JP2011236505A - 塗装用冷延鋼板および塗装用めっき鋼板 - Google Patents
塗装用冷延鋼板および塗装用めっき鋼板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011236505A JP2011236505A JP2011145465A JP2011145465A JP2011236505A JP 2011236505 A JP2011236505 A JP 2011236505A JP 2011145465 A JP2011145465 A JP 2011145465A JP 2011145465 A JP2011145465 A JP 2011145465A JP 2011236505 A JP2011236505 A JP 2011236505A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel sheet
- less
- phase
- coating
- cold
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Abstract
【解決手段】主相がフェライト相であるとともに第二相がマルテンサイト相を含む低温変態生成相である組織を備え、表面欠陥が、その内部に鉄酸化物を有し、鋼板の断面から観察して凹凸状であり、鋼板の表面から観察した場合の大きさが平行な二本の直線ではさんだ際に最大となる直線間距離として25μm未満であり、好ましくは、質量%で、C:0.0025%以上0.04%未満、Si:0.5%以下、Mn:0.5%以上3.0%以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.15%以下、N:0.008%未満、Cr:0.02%以上2.0%以下、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有する。
【選択図】図1
Description
HR(℃/min)≦20.0−17.5×Cr(質量%) ・・・・・(1)
ここで、式中のHRは鋼片の300〜1000℃までの平均加熱速度を、Crは鋼中でのCr含有量を質量%にて表したものである。
本実施の形態の冷延鋼板およびめっき鋼板は、フェライト相中にマルテンサイト相を含む低温変態生成相が分散した複合組織を有する。この複合組織を有することにより、鋼板の降伏応力が低下し、良好なプレス成形性および耐面歪み性を得ることができるとともに、耐常温時効性を損なうことなく高い焼付硬化性を得ることができる。
本実施の形態の冷延鋼板は、母材鋼板表面にある表面欠陥が、その内部に鉄酸化物を有し、鋼板の断面から観察して凹凸状であり、鋼板の表面から観察した場合の大きさが平行な二本の直線ではさんだ際に最大となる直線間距離として25μm未満であることを特徴とする。これにより、塗装時におけるピンホールの発生が防止される。好ましい大きさは20μm未満である。
本実施の形態の冷延鋼板は、延性や耐常温時効性等をさらに向上させるために、以下に示す組成を有することが好ましい。
C含有量が0.0025%未満であると上記の複合組織を得ることが困難となる。一方、C含有量が0.04%以上であると鋼板の延性および深絞り性が損なわれる傾向を示す。したがって、C含有量は0.0025%以上0.04%未満とすることが望ましい。さらに望ましい範囲は0.011%以上0.029%以下であり、特に望ましい範囲は、0.016%以上0.029%以下である。
Siは、鋼中に不可避的に含有される元素であり、延性を劣化させるとともに、冷延鋼板の化成処理性およびめっき鋼板のめっき性を著しく劣化させる。したがって、Si含有量は少ないほど好ましい。しかし、Siは鋼板を強化する作用を有するので、鋼を強化するために0.5%を上限として含有させてもよい。さらに好ましくは0.1%以下であり、特に好ましくは0.02%以下である。
Mnは、鋼の焼入性を向上させる作用があり、フェライト相中に低温変態生成相を分散させるために0.5%以上含有させることが好ましい。一方、過度に含有させると延性および深絞り性が劣化するので、本実施の形態ではMn含有量の上限を3.0%とすることが好ましい。さらに好ましい範囲は、1.0%以上2.0%未満であり、特に好ましい範囲は1.0%以上1.5%未満である。
Pは、鋼中に不可避的に含有される元素であり、粒界に偏析して二次加工脆性および溶接性を劣化させる。したがって、P含有量は少ないほど好ましい。しかし、Pは安価に、また、深絞り性をさほど劣化させることなく、鋼を強化することができるため、所望の強度を得るために0.05%以下の範囲で含有させてもよい。さらに好ましい範囲は0.005%以上0.035%未満であり、特に好ましい範囲は0.010%以上0.020%未満である。
Sは、鋼中に不可避的に含有される不純物であり、粒界に偏析して鋼を脆化させるため、S含有量は少ないほど好ましい。したがって、S含有量は0.01%以下とすることが好ましい。
Alは、溶鋼を脱酸するために用いられる。しかし、0.15%を超えて含有させると効果が飽和して不経済となる。このため、sol.Al含有量は0.15%以下とすることが好ましい。なお、AlはNと結合してAlNを形成し、Nによる時効劣化を防止するため、N含有量の10倍以上含有させることが望ましい。
Nは、鋼中に不可避的に含有される元素であり、N含有量の増加は延性、深絞り性および耐常温時効性を劣化させる。したがって、N含有量は0.008%未満とすることが好ましい。さらに好ましい範囲は0.005%未満であり、特に好ましい範囲は0.004%未満である。
Crは、延性を損なうことなく鋼の焼入性を向上させる作用があり、フェライト相中に低温変態生成相を分散させるために0.02%以上含有させることが好ましい。一方、Crは冷延鋼板では化成処理性を劣化させ、めっき鋼板ではめっき性を劣化させる。したがって、Cr含有量の上限を2.0%とすることが好ましい。さらに好ましい範囲は0.05%以上1.15%未満である。特に好ましい範囲は0.15%以上0.90%以下である。また、延性をさらに向上させるためには、Mn含有量の1/10以上含有させることが好ましい。
B、Mo、およびWは、鋼の焼入性をさらに向上させるために、これらの1種または2種以上を含有させてもよい。ただし、Bは深絞り性を劣化させるので、上限を0.003%とする。望ましい範囲は0.0002%以上0.002%未満である。また、MoおよびWは1.0%を超えて含有させると効果が飽和して不経済となるため、1.0%以下とする。望ましい範囲は0.02%以上0.5%未満である。
TiおよびNbは、Nと結合してTiNやNbNを形成することでNによる時効劣化を防止するので、一方または双方を含有させてもよい。しかし、0.1%を超えて含有させても効果が飽和して不経済となる。このため、含有量はそれぞれ0.1%以下とする。下限は特に規定されない。好ましい範囲は0.003%以上0.025%以下である。
本実施形態に係る鋼板は、上記のような金属組織上の特徴と母材の表面状態における特徴を有していれば製造方法には特に限定されない。ただし、上記の化学組成を有する鋼板について、次のような製造方法を採用すれば、本実施形態に係る鋼板を効率的に、かつ安定的に得ることが実現される。
HR(℃/min)≦20.0−17.5×Cr(質量%) ・・・・・(1)
ここで、式中のHRは鋼片の300〜1000℃までの平均加熱速度を、Crは鋼中でのCr含有量を質量%にて表したものである。この条件を満たすように加熱すると、冷延鋼板またはめっき鋼板母材の表面欠陥が抑制され、塗装後にピンホールを有さない鋼板を得ることが安定的に実現される。
表1に示される化学組成に調整された鋼片を連続鋳造により製造した。これらの鋼片を表2に示される条件で加熱した後、熱間圧延し、コイル状に巻き取って板厚3.0mmの熱延板を得た。得られた熱延板を酸洗してから板厚0.75mmまで冷間圧延した(圧下率75%)。続いて、連続焼鈍設備にて冷延板に750〜800℃で約30秒間均熱する焼鈍を施した。均熱後の冷却条件は、均熱温度から650℃までの平均冷却速度を5℃/sとし、650℃から450℃までの平均冷却速度を80℃/sとした。得られた焼鈍板に伸び率0.5%で調質圧延を施し、冷延鋼板を得た。さらに、一部の冷延鋼板には、電気亜鉛めっきを施し、片面あたりのめっき付着量が70g/m2である亜鉛めっき鋼板を得た。
Claims (5)
- 主相がフェライト相であるとともに第二相がマルテンサイト相を含む低温変態生成相である組織を備え、表面欠陥が、その内部に鉄酸化物を有し、鋼板の断面から観察して凹凸状であり、鋼板の表面から観察した場合の大きさが平行な二本の直線ではさんだ際に最大となる直線間距離として25μm未満であることを特徴とする塗装用冷延鋼板。
- 質量%で、C:0.0025%以上0.04%未満、Si:0.5%以下、Mn:0.5%以上3.0%以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.15%以下、N:0.008%未満、Cr:0.02%以上2.0%以下、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有する請求項1に記載された塗装用冷延鋼板。
- 前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、B:0.003%以下、Mo:1.0%以下、およびW:1.0%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有する請求項2に記載された塗装用冷延鋼板。
- 前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.1%以下およびNb:0.1%以下の1種または2種を含有する請求項2または請求項3に記載された塗装用冷延鋼板。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載された冷延鋼板を母材とし、表面にめっき層を備えることを特徴とする塗装用めっき鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011145465A JP5278505B2 (ja) | 2007-06-22 | 2011-06-30 | 塗装用冷延鋼板および塗装用めっき鋼板 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007164955 | 2007-06-22 | ||
JP2007164955 | 2007-06-22 | ||
JP2011145465A JP5278505B2 (ja) | 2007-06-22 | 2011-06-30 | 塗装用冷延鋼板および塗装用めっき鋼板 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007222860A Division JP4816595B2 (ja) | 2007-06-22 | 2007-08-29 | 冷延鋼板およびめっき鋼板ならびに該鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011236505A true JP2011236505A (ja) | 2011-11-24 |
JP5278505B2 JP5278505B2 (ja) | 2013-09-04 |
Family
ID=40400964
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007222860A Active JP4816595B2 (ja) | 2007-06-22 | 2007-08-29 | 冷延鋼板およびめっき鋼板ならびに該鋼板の製造方法 |
JP2011145465A Active JP5278505B2 (ja) | 2007-06-22 | 2011-06-30 | 塗装用冷延鋼板および塗装用めっき鋼板 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007222860A Active JP4816595B2 (ja) | 2007-06-22 | 2007-08-29 | 冷延鋼板およびめっき鋼板ならびに該鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP4816595B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8357607B2 (en) | 2009-03-11 | 2013-01-22 | Panasonic Corporation | Method for fabricating nitride-based semiconductor device having electrode on m-plane |
US8441108B2 (en) | 2009-04-02 | 2013-05-14 | Panasonic Corporation | Nitride semiconductor element having electrode on m-plane and method for producing the same |
WO2010113238A1 (ja) | 2009-04-03 | 2010-10-07 | パナソニック株式会社 | 窒化物系半導体素子およびその製造方法 |
CN102687292B (zh) | 2010-04-01 | 2014-09-24 | 松下电器产业株式会社 | 氮化物系半导体元件及其制造方法 |
JP5471837B2 (ja) * | 2010-05-27 | 2014-04-16 | 新日鐵住金株式会社 | 焼付硬化性冷延鋼板およびその製造方法 |
JP5703632B2 (ja) * | 2010-08-31 | 2015-04-22 | Jfeスチール株式会社 | 温間プレス成形用素材及びパネル用部材の製造方法 |
KR101795918B1 (ko) | 2015-07-24 | 2017-11-10 | 주식회사 포스코 | 내시효성 및 소부경화성이 우수한 용융아연도금강판, 합금화 용융아연도금강판 및 그 제조방법 |
KR101889193B1 (ko) * | 2016-12-22 | 2018-08-16 | 주식회사 포스코 | 내식성 및 가공성이 우수한 냉연강판 및 그 제조방법 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63266096A (ja) * | 1987-04-24 | 1988-11-02 | Nippon Steel Corp | 耐食性に優れた容器用Niめつき鋼板 |
JP2006052465A (ja) * | 2004-07-06 | 2006-02-23 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 高張力冷延鋼板の製造方法 |
-
2007
- 2007-08-29 JP JP2007222860A patent/JP4816595B2/ja active Active
-
2011
- 2011-06-30 JP JP2011145465A patent/JP5278505B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63266096A (ja) * | 1987-04-24 | 1988-11-02 | Nippon Steel Corp | 耐食性に優れた容器用Niめつき鋼板 |
JP2006052465A (ja) * | 2004-07-06 | 2006-02-23 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 高張力冷延鋼板の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5278505B2 (ja) | 2013-09-04 |
JP2009030147A (ja) | 2009-02-12 |
JP4816595B2 (ja) | 2011-11-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6525114B1 (ja) | 高強度亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 | |
US10329638B2 (en) | High strength galvanized steel sheet and production method therefor | |
JP5278505B2 (ja) | 塗装用冷延鋼板および塗装用めっき鋼板 | |
JP5332355B2 (ja) | 高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 | |
CN112074620A (zh) | 镀锌钢板及其制造方法 | |
CN109790606B (zh) | 镀覆钢板、热浸镀锌钢板的制造方法及合金化热浸镀锌钢板的制造方法 | |
CN111684096B (zh) | 热浸镀锌钢板以及合金化热浸镀锌钢板 | |
KR20190073469A (ko) | 고강도 강판 및 그 제조 방법 | |
WO2013094130A1 (ja) | 高強度鋼板およびその製造方法 | |
WO2016031166A1 (ja) | 高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 | |
WO2017168958A1 (ja) | 薄鋼板およびめっき鋼板、並びに、熱延鋼板の製造方法、冷延フルハード鋼板の製造方法、薄鋼板の製造方法およびめっき鋼板の製造方法 | |
JP6249140B1 (ja) | 高降伏比型高強度亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 | |
JP5817804B2 (ja) | 伸びの面内異方性が小さい高強度鋼板およびその製造方法 | |
JP5194930B2 (ja) | 高降伏比高強度冷延鋼板 | |
JP5853884B2 (ja) | 溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 | |
JP5817805B2 (ja) | 伸びの面内異方性が小さい高強度鋼板およびその製造方法 | |
EP2740813A1 (en) | Hot-dip galvanized steel sheet and production method therefor | |
JP5051886B2 (ja) | 冷延鋼板およびめっき鋼板の製造方法 | |
WO2020138343A1 (ja) | 鋼板 | |
JP4370795B2 (ja) | 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP3969350B2 (ja) | 高張力冷延鋼板とその製造方法 | |
JP7311808B2 (ja) | 鋼板及びその製造方法 | |
JP5012636B2 (ja) | 亜鉛系溶融めっき鋼板 | |
JP5041096B2 (ja) | 高張力冷延鋼板およびその製造方法 | |
JP2009263713A (ja) | 高張力冷延鋼板および高張力めっき鋼板ならびにこれらの製造方法。 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121011 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20121011 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130423 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130506 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5278505 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |