JP2011233680A - 剥離装置及び剥離方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウエハからサポートプレートを、より短時間で剥離する。
【解決手段】本発明に係る剥離装置は、ウエハ2と、接着剤層4を介してウエハ2に貼着されたサポートプレート3とを含む積層体1から、サポートプレート3を剥離する剥離装置10であり、接着剤層4を溶解させる溶剤を積層体1に供給し、積層体1上において滞留させる溶剤供給チャンバ11と、少なくとも溶剤を振動させる振動部17と、積層体1に対して振動部17を相対移動させる回転部18とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、支持板が貼着された基板から、支持板を剥離する剥離装置及び剥離方法に関する。
携帯電話、デジタルAV機器及びICカード等の高機能化に伴い、搭載される半導体シリコンチップ(以下、チップ)を小型化及び薄板化することによって、パッケージ内にチップを高集積化する要求が高まっている。パッケージ内のチップの高集積化を実現するためには、チップの厚さを25〜150μmの範囲にまで薄くする必要がある。
しかしながら、チップのベースとなる半導体ウエハ(以下、ウエハ)は、研削することにより肉薄となるため、その強度は弱くなり、ウエハにクラック又は反りが生じやすくなる。また、薄板化することによって強度が弱くなったウエハを自動搬送することは困難であるため、人手によって搬送しなければならず、その取り扱いが煩雑であった。
そのため、研削するウエハにサポートプレートと呼ばれる、ガラス、硬質プラスチック、シリコン等からなるプレートを貼り合わせることによって、ウエハの強度を保持し、クラックの発生及びウエハの反りを防止するウエハサポートプレートシステムが開発されている。ウエハサポートプレートシステムによりウエハの強度を維持することができるため、薄板化した半導体ウエハの搬送を自動化することができる。
ウエハとサポートプレートとは、粘着テープ、熱可塑性樹脂、接着剤等を用いて貼り合わせられている。サポートプレートが貼り付けられたウエハを薄板化した後、ウエハをダイシングする前に、サポートプレートをウエハから剥離する。例えば、接着剤を用いてウエハとサポートプレートとを貼り合わせた場合、接着剤を溶解させてウエハをサポートプレートから剥離する。
このように、ウエハからサポートプレートを剥離する技術として、特許文献1には、孔開きサポートプレート上に溶剤を供給し、孔を介して溶剤を接着剤層に到達させる技術が記載されている。また、特許文献2には、ウエハとサポートプレートとを接着する接着剤層を溶解するとき、サポートプレートの面上に溶剤を供給し、溶剤を振動させることによって、溶剤による接着剤の溶解反応を促す技術が記載されている。
特開2008−177412号公報(2008年7月31日公開) 特開2001−185519号公報(2001年7月6日公開)
ウエハからサポートプレートを剥離するとき、接着剤が部分的に溶け残るような場合には、溶け残り部分が溶解してから剥離する必要がある。特許文献1及び2に記載の技術においては、サポートプレートの孔を介して溶剤を接着剤層に供給するため、特に、孔が形成されていないサポートプレートの端部における接着剤層の溶解性が他の部分に比して低くなってしまう。また、特許文献2に記載の技術では、振動の伝達にムラがあり、溶け残りが生じてしまう。したがって、接着剤をより均一に溶解させることができれば、より短時間でウエハからサポートプレートを剥離することが可能であり有利である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ウエハからサポートプレートを、より短時間で剥離することが可能な剥離装置及び剥離方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る剥離装置は、基板と、接着剤層を介して当該基板に貼着された支持板とを含む積層体から、当該支持板を剥離する剥離装置であって、上記接着剤層を溶解させる溶剤を上記積層体上において滞留させる滞留手段と、少なくとも上記溶剤を振動させる少なくとも1つの振動部と、上記積層体に対して上記振動部を相対移動させる移動手段とを備えていることを特徴としている。
また、本発明に係る剥離方法は、基板と、接着剤層を介して当該基板に貼着された支持板とを含む積層体から、当該支持板を剥離する剥離方法であって、上記接着剤層を溶解させる溶剤を上記積層体上に供給して滞留させる供給工程と、振動部によって少なくとも上記積層体上に滞留する溶剤を振動させる振動工程と、上記積層体に対して上記振動部を相対移動させる移動工程とを備えていることを特徴としている。
本発明に係る剥離装置は、基板と、接着剤層を介して当該基板に貼着された支持板とを含む積層体から、当該支持板を剥離する剥離装置であって、上記接着剤層を溶解させる溶剤を上記積層体上において滞留させる滞留手段と、少なくとも上記溶剤を振動させる少なくとも1つの振動部と、上記積層体に対して上記振動部を相対移動させる移動手段とを備えているので、基板から支持板をより短時間で剥離することが可能である。
本発明の一実施形態に係る剥離装置の概略を示す断面図である。 (a)〜(f)は、本発明の一実施形態に係る剥離方法の概略を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る剥離装置の概略を示す断面図である。
〔第1実施形態〕
(剥離装置10)
本発明の一実施形態に係る剥離装置について、図1を参照して以下に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る剥離装置10の概略を示す断面図である。剥離装置10は、ウエハ(基板)2と、接着剤層4を介してウエハ2に貼着されたサポートプレート(支持板)3とを含む積層体1から、サポートプレート3を剥離するための装置である。剥離装置10は、積層体1に接着剤層4を溶解させる溶剤を供給し、積層体1上において溶剤を滞留させる溶剤供給チャンバ(滞留手段)11を備えている。積層体1に貼り付けられたダイシングテープ5はダイシングフレーム6に固定されている。
本実施形態において、溶剤供給チャンバ11は、積層体1のウエハ2側に貼り付けられたダイシングテープ5に、積層体1のサポートプレート3側から接触することによって、ダイシングテープ5との間に、溶剤を滞留させる滞留部12を構成する。溶剤供給チャンバ11は、その内部、すなわち滞留部12内に積層体1を収容するようになっている。滞留部12は、溶剤供給チャンバ11がダイシングテープ5に接触することによって、溶剤供給チャンバ11とダイシングテープ5との間に形成される空間により構成されている。
溶剤供給チャンバ11は、その側面に、滞留部12に溶剤を供給するための中央供給口(供給口)19と、滞留部12内の溶剤を排出するための排出口(回収口)14及び15とを備えている。なお、溶剤供給チャンバ11においては、排出口14及び15から溶剤を供給し、中央供給口19から溶剤を排出することも可能である。中央供給口19は、溶剤供給チャンバ11の積層体1側の面の中央から、溶剤供給チャンバ11の側面に貫通するように設けられている。また、排出口14及び15は、溶剤供給チャンバ11の積層体1側の面から、溶剤供給チャンバ11の側面に貫通するように設けられている。排出口14及び15は、真空ポンプなどの減圧手段(図示せず)に接続されており、排出口14及び15内を減圧することによって、溶剤を排出する。
また、溶剤供給チャンバ11とダイシングテープ5との接触部分は、Oリング13によって封止されており、滞留部22内に供給された溶剤が、外部に漏れ出さないようになっている。また、Oリング13を用いずに、溶剤供給チャンバ11とダイシングテープ5との接触部分の表面張力によって、滞留部12内に溶剤を保持し、溶剤が外部に漏れ出さないようにしてもよい。なお、滞留部12内は、供給された後一定時間滞留部12内に留まる溶剤が積層体1に浸透するようになっていればよく、中央供給口19から供給された溶剤が排出口14及び15から排出されることによって、滞留部12内において溶剤の流れが生じていてもよい。
剥離装置10は、また、溶剤供給チャンバ11上に設けられ、少なくとも溶剤供給チャンバ11内に供給された溶剤を振動させる、少なくとも1つの振動部17を備えている。また、本実施形態において、剥離装置10は、振動部17の振動を滞留部12内において滞留する溶剤に伝達する振動伝達部16を備えている。振動伝達部16は、振動部17と滞留部12との間に位置している。振動伝達部16は、溶剤供給チャンバ11に一体形成されていてもよい。振動伝達部16は、振動部17から生じた振動を滞留部12内において滞留する溶剤に伝達するものであり、内部に空洞を有する筐体により構成することができる。
振動伝達部16内の空洞は、溶剤供給チャンバ11の中央を中心としていわゆるドーナツ状に形成されており、振動伝達部16において振動部17の下には空洞が位置するようになっている。そして、振動伝達部16の空洞中には、液体が充填されていてもよい。振動伝達部16の内部の空洞に液体が充填されていることによって、振動部17からの振動は液体中において拡散される。したがって、振動部17からの振動をより広範囲に伝達することが可能である。
振動伝達部16は、振動部17からの振動を効率よく滞留部12内の溶剤に伝達し得るように、ステンレス等の振動の伝達効率がよい金属により構成されていることが好ましい。振動伝達部16の厚さ方向の長さは、振動部17から伝達される振動の振幅が、振動伝達部16の滞留部12側の面に到達するときに最大になるような長さにすることが好ましい。これにより、滞留部12内の溶剤に効率よく振動を伝達することができる。
振動部17は、例えば、振動部17自体が振動すること等によって振動を生じさせるバイブレータ、超音波(US)を発生させる超音波発生器等である。本実施形態においては、溶剤供給チャンバ11上に、超音波を発生させる7つの振動部17が設けられているが、これに限定されず、溶剤供給チャンバ11上において振動が生じるように、少なくとも1つの振動部17を備えていればよい。また、振動部17は、滞留部12内において滞留する溶剤全体に振動部17からの振動が伝達されるように、溶剤供給チャンバ11上に等間隔で配置されていることが好ましい。
剥離装置10は、さらに、振動部17を積層体1に対して相対移動させる回転部(移動手段)18を備えている。本実施形態において、回転部18は、溶剤供給チャンバ11を保持して上昇し、溶剤供給チャンバ11を吊り下げた状態で積層体1上において回動することによって、振動部17を積層体1に対して相対移動させる。振動伝達部16は、溶剤供給チャンバ11に一体形成されているので、溶剤供給チャンバ11の回動に伴って、積層体1の周囲に沿って回動する。そして、振動伝達部16上に設けられた振動部17は、振動伝達部16の回動に伴って、積層体1の周囲に沿って回動する。
このように、回転部18は、溶剤供給チャンバ11及び振動伝達部16を、積層体1の周囲に沿って回動させることによって、振動部17を積層体1に対して相対移動させる。これにより、振動部17からの振動が滞留部12内の溶剤に均一に伝達されるので、積層体1の全面に溶剤を均一に浸透させ、接着剤層4の溶け残りを防止することができる。その結果、より短時間で接着剤層4を溶解することが可能であり、ウエハ2からサポートプレート3をより短時間で剥離することができる。また、剥離装置10において、中央供給口19並びに排出口14及び15が、溶剤供給チャンバ11の側面部に設けられているので、溶剤供給チャンバ11の中央部にも振動部17を配置することが可能であり、これにより、積層体1の中央部近傍にも振動部17からの振動を効率よく伝達させ、接着剤層4の溶け残りをより効果的に防止することができる。
ここで、溶剤供給チャンバ11は、溶剤供給チャンバ11とダイシングテープ5とにより構成される滞留部12の外径が、積層体1の外径の最大径よりも大きくなるように構成されている。これにより、溶剤供給チャンバ11によって、積層体1のサポートプレート3側の面と積層体1の側面とを覆い、滞留部12内に積層体1を収容することができる。なお、滞留部12において、積層体1のサポートプレート3側の端面に対向する面は、当該端面の形状と異なっていてもよい。すなわち、滞留部12は、積層体1の形状に対応する形状である必要はなく、積層体1を内部に収容することが可能であれば、その形状は特に限定されない。例えば、積層体1のサポートプレート3側の面がオリフラを有する形状であるとき、積層体1を収容することができれば、溶剤供給チャンバ11のサポートプレート3に対向する面はオリフラに対応する部分を有さない円形状であってもよい。
回転部18は、溶剤供給チャンバ11を、連続して回動させてもよく、30度回動させて一端停止し、さらに30度回動させるというように不連続に回動させてもよい。また、溶剤供給チャンバ11を回動させるタイミングとしては、振動部17を振動させ始めてから回動させて、振動部17による振動と溶剤供給チャンバ11の回動とを同時に行ってもよい。また、振動部17を一定時間振動させて振動を停止した後、溶剤供給チャンバ11を回動させて停止し、さらに振動部27を振動させるというように、振動部27による振動と溶剤供給チャンバ11の回動とを交互に行ってもよい。
本実施形態においては、溶剤供給チャンバ11とダイシングテープ5との接触部分を封止するOリング13は、溶剤の漏れを防止しつつ、溶剤供給チャンバ21の回転を妨げることがないように構成されていることが好ましく、例えば、テフロン(登録商標)カプセルOリング等を好適に使用可能である。回転部18が溶剤供給チャンバ21を回動させるとき、回動前に滞留部12内の溶剤を排出し、溶剤供給チャンバ11を一端上部方向に持ち上げて回動させた後、Oリング13がダイシングテープ5に接触するまで溶剤供給チャンバ11を下降させ、再度滞留部12内に溶剤を供給してもよい。
ここで、接着剤層4は、非極性溶剤に対して溶解性を示す接着化合物又は高極性溶剤に対して溶解性を示す接着化合物によって形成されている。したがって、溶剤供給チャンバ11は、中央供給口19から、接着剤層4を溶解する溶剤として、非極性溶剤又は高極性溶剤を供給する。すなわち、接着剤層4が非極性溶剤に対して溶解性を示す接着化合物により形成されている場合、溶剤として非極性溶剤を使用し、接着剤層4が高極性溶剤に対して溶解性を示す接着化合物により形成されている場合、溶剤として高極性溶剤を使用する。非極性溶剤及び高極性溶剤としては、後述するものを好適に使用可能である。
このように、剥離装置10によれば、接着剤層4を溶解する溶剤として非極性溶剤又は高極性溶剤を使用するので、溶剤がダイシングテープ5に付着したとしても、ダイシングテープ5にダメージを与えることがない。ダイシングテープ5の接着層は、通常、アクリル系の接着剤により形成されているため、非極性溶剤及び高極性溶剤に対して耐性がある。したがって、ダイシングテープ5に溶剤が付着することを考慮することなく、積層体1を内部に収容する滞留部12内に溶剤を滞留させ、積層体1のサポートプレート3側の面と積層体1の側面とが、溶剤によって覆われるように溶剤を供給することができる。
従来の剥離装置においては、ダイシングテープ5に溶剤が付着するとダイシングテープ5がダメージを受けるため、溶剤供給チャンバとサポートプレート3との接触部をOリングによって封止し、サポートプレート3上にのみ溶剤を供給して接着剤層を溶解していた。そのため、特に、孔が形成されていないサポートプレート3の端部への溶剤の供給に長時間を要し、結果としてサポートプレート3をウエハ2から剥離するのに長時間を要していた。
本実施形態に係る剥離装置10によれば、積層体1のサポートプレート3側の面と側面とに溶剤が滞留するように、滞留部12が形成されるので、溶剤は、サポートプレート3の貫通孔を介して積層体1内に浸入して接着剤層4に達し、さらに、積層体1の側面からも接着剤層4に達する。したがって、サポートプレート3において孔が形成されていない端部においても、十分に溶剤が接着剤層4に浸透し、効率よく接着剤層4を溶解させることができる。その結果、より短時間でウエハ2からサポートプレート3を剥離することが可能である。
(積層体1)
積層体1において、ウエハ2とサポートプレート3とは、接着剤層4により貼り合わせられている。本実施形態においては、サポートプレート3として、その厚さ方向に複数の貫通孔を有する孔開きサポートプレート3を用いている。孔開きサポートプレート3を用いることによって、接着剤層4への孔を介した溶剤の供給が可能である。積層体1のウエハ2は、円形状であっても、一部にオリフラを有することにより円形状でないものであってもよい。サポートプレート3は、ウエハ2を保持できる形状であればよいが、ウエハ2に対応する形状であることが好ましい。
(接着剤層4)
接着剤層4は、非極性溶剤に対して溶解性を示す接着化合物、又は高極性溶剤に対して溶解性を示す接着化合物により形成されている。したがって、接着剤層4は、非極性溶剤又は高極性溶剤によって溶解し、ウエハ2からサポートプレート3を剥離することが可能となる。
非極性溶剤溶解性を示す接着化合物としては、例えば炭化水素樹脂が挙げられる。炭化水素樹脂としては、シクロオレフィンから誘導される構成単位を有する樹脂、テルペン系樹脂等が挙げられるが、これに限定されない。また、シクロオレフィンから誘導される構成単位を有する樹脂として、シクロオレフィン系ポリマー(以下、「樹脂(A)」ということがある)が挙げられるが、これに限定されない。
前記樹脂(A)としては、シクロオレフィン系モノマー(a1)を含む単量体成分を重合してなる樹脂である。具体的には、シクロオレフィン系モノマー(a1)を含む単量体成分の開環(共)重合体、シクロオレフィン系モノマー(a1)を含む単量体成分を付加(共)重合させた樹脂などが挙げられる。
前記樹脂(A)を構成する単量体成分に含まれる前記シクロオレフィン系モノマー(a1)としては、例えば、ノルボルネン、ノルボルナジエンなどの二環体、ジシクロペンタジエン、ジヒドロキシペンタジエンなどの三環体、テトラシクロドデセンなどの四環体、シクロペンタジエン三量体などの五環体、テトラシクロペンタジエンなどの七環体、またはこれら多環体のアルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)置換体、アルケニル(ビニルなど)置換体、アルキリデン(エチリデンなど)置換体、アリール(フェニル、トリル、ナフチルなど)置換体等が挙げられる。これらの中でも特に、下記一般式(1)で示されるような、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、またはこれらのアルキル置換体からなる群より選ばれるノルボルネン系モノマーが好ましい。
Figure 2011233680
(式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、nは0または1である。)
前記樹脂(A)を構成する単量体成分は、前記シクロオレフィン系モノマー(a1)と共重合可能な他のモノマーを含有していてもよく、例えば、下記一般式(2)で示されるようなアルケンモノマー(a2)をも含有することが好ましい。アルケンモノマー(a2)としては、例えば、エチレン、α−オレフィンなどが挙げられる。前記アルケンモノマー(a2)は、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよい。
Figure 2011233680
(式(2)中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5のアルキル基である。)
前記樹脂(A)を構成する単量体成分は、その50質量%以上が前記シクロオレフィン系モノマー(a1)であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上が前記シクロオレフィン系モノマー(a1)であるのがよい。シクロオレフィン系モノマー(a1)が単量体成分全体の50質量%以上であると、高温環境下における接着強度が良好なものとなる。
なお、前記樹脂(A)は、例えば、上述した式(1)で示されるシクロオレフィン系モノマー(a1)と上述した式(2)で示されるアルケンモノマー(a2)とからなる単量体成分を重合させてなる樹脂のように、極性基を有していない樹脂であることが、高温下でのガスの発生を抑制するうえで好ましい。
前記単量体成分を重合する際の重合方法や重合条件等については、特に制限はなく、常法に従い適宜設定すればよい。
前記樹脂(A)として用いることのできる市販品としては、例えば、ポリプラスチックス社製の「TOPAS」、三井化学社製の「APEL」、日本ゼオン社製の「ZEONOR」や「ZEONEX」、JSR社製の「ARTON」などが挙げられる。
前記樹脂(A)のガラス転移点(Tg)は、60℃以上であることが好ましい。特に好ましくは、樹脂(A)のガラス転移点は70℃以上であるのがよい。樹脂(A)のガラス転移点が60℃以上であると、接着剤組成物が高温環境に曝されたときに接着層の軟化を抑制することができる。
前記テルペン系樹脂(以下、「樹脂(B)ということがある」)としては、例えば、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、水添テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。これらの中でも、水添テルペン樹脂が好ましい。
前記樹脂(B)の軟化点は、80〜160℃であることが重要である。樹脂(B)の軟化点が80℃未満であると、接着剤組成物が高温環境に曝されたときに軟化してしまい、接着不良を生じる。一方、樹脂(B)の軟化点が160℃を超えると、接着剤組成物を剥離する際の剥離速度が遅くなる。
前記樹脂(B)の分子量が300〜3000であることが重要である。前記樹脂(B)の分子量が300未満であると、耐熱性が不充分となり、高温環境下において脱ガス量が多くなる。一方、樹脂(B)の分子量が3000を超えると、接着剤組成物を剥離する際の剥離速度が遅くなる。なお、本発明における樹脂(B)の分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の分子量を意味するものである。
前記樹脂(A)、前記樹脂(B)はそれぞれ単独で用いても良く、混合して用いても良い。混合して用いる場合、前記樹脂(A)と前記樹脂(B)との配合割合は、(A):(B)=80:20〜55:45(質量比)である。前記樹脂(A)が前記範囲よりも多すぎると(換言すれば、前記樹脂(B)が前記範囲よりも少なすぎると)、接着剤組成物を剥離する際の剥離速度が遅くなり、一方、前記樹脂(A)が前記範囲よりも少なすぎると(換言すれば、前記樹脂(B)が前記範囲よりも多すぎると)、接着剤組成物が高温環境に曝されたときに軟化してしまい、接着不良を生じる。
また、高極性溶剤に対して溶解性を示す接着化合物として、例えば、コラーゲンペプチド、セルロース、ポリビニルアルコール(PVA)、でんぷん等が挙げられるが、これに限定されない。
コラーゲンペプチドは、ポリペプチド鎖がらせん状に会合したコラーゲン分子を、加熱により変性させることによって、らせんの一部がほぐれてゼラチン化したものを加水分解することによって生成することができる。コラーゲン分子としては、哺乳類由来のコラーゲン分子及び魚類由来のコラーゲン分子を好適に使用可能である。また、コラーゲン分子としては、一般に市販されているものを用いることができるが、生成されるコラーゲンペプチドの極性溶媒に対する溶解速度が、100〜300nm/secであるようなコラーゲン分子が好ましく、200nm/secであるコラーゲン分子が特に好ましい。
接着剤層4は、非極性溶剤に対して溶解性を示す接着化合物及び高極性溶剤に対して溶解性を示す接着化合物の何れかによって形成されていればよく、積層体1に施す処理に適したものを適宜選択すればよい。例えば、ウエハ2の薄化プロセスにおいて大量の水を使用するような場合には、高極性溶剤に対して溶解性を示す接着化合物により形成したと接着剤層4を用いると、接着剤層4が溶解する可能性があるため、非極性溶剤に対して溶解性を示す接着化合物により形成した接着剤層4を用いることが好ましい。
接着剤層4の層厚は、ウエハ2とサポートプレート3との接着及び耐熱性を維持する層厚であればよい。接着剤層4は、ウエハ2又はサポートプレート3上に上記接着化合物を塗布し、これらの上において層状に固化させることによって形成することができる。また、予め接着化合物を層状に固化させたものをウエハ2又はサポートプレート3上に移動させることによって形成してもよい。
(剥離方法)
本発明の一実施形態に係る剥離方法は、ウエハ2と、接着剤層4を介してウエハ2に貼着されたサポートプレート3とを含む積層体1から、サポートプレート3を剥離する剥離方法であって、接着剤層4を溶解させる溶剤を積層体1上に供給して滞留させる供給工程と、振動部17によって少なくとも積層体1上に滞留する溶剤を振動させる振動工程と、積層体1に対して振動部17を相対移動させる移動工程とを備えていることを特徴としている。
(供給工程)
供給工程においては、剥離処理の対象となる積層体1に対して、接着剤層4を溶解する溶剤を供給し、積層体1上において滞留させる。このとき、少なくとも、積層体1のサポートプレート3側の面と積層体1の側面とが溶剤によって覆われるように、積層体1に溶剤を供給することが好ましい。剥離装置10を用いてウエハ2からサポートプレート3を剥離する場合、溶剤供給チャンバ11は、滞留部12において積層体1を覆うように設けられる。したがって、滞留部12内に供給された溶剤は、滞留部12内において滞留し、積層体1のサポートプレート3側の面と積層体1の側面とが、溶剤によって覆われ、積層体1が溶剤中に浸漬された状態となる。
本実施形態において、接着剤層4は、非極性溶剤に対して溶解性を示す接着化合物又は高極性溶剤に対して溶解性を示す接着化合物によって形成されている。したがって、接着剤層4を溶解する溶剤として、非極性溶剤又は高極性溶剤を用いる。すなわち、接着剤層4が非極性溶剤に対して溶解性を示す接着化合物により形成されている場合、溶剤として非極性溶剤を使用し、接着剤層4が高極性溶剤に対して溶解性を示す接着化合物により形成されている場合、溶剤として高極性溶剤を使用する。
非極性溶剤としては、溶解パラメータ(SP値)が8以下の非極性溶媒を溶剤として好適に使用可能であり、SP値が7.4以下の非極性溶媒を使用することがより好ましい。SP値が7.4以下の非極性溶媒として、例えば炭化水素系溶剤のテルペン系溶剤(メンタン、リモネン、ピネン、ピネン等)、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等やフッ素系溶媒等が挙げられる。
高極性溶剤としては、従来公知の極性溶媒を溶剤として好適に使用可能であるが、SP値が10以上の極性溶媒を使用することが好ましく、SP値が12以上の極性溶媒を使用することがより好ましい。SP値が12以上の極性溶媒として、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
ここで、2種類のダイシングテープ(Aテープ(ポリオレフィン樹脂)及びBテープ(塩化ビニル樹脂)を用いて、溶剤の極性の違いによるダイシングテープの溶解を評価した。まず、各ダイシングテープを30mm×50mmにカットし、処理前の重量を電子天秤により測定した。次に、液温23℃(常温)のメンタン(SP値7.0)、MAK(2−ヘプタノン)(SP値9.0)、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)(SP値9.2)、エタノール(SP値12.9)、又は水(SP値23.4)の各種溶剤にカットしたダイシングテープを10分間浸漬した。各種溶剤に浸漬したダイシングテープを60℃のオーブンにおいて30分間乾燥させ、処理後の重量を電子天秤により測定した。
その結果、Aテープにおいては、MAK、PGMEA、及びエタノールに対して溶解による重量変化が確認され、低極性溶剤であるメンタン及び高極性溶剤である水に対しては、溶解による重量変化が確認されなかった。また、Bテープにおいても、MAK、PGMEA、及びエタノールに対して溶解による重量変化が確認され、特に、極性溶剤であるMAK及びPGMEAに対しては非常に多く溶解したことが確認された。一方、Bテープにおいても、低極性溶剤であるメンタン及び高極性溶剤である水に対しては、溶解による重量変化が確認されなかった。
このように、供給工程においては、接着剤層4を溶解する溶剤として非極性溶剤又は高極性溶剤を使用するので、溶剤がダイシングテープ5に付着したとしても、ダイシングテープ5にダメージを与えることがない。ダイシングテープ5の接着層は、通常、アクリル系の接着剤により形成されているため、非極性溶剤及び高極性溶剤に対して耐性がある。したがって、ダイシングテープ5に溶剤が付着することを考慮することなく、積層体1のサポートプレート3側の面と積層体1の側面とが、溶剤によって覆われるように溶剤を供給することができる。
従来の剥離方法においては、ダイシングテープ5に溶剤が付着するとダイシングテープ5がダメージを受けるため、ダイシングテープ5に溶剤が付着しないように、サポートプレート3上にのみ溶剤を供給して接着剤層を溶解していた。そのため、特に、孔が形成されていないサポートプレート3の端部への溶剤の供給に長時間を要し、結果としてサポートプレート3をウエハ2から剥離するのに長時間を要していた。
本実施形態に係る剥離方法の供給工程によれば、積層体1のサポートプレート3側の面と側面とに上記溶剤が滞留するように、上記溶剤を供給するので、溶剤は、サポートプレート3の貫通孔を介して積層体1内に浸入して接着剤層4に達し、さらに、積層体1の側面からも接着剤層4に達する。したがって、サポートプレート3において孔が形成されていない端部においても、十分に溶剤が接着剤層4に浸透し、効率よく接着剤層4を溶解させることができる。その結果、より短時間でウエハ2からサポートプレート3を剥離することが可能である。なお、溶剤の接着剤層4への浸透及び接着剤層4の溶解を促進するために、供給する溶剤の温度を適宜調節してもよい。
(振動工程)
振動工程においては、少なくとも、供給工程において供給され積層体1上に滞留する溶剤を、振動部17により振動させる。剥離装置10を用いてウエハ2からサポートプレート3を剥離する場合、滞留部12により積層体1を覆うように設けられた溶剤供給チャンバ11の振動伝達部16上に振動部17を載置することによって、振動部17による振動を積層体1上に滞留する溶剤に伝達することができる。振動工程は、供給工程により積層体1に溶剤が供給された後に行ってもよく、供給工程による溶剤の供給と同時に行ってもよい。
(移動工程)
移動工程においては、積層体1に対して振動部17を相対移動させる。このとき、振動部17を、積層体1の周囲に沿って回動させることが好ましい。剥離装置10を用いてウエハ2からサポートプレート3を剥離する場合、溶剤供給チャンバ11を積層体1の周囲に沿って回動させることによって、溶剤供給チャンバ11の振動伝達部16上に載置した振動部17を、積層体1に対して相対移動させることができる。
移動工程は、振動工程により振動部17による振動の開始と同時に行ってもよく、振動工程による振動を停止してから移動工程を行い、その後、再度振動工程による振動を行うというように、振動工程と移動工程とを交互に行ってもよい。また、供給工程により溶剤を供給し、さらに振動工程により振動させた後、供給した溶剤を回収してから、移動工程を行ってもよい。このとき、供給した溶剤を回収し、回転部18により溶剤供給チャンバ11を持ち上げて回転させた後、溶剤供給チャンバ11をダイシングテープ5に接触するまで下降させ、再度供給工程により滞留部12内に溶剤を供給し、振動工程による振動を開始すればよい。
(回収工程及び洗浄工程)
本実施形態に係る剥離方法においては、供給工程において供給した溶剤を、積層体1上において滞留させた後、回収する(回収工程)。回収工程においては、溶剤を積層体1の側面側から回収する。そして、回収工程において溶剤を回収し、接着剤層4が溶解した後、サポートプレート3をウエハ2から剥離する。サポートプレート3をウエハ2から剥離した後、ウエハ2上に非極性溶剤又は高極性溶剤を供給してウエハ2を洗浄してもよい(洗浄工程)。これにより、ウエハ2上に残存する接着剤層4を取り除くことができる。
ここで、本実施形態に係る剥離方法の具体的例ついて、図2(a)〜(f)を参照して説明する。図2(a)〜(f)は、本発明の一実施形態に係る剥離方法の概略を示す図である。本実施形態においては、Oリング13によって溶剤供給チャンバ11とダイシングテープ5との接触部分を封止する構成を例として説明する。
まず、図2(a)に示すように、溶剤供給チャンバ11を積層体1上に移動させ、Oリング13がダイシングテープ5に接触するまで下降させる。このとき、Oリング13の外径が、積層体1の外径よりも大きくなるように構成されているので、溶剤供給チャンバ11が積層体1を覆うように、溶剤供給チャンバ11が積層体1上に載置される。
次に、図2(b)に示すように、排出口14及び15から、溶剤供給チャンバ11とダイシングテープ5との間に形成される滞留部12内の気体を吸引することによって、滞留部12内を減圧する。そして、図2(c)に示すように、中央供給口19から滞留部12内に溶剤を供給する。滞留部12に中央供給口19から溶剤を供給しながら、排出口14及び15から溶剤を吸引して排出することによって、滞留部12内に溶剤を滞留させる。ここで、滞留部12内への溶剤の供給を、まず、初期注入として60秒間行い、その後、振動部17を振動させて、5〜20分間振動処理する。
図2(d)に示すように、排出口14及び15から滞留部12内の溶剤を吸引し、滞留部12内の溶剤を排出する。そして、図2(e)に示すように、滞留部12内の減圧を停止し、中央供給口19から滞留部12内に気体を流入させ(大気開放)、滞留部12内を大気圧にする。そして、図2(f)に示すように、溶剤供給チャンバ11を上昇させ、積層体1の周囲に沿って回動させる。その後、さらに図2(a)〜(f)を所定回数繰り返してもよい。これにより、積層体1上に供給された溶剤は、積層体1の接着剤層4に均一に浸透するので、接着剤層4が短時間で溶解し、より短時間でウエハ2からサポートプレート3を剥離することができる。
〔第2実施形態〕
(剥離装置20)
本発明の他の実施形態に係る剥離装置について、図3を参照して以下に説明する。図3は、本発明の他の実施形態に係る剥離装置20の概略を示す断面図である。図3に示すように、剥離装置20は、積層体1のウエハ2側に貼り付けられたダイシングテープ5と接触することによって、ダイシングテープ5との間に溶剤を滞留させる滞留部22を構成する溶剤供給チャンバ21を備えている。
溶剤供給チャンバ21は、その内部、すなわち滞留部22内に積層体1を収容するようになっている。滞留部22は、溶剤供給チャンバ21がダイシングテープ5に接触することによって、溶剤供給チャンバ21とダイシングテープ5との間に形成される空間により構成されている。溶剤供給チャンバ21は、その中央に、滞留部22に溶剤を供給するための供給口23を備えている。また、溶剤供給チャンバ21は、そのダイシングテープ5との接触面からその側面に貫通するように、滞留部22内の溶剤を排出するための排出口24及び25を備えている。溶剤供給チャンバ21とダイシングテープ5との接触部分は、その接触部分の表面張力によって、滞留部22内に溶剤を保持し、溶剤が外部に漏れ出さないようになっている。
剥離装置20は、さらに、溶剤供給チャンバ21上に設けられた振動部27の振動を、滞留部22内において滞留する溶剤に伝達する振動伝達部26を備えている。振動伝達部26及び振動部27は、第一実施形態の振動伝達部16及び振動部17と同様に構成されるため、その詳細については省略する。
剥離装置20において、積層体1は回転部28の保持台上に保持される。積層体1は、そのダイシングテープ5が貼り付けられている側が回転部28の保持台に接触するように保持される。回転部28は、積層体1のダイシングテープ5をチャッキング機構(図示せず)により保持台上に固定した状態で回転することによって、ダイシングテープ5を回動する。これにより、ダイシングテープ5が貼り付けられた積層体1は、溶剤供給チャンバ21の振動伝達部26上の振動部27に対して相対移動する。これにより、振動部27からの振動を積層体1上に供給された溶剤に均一に伝達することが可能であり、積層体1の接着剤層4に溶剤を均一に浸透させることができる。その結果、より短時間で接着剤層4を溶解することが可能であり、ウエハ2からサポートプレート3をより短時間で剥離することができる。
剥離装置20において、滞留部22に供給された溶剤は、供給チャンバ21とダイシングテープ5との接触部分の表面張力によって滞留部22内に保持されているので、滞留部22内に溶剤が滞留した状態で、回転部28がダイシングテープ5を回動したとしても、溶剤が外部に漏れ出さないようになっている。したがって、剥離装置20においては、滞留部22への溶剤の供給、振動部27の振動、及び回転部28によるダイシングテープの回動を、同時に行ってもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る剥離方法及び剥離装置によれば、より短時間でウエハからサポートプレートを剥離することができるので、例えば、微細化された半導体装置の製造に好適に利用することができる。
1 積層体
2 ウエハ(基板)
3 サポートプレート(支持板)
4 接着剤層
5 ダイシングテープ
6 ダイシングフレーム
10 剥離装置
11 溶剤供給チャンバ(滞留手段)
12 滞留部
13 Oリング
14 排出口(回収口)
15 排出口(回収口)
16 振動伝達部
17 振動部
18 回転部(移動手段)
19 中央供給口(供給口)

Claims (13)

  1. 基板と、接着剤層を介して当該基板に貼着された支持板とを含む積層体から、当該支持板を剥離する剥離装置であって、
    上記接着剤層を溶解させる溶剤を上記積層体上において滞留させる滞留手段と、
    少なくとも上記溶剤を振動させる少なくとも1つの振動部と、
    上記積層体に対して上記振動部を相対移動させる移動手段とを備えていることを特徴とする剥離装置。
  2. 上記滞留手段と上記振動部との間に設けられ、上記積層体上に滞留する上記溶剤に上記振動部による振動を伝達する振動伝達部をさらに備え、
    上記移動手段はさらに、上記振動伝達部を上記積層体に対して相対移動させるようになっており、
    上記振動部は、上記振動伝達部の移動に伴って移動するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の剥離装置。
  3. 上記接着剤層は、非極性溶剤に対して溶解性を示す接着化合物又は高極性溶剤に対して溶解性を示す接着化合物により形成されており、
    上記滞留手段は、上記非極性溶剤又は上記高極性溶剤を滞留させた内部に上記積層体を収容するようになっており、
    上記移動手段は、上記積層体に対して上記振動部を相対的に回動させるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の剥離装置。
  4. 上記滞留手段と上記振動部との間に設けられ、上記積層体上に滞留する上記溶剤に上記振動部による振動を伝達する振動伝達部をさらに備え、
    上記移動手段はさらに、上記振動伝達部を上記積層体の周囲に沿って回動させるようになっており、
    上記振動部は、上記振動伝達部の回動に伴って回動するようになっていることを特徴とする請求項3に記載の剥離装置。
  5. 上記積層体における基板側の端面には、上記積層体の最大径よりも径の大きいダイシングテープが貼着されており、
    上記滞留手段は、上記ダイシングテープに接触することにより形成される、滞留手段と当該ダイシングテープとで囲まれた空間内に上記積層体を収容するようになっており、
    上記積層体を収容したときに当該積層体における支持板側の端面に対向する上記滞留手段の面の形状は、上記支持板側の端面の形状と異なっていることを特徴とする請求項3又は4に記載の剥離装置。
  6. 上記移動手段は、上記ダイシングテープを回動させるようになっていることを特徴とする請求項5に記載の剥離装置。
  7. 上記振動伝達部は、その側面に、上記滞留手段に上記溶剤を供給する供給口、及び上記滞留手段から上記溶剤を回収する回収口をさらに備えていることを特徴とする請求項2又は4に記載の剥離装置。
  8. 基板と、接着剤層を介して当該基板に貼着された支持板とを含む積層体から、当該支持板を剥離する剥離方法であって、
    上記接着剤層を溶解させる溶剤を上記積層体上に供給して滞留させる供給工程と、
    振動部によって少なくとも上記積層体上に滞留する溶剤を振動させる振動工程と、
    上記積層体に対して上記振動部を相対移動させる移動工程とを備えていることを特徴とする剥離方法。
  9. 上記振動工程と上記移動工程とを同時に行うことを特徴とする請求項8に記載の剥離方法。
  10. 上記振動工程と上記移動工程とを交互に行うことを特徴とする請求項8に記載の剥離方法。
  11. 上記接着剤層は、非極性溶剤に対して溶解性を示す接着化合物又は高極性溶剤に対して溶解性を示す接着化合物により形成されており、
    上記供給工程では、少なくとも上記積層体の上記支持板側の端面部及び上記積層体の側面部に、上記非極性溶剤又は上記高極性溶剤を滞留させ、
    上記移動工程では、上記積層体に対して上記振動部を相対的に回動させることを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の剥離方法。
  12. 上記非極性溶剤は、溶解パラメータが8以下の溶剤であることを特徴とする請求項11に記載の剥離方法。
  13. 上記高極性溶剤は、溶解パラメータが10以上の溶剤であることを特徴とする請求項11に記載の剥離方法。
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