JP2011231663A - ロータリ圧縮機 - Google Patents

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Takeshi Karino
健 苅野
Hirofumi Yoshida
裕文 吉田
Daisuke Funakoshi
大輔 船越
Shingo Oyagi
信吾 大八木
Hiroaki Nakai
啓晶 中井
Ryuichi Ono
竜一 大野
Noboru Iida
飯田  登
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Abstract

【課題】ベーンの先端部とピストンの外周面の間に発生する摺動損失を低減し、入力ロスが小さいロータリ圧縮機を提供すること。
【解決手段】シリンダーと、シリンダーの両端面に締結されてシリンダー室を形成する上軸受け及び下軸受けと、上軸受けと下軸受けとの間に偏心部を設けたシャフト4と、シャフト4の偏心部に嵌合されるピストン9と、ピストン9の外周面に当接してシリンダー室内を吸入室と圧縮室に仕切るベーン11と、シリンダーに形成され、ベーン11が往復運動するベーン溝10を有して構成されるロータリ圧縮機において、ベーン11の先端部の円弧の中心をベーン11の厚み方向中心線より吸入室側へオフセットすることにより、ベーン11に付勢される押付力を小さくして、ベーン11の先端部とピストン9の外周面の接触面における潤滑状態を良化することができ、摺動損失を低減する。
【選択図】図3

Description

本発明は、冷蔵庫、空気調和装置に組み込まれることが可能なロータリ圧縮機に関するものである。
従来のこの種ロータリ圧縮機は特許文献1に示すようなものが知られている。図5及び図6はこの特許文献1のロータリ圧縮機を示し、密閉容器1内には電動機部と、電動機部によって駆動される圧縮機構部が収納されている。前記圧縮機構部は、シリンダー5と、シリンダー5の両端面に締結されてシリンダー室6を形成する上軸受け7及び下軸受け8と、上軸受け7と下軸受け8との間に偏心部を設けたシャフト4と、シャフト4の偏心部に嵌合されるピストン9と、シリンダー5の半径方向に形成されるベーン溝10内を往復運動するベーン11とで構成され、ベーン11の先端部をピストン9の外周面に当接させて、シリンダー室6内に、ベーン11によって仕切られた吸入室12と圧縮室13を形成するようにしている。
そして、上記シャフト4の回転に伴うピストン9の公転運動とベーン11の往復運動によって吸入室12と圧縮室13の容積が変化し、この容積変化により、吸入ポート17から吸入室12に吸入された作動冷媒が圧縮されて高温高圧となり、圧縮室13より吐出ポート18、上軸受け7とバルブカバー19によって囲まれる吐出マフラー室20を経て、密閉容器1内に吐出される。ロータリ圧縮機から吐出された作動冷媒は冷凍サイクル内の放熱器で放熱した後、膨張弁で絞られて蒸発器で吸熱し再びロータリ圧縮機に吸入されるサイクルを繰り返す。
この従来のロータリ圧縮機ではベーン11の径方向外方にはベーンバネ14が配置され、ベーンバネ14を収納するベーンバネ孔15は密閉容器1内と連通しているので、図7に示すように、ベーン11の背面には密閉容器1内の吐出圧力Pdが、また、ベーン11の先端部にはピストン9の外周面との接触面201を境に、吸入室12側圧力Psと圧縮室13側圧力Pcが作用している。すなわち、ベーン11の背面と先端部との差圧によってベーン11に作用する押付力により、ベーン11の先端部をピストン9の外周面に当接するように構成している。従って、ベーン11の先端部は、シャフト4の回転に伴ってシャフト4の偏心部回りを自転するピストン9の外周面と接触面201でこすれあい、潤滑油が介在せずに金属接触して摺動するので潤滑状態が厳しく、比較的大きな摺動損失が発生する。このため、ピストン9の材料に焼入れを施したものを、ベーン11の先端部を研磨、表面処理したものを使用することにより、摺動性を向上させて摺動損失の低減を図っていた。
特開昭64−80788号公報
しかしながら、この従来技術では、作動冷媒として、CO2を用いた場合、吐出圧力と吸入圧力との圧力差が高くなるためその高い差圧によって、ベーン11の背面と先端部に高い差圧が生じ、ベーン11に付勢される押付力が大きくなる。このため、特にベーン11の先端部とピストン9の外周面との接触面において潤滑状態は厳しく、大きな摺動損失が生じるとともに信頼性が低下する問題があった。特に、作動冷媒として、地球温暖化係
数の小さな冷媒、すなわち、炭素間に2重結合を有するハイドロフルオロオレフィンをベース成分とした冷媒からなる単一冷媒またはこの冷媒を含む混合冷媒を用いた場合には、ベーン11の先端部とピストン9の外周面が接触する部分で局部的に高温となり、化学的安定性が低下することに伴って潤滑性が悪化する。このため、特にベーン11の先端部とピストン9の外周面の接触面において潤滑状態の悪化が激しく、大きな摺動損失が生じるとともに信頼性が低下する問題があった。
本発明は前記従来の課題を解決するもので、ベーンに付勢される押付力を小さくして、ベーンの先端部とピストンの外周面の接触面における潤滑状態を良化することにより、ベーンの先端部とピストンの外周面の間に発生する摺動損失を低減し、入力ロスの小さいロータリ圧縮機を提供することを目的とする。
前記従来技術の課題を解決するために、本発明のロータリ圧縮機は、密閉容器内に電動機部と圧縮機構部を収納し、圧縮機構部はシリンダーと、シリンダーの両端面に締結されてシリンダー室を形成する上軸受け及び下軸受けと、上軸受けと下軸受けとの間に偏心部を設けたシャフトと、シャフトの偏心部に嵌合されるピストンと、ピストンの外周面に当接してシリンダー室内を吸入室と圧縮室に仕切るベーンと、シリンダーに形成され、ベーンが往復運動するベーン溝を有して構成されており、ベーンの先端部の円弧の中心をベーンの厚み方向中心線より吸入室側へオフセットしたことを特徴としたものである。
上記によれば、ベーンの先端部においてピストンの外周面との接触面を吸入室側に移動させることにより、吸入室側圧力Psが作用する面積を減少させ、圧縮室側圧力Pcが作用する面積を増加させることができるので、ベーンの背面と先端部の差圧によって発生する力を低減することが可能となる。すなわち、ベーンに付勢される押付力を小さくして、ベーンの先端部とピストンの外周面の接触面における潤滑状態を良化することにより、ベーンの先端部とピストンの外周面の間に発生する摺動損失を低減し、入力ロスの小さいロータリ圧縮機を提供することが可能となる。
本発明の実施の形態1におけるロータリ圧縮機の縦断面図 同ロータリ圧縮機の圧縮機構部を示す横断面図 同ロータリ圧縮機のベーン、ピストン、シャフトの寸法関係を示す拡大断面図 同ロータリ圧縮機のベーンを作用を説明するための拡大断面図 従来のロータリ圧縮機を示す縦断面図 同ロータリ圧縮機の圧縮機構部を示す横断面図 同ロータリ圧縮機のベーンとピストンの接触状態を説明するための模式図
第1の発明は、密閉容器内に電動機部と圧縮機構部を収納し、圧縮機構部はシリンダーと、シリンダーの両端面に締結されてシリンダー室を形成する上軸受け及び下軸受けと、上軸受けと下軸受けとの間に偏心部を設けたシャフトと、シャフトの偏心部に嵌合されるピストンと、ピストンの外周面に当接してシリンダー室内を吸入室と圧縮室に仕切るベーンと、シリンダーに形成され、ベーンが往復運動するベーン溝を有して構成されるロータリ圧縮機において、ベーンの先端部の円弧の中心をベーンの厚み方向中心線より吸入室側へオフセットしたものである。従って、ベーンの先端部においてピストンの外周面との接触面を吸入室側に移動させることにより、吸入室側圧力Psが作用する面積を減少させ、圧縮室側圧力Pcが作用する面積を増加させることができるので、ベーンの背面と先端部
の差圧によってベーンに付勢される押付力を小さくして、ベーンの先端部とピストンの外周面の接触面における潤滑状態を良化することができる。
第2の発明は、特に第1の発明のロータリ圧縮機において、オフセット寸法αは、ベーンの厚みをT、先端部の吸入室側円弧半径をRv1、ピストンの外周面半径をRp、シャフトの偏心部の偏心量をE、ベーンの先端部とピストンの外周面の最大接触面長さをdとした場合に、式(1)を満足すると共に、ベーンの高さをL、ベーンの縦弾性係数とポアソン比をそれぞれE1、ν1、ピストンの縦弾性係数とポアソン比をそれぞれE2、ν2、設計吐出圧力と設計吸入圧力の差圧によってベーンに付勢される押付力をFとした場合に、ベーンの先端部とピストンの外周面の最大接触面長さdが式(2)で表される関係にあるように設定したものである。
これにより、ベーンの先端部とピストンの外周面の接触部における摺動面を安全に確保でき、第1の発明の効果を得ることができる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明のロータリ圧縮機において、ベーンの先端部の圧縮室側円弧半径を、吸入室側円弧半径より大きくしたものである。これにより、ベーンの先端部とピストンの外周面の接触面がベーンの先端部の圧縮室側円弧上に移動した際、ベーンの先端部とピストンの外周面の接触面長さを大きくすることができるので、シール性を向上させ、圧縮室から吸入室への作動冷媒の漏れを小さくすることが可能となる。従って、体積効率を低下させることなく、第1または第2の発明の効果を得ることができる。
第4の発明は、特に第1から第3のいずれか1つの発明のロータリ圧縮機において、ベーンの吸入室側背面に小さなくぼみを設けたものである。これにより、ベーンをシリンダーに形成されるベーン溝に組み付ける際に、小さなくぼみを目印にすることができるので、ベーンの厚み方向について、組み付け間違いを防止でき、作業性は向上する。
第5の発明は、特に第1から第4のいずれか1つの発明のロータリ圧縮機において、作動冷媒として、CO2を用いた場合に、吐出圧力と吸入圧力の高い差圧によって、ベーンの背面と先端部に高い差圧が生じるので、より効果的にベーンに付勢される押付力を小さくすることができる。
第6の発明は、特に第1から第4のいずれか1つの発明の回転式圧縮機において、作動冷媒として、炭素と炭素間に2重結合を有するハイドロフルオロオレフィンをベース成分とした冷媒からなる単一冷媒またはこの冷媒を含む混合冷媒を用いた場合に、ベーンの先端部とピストンの外周面が接触する部分で局部的に高温となり、化学的安定性が低下することに伴って潤滑性が悪化するので、ベーンに付勢される押付力を小さくして、ベーンの
先端部とピストンの外周面の接触面における潤滑状態を良化することにより、より効果的にベーンの先端部とピストンの外周面の間に発生する摺動損失を低減することができる。
以下、本発明の実施形態について図面に従って説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1におけるロータリ圧縮機の縦断面図、図2は同圧縮機の圧縮機構部の横断面図を示している。なお、この実施の形態では一つの圧縮機構部を備えた単段圧縮ロータリ圧縮機を示している。
図1に示したロータリ圧縮機は作動冷媒として、CO2を使用し、円筒状の密閉容器1と、密閉容器1の内部上側に配置された電動機部102、及び電動機部102の下側に配置され、電動機部102によって駆動される圧縮機構部101によって構成されている。
電動機部102は、密閉容器1の内部上側の内周面に沿って環状に取り付けられたステータ2と、ステータ2の内側に若干の隙間を設けて挿入されるロータ3からなっており、ロータ3は中心部で鉛直方向にシャフト4に固定されている。
圧縮機構部101は、図1及び図2に示すように、シリンダー5と、このシリンダー5の両端面に締結されてシリンダー室6を形成する主軸受け7及び副軸受け8と、この主軸受け7と副軸受け8との間に偏心部を設けたシャフト4と、シャフト4の偏心部に嵌合されるピストン9と、シリンダー5の半径方向に形成されているベーン溝10及びこのベーン溝10内を往復運動するベーン11を有している。そして、ベーン11の背面と先端部の差圧によってベーン11に付勢される押付力により、ベーン11の先端部をピストン9の外周面に当接させて、シリンダー室6内に、ベーン11によって仕切られた吸入室12と圧縮室13を形成する。また、ベーン11の径方向外方にはベーンバネ14が配置され、ベーンバネ14を収納するベーンバネ孔15は密閉容器1内と連通しているので、ベーン11の背面には密閉容器1内の吐出圧力Pdが作用する。
図3に示すように、ベーン11の先端部の円弧の中心はベーン11の厚み方向中心線より吸入室12側へオフセットαし、圧縮室13側円弧半径を吸入室12側円弧半径より大きく構成している。オフセット寸法αは、ベーンの厚みをT、先端部の吸入室側円弧半径をRv1、ピストンの外周面半径をRp、シャフトの偏心部の偏心量をE、ベーンの先端部とピストンの外周面との最大接触面長さをdとした場合に、式(3)を満足するように設定している。
ここで、ベーンの先端部とピストンの外周面との最大接触面長さdは、ベーン11の先端部とピストン9の外周面の接触状態を異なる半径をもつ円筒同士の接触問題に置き換えることによりヘルツの弾性接触理論から求めることができるので、ベーンの高さをL、ベーンの縦弾性係数とポアソン比をそれぞれE1、ν1、ピストンの縦弾性係数とポアソン比をそれぞれE2、ν2、設計吐出圧力と設計吸入圧力の差圧によってベーンに付勢される押付力をFとした場合に式(4)で表される。
次に、上述のように構成されたロータリ圧縮機の動作について説明する。電動機部102が起動するとロータ3が回転し、ロータ3を固定したシャフト4の回転と共に、シャフト4の偏心部に嵌合されたピストン9がシリンダー室6内を公転運動し、ベーン11が往復運動することにより、ベーン11によって仕切られた吸入室12と圧縮室13の容積が変化する。この容積変化により、吸入ポート17から吸入室12に吸入された作動冷媒が圧縮されて高温高圧となり、圧縮室13より吐出ポート18、上軸受け6とバルブカバー19によって囲まれる吐出マフラー室20を経て、密閉容器1内に吐出される。
上述した実施の形態1では、図3に示すように、ベーン11の先端部の円弧の中心をベーン11の厚み方向中心線より吸入室12側へ寸法αだけオフセットしており、ベーン11の先端部においてピストン9の外周面の接触面を吸入室12側に移動させることにより、吸入室12側圧力Psが作用する面積を減少させ、圧縮室13側圧力Pcが作用する面積を増加させることができるので、ベーン11の背面と先端部の差圧によってベーン11に付勢される押付力を小さくして、ベーン11の先端部とピストン9の外周面の接触面における潤滑状態を良化することができる。
また、オフセット寸法αは、式(3)を満足するように設定しているので、ベーン11の先端部とピストン9の外周面の接触部における摺動面を安全に確保できる。つまり、ベーン11の先端部とピストン9の外周面の接触面中心が吸入室12側を移動する摺動長さの投影距離Xは式(5)で表され、摺動長さの投影距離Xとオフセット寸法αとベーン11の先端部とピストン9の外周面との最大接触面長さdの半分を足し合わせたものがベーン11の厚みの半分より小さければよい(式(6))。従って、式(5)、(6)を変形することにより、式(1)が得られる。
更に、ベーン11の先端部の圧縮室13側円弧半径Rv2を吸入室12側円弧半径Rv1より大きく構成しており、ベーン11の先端部とピストン9の外周面の接触面がベーン11の先端部の圧縮室13側円弧上に移動した際に、ベーン11の先端部とピストン9の外周面の接触面長さを大きくすることができるので、シール性を向上させ、圧縮室13から吸入室12への作動冷媒の漏れを小さくすることが可能となり、体積効率を低下させることがない。すなわち、図4に示すように、ベーン11の先端部とピストン9の外周面の接触面がベーン11の先端部の圧縮室13側円弧上に移動した際に、圧縮室13側圧力Pcはほぼ密閉容器1の吐出圧力Pdと同じであり、吸入室12側圧力Psとの差圧が大きくなるので、高圧の圧縮室13から低圧の吸入室12への作動冷媒の漏れを小さくするために、ベーン11の先端部とピストン9の外周面の接触面長さを大きくする。
つまり、ベーン11の先端部とピストン9の外周面の接触面長さd1は式(7)で与えられるので、ベーン11の先端部の圧縮室13側円弧半径Rv2を吸入室12側円弧半径Rv1より大きくすることにより、ベーン11の先端部とピストン9の外周面の接触面がベーン11の先端部の圧縮室13側円弧上に移動した際に、ベーン11の先端部とピストン9の外周面の接触面長さを従来技術より大きくすることができる。
ここで、Rvはベーン11の先端部の円弧半径、Rpはピストン9の外周面半径、Lはベーン11の高さ、E1、ν1はそれぞれベーン11の縦弾性係数とポアソン比、E2、ν2はそれぞれピストン9の縦弾性係数とポアソン比、F1はベーン11の先端部とピストン9の外周面の接触面に対し、法線方向に作用する押付力を表す。
そして、ベーン11の吸入室12側背面に小さなくぼみを設けているので、ベーン11をシリンダー5に形成されるベーン溝10に組み付ける際に、小さなくぼみを目印にすることができるので、ベーン11の厚み方向について、組み付け間違いを防止でき、作業性は向上する。
以上の構成により、ベーンに付勢される押付力を小さくすることができるので、ベーンの先端部とピストンの外周面の接触面における潤滑状態を良化することができ、ベーンの先端部とピストンの外周面の間に発生する摺動損失を低減し、入力ロスの小さいロータリ圧縮機を提供することが可能となる。
また、本実施の形態のロータリ圧縮機において、作動冷媒として、炭素と炭素間に2重結合を有するハイドロフルオロオレフィンをベース成分とした冷媒からなる単一冷媒またはこの冷媒を含む混合冷媒を用いた場合には、ベーンの先端部とピストンの外周面が接触する部分で局部的に高温となり、化学的安定性が低下することに伴って潤滑性が悪化するので、ベーンに付勢される押付力を小さくして、ベーンの先端部とピストンの外周面の接触面における潤滑状態を良化することにより、より効果的にベーンの先端部とピストンの外周面の間に発生する摺動損失を低減することができる。
上記炭素と炭素間に2重結合を有するハイドロフルオロオレフィンをベース成分とした冷媒からなる単一冷媒またはこの冷媒を含む混合冷媒としては、例えばハイドロフルオロオレフィンをテトラフルオロプロペン(HFO1234yfまたはHFO1234ze)とし、ハイドロフルオロカーボンをジフルオロメタン(HFC32)とした、混合冷媒を作動冷媒とすることが考えられる。
また、ハイドロフルオロオレフィンをテトラフルオロプロペン(HFO1234yf)とし、ハイドロフルオロカーボンをペンタフルオロエタン(HFC125)とした、混合冷媒を作動冷媒としてもよい。
また、ハイドロフルオロオレフィンをテトラフルオロプロペン(HFO1234yf)とし、ハイドロフルオロカーボンをペンタフルオロエタン(HFC125)、ジフルオロメタン(HFC32)とした、3成分からなる混合冷媒を作動冷媒としてもよい。
そして、上記いずれの場合も地球温暖化係数が5以上、750以下となるように、望まし
くは350以下となるようにそれぞれ2成分混合もしくは3成分混合したものが好ましい。
また、上記作動冷媒に用いる冷凍機油としては、ポリオキシアルキレングリコール類、ポリビニルエーテル類、ポリ(オキシ)アルキレングリコールまたはそのモノエーテルとポリビニルエーテルの共重合体、ポリオールエステル類およびポリカーボネート類の含酸素化合物を主成分とする合成油か、アルキルベンゼン類やαオレフィン類を主成分とする合成油が好ましい。
以上のように、本発明にかかるロータリ圧縮機は、入力ロスを小さくすることができるため、給湯器用圧縮機、空気圧縮の用途にも適用できる。
1 密閉容器
2 ステータ
3 ロータ
4 シャフト
5 シリンダー
6 シリンダー室
7 上軸受け
8 下軸受け
9 ピストン
10 ベーン溝
11 ベーン
12 吸入室
13 圧縮室
14 ベーンバネ
15 ベーンバネ孔
17 吸入ポート
18 吐出ポート
19 バルブカバー
20 吐出マフラー室
101 圧縮機構部
102 電動機部
201 接触面

Claims (6)

  1. 密閉容器内に電動機部と圧縮機構部を収納し、該圧縮機構部はシリンダーと、該シリンダーの両端面に締結されてシリンダー室を形成する上軸受け及び下軸受けと、前記上軸受けと下軸受けとの間に偏心部を設けたシャフトと、前記シャフトの偏心部に嵌合されるピストンと、該ピストンの外周面に当接して前記シリンダー室内を吸入室と圧縮室に仕切るベーンと、前記シリンダーに形成され、前記ベーンが往復運動するベーン溝を有して構成されるロータリ圧縮機において、前記ベーンの先端部の円弧の中心を前記ベーンの厚み方向中心線より吸入室側へオフセットしたことを特徴とするロータリ圧縮機。
  2. オフセット寸法αは、前記ベーンの厚みをT、先端部の吸入室側円弧半径をRv1、前記ピストンの外周面半径をRp、前記シャフトの偏心部の偏心量をE、前記ベーンの先端部と前記ピストンの外周面の最大接触面長さをdとした場合に、式(1)を満足すると共に、前記ベーンの高さをL、前記ベーンの縦弾性係数とポアソン比をそれぞれE1、ν1、前記ピストンの縦弾性係数とポアソン比をそれぞれE2、ν2、設計吐出圧力と設計吸入圧力の差圧によって前記ベーンに付勢される押付力をFとした場合に、前記ベーンの先端部と前記ピストンの外周面の最大接触面長さdが式(2)で表される関係にあることを特徴とする請求項1に記載のロータリ圧縮機。
  3. 前記ベーンの先端部の圧縮室側円弧半径を、吸入室側円弧半径より大きくしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転式圧縮機。
  4. 前記ベーンの吸入室側背面に小さなくぼみを設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  5. 作動冷媒として、CO2を用いたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  6. 作動冷媒として、炭素と炭素間に2重結合を有するハイドロフルオロオレフィンをベース成分とした冷媒からなる単一冷媒または前記冷媒を含む混合冷媒を用いたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
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