JP2011233499A - アルカリ蓄電池用電極およびアルカリ蓄電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極における活物質の占める体積比率の向上、および電池の反応抵抗の低減によって高出力の電池を実現するとともに、電極を捲回または積層したときの活物質の脱落を抑制し、電池の長寿命化を実現可能にする。
【解決手段】アルカリ蓄電池用電極は、導電性の芯材17を集電体とし、この芯材17に複数の略矩形状の貫通孔18を、芯材17の長手方向に沿って平行する直線状に設け、この直線状の貫通孔18の列ごとに芯材17の長手方向に貫通孔18をずらして配列した構成を有する。ここで、芯材17の長手方向における貫通孔18の寸法と貫通孔18同士の間隔との和の半分未満の変位量を、芯材17の幅方向における貫通孔18の列同士の間で有するように、貫通孔18をずらして配列する際の変位量を規定する。
【選択図】図1
【解決手段】アルカリ蓄電池用電極は、導電性の芯材17を集電体とし、この芯材17に複数の略矩形状の貫通孔18を、芯材17の長手方向に沿って平行する直線状に設け、この直線状の貫通孔18の列ごとに芯材17の長手方向に貫通孔18をずらして配列した構成を有する。ここで、芯材17の長手方向における貫通孔18の寸法と貫通孔18同士の間隔との和の半分未満の変位量を、芯材17の幅方向における貫通孔18の列同士の間で有するように、貫通孔18をずらして配列する際の変位量を規定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、アルカリ蓄電池に使用されるアルカリ蓄電池用電極およびそれを用いたアルカリ蓄電池に関する。
近年、携帯電話、PHS、ノート型コンピュータ等の情報機器のみならず電気自動車の急激な普及に伴い、付加価値が高く小型軽量化が可能な高エネルギー密度の新しい二次電池が開発されている。このような状況下において、市場からは、電池のさらなる小型化、高容量化が要望されている。特にアルカリ蓄電池においては、限られた容積の中で、いかに活物質の占める体積比率を向上させるかが課題となっている。
アルカリ蓄電池では通常、芯材に活物質を塗着した負極板が使用される。図19は従来例のアルカリ蓄電池用電極に用いる芯材の展開図である。負極の芯材57は、ニッケルメッキされた鋼板に多数の円形の貫通孔58が形成されたパンチングメタルが使用されており、各貫通孔58を介してパンチングメタルの表裏に配置された活物質が連なっている。なお各貫通孔58は、芯材57の長手方向および幅方向にそれぞれ沿った状態で千鳥状に配置されている。この芯材57を使用した負極板と、正極板とを、セパレータを間に挟んで積層して渦巻き状に捲回し、その捲回物を円筒状のケース内に同心状態で収容するとともに、ケース内に水酸化カリウム等の電解液を充填して、アルカリ蓄電池としている。なお負極の活物質は、ニッケルカドミウム蓄電池の場合にはカドミウムであり、ニッケル水素蓄電池の場合には水素吸蔵合金である。
このアルカリ蓄電池の負極板は、活物質の占める体積比率を向上させる目的で、活物質を含むペーストを塗着した後に高い圧力により圧延する手段、あるいは芯材の開口率を増加させて負極板における芯材の比率を低下させる手段が試みられている。しかし過度の圧延は電極の反りを増大させ、加工性を悪化させる。一方、過度の開口率の増加は、電極の強度を低下させるとともに、電子の流れる芯材部分の減少により電気抵抗の上昇を引き起こす。
このような課題を解決するため、芯材の貫通孔を略矩形状にし、芯材の長手方向にそれぞれ平行で、かつ一定の間隔を開けた直線状に配置して芯材の引っ張り強度を向上させ、高い圧力による圧延に耐えうる形態とした上で、活物質の占める体積比率を向上させる方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、特許文献2には、電池の内部抵抗を低減するために、芯材に形成する略矩形状の貫通孔に関して、芯材の幅方向における貫通孔の寸法を、芯材の長手方向における貫通孔の寸法よりも長いか、もしくは等しくしたものが提案されている。また、特許文献3には、複数の略矩形状の貫通孔を、芯材の長手方向に沿って平行する直線状に設け、芯材の長手方向における貫通孔の長さをb、芯材の長手方向における貫通孔どうしの間隔をyとしたとき、0.2b≦y≦0.5bの関係を満たすようにしたものが提案されている。この構成により、高い圧力による圧延に耐えうる形態として活物質の占める体積比率を向上しつつ、渦巻状に捲回したときに芯材の構造に由来して起こるリーク不良を最小限にすることが可能である。
上記特許文献1〜3に記載の従来例では、略矩形状の貫通孔の配列は、芯材の長手方向に対して垂直な辺の位置が1列おき、または隣り合う列で一致する。このため、芯材の長手方向と垂直な巻き芯にて電極を捲回すると、曲率の小さい巻き芯の近傍において、各貫通孔における巻き芯と平行な辺の周囲で電極にクラックが発生する、あるいは折れるなどの不具合が生じるおそれがあり、活物質が脱落するという課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、電極における活物質の占める体積比率の向上、および電池の反応抵抗の低減によって高出力の電池を実現するとともに、電極を捲回または積層したときの活物質の脱落を抑制し、電池の長寿命化を実現可能にすることにある。
本発明は、導電性の芯材を集電体とするアルカリ蓄電池用電極であって、芯材に複数の貫通孔を、芯材の長手方向に沿って平行する直線状に設け、貫通孔を略矩形状とし、直線状の貫通孔の列ごとに芯材の長手方向に貫通孔をずらして配列し、芯材の長手方向における貫通孔の寸法と貫通孔同士の間隔との和の半分未満の変位量を、芯材の幅方向における貫通孔の列同士の間で有する状態としたものである。
また、本発明は、上記のアルカリ蓄電池用電極であって、貫通孔の変位量として、芯材の長手方向のいずれか一方の方向に変位量を有するものを含む。
また、本発明は、上記のアルカリ蓄電池用電極であって、貫通孔の変位量として、芯材の長手方向の両方向に変位量を有するものを含む。
また、本発明は、上記のアルカリ蓄電池用電極であって、貫通孔の変位量として、芯材の長手方向の第1方向と第2方向とに芯材の幅方向において同数ずつの変位量を有するように貫通孔を配置したものを含む。
また、本発明は、上記のアルカリ蓄電池用電極であって、貫通孔の変位量として、芯材の長手方向の変位量を示す関数が芯材の幅方向において途中で変曲点を持つように貫通孔を配置したものを含む。
また、本発明は、上記のアルカリ蓄電池用電極であって、芯材の長手方向における貫通孔の変位量は、芯材の幅方向における貫通孔の列の位置にかかわらず一定値であるものを含む。
また、本発明は、上記のアルカリ蓄電池用電極であって、芯材の長手方向における貫通孔の変位量は、芯材の幅方向における貫通孔の列の位置によって可変値であるものを含む。
また、本発明は、上記のアルカリ蓄電池用電極であって、前記芯材の長手方向における前記貫通孔の寸法をa、前記貫通孔同士の間隔をb、前記貫通孔の変位量をxとしたとき、0.067≦x/(a+b)≦0.433であるものを含む。
また、本発明は、上記のアルカリ蓄電池用電極であって、貫通孔の開口率を20〜61%としたものを含む。
また、本発明は、正極板と負極板とをセパレータを介して円筒状に捲回した電極群と電解液とを備えるアルカリ蓄電池であって、正極板または負極板に、上記いずれかのアルカリ蓄電池用電極を用いたものを含む。
上記構成により、電極のクラック、折れなどの発生が防止され、電極を捲回したときの活物質の脱落を抑制できるので、電池の長寿命化を図ることが可能となる。また、アルカリ蓄電池の反応抵抗を低減でき、高エネルギー密度化が可能となる。
また、本発明は、正極板と負極板とをセパレータを介して円筒状に積層した電極群と電解液とを備えるアルカリ蓄電池であって、前記正極板または負極板に、上記いずれかのアルカリ蓄電池用電極を用いたものを含む。
上記構成により、電極のクラック、折れなどの発生が防止され、電極を積層したときの活物質の脱落を抑制できるので、電池の長寿命化を図ることが可能となる。また、アルカリ蓄電池の反応抵抗を低減でき、高エネルギー密度化が可能となる。
本発明によれば、アルカリ蓄電池用電極に高い圧力による圧延に耐えうる芯材を活用して活物質の占める体積比率を向上できるとともに、アルカリ蓄電池の反応抵抗を低減できるので、アルカリ蓄電池の高エネルギー密度化が可能となる。さらに、電極を捲回または積層したときの活物質の脱落を抑制でき、電池の長寿命化が可能となる。
以下の実施形態では、本発明に係るアルカリ蓄電池用電極およびアルカリ蓄電池の構成例として、電極の芯材の貫通孔の構成を中心に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るアルカリ蓄電池用電極に用いる芯材17の展開図である。帯状の芯材17には、多数の略矩形状の貫通孔18が設けられている。この芯材17には水素吸蔵合金などの活物質を含むペーストが塗着され、アルカリ蓄電池用電極が構成される。本実施形態は、芯材17の長手方向に沿って平行する直線状に貫通孔18を設け、貫通孔18を略矩形状とし、直線状の貫通孔18の列ごとに芯材17の長手方向に貫通孔18をずらして配列した構成を有する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るアルカリ蓄電池用電極に用いる芯材17の展開図である。帯状の芯材17には、多数の略矩形状の貫通孔18が設けられている。この芯材17には水素吸蔵合金などの活物質を含むペーストが塗着され、アルカリ蓄電池用電極が構成される。本実施形態は、芯材17の長手方向に沿って平行する直線状に貫通孔18を設け、貫通孔18を略矩形状とし、直線状の貫通孔18の列ごとに芯材17の長手方向に貫通孔18をずらして配列した構成を有する。
芯材の貫通孔を略矩形状にする場合、図19の従来例のように、貫通孔は長手方向に沿って隣り合った列と千鳥状に配列されていることが一般的であった。しかしこの千鳥状の貫通孔では、従来の丸形状の貫通孔をもつ芯材を使用したアルカリ蓄電池用電極と比較して、アルカリ蓄電池の反応抵抗が上昇するという課題があった。
この傾向は、負極板の端面に集電板を接合した場合に特に顕著である。負極板の端面に集電板を接合するためには、正・負極板を渦巻き状に捲回、または積層する際に正・負極板の幅方向にずらすことにより端面を露出させ、かつその端面は活物質が塗布されていない芯材露出部とし、その負極板の端面に集電板を抵抗溶接あるいはレーザー溶接等により接合させる方法が一般的である。この構造の場合、充電時、あるいは放電時において負極板を流れる電流は、端面に接合された集電板に集約される。その際、負極板内の各所において、電流はセパレータを介して正極板との間で授受されるが、電子は負極板の表面から厚み方向に移動して芯材へと移り、芯材を通って集電板へと移動する。即ち、負極の芯材における電流は、負極板の幅方向が支配的である。
このため、上記従来例のように、略矩形状の貫通孔が千鳥状に配列された構成では、芯材の幅方向の電流の流れを貫通孔が妨げることになり、芯材の通電経路が事実上長くなり、結果的に電池としての反応抵抗が増大する。
また、本発明の発明者が鋭意検討した結果、略矩形状の貫通孔を有する芯材を使用した電極の場合、曲率が最小となる巻き芯の近傍において、貫通孔の四辺のうち巻き芯と平行な辺の付近の活物質が最も脱落しやすいことがわかっている。上記従来例では、芯材の長手方向に対して垂直な辺の位置が1列おきに一致しており、芯材の長手方向と垂直な巻き芯にて電極を捲回した場合、捲回時の曲げ応力に対して弱い構造になっていた。このため、各貫通孔における巻き芯と平行な辺の周囲で電極にクラック、折れなどの不具合が生じるおそれがあり、活物質が脱落してリーク不良が発生するという課題があった。
本実施形態では上記課題を解決するために、図1のように貫通孔18の列ごとに芯材17の長手方向に貫通孔18をずらして配列している。これにより、極板の幅方向の電流の流れを妨げず、通電経路が短くなるので、丸形状の貫通孔をもった芯材を用いたアルカリ蓄電池と同等以上の反応抵抗を得ることができる。また、極板にクラック、折れなどが生じやすい部位である、芯材の長手方向と垂直な貫通孔の辺の位置が、2列以上一致せずにずれているため、捲回時の曲げ応力に対して強い構造である。このため、極板のクラック、折れなどの発生を防止し、電極を捲回または積層したときの活物質の脱落を抑制できるので、電池の長寿命化を図ることが可能となる。
この際、芯材17の長手方向における貫通孔18の寸法aと、貫通孔18同士の間隔bとの和の半分未満の変位量xを、芯材17の幅方向における貫通孔18の列同士の間で有する状態とする。すなわち、長手方向に沿って平行する直線状に設けられた貫通孔18の列の隣同士で、貫通孔18の変位量xが、(a+b)×(1/2)>x、つまり、x/(a+b)<0.5の関係を満たすように変位量xを規定する。これにより、直線状の貫通孔18の列ごとに芯材17の長手方向に貫通孔18をずらして配列した構成が実現される。
第1の実施形態では、貫通孔18の変位量xは、芯材17の長手方向のいずれか一方の方向に変位量を有するものとする。すなわち、図1の例のように、図中下方向に変位量を有し、右斜め下方向に貫通孔18がずれていくような配置、あるいは、反対に上方向に変位量を有して斜め上方向に貫通孔18がずれていくような配置などが挙げられる。
[第2の実施形態]
図2は、本発明の第2の実施形態に係るアルカリ蓄電池用電極に用いる芯材17の展開図である。第2の実施形態は、貫通孔18の変位量xを、芯材17の長手方向の両方向に変位量を有するようにした構成例である。図2の例では、図中下方向に変位量を有し、右斜め下方向に貫通孔18をずらした配列を所定数繰り返した後、図中上方向に変位量を有し、右斜め上方向に貫通孔18をずらした配列を所定数繰り返すような構成としている。この場合、芯材17の長手方向における貫通孔18の変位量xが途中で折り返され、略V字状に各貫通孔18が配列される。
図2は、本発明の第2の実施形態に係るアルカリ蓄電池用電極に用いる芯材17の展開図である。第2の実施形態は、貫通孔18の変位量xを、芯材17の長手方向の両方向に変位量を有するようにした構成例である。図2の例では、図中下方向に変位量を有し、右斜め下方向に貫通孔18をずらした配列を所定数繰り返した後、図中上方向に変位量を有し、右斜め上方向に貫通孔18をずらした配列を所定数繰り返すような構成としている。この場合、芯材17の長手方向における貫通孔18の変位量xが途中で折り返され、略V字状に各貫通孔18が配列される。
本実施形態のように貫通孔18をずらして配列した場合、電極の捲回時に芯材17の幅方向に応力が生じ、巻き芯に対して斜めに巻かれやすくなり、その結果巻きずれが生じ易くなる。また、負極板の作製時に、芯材17に水素吸蔵合金のペーストを塗着してから圧延する際に、貫通孔18の変位量xが一方向のみの場合は、負極板が偏って延びて湾曲する可能性がある。そこで、第2の実施形態では、貫通孔18の変位量xを芯材17の長手方向の両方向に有する構成とすることで、捲回時に芯材17の幅方向に生じる応力を低減でき、電極の巻きずれおよび湾曲を抑制できる。
なお、貫通孔18の変位量xは、芯材17の長手方向の第1方向と第2方向とに、芯材17の幅方向において同数ずつの変位量を有するものとするのが好ましい。芯材17の長手方向の両方向に同数ずつずれるように変位量xを持たせることで、貫通孔18の変位量xのずれ方向が途中で折り返して元の位置に戻る状態となる。これにより、電極の捲回時の巻きずれおよび湾曲をさらに抑制できる。
また、貫通孔18の変位量xの折り返し点の数は、1つに限らず、複数としてもよい。これにより、各貫通孔18の配列として、略V字状、略W字状、これらの繰り返しなどの各種変形例が実現できる。
また、貫通孔18の変位量xは、芯材17の長手方向の変位量を示す関数として設定し、この関数が芯材17の幅方向において途中で変曲点を持つようにしてもよい。すなわち、変位量x=f(n)となる関数f(n)を設定して、貫通孔18の列ごとの変位量を規定してもよい。ここで、nは芯材17の長手方向に沿って設けられた貫通孔18の列の数、すなわち芯材17の幅方向の一端からの開孔列数である。なお、図示例のように、変位量xが一定値で直線的にずれていく配置の場合は、変位量を示す関数が一次関数となる。貫通孔18の位置が元に戻るようにするためには、変曲点の数は奇数個とするのが好ましい。例えば、二次関数型、V字状またはW字状の折り曲がり型、四次関数型などが想定でき、これらの関数によって変位量xを設定した貫通孔18の配置が可能である。このような構成によっても、電極の捲回時の巻きずれを抑制できる。
上記第1および第2の実施形態において、貫通孔18の変位量xは、図示例のように、芯材17の幅方向における貫通孔18の列の位置にかかわらず一定値としたもの、すなわち貫通孔18を均一にずらした配置を示しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記二次関数型などのように、芯材17の幅方向における貫通孔18の列の位置によって変位量xが可変値となるものも本発明に含まれる。このように変位量xが列ごとに変化する構成であっても同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、芯材17における貫通孔18の開口率を20〜61%とする。電極中で活物質の占める体積比率を向上させるためには、高い圧力による圧延に耐え得る範囲で貫通孔18の開口率を高めるのが好ましい。上述した観点に立てば、開口率は20〜61%、より好ましくは25〜55%が好適範囲である。なお本発明において定義する開口率とは、芯材17中の貫通孔18が穿孔されている部分の面積から計算したものであり、具体的には図1の左端のように貫通孔18が穿孔されていない箇所を除いて計算したものである。
図3は、本発明の実施形態に係るアルカリ蓄電池の一部切り欠き斜視図である。図3において、上述した本実施形態の芯材17を有してなるアルカリ蓄電池用電極を、負極板として用いて構成したアルカリ蓄電池の構成例を示している。なお、本実施形態の芯材17は正極板に適用することも可能である。
ニッケル水素蓄電池などのアルカリ蓄電池10は、帯状の負極板12と正極板13とをセパレータ14を間に挟んで、それぞれの長手方向に沿って渦巻き状に捲回した電極群を有し、この電極群が円筒状のケース11内に同心状態で収容されている。この電極群は、正・負極板が幅方向にずらして捲回されており、上部は正極板13の端面が露出し、下部は負極板12の端面が露出している。下部の負極板12が露出した端面には、負極集電板16が抵抗溶接により接合されている。ケース11は、一方の端面11aが閉鎖されており、その閉鎖された内面に、負極板12の端面に接合された負極集電板16が接触または溶接されている。ケース11の他方の端面は開放されており、その開放された開口部は封口板15によって封口されている。封口板15には、正極板13の一方の側縁部が接触されており、封口板15が、正極側の集電部になっている。ケース11内には、水酸化カリウムを主成分とするアルカリ水溶液からなる電解液が充填されている。
負極板12は、上述した芯材17のほかに、ニッケル水素蓄電池の場合は活物質として水素吸蔵合金が用いられ、ニッケルカドミウム蓄電池の場合は活物質としてカドミウムが用いられる。
芯材17は、鋼板またはニッケル板などからなる。なお芯材17の材質として鉄を用いる場合、その表面をニッケルなどでメッキ処理して耐食性を向上させるのが好ましい。
貫通孔18のそれぞれの面積は、芯材17に塗着されるペーストが離脱しないように、それぞれの開口面積が10mm2以下とするのが好ましい。なお略矩形状の貫通孔18の角部をRカットしたもの、あるいは角部にカット加工を施したものであってもよい。
正極板13は、発泡ニッケルのような三次元金属多孔体からなる芯材に、活物質として水酸化ニッケルが充填されたものが一般的である。なお芯材にニッケル粉末を主成分とするペーストを塗着して焼結した後に水酸化ニッケル活物質を含浸させる形態(いわゆるシンター式正極)をとる場合、芯材として負極板12と同様の芯材17を用いて本発明のアルカリ蓄電池用電極に該当する正極板13が構成可能であることはいうまでもない。
セパレータ14は、通常のアルカリ蓄電池のセパレータとして使用されるものであれば特に限定されないが、スルホン化処理されたポリプロピレン不織布を用いるのが好ましい。
ケース11は、鋼板またはニッケル板などからなる。なおケース11の材質として鉄を用いる場合、その表面をニッケルなどでメッキ処理して耐食性を向上させるのが好ましい。
以下、本発明のアルカリ蓄電池用電極およびアルカリ蓄電池の実施例について説明する。
実施例は、下記の表1に示す実施例1〜4、表2に示す実施例5〜7、表3に示す実施例8〜9であり、表4に示す比較例1〜4と併せ、図4〜図17をも参照しながら説明する。
図4は、各実施例および比較例における芯材の貫通孔の寸法関係を説明する図である。ここでは、芯材の長手方向における貫通孔の寸法(長手方向寸法)をa、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔(長手方向間隔)をb、芯材の幅方向における貫通孔の寸法(幅方向寸法)をc、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔(幅方向間隔)をd、芯材の長手方向の貫通孔の列の隣同士における変位量をxとする。また、芯材の長手方向に沿って設けられた貫通孔の列の数(芯材の幅方向の一端からの開孔列数)をnとする。
(実施例1)
図5は、本発明の実施例1における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板12の芯材17として、ニッケルをメッキした鋼板(厚さ60μm)に、開口面積が2.0mm2の略矩形状の貫通孔18を穿孔したものを用いた。芯材17の幅は50mmとした。具体的には、図5のように、芯材17において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが2.0mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが0.5mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは29とした。この場合、開口率は44.4%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係はx/(a+b)=0.167となる。
図5は、本発明の実施例1における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板12の芯材17として、ニッケルをメッキした鋼板(厚さ60μm)に、開口面積が2.0mm2の略矩形状の貫通孔18を穿孔したものを用いた。芯材17の幅は50mmとした。具体的には、図5のように、芯材17において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが2.0mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが0.5mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは29とした。この場合、開口率は44.4%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係はx/(a+b)=0.167となる。
この芯材17に、水素吸蔵合金(組成式MmNi3.55Co0.75Al0.3Mn0.4(Mmは
軽希土類元素の混合物)、ボールミルにより平均粒径が20μmとなるように粉砕)と結着剤との混合物からなるペーストを塗着して乾燥した。さらに総厚みが0.30mmとなるようにロールプレス機(線圧400t/cm)で圧延して、芯材17の長手方向が長径となるように帯状に切断し、理論容量が10Ahの負極板12を作製した。
軽希土類元素の混合物)、ボールミルにより平均粒径が20μmとなるように粉砕)と結着剤との混合物からなるペーストを塗着して乾燥した。さらに総厚みが0.30mmとなるようにロールプレス機(線圧400t/cm)で圧延して、芯材17の長手方向が長径となるように帯状に切断し、理論容量が10Ahの負極板12を作製した。
この負極板12を、スルホン化処理されたポリプロピレン不織布(厚み0.2mm)からなるセパレータ14を介して、発泡ニッケルに水酸化ニッケルを充填した帯状の正極板13(厚み0.3mm、理論容量6.5Ah)と対峙させ、5mmの芯棒を用いて帯状の長径に沿って渦巻き状に捲回し、ケース11(内径31mm、高さ63mm)の中に収容した。さらに電解液として、水酸化カリウムを主成分とする比重1.3のアルカリ水溶液を注入して、ケース11の開口部を封口板によって封口することにより、Dサイズのニッケル水素蓄電池(理論容量6.5Ah)を作製した。
実施例1では、リーク不良の出現確率は0/1000と良好、巻きずれ不良の出現確率は3/1000とほぼ良好、初期の内部抵抗は4.0mΩ程度と低く、500サイクル終了時点のサイクル寿命をみても、内部抵抗は4.4mΩ程度と初期と同程度で低く、全ての特性において良好な結果が得られた。
(実施例2)
図6は、本発明の実施例2における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板12の芯材17において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが2.0mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが1.0mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは29とした。この場合、開口率は44.4%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係はx/(a+b)=0.333となる。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
図6は、本発明の実施例2における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板12の芯材17において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが2.0mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが1.0mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは29とした。この場合、開口率は44.4%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係はx/(a+b)=0.333となる。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
実施例2では、リーク不良の出現確率は0/1000と良好、巻きずれ不良の出現確率は3/1000とほぼ良好、初期の内部抵抗は4.8mΩ程度と低く、500サイクル終了時点のサイクル寿命をみても、内部抵抗は5.1mΩ程度と初期と同程度で低く、全ての特性において良好な結果が得られた。
(実施例3)
図7は、本発明の実施例3における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板12の芯材17において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが2.0mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが0.2mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは29とした。この場合、開口率は44.4%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係はx/(a+b)=0.067となる。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
図7は、本発明の実施例3における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板12の芯材17において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが2.0mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが0.2mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは29とした。この場合、開口率は44.4%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係はx/(a+b)=0.067となる。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
実施例3では、リーク不良の出現確率は2/1000と良好、巻きずれ不良の出現確率は1/1000と良好、初期の内部抵抗は4.5mΩ程度と低く、500サイクル終了時点のサイクル寿命をみても、内部抵抗は5.2mΩ程度と初期と同程度で低く、全ての特性において良好な結果が得られた。
(実施例4)
図8は、本発明の実施例4における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板12の芯材17において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが2.0mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが1.3mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは29とした。この場合、開口率は44.4%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係はx/(a+b)=0.433となる。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
図8は、本発明の実施例4における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板12の芯材17において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが2.0mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが1.3mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは29とした。この場合、開口率は44.4%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係はx/(a+b)=0.433となる。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
実施例4では、リーク不良の出現確率は1/1000と良好、巻きずれ不良の出現確率は4/1000とほぼ良好、初期の内部抵抗は5.7mΩ程度と低めであり、500サイクル終了時点のサイクル寿命をみても、内部抵抗は6.2mΩ程度と初期と同程度に低めであり、全ての特性において良好な結果が得られた。
(実施例5)
図9は、本発明の実施例5における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板12の芯材17において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが2.0mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが、開孔列数n=1列〜15列では1.0mm、開孔列数n=15列〜29列では−1.0mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは29とした。すなわち、貫通孔18の変位量xを芯材17の幅方向の途中で折り返した略V字状の配置とした。この場合、開口率は44.4%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係は、開孔列数n=1列〜15列ではx/(a+b)=0.333、開孔列数n=15列〜29列ではx/(a+b)=−0.333となる。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
図9は、本発明の実施例5における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板12の芯材17において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが2.0mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが、開孔列数n=1列〜15列では1.0mm、開孔列数n=15列〜29列では−1.0mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは29とした。すなわち、貫通孔18の変位量xを芯材17の幅方向の途中で折り返した略V字状の配置とした。この場合、開口率は44.4%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係は、開孔列数n=1列〜15列ではx/(a+b)=0.333、開孔列数n=15列〜29列ではx/(a+b)=−0.333となる。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
実施例5では、リーク不良の出現確率は0/1000と良好、巻きずれ不良の出現確率は0/1000と良好、初期の内部抵抗は4.9mΩ程度と低く、500サイクル終了時点のサイクル寿命をみても、内部抵抗は5.4mΩ程度と初期と同程度で低く、全ての特性において良好な結果が得られた。
なお、実施例5の貫通孔の配置において、変位量xを実施例1と同様にx=0.5mmとしてもよい。この場合、内部抵抗は実施例1と同様に小さくなり、巻きずれ不良の防止と内部抵抗の低減とを両立できるので、より好ましい。
(実施例6)
図10は、本発明の実施例6における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板12の芯材17において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが2.0mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが、開孔列数n=1列〜8列および15列〜22列では1.0mm、開孔列数n=8列〜15列および22列〜29列では−1.0mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは29とした。すなわち、貫通孔18の変位量xを芯材17の幅方向の途中で複数回折り返した略W字状の配置とした。この場合、開口率は44.4%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係は、開孔列数n=1列〜8列および15列〜22列ではx/(a+b)=0.333、開孔列数n=8列〜15列および22列〜29列ではx/(a+b)=−0.333となる。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
図10は、本発明の実施例6における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板12の芯材17において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが2.0mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが、開孔列数n=1列〜8列および15列〜22列では1.0mm、開孔列数n=8列〜15列および22列〜29列では−1.0mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは29とした。すなわち、貫通孔18の変位量xを芯材17の幅方向の途中で複数回折り返した略W字状の配置とした。この場合、開口率は44.4%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係は、開孔列数n=1列〜8列および15列〜22列ではx/(a+b)=0.333、開孔列数n=8列〜15列および22列〜29列ではx/(a+b)=−0.333となる。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
実施例6では、リーク不良の出現確率は0/1000と良好、巻きずれ不良の出現確率は0/1000と良好、初期の内部抵抗は5.0mΩ程度と低く、500サイクル終了時点のサイクル寿命をみても、内部抵抗は5.5mΩ程度と初期と同程度で低く、全ての特性において良好な結果が得られた。
なお、実施例6の貫通孔の配置において、変位量xを実施例1と同様にx=0.5mmとしてもよい。この場合、内部抵抗は実施例1と同様に小さくなり、巻きずれ不良の防止と内部抵抗の低減とを両立できるので、より好ましい。
(実施例7)
図11は、本発明の実施例7における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板12の芯材17において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが2.0mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが、開孔列数n=15列目で変曲点となり、開孔列数n=1列と15列との間の変位量xpが5.0mmである二次曲線x=f(n)となるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは29とした。すなわち、貫通孔18の変位量xを二次曲線の関数とした曲線状の配置とした。この場合、開口率は44.4%となった。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
図11は、本発明の実施例7における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板12の芯材17において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが2.0mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが、開孔列数n=15列目で変曲点となり、開孔列数n=1列と15列との間の変位量xpが5.0mmである二次曲線x=f(n)となるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは29とした。すなわち、貫通孔18の変位量xを二次曲線の関数とした曲線状の配置とした。この場合、開口率は44.4%となった。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
実施例7では、リーク不良の出現確率は0/1000と良好、巻きずれ不良の出現確率は0/1000と良好、初期の内部抵抗は4.7mΩ程度と低く、500サイクル終了時点のサイクル寿命をみても、内部抵抗は5.1mΩ程度と初期と同程度で低く、全ての特性において良好な結果が得られた。
なお、実施例7の貫通孔の配置において、変位量xを実施例1と同様にx=0.5mmとしてもよい。この場合、内部抵抗は実施例1と同様に小さくなり、巻きずれ不良の防止と内部抵抗の低減とを両立できるので、より好ましい。
(実施例8)
図12は、本発明の実施例8における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板12の芯材17において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが1.5mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.5mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが0.8mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが1.2mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが1.0mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは21とした。この場合、開口率は20.0%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係はx/(a+b)=0.333となる。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
図12は、本発明の実施例8における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板12の芯材17において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが1.5mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.5mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが0.8mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが1.2mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが1.0mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは21とした。この場合、開口率は20.0%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係はx/(a+b)=0.333となる。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
実施例8では、リーク不良の出現確率は0/1000と良好、巻きずれ不良の出現確率は3/1000とほぼ良好、初期の内部抵抗は4.3mΩ程度と低く、500サイクル終了時点のサイクル寿命をみても、内部抵抗は6.1mΩ程度と初期と同程度に低めであり、全ての特性において良好な結果が得られた。なお、極板の厚みが10%増加したが、実用上の問題は生じなかった。
(実施例9)
図13は、本発明の実施例9における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板12の芯材17において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが3.8mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが0.8mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.5mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが1.0mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは21とした。この場合、開口率は61.0%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係はx/(a+b)=0.217となる。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
図13は、本発明の実施例9における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板12の芯材17において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが3.8mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが0.8mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.5mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが1.0mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは21とした。この場合、開口率は61.0%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係はx/(a+b)=0.217となる。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
実施例9では、リーク不良の出現確率は0/1000と良好、巻きずれ不良の出現確率は2/1000と良好、初期の内部抵抗は5.8mΩ程度と低めであり、500サイクル終了時点のサイクル寿命をみても、内部抵抗は6.8mΩ程度と初期と同程度に低めであり、全ての特性において良好な結果が得られた。なお、圧延後に小さな波打ちが発生したが、実用上の問題は生じなかった。
(比較例1)
図14は、比較例1における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板の芯材において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが2.0mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが1.5mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは29とした。この場合、開口率は44.4%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係はx/(a+b)=0.500となる。この比較例1は、図19に示した従来例における芯材57の貫通孔58の配置と同様であり、貫通孔を千鳥状に配列した例である。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
図14は、比較例1における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板の芯材において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが2.0mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが1.5mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは29とした。この場合、開口率は44.4%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係はx/(a+b)=0.500となる。この比較例1は、図19に示した従来例における芯材57の貫通孔58の配置と同様であり、貫通孔を千鳥状に配列した例である。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
比較例1では、リーク不良の出現確率は0/1000と良好、巻きずれ不良の出現確率は4/1000とほぼ良好であったが、初期の内部抵抗は9.2mΩ程度と高い水準であり、500サイクル終了時点のサイクル寿命をみても、内部抵抗は11.5mΩ程度と高い水準であった。
(比較例2)
図15は、比較例2における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板の芯材において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが2.0mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが0.0mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは29とした。この場合、開口率は44.4%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係はx/(a+b)=0.000となる。この比較例2は、貫通孔を格子状に配列した例である。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
図15は、比較例2における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板の芯材において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが2.0mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが0.0mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは29とした。この場合、開口率は44.4%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係はx/(a+b)=0.000となる。この比較例2は、貫通孔を格子状に配列した例である。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
比較例2では、巻きずれ不良の出現確率は3/1000とほぼ良好であったが、リーク不良の出現確率は12/1000と不良であった。また、初期の内部抵抗は4.9mΩ程度と低いが、500サイクル終了時点のサイクル寿命では、内部抵抗は12.0mΩ程度と高い水準であった。
(比較例3)
図16は、比較例3における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板の芯材において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが2.0mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが1.4mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは29とした。この場合、開口率は44.4%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係はx/(a+b)=0.467となる。この比較例3は、比較例1よりも変位量xを少し小さくして実施例の特性との差異を検証した例である。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
図16は、比較例3における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板の芯材において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが2.0mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが1.4mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは29とした。この場合、開口率は44.4%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係はx/(a+b)=0.467となる。この比較例3は、比較例1よりも変位量xを少し小さくして実施例の特性との差異を検証した例である。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
比較例3では、リーク不良の出現確率は0/1000と良好、巻きずれ不良の出現確率は3/1000とほぼ良好であったが、初期の内部抵抗は7.9mΩ程度と高い水準であり、500サイクル終了時点のサイクル寿命をみても、内部抵抗は8.3mΩ程度と高い水準であった。
(比較例4)
図17は、比較例4における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板の芯材において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが2.0mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが0.1mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは29とした。この場合、開口率は44.4%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係はx/(a+b)=0.033となる。この比較例4は、比較例2よりも変位量xを少し大きくして実施例の特性との差異を検証した例である。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
図17は、比較例4における芯材の貫通孔の配置を示す図である。負極板の芯材において、芯材の長手方向における貫通孔の寸法aが2.0mm、芯材の長手方向における貫通孔同士の間隔bが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔の寸法cが1.0mm、芯材の幅方向における貫通孔同士の間隔dが0.5mm、貫通孔の隣り合う列の間の変位量xが0.1mmとなるように、貫通孔18を配置した。芯材の幅方向全体の開孔列数nは29とした。この場合、開口率は44.4%となった。貫通孔の寸法a、bと変位量xとの関係はx/(a+b)=0.033となる。この比較例4は、比較例2よりも変位量xを少し大きくして実施例の特性との差異を検証した例である。その他は実施例1と同様にして負極板12を作製した。
比較例4では、巻きずれ不良の出現確率は2/1000とほぼ良好であったが、リーク不良の出現確率は10/1000と不良であった。また、初期の内部抵抗は4.7mΩ程度と低いが、500サイクル終了時点のサイクル寿命では、内部抵抗は9.2mΩ程度と高い水準であった。
図18は、実施例1〜4および比較例1〜4のそれぞれにおける、内部抵抗特性を示す特性図である。図18において、横軸は各実施例または比較例の構成における貫通孔の変位量xを示し、縦軸は各実施例または比較例における内部抵抗を示している。内部抵抗は、図中の◆が初期状態、■が500サイクル終了時点をそれぞれ示している。この特性図からもわかるように、実施例1〜4と比較例1〜4とを対比すると、芯材の長手方向において、貫通孔の寸法の(a+b)×(1/2)=1.5mmに対して、変位量xが、0.2mm≦x≦1.3mmの範囲とするのが好ましい。x/(a+b)の値でみると、0.067≦x/(a+b)≦0.433の範囲とするのが好ましい。この範囲では、初期の内部抵抗および500サイクル終了時点の内部抵抗が低く、良好な特性が得られる。また、リーク不良および巻きずれ不良の出現率が低く、電極の電気的特性の向上と不良防止とを両立できる。
以上の結果から、本発明を構成するアルカリ蓄電池用電極の芯材17は、芯材17に設ける略矩形状の貫通孔18を、芯材17の長手方向に沿った直線状の貫通孔18の列ごとに貫通孔18をずらして配列することにより、リーク不良および巻きずれ不良の防止、内部抵抗の低減、高寿命化の全てを満たす効果が得られることがわかった。また、貫通孔18の開口率は20〜61%の範囲で良好な結果が得られることがわかった。
上述したように、本発明に係る実施形態および実施例の構成では、アルカリ蓄電池用電極の導電性芯材において、略矩形状の貫通孔の列ごとに芯材の長手方向にずらして配列することにより、芯材の長手方向における貫通孔の配列の位置が、隣り合う列同士および1列おきでは一致せず、2列以上離れるまで一致しない状態になる。この貫通孔をずらした状態での芯材の長手方向における変位量を、貫通孔の配列の位相差としてとらえた場合、この位相は2列おき以上の周期で同位相となる。このため、電極を芯材の長手方向と垂直な巻き芯にて捲回したときに、極板折れが生じやすい巻き芯と平行(芯材の長手方向と垂直)な貫通孔の辺の周辺の強度を確保できるので、極板のクラックまたは折れの発生を防止できる。これによって、特に捲回型の電極構造において、活物質の脱落を抑制でき、リーク不良を防止し、電池の長寿命化を図ることができる。なお、積層型の電極構造に本実施形態および実施例の構成を適用しても、同様の効果が得られる。
また、芯材における通電経路が長くなるのを抑制でき、アルカリ蓄電池用電極の幅方向の電気の流れをスムーズにできるので、アルカリ蓄電池の内部抵抗を低減できる。また、略矩形状の貫通孔を配列し、開口率を20〜61%の範囲で設定することで、アルカリ蓄電池用電極に高い圧力による圧延に耐えうる芯材を活用して活物質の占める体積比率を向上できる。これによって、アルカリ蓄電池の反応抵抗を低減でき、アルカリ蓄電池の高エネルギー密度化、高出力化が可能となる。
さらに、貫通孔をずらして配列する際の変位量について、芯材の幅方向の途中で変曲点を持つように芯材の長手方向の両方向に変位量を有するようにすることで、電極の巻きずれを抑制でき、電池製造時の不良率を低減できる。
なお、本発明は、本発明の趣旨ならびに範囲を逸脱することなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が様々な変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本発明は、アルカリ蓄電池用電極における活物質の占める体積比率の向上、および電池の反応抵抗の低減によって高出力の電池を実現するとともに、電極を捲回または積層したときの活物質の脱落を抑制し、電池の長寿命化を実現することが可能となる効果を有する。よって、本発明は、高出力および長寿命化を図ったアルカリ蓄電池の構成要素となり得る。このため、複数個のアルカリ蓄電池を電源に用いる電気自動車などの電源として利用可能性が高く、効果は大きい。
10 アルカリ蓄電池
11 ケース
12 負極板
13 正極板
14 セパレータ
15 封口板
16 負極集電板
17 芯材
18 貫通孔
11 ケース
12 負極板
13 正極板
14 セパレータ
15 封口板
16 負極集電板
17 芯材
18 貫通孔
Claims (11)
- 導電性の芯材を集電体とするアルカリ蓄電池用電極であって、
前記芯材に複数の貫通孔を、芯材の長手方向に沿って平行する直線状に設け、
前記貫通孔を略矩形状とし、
前記直線状の貫通孔の列ごとに前記芯材の長手方向に前記貫通孔をずらして配列し、前記芯材の長手方向における前記貫通孔の寸法と前記貫通孔同士の間隔との和の半分未満の変位量を、前記芯材の幅方向における前記貫通孔の列同士の間で有する状態としたアルカリ蓄電池用電極。 - 請求項1に記載のアルカリ蓄電池用電極であって、
前記貫通孔の変位量として、前記芯材の長手方向のいずれか一方の方向に変位量を有するアルカリ蓄電池用電極。 - 請求項1に記載のアルカリ蓄電池用電極であって、
前記貫通孔の変位量として、前記芯材の長手方向の両方向に変位量を有するアルカリ蓄電池用電極。 - 請求項3に記載のアルカリ蓄電池用電極であって、
前記貫通孔の変位量として、前記芯材の長手方向の第1方向と第2方向とに前記芯材の幅方向において同数ずつの変位量を有するように前記貫通孔を配置したアルカリ蓄電池用電極。 - 請求項3に記載のアルカリ蓄電池用電極であって、
前記貫通孔の変位量として、前記芯材の長手方向の変位量を示す関数が前記芯材の幅方向において途中で変曲点を持つように前記貫通孔を配置したアルカリ蓄電池用電極。 - 請求項1に記載のアルカリ蓄電池用電極であって、
前記芯材の長手方向における前記貫通孔の変位量は、前記芯材の幅方向における前記貫通孔の列の位置にかかわらず一定値であるアルカリ蓄電池用電極。 - 請求項1に記載のアルカリ蓄電池用電極であって、
前記芯材の長手方向における前記貫通孔の変位量は、前記芯材の幅方向における前記貫通孔の列の位置によって可変値であるアルカリ蓄電池用電極。 - 請求項1に記載のアルカリ蓄電池用電極であって、
前記芯材の長手方向における前記貫通孔の寸法をa、前記貫通孔同士の間隔をb、前記貫通孔の変位量をxとしたとき、0.067≦x/(a+b)≦0.433であるアルカリ蓄電池用電極。 - 請求項1に記載のアルカリ蓄電池用電極であって、
前記貫通孔の開口率を20〜61%としたアルカリ蓄電池用電極。 - 正極板と負極板とをセパレータを介して円筒状に捲回した電極群と電解液とを備えるアルカリ蓄電池であって、
前記正極板または負極板に、請求項1〜8のいずれか一項に記載のアルカリ蓄電池用電極を用いたアルカリ蓄電池。 - 正極板と負極板とをセパレータを介して円筒状に積層した電極群と電解液とを備えるアルカリ蓄電池であって、
前記正極板または負極板に、請求項1〜8のいずれか一項に記載のアルカリ蓄電池用電極を用いたアルカリ蓄電池。
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