス鋼以外のステンレス鋼(磁性ステンレス鋼)などの磁性材料で形成される。特に、磁性ステンレス鋼は防錆および加工性に優れており好ましい。ストッパー5を磁性材料で形成することにより、解錠時に磁石鍵の磁力で上方に動かしてリングばね4と止め金具2のダボ13との係止を解放させることができる。ストッパー5は通常全体を磁性材料で形成するが、解錠時に最も磁力が作用する錠部の平坦部だけを磁性材料で形成してもよいし、あるいは図1に鎖線で示すようにこの部分に磁性材28を接着してもよい。ストッパー5が磁性材料で形成されるとは、これらを含んでいる。
リングばね4は、受け金具1を止め金具2のダボ13に係止させるための係止部材である。本例のリングばね4は、図3に示すように線ばねを丸く曲げてリング状にしたもので、適度の弾性を持っており、受け金具1と止め金具2との着脱時に止め金具2のダボによって内側から押されると弾性変形して広がる。線ばねを曲げ加工するだけで作れるため低コストで製造でき、かつ他の係止部材に比べて簡単形状で精度が厳しくなくてもよいため、スナップタイプの止め具の係止部材として優れている。通常は本例のように単純な円形のリングばねが使用されるが、線ばねを部分的に内側に突出部を有する波形に曲げて、該突出部で止め金具2のダボを係止してもよい。
また、ばね5はストッパー5を付勢して通常時はストッパー5の先端でリングばね4を位置制御し、またリングばね4が止め金具2のダボ13に係合したときには、ストッパー5の先端でリングばね4の外側上半部を抑止し、リングばね4が止め金具2のダボ13で押し広げられるのを阻止し、受け金具1と止め金具2とを施錠状態に保持する。ばね5としては、解錠時にリングばね4の外側上半部を抑止しているストッパー5を磁石鍵の磁力でばね5の弾性力に抗して動かしリングばね4を開放させるために、ストッパー5に作用する磁力より小さい弾性力のものが使用される。本例ではつる巻きばねを使用しているが、これに限定されないで、止め具に合わせて例えば板ばねやコイルばねなどを適宜用いることができる。
本止め具において、ストッパー5は上ケース10との間に空間部26を設けてケース内に組み込まれる。この空間部26としては、施錠状態にあるストッパー5を上方に動かしてリングばね4を開放し解錠させることができ、さらに合鍵の磁石鍵のみによって解錠させる鍵違い手段のガイド7とボール8を組み込むことができる間隔が設けられる。
本例の鍵違い手段は、図3に示すように可動障害子としての磁性体で作られたボール8と、該ボールが転がり逃げないように制御するガイド7と、ストッパー5の錠部の平坦部に設けられるボール8の逃げ孔22と、磁石鍵3に埋設された合鍵用磁石18とによって形成される。この場合、ボール8の逃げ孔22と磁石鍵3の合鍵用磁石18とは、それぞれ対応しており一致する位置に設けられる。また、ガイド7にはガイド孔21が設けられており、ボール8は該ガイド孔21に装入して組み込まれる。ガイド孔21はボール8が転動できる幅と長さを有しており、ボール8は該ガイド孔内を自由に転動する。ガイド孔21の長さとしてはボール径の例えば2〜3倍が好ましい。ガイド孔21の形状や向きは限定されないが、本例のようなスナップタイプの止め具では、円形のガイド7の周辺部に沿って設けるのが好ましい。ガイド孔21内の1か所は、ストッパー5の逃げ孔22と一致しており、ガイド孔内のボール8は合鍵用磁石18で引き寄せられて転動し、この位置で逃げ孔22に整合する。
なお、磁石鍵3としては、図1(A)に示すように例えばプラスチックス製のホルダ16にストッパー5を動作させる駆動用磁石17の両側に上記合鍵用磁石18を埋設したものが使用される。この場合、ボール8が駆動用磁石17によって引き寄せられるのを防ぐために、合鍵用磁石18はできるだけ駆動用磁石17から離して設けることが好ましい。
上記受け金具1において錠部をケース内に組み込むには、図1に示すように下ケース9の底部に載置されたリングばね4にストッパー5を載置してリングばね4を下ケース9の先端とストッパー5の先端とで保持する。次に、ガイド7をストッパー5の上にガイド7のガイド孔とストッパー5の逃げ孔の位置を整合させて載置し、そしてガイド孔にボール8を装入し、さらにばね6をストッパー5に下端を載せて組み込んだ後、下ケース9に上ケース10を被せて両者の縁部を重ね合わせた状態ではとめることによって行う。この場合、ストッパー5の下部を図1に示すように傾斜させ、この傾斜部分に段部を形成しておくと、この段部でばね6の下端を支持してストッパー5に付勢させやすくなり、同時にばね6の付勢によってストッパー5が受け金具1の中央に位置制御されるため好ましい。
また、ガイド7とストッパー5に例えば位置合わせマーク23をそれぞれ設けておくと(図3参照)、両方の位置合わせマーク23を合わせながら組み込むことにより、ガイド7のガイド孔とストッパー5の逃げ孔の位置を容易かつ正確に整合できる。さらに、上ケース10の上部に例えば図2に示す如く方位合わせ凹部19をストッパー5の逃げ孔に合わせて形成しておき、一方磁石鍵3の下部には方位合わせ凸部20を合鍵用磁石18がストッパー5の逃げ孔と一致する方位で形成しておくと、解錠時に磁石鍵3を受け金具1に近接する際、該方位合わせ凸部20を受け金具1の方位合わせ凹部19に嵌合させることにより、ストッパー5の逃げ孔の位置に磁石鍵3の合鍵用磁石18を容易に合わせることができる。
上記受け金具1において、ストッパー5およびボール8以外の部材は非磁性材料から形成されることが好ましい。その理由は、受け金具1に磁石鍵3を近接して解錠するとき、磁力がストッパー5およびボール8以外の部材には作用しないようにするためである。この非磁性材料としては、例えば18−8ステンレス鋼、真鍮、亜鉛、アルミニウムなどの金属が強度、防錆、製造加工のしやすさなどの面で好ましく使用でき、なかでも真鍮が優れている。
また、上記受け金具1を皮革等に取り付けるには、例えば皮革等12の受け金具1を取り付ける箇所にあらかじめ孔をあけ、該孔に裏側からはとめ11を挿入したあと、表側からはとめ11の外側に押え材を嵌合するとともに錠部が組み込まれた受け金具1の下ケース9をはとめ8の内部に嵌合し、はとめ8の先部と下ケース9および上ケース10の縁部とを重ね合わせた状態で一緒に折り曲げてはとめる。受け金具の取り付け方法は、取り付ける皮革等に合わせて適宜選択でき限定されない。
次に、止め金具2について説明する。止め金具2は、ダボ13とダボ止片12とによって形成される。材質としては、例えば真鍮やステンレス鋼などの金属が好ましい。柱状に植立されたダボ13の先端部は、受け金具1の前記リングばね4に押し込めるように丸みを持っており、かつリングばね4に嵌合した後にリングばね4でダボ13を確実に係止するのに有効な段部27を形成するために外周方向に突出している。このようなダボ13の先端部の形状は、止め金具2を皮革等12に取り付けする際に、ダボ止片14のあし15の先端とダボ13の先端をかしめて形成することができる。
次に、本止め具の施錠および解錠について説明する。
止め金具2のダボ13を受け金具1のリングばね4の中に押し込むと、ダボ13は先端でリングばね4を押し広げながらまたリングばね4を介してストッパー5を押し上げながら進入する。そして、先端の最大径部の進入が終ると、リングばね4は弾性力で縮小して元の位置に戻り、それと同時にストッパー5もばね5の付勢力によって下方に押し下げられ、リングばね4の外側上半部に接する。これにより、ダボ13の段部27がリングばね4で係止され、かつ外側からリングばね4の外側上半部がストッパー5で抑止されるため、受け金具1と止め金具2は施錠される。施錠された止め具は、リングばね4をストッパー5の抑止から解放させない限り離脱不可能である。
このように施錠された止め具において、ガイド7のガイド孔21に装入されたボール8は、ガイド孔で制御されながら自由に転動し、ストッパー5と上ケース10との間に介在する。そのため、従来の磁石鍵を近接し解錠しようとしても、可動障害子であるボール8が邪魔をしてストッパー5を上方に動かせないため解錠されない。
施錠された止め具の解錠は、合鍵用磁石18がストッパー5の逃げ孔の位置に一致させて埋設されている合鍵の磁石鍵3の方位合わせ凸部20を受け金具1の方位合わせ凹部19(図2参照)に嵌合して両者を近接することによって得られる。すなわち、受け金具1に磁石鍵3を近接すると、図4に示すようにガイド孔21内のボール8は、合鍵用磁石18に引き寄せられて磁着され、合鍵用磁石18の位置と一致するように設定されているストッパー5の逃げ孔22に整合する。他のボールにおいてもこれと同じ動作が同時に行われる。この状態でストッパー5が磁石鍵3の駆動用磁石17によって引き寄せられると、図4(B)に示すようにボール8が逃げ孔22に没入するため、ストッパー5はボール8に邪魔されることなく上方に動く。これにより、リングばねの係止が解放されるため、止め具は解錠され取り外すことができる。
図5は、(A)異鍵および(B)合鍵で解錠を試みた場合を示したものである。磁石鍵3が合鍵の場合には、前記したように合鍵用磁石18と逃げ孔22とがあらかじめ一致するように設定されているのに対し、異鍵の場合には、図5(A)に示すごとく合鍵用磁石18と逃げ孔22の位置とが一致していないため、磁石鍵3を近接したとき、ボール8は逃げ孔22からずれて合鍵用磁石18で磁着される。その結果、ストッパー5はボール8に邪魔されて駆動用磁石17で上方に動かせなくなり、止め具を解錠させることができない。
本発明において、鍵違いの止め具は、可動障害子のボールの数(以下、位置数とする)と一つのボールに対する合鍵用磁石と逃げ孔の数(以下、段数とする)との組み合わせによって得ることができる。具体的には得られる鍵違いの止め具の数は段数の位置数乗となる。これを図6および図7に従って説明する。
図6は、一つのボール8に対し合鍵用磁石18a、18b、18cと逃げ孔22a、22b、22cの3段で鍵違いの止め具を設定する場合を示す。これらの3段のいずれかに設定することにより、3種類の鍵違い止め具が得られる。図7は、止め具に3個のボール(図示省略)とガイド孔21a、21b、21cを設ける3位置で鍵違い止め具を形成する場合である。これらの3位置のすべてに図6の3段の合鍵用磁石と逃げ孔を適用して鍵違い止め具を設計すれば、その組み合わせ数は3(段数)の3乗(位置数)となり、27種類の鍵違い止め具を得ることができる。段数と位置数は、止め具の種類、大きさ、用途などを考慮して決められるが、通常はともに1〜3程度である。
図8は、本発明の他の好ましい鍵違い止め具の断面説明図である。鍵違い手段の部品には、図1の部品と同じ符号を付けて説明する。本例の止め具は受け金具の係止部材がラッチ29であり、該ラッチ29に係止された止め金具の係止部25がラッチ29から離脱するのをストッパー24で防止して施錠し、施錠された状態のストッパー24を磁石鍵3の駆動用磁石17でばね6に抗して一端(本例では右側の端部)を中心に揺動させて係止部25から外し解錠する止め具である。この止め具の鍵違い手段は、ボール8がガイド孔21に装入されたガイド7をストッパー24とケースとの空間部に組み込むことにより得られる。図9に示すようにストッパー24には各ボール8に対応して逃げ孔22が設けられており、磁石鍵3には該逃げ孔と一致する位置に合鍵用磁石18が埋設されている。ストッパー24とボール8は磁性体で形成される。
止め具の解錠の仕方は、図1の止め具と実質的に同じである。すなわち、磁石鍵3を施錠された止め具に所定の方位で近接させると、磁石鍵3が合鍵である場合には、逃げ孔22と合鍵用磁石18の位置が一致しているため、ボール8は合鍵用磁石18で引き寄せられて逃げ孔22の真上に整合する(図8参照)。この状態でストッパー24が駆動用磁石17で上方に引き寄せられると、ボール8が逃げ孔に22に没入し障害にならないため、ストッパー24は上方に揺動し止め具の係止部25から外れる。これにより止め具は解錠された状態となり、受け金具を図8で左方向に押すことによって取り外しできる。磁石鍵3が異鍵の場合には、ボール8が逃げ孔22と整合せずに障害子として作用するため、ストッパー24を係止部25から外せなくなり解錠できない。
本発明に係る止め具は、鍵違い止め具として広く使用可能であり、かばんやコンテナなどの止め具として、あるいは家庭などの簡易止め具(鍵)として使用できる。
なお、図示はしないが磁石鍵を使用する鍵違い止め具は、非磁性材料で形成したストッパーに磁石鍵を近接する側がN極またはS極になるように磁石を設け、一方合鍵の磁石鍵にはストッパーがN極のときは留め具に対向する側がS極に、またS極のときはN極になるように磁石を設けることによっても得られる。ストッパーと磁石鍵の磁石を同極にした場合には互いに反発しあいストッパーを磁石鍵で動作できなくなるため異鍵となり解錠できない。これにより、2種類の鍵違い止め具を得ることができる。
本発明に係る止め具は、磁石の磁力で解錠できる鍵違い止め具として使用できる。
1:受け金具 2:止め金具 3:磁石鍵
4:リングばね 5:ストッパー 6:ばね
7:ガイド 8:ボール 9:下ケース
10:上ケース 11:はとめ 12:皮革等
13:ダボ 14:ダボ止片 15:あし
16:ホルダ 17:駆動磁石 18:合鍵用磁石
19:方位合わせ凹部 20:方位合わせ凸部 21:ガイド孔
22:逃げ孔 23:位置合わせマーク 24:ストッパー
25:係止部 26:空間部 27:段部
28:磁性材 29:ラッチ

Claims (6)

  1. ケース内に錠部を有する受け金具と係止部を有する止め金具と合鍵用磁石および駆動用磁石が埋設されている磁石鍵からなり、前記受け金具の錠部は止め金具の係止部に係止させる係止部材と、係止部材と係止部との係止が解放されるのを防ぐ磁性体で作られたストッパーと、該ストッパーを付勢して施錠状態に保持するばねとを具備し、前記ストッパーには可動障害子としての磁性体で作られたボールが落ち込む逃げ孔が設けられ、該逃げ孔の上方にはボールが転がり逃げないように制御するガイドが設けられており、前記磁石鍵の合鍵用磁石は該逃げ孔に一致する位置に埋設されており、前記ボールを合鍵用磁石でストッパーの逃げ孔の位置に整合させた状態で、ストッパーを駆動用磁石の磁力でばねの付勢に抗して動かし前記係止を解放させることによって、受け金具と止め金具とが解錠状態となり取り外しできることを特徴とする鍵違い止め具。
  2. 前記止め金具の係止部がダボであり、受け金具の係止部材が該ダボに係止されるリングばねであり、該リングばねの上方には上部にボールの逃げ孔が設けられた平坦部を有するキャップ状のストッパーが、ケースとの間に空間部を設けて下端がリングばねに係合するように組み込まれており、前記ボールとガイドが該空間部に設けられている請求項1に記載の鍵違い止め具。
  3. 前記受け金具の係止部材がラッチであり、上部にボールの逃げ孔が設けられた平坦部を有するストッパーが、一端を中心に揺動しかつラッチに係止された止め金具の係止部に先端が係合するようにケースとの間に空間部を設けて組み込まれており、前記ボールとガイドが該空間部に設けられている請求項1に記載の鍵違い止め具。
  4. 前記ガイドにボールを制御するガイド孔が設けられており、該ガイド孔はボールが転動できる幅と長さを有し、ストッパーに設けられたボール逃げ孔が該ガイド孔の所定の位置で整合している請求項1〜3のいずれかに記載の鍵違い止め具。
  5. 前記ボール、逃げ孔および合鍵用磁石が1乃至複数位置に設けられ、該位置数と一つのボールに対して設定する逃げ孔と合鍵用磁石の段数との組み合わせによって鍵違い止め具を設計できる請求項1〜4のいずれかに記載の鍵違い止め具。
  6. かばんまたはコンテナの止め具である請求項1〜5のいずれかに記載の鍵違い止め具。
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