JP2011235261A - 板状積層体の製造方法 - Google Patents

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昌樹 杉原
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Abstract

【課題】ステンレス鋼板からなる鋳型の表面状態によらず、鋳型と硬化被膜との剥離性が良好な板状積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】ステンレス鋼板からなる鋳型の表面に分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体を含有する硬化性混合物からなる塗膜層を形成した後に該塗膜層に活性エネルギー線を照射して硬化させて硬化被膜を形成する工程〔1〕、該硬化被膜の表面にビニル単量体の層を形成した後に該ビニル単量体を重合してビニル重合体層を形成して該硬化被膜と該ビニル重合体層からなる積層体を製造する工程〔2〕、及び鋳型の表面から該積層体を剥離する工程〔3〕を有する板状積層体の製造方法において、記硬化被膜と前記鋳型との間の剥離強度が0.5N/m以上6N/m以下となるように離型剤を前記硬化性混合物に添加する板状積層体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は耐擦傷性等に優れた硬化被膜を有する板状積層体の製造方法に関する。
従来、硬化被膜を有する板状積層体の製造方法としては、セルキャスト法や連続製板法が知られている。セルキャスト法は、周囲をポリ塩化ビニル等のガスケットでシールした無機ガラス又は金属板からなる一対の鋳型に耐擦傷性等に優れた硬化被膜を形成した後、この硬化被膜が形成された鋳型にビニル単量体を注入し、鋳型内で重合させて基材樹脂層の表面に硬化被膜が積層された板状積層体を得る方法である。また連続製板法は、1枚の鏡面研磨されたステンレス鋼板のエンドレスベルトからなる鋳型又は上下に相対するように配置された2枚のステンレス鋼板のエンドレスベルトとその両側辺部にベルト間に挟まれたガスケットでシールされて形成される少なくとも1枚の鋳型に耐擦傷性等に優れた硬化被膜を形成した後、この硬化被膜が形成された鋳型にビニル単量体とその重合体からなる重合体溶液又は熱可塑性樹脂を溶解したビニル単量体溶液(以下、「シラップ」という場合がある)を連続的に供給して重合させて基材樹脂層の表面に硬化被膜が積層された板状積層体を得る方法である。
これら従来の製造方法では、硬化被膜が鋳型と強固に密着して容易に剥離できないために板状成形物を鋳型から剥離させることが困難であった。
この問題を解決する方法として、特許文献1には硬化被膜と接触するステンレス鋼板の表面を濃度1〜50質量%の硝酸溶液でエッチング処理する方法が提案されている。また、特許文献2には硬化被膜を形成させるための単量体原料中に剥離剤を添加する方法が提案されている。
しかしながら、ステンレス鋼板からなる鋳型の表面状態によっては、これらの方法でも、剥離ができない場合がある。或いは逆に、剥離性が良すぎるために硬化皮膜を形成した直後に硬化被膜の端部が鋳型から剥れてしまい、鋳型へシラップを注入する際に鋳型と硬化被膜との間にシラップが流れ込み、シラップの重合時に硬化皮膜が重合収縮し、硬化皮膜が縮れるという問題があった。
特開2009−279822号公報 特公昭47−13147号公報
本発明の目的は、ステンレス鋼板からなる鋳型の表面状態によらず、鋳型と硬化被膜との剥離性が良好な板状積層体の製造方法を提供することである。
前記課題は、以下の本発明によって解決される。
本発明は、ステンレス鋼板からなる鋳型の表面に分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体を含有する硬化性混合物からなる塗膜層を形成した後に該塗膜層に活性エネルギー線を照射して硬化させて硬化被膜を形成する工程〔1〕、該硬化被膜の表面にビニル単量体の層を形成した後に該ビニル単量体を重合してビニル重合体層を形成して該硬化被膜と該ビニル重合体層からなる積層体を製造する工程〔2〕、及び鋳型の表面から該積層体を剥離する工程〔3〕を有する板状積層体の製造方法において、前記硬化被膜と前記鋳型との間の剥離強度が0.5N/m以上6N/m以下となるように離型剤を前記硬化性混合物に添加する板状積層体の製造方法である。
本発明により、耐擦傷性等に優れた硬化被膜を積層させた板状積層体を製造する際に、ステンレス鋼板からなる鋳型の表面状態に係らず、鋳型と硬化被膜との剥離不良トラブルを回避することができることから、安定した生産が可能となる。
〔ステンレス鋼板〕
本発明で使用されるステンレス鋼板の材質としては、例えば、オーステナイト系(SUS304、SUS316等)、フェライト系(SUS430等)及びマルテンサイト系(SUS403等)が挙げられる。これらの中では、耐食性の点でオーステナイト系が好ましい。また、ステンレス鋼板の表面状態としては、得られる硬化被膜の表面が平滑になるように鏡面研磨処理されていることが好ましい。ステンレス鋼板のサイズは特に限定されないが、幅はおよそ100〜3000mm程度であることが好ましく、厚みはおよそ0.2〜5mm程度であることが好ましい。
〔鋳型〕
鋳型としては連続製板法等で使用されている公知のものが挙げられる。例えば、所定間隔をもって配置された一対の相対するエンドレスベルト、及び該エンドレスベルトの幅方向の両端部付近に前記所定間隔に等しい厚みをもって配設されたシール用ガスケットで構成された鋳型である。
〔硬化性混合物〕
工程〔1〕において使用される硬化性混合物は分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体を含有する。このような単量体としては、例えば、1モルの多価アルコールと2モル以上の(メタ)アクリル酸又はその誘導体とから得られるエステル化物、多価アルコール、多価カルボン酸又はその無水物及び(メタ)アクリル酸又はその誘導体とから得られるエステル化物並びにその他の多官能性単量体が挙げられる。
尚、本発明において、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」及び「(メタ)アクリレート」はそれぞれアクリロイル又はメタクリロイル、アクリル又はメタクリル、及びアクリレート又はメタクリレートを意味する。
上記の1モルの多価アルコールと2モル以上の(メタ)アクリル酸又はその誘導体とから得られるエステル化物としては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート及びトリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記の多価アルコール、多価カルボン酸もしくはその無水物及び(メタ)アクリル酸もしくはその誘導体とから得られるエステル化物としては、例えば、以下に示す多価カルボン酸もしくはその無水物/多価アルコール/(メタ)アクリル酸の組み合わせから得られるものが挙げられる。例えば、マロン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、及び無水マレイン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸の組み合わせが挙げられる。
前記のその他の多官能性単量体としては、例えば、トリメチロールプロパントルイレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネートの3量化により得られるポリイソシアネート1モルに、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、1,2,3−プロパントリオール−1,3−ジ(メタ)アクリレート、3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の活性水素を有するアクリル系単量体3モル以上を反応させて得られるウレタンポリ(メタ)アクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート又はトリ(メタ)アクリレート等のポリ[(メタ)アクリロイルオキシエチレン]イソシアヌレート及びエポキシポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体は1種で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔塗膜層〕
工程〔1〕における鋳型の表面に塗膜層を形成させる方法としては、例えば、エアナイフコート法、流延法、ローラーコート法、バーコート法、噴霧コート法などが挙げられる。これらの中でも、実質的に水平方向に走行させた鋳型上に硬化性混合物を供給した後、塗膜用エアナイフから鋳型上へエアを吹き付けることによって、塗膜層を形成するエアナイフコート法が好ましい。
工程〔1〕における塗膜層の硬化方法としては、硬化時間及び硬化温度の点で活性エネルギー線を用いて硬化させることが好ましい。塗膜層を活性エネルギー線で硬化させる場合には、塗膜層中に光重合開始剤を含有させておくことが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド及びベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイドが挙げられる。これらは1種で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤の添加量は、塗膜層の硬化性の点で塗膜層中に0.1質量%以上が好ましく、得られる硬化被膜の色調を良好とする点で10質量%以下が好ましい。
硬化性混合物中または塗膜層中には、必要に応じて、分子中に1つのビニル基を有する単量体、レベリング剤、導電性無機微粒子、導電性を有さない無機微粒子、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種成分を含有することができる。それらの添加量は硬化性混合物中または塗膜層中に10質量%以下が好ましい。
分子中に1つのビニル基を有する単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、イソプロペニルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸類;及びエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等の架橋性単量体が挙げられる。これらは1種で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔離型剤〕
本発明においては、前記離型剤を硬化性混合物に添加するので、塗膜層中には離型剤が含有されている。離型剤の添加量は、鋳型の表面状態に係らず、硬化被膜と鋳型との間の剥離強度が0.5N/m以上6N/m以下となる量である。硬化被膜の形成時に鋳型からの膜が剥れることを抑制する点で、0.8N/m以上となる量であることが好ましい。また鋳型の表面から硬化被膜が積層された板状積層体を板割れ等の剥離不良を起こすこと無く剥離できる点で、5N/m以下となる量であることが好ましい。離型剤としては、一般式(1)で表される化合物が好ましく、例えば、リン酸モノエチルエステル、リン酸ジエチルエステル、リン酸モノブチルエステル、リン酸ジブチルエステル、リン酸モノ2−エチルヘキシルエステル、リン酸ジ2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を混合して使用できる。
Figure 2011235261
〔式中、R1は炭素数2〜8の分岐していても良いアルキル基であり、mは1又は2の整数である。〕
〔鋳型の表面状態〕
本発明において、ステンレス鋼板からなる鋳型の表面状態は、特に限定されないが、例えば、(1)鋳型の表面を鏡面処理した状態、(2)鏡面処理した後加熱処理した状態、或いは(3)鏡面処理した後硝酸処理した状態、或いはこれら(1)〜(3)のいずれかの処理後にアセトンなどの溶剤に浸漬し乾燥させ数日常温で放置した状態などが挙げられる。
鋳型と硬化被膜との間の剥離強度の求め方としては、特に限定されない。例えば、先ず、鋳型上に離型剤を含有した塗膜層を形成した後、直接紫外線ランプを用いて、照射エネルギーが100〜2000mJ/cm2の範囲で照射し、塗膜層を硬化させて硬化被膜を得る。次いで硬化被膜上の全面に10N/m以上の接着能力があるフィルム或いはテープを貼り付け、鋳型を走行させながらフィルム或いはテープをホースゲージで引き上げることにより鋳型と硬化被膜との間の剥離力を測定することで、剥離強度を求めることができる。
〔硬化被膜〕
工程〔1〕においては、ステンレス鋼板からなる鋳型の表面に形成された塗膜層は硬化されて硬化被膜が得られる。硬化被膜の厚みは特に限定されないが、5〜100μmが好ましい。硬化被膜の厚みが5μm以上で十分な硬化被膜の表面硬度が発現する傾向にあり、また、100μm以下で硬化被膜の着色が抑制される傾向にある。
〔活性エネルギー線〕
塗膜層を硬化させる際に使用される活性エネルギー線としては、X線、紫外線、電子線等が挙げられる。装置の簡便さから特に紫外線が好ましく、例えば、紫外線ランプが挙げられる。紫外線ランプとしては、例えば、高圧水銀灯、メタルハライドランプ及び蛍光紫外線ランプが挙げられる。塗膜層の表面には必要に応じて活性エネルギー線透過性フィルム等を被せた状態で活性エネルギー線を照射することができる。エアーコート法にて塗膜層を形成した場合には、これらのフィルムを被せることなく直接紫外線を照射することが好ましい。
〔ビニル単量体層〕
工程〔2〕においては、硬化被膜の表面にビニル単量体の層を形成した後にビニル単量体を重合させてビニル重合体層を形成させる。
例えば、前記鋳型が一対の相対するエンドレスベルト及び該エンドレスベルトの幅方向の両端部付近に配設するガスケットから構成されており、少なくとも一方のエンドレスベルト上に前記硬化被膜を形成する工程〔1〕を実施した後、該硬化被膜の形成されたエンドレスベルトを含む一対のエンドレスベルト間に前記ビニル単量体の層を形成し、このビニル単量体を重合する方法が挙げられる。
ビニル単量体としては、例えば、メチルメタクリレート又はメチルメタクリレート及びこれと共重合可能な他のビニル単量体を含有する単量体混合物が挙げられる。
共重合可能な他のビニル単量体としては、例えば、メチルアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、イソプロペニルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸類;及びエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等の架橋性単量体が挙げられる。これらは1種で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
またビニル単量体としては、前記のシラップを使用することができる。
ビニル単量体中には重合開始剤、及び必要に応じて分子量調整剤を含有することができる。
重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ系重合開始剤及びベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート等の有機過酸化物が挙げられる。
分子量調整剤としては、例えば、n−ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のアルキルメルカプタンが挙げられる。
本発明においては、必要に応じてビニル単量体中に染料、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤、難燃剤、可塑剤、剥離剤、連鎖移動剤、架橋剤等の添加剤を含有させることができる。
硬化被膜の表面にビニル単量体の層を形成する方法としては、例えば、硬化被膜が形成された鋳型の硬化被膜の表面側の辺部をガスケットでシールした後にビニル単量体を流延する方法が挙げられる。この場合、ビニル単量体層の表面にフィルムを被覆して単量体層をシールしてもよい。
また、硬化被膜の表面にビニル単量体の層を形成する別の方法として、硬化被膜が形成された鋳型の硬化被膜の表面側に、鋳型の周辺に配置されたシール用のガスケット等を介して、ガラス、鋼板等からなる別の鋳型を重なるように設置し、これらの両鋳型で形成された空間部にビニル単量体を注入する方法も挙げられる。
〔ビニル重合体層〕
ビニル重合体層はビニル単量体を重合することにより形成される。これによって硬化被膜とビニル重合体層が積層された積層体が製造される。重合温度は使用する重合開始剤の種類により異なるが、重合反応の制御のし易さ、生産性等の点で40〜140℃が好ましい。また、重合を2段階で実施し、第1段目の重合を40〜90℃とし、第2段目の重合を100〜140℃とするのがより好ましい。
生産性の観点から、積層体の厚みは、0.5〜20mmが好ましい。
〔剥離工程〕
この積層体を鋳型の表面から剥離することにより板状積層体が得られる。
以下、実施例により本発明を説明する。
[実施例1〜6、比較例1〜6]
(1.硬化被膜の形成)
ステンレス鋼板(材質;SUS304、大きさ;縦100mm、横100mm、厚み1.5mm)12枚を用いて、各4枚に対して下記(1)、(2)または(3)の処理を施した。
(1)鏡面研磨処理、
(2)鏡面研磨後、140℃で1時間熱風加熱処理、
(3)鏡面研磨後、常温で1時間アセトン浸漬処理し、常温で1日放置。
一方、コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸(モル比:1/2/4)の縮合混合物(大阪有機化学工業(株)製、商品名:TAS)50質量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、商品名:C6DA)50質量部及びベンゾインエチルエーテル(精工化学(株)製、商品名:BEE)1.5質量部からなる混合物中に、離型剤としてエチルアシッドホスフェート(城北化学工業(株)製、商品名:JP502)0.001質量部、0.01質量部、0.1質量部、または1質量部を添加した4種類の硬化性混合物を調製した。なお、前記エチルアシッドホスフェートは、C25OP(O)(OH)2で表されるモノエステル、(C25O)2P(O)(OH)で表されるジエステルまたはこれらの混合物である。
前記(1)、(2)または(3)の処理を施された各ステンレス鋼板上に、前記4種類の硬化性混合物をそれぞれ数ミリリットル滴下し、スピンコーターにて、厚み約20μmの塗膜層を各ステンレス鋼板上の全面に形成した。
次いで、これら12枚のステンレス鋼板の塗膜層に対して、紫外線ランプ(アイグラフィック社製アイグランテージECS−401GX)用いて、照射エネルギーが150mJ/cm2となるように紫外線を照射して、硬化被膜を形成した。
(2.硬化被膜と鋳型との間の剥離強度の測定)
これらの各硬化被膜上に、剥離強度が10N/m以上ある粘着シートを貼り付けた後、粘着シートの端部をホースゲージに固定し、硬化被膜付きのステンレス鋼板を移動台車に載せた。その後、ホースゲージを垂直方向に、移動台車を平行方向に同一速度で移動しながら、ホースゲージにて硬化皮膜とステンレス鋼板との間の剥離力Fを測定し、剥離強度(=F/L、L:ステンレス鋼板から硬化被膜を剥がす辺の長さ)を求めた。なお、剥離強度は塗膜層の形成方法(本スピンコート法および後述のエアナイフコート法)に因らず同じであった。結果を表1に示した。
(3.板状積層体の製造)
ステンレス鋼板(材質;SUS304、大きさ;縦650mm、横457mm、厚み3mm)を用い、前記ステンレス鋼板を水平方向に2m/分の速度で走行させたこと、及び、塗膜形成方法をエアナイフコート法としたこと以外は前記(1.硬化被膜の形成)と同様にして、厚み約20μmの塗膜層をステンレス鋼板上に形成した。
次いで、照射エネルギーを1000mJ/cm2としたこと以外は前記(1.硬化被膜の形成)の場合と同様にして紫外線を照射し、硬化被膜を得た。
別途用意したステンレス鋼板と同じ大きさの強化ガラスをステンレス鋼板の硬化被膜が積層された面と向き合うように配置し、それらの間に強化ガラスとステンレス鋼板の四辺の端部にポリ塩化ビニル製ガスケットを配置し、ステンレス鋼板と強化ガラスをクリップで固定して鋳型を作製した。
この鋳型内に、質量平均分子量220,000のポリメチルメタクリレート20質量部をメチルメタクリレート80質量部に溶解した溶液100質量部、t−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂(株)製、商品名:パーヘキシルPV)0.26質量部、ジオクチルスルフォサクシネートのナトリウム塩(日本サイテック インダストリーズ(株)製、商品名:AEROSOL OT−100)0.02質量部及びエチルアシッドホスフェート(城北化学工業(株)製、商品名:JP502)0.02質量部からなるビニル単量体層の原料を注入し、80℃の水浴中で30分、次いで130℃の空気炉で30分間重合した。
(4.剥離性の評価)
その後、空気炉から鋳型を取り出し、ステンレス鋼板の温度が95℃になった後に強化ガラスを取り除き、硬化被膜が積層されたビニル重合体層をステンレス鋼板から剥離しようと試みた。
結果を表1に、記号(○、×)で示した。
○:ステンレス鋼板から硬化被膜が積層されたビニル重合体を剥離でき、板状積層体を得ることができた。
×:ステンレス鋼板から硬化被膜が積層されたビニル重合体を剥離できないか、或いは板割れを起こし、板状積層体が得られなかった。
前記(1)〜(3)のステンレス鋼板の表面状態に係らず、前記剥離強度が0.5〜6N/mの範囲となるときのみ、厚み2mmの板状積層体を得ることが可能であった。
Figure 2011235261

Claims (4)

  1. ステンレス鋼板からなる鋳型の表面に分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体を含有する硬化性混合物からなる塗膜層を形成した後に該塗膜層に活性エネルギー線を照射して硬化させて硬化被膜を形成する工程〔1〕、該硬化被膜の表面にビニル単量体の層を形成した後に該ビニル単量体を重合してビニル重合体層を形成して該硬化被膜と該ビニル重合体層からなる積層体を製造する工程〔2〕、及び鋳型の表面から該積層体を剥離する工程〔3〕を有する板状積層体の製造方法において、前記硬化被膜と前記鋳型との間の剥離強度が0.5N/m以上6N/m以下となるように離型剤を前記硬化性混合物に添加する板状積層体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の板状積層体の製造方法において、離型剤が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする板状積層体の製造方法。
    Figure 2011235261
    〔式中、R1は炭素数2〜8の分岐していても良いアルキル基であり、mは1又は2の整数である。〕
  3. 請求項1または2に記載の板状積層体の製造方法において、実質的に水平方向に走行させた前記鋳型上に前記硬化性混合物を供給した後、塗膜用エアナイフから鋳型上へエアを吹き付けることによって工程〔1〕の前記塗膜層を形成することを特徴とする板状積層体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の板状積層体の製造方法において、前記鋳型が一対の相対するエンドレスベルト及び該エンドレスベルトの幅方向の両端部付近に配設するガスケットから構成されており、少なくとも一方のエンドレスベルト上に前記硬化被膜を形成する工程〔1〕を実施した後、該硬化被膜の形成されたエンドレスベルトを含む一対のエンドレスベルト間に前記ビニル単量体層を形成し、重合することを特徴とする板状積層体の連続的製造方法。
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