JP2011235555A - 画像検査方法、画像検査装置および画像記録装置 - Google Patents

画像検査方法、画像検査装置および画像記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で画像記録の品質を確認するための画像検査装置、その検査機能を備えた画像記録装置及びその制御方法を提供することを課題とする。
【解決手段】記録媒体1に画像記録された画像を画像取得部7によって取得する。記録不良検査部8は、画像取得部7によって取得された画像を記録部6のノズルの配列方向に平行な方向である主走査方向に周辺画素より輝度値が高い画素を抽出し、この結果に基づいて画像の記録不良の有無を検出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、記録媒体にインクを定着させて画像を記録する画像記録技術に関し、特に記録媒体に対する記録処理において発生した記録不良を検出する機能を備えた画像記録装置およびその制御方法に関する。
プリンタ、コピー機、FAX等の画像記録装置の記録方式としてインクジェット方式が知られている。
このインクジェット方式の画像記録装置では、画像記録を行う紙やフィルム等の記録媒体を記録ヘッドが備える複数のノズルに対向配置させ、ノズルからインクを記録媒体へ吐出することで、文字や画像を記録する。
インクジェット方式画像記録装置としては、記録ヘッドを記録媒体の幅方向に走査移動しつつインクを吐出する走査型記録ヘッドを搭載する走査型画像記録装置と、記録媒体の幅以上のノズル列長(画像記録幅)を有する固定されたライン型記録ヘッドを搭載し、搬送されてノズルの前方を通過する記録媒体に画像を記録するライン型の画像記録装置が知られている。
ライン型の画像記録装置は、記録速度が速く、また各ページを形成する1枚の記録媒体毎に内容の異なる画像を記録することが可能である。
このような高速度の画像記録を行う画像記録装置では、画像記録装置に接続された上位装置から送られてくる画像情報と記録媒体に実際に記録された画像が一致しているかどうかの検証を、人間の目視により行うことはたいへん困難である。特に記録直後の画像をリアルタイムで検証することは不可能である。
また、ライン型の画像記録装置では、インクを吐出するノズルが詰まることで記録画像に白もしくは周囲よりも明るい色の筋が搬送方向に現われる記録不良がある程度の頻度で発生する。そして、高速度の画像記録ができるゆえにこのような記録不良が生じた画像記録を大量に行ってしまうことがある。
そこでこのような画像記録装置では、記録された画像をスキャナ等で電子的に読み取り、記録不良を検出する技術が用いられている。
例えば特許文献1に開示のある装置では、印字ヘッドの全印字素子領域に対応したヘッド検査用パターンを印字ヘッドの全印字素子に渡って印字し、これを読み取った結果から画素の欠落位置を検出している。
また、特許文献2に開示のある装置では、インクジェット方式のヘッドからインクを吐出して記録紙に記録した画像をラインセンサによって読み取る。そしてラインセンサの複数の受光素子から得られる複数の読取画素データを記録紙搬送方向に一定の幅で積分した積分データと、本来記録されるべき画像から期待される期待読取データの積分値を比較して不適切ノズルを特定する。またこのとき、各画素とその近隣画素から得られる複数のデータ値から不適切ノズルの位置と状態を特定する。
特開2001−277677号公報 特開2005−67191号公報
しかしながら、特許文献1の装置では、画素の欠落を検出するのに特定の検査用パターンを記録しておこなう。そのため、通常の画像記録処理中には検査を行うことは出来ず、通常の画像記録処理とは異なる検査処理工程を別に設ける必要がある。また、所定の頻度で検査を自動的に行うように構成した場合でも、検査頻度を上げると画像記録処理のスループットが悪くなると共に多くの記録媒体が無駄となる。またこの場合、逆に検査頻度を下げると、画像記録処理途中で記録不良が発生した場合、大量の不良記録がなされた記録媒体が発生してしまう。
また、特許文献2の装置では、本来記録されるべき画像から期待される期待読取データとの比較を行うには、読取画素データと期待読取りデータとの位置やサイズの照合を厳密に行う必要がある。そして正確な検査を行うためには、記録媒体の伸縮や記録媒体が僅かに斜めに搬送された場合でも読取画素データと期待読み取りデータとの位置を正確に合わせるためのリアルタイムの幾何補正が必要であり、高度な構成が要求される。さらには、通常の画素データは8ビット等の多値のデータであるので、このような画素データを副走査方向に積算するためには、多数ビットのカウンタを主走査方向の画素の数分用意する必要があり、検査装置は大規模で高い処理能力が要求されるものとなってしまう。
そこで本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で画像記録の品質を確認するための画像検査装置、その検査機能を備えた画像記録装置及びその制御方法を提供することを課題とする。
本画像記録装置は、ジョブ情報に基づいて記録媒体に画像記録を行う画像記録装置において、前記ジョブ情報に基づいて、配列されている複数のノズルからインクを吐出して前記記録媒体に画像を記録する記録部と、前記記録部が記録した前記画像を取得して、各画素の輝度値を求める画像取得部と、前記画像取得部が求めた各画素の輝度値に対して、前記ノズルの配列方向に平行な方向である主走査方向に周辺画素より輝度値が高い画素を抽出する第2の二値化処理の結果に基づいて前記画像の記録不良の有無を検出する記録不良検査部と、を備えることを特徴とする。
本画像検査装置は、記録媒体にノズルからインクを吐出して画像を記録する画像記録装置で用いられる画像検査装置であって、前記画像を光学的に読み込んで求めた画素の輝度値に対して、前記ノズルの配列方向に平行な方向である主走査方向に周辺画素より輝度値が高い画素を抽出する第2の二値化処理部と、前記第2の二値化処理部による二値化の結果に基づいて前記画像の記録不良の有無を検出する記録不良検査部と、を備えることを特徴とする。
本画像記録装置の制御方法は、ジョブ情報に基づいて記録媒体に画像記録を行う画像記録装置の制御方法であって、前記ジョブ情報に基づいて、配列されている複数のノズルからインクを吐出して前記記録媒体に画像を記録し、前記画像を光学的に取得して、各画素の輝度値を求め、前記各画素の輝度値に対して、前記ノズルの配列方向に平行な方向である主走査方向に周辺画素より輝度値が高い画素を抽出する第2の二値化処理の結果に基づいて前記画像の記録不良の有無を検出することを特徴とする。
本発明によれば、ジョブ情報によって通知される画像情報と、記録媒体に画像記録された画像との比較を行うことなく記録不良の検査を行うことが出来る。したがって簡単な構成で実現できる。
また、検査に特定の検査用パターンを記録する必要がなく、通常の画像記録処理中にリアルタイムでの検査が可能である。そのため画像記録のスループットが低下することは無い。
さらには、ライン型画像記録装置に特有のノズル詰まりによる記録不良の特性に着目して検査を行い、二値化により処理するデータ量を減らすことで処理を簡略化した上に、高い検査能力が実現出来る。
本実施形態における画像記録装置の機能ブロック図である。 本実施形態における画像記録装置の媒体搬送機構部分を中心とした構成図である。 記録不良検査部による記録不良検査の処理を説明する図である。 記録不良の検出処理を説明する図である。 記録不良検査部の構成例の詳細を示すブロック図である。 第2の二値化部による第2の二値化処理の詳細を説明する図である。 C、M、Yの各色を重ねて画像記録処理を行ったプロセスブラックを用いた記録不良検出及び不良色の特定方法を説明する図である。 K色で画像記録処理したベタ画像を用いた記録不良検出及び不良色の特定方法を説明する図である。 本実施形態の画像記録装置で行われる記録不良検査方法の第1の処理動作を示すフローチャートである。 本実施形態の画像記録装置で行われる記録不良検査方法の第2の処理動作を示すフローチャートである。 本実施形態の画像記録装置で行われる記録不良検査方法の第3の処理動作を示すフローチャートである。 本実施形態の画像記録装置で行われる検出処理の例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
以下の説明では、本実施形態の画像記録装置として、記録媒体の幅以上のノズル列長(画像記録幅)を有する固定されたライン型記録ヘッドを搭載し、搬送されてノズルの前方を通過する記録媒体に画像を記録するライン型の画像記録装置を例として説明する。なお本実施形態の画像記録装置はライン型の画像記録装置に限定されるものではなく、インクジェット方式の画像記録装置であれば走査型等他の形式の画像記録装置であっても良い。
図1は、本実施形態における画像記録装置の機能ブロック図を示し、図2は媒体搬送機構部分を中心とした構成図を示す。なお以下の説明では、記録媒体1の搬送方向を副走査方向とし、副走査方向に対して直交する方向を主走査方向とする。
記録媒体1は、例えば紙やフィルムであり、所定のサイズでシート状に形成されている。
画像記録装置2には、上位装置3がLAN(Local Area Network)等を介して接続されている。この上位装置3は、画像記録装置2に対して画像や文字等の画像記録を指示するジョブ情報を送出する。
この上位装置3は、ジョブ情報として、画像記録装置2に対して記録処理を実施する指示を送信し、続いて記録処理する元となる画像情報を、例えばポストスクリプト(Post Script(登録商標))等のフォーマットで送信する。
画像記録装置2は、上位装置3から送られてくる画像情報を受信し、この画像情報に基づいて記録媒体1に対してインクを吐出して定着させる。これにより、記録媒体1上に画像の記録を行う記録処理を行い、この記録処理に続いて、記録処理の際に生じ得る記録不良を検査する記録不良検査処理を行う。
この画像記録装置2は、制御部4、媒体搬送機構5、記録部6、及び画像取得部7を少なくとも備えている。
制御部4は、例えば制御機能及び演算機能を有するMPU(Micro Processor Unit:演算処理装置)、制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、及びMPUのワークメモリとなるRAM(Random Access Memory)等からなる処理回路、及び画像記録装置2の制御に関する設定値等を記憶しておく不揮発性メモリを有する。
MPUは、所定の制御プログラムを実行することにより画像記録装置2の各構成要素の制御が可能となる。制御部4は、このMPUによって所定の制御プログラムを実行することにより記録不良の検査を行う記録不良検査部8や画像情報の処理を行う画像情報処理部9として機能する。また制御部4は、画像記録のためのデータ等を記憶する記憶部10を備えている。
記録不良検査部8は、画像記録装置2が記録媒体1に記録した画像に記録不良があるか否かを検出するものである。画像情報処理部9は、上位装置3から送られてくる画像情報に基づいて、画像記録のためのデータを記憶部10に展開するものである。インターフェイス部18は、上位装置3との接続のためのインターフェイスとなるものである。
RAMは、前述した記憶部10としても利用される。また、不揮発性メモリには、記録不良検査に用いるパラメータ等も記憶される。なお、記録不良検査部8及び画像情報処理部9は、MPUにより制御される処理回路(ハードウェア)として構成することも可能である。
制御部4は、上位装置3から送られてくるジョブ情報を受信し、所定の制御プログラムを実行することにより媒体搬送機構5、記録部6、及び画像取得部7をそれぞれ制御する。そして、記録媒体1上への画像の記録処理を行うと共に、この記録処理における記録不良を検査する記録不良検査処理を行う。
図1及び図2に示すように、媒体搬送機構5は、記録媒体1を搬送上流側から下流側に搬送する機能を有する。この媒体搬送機構5は、媒体給送部11、媒体支持部12、駆動部13、媒体搬送情報生成部14、ローラ15a、15b、15c、及び媒体回収部17を有している。媒体給送部11は、記録処理が行われる前の記録媒体1を保持し、制御部4の指示により、記録媒体1を媒体支持部12へ給送する。
図1及び図2の例では、この記録媒体1として、ロール状に巻かれた連続状の記録媒体を用いている。
媒体支持部12は、媒体支持部保持部材12a、及び動力伝達部材12bによってこの媒体支持部保持部材12aに連結されたモータ等の駆動部13を有している。この動力伝達部材12bとしては、例えばベルト等が用いられる。そして駆動部13を駆動することにより、媒体支持部保持部材12aを回転させ、記録媒体1を搬送する。
搬送方向の上流側と下流側に配置されたローラ15a、15b、及び15cは、記録媒体1が搬送経路上に所望の経路で搬送されるように設けられている。媒体搬送情報生成部14は、例えばロータリエンコーダからなり、媒体支持部保持部材12aに接続されている。この媒体搬送情報生成部14は、媒体支持部保持部材12aの回転量、すなわち記録媒体1の搬送量(移動量)に対応したパルス信号を生成して制御部4に通知する。
記録部6は、媒体支持部12に対峙して設けられている。この記録部6は、K(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の各色の記録ヘッド16−1〜16−4を配設する構成となっている。これら記録ヘッド16−1〜16−4は、記録媒体1の搬送経路の上流側からK、C、M、Yの順に副走査方向に略平行で、かつ各記録ヘッド16−1〜16−4毎の複数のノズルがそれぞれ主走査方向に対して平行に配列されるように配設されている。
なお、各記録ヘッド16−1〜16−4は、例えば300dpiの解像度を有する。この記録部6は、制御部4から通知される画像記録処理の実行指示を受けると、媒体搬送情報生成部14により生成されるパルス信号に同期した所定のタイミングで、記録媒体1上に記録処理を行う。
すなわち、記録部6は、各記録ヘッド16−1〜16−4に設けられた複数のノズルからそれぞれK、C、M、Yの各色のインクを吐出して、記録媒体1上に画像や文字等の記録処理を行う。
また記録部6は、記録ヘッド16−1〜16−4に対するメンテナンス処理を行うメンテナンス機構6aを備えている。記録不良検査部8は、画像記録の不良を検出すると、このメンテナンス機構6aに対して指示を行い、記録ヘッド16−1〜16−4が備えているノズルのインク詰りの除去等のメンテナンス処理を実行する。
画像取得部7は、ラインセンサカメラやコンタクトイメージセンサ等の1次元センサであり、その撮像解像度は例えば画像記録の解像度300dpiと同じである300dpiの解像度を有する。画像取得部7は、媒体支持部12に対峙し、記録媒体1の搬送方向に対し略直角に配置されている。さらに、画像取得部7は、記録部6よりも記録媒体1の搬送方向下流側に設けられている。画像取得部7は、記録部6による記録処理が行われた直後の記録媒体1の画像を取得して各画素の色毎の輝度値に変換し、制御部4の記録不良検査部8にそのデータを転送する。なお画像取得部7の撮像解像度は、ユーザ設定によって変更できるように構成しても良い。
報知部19は、記録不良検出部8によって、画像記録の不良が検出されたならば、表示や音声等によってユーザに報知を行うものである。
次に、本実施形態の画像記録装置2で行われる記録不良検出処理について説明する。
図3は記録不良検査部8による記録不良検査の処理を説明する図である。
図3(a)は、上位装置3からの画像情報によって本来記録されるべき画像を示し、本例では黒い円の画像を記録する場合について説明する。
図3(b)は、実際に記録媒体1に記録された画像を画像取得部7で読み込んだデータを示す。図3(b)では、本来画像記録されるはずの画像にノズル詰まりによる記録不良が発生したことに起因する白筋21が生じている。
図3(c)は、図3(b)のデータを記録不良検出部8内で第1の二値化処理を行った画像データを示す図である。この図3(c)では二値化により選択されTRUEとなった画素を黒、除外されFALSEとなった画素を白で示している。この第1の二値化処理では定められた閾値より輝度値の低い、すなわち濃度の高い部分を抽出することで空白部22を除外している。また図3(b)の白筋21部分は、記録媒体1に記録された実際の画像でのインクの滲みや画像取得部7の撮像系の光学的特性による劣化により完全な白とはならず、白と黒の中間の輝度値を示すのでこの第1の二値化処理によって除外されることはない。従って、図3(c)では、白筋21部分を除外することなく画像記録処理が行われた部分23が選択されている。
図3(d)は、図3(b)の画像データに対して第2の二値化処理を行った画像データを示す。この図3(d)でも、図3(c)と同様に第2の二値化処理によって選択されTRUEとなった画素を黒、除外されFALSEとなった画素を白で示している。
第2の二値化処理では、画像データの各画素を注目画素とし、この注目画素の輝度値を主走査方向の左右それぞれの所定の距離にある比較画素の輝度値と比較し、いずれの比較画素よりも輝度値が高い注目画素を選択している。
なお図3(d)では空白部22の画素において画像データは、撮像感度、ノイズ、記録媒体の不均一性等の影響により、全く均一な輝度値を有していないため、多数の不均一な画素が選択されている。同様の理由により図3(d)に示す第2の二値化処理によるデータは、画像記録がなされた部分23にも多数の不均一な画素が選択されている。なお画像記録がなされた部分23の輪郭部24では、所定の距離にある比較画素のうち左右の一方が明らかに注目画素よりも輝度値が低くなるため、不均一な点が選択されることはなく、白となる。また画像記録不良による白筋部分21は、常に所定の距離にある左右両方の比較画素よりも高い輝度値を示すため、第2の二値化処理で得られるデータには、白筋部分21に相当する全ての画素が選択され、黒となっている。
図3(e)は、図3(c)の第1の二値化処理によるデータと図3(d)の第2の二値化データの両方によって選択された画素で形成される画像データ、すなわち図3(c)と図3(d)の画像データを重ね合わせ、いずれも黒となっている部分を抽出した画像データである。
図3(e)では、空白部22が選択されず、画像記録がなされた部分23のみが選択されて、黒となっている。この不良検出部8では、画像取得部7が読み込んだ画像データから図3(e)のような画像データを生成する。そしてこの画像データに対して以下のような処理を行って記録不良の検出を行う。
次に図3(e)の画像データを用いた記録不良の検出処理を図4を用いて説明する。
図4(a)は、図3(e)の画像データで選択されて黒となっている画素数を副走査方向にカウントした値を主走査方向にプロットしたグラフである。すなわち図4(a)は、図3(c)の二値化データの黒部を縦方向にカウントしたグラフである。図4(a)は、画像記録されている部分23は主走査方向に何画素あるかを示している。
また図4(b)は図3(e)の画像データの黒部を主走査方向にカウントした値をプロットしたグラフである。図4(b)は、主走査方向の画素毎に所定の輝度値以下であり、なおかつ左右の所定の距離の位置にある比較画素よりも輝度値が高い画素が何画素あるかを示している。
図4(c)は、主走査方向の画素毎に図4(b)の値を図4(a)の値で除算した結果をプロットしたものである。すなわち図4(c)は、画像記録がなされた部分23の中で、ノズル詰まりによる左右両近傍よりも輝度値が高いと思われる部分の画素数の割合を示す値である。
記録不良検出部8では、この図4(c)に示したデータを予め指定された閾値と比較し、閾値より高い値の部分を記録不良と判断し、同時に記録不良が発生している座標を取得する。
図5は、記録不良検査部8の構成例の詳細を示すブロック図である。同図において、記録不良検査部8は、センサ制御部30、前処理部31、第1の二値化部32、第2の二値化部33、論理積部34、第1のカウンタ部35、第1のカウンタ部36、除算部37、及び比較部38、及びフレームメモリ39を有している。
上位装置3からのジョブ情報を受けると、センサ制御部30は、画像取得部7による画像取得を開始させる。そして画像取得部7で取得された画像データは、フレームメモリ39に保存される。同時に、画像取得部7で取得された画像データは、前処理部31に送られる。前処理部31は、入力された画像データを、エッジ強調処理が行われた画像データに変換された後、第1の二値化部32及び第2の二値化部33に出力する。この場合のエッジ強調処理は、入力データの高周波成分を除去する等の一般的な画像処理に用いられるエッジ強調処理を用いることができ、例えば主走査方向のみの一次元フィルタで構成される。
第1の二値化部32は、受信したジョブ情報内の画像情報に対して上記した第1の二値化処理を行い、各画素の輝度値が閾値に満たない部分のみを抽出して二値化データに変換する。この第1の二値化処理の結果得られる二値化データの例が図3(c)に該当する。
第2の二値化部33は、画像情報に対して上記した第2の二値化処理を行い、主走査方向に周辺画素より輝度値が高い画素のみを抽出した二値化データに変換する。この第2の二値化処理の結果得られる二値化データの例が図3(d)に該当する。
論理積部34は、第1の二値化部32から出力される二値化データと、第2の二値化部33から出力される二値化データとを画素毎に論理積演算を行い、画素の輝度値が閾値に満たなく、かつ周囲より輝度値が高い部分のみを抽出した二値化データを出力する。
第1のカウンタ部35は、主走査方向の画素毎に、論理積部34から出力される二値化データで抽出された画素数を搬送方向にカウントする。
第2のカウンタ部36は、主走査方向の画素毎に、第2の二値化部33から出力される二値化データで抽出された画素数を搬送方向にカウントする。
除算部37は、第1のカウンタ部35の出力カウント値を第2のカウンタ部36の出力カウンタ値で除算する演算を行う。
比較部38では、除算部37の出力値を予め指定された閾値と比較することで、画像記録の不良の有無を検査する。また比較部38は、画像記録の不良が検出された主走査方向の座標や、カラー画像の場合は不良が検出された色の情報をインターフェイス部18に出力する。
そして比較部38で得られた画像記録の不良の有無の検査結果、及び不良を検出した座標や色の情報、及びフレームメモリ39に保存されている画像情報は、インターフェイス部18を介して上位装置3へ送られる。これを受けて上位装置3は、画像記録装置2による画像記録処理の停止や自動メンテナンス処理の実行指示、オペレータへの報知処理等を行う。また比較部38は、画像記録の不良を検出すると報知部19に通知し、これを受けて報知部19は、表示や音声等によってユーザに画像記録の不良が発生したことを報知する。
次に、図6を用いて、第2の二値化部33による第2の二値化処理の詳細を説明する。
図6では、注目画素と注目画素から主走査方向に左右それぞれ3画素の輝度値を表している。そして画像情報内の注目画素の輝度値をXn、注目画素の主走査方向に隣接する画素の輝度値を左右それぞれにXn−1、Xn−2、Xn−3、・・・、Xn+1、Xn+2、Xn+3、・・・としている。また本例では、画像記録の解像度及び画像取得部7の解像度をいずれも等しく300dpiとしているため、比較画素は注目画素の左右それぞれに1画素離れた位置の画素としている。第2の二値化部33は、比較画素と注目画素(図6では両隣の画素)の輝度値を比較し、注目画素の輝度値が比較画素の輝度値より高いか否かによって二値化処理を行う。
以下の(1)式は、第2の二値化部33から出力される二値化データをYnとし、入力画像の輝度値との関係を表した式である。
Yn=(Xn>Xn−1)∩(Xn>Xn+1)・・・(1)
第1の二値化部32の出力二値化データYnは、注目画素の輝度値Xnが、左右の比較画素Xn−1およびXn+1のいずれの画素の輝度値よりも高い値の場合にTRUEとなり、いずれか一方よりも低いまたは同じ値の場合はFALSEとなる。これにより、第1の二値化部32は、左右に1画素離れた位置の画素より明るい画素のみを抽出する。
第2の二値化部33から出力される二値化データは以下の(2)式のような関係としてもよい。
Yn=(Xn>Xn−2)∩(Xn>Xn+2)・・・(2)
この(2)式は、例えば画像記録の解像度が300dpiで画像取得部7による画像の撮像解像度が600dpiの場合等、撮像解像度が画像記録の解像度の2倍であるときに用いる。このような場合、記録ヘッド16の隣接するノズルによる画素の中心位置は、画像取得部7によって読み込まれた画像データでは互いに2画素離れている。
第2の二値化部33では、ノズル詰まりによる画像記録不良が発生した場合、隣接するノズルによる画素と輝度値の差を比較することにより画像記録不良を最も顕著に抽出することができる。従って(2)式のように比較画素は、注目画素から左右それぞれに2画素離れた位置の画素とする。
なお(2)式は、画像取得部7の撮像解像度が画像記録の解像度の2倍であったときに成り立つものであるが、撮像解像度が画像記録の解像度のm倍であったときは、(2)式の‘2’の部分をmとすれば式が成り立つのは言うまでもない。
(1)式による二値化は、注目画素と比較画素の輝度値の差が僅かであっても抽出する。この場合、非常に淡い画像やインクの滲みが多く、輝度値の差の少ない画像記録不良の検出を行える一方で、ノイズも多くなり誤検出の可能性が高くなる。
それに対処したのが以下の(3)式である。
Yn=(Xn−Xn−1>所定の閾値)∩(Xn−Xn+1>所定の閾値)・・・(3)
(3)式では、注目画素と比較画素の差に閾値を設け、所定の閾値以上の輝度値の差により左右いずれの比較画素よりも注目画素の輝度値が高い画素のみを抽出するようにしている。これにより、誤検出の頻度を抑えることが出来る。なお(3)式で所定の閾値をゼロとすると(1)式と同義となる。また(3)式の2つの所定の閾値の値は必ずしも同じ値である必要はない。また所定の閾値は、誤検出の頻度等に基づいてユーザが設定できるようにしても良い。
次に図7及び図8を用いてカラー画像を記録する場合の記録不良検出及び不良色の特定方法を説明する。なお以下の説明では、K、C、M、Yの4色を用いてカラー画像を記録する場合を例として説明する。しかし本実施形態の画像記録装置2は、この4色のインクを用いて画像記録を行うものに限定されるものではなく、3色以下のインクを用いて画像記録を行ったり、5色以上のインクを用いて画像記録を行う構成としても良い。また用いる色の種類もK、C、M、Yに限定されるものではない。またこれらの場合には、以下の説明のK、C、M、Y部分が増えたり減ったりするのみで、インクの種類が増減しても基本的な手法は同じである。
図7(a)は、C、M、Yの各色を重ねて画像記録処理を行ったプロセスブラックのベタ画像領域を示している。記録不良がない場合、プロセスブラックの領域はこの図7(a)のようになる。また図7(b)は、M色のノズル詰まりによる記録不良があるために、プロセスブラックの中にC、Y色のみによる緑色の細線部分が現われた画像データを示す図である。そして図7(c)は、図7(b)の画像を画像取得部7で取得した後に検査の処理が行われ、除算部37から出力されたデータである。
図7(b)のC、M、Yのベタ画像は、記録不良がない部分41では注目画素と比較画素との輝度値が均一に近い状態となるため、図7(c)に示すようにR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色のチャンネルの除算部37の出力値は低い値となっている。一方M色のノズルによる抜けがある部分42の除算部37の出力値は、図7(c)に示すようにM色に対応するGのチャンネルの値が非常に高くなっている。またRとBのチャンネルの値に関しても、センサの感度特性により、周辺と全く同じ値とはならず、若干高い値となっている。
R、G、Bそれぞれのチャンネルの輝度値についての処理は、第1の二値化部32、第2の二値化部33、論理積部34、第1のカウンタ部35、第2のカウンタ部36、及び除算部37の処理がそれぞれ各色並列に行われる。そして比較部38は、除算部37による出力値が閾値より高い値のチャンネルに対応したC、M、Yのインク色で記録不良が発生していると判断する。
図7(c)は、R、G、Bの各チャンネルで除算部37による処理が行われた輝度値であり、Gチャンネルの輝度値が閾値を越えているため、比較部38はM色で記録不良が発生していると判断する。同様に比較部38は、Rチャンネルの輝度値が閾値を越えていた場合はC色、Bチャンネルの場合はY色で記録不良が発生していると判断する。
以上のようにして、通常の画像記録処理においても、記録された画像のC、M、Yのプロセスブラック部分を図3に示した単色の場合と同様に抽出して、記録不良が生じたか否かの検出を行うことが出来る。
なお同様の手法によって、CM、CY、MYの2色部分を抽出して、記録不良が生じたか否かの検出を行うことも出来る。
次にK色の記録不良の検出について説明する。
図8(a)は、K色で画像記録処理したベタ画像を示す図である。また図8(b)は、図8(a)に示した画像を記録した際にK色のノズル詰まりによる記録不良があるため、白色の細線が現われた画像を示す図である。図8(c)は、図8(b)の画像を画像取得部7で取得した後に検査の処理が行われ、除算部37から出力されたデータである。
図8(c)において、記録不良がない部分の画像は黒く均一に近いため、R、G、B各チャンネルの除算部37の出力値データは低い値となっている。K色のノズル抜けがある部分の除算部37から出力値は、R、G、Bの全てのチャンネルの値が非常に高くなっている。
R、G、Bそれぞれのチャンネルのデータは、第1の二値化部32、第2の二値化部33、論理積部34、第1のカウンタ部35、第2のカウンタ部36および、除算部37の処理がそれぞれ並列に行われる。比較部38は、通常は閾値より高い値のチャンネルに対応したC、M、Yのインク色で記録不良が発生していると判断する。但し、比較部38は、R、G、B全てのチャンネルで除算部37の出力値が閾値より高い値が得られた場合はK色で記録不良が発生していると判断する。
図8(c)は、R、G、Bの各チャンネルで積算までの処理が行われたデータである。同図を見るとK色による記録不良が発生した部分51では、全てのチャンネルのデータが閾値を越えている。したがって比較部38は、この位置では、K色で記録不良が発生していると判断する。
このように、記録不良検査部8は、図3に示したような処理を、R、G、B各チャンネルのデータに対して並列に処理することによって、比較部38によりチャンネル毎のデータを総合的に判断することで記録不良が発生しているインク色を特定することが出来る。
この様な処理により記録不良の検出検査を行うことで、ノズル抜けによる記録不良が主走査方向の同一座標に繰り返し現われる特性が考慮され、高い検査精度が得られる。また、検査処理の初期でデータの二値化を行うため、処理するデータ量が少なく高速処理が可能である。更には、記録処理の元となる画像情報と取得した画像データの比較を行わないため、位置ずれや伸縮による画像の幾何補正を必要とせず、非常に簡単な構成で検査機能の実現が可能である。したがって装置を安価に実現することが出来る。
次に記録不良検査処理方法時の本実施形態の画像記録装置2の処理動作を説明する。
図9は本実施形態の画像記録装置2で行われる記録不良検査方法の第1の処理動作を示すフローチャートである。
第1の処理動作では、画像記録装置2は記録不良を検出すると、上位装置3にその旨を通知してそのまま画像記録処理を継続して、ジョブ情報で指定されたページ数の画像記録を終了まで続ける。
同図の処理は、記録部6によって画像記録処理を行うのと並行して、記録不良検査部8によって実行される。
図9の処理では、記録不良検査部8は、まずステップS1として、画像記録処理で記録媒体1に記録された画像に対して後述の記録不良検出処理をR、G、B各チャンネル毎に行う。そして次に記録不良検出部8は、ステップS2として、ステップS1の記録不良検出処理の結果から画像記録に不良が生じているか否かを判断する。
このステップS2の判断の結果、画像記録不良が生じていると判断した場合(ステップS2、YES)、記録不良検査部8は、ステップS3において、記録不良があることを検出結果として上位装置3に通知する。また記録不良検査部8は、報知部19によってユーザに報知を行う。そして次に記録不良検出部8は、ステップS4としてその記録不良が検出されたチャンネル(複数色による画像記録を行う場合のみ)、記録不良を検出した位置を示す主走査方向の座標及び不良を検出した画像の画像データであるフレームメモリ39内の画像データを、インターフェイス部18を介して上位装置3に通知する。
一方ステップS2の結果、画像記録の不良が検出されていないと判断した場合(ステップS2、NO)、記録不良検査部8はステップS3及びS4の処理をスキップする。
そして記録不良検査部8は、ステップS5において上位装置3から通知されたジョブ情報によって指示されている全ての画像記録を終えて、本処理を終了するかどうかを判定する。その結果、まだ画像記録を終えていないページが残っていたならば(ステップS5、NO)、処理をステップS1に戻して上述したステップS1乃至S5の処理を繰り返し、全ての画像記録を終えたなら(ステップS5、YES)、本処理を終了する。
このように第1の処理動作は、記録不良を検出すると報知は行うが、記録処理動作そのものは停止しない。よって記録不良の検出によって記録処理のスループットが低下することは無い。そしてユーザは、出力された記録媒体1上に記録されている画像の状態を見て、不図示の操作パネルを操作して、画像記録処理の停止や再処理を行うか否か等の判断を行うことが出来る。
次に記録不良検査処理方法時の第2の処理動作について説明する。
図10は、本実施形態の画像記録装置2で行われる記録不良検査方法の第2の処理動作を示すフローチャートである。同図の処理も、記録部6が画像記録処理を行うのと並行して、記録不良検査部8によって実行される。
第2の処理動作では、画像記録装置2は記録不良を検出するとその検出結果を上位装置3に通知すると共に画像記録装置2による画像記録処理を停止する。
図10において、記録不良検査部8は、ステップS11として、記録処理で記録された画像に対して検出処理をR、G、Bの各色のチャンネル毎に行い、続いてステップS12として、印刷不良が発生したか否かを判断する。
記録不良検査部8は、このステップS12の判断の結果、画像記録の不良が検出されたと判断した場合(ステップS12、YES)、ステップS13において記録不良を検出したことを上位装置3に通知し、また報知部19によってユーザに画像記録の不良を検出したことを報知する。さらに記録不良検出部8は、ステップS14として記録媒体1の搬送を停止して画像記録処理を停止する。また記録不良検出部8は、ステップS15として、上位装置3にフレームメモリ39内の画像データ、記録不良を検出した座標、及び複数色による画像記録を行う場合は記録不良を検出したチャンネルを通知後、本処理を終了する。
一方記録不良検査部8は、ステップS12において画像記録の不良が検出されていないと判断したならば(ステップS12、NO)、次にステップS16においてジョブ情報によって指示されている全ての画像記録を終えたかどうかを判定する。その結果、まだ画像記録を終えていないページが残っていたならば(ステップS16、NO)、記録不良検出部8は、処理をステップS11に戻して、上述したステップS11乃至S15の処理を繰り返す。そして記録不良検出部8は、ステップS16において全ての画像記録を終えたと判断したならば(ステップS16、YES)、本処理を終了する。
この第2の処理動作では、画像記録処理で記録した画像に不良を検出すると、画像記録装置2は、上位装置3に通知を行うと共に画像記録を停止する。これにより上位装置3で通知を受けたユーザは、停止している画像記録装置2に対してメンテナンスや修理等を行うことが出来る。また記録不良の画像記録がなされた記録媒体1を、不必要に排出することを防ぐことが出来る。
次に記録不良検査処理方法時の第3の処理動作について説明する。
第3の処理動作では、画像記録装置2は記録不良を検出すると、上位装置3へ通知すると共に画像記録を一旦停止する。そして、記録ヘッド16−1〜16−4のインク詰りのクリーニング等のメンテナンス処理を自動で行った後、画像記録処理を再開する。
図11は、本実施形態の画像記録装置2よる記録不良検査処理の第3の例を示すフローチャートである。同図の処理も、記録部6による画像記録処理と並行して、記録不良検査部8によって実行される。
図11の処理において、記録不良検査部8は、ステップS21として、画像記録処理を行った画像に対して検出処理をR、G、Bの各色のチャンネル毎に行い、続いてステップS22として、ステップS21の結果から画像記録の不良が発生したか否かを判断する。その結果、画像記録の不良が発生していないと判断したならば(ステップS22、NO)、ステップS23乃至S27の処理をスキップする。
一方ステップS22で記録不良を検出したと判断すると(ステップS22、YES)、記録不良検査部8はステップS23の処理にて記録不良を検出したことを上位装置3に通知し、また報知部19によってユーザに報知を行う。そして次に記録不良検査部8は、ステップS24として画像記録を中断する。
そして記録不良検査部8は、ステップS25として、上位装置3にフレームメモリ39内の画像データ、記録不良を検出した主走査方向の位置を示す座標、及び複数色による画像記録を行う場合は記録不良を検出したチャンネルを通知する。次に記録不良検査部8は、ステップS26としてメンテナンス機構6aにインクのノズル詰りを除去するヘッドの回復処理等のメンテナンス処理を実施させ、メンテナンス処理が完了したならば、ステップS27として画像記録処理を再開する。
そして上位装置3から通知されてジョブ情報によって指示された量の画像記録処理が完了するまでステップS21乃至S28の処理を繰り返し(ステップS28、NO)、全ての画像記録が完了したならば(ステップS28、YES)、本処理を終了する。
このように第3の処理動作では、画像記録装置2は記録不良を検出すると上位装置3に通知すると共に、自動的にメンテナンス処理を行い、記録不良の要因を除去した後、画像記録を再開することが出来る。したがって、画像記録処理の途中で画像記録の不良が生じても、記録不良の要因を自動的に除去して、ジョブ情報で指定された量の画像記録処理を最後まで行うことが出来る。
続いて検出処理のフローについて説明する。
図12は、検出処理の例を示すフローチャートである。この図12の処理は、図9のフローのステップS1、図10のフローのステップS11、及び図11のフローのステップS21に該当する。
図12の処理に入ると、記録不良検査部8は、ステップS31として、例えば1ページや所定のライン数などの予め定められた量の画像データ取得毎に画像取得部7で得られた各画素の輝度値を示す画像データを取得する。続いて、記録不良検査部8は、ステップS32として、画像データに対して前処理として例えばエッジ強調処理を施す。
つぎに記録不良検査部8は、ステップS33として、前処理が行われた画像に対して印刷された領域のみを抽出する第1の二値化処理を施す。また記録不良検査部8は、このステップS33の処理と並行して、ステップS34として前処理が行われた画像データに対して明細点の抽出である上記した第2の二値化処理を施す。
続いて、記録不良検査部8は、ステップS35として、第1の二値化処理が行われた二値データと第2の二値化処理が行われた二値データの論理積演算処理を行う。
そして次に記録不良検査部8は、ステップS36として、ステップS35で論理積処理が行われた二値データを副走査方向にカウントする第1のカウント処理を実施する。また記録不良検査部8は、ステップS37として、ステップS33で第1の二値化処理が行われた二値データを副走査方向にカウントする第1のカウント処理を実施する。そして記録不良検査部8は、ステップS38として、ステップS36で第1のカウント処理されたカウント値をステップS37で第2のカウント処理されたカウント値で除算する。そして記録不良検査部8は、ステップS39として、ステップS38で得た除算結果の値を所定の閾値と比較し、比較結果を出力後、図9乃至図11のフローに処理を戻す。
なお、検出処理は、例えば1ページや所定のライン数などの予め定められた量の画像データ取得毎に順次処理を行うように記載されているが、1画素毎にパイプライン処理を用いた並列処理を行い、全てのステップが同時に処理される構成とすることもできる。
以上のように本実施形態の画像記録装置2では、二値化処理により検出処理を行うデータ量を減らすことで、簡単な構成でなおかつ高速に、ノズル詰まり等による記録不良を検出することが出来る。またノズル詰まりによる記録不良は、副走査方向に明細部分として生じることに着目して記録不良を検出することにより、高い検出精度を実現することが出来る。
なお図9乃至図11に示した処理では、ジョブ情報に基づいて通常の記録処理を行った画像に対して記録不良の検出を行っていたが、本実施形態の画像記録装置2による記録不良検出処理はこのようなものに限定されるものではない。例えばジョブ情報による画像記録を開始する前や画像記録が完了後若しくはその両方のタイミングで、例えば図7、図8で示したようなベタ画像等のテストパターンを記録し、このテストパターンに対して記録不良の検出を行うようにしても良い。この方法を用いると、複数色による画像記録を行う場合には、より高精度な記録不良検出を行うことが出来る。
なお上記説明では、記録媒体1はロール状に巻かれた連続状の記録媒体としているが、本実施形態の画像記録装置2で用いられる記録媒体1は、連続記録媒体に限られるものではなく、所定のサイズに予め切断されている記録媒体(カットシート)を用いることも可能である。
また上記例では、インクジェット方式による記録方式を採用した画像記録装置2に限定して記載しているが、インクジェット方式以外の方式、例えば静電記録方式の記録ヘッドの不良を要因とする記録不良の検出にも応用することが出来る。
さらには、上記例では本発明を画像記録装置として実現した場合を例として挙げているが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、図1の構成の記録不良検査部8を単独で画像検査装置として構成しても良い。
なお上記説明は一例であり、本実施形態の画像記録装置2に示される全体構成からいくつかの要素を削除してもよいし、さらに異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1 記録媒体
2 画像記録装置
3 上位装置
4 制御部
5 媒体搬送機構
6 記録部
6a メンテナンス機構
7 画像取得部
8 記録不良検査部
9 画像情報処理部
10 記憶部
11 媒体給送部
12 媒体支持部
13 駆動部
14 媒体搬送情報生成部
15a、15b、15c ローラ
16−1〜16−4 記録ヘッド
17 媒体回収部
18 インターフェイス部
19 報知部
30 センサ制御部
31 前処理部
32 第1の二値化部
33 第2の二値化部
34 論理積部
35 第1のカウンタ部
36 第2のカウンタ部
37 除算部
38 比較部
39 フレームメモリ

Claims (19)

  1. ジョブ情報に基づいて記録媒体に画像記録を行う画像記録装置において、
    前記ジョブ情報に基づいて、配列されている複数のノズルからインクを吐出して前記記録媒体に画像を記録する記録部と、
    前記記録部が記録した前記画像を取得して、各画素の輝度値を求める画像取得部と、
    前記画像取得部が求めた各画素の輝度値に対して、前記ノズルの配列方向に平行な方向である主走査方向に周辺画素より輝度値が高い画素を抽出する第2の二値化処理の結果に基づいて前記画像の記録不良の有無を検出する記録不良検査部と、
    を備えることを特徴とする画像記録装置。
  2. 演算処理部、及び制御プログラムを予め記憶している記憶部を少なくとも備える制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記演算処理部に前記制御プログラムを実行させることにより前記画記録不良検査部として機能する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記第2の二値化処理では、前記画像取得部が求めた各画素の輝度値のうちの一つである注目画素の輝度値を主走査方向に左右所定の距離離れた2つの比較画素の輝度値と比較し、当該注目画素の輝度値と当該2つの比較画素の輝度値との差が予め定められた第1の閾値より大きいとき、当該注目画素を抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  4. 前記画像取得部の解像度が前記記録部の解像度のm倍であるとき、前記所定の距離はm個の画素数であることを特徴とする請求項3に記載の画像記録装置。
  5. 前記第1の閾値はゼロであることを特徴とする請求項3に記載の画像記録装置。
  6. 前記第1の閾値は、ユーザによって設定されることを特徴とする請求項3に記載の画像記録装置。
  7. 前記記録不良検査部は、前記輝度値が予め定められた第2の閾値より大きい画素を抽出する第1の二値化処理の結果と前記第2の二値化処理の結果の論理積を求めることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  8. 前記記録不良検査部は、前記論理積の結果を前記記録媒体の搬送方向でカウントする第1のカウント処理の結果を、前記第1の二値化処理の結果を前記記録媒体の搬送方向でカウントする第2のカウント処理で除算した結果を予め定められた第3の閾値と比較することによって前記画像の記録不良の有無を検出することを特徴とする請求項7に記載の画像記録装置。
  9. 前記記録不良検査部は、前記記録不良を検出すると、前記画像記録装置に対して前記ジョブ情報を発行する上位装置に通知することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  10. 前記記録不良検査部は、前記記録不良を検出すると、当該記録不良の検出の通知と共に、記録不良の生じた位置を示す情報、及び記録不良を生じた画像記録で用いられた画像情報の少なくとも1つを通知することを特徴とする請求項9に記載の画像記録装置。
  11. 前記記録部は、複数色のインクを吐出して前記記録媒体に画像を記録し、
    前記記録不良検査部は、前記記録不良を検出すると、当該記録不良の検出の通知と共に、記録不良を起こしたインクの色を通知することを特徴とする請求項9に記載の画像記録装置。
  12. 記録不良の検出をユーザに報知する報知部をさらに備え、
    前記記録不良検査部は、前記記録不良を検出すると、前記報知部に報知を行わせることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  13. 前記記録部に対するメンテナンス処理を行うメンテナンス部をさらに備え、
    前記記録不良検査部は、前記記録不良を検出すると、前記記録部による画像記録処理を停止し、前記メンテナンス部によって前記記録部のメンテナンス処理を行った後、前記記録部による画像記録処理を再開することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  14. 前記記録部は、複数色のインクを吐出して前記記録媒体に画像を記録し、
    前記記録不良検査部は、前記複数色それぞれに対して、記録不良の有無を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  15. 前記記録不良検査部は、前記複数色それぞれに対する記録不良の有無の検出を並列して行うことを特徴とする請求項14に記載の画像記録装置。
  16. 記録媒体にノズルからインクを吐出して画像を記録する画像記録装置で用いられる画像検査装置であって、
    前記画像を光学的に読み込んで求めた画素の輝度値に対して、前記ノズルの配列方向に平行な方向である主走査方向に周辺画素より輝度値が高い画素を抽出する第2の二値化処理部と、
    前記第2の二値化処理部による二値化の結果に基づいて前記画像の記録不良の有無を検出する記録不良検査部と、
    を備えることを特徴とする画像検査装置。
  17. 前記第2の二値化処理部は、前記画像を光学的に読み込んで求めた画素の輝度値のうちの一つである注目画素の輝度値を主走査方向に左右所定の距離離れた2つの比較画素の輝度値と比較し、当該注目画素の輝度値と当該2つの比較画素の輝度値との差が第1の閾値より大きいとき、当該注目画素を抽出することを特徴とする請求項16に記載の画像検査装置。
  18. ジョブ情報に基づいて記録媒体に画像記録を行う画像記録装置の制御方法であって、
    前記ジョブ情報に基づいて、配列されている複数のノズルからインクを吐出して前記記録媒体に画像を記録し、
    前記画像を光学的に取得して、各画素の輝度値を求め、
    前記各画素の輝度値に対して、前記ノズルの配列方向に平行な方向である主走査方向に周辺画素より輝度値が高い画素を抽出する第2の二値化処理の結果に基づいて前記画像の記録不良の有無を検出する
    ことを特徴とする画像記録装置の制御方法。
  19. 前記各画素の輝度値のうちの一つである注目画素の輝度値を主走査方向に所定の距離離れた2つの比較画素の輝度値と比較し、当該注目画素の輝度値と当該2つの比較画素の輝度値との差が第1の閾値より大きいとき、当該注目画素を抽出することを特徴とする請求項18に記載の画像検査装置の制御方法。
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