JP2011235567A - 液滴吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】にじみや色混じりが生じる等の画質の低下を抑制しつつ、インクの増粘や硬化を抑制してインクを安定して吐出させることで、所望の印刷品質を得ることが可能な液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】ノズルから紫外線硬化型インクを透光性記録媒体Pに向けて吐出する走査型の液滴吐出ヘッド9と、紫外線を透過する材料により形成された、透光性記録媒体Pを載置するステージ6と、ステージ6を挟んで液滴吐出ヘッド9が配置された側と反対の側に移動可能に配置された、液滴吐出ヘッド9により吐出されて透光性記録媒体Pに着弾した紫外線硬化型インク50に対して紫外線を照射して硬化させる紫外線照射部40と、ステージ6と紫外線照射部40との間に移動可能に配置されて、紫外線照射部40からの紫外線が少なくとも液滴吐出ヘッド9のノズル形成領域に照射されないように紫外線を遮断する遮光部41と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、液滴吐出装置に関するものである。
近年、紫外線照射によって硬化する紫外線硬化型インクを用いて記録媒体に画像またはパターンを形成する液滴吐出装置が注目されている。紫外線硬化型インクは、紫外線を照射するまでは硬化が非常に遅く、紫外線を照射すると急速に硬化するという、印刷インクとして好ましい特性を有する。また、硬化にあたって溶剤を揮発させることがないので、環境負荷が小さいという利点もある。
さらに、紫外線硬化型インクは、ビヒクルの組成により種々の記録媒体に高い付着性を発揮する。また、硬化した後は化学的に安定で、接着性、耐薬剤性、耐候性、耐摩擦性等が高く、屋外環境にも耐える等、優れた特性を有する。このため、紙、樹脂フィルム、金属箔等の薄いシート状の記録媒体の他、記録媒体のレーベル面、テキスタイル製品等、ある程度立体的な表面形状を有するものに対しても画像を形成できる。
ところで、紫外線硬化型インクが記録媒体に着弾してから紫外線を照射するまでの時間が長いと、記録媒体に着弾したインクのドット径が拡大してしまい、これにより、にじみや色混じりが生じる等して、画質を低下させるおそれがある。
このような問題点を解決するための技術が各種検討されており、例えば特許文献1では、紫外線光源を覆うカバー部材を備える紫外線照射装置を液滴吐出ヘッドに近接して設けることで、インクが記録媒体に着弾してから紫外線を照射するまでの時間を短縮している。
特許文献2では、液滴吐出ヘッドが配置された側と反対の側に配置された活性光線照射手段が照射する活性光線のうち記録媒体を透過した透過光線を、液滴吐出ヘッドから吐出される飛翔インク液滴が記録媒体上に着弾する位置のうち少なくともいずれかに照射させる透過光反射部材を液滴吐出ヘッドが配置された側に配置している。この構成によれば、飛翔インク液滴に活性光線の反射光線が照射され、飛翔インク液滴の外表面に薄い硬化開始層が形成された状態で記録媒体に着弾する。これにより、着弾後の液滴が時間の経過とともに濡れ広がることを抑制している。
特開2004−188923号公報 特開2006−315289号公報
特許文献1及び2の技術にあっては、記録媒体に着弾したインクのドッド径が拡大することを抑え、にじみや色混じりが生じる等の画質の低下を抑制することができると考えられるが、以下のように問題点もある。
特許文献1では、カバー部材の内面であって紫外線光源から照射される紫外線を液滴吐出ヘッドに対して反射させる面の紫外線反射率がその他の面の紫外線反射率よりも低くすることで、液滴吐出ヘッドのノズル形成面に到達する紫外線を抑制している。
しかしながら、紫外線光源から照射された光の一部がカバー部材の内面や記録媒体の表面で少なからず反射されるため、液滴吐出ヘッドのノズル形成面に到達する紫外線を抑制するにも限界がある。このように、ノズル形成面に紫外線が照射されると、ノズル形成面に付着しているインクやノズル内のインクが増粘し、さらにはインクが硬化する等してしまい、インクの吐出不良が生じてしまう。
また、液滴吐出ヘッドに近接した位置から記録媒体の表面に向けて紫外線が照射されるため、紫外線照射装置自体を移動させた後に紫外線を照射するといった動作が必要となる。このため、紫外線硬化型インクが記録媒体に着弾してから紫外線を照射するまでに時間差が生じることとなり、インクの硬化を迅速に開始させることが困難である。
一方、特許文献2においても、活性光線照射手段が液滴吐出ヘッドが配置された側と反対の側に配置されているものの、活性光線照射手段からの活性光線が液滴吐出ヘッドのノズル形成面に到達し、上述したようなインクの吐出不良が生じるおそれがある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、記録媒体に着弾したインクのドッド径が拡大することを抑え、にじみや色混じりが生じる等の画質の低下を抑制しつつ、ノズル形成領域に紫外線が照射されることを抑え、インクの増粘や硬化を抑制してインクを安定して吐出させることで、所望の印刷品質を得ることが可能な液滴吐出装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の液滴吐出装置は、ノズルから紫外線硬化型インクを透光性記録媒体に向けて吐出する走査型の液滴吐出ヘッドと、紫外線を透過する材料により形成された、前記透光性記録媒体を載置するステージと、前記ステージを挟んで前記液滴吐出ヘッドが配置された側と反対の側に移動可能に配置された、前記液滴吐出ヘッドにより吐出されて前記透光性記録媒体に着弾した紫外線硬化型インクに対して紫外線を照射して硬化させる紫外線照射部と、前記ステージと前記紫外線照射部との間に移動可能に配置されて、前記紫外線照射部からの紫外線が少なくとも前記液滴吐出ヘッドのノズル形成領域に照射されないように前記紫外線照射部からの紫外線を遮断する遮光部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、紫外線照射部がステージを挟んで液滴吐出ヘッドが配置された側と反対の側に移動可能に配置されている。また、紫外線照射部からの紫外線が少なくとも液滴吐出ヘッドのノズル形成領域に照射されないように遮断する遮光部がステージと紫外線照射部との間に移動可能に配置されている。このため、紫外線照射部からの紫外線のうち液滴吐出ヘッドのノズル形成領域に向かう紫外線は遮光部によって遮断される。したがって、確実にインクの増粘や硬化を抑制することができる。また、透光性記録媒体の裏面から紫外線が照射されるため、紫外線照射部自体を移動させた後に紫外線を照射する等の動作に起因して、紫外線硬化型インクが透光性記録媒体に着弾してから紫外線を照射するまでに時間差が生じることを抑えることができる。つまり、紫外線硬化型インクが透光性記録媒体に着弾した直後から紫外線を照射することができ、インクの硬化を迅速に開始させることができる。したがって、記録媒体に着弾したインクのドッド径が拡大することを抑え、にじみや色混じりが生じる等の画質の低下を抑制しつつ、ノズル形成領域に紫外線が照射されることを抑え、インクの増粘や硬化を抑制してインクを安定して吐出させることで、所望の印刷品質を得ることが可能となる。
また、この液滴吐出装置においては、前記遮光部は、前記紫外線照射部から出射した紫外線を選択的に透過させる透過部を有していてもよい。
この構成によれば、透光性記録媒体の画像形成領域に対応する位置に選択的に紫外線を照射することが容易になる。このため、画像の高精細化を図りたい領域については透過部を位置させることで紫外線硬化型インクが透光性記録媒体に着弾した直後から紫外線を照射することができる。その一方で、単色でベタ塗りをしたい領域については非透過部を位置させることで紫外線の照射を遅らせることもできる。つまり、透過部を移動制御することで、紫外線硬化型インクが透光性記録媒体に着弾してから紫外線を照射するまでの時間を自由に設定することができる。したがって、透光性記録媒体に形成される画像の種類に応じて、紫外線硬化型インクの硬化開始時間を調整することができ、所望の印刷品質を容易に得ることが可能となる。
また、この液滴吐出装置においては、前記遮光部は、前記紫外線照射部からの紫外線を前記液滴吐出ヘッド全体に照射させないようになっていてもよい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッド全体に紫外線が当たらないようになっているので、紫外線の熱による影響で液滴吐出ヘッドが加熱されることを抑制することができる。これにより、透光性記録媒体が液滴吐出ヘッドの熱の影響を受けて熱膨張することが抑えられ、透光性記録媒体に着弾した紫外線硬化型インクが歪んだりする等、印刷品質が低下することを抑制できる。また、紫外線照射部からの紫外線が少なくとも液滴吐出ヘッドのノズル形成領域に照射されないように遮断する遮光部を移動制御するに当たり、安全率を見込んで行うことが可能となる。
また、この液滴吐出装置においては、前記紫外線照射部からの紫外線を前記液滴吐出ヘッドが走査移動した直後の位置に照射させるように、前記液滴吐出ヘッドと前記紫外線照射部と前記遮光部との移動の制御を行う制御部を備えていてもよい。
この構成によれば、紫外線硬化型インクが透光性記録媒体に着弾してから紫外線が照射されるまでの間の時間を短縮することができる。したがって、紫外線硬化型インクが透光性記録媒体に着弾した直後から紫外線を照射することができ、インクの硬化を迅速に開始させることができる。
また、この液滴吐出装置においては、前記遮光部は、前記液滴吐出ヘッドのみを選択的に覆い隠してもよい。
この構成によれば、遮光部のサイズを小さくできるので、遮光部の移動制御を容易に行うことができる。また、遮光部の構成が簡易なものとなり、装置の低コスト化を図ることができる。また、透光性記録媒体の画像形成領域を単色でベタ塗りをしたい場合において有効な構成となる。
また、この液滴吐出装置においては、前記紫外線照射部は、前記液滴吐出ヘッドの走査移動に同期して移動するように構成されていてもよい。
この構成によれば、紫外線照射部が液滴吐出ヘッドの走査移動に同期して移動するので、例えば、紫外線照射部を複数設けることなく1つだけ設けることによっても透光性記録媒体に着弾した紫外線硬化型インクに対して紫外線を照射して硬化させることができる。このため、紫外線照射部の配置数を少なくできるので、紫外線照射部の移動制御を容易に行うことができる。また、紫外線照射部の構成が簡易なものとなり、装置の低コスト化を図ることができる。
また、この液滴吐出装置においては、前記遮光部は、前記ステージに接して配置されていてもよい。
この構成によれば、遮光部がステージに離間して配置される場合に比べて、遮光部と液滴吐出ヘッドとの間の距離が短くなる。このため、紫外線照射部からの紫外線を透光性記録媒体に着弾した紫外線硬化型インクに照射する際の照射精度を向上できる。また、紫外線照射部からの紫外線が透光性記録媒体に着弾した紫外線硬化型インクに照射されるまでの間にステージと遮光部との間に入り込み、空気等の媒体の影響で紫外線の進行方向が曲がることが抑制される。すなわち、遮光部がステージから離間して配置される場合に比べて、ノズル形成領域に紫外線が照射されることが抑えられ、インクの増粘や硬化を抑制してインクを安定して吐出させることが可能となる。
本発明に係る第1実施形態の液滴吐出装置の概略構成を示す模式図である。 液滴吐出ヘッドの配置構成を示す平面図である。 液滴吐出ヘッドのノズル形成面におけるノズルの配列状態を示す図である。 液滴吐出ヘッドの内部構成を示す部分断面図である。 本発明に係る第1実施形態の液滴吐出装置の要部を示す模式図である。 本発明に係る第2実施形態の液滴吐出装置の要部を示す模式図である。 液滴吐出装置の変形例を示す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
以下の説明においては、図1中に示されたXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸がステージ6に対して平行な方向に設定され、Z軸がステージ6に対して直交する方向に設定されている。図1中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。
(第1実施形態)
図1は本発明に係る第1実施形態の液滴吐出装置1の概略構成を示す模式図である。図2は、液滴吐出ヘッド9の配置構成を示す平面図である。液滴吐出装置1は、例えば透明なプラスチックフィルム等の記録媒体(透光性記録媒体)P上に紫外線硬化型インクを吐出し、記録媒体Pに着弾した紫外線硬化型インクに対して紫外線照射を行って該紫外線硬化型インクを硬化させ、記録媒体P上に画像や各種の模様等のパターンを描画するものである。なお、以下「紫外線硬化型インク」について説明するときは、便宜上、単に「インク」ということがある。
この液滴吐出装置1は、記録媒体Pを載置する基台2と、基台2上の記録媒体Pを図1中のX方向に搬送する搬送装置3と、紫外線硬化型インクを吐出する液滴吐出ヘッド9と、液滴吐出ヘッド9を複数備えてなるキャリッジ4と、このキャリッジ4をY方向に移動させるキャリッジ移動装置5と、各種構成部品の制御を行う制御部8と、を具備して構成されている。搬送装置3及びキャリッジ移動装置5により、記録媒体Pとキャリッジ4とを、X方向とY方向とにそれぞれ相対移動させる移動装置が構成されている。
搬送装置3は、基台2上に設けられたステージ6及びステージ移動装置7を備えて構成されたものである。ステージ6は、ステージ移動装置7によって基台2上をX方向に移動可能に設けられたもので、上流側の搬送装置(図示せず)から搬送される記録媒体Pを、例えば真空吸着機構によってXY平面上に保持するものである。このステージ6は、紫外線を透過する材料により形成されている。例えば、ステージ6の形成材料としては、紫外線による劣化がなく、紫外線透過率の高い石英等を用いることができる。
また、図示はしないが、ステージ6を挟んで液滴吐出ヘッド9が配置された側と反対の側には、紫外線照射部40(図4参照)が移動可能に配置されている。また、ステージ6と紫外線照射部40との間には、遮光部41(図4参照)が移動可能に配置されている。なお、紫外線照射部40及び遮光部41については後述する。
ステージ移動装置7は、ボールネジまたはリニアガイド等の軸受け機構を備えたもので、制御部8から入力される、ステージ6のX座標を示すステージ位置制御信号に基づいて、ステージ6をX方向に移動させるよう構成されたものである。
キャリッジ4は、キャリッジ移動装置5に移動可能に取り付けられた矩形板状のもので、その底面側に複数の液滴吐出ヘッド9を、Y方向に沿って配列させた状態で保持したものである(図2参照)。これら複数の液滴吐出ヘッド9(9Y,9C,9M,9K)は、後述するように複数のノズル17を備えたもので、制御部8から入力される描画データや駆動制御信号に基づいて、紫外線硬化型インクの液滴を吐出するものである。また、これら複数の液滴吐出ヘッド9(9Y,9C,9M,9K)は、Y(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)、K(黒)に対応した紫外線硬化型インクをそれぞれ吐出するもので、それぞれの液滴吐出ヘッド9には、図1に示すようにキャリッジ4を介してチューブ(配管)10が連結されている。
そして、Y(イエロー)に対応する液滴吐出ヘッド9Yには、チューブ10を介してY(イエロー)用の紫外線硬化型インクを充填・貯蔵した第1タンク(インク貯留室)11Yが接続されており、これによって液滴吐出ヘッド9Yには、この第1タンク11YからY(イエロー)用の紫外線硬化型インクが供給されるようになっている。同様に、C(シアン)に対応する液滴吐出ヘッド9CにはC(シアン)用の紫外線硬化型インクを充填した第2タンク11Cが接続され、M(マゼンタ)に対応する液滴吐出ヘッド9MにはM(マゼンタ)用の紫外線硬化型インクを充填した第3タンク11Mが接続され、K(黒)に対応する液滴吐出ヘッド9KにはK(黒)用の紫外線硬化型インクを充填した第4タンク11Kが接続されている。このような構成によって液滴吐出ヘッド9Cには、第2タンク11CからC(シアン)用の紫外線硬化型インクが供給されるようになっており、液滴吐出ヘッド9Mには、第3タンク11MからM(マゼンタ)用の紫外線硬化型インクが供給されるようになっており、液滴吐出ヘッド9Kには、第4タンク11KからK(黒)用の紫外線硬化型インクが供給されるようになっている。
ここで、紫外線硬化型インクは、例えば紫外線硬化型のインクなど、所定波長の光を受けて硬化するタイプのもので、モノマーと光重合開始剤と各色に対応する顔料とを含有し、さらに必要に応じて、界面活性剤や熱ラジカル重合禁止剤などの各種添加剤が配合されたものである。なお、このような紫外線硬化型インクは、通常はその成分(配合)等によって吸収する光(紫外線)の波長域等が異なることから、硬化する波長の最適値、すなわち最適硬化波長も、インク毎に異なっている。
例えば、紫外線硬化型インクは、ビヒクル、光重合開始剤および顔料の混合物に、消泡剤、重合禁止剤等の補助剤を添加して調合される。ビヒクルは、光重合硬化性を有するオリゴマー、モノマー等を、反応性希釈剤により粘度調整して調合される。したがって、インクを硬化させる目的で溶媒を揮発させることはない。
ビヒクルとしては、単官能あるいは多官能の重合性化合物が使用できる。より具体的には、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート等のオリゴマー(プレポリマー)を例示でき、インクとしての粘度を調整する反応性希釈剤もこれらの材料を用いることができる。
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、アセトフェノン系、チオキサントン系が広く用いられる。より具体的には、4−benzoyl−N,N,N−trimethyl benzene methaneannmonium chloride、2−hydroxy 3−(4−benzoyl−phenoxy)−N,N,N−trimethyl 1−propane annmonium chloride、4−benzoyl−N,N−dimethyl N−[2−(1−oxo−2−propenyloxy) ethyl] benzene methammonium bromide等、第4級アンモニウム塩型の水溶性有機物等を用いることができる。この種の光重合開始剤は、その組成に応じて、紫外線吸収特性、反応開始効率、黄変性等が異なるので、インクとしての色等に応じて使い分けられる。
重合禁止剤としては、ラジカル捕捉能力を有してラジカル重合を阻害する化合物であれば何れも使用できる。ただし、液滴吐出装置1における吐出適性等を配慮すると、ハイドロキノン類、カテコール類、ヒンダードアミン類、フェノール類、フェノチアジン類、縮合芳香族環のキノン類から選択された少なくとも1種類以上の化合物が好ましい。
ハイドロキノン類としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、1−o−2,3,5−トリメチルハイドロキノン、2−tert−ブチルハイドロキノン等を例示できる。カテコール類としては、カテコール、4−メチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール等を例示できる。ヒンダードアミン類としては、テトラメチルピペリジニル基を有する化合物等を例示できる。
また、フェノール類としては、フェノール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ピロガロール、没食子酸、没食子酸アルキルエステル等を例示できる。フェノチアジン類としては、フェノチアジン等を例示できる。前記縮合芳香族環のキノン類としては、ナフトキノン等を例示できる。
更に、重合禁止剤は、カーボンブラックまたは表面に重合防止官能基を導入した無機・有機微粒子であってもよい。重合防止官能基としては、例えば、ヒドロキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、テトラメチルピペリジニル基、縮合芳香族環等を例示できる。
ここで、図3及び図4を参照して液滴吐出ヘッド9の構成について説明する。図3は、液滴吐出ヘッド9のノズル形成面21Aにおけるノズル17の配列状態を示す図である。図4は、液滴吐出ヘッド9の内部構成を示す部分断面図である。なお、図3において、符号Sはノズル形成領域である。
図3に示すように、ノズル17はノズル形成面21Aにおいて記録媒体Pの搬送方向(X方向)に沿って複数設けられ、ノズル列16を形成している。このノズル列16は、液滴吐出ヘッド9の走査方向(Y方向)に沿って計5列設けられている。なお、液滴吐出ヘッド9に設けるノズル数及びノズル列数は任意に変更可能である。また、液滴吐出ヘッド9どうしをノズル17間のピッチの半分だけ左右方向にずらして配置してもよい。これにより、記録媒体Pに対して印字する解像度を向上させることができる。
ノズル形成面21には、液滴吐出ヘッド9の側端部から所定の間隔を空けて、複数のノズル17が形成されたノズル形成領域Sが設けられている。このノズル形成領域SのX方向の距離は、例えば30mm程度になっている。また、ノズル形成領域Sの外周部(ノズル形成領域Sのうち最外部に配置されたノズル17)と液滴吐出ヘッド9の側端部との間の距離は、例えば5mm程度になっている。
図4に示すように、液滴吐出ヘッド9は、ヘッド本体18と、ヘッド本体18に接続された流路形成ユニット22とを備える。流路形成ユニット22は、振動板19と、流路基板20と、ノズル基板21とを備えるとともに、共通インク室29と、インク供給口30と、圧力室31とを形成する。さらに、流路形成ユニット22は、ダイヤフラム部として機能する島部32と、共通インク室29内の圧力変動を吸収するコンプライアンス部33とを備える。ヘッド本体18には、固定部材26とともに駆動ユニット24を収容する収容空間23と、インクを流路形成ユニット22に案内する内部流路28とが形成される。
上記構成の液滴吐出ヘッド9によれば、ケーブル27を介して駆動ユニット24に駆動信号が入力されると、圧電素子25が伸縮する。これにより、振動板19が圧力室31に接近する方向(−Z方向)及び圧力室31から離れる方向(+Z方向)に変形(移動)する。このため、圧力室31の容積が変化し、インクを収容した圧力室31の圧力が変動する。この圧力の変動によって、ノズル17からインクが噴射される。
図1に戻り、キャリッジ4を移動させるキャリッジ移動装置5は、例えば基台2を跨ぐ橋梁構造をしたもので、Y方向及びXY平面に直交するZ方向に対して、ボールネジまたはリニアガイド等の軸受け機構を備えたものである。このような構成のもとにキャリッジ移動装置5は、制御部8から入力される、キャリッジ4のY座標及びZ座標を示すキャリッジ位置制御信号に基づいて、キャリッジ4をY方向に移動させるとともに、Z方向にも移動させるようになっている。
制御部8は、ステージ移動装置7にステージ位置制御信号を出力し、キャリッジ移動装置5にキャリッジ位置制御信号を出力し、さらには液滴吐出ヘッド9の駆動回路基板(図示せず)に描画データ及び駆動制御信号を出力するものである。これによって制御部8は、記録媒体Pとキャリッジ4とを相対移動させるべく、ステージ6の移動による記録媒体Pの位置決め動作、及びキャリッジ4の移動による液滴吐出ヘッド9の位置決め動作の同期制御を行い、さらに液滴吐出ヘッド9に液滴吐出動作を行わせることにより、記録媒体P上の所定の位置に紫外線硬化型インクの液滴を配するようになっている。また、この制御部8は、液滴吐出ヘッド9に液滴吐出動作を行わせるのとは別に、紫外線照射部40に光照射動作を行わせるようになっている。そして、この制御部8は、紫外線照射部40の移動制御及び遮光部41の移動制御を行わせるようにもなっている。
ところで、従来の液滴吐出装置においては、カバー部材の内面であって紫外線光源から照射される紫外線を液滴吐出ヘッドに対して反射させる面の紫外線反射率がその他の面の紫外線反射率よりも低くする構成となっているものの、紫外線光源から照射された光の一部がカバー部材の内面や記録媒体の表面で少なからず反射されるため、液滴吐出ヘッドのノズル形成面に到達する紫外線を抑制するにも限界があった。このように、ノズル形成面に紫外線が照射されると、ノズル形成面に付着しているインクやノズル内のインクが増粘し、さらにはインクが硬化する等してしまい、インクの吐出不良が生じることがあった。
また、液滴吐出ヘッドに近接した位置から記録媒体の表面に向けて紫外線が照射されるため、紫外線照射装置自体を移動させた後に紫外線を照射するといった動作が必要であった。このため、紫外線硬化型インクが透光性記録媒体に着弾してから紫外線を照射するまでに時間差が生じることとなり、インクの硬化を迅速に開始させることが困難であった。
一方、活性光線照射手段が液滴吐出ヘッドが配置された側と反対の側に配置されている構成もあるものの、活性光線照射手段からの活性光線が液滴吐出ヘッドのノズル形成面に到達し、上述したようなインクの吐出不良が生じるおそれがあった。
そこで、本発明に係る液滴吐出装置1では、紫外線照射部40をステージ6を挟んで液滴吐出ヘッド9が配置された側と反対の側に移動可能に配置し、紫外線照射部40からの紫外線が少なくとも液滴吐出ヘッド9のノズル形成領域Sに照射されないように紫外線照射部40からの紫外線を遮断する遮光部41をステージ6と紫外線照射部40との間に移動可能に配置することによって、記録媒体Pに着弾したインクのドッド径が拡大することを抑え、にじみや色混じりが生じる等の画質の低下を抑制しつつ、ノズル形成領域Sに紫外線が照射されることを抑え、インクの増粘や硬化を抑制してインクを安定して吐出させることで、所望の印刷品質を得ることが可能にしている。以下、図5を用いて液滴吐出装置1における液滴吐出ヘッド9、記録媒体P、ステージ6、遮光部41及び紫外線照射部40の配置構成について説明する。
図5は、液滴吐出装置1の要部を示す模式図である。なお、図5においては、便宜上、キャリッジ4、チューブ10、タンク11Y〜11K及び制御部8などの図示を省略している。
図5に示すように、液滴吐出装置1は、走査型の液滴吐出ヘッド9と、紫外線を透過する材料により形成された、記録媒体Pを載置するステージ6と、ステージ6を挟んで液滴吐出ヘッド9が配置された側と反対の側に移動可能に配置された、液滴吐出ヘッド9により吐出されて記録媒体Pに着弾した紫外線硬化型インク50に対して紫外線を照射して硬化させる紫外線照射部40と、ステージ6と紫外線照射部40との間に移動可能に配置されて、紫外線照射部40からの紫外線が少なくとも液滴吐出ヘッドのノズル形成領域に照射されないように紫外線照射部40からの紫外線を遮断する遮光部41と、を備えている。
紫外線照射部40は、記録媒体Pに吐出された紫外線硬化型インク50を硬化させるためのもので、本実施形態では水銀灯ランプからなっている。この紫外線照射部40は、紫外線を記録媒体Pの配置された側に向けて放射状に出射させるように構成されている。例えば、紫外線照射部40はリフレクター(図示略)を備えて構成されている。ただし、本発明では、水銀灯ランプに限定されることなく、これ以外にも例えばメタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ等を紫外線照射部として用いることができる。また、紫外線照射部としては、LEDやレーザーダイオード(LD)を用いることも可能である。
本実施形態では紫外線照射部40が水銀灯ランプからなっているため、紫外線照射部がLEDである場合に比べて電源のON、OFFが難しい。このため、紫外線照射部40が水銀灯ランプである場合には、電源をONにした状態で、紫外線照射部40から出射される紫外線が記録媒体Pに着弾したインクに照射されるタイミングを制御できることが望ましい。本実施形態では、制御部8からの制御信号により、紫外線照射部40及び遮光部41が移動可能になっている。これにより、紫外線照射部40の電源をONにしたまま紫外線の照射タイミングを切換できるようになっている。
遮光部41は、紫外線照射部40から出射した紫外線を選択的に透過させる透過部41aを有している。遮光部41は、例えば板状になっており、そのサイズは紫外線照射部40から出射される紫外線の記録媒体P裏面に対する投影面積よりも大きくなっている。透過部41aは、例えば、開口部または紫外線を透過する材料(紫外線による劣化がなく、紫外線透過率の高い石英等)により形成された窓である。
このため、制御部8(図1参照)による遮光部41の移動制御により、記録媒体Pの画像形成領域に対応する位置に選択的に紫外線を照射することが容易になる。例えば、画像の高精細化を図りたい領域については透過部41aを位置させることでインクが記録媒体Pに着弾した直後から紫外線を照射することができるし、その一方で、単色でベタ塗りをしたい領域(単色に均一に塗膜を形成したい領域)については非透過部(透過部41aの形成されていない部分、つまり遮光部41本体)を位置させることで紫外線の照射を遅らせることもできる。このように、透過部41aを移動制御することで、インクが記録媒体Pに着弾してから紫外線を照射するまでの時間を自由に設定することができる。
また、遮光部41は、紫外線照射部40から出射した紫外線を液滴吐出ヘッド9全体に照射させないようになっている。具体的には、制御部8による遮光部41の移動制御により、紫外線照射部40から出射されて透過部41aを透過した紫外線は、少なくとも液滴吐出ヘッド9には当たらないようになっている。
これにより、紫外線の熱による影響で液滴吐出ヘッド9が加熱されることを抑制することができる。このため、記録媒体Pが加熱された液滴吐出ヘッド9の熱の影響を受けて熱膨張することが抑えられ、記録媒体Pに着弾したインクが歪んだりする等、印刷品質が低下することを抑制できる。また、紫外線照射部40からの紫外線が少なくとも液滴吐出ヘッド9のノズル形成領域Sに照射されないように遮断する遮光部41を移動制御するに当たり、安全率を見込んで行うことが可能となる。
制御部8(図1参照)は、紫外線照射部40からの紫外線を液滴吐出ヘッド9が走査移動した直後の位置に照射させるように、液滴吐出ヘッド9と紫外線照射部40と遮光部41との移動の制御を行う。例えば、制御部8は、液滴吐出ヘッド9と紫外線照射部40と遮光部41とを互いに同期させて移動制御を行う。具体的には、制御部8からの制御信号により、液滴吐出ヘッド9が+Y方向に沿って走査移動する場合、紫外線照射部40及び遮光部41は液滴吐出ヘッド9の走査移動に従って+Y方向に沿って移動するようになっている。すると、紫外線照射部40から出射されて透過部41aを透過した紫外線は、液滴吐出ヘッド9から吐出されて記録媒体Pに着弾した直後のインクに照射される。
これにより、紫外線硬化型インクが記録媒体Pに着弾してから紫外線が照射されるまでの間の時間を短縮することができる。
また、紫外線照射部40は、液滴吐出ヘッド9の走査移動に同期して移動するように構成されている。具体的には、制御部8からの制御信号により、液滴吐出ヘッド9が走査移動する場合、紫外線照射部40は液滴吐出ヘッド9の走査移動に従って移動するようになっている。
これにより、例えば、紫外線照射部40を複数設けることなく1つだけ設けることによっても記録媒体Pに着弾した紫外線硬化型インクに対して紫外線を照射して硬化させることができる。このため、紫外線照射部40の配置数を少なくできる。また、紫外線照射部40の構成を簡易なものとすることができる。
ここで、紫外線照射部40を1つだけ設けた場合を考える。紫外線照射部40から照射される紫外線は、液滴吐出ヘッド9から吐出される紫外線硬化型インクの最適硬化波長に対応した波長に設定される。ところで、前述したように各紫外線硬化型インクは、その成分(配合)等によって最適硬化波長が異なっている。このため、各液滴吐出ヘッド9(9Y,9C,9M,9K)からそれぞれ異なる色の紫外線硬化型インクが吐出される場合、紫外線照射部40から照射される紫外線の波長がある色(例えばイエロー(Y))の紫外線硬化型インクの最適硬化波長に設定されると、その他の色(例えばC(シアン)、M(マゼンタ)、K(黒))の紫外線硬化型インクの最適硬化波長とずれることとなる。つまり、紫外線硬化型インクの色毎に紫外線が照射されてから硬化するまでの時間のバラツキが生じることとなる。
また、各液滴吐出ヘッド9(9Y,9C,9M,9K)からそれぞれ異なる色の紫外線硬化型インクが吐出される場合、図2に示すように、各液滴吐出ヘッド9(9Y,9C,9M,9K)は、キャリッジ4の走査方向(Y方向)に沿って計4つ設けられている。つまり、各色のインクに対応した各液滴吐出ヘッド9(9Y,9C,9M,9K)は、Y方向に所定の間隔だけ離間して配置されており、それぞれキャリッジ4の側端部(+Y方向側の端部)からの距離が異なっている。このため、各液滴吐出ヘッド9(9Y,9C,9M,9K)から吐出される各色のインク毎に紫外線が照射されてから硬化するまでの時間のバラツキが生じることとなる。
しかしながら、本実施形態の液滴吐出装置1によれば、制御部8からの制御信号により、液滴吐出ヘッド9の走査制御と紫外線照射部40の移動制御と遮光部41の移動制御が行われるので、各液滴吐出ヘッド9(9Y,9C,9M,9K)から吐出される各色のインク毎に硬化時間のバラツキが生じることを解消することができる。つまり、複数の液滴吐出ヘッド9(9Y,9C,9M,9K)からそれぞれ異なる色の紫外線硬化型インクを吐出する場合であっても、各紫外線硬化型インクの最適硬化波長を有した光を照射するように複数の紫外線照射部を設ける必要がない。
また、遮光部41は、ステージ6に接して配置されている。具体的には、遮光部41の上面(+Z方向側の面)及びステージ6の下面(−Z方向側の面)は平滑面になっており、遮光部41はステージ6に接した状態であってもスムーズに移動可能になっている。
これにより、遮光部41がステージ6に離間して配置される場合に比べて、遮光部41と液滴吐出ヘッド9との間の距離が短くなる。このため、紫外線照射部40からの紫外線を記録媒体Pに着弾した紫外線硬化型インク50に照射する際の照射精度を向上できる。また、紫外線照射部40からの紫外線が記録媒体Pに着弾した紫外線硬化型インク50に照射されるまでの間にステージ6と遮光部41との間に入り込み、空気等の媒体の影響で紫外線の進行方向が曲がることが抑制される。すなわち、遮光部41がステージ6から離間して配置される場合に比べて、ノズル形成領域Sに紫外線が照射されることを抑えることができる。
このように、本実施形態では、インクが記録媒体に着弾してから紫外線を照射するまでの時間を短縮するための手段として特許文献1のように紫外線光源を覆うカバー部材を備える紫外線照射装置を液滴吐出ヘッドに近接して設ける構成とはなっていない。このため、紫外線光源から照射された光の一部がカバー部材の内面や記録媒体の表面で反射されることがない。また、紫外線照射装置自体を移動させた後に紫外線を照射するといった動作が不要となる。したがって、液滴吐出ヘッド9のノズル形成領域Sに紫外線が到達することを抑制するとともに、記録媒体Pに着弾したインクを迅速に硬化させることができる。
本実施形態の液滴吐出装置1によれば、紫外線照射部40がステージ6を挟んで液滴吐出ヘッド9が配置された側と反対の側に移動可能に配置されている。また、紫外線照射部40からの紫外線が少なくとも液滴吐出ヘッド9のノズル形成領域Sに照射されないように遮断する遮光部41がステージ6と紫外線照射部40との間に移動可能に配置されている。このため、紫外線照射部40からの紫外線のうち液滴吐出ヘッド9のノズル形成領域Sに向かう紫外線は遮光部41によって遮断される。したがって、確実にインクの増粘や硬化を抑制することができる。また、記録媒体Pの裏面から紫外線が照射されるため、紫外線照射部40自体を移動させた後に紫外線を照射する等の動作に起因して、紫外線硬化型インクが記録媒体Pに着弾してから紫外線を照射するまでに時間差が生じることを抑えることができる。つまり、紫外線硬化型インクが記録媒体Pに着弾した直後から紫外線を照射することができ、インクの硬化を迅速に開始させることができる。したがって、記録媒体Pに着弾したインクのドッド径が拡大することを抑え、にじみや色混じりが生じる等の画質の低下を抑制しつつ、ノズル形成領域Sに紫外線が照射されることを抑え、インクの増粘や硬化を抑制してインクを安定して吐出させることで、所望の印刷品質を得ることが可能となる。
この構成によれば、遮光部41が紫外線を選択的に透過させる透過部41aを有するので、記録媒体Pの画像形成領域に対応する位置に選択的に紫外線を照射することが容易になる。このため、画像の高精細化を図りたい領域については透過部41aを位置させることで紫外線硬化型インクが記録媒体Pに着弾した直後から紫外線を照射することができる。その一方で、単色でベタ塗りをしたい領域については非透過部(透過部41aの形成されていない部分、つまり遮光部41本体)を位置させることで紫外線の照射を遅らせることもできる。つまり、透過部41aを移動制御することで、紫外線硬化型インクが記録媒体Pに着弾してから紫外線を照射するまでの時間を自由に設定することができる。したがって、記録媒体Pに形成される画像の種類に応じて、紫外線硬化型インクの硬化開始時間を調整することができ、所望の印刷品質を容易に得ることが可能となる。
この構成によれば、液滴吐出ヘッド9全体に紫外線が当たらないようになっているので、紫外線の熱による影響で液滴吐出ヘッド9が加熱されることを抑制することができる。これにより、記録媒体Pが加熱された液滴吐出ヘッド9の熱の影響を受けて熱膨張することが抑えられ、記録媒体Pに着弾した紫外線硬化型インクが歪んだりする等、印刷品質が低下することを抑制できる。また、紫外線照射部40からの紫外線が少なくとも液滴吐出ヘッド9のノズル形成領域Sに照射されないように遮断する遮光部41を移動制御するに当たり、安全率を見込んで行うことが可能となる。
この構成によれば、液滴吐出ヘッド9の走査制御と紫外線照射部40の移動制御と遮光部41との移動の制御が行われるので、紫外線硬化型インクが記録媒体Pに着弾してから紫外線が照射されるまでの間の時間を短縮することができる。したがって、紫外線硬化型インクが記録媒体Pに着弾した直後から紫外線を照射することができ、インクの硬化を迅速に開始させることができる。
この構成によれば、紫外線照射部40が液滴吐出ヘッド9の走査移動に同期して移動するように構成されるので、例えば、紫外線照射部40を複数設けることなく1つだけ設けることによっても記録媒体Pに着弾した紫外線硬化型インクに対して紫外線を照射して硬化させることができる。このため、紫外線照射部40の配置数を少なくできるので、紫外線照射部40の移動制御を容易に行うことができる。また、紫外線照射部40の構成が簡易なものとなり、装置の低コスト化を図ることができる。
この構成によれば、遮光部41がステージ6に接して配置されるので、遮光部41がステージ6に離間して配置される場合に比べて、遮光部41と液滴吐出ヘッド9との間の距離が短くなる。このため、紫外線照射部40からの紫外線を記録媒体Pに着弾した紫外線硬化型インクに照射する際の照射精度を向上できる。また、紫外線照射部40からの紫外線が記録媒体Pに着弾した紫外線硬化型インクに照射されるまでの間にステージ6と遮光部41との間に入り込み、空気等の媒体の影響で紫外線の進行方向が曲がることが抑制される。すなわち、遮光部41がステージ6から離間して配置される場合に比べて、ノズル形成領域Sに紫外線が照射されることが抑えられ、インクの増粘や硬化を抑制してインクを安定して吐出させることが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る液滴吐出装置1Aの構成について、図6を用いて説明する。図6は、図5に対応した、本実施形態に係る液滴吐出装置1Aの要部を示す模式図である。なお、図6においては、便宜上、キャリッジ4、チューブ10、タンク11Y〜11K及び制御部8などの図示を省略している。図6に示すように、本実施形態の液滴吐出装置1Aは、遮光部42が液滴吐出ヘッド9のみを覆い隠す構成になっている点で、上述の第1実施形態で説明した液滴吐出装置1と異なる。図6において、図5と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態の液滴吐出装置1Aは、液滴吐出ヘッド9と、ステージ6と、紫外線照射部40と、ステージ6と紫外線照射部40との間に移動可能に配置されて、紫外線照射部40からの紫外線が少なくとも液滴吐出ヘッド9のノズル形成領域Sに照射されないように遮断する遮光部42と、を備えている。
遮光部42は、液滴吐出ヘッド9のみを選択的に覆い隠すようになっている。具体的には、遮光部42は、紫外線照射部40から出射した紫外線が少なくとも液滴吐出ヘッド9に当たらないようなサイズに設定されている。遮光部42は、例えば板状になっており、そのサイズは紫外線照射部40から出射される紫外線の記録媒体P裏面に対する投影面積よりも小さくなっている。なお、本実施形態では、遮光部42のサイズは、液滴吐出ヘッド9のサイズよりも小さくなっている。
本実施形態の液滴吐出装置1Aによれば、遮光部42のサイズを小さくできるので、遮光部42の移動制御を容易に行うことができる。また、遮光部42の構成が簡易なものとなり、装置の低コスト化を図ることができる。また、記録媒体Pの画像形成領域を単色でベタ塗りをしたい場合において有効な構成となる。
なお、上記実施形態においては、液滴吐出ヘッド9が配置された側に、紫外線照射部40から出射されて記録媒体Pを透過した後の紫外線を吸収する紫外線吸収部が設けられていてもよい。これにより、記録媒体Pを透過した後の紫外線が図示しない装置や壁等に当たって反射して液滴吐出ヘッド9のノズル形成領域に到達することを抑制することができる。
なお、上記第1実施形態では、遮光部41に1つの透過部41aが設けられている場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。以下、上記第1実施形態とは異なる形態の遮光部を有する液滴吐出装置について、図7を用いて説明する。
(変形例1)
図7は、図5に対応した、上記第1実施形態とは異なる形態の液滴吐出装置1Bの要部を示す模式図である。なお、図7においては、便宜上、キャリッジ4、チューブ10、タンク11Y〜11K及び制御部8などの図示を省略している。図7に示すように、本変形例の液滴吐出装置1Bは、遮光部141に複数の透過部141a,141bが設けられている点で、上述の第1実施形態で説明した液滴吐出装置1と異なる。図7において、図5と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本変形例の液滴吐出装置1Bは、液滴吐出ヘッド9と、ステージ6と、紫外線照射部40と、ステージ6と紫外線照射部40との間に移動可能に配置されて、紫外線照射部40からの紫外線が少なくとも液滴吐出ヘッドのノズル形成領域に照射されないように遮断する遮光部142と、を備えている。
遮光部142は、紫外線照射部40から出射した紫外線を選択的に透過させる透過部141a,141bを有している。遮光部141は、例えば板状になっており、そのサイズは紫外線照射部40から出射される紫外線の記録媒体P裏面に対する投影面積よりも大きくなっている。透過部141a,141bは、例えば、開口部または紫外線を透過する材料(紫外線による劣化がなく、紫外線透過率の高い石英等)により形成された窓である。
第2の透過部141bは、第1の透過部141aに比べて大きくなっている。このため紫外線照射部40から出射した紫外線が第2の透過部141bを透過する光量は、第1の透過部141aを透過する光量に比べて多くなる。例えば、記録媒体Pの画像形成領域のうち単色でベタ塗りをしたい領域については透過光量が相対的に多い第2の透過部141bを対応させ、画像の高精細化を図りたい領域については透過光量が相対的に少ない第1の透過部141aを対応させることができる。
本変形例の液滴吐出装置1Bによれば、画像の高精細化を図りたい領域に着弾したインクと、ベタ塗りをしたい領域に着弾したインクに対して同時に紫外線を照射させることができる。
1,1A,1B…液滴吐出装置、6…ステージ、8…制御部、9,9Y,9M,9C,9K…液滴吐出ヘッド、40…紫外線照射部、41,42,141…遮光部、41a,141a,141b…透過部、P…記録媒体(透光性記録媒体)

Claims (7)

  1. ノズルから紫外線硬化型インクを透光性記録媒体に向けて吐出する走査型の液滴吐出ヘッドと、
    紫外線を透過する材料により形成された、前記透光性記録媒体を載置するステージと、
    前記ステージを挟んで前記液滴吐出ヘッドが配置された側と反対の側に移動可能に配置された、前記液滴吐出ヘッドにより吐出されて前記透光性記録媒体に着弾した紫外線硬化型インクに対して紫外線を照射して硬化させる紫外線照射部と、
    前記ステージと前記紫外線照射部との間に移動可能に配置されて、前記紫外線照射部からの紫外線が少なくとも前記液滴吐出ヘッドのノズル形成領域に照射されないように前記紫外線照射部からの紫外線を遮断する遮光部と、
    を備えることを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記遮光部は、前記紫外線照射部から出射した紫外線を選択的に透過させる透過部を有することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記遮光部は、前記紫外線照射部からの紫外線を前記液滴吐出ヘッド全体に照射させないようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記紫外線照射部からの紫外線を前記液滴吐出ヘッドが走査移動した直後の位置に照射させるように、前記液滴吐出ヘッドと前記紫外線照射部と前記遮光部との移動の制御を行う制御部を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液滴吐出装置。
  5. 前記遮光部は、前記液滴吐出ヘッドのみを選択的に覆い隠すことを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
  6. 前記紫外線照射部は、前記液滴吐出ヘッドの走査移動に同期して移動するように構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液滴吐出装置。
  7. 前記遮光部は、前記ステージに接して配置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液滴吐出装置。


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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101549563B1 (ko) * 2012-10-30 2015-09-03 가부시키가이샤 미마키 엔지니어링 잉크젯 프린터, 피인쇄체 보유부재, 및 인쇄방법
JP2017087445A (ja) * 2015-11-02 2017-05-25 株式会社リコー 画像形成装置及び画像形成方法
US10392525B2 (en) 2016-02-10 2019-08-27 Fujifilm Corporation Ink jet recording method

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