JP2011236043A - フィルムロールの管理方法 - Google Patents

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Masaharu Shiraishi
雅治 白石
Ryuichi Edazaki
隆一 枝崎
Masato Tayauchi
政人 田谷内
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Abstract

【課題】安価であり、加工しやすい紙管を用いつつ、紙管のたわみよって生じるたわみ量が問題にならないレベルのフィルムロールのみを確実に供給できる、フィルムロールの管理方法を提供する。
【解決手段】紙管12にフィルム14を巻き回したフィルムロール10の管理方法であって、保管場所に保管されているフィルムロール10について長手方向の中央部におけるたわみ量を測定し、フィルムロール10のたわみ量が、あらかじめ設定された許容量以下であるか否かを把握し、保管場所には複数のフィルムロール10が保管されている場合、たわみ量が許容量以下で、かつ許容量に近いフィルムロール10から順に保管場所から出庫し、たわみ量が許容量を超えたフィルムロール10については、巻き回されたフィルム14を別の紙管に巻きかえる。
【選択図】図2

Description

本発明は、保管場所に保管されているフィルムロールの管理方法に関する。
熱収縮フィルム等の各種プラスチック製のフィルムは、通常、巻き芯に巻き回されたフィルムロールの状態で保管される。巻き芯としては、安価であり、フィルムの幅に合わせて長さを調整する加工をしやすい点から、通常、紙管が用いられる。
また、紙管にフィルムを巻き回したフィルムロールは、床面に直置きするとフィルムが変形するため、通常、紙管の両端を架台によって支持した状態とされている。
しかし、紙管にフィルムを巻き回したフィルムロールを、紙管の両端を架台によって支持した状態で長時間保管していると、フィルムの自重によって紙管がたわみ、紙管のたわみによってフィルムロール全体にもたわみが生じる問題がある。フィルムロールにたわみが生じると、フィルムの巻き出し時にフィルムロールの中央部が上下、前後に大きく振れてしまい、フィルムの位置がずれる等によってフィルムの加工(印刷加工、スリット加工、コーティング加工、表面加工等)に影響を及ぼすことがある。
たわみが抑えられた巻き芯としては、下記のものが提案されている。
(1)偏平圧縮強度および厚さが規定された紙管(特許文献1)。
(2)曲げ強度および曲げ弾性率が規定された繊維強化プラスチック製の巻き芯(特許文献2)。
(3)プラスチックまたは金属製の巻き芯(特許文献3)。
しかし、(1)の紙管は、特注品となるため、通常の紙管に比べ高価になってしまう。また、紙管の強度を高くしたり、紙管を厚くしたりしたところで、紙管のたわみを問題が生じないレベルに抑えることはできない。
(2)、(3)の巻き芯は、紙管に比べかなり高価であり、また、フィルムの製造現場においてフィルムの幅に合わせて長さを調整する加工も困難である。
特開平08−012196号公報 特開2001−106438号公報 特開2001−315885号公報
本発明は、安価であり、加工しやすい紙管を用いつつ、紙管のたわみよって生じるたわみ量が問題にならないレベルのフィルムロールのみを確実に供給できる、フィルムロールの管理方法を提供する。
本発明のフィルムロールの管理方法は、紙管にフィルムを巻き回したフィルムロールの管理方法であって、保管場所に保管されているフィルムロールについて長手方向の中央部におけるたわみ量を測定し、フィルムロールのたわみ量が、あらかじめ設定された許容量以下であるか否かを把握することを特徴とする。
本発明のフィルムロールの管理方法においては、保管場所には複数のフィルムロールが保管されている場合、たわみ量が許容量以下で、かつ許容量に近いフィルムロールから順に保管場所から出庫することが好ましい。
また、たわみ量が許容量を超えたフィルムロールについては、巻き回されたフィルムを別の紙管に巻きかえることが好ましい。
本発明のフィルムロールの管理方法によれば、安価であり、加工しやすい紙管を用いつつ、紙管のたわみよって生じるたわみ量が問題にならないレベルのフィルムロールのみを確実に供給できる。
フィルムロールの一例を示す斜視図である。 フィルムロールのたわみ量の測定の様子を示す概略図である。
本発明のフィルムロールの管理方法は、保管場所に保管されているフィルムロールについて長手方向の中央部におけるたわみ量を測定し、フィルムロールのたわみ量が、あらかじめ設定された許容量以下であるか否かを把握する方法である。
(フィルムロール)
図1に示すように、フィルムロール10は、紙管12にフィルム14を巻き回したものである。
フィルムロールの寸法(長さ、直径等)は、フィルムの種類、用途、保管場所のスペース等に応じて適宜設定される。
フィルムロールは、保管・搬送のために、梱包体とされていてもよい。また、紙管の両端を架台によって支持した状態とされていてもよい。
(紙管)
紙管としては、帯状の原紙を螺旋状に巻き回しながら積層して管状とし、所望の長さに切断したものが挙げられる。帯状の原紙には、あらかじめ樹脂等を含浸させておいてもよい。紙管の表面には、樹脂等が塗布されていてもよく、研磨が施されていてもよい。
紙管の偏平圧縮強度は、1.5kN/100mm以上が好ましく、2.2kN/100mm以上がより好ましい。偏平圧縮強度が1.5kN/100mm以上であれば、紙管に短時間でたわみが生じることがない。
偏平圧縮強度は、紙管の中央部で100mm幅に切断したサンプルについて、オートグラフを用い、サンプルの円周上側から負荷速度30mm/分で圧縮した際の負荷強度と変形量との関係をグラフ化し、該グラフにおける直線または曲線の一次変曲点における負荷荷重(kN)を読み取ることによって求める。
紙管の厚さ(肉厚)は、8〜20mmが好ましく、12〜15mmがより好ましい。厚さが8mm以上であれば、紙管に短時間でたわみが生じることがない。厚さが20mm以下であれば、紙管のコストが抑えられる。
(フィルム)
フィルムとしては、公知の成形法(Tダイ法、インフレーション法等)によって製造されたフィルム原反、フィルム原反を延伸した延伸フィルム、フィルム原反や延伸フィルムに公知の加工(印刷加工、スリット加工、コーティング加工、表面加工等)等を施した加工フィルム等が挙げられる。
フィルムの用途としては、包装・ラベル用フィルム、光学フィルム、離型フィルム、装飾用フィルム、コンデンサ用フィルム等が挙げられる。
フィルムの材料としては、ポリオレフィン、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル、ポリアミド等が挙げられる。フィルムは、必要に応じて、紫外線吸収剤、耐ブロッキング剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤、潤滑剤、可塑剤、充填剤、耐衝撃改良剤等の添加剤を含んでいてもよい。
フィルムは、単層フィルムであってもよく、多層フィルムであってもよい。
(保管場所)
保管場所としては、フィルム製造工場における倉庫、フィルム加工工場における倉庫、加工されたフィルムを原材料として用いる各種製造工場における倉庫、フィルムロールを搬送する運送会社における倉庫等が挙げられる。
(たわみ量の測定)
たわみ量は、紙管にフィルムを巻き回した直後におけるフィルムロールを、長手方向が水平になるように設置した際のフィルムロールの最頂部の位置を基準にし、該最頂部の位置が経時変化によって鉛直方向にどれだけ沈み込んだかを示す変化量である。
フィルムロールのたわみ量は、例えば図2に示すように、フィルムロール10の紙管12の両端を、水平な場所に設置された架台20によって支持し、架台20の上部に水平に掛け渡された支持棒22に設置された歪み計24を、フィルムロール10の上方から押し当て、フィルムロール10の長手方向の中央部におけるたわみ量を測定する。また同時に、フィルムロール10の長手方向の両端部におけるたわみ量を測定してもよい。
たわみ量の測定は定期的に行い、フィルムロールのたわみ量を常に把握しておくことが好ましい。たわみ量の測定の頻度は、1日〜数日に1回が好ましく、1日に1回がより好ましい。
保管場所に複数のフィルムロールが保管されている場合は、それぞれのフィルムロールについてたわみ量を測定し、各フィルムのたわみ量を常に把握しておくことが好ましい。
たわみ量は、記録用紙、コンピュータのハードディスク等の記録媒体に記録し、管理することが好ましい。
(たわみ量の許容量)
たわみ量の許容量は、フィルムロールから巻き出したフィルムを加工する際に問題が生じることのないフィルムロールのたわみ量であり、フィルムの加工装置の種類、加工精度、フィルムロールの寸法等によって決まる。許容量を超えると、フィルムの加工(印刷加工、スリット加工、コーティング加工、表面加工等)に影響を及ぼすことになる。
許容量は、例えば、下記のように決定する。
たわみ量の異なる複数のフィルムロールを用意し、各フィルムロールから巻き出されたフィルムの加工を実施し、フィルムの加工装置において問題の発生の有無を確認し、問題の発生しなかったフィルムロールのうち、最大のたわみ量を許容値とする。
(フィルムロールの出庫)
保管場所に保管された複数のフィルムロールのうち、一部のフィルムロールを出庫する際には、たわみ量が許容量以下で、かつ許容量に近いフィルムロールから順に保管場所から出庫することが好ましい。許容量に近いフィルムロールから順に保管場所から出庫することによって、後述するフィルムの巻きかえの頻度を少なくすることができる。
(フィルムの巻きかえ)
たわみ量が許容量を超えたフィルムロールについては、このままでは、フィルムの巻き出し時にフィルムロールの中央部が上下、前後に大きく振れてしまい、フィルムの位置がずれる等によってフィルムの加工に影響を及ぼすため、巻き回されたフィルムを新品の紙管に巻きかえる。
フィルムの巻きかえには、公知のフィルム巻きかえ装置を用いればよい。
(作用効果)
以上説明した本発明のフィルムロールの管理方法にあっては、保管場所に保管されているフィルムロールについて長手方向の中央部におけるたわみ量を測定し、フィルムロールのたわみ量が、あらかじめ設定された許容量以下であるか否かを把握しているため、紙管のたわみよって生じるたわみ量が許容量を超えたフィルムロールを出庫することがなくなり、たわみ量が問題にならないレベルのフィルムロールのみを確実に供給できる。
〔例1〜4〕
表1に示す巻き芯を、巻き芯メーカから入手した。
Figure 2011236043
外層/中間層/外層の厚さの比率が10/80/10である3層構造の多層フィルムを共押出法により作製した。
両側の外層の材料としては、下記の共重合体を用い、中間層の材料としては、下記の混合物を用いた。
外層の材料:
ブタジエン単位の含有量が20質量%のスチレン−ブタジエン−スチレン型ブロック共重合体(旭化成ケミカルズ製、商品名:アサフレックス805)。
中間層の材料:
前記スチレン−ブタジエン−スチレン型ブロック共重合体27質量%と、ブチルアクリレート単位の含有量が23質量%のスチレン−ブチルアクリレート共重合体(PSジャパン製、商品名:KD−350、ビカット軟化点66℃)70質量%と、ブタジエン単位の含有量が60質量%のスチレン−ブタジエン−スチレン型ブロック共重合体(旭化成ケミカルズ製、商品名:タフプレン126)3質量%との混合物。
ついで、この多層フィルムに、85℃にて縦方向に1.1倍、横方向に5倍の延伸処理を施し、厚さ40μmの多層熱収縮フィルムを作製し、そのまま表1に示す巻き芯に巻き回して、巻き芯の異なる3種類のフィルムロールを得た。
熱収縮フィルムに印刷加工を施す印刷機においては、フィルムロールの長手方向の中央部におけるたわみ量が1.0mmまでは、フィルムの見当ずれが起こりにくいことがわかっているため、許容量は1.0mmとした。
巻き芯の異なる各フィルムロールについて、巻き回し直後を基準にして、1日後、4日後、7日後、14日後、30日後、60日後、63日後のフィルムロールの長手方向の中央部のたわみ量を、図2に示す架台に支持した状態で歪み計により測定し、記録した。結果を表2に示す。
Figure 2011236043
例1、2においては、63日後に、たわみ量が許容量を超えてしまい、フィルムの巻きかえが必要になったことがわかる。
このように、製造コストの高い強度変更紙管を用いても、通常の紙管とたわみの程度はさほど変わらないため、紙管を改良するよりも、フィルムロールのたわみ量を常に把握しておくことの方が、フィルムの加工時の問題発生の抑制には効果的であることがわかる。
10 フィルムロール
12 紙管
14 フィルム

Claims (3)

  1. 紙管にフィルムを巻き回したフィルムロールの管理方法であって、
    保管場所に保管されているフィルムロールについて長手方向の中央部におけるたわみ量を測定し、フィルムロールのたわみ量が、あらかじめ設定された許容量以下であるか否かを把握する、フィルムロールの管理方法。
  2. 保管場所には複数のフィルムロールが保管されており、
    たわみ量が許容量以下で、かつ許容量に近いフィルムロールから順に保管場所から出庫する、請求項1に記載のフィルムロールの管理方法。
  3. たわみ量が許容量を超えたフィルムロールについては、巻き回されたフィルムを別の紙管に巻きかえる、請求項1または2に記載のフィルムロールの管理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014019056A (ja) * 2012-07-18 2014-02-03 Konica Minolta Inc フィルムロール梱包体およびその製造方法
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WO2018220984A1 (ja) * 2017-06-01 2018-12-06 住友電気工業株式会社 光ファイバの保管方法、輸送方法および光ファイバ巻回ボビン

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