JP2011235294A - はんだ合金およびこれを用いた接合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、ガラスやセラミックなどの酸化物材料と接合可能な無鉛はんだ合金の特性を維持しつつ、はんだの経時変化を長期間に渡って抑制できる、新しいはんだ合金を提供することである。
【解決手段】 本発明は、質量%で、Zn:0.5〜9.0%、Sb:0.1〜4.0%、Ti:0.005〜0.3%を含み、残部Snおよび不可避的不純物からなるはんだ合金である。本発明のはんだ合金は、Alを0.2%以下含んでもよい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、例えばガラスやセラミックといった酸化物材料への優れた接合強度を維持しつつ、経時変化によるはんだ合金の素材酸化と接合部の表面黒化を抑制する、はんだ合金およびこれを用いた接合体に関するものである。
ガラス等の酸化物材料と直接接合でき、優れた接合強度を有する無鉛はんだ合金としては、特許文献1および特許文献2が提案されている。特許文献1に具体的に開示される質量%でSn−8.99%Zn−0.16%Ti、特許文献2に具体的に開示される質量%でSn−9.0%Zn−0.002%Ti−0.0005%Oのはんだ合金は、酸化物との接合能を確保するために、所定量のTiを添加することにより、ガラス等の酸化物材料との優れた接合強度を確保している。特許文献1および特許文献2のはんだ合金は、一般的なガラスフリットよりも低い温度で接合することができ、昨今の環境問題に配慮したはんだ合金である。また、特許文献1および特許文献2のはんだ合金は、酸化物材料と直接接合できるため、ガラス等の酸化物材料への前処理が必要なく、従来の工法を簡略化できる可能性を有している。
また、特許文献3では、耐候性および耐湿性の高い酸化物接合用はんだが提案されている。特許文献3のはんだ合金は、Sn−Zn−Al−Sb系を採用しており、具体的に開示される質量%でSn−3.50%Zn−1.25%Sb−0.05%Alのはんだ合金は、所定量のSbを添加することで、耐候性および耐湿性の改善効果を得ている。
特開2000−326088号公報 特開2001−058287号公報 特開2004−082199号公報
本発明者らの検討によれば、上述した特許文献1および特許文献2のはんだ合金を、水分の存在する大気中で長時間保持すると、はんだ合金素材の表面から酸化する、はんだの経時変化という新たな問題を確認した。また、上述した特許文献1〜特許文献3のはんだ合金を用いて、ガラス等の酸化物材料と接合した接合体を水分の存在する大気中で長時間保持すると、はんだ表面の金属光沢が失われて黒化する、はんだの経時変化という、別の新たな問題を確認した。
このようなはんだ合金の経時変化は、ペアガラスなどの外気に直接暴露されるような用途では、接合強度や気密性の劣化を引き起こし、十分な長期信頼性を得ることが困難となる。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、ガラスやセラミックなどの酸化物材料と接合可能な無鉛はんだ合金の特性を維持しつつ、はんだ合金素材およびはんだ合金を用いた接合部の経時変化を長期間に渡って抑制できる、新しいはんだ合金を提供することである。
本発明は、ガラス等の酸化物材料との接合に用いるはんだ合金として、Sn、Znを主成分としたものに特定量のSbとTiを複合添加することで、はんだ合金の経時変化を抑制できるという新たな効果が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、質量%で、Zn:0.5〜9.0%、Sb:0.1〜4.0%およびTi:0.005〜0.3%を含み、残部Snおよび不可避的不純物からなるはんだ合金である。
また、本発明のはんだ合金は、質量%で、Zn:0.5〜7.0%であることが好ましい。
また、本発明のはんだ合金は、質量%で、Sb:0.5〜3.5%であることが好ましい。
また、本発明のはんだ合金は、質量%で、Ti:0.005〜0.2%であることが好ましい。
また、本発明のはんだ合金は、質量%で、Al:0.2%以下を含むことができる。
また、本発明のはんだ合金は、酸化物または酸化表面を有する部材を接合するのに適している。
また、本発明のはんだ合金により、酸化物または酸化表面を有する部材を接合することができ、安価なはんだ接合体を提供することができる。
本発明のはんだ合金は、例えば、ペアガラスやガラス容器等のようなシーリングに好適なものであり、特にはんだ合金の経時変化を抑制し、接合信頼性を改善することができるため、その工業的価値は極めて大きい。
上述したように、本発明の重要な特徴は、Sn−Zn系はんだ合金に特定量のSbとTiを複合添加した合金を採用したことにある。
以下、本発明のはんだ合金の成分組成(質量%)を限定した理由について説明する。
Zn:0.5〜9.0%
Znは、ガラスやセラミックス等の酸化物材料と接合するための基本元素である。本発明のはんだ合金の接合機構は、Snより酸素親和性の高いZnをはんだ合金中に含有することで、溶融はんだ表面に形成されるZn系酸化物が、ガラスなどの酸化物材料の表面で酸化物層を形成することで接合していると考えられる。
Znの含有量は、ガラス等の酸化物材料と十分な接合強度を得るために0.5%以上必要である。さらに優れた接合強度を得るためには、1.0%以上が好ましい。
一方、はんだ合金中に過度にZnを添加した場合は、はんだ付け中に多量のドロスが発生し、ガラス等の酸化物材料とのぬれ性を阻害する要因となる。また、はんだ合金中のZnは、高温多湿の環境下で酸化物を形成し、はんだ合金の機械的特性やガラス等の酸化物材料との接合強度を低下させる恐れがある。したがって、本発明においてZnの含有量は、質量%で9.0%以下とする。好ましくは、7.0%以下であり、より好ましくは、5.0%以下である。
Sb:0.1〜4.0%
Sbは、はんだ合金の耐食性を向上させ、経時変化によるはんだ合金の酸化を抑制するための必須元素である。詳細な検証はできていないが、SbがSn中に固溶することで、はんだ合金中のZnの酸化を抑制し、経時変化を改善していると考えられる。
Sbの含有量は、Znの酸化を防ぎ、十分なはんだ合金の経時変化の改善効果を得るために0.1%以上必要である。さらに長期的な経時変化の改善効果を得るためには、0.5%以上が好ましい。また、1.0%以上含有することがより好ましい。
一方、はんだ合金中のSbの含有量が多すぎると、はんだ合金の液相線温度が上昇することに加え、はんだ合金が硬くなり、はんだ合金の機械的特性を低下させることが懸念される。したがって、本発明においてSbの含有量は、質量%で4.0%以下とする。好ましくは、3.5%以下であり、より好ましくは、2.0%以下である。
Ti:0.005〜0.3%
Tiは、本発明のはんだ合金をはんだ付けした接合体のはんだ表面の黒化を抑制するために最も重要な元素である。Sn−Zn−Sb系はんだ合金中に添加されたTiは、Sb−Ti系金属間化合物として析出しており、ガラス等の酸化物材料とはんだ付けを行う際に、溶融はんだ表面にTi系酸化膜が形成される。このTi系酸化膜が高温多湿環境におけるはんだ表面の黒化を抑制していると考えられる。またTiは、はんだ付け中のドロスの発生を抑制し、ガラス等の酸化物材料との接合にも寄与する。
Tiの含有量は、はんだ表面の黒化の抑制効果を得るため、0.005%以上必要である。さらに、長期的な黒化の抑制効果を得るためには、0.01%以上含有することが好ましい。
一方、はんだ合金中に過度にTiが添加される場合には、はんだ付け中に過剰なTiが酸化して、多量のドロスを発生する。また、本発明者らの検討によれば、はんだごてのこて先で加熱される溶融はんだが橙色化する、という別の問題が生じることを確認した。したがって、本発明においてTiの含有量は、質量%で0.3%以下とする。好ましくは、0.2%以下であり、より好ましくは、0.1%以下である。
Al:0.001〜0.2%
本発明のはんだ合金には、Alを含有させることもできる。Alは、はんだ付けまたは、溶融時のはんだのドロス発生の抑制や、ガラス等の酸化物材料との接合に寄与する元素である。
しかしながら、Alを多く含有する場合には、はんだ合金中に形成されるSbとの金属間化合物であるAl−Sbが、はんだ合金中の成分偏析の要因となり、上記特性が得られないという問題が生じる。したがって、本発明においてAlの含有量は、質量%で0.2%以下が好ましい。より好ましくは、0.1%以下である。
また、Alの効果を明確に得るためには、0.001%以上が好ましく、より好ましくは、0.01%以上である。
残部Snおよび不可避的不純物
Snは、はんだ合金の溶融温度の引下げに作用する、本発明のはんだ合金を構成する基本元素である。はんだ合金の溶融温度を250℃以下にするには、Snを85〜99%の範囲で配合することが望ましい。より好ましくは、90〜99%である。
また、不可避的不純物としては、P、Si、Bi、Gaがある。PおよびSiは、はんだのぬれ性を阻害する。BiおよびGaは、高温多湿環境下におけるはんだ合金の耐食性の低下要因となる。また、Gaは、ボイドの発生の原因となる。したがって、これら元素の合計は、50ppm質量%以下に規制することが好ましい。より好ましくは、合計で10質量ppm以下である。
本発明のはんだ合金は、アルミナなどのセラミックやソーダライム系のガラスに対しては勿論のこと、あらゆる酸化物および酸化表面を有する部材に対して優れた接合能を発揮する。
また、本発明のはんだ合金は、従来、酸化表面の影響ではんだ付けが困難であったAl、SiやTi等の難接合材料であっても優れた接合能を発揮できる。
また、本発明のはんだ合金は、上記の酸化物および酸化表面を有する部材、窒化物や難接合材料だけでなく、ガラス基板上に形成されたITO、Mo、AlやCr膜等といったものにも適する。
また、本発明のはんだ合金は、上述の酸化物および酸化表面を有する部材・窒化物同士あるいは、相互の接合にのみ用いられるものではなく、接合能が確保できる酸化物および酸化表面を有する部材・窒化物以外の材料であってもよい。例えば、本発明のはんだ合金は、Al系合金、各種ステンレス鋼、銅やFe−Ni系合金といった金属に対しても接合能を有し、接合能に劣る相手材であっても、接合能を付与するための表面処理を施せば使用を制限するものではない。
また、本発明のはんだ合金は、酸化物および酸化表面を有する部材・窒化物表面に塗付することで、はんだ付けの下地処理の代替として用いることもできる。
本発明のはんだ合金は、酸化物材料を用いた接合部材に対して優れた接合強度と気密性を有しており、例えば、ペアガラス、ディスプレイ、真空容器またはガス封印容器等に好適である。
本発明のはんだ合金を用いた酸化物や窒化物等の難接合材料との接合は、例えばガラス基板上への金属配線の固定には、常温のガラス基板上に溶融したはんだを塗布することで可能となる。また、ペアガラスやディスプレイ等の気密容器の封止には、はんだ合金の液相線以上に被接合部材を加熱する、または、被接合材の熱容量を考慮し、十分に加熱されたはんだこてを用い、被接合材をはんだ合金の液相線以下に予備加熱することで可能となる。
上述した被接合材への接合には、溶融はんだ中に酸素を取り込み、被接合材へのぬれを促進するため、はんだ合金に超音波振動を印加すると効果的である。
表1の組成になるように、Sn、Zn、Sb、TiおよびAlを秤量した後、Ar雰囲気中で高周波溶解を行い、得られた合金溶湯を鋳型へ流し込み、はんだ合金を作製した。また、比較例であるSn、ZnおよびSbを添加したNo.6〜No.11は、大気中で溶解し、鋳型へ流し込みはんだ合金を作製した。なお、表1に記載していない不純物元素である、P、Si、Bi、Gaは、合計で20ppm以下であった。
これら得られたはんだ合金は、以下に記する試験方法で評価した。また、本評価において、はんだ合金は、はんだ付けしやすいように直径1mmの線材と3mm角・長さ15mmの小片に加工してから使用した。
(評価試験1)
被接合材として、30mm角・厚さ3mmにカットしたホウケイ酸ガラス(製品名TEMPAX)を用い、予めホットプレート上で約260℃に加熱した。その後、はんだ合金をガラス板上に置き、約370℃に加熱したはんだこて(黒田テクノ社製 超音波はんだ付け装置 SUNBUNDER USM−III)に超音波振動を印加しながら、はんだ合金の厚みが約120μmとなるようにガラス板一面に塗布して大気中で徐冷した。
そして、はんだ合金・ガラス板のはんだ表面が、酸化することで生じると思われるはんだ表面の黒化抑制の効果を確認するために、加速環境試験として、85℃85RH%とした高温高湿試験機(楠本化成社製 HIFLEX TH401A)内で試験片を336時間放置した。
はんだ表面の黒化は、分光測色計(コニカミノルタセンシング社製 MINOLTA CM−2600d)を用い、加速環境試験前(a)後(b)のはんだ表面のCIE 1964 Yxy表色系で規定される反射率YaおよびYbを測定し、変化率((Ya−Yb)/Ya)×100(%)で評価した。なお、このときの受光範囲は、直径8mmとし、反射率は、はんだ表面を4等分して、4箇所測定した値の平均値とした。
表1に示すように、本発明例の変化率は、いずれも15%以下であり、反射率の低下が抑制され、光沢があるのに対して、比較例の変化率は、いずれも16%以上であり、反射率の低下が大きく、光沢が失われていた。これより、本発明のはんだ合金は、加速環境試験において、はんだ表面の黒化を抑制できることが確認できた。
次に、はんだ表面の明度は、上述した評価方法と同様に、分光測色計(コニカミノルタセンシング社製 MINOLTA CM−2600d)を用い、加速環境試験前(a)後(b)のはんだ表面のCIE 1976 L表色系で規定される明度(L)を測定し、加速環境試験後の値Lbから加速環境試験前Laの値を引いた明度差で評価した。なお、このときの受光範囲は、直径8mmとし、明度は、はんだ表面を4等分し、4箇所測定した値の平均値とした。
表1に示すように、本発明例の明度差は、いずれも−6.3%より小さく、明るいのに対して、比較例の明度差は、いずれも−6.6%より大きく、暗かった。これより、本発明のはんだ合金は、加速環境試験において、はんだ表面の黒化を抑制できることが確認できた。
Figure 2011235294
表2の組成になるようにSn、Zn、Sb、TiおよびAlを秤量した後、Ar雰囲気中で高周波溶解を行い、得られた合金溶湯を鋳型へ流し込み、はんだ合金を作製した。そして、得られたはんだ合金は、以下に記する試験方法で評価した。なお、表2に記載していない不純物元素である、P、Si、Bi、Gaは、合計で20ppm以下であった。また、本評価において、はんだ合金は、はんだ付けしやすいように直径1mmの線材に加工してから使用した。
(評価試験1)
被接合材として、30mm角・厚さ3mmにカットしたホウケイ酸ガラス(製品名TEMPAX)を用い、予めホットプレート上で約260℃に加熱した。その後、はんだ合金をガラス板上に置き、約370℃に加熱したはんだこて(黒田テクノ社製 超音波はんだ付け装置 SUNBUNDER USM−III)に超音波振動を印加しながら、はんだ合金の厚みが約110μmとなるようにガラス板一面に塗布して大気中で徐冷した。
次に、室温まで冷却した試料のはんだ表面を5mm角の格子状の5×5のマス目になるようにカッターで切れ目を入れ、ピール試験片を作製した。
そして、経時変化によるはんだの接合強度の変化を確認するため、加速環境試験として、85℃85RH%とした高温高湿試験機(楠本化成社製 HIFLEX FH06C)内で試験片を1000時間放置した。
加速環境試験前後の試験片のはんだ・ガラス板の接続界面のピール試験を実施した。ピール試験は、粘着テープ(ニチバン社製 CT−405AP−24)を試験片の一面に貼り付け、3度の引き剥がし試験を行い、はんだの剥がれが生じた領域を数えた。なお、ピール試験は、5×5のマス目のうち、エッジ部分の影響を無視するために、中央部の3×3のマス目で試験した。
加速環境試験前では、本発明例および比較例のはんだ合金ともに、剥がれが生じず十分な強度を有していることが確認できた。また、加速環境試験後も同じく、本発明例および比較例のはんだ合金ともに、剥離が生じなかった。これより、本発明例のはんだ合金は、加速環境試験後において十分な接合強度を有していることが確認できた。
(評価試験2)
試料は、表2の組成になるように作製したはんだ合金を直径1mmの線材に加工したはんだ線材を用いた。はんだ合金の素材酸化を評価するために、加速環境試験として、85℃85RH%とした高温高湿試験機(楠本化成社製 HIFLEX FH06C)内で、1000時間放置した。
はんだ合金の酸素値は、1000ppm以下の場合に、堀場製作所製のEMGA−620Wで測定し、1000ppmを超える場合に、堀場製作所製のEMGA−550を用いて測定した。
表2に示すように、加速環境試験後は、Sbを添加している本発明例のNo.15のはんだ合金の酸素値は、80ppm以下であるのに対し、比較例のNo.16〜No.18のはんだ合金の酸素値は、90ppmを超える値であった。これより、本発明例のはんだ合金は、はんだ合金の素材酸化を抑制できることが確認できた。
(評価試験3)
被接合材として、30mm角・厚さ3mmにカットしたホウケイ酸ガラス(製品名TEMPAX)を用い、予めホットプレート上で約260℃に加熱した。その後、はんだ合金をガラス板上に置き、約370℃に加熱したはんだこて(黒田テクノ社製 超音波はんだ付け装置 SUNBUNDER USM−III)に超音波振動を印加しながら、はんだ合金の厚みが約110μmとなるようにガラス板一面に塗布して大気中で徐冷した。
そして、はんだ合金・ガラス板のはんだ表面が、酸化することで生じると思われるはんだ表面の黒化抑制の効果を確認するため、加速環境試験として、85℃85RH%とした高温高湿試験機(楠本化成社製 HIFLEX TH401A)内で試験片を1000時間放置した。
はんだ表面の黒化は、実施例1の評価試験1と同様に、加速環境試験前(a)後(b)のはんだ表面のCIE 1964 Yxy表色系で規定される反射率YaおよびYbを測定し、変化率((Ya−Yb)/Ya)×100(%)で評価した。なお、この時の受光範囲は、直径8mmとし、反射率は、はんだ表面を4等分して、4箇所測定した値の平均値とした。
表2に示すように、本発明例であるNo.15の変化率は、22%以下であり、反射率の低下が抑制され、光沢があるのに対して、比較例の変化率は、いずれも45%以上であり、反射率の低下が大きく、光沢が失われていた。これより、本発明のはんだ合金は、加速環境試験において、はんだ表面の黒化を抑制できることが確認できた。
次に、はんだ表面の明度は、実施例1の評価試験1と同様に、加速環境試験前(a)後(b)のはんだ表面のCIE 1976 L表色系で規定される明度(L)を測定し、加速環境試験後の値Lbから加速環境試験前の値Laを引いた明度差で評価した。なお、このときの受光範囲は、直径8mmとし、明度は、はんだ表面を4等分し、4箇所測定した値の平均値とした。
表2に示すように、本発明例であるNo.15の明度差は、−7.5%より小さく、明るいのに対して、比較例の明度差は、いずれも−19.5%より大きく、暗かった。これより、本発明のはんだ合金は、加速環境試験において、はんだ表面の黒化を抑制できることが確認できた。
Figure 2011235294

Claims (7)

  1. 質量%で、Zn:0.5〜9.0%、Sb:0.1〜4.0%およびTi:0.005〜0.3%を含み、残部Snおよび不可避的不純物からなることを特徴とするはんだ合金。
  2. 質量%で、Zn:0.5〜7.0%であることを特徴とする請求項1に記載のはんだ合金。
  3. 質量%で、Sb:0.5〜3.5%であることを特徴とする請求項1または2に記載のはんだ合金。
  4. 質量%で、Ti:0.005〜0.2%であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のはんだ合金。
  5. 質量%で、Al:0.2%以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のはんだ合金。
  6. 酸化物または酸化表面を有する部材を接合するものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のはんだ合金。
  7. 請求項1ないし5のいずれかに記載のはんだ合金で酸化物または酸化表面を有する部材が接合されてなることを特徴とするはんだ接合体。
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