JP2011230550A - 浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備および液化天然ガス生産貯蔵積出方法 - Google Patents

浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備および液化天然ガス生産貯蔵積出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備の様々なリスクを低減すること。
【解決手段】天然ガスから液化ガスを生成するプラント3と、第1タンク5−3と、第1タンク5−3と種類が異なる第2タンク5−1、5−2とを浮体2上に備えている。このような浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、プラント3で生成された液化ガスをまず第1タンク5−3に貯蔵し、その後に、第1タンク5−3から第2タンク5−1、5−2にその液化ガスを輸送することにより、第1タンク5−3に比較して、第2タンク5−1、5−2が半載状態となる期間を短縮することができ、第2タンク5−1、5−2がスロッシングによる被害を受ける確率を低減することができ、そのスロッシングによる被害を受けやすいタンクを第2タンク5−1、5−2に適用しつつ、スロッシングによる被害を低減することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備に関し、特に、海洋上で天然ガスから液化ガスを生産し、その液化ガスを貯蔵し、その液化ガスをタンカーに積み出す浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備および液化天然ガス生産貯蔵積出方法に関する。
海洋上で天然ガスから液化ガスを生産し、その液化ガスを貯蔵し、その液化ガスをタンカーに積み出す浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備が知られている。このような浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備は、様々なリスクを低減することが望まれている。
特表2009−529456号公報には、液化天然ガスの船上再ガス化のための方法が開示されている。その再ガス化法は、陸上へガスとして送るため液体天然ガスを沖合再ガス化するための方法において、LNGを配送船から受取り船へ船舶間積み替え場所で荷降ろしすること;前記受取り船を自身の動力で前記船舶間積み替え場所から、前記船舶間積み替え場所よりも海岸に近い係留場所へ移動させること;前記受取り船上の再ガス化施設を用いてLNGを再ガス化し、前記係留場所で天然ガスを形成すること;及び前記天然ガスを、最終的ユーザーへ送るための陸上ガス分配施設へ移送すること;を含んでいる。
特表2009−529456号公報
本発明の課題は、様々なリクスを低減する浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備および液化天然ガス生産貯蔵積出方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、タンクのスロッシングによる被害をより低減する浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備および液化天然ガス生産貯蔵積出方法を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、浮体上の空間をより拡大する浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備および液化天然ガス生産貯蔵積出方法を提供することにある。
以下に、発明を実施するための形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明による浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備(1)(61)は、採掘された天然ガスから液化ガスを生成するプラント(3)(63)と、その液化ガスを貯蔵する複数のタンク(5−1〜5−3)(65−1〜65−3)と、プラント(3)(63)と複数のタンク(5−1〜5−3)(65−1〜65−3)とを支持する浮体(2)(62)とを備えている。複数のタンク(5−1〜5−3)(65−1〜65−3)は、第1タンク(5−3)(65−3)と、第1タンク(5−3)(65−3)の種類と異なる他の種類の第2タンク(5−1、5−2)(65−1、65−2)とを含んでいる。このような浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備(1)(61)は、第1タンク(5−3)(65−3)の劣っている点を第2タンク(5−1、5−2)(65−1、65−2)が補うことができ、かつ、第2タンク(5−1、5−2)(65−1、65−2)の劣っている点を第1タンク(5−3)(65−3)が補うことができる。このため、このような浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備(1)(61)は、1種類のタンクのみを備えている他の浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備に比較して、様々なリスクを低減することができる。
本発明による浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備(1)(61)は、第1タンク(5−3)(65−3)と第2タンク(5−1、5−2)(65−1、65−2)との間でその液化ガスを詰め替える輸送システム(4)(64)をさらに備えている。このような浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備(1)(61)は、タンク種類に応じた適切な量の液化ガスが各タンクに貯蔵されるように、液化ガスを第1タンク(5−3)(65−3)から第2タンク(5−1、5−2)(65−1、65−2)に詰め替えることができる。この結果、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備(1)(61)は、タンクのスロッシングによる被害をより低減することができる。
浮体(2)(62)は、上甲板(21)(81)を備えている。第1タンク(5−3)(65−3)は、上甲板(21)(81)の上に突出するように配置される。第2タンク(5−1、5−2)(65−1、5−2)は、上甲板(21)(81)の下に配置される。このような浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備(1)(61)は、上甲板の下に全体が収容されることができないタンクのみを備える他の浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備に比較して、上甲板(21)(81)のうちの使用することができる領域をより拡大することができる。
プラント(3)(63)は、上甲板(21)(81)のうちの第2タンク(5−1、5−2)(65−1、65−2)が配置される領域に配置される。すなわち、上甲板(21)(81)の上のうちの第2タンク(5−1、5−2)(65−1、65−2)の上部のエリアは、プラント(3)(63)が配置される領域に利用されることが好ましい。
本発明による液化天然ガス生産貯蔵積出方法は、採掘された天然ガスから液化ガスを生成するプラント(3)(63)と、その液化ガスを貯蔵する複数のタンク(5−1〜5−3)(65−1〜65−3)と、プラント(3)(63)と複数のタンク(5−1〜5−3)(65−1〜65−3)とを支持する浮体(2)(62)とを備えている浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備(1)(61)を用いて実行される。本発明による液化天然ガス生産貯蔵積出方法は、プラント(3)(63)から複数のタンク(5−1〜5−3)(65−1〜65−3)のうちの第1タンク(5−3)(65−3)にその液化ガスを輸送するステップと、第1タンク(5−3)(65−3)から複数のタンク(5−1〜5−3)(65−1〜65−3)のうちの第2タンク(5−1、5−2)(65−1、65−2)にその液化ガスを輸送するステップと、複数のタンク(5−1〜5−3)(65−1〜65−3)から浮体(2)(62)に係船されるタンカー(41、45)にその液化ガスを輸送するステップとを備えている。このような液化天然ガス生産貯蔵積出方法によれば、第2タンク(5−1、5−2)(65−1、65−2)が半載状態となる期間を短縮することができ、第2タンク(5−1、5−2)(65−1、65−2)がスロッシングによる被害を受ける確率を低減することができる。このため、このような液化天然ガス生産貯蔵積出方法によれば、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備は、そのスロッシングによる被害を受けやすいタンクを第2タンク(5−1、5−2)(65−1、65−2)に適用しつつ、スロッシングによる被害を低減することができる。
第1タンク(5−3)(65−3)は、独立球形タンクであることが好ましい。このとき、第2タンク(5−1、5−2)(65−1、65−2)は、メンブレンタンクであることが好ましい。なお、第1タンクは、独立方形タンクで構成されることもできる。
本発明による浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備および液化天然ガス生産貯蔵積出方法は、第1タンクの劣っている点を第2タンクが補うことができ、かつ、第2タンクの劣っている点を第1タンクが補うことができ、様々なリスクを低減することができる。
図1は、本発明による浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備を示す平面図である。 図2は、本発明による浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備を示す正面図である。 図3は、液化ガスを輸送するタンカーを示し、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備からタンカーに液化ガスを供給するときの状態を示す平面図である。 図4は、本発明による他の浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備を示す平面図である。 図5は、本発明による他の浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備を示す正面図である。
図面を参照して、本発明による浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備の実施の形態を記載する。その浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、図1に示されているように、浮体2とプラント3と輸送システム4と複数の液化ガスタンク5−1〜5−3と複数のローディングアーム6−1〜6−3と居住区7とヘリポート8と複数の救命艇9−1〜9−2とを備えている。複数の液化ガスタンク5−1〜5−3は、メンブレンタンク5−1とメンブレンタンク5−2とモス独立球形タンク5−3とから形成されている。浮体2は、海洋に浮かぶ船体を形成し、プラント3と輸送システム4と複数の液化ガスタンク5−1〜5−3と複数のローディングアーム6−1〜6−3と居住区7とヘリポート8と複数の救命艇9−1〜9−2とをその海洋上に支持している。
プラント3は、ガス田から採掘された天然ガスから液化ガスを生成する。すなわち、プラント3は、前処理設備と液化設備とを備え、または、液化設備のみを備えている。その前処理設備は、セパレータと酸性ガス除去設備と脱湿設備と水銀除去設備とを備えている。そのセパレータは、その天然ガスからコンセンデートと水とを除去することにより、第1天然ガスを生成する。その酸性ガス除去設備は、その第1天然ガスから酸性ガスを除去することにより、第2天然ガスを生成する。その酸性ガスとしては、二酸化炭素と硫化水素とが例示される。その脱湿設備は、その第2天然ガスから水分を完全に除去することにより、第3天然ガスを生成する。その水銀除去設備は、その天然ガスに水銀が含まれているときに、その第3天然ガスから水銀を除去することにより、第4天然ガスを生成する。その水銀を除去する方法としては、炭素吸着法が例示される。
その液化設備は、熱交換器と圧縮機と動力装置とを備えている。その動力装置は、その圧縮機を駆動する動力を生成し、たとえば、ガスタービンから形成され、または、モータと発電設備とから形成されている。その液化設備は、その第4天然ガスを−162℃以下に冷却することにより、その液化ガスを生成する。その液化設備は、その天然ガスに水銀が含まれていないときに、その第3天然ガスを−162℃以下に冷却することにより、その液化ガスを生成する。その冷却する方法としては、カスケード方式と混合冷媒方式と窒素冷媒方式とが例示される。そのカスケード方式は、複数の段階に分けて液化対象ガスを冷却・液化する方法を示している。その複数の段階では、互いに異なる複数の冷媒がそれぞれ使用される。その混合冷媒方式は、混合した冷媒により液化対象ガスを冷却・液化する方法である。その窒素冷媒方式は、冷却した窒素により液化対象ガスを冷却・液化する方法である。なお、液化設備の一部を船内に配置する場合もある。
なお、プラント3は、その前処理設備を省略することもできる。このとき、その液化設備は、その天然ガスを−162℃以下に冷却することにより、その液化ガスを生成する。
メンブレンタンク5−1は、断熱材とメンブレンとを備えている。その断熱材は、熱伝導しにくい物質から形成され、浮体2の内側に配置されている。そのメンブレンは、金属薄膜から形成され、メンブレンタンク5−1のタンク内部とその断熱材とを隔離するように、浮体2の内側に支持されている。メンブレンタンク5−1は、プラント3により生成された液化ガスを低温に保冷することにより、その液化ガスを液体の状態で貯蔵する。メンブレンタンク5−2は、メンブレンタンク5−1と同様にして構成されている。メンブレンタンク5−2は、プラント3により生成された液化ガスを低温に保冷することにより、その液化ガスを液体の状態で貯蔵する。
モス独立球形タンク5−3は、球形に形成されているモス独立球形タンクであり、支持構造と断熱材とを備えている。その支持構造は、液化ガスを貯蔵する容器に形成され、浮体2に支持されている。その支持構造は、浮体2に支持されていなくても、その容器が液化ガスを貯蔵することができるように、十分な強度を有している。その断熱材は、熱伝導しにくい物質から形成され、その支持構造の周囲を被覆している。モス独立球形タンク5−3は、プラント3により生成された液化ガスを低温に保冷することにより、その液化ガスを液体の状態で貯蔵する。
輸送システム4は、管路とポンプとを備えている。その管路は、メンブレンタンク5−1の内部とモス独立球形タンク5−3の内部とを接続し、メンブレンタンク5−2の内部とモス独立球形タンク5−3の内部とを接続している。そのポンプは、その管路を介してモス独立球形タンク5−3に貯蔵されている液化ガスをメンブレンタンク5−1に供給し、その管路を介してモス独立球形タンク5−3に貯蔵されている液化ガスをメンブレンタンク5−2に供給する。
複数のローディングアーム6−1〜6−3の各ローディングアーム6−j(j=1,2,3)は、屈曲可能である管路とその管路の一端を移動させるアクチュエータとを備えている。その管路の他端は、複数の液化ガスタンク5−1〜5−3に接続されている。ローディングアーム6−jは、その液化ガスを輸送するタンカーが浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1に係船されているときに、その管路の一端をそのタンカーに接続し、その管路を介して複数の液化ガスタンク5−1〜5−3により貯蔵された液化ガスをそのタンカーに供給する。
居住区7は、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1の乗員が待機する建家を形成している。ヘリポート8は、ヘリコプターが離発着する離着陸場を形成している。そのヘリコプターは、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1の乗員が浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1から退避することに利用される。複数の救命艇9−1〜9−2は、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1の乗員が浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1から退避することに利用される。
浮体2は、船首方向10に長い形状に形成され、船首部分11とタンク部分12と中央部分14とプラント部分15と船尾部分16とから形成されている。船首部分11は、浮体2の船首を形成し、浮体2のうちの船首方向10の端を形成している船尾部分16は、浮体2の船尾を形成し、浮体2のうちの船首方向10の反対方向の端を形成しているタンク部分12は、船首部分11と船尾部分16との間に配置され、船首部分11に接合されている。中央部分14は、タンク部分12と船尾部分16との間に配置され、タンク部分12に接合されている。プラント部分15は、中央部分14と船尾部分16との間に配置され、中央部分14に接合され、船尾部分16に接合されている。
プラント3は、プラント部分15に配置されている。なお、プラント3は、一部が中央部分14に配置されることもできる。輸送システム4は、プラント部分15に配置されている。なお、輸送システム4は、中央部分14に配置されることもできる。居住区7とヘリポート8と複数の救命艇9−1〜9−2とは、船首部分11に配置されている。
複数の液化ガスタンク5−1〜5−3は、タンク部分12に配置されている。すなわち、メンブレンタンク5−1は、タンク部分12のうちの中央部分14に近い側に配置されている。メンブレンタンク5−2は、タンク部分12のうちの中央に配置され、メンブレンタンク5−1の船首方向10の側に配置されている。モス独立球形タンク5−3は、タンク部分12のうちの船首部分11に近い側に配置され、メンブレンタンク5−2の船首方向10の側に配置されている。
ローディングアーム6−1は、浮体2の左舷のうちのタンク部分12に配置されている。ローディングアーム6−2は、浮体2の右舷のうちのタンク部分12に配置されている。ローディングアーム6−3は、浮体2のうちのローディングアーム6−2の船尾側に配置され、浮体2の右舷のうちの中央部分14に配置されている。
浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、図示されていない係留システムをさらに備えている。その係留システムは、船首部分11に配置されている。その係留システムは、一点係留システムを使用し、一端が海底に固定された係留索の他端を浮体2の船首部分11に接続することにより、浮体2を海底に係留する。その一点係留システムとしては、内部タレット方式や外部タレット方式が例示される。その内部タレット方式は、浮体2に対してその係留索が回転可能にその係留索を船首部分11に接続するタレットが浮体2の内部に配置される係留システムである。その外部タレット方式は、そのタレットが浮体2の外部に配置される係留システムである。浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、このような一点係留システムにより係留されることにより、風波による外力の影響や動揺を低減することができる。その係留システムには、一点係留システムの他に、多点係留システムもある。
浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、さらに、複数のエスケープルート17−1〜17−2をさらに備えている。エスケープルート17−1は、浮体2の左舷に沿って配置されている。エスケープルート17−2は、浮体2の右舷に沿って配置されている。救命艇69−1は、船首部分11の左舷に配置され、エスケープルート17−1の船首部分11の側の端に接続されている。救命艇69−2は、船首部分11の右舷に配置され、エスケープルート17−2の船首部分11の側の端に接続されている。
浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、さらに、図2に示されているように、ポンプルーム22とマシナリールーム23とコンデンセートタンク24とバラストタンク25とを備えている。
マシナリールーム23は、プラント3及び浮体2で消費される複数の用役をそれぞれ供給する複数の用役設備を備えている。たとえば、マシナリールーム23は、電力供給設備と冷却水設備などを備えている。その電力供給設備は、プラント3及び浮体2で消費される電力を生成する。その冷却水設備は、プラント3で消費される冷却水を生成する。
ポンプルーム22は、プラント3及び浮体2で消費される用役を供給するための用役設備などが配置されている。
コンデンセートタンク24は、プラント3により生産されるコンデンセートを貯蔵する。バラストタンク25は、浮体2の重量を増したり重量のバランスを取ったり曲げモーメントを軽減したりするためのバラストを積み込む。
浮体2は、さらに、上甲板21と下側甲板20とを備えている。上甲板21は、水平面に沿う板状に形成され、浮体2の上部の概ね全体にわたって配置され、平坦な床を形成している。下側甲板20は、水平面に沿う板状に形成され、上甲板21の概ね全体の直下に配置され、平坦な床を形成している。プラント3は、上甲板21のうちのプラント部分15を構成する部分の上に配置されている。ローディングアーム6−1とローディングアーム6−2とは、それぞれ、上甲板21のうちのタンク部分12を構成する部分の上に配置されている。ローディングアーム6−3は、上甲板21のうちの中央部分14を構成する部分の上に配置されている。
居住区7とヘリポート8とは、船首部分11の上甲板21の上に配置されている。マシナリールーム23とコンデンセートタンク24とは、プラント部分15の上甲板21の下に配置され、プラント部分15に支持されている。ポンプルーム22とバラストタンク25とは、中央部分14の上甲板21の下に配置され、中央部分14に支持されている。
複数のエスケープルート17−1〜17−2の各エスケープルート17−i(i=1,2)は、プラント側エスケープルート26−iとタンク側エスケープルート27−iと階段31−iと建家32−iと階段34−iと建家35−iとを備えている。
プラント側エスケープルート26−iは、浮体2のうちの船尾部分16とプラント部分15と中央部分14とに配置され、船尾部分16から中央部分14までの通路を形成している。プラント側エスケープルート26−1〜26−2は、下側甲板20の上に配置され、上甲板21の下に配置され、浮体2の内部に形成されている。すなわち、上甲板21は、プラント側エスケープルート26−1〜26−2とプラント3とを隔離している。メンブレンタンク5−1、5−2の上にプラントが設置される場合は、そのプラントが設置される部分のエスケープルートはプラント側エスケープルート26−iに属する。
タンク側エスケープルート27−iは、浮体2のうちの中央部分14とタンク部分12と船首部分11とに配置され、中央部分14から船首部分11までの通路を形成している。タンク側エスケープルート27−1〜27−2は、上甲板21の上に配置され、浮体2の外部に形成されている。このため、タンク側エスケープルート27−1〜27−2を通過する乗員は、プラント3を目視することができる。
階段31−iは、中央部分14に配置され、プラント側エスケープルート26−iと上甲板21との間を乗員が移動することができるように、プラント側エスケープルート26−iと上甲板21とを接続している。建家32−iは、中央部分14の上甲板21の上に配置されている。建家32−iは、階段31−iとプラント側エスケープルート26−iとが雨風に曝されないように、建家32−iの内部に階段31−iが配置されるように形成されている。
階段34−iは、船尾部分16に配置され、プラント側エスケープルート26−iと上甲板21との間を乗員が移動することができるように、プラント側エスケープルート26−iと上甲板21とを接続している。建家35−iは、船尾部分16の上甲板21の上に配置されている。建家35−iは、階段34−iとプラント側エスケープルート26−iとが雨風に曝されないように、建家35−iの内部に階段34−iが配置されるように形成されている。
プラント側エスケープルート26−1〜26−2は、さらに、マシナリールーム23にいる乗員がプラント側エスケープルート26−1〜26−2に移動することができるように、マシナリールーム23に接続されている。
浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1の乗員は、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1に火災等に例示される事故が発生したときに、エスケープルート17−1〜17−2を通って、居住区7とヘリポート8と複数の救命艇9−1〜9−2とに避難する。プラント3は、複数の液化ガスタンク5−1〜5−3に比較して、火災または爆発が発生する確率が高い。このような浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1によれば、乗員は、プラント側エスケープルート26−1〜26−2を通過するときに、プラント3に発生した火災または爆発による火炎や爆風が上甲板21により遮蔽され、その火炎や爆風をより確実に避けることができる。乗員は、さらに、タンク側エスケープルート27−1〜27−2を通過するときに、プラント3に発生した火災を目視により確認することができる。
メンブレンタンク5−1とメンブレンタンク5−2とは、それぞれ、全体がタンク部分12の上甲板21の下に配置されている。このため、上甲板21のうちのメンブレンタンク5−1とメンブレンタンク5−2との上部に配置されているエリアは、平坦である床に形成され、その床の上に様々な設備を設置することができる。モス独立球形タンク5−3は、一部が上甲板21の上に突出するように配置されている。このため、上甲板21のうちのモス独立球形タンク5−3の上部に配置されているエリアは、平坦である床がメンブレンタンクの場合に比べ少なく、平坦な床の上に設置する必要がある設備を設置できる割合が少ない。このため、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、モス独立球形タンクのみを備える他の浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備に比較して、上甲板21に形成される平坦である床が形成されている領域を拡大することができる。或いは、浮体の船首方向長さを短く出来る可能性がある。
図3は、液化ガスを輸送するタンカーを示している。そのタンカー41は、複数のタンク42−1〜42−4と接続口43−1〜43−2と係船索44とを備えている。複数のタンク42−1〜42−4は、それぞれ、液化ガスを低温に保冷することにより、その液化ガスを液体の状態で貯蔵する。係船索44は、タンカー41を浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1に係船するために利用される。接続口43−1〜43−2は、それぞれ、管路を介して複数のタンク42−1〜42−4に接続されている。タンカー41は、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1に係船されているときに、接続口43−1〜43−2にローディングアームが接続されることにより、複数のタンク42−1〜42−4に液化ガスが供給され、または、複数のタンク42−1〜42−4から液化ガスが取り出される。すなわち、タンカー41は、接続口43−1〜43−2にローディングアーム6−1〜6−3が接続されることにより、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1の複数の液化ガスタンク5−1〜5−3から複数のタンク42−1〜42−4に液化ガスが供給される。
図3は、液化ガスを輸送する他のタンカーをさらに示している。そのタンカー45は、複数のタンク46−1〜46−4と接続口47−1〜47−2と係船索48とを備えている。複数のタンク46−1〜46−4は、それぞれ、液化ガスを低温に保冷することにより、その液化ガスを液体の状態で貯蔵する。係船索48は、タンカー45を浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1に係船するために利用される。接続口47−1〜47−2は、それぞれ、管路を介して複数のタンク46−1〜46−4に接続されている。タンカー45は、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1に係船されているときに、接続口47−1〜47−2にローディングアームが接続されることにより、複数のタンク46−1〜46−4に液化ガスが供給され、または、複数のタンク46−1〜46−4から液化ガスが取り出される。すなわち、タンカー45は、接続口47−1〜47−2にローディングアーム6−1〜6−3が接続されることにより、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1の複数の液化ガスタンク5−1〜5−3から複数のタンク46−1〜46−4に液化ガスが供給される。
タンカー45のうちの接続口47−1〜47−2が配置される位置は、タンカー41のうちの接続口43−1〜43−2が配置される位置と異なっている。すなわち、タンカーのうちの接続口が配置される位置は、タンカーごとに異なっていることがある。
本発明による液化天然ガス生産貯蔵積出方法は、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1を用いて実行される。浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、所定の海域に係留されているときに、海底のガス田から採掘された天然ガスが供給される。浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、プラント3がその天然ガスからコンデンセートと液化ガスとを生産し、そのコンデンセートをコンデンセートタンク24に貯蔵する。
浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、まず、プラント3により生産された液化ガスをモス独立球形タンク5−3に供給し、モス独立球形タンク5−3がその液化ガスを貯蔵する。浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、メンブレンタンク5−1が満載状態になる量の液化ガスがモス独立球形タンク5−3に貯蔵された後に、メンブレンタンク5−1が満載状態になるまで、輸送システム4がモス独立球形タンク5−3からメンブレンタンク5−1に液化ガスを供給する。浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、さらに、メンブレンタンク5−2が満載状態になる量の液化ガスがモス独立球形タンク5−3に貯蔵された後に、メンブレンタンク5−2が満載状態になるまで、輸送システム4がモス独立球形タンク5−3からメンブレンタンク5−2に液化ガスを供給する。
輸送システム4によりモス独立球形タンク5−3からメンブレンタンク5−1またはメンブレンタンク5−2に液化ガスを供給する速さは、プラント3により液化ガスが生産される速さに比較して、非常に速い。このような動作によれば、プラント3により生産された液化ガスをメンブレンタンク5−1またはメンブレンタンク5−2に液化ガスを供給することに比較して、メンブレンタンク5−1またはメンブレンタンク5−2が半載状態となる期間をより短縮することができる。
タンクは、液体を貯蔵しているときに振動が与えられることにより、その液化ガスが波打つスロッシングが発生する。そのスロッシングは、そのタンクに被害を与えることがある。その被害としては、そのタンクの破壊等が例示される。メンブレンタンクは、一般的に、モス独立球形タンクに比較して、スロッシングにより被害を受けやすい。メンブレンタンクは、さらに、空載状態であるときに、または、満載状態であるときに、半載状態であるときに比較して、スロッシングによる被害を受けにくい。このため、このような動作によれば、メンブレンタンク5−1またはメンブレンタンク5−2は、半載状態となる期間が短縮されることにより、スロッシングにより被害を受ける確率が低減される。その結果、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、メンブレンタンクのみを備える他の浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備に比較して、スロッシングに対する耐久性を向上させることができる。
メンブレンタンクは、上甲板21に形成される平坦である床が形成されている領域を拡大することができ、プラント設置場所として活用することが出来る。
浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1の右舷の所定の位置にタンカー41が係船されたときに、ローディングアーム6−2を接続口43−1に接続し、ローディングアーム6−3を接続口43−2に接続する。次いで、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、ローディングアーム6−2を介して複数の液化ガスタンク5−1〜5−3に貯蔵されている液化ガスをタンカー41の複数のタンク42−1〜42−4に供給する。浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、さらに、ローディングアーム6−2を介してその液化ガスを複数のタンク42−1〜42−4に供給している最中に、ローディングアーム6−3を介して複数の液化ガスタンク5−1〜5−3に貯蔵されている液化ガスを複数のタンク42−1〜42−4にさらに供給する。
このような動作によれば、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、複数のローディングアーム6−1〜6−3のうちの1つのローディングアームを介してタンカー41に液化ガスを積み出す他の動作に比較して、タンカー41に液化ガスをより高速に積み出すことができる。この結果、本発明による液化天然ガス生産貯蔵積出方法は、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1からタンカーに液化ガスを積み出す作業の稼働率を向上させることができる。このような動作によれば、さらに、メンブレンタンク5−1またはメンブレンタンク5−2は、半載状態となる期間が短縮されることにより、スロッシングにより被害を受ける確率が低減される。
浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、さらに、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1の右舷の所定の位置からずれてタンカー41が係船された場合に、ローディングアーム6−2が接続口43−1に接続されることができないで、かつ、ローディングアーム6−3が接続口43−2に接続されることができないことがある。この場合に、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、ローディングアーム6−2が接続口43−2に接続することができるときに、ローディングアーム6−2を接続口43−2に接続し、複数の液化ガスタンク5−1〜5−3に貯蔵されている液化ガスを複数のタンク42−1〜42−4に供給する。または、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、ローディングアーム6−3が接続口43−1に接続することができるときに、ローディングアーム6−3を接続口43−1に接続し、ローディングアーム6−3を介して複数の液化ガスタンク5−1〜5−3に貯蔵されている液化ガスを複数のタンク42−1〜42−4に供給する。
このような動作によれば、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、片舷にローディングアームを1つだけ備える他の浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備に比較して、タンカーに液化ガスを積み出すときに、そのタンカーが係船する位置の許容範囲を拡大することができ、そのタンカーをより容易に、より強固な係船状態で係船させることができる。この結果、本発明による液化天然ガス生産貯蔵積出方法は、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1からタンカーに液化ガスを積み出す作業の稼働率を向上させることができる。
浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、接続口が配置される位置がタンカー41と異なる他のタンカーが浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1の右舷に係船された場合に、ローディングアーム6−2〜6−3のうちのその接続口に接続することができるローディングアームを選択し、その選択されたローディングアーム介して複数の液化ガスタンク5−1〜5−3に貯蔵されている液化ガスをそのタンカーに積み出す。このような動作によれば、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、接続口が配置される位置が互いに異なる様々なタンカーに積み出すことができ、好ましい。
浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1の左舷の所定の位置にタンカー45が係船されたときに、ローディングアーム6−1を接続口47−2に接続する。次いで、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、ローディングアーム6−1を介して複数の液化ガスタンク5−1〜5−3に貯蔵されている液化ガスをタンカー45の複数のタンク46−1〜46−4に供給する。すなわち、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、タンカーに液化ガスを積み出すときに、そのタンカーを片舷のみに係船させる必要がなく、片舷にだけローディングアームをだけ備える他の浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備に比較して、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1の両舷のうちのより適切な側の舷にそのタンカーを係船させることができる。
浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、さらに、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1の右舷に係船されたタンカー41に液化ガスを積み出す作業をしている最中に、タンカー45を左舷の所定の位置に係船する作業を実行することができ、ローディングアーム6−1を介して液化ガスをタンカー45に積み出すことができる。このような動作によれば、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1からタンカーに液化ガスを積み出す作業の稼働率を向上させることができる。
なお、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、右舷に適切に2隻のタンカーを係船することができるときに、その2隻のタンカーのうちの一方のタンカーにローディングアーム6−2を介して液化ガスを積み出し、その2隻のタンカーのうちの他方のタンカーにローディングアーム6−3を介して液化ガスを積み出すことができる。この場合も、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、その一方のタンカーに液化ガスを積み出している最中に、その他方のタンカーを係船する作業を実行することができ、その他方のタンカーに液化ガスを積み出す作業を実行することができる。すなわち、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、右舷に2隻のタンカーを係船するときに、同様にして、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1からタンカーに液化ガスを積み出す作業の稼働率を向上させることができる。
浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、メンブレンタンク5−1またはメンブレンタンク5−2に貯蔵されている液化ガスを優先的にタンカーに積み出すことにより、メンブレンタンク5−1またはメンブレンタンク5−2が半載状態となる期間が短縮されることにより、スロッシングにより被害を受ける確率が低減される。なお、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、メンブレンタンク5−1とメンブレンタンク5−2とが半載状態とならないように、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1に係船されているタンカーにモス独立球形タンク5−3に貯蔵されている液化ガスを積み出すこともできる。
浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1は、上甲板21のうちのメンブレンタンク5−1またはメンブレンタンク5−2の上の領域に他のプラントを追加して備えることもでき、エリアを有効活用出来る。
なお、モス独立球形タンク5−3は、スロッシングによる被害を受けにくい他のタンクに置換されることもできる。そのタンクとしては、独立方形タンクが例示される。その独立方形タンクは、直方体に形成され、支持構造と断熱材とを備えている。その支持構造は、液化ガスを貯蔵する容器に形成され、浮体2に支持されている。その支持構造は、浮体2に支持されていなくても、その容器が液化ガスを貯蔵することができるように、十分な強度を有している。その断熱材は、熱伝導しにくい物質から形成され、その支持構造の周囲を被覆している。その独立方形タンクは、プラント3により生成された液化ガスを低温に保冷することにより、その液化ガスを液体の状態で貯蔵する。このような浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備は、既述の実施の形態における浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1と同様にして、メンブレンタンク5−1とメンブレンタンク5−2とが半載状態となる期間を短縮することができ、スロッシングにより被害を受ける確率を低減することができる。
なお、複数の液化ガスタンク5−1〜5−3は、モス独立球形タンクと独立方形タンクとから形成されることもできる。このような浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備は、モス独立球形タンクのみを備える他の浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備に比較して、上甲板21に形成される平坦である床を拡大することができる。このとき、このような浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備は、その拡大された床にさらに他のプラントを追加して備えることもできる。モス独立球形タンクは、一般的に、独立方形タンクに比較して、建造コストがより安価である。このため、このような浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備は、さらに、独立方形タンクのみを備える他の浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備に比較して、建造コストがより安価であり、好ましい。
図4は、本発明による浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備の実施の他の形態を示している。その浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備61は、浮体62とプラント63と複数の液化ガスタンク65−1〜65−3と複数のローディングアーム66−1〜66−3と居住区67とヘリポート68と複数の救命艇69−1〜69−2とを備えている。複数の液化ガスタンク65−1〜65−3は、メンブレンタンク65−1とメンブレンタンク65−2とモス独立球形タンク65−3とから形成されている。浮体62は、海洋に浮かぶ船体を形成し、プラント63と複数の液化ガスタンク65−1〜65−3と複数のローディングアーム66−1〜66−3と居住区67とヘリポート68とをその海洋上に支持している。
プラント63は、プラント3と同様にして、ガス田から採掘された天然ガスからコンデンセートと液化ガスとを生成する。
メンブレンタンク65−1は、メンブレンタンク5−1と同様に構成され、プラント63により生成された液化ガスを低温に保冷することにより、その液化ガスを液体の状態で貯蔵する。メンブレンタンク65−2は、メンブレンタンク5−2と同様に構成され、プラント63により生成された液化ガスを低温に保冷することにより、その液化ガスを液体の状態で貯蔵する。モス独立球形タンク65−3は、モス独立球形タンク5−3と同様に構成され、プラント63により生成された液化ガスを低温に保冷することにより、その液化ガスを液体の状態で貯蔵する。
輸送システム64は、輸送システム4と同様に構成され、モス独立球形タンク65−3に貯蔵されている液化ガスをメンブレンタンク65−1に供給し、モス独立球形タンク65−3に貯蔵されている液化ガスをメンブレンタンク65−2に供給する。
複数のローディングアーム66−1〜66−3は、その液化ガスを輸送するタンカーが浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備61に係船されているときに、複数の液化ガスタンク65−1〜65−3により貯蔵された液化ガスをそのタンカーに供給する。複数のローディングアーム66−1〜66−3の各ローディングアーム66−jは、ローディングアーム6−jと同様にして、その液化ガスを輸送するタンカーが浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備61に係船されているときに、そのタンカーに接続されることにより、複数の液化ガスタンク65−1〜65−3により貯蔵された液化ガスをそのタンカーに供給する。
居住区67は、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備61の乗員が待機する建家を形成している。ヘリポート68は、ヘリコプターが離発着する離着陸場を形成している。そのヘリコプターは、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備61の乗員が浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備61から退避することに利用される。複数の救命艇69−1〜69−2は、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備61の乗員が浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備61から退避することに利用される。
浮体62は、船首方向70に長い形状に形成され、船首部分71とプラント部分72と中央部分74とタンク部分75と船尾部分76とから形成されている。船首部分71は、浮体62の船首を形成し、浮体62のうちの船首方向70の端を形成している船尾部分76は、浮体62の船尾を形成し、浮体62のうちの船首方向70の反対方向の端を形成している。プラント部分72は、船首部分71と船尾部分76との間に配置され、船首部分71に接合されている。中央部分74は、プラント部分72と船尾部分76との間に配置され、プラント部分72に接合されている。タンク部分75は、中央部分74と船尾部分76との間に配置され、中央部分74に接合され、船尾部分76に接合されている。
プラント63は、プラント部分72に配置されている。なお、プラント63は、一部が中央部分74に配置されることもできる。輸送システム64は、プラント部分72に配置されている。なお、輸送システム64は、中央部分74に配置されることもできる。居住区67とヘリポート68と複数の救命艇69−1〜69−2とは、船首部分71に支持されている。
複数の液化ガスタンク65−1〜65−3は、タンク部分75に支持されている。すなわち、メンブレンタンク65−1は、タンク部分75のうちの中央部分74に近い側に配置されている。メンブレンタンク65−2は、タンク部分75のうちの中央に配置され、メンブレンタンク65−1の船首方向70の反対方向の側に配置されている。モス独立球形タンク65−3は、タンク部分75のうちの船尾部分76に近い側に配置され、メンブレンタンク65−2の船首方向70の反対方向の側に配置されている。
ローディングアーム66−1は、浮体62の左舷のうちのタンク部分75に配置されている。ローディングアーム66−2は、浮体62の右舷のうちのタンク部分75に配置されている。ローディングアーム66−3は、浮体62のうちのローディングアーム66−2の船首側に配置され、浮体62の右舷のうちの中央部分74に配置されている。
浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備61は、図示されていない係留システムをさらに備えている。その係留システムは、船首部分71に支持されている。その係留システムは、係留索を浮体62の船首部分71に保持させることにより、浮体62を海底に係留する。
浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備61は、さらに、複数のエスケープルート77−1〜77−2をさらに備えている。エスケープルート77−1は、浮体62の左舷に沿って配置されている。エスケープルート77−2は、浮体62の右舷に沿って配置されている。救命艇69−1は、船尾部分76の左舷に配置され、エスケープルート77−1の船尾部分76の側の端に接続されている。救命艇69−2は、船尾部分76の右舷に配置され、エスケープルート77−2の船尾部分76の側の端に接続されている。
浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備61は、さらに、図5に示されているように、ポンプルーム82とマシナリールーム83とコンデンセートタンク84とバラストタンク85とを備えている。マシナリールーム83は、マシナリールーム23と同様にして、プラント63及び浮体62で消費される複数の用役をそれぞれ供給する複数の用役設備を備えている。ポンプルーム82は、ポンプルーム22と同様にして、プラント63及び浮体で消費される用役を供給するための用役設備などが配置されている。コンデンセートタンク84は、プラント63により生産されるコンデンセートを貯蔵する。バラストタンク85は、浮体62の重量を増したり重量のバランスを取ったり曲げモーメントを軽減したりするためのバラストを積み込む。
浮体62は、さらに、上甲板81と下側甲板80とを備えている。上甲板81は、水平面に沿う板状に形成され、浮体62の上部の概ね全体にわたって配置され、平坦な床を形成している。下側甲板80は、水平面に沿う板状に形成され、上甲板81の概ね全体の直下に配置され、平坦な床を形成している。プラント63は、プラント部分72の上甲板81の上に配置されている。ローディングアーム66−1〜66−3は、上甲板81の上に配置されている。居住区67とヘリポート68とは、船首部分71の上甲板81の上に配置されている。マシナリールーム83とコンデンセートタンク84とは、プラント部分72の上甲板81の下に配置され、プラント部分72に支持されている。ポンプルーム82とバラストタンク85とは、中央部分74の上甲板81の下に配置され、中央部分74に支持されている。
複数のエスケープルート77−1〜77−2の各エスケープルート77−iは、プラント側エスケープルート86−iとタンク側エスケープルート87−iと階段91−iと建家92−iと階段94−iと建家95−iとを備えている。
プラント側エスケープルート86−iは、浮体62のうちの船首部分71とプラント部分72と中央部分74とに配置され、船首部分71から中央部分74までの通路を形成している。プラント側エスケープルート86−1〜86−2は、下側甲板80の上に配置され、上甲板81の下に配置され、浮体62の内部に形成されている。すなわち、上甲板81は、プラント側エスケープルート86−1〜86−2とプラント63とを隔離している。メンブレンタンク65−1、65−2の上にプラントが設置される場合は、そのプラントが設置される部分のエスケープルートはプラント側エスケープルート86−iに属する。
タンク側エスケープルート87−iは、浮体62のうちの中央部分74とタンク部分75と船尾部分76とに配置され、中央部分74から船尾部分76までの通路を形成している。タンク側エスケープルート87−1〜87−2は、上甲板81の上に配置され、浮体62の外部に形成されている。このため、タンク側エスケープルート87−1〜87−2を通過する乗員は、プラント63を目視することができる。
階段91−iは、中央部分74に配置され、プラント側エスケープルート86−iと上甲板81との間を乗員が移動することができるように、プラント側エスケープルート86−iと上甲板81とを接続している。建家92−iは、中央部分74の上甲板81の上に配置されている。建家92−iは、階段91−iとプラント側エスケープルート86−iとが雨風に曝されないように、建家92−iの内部に階段91−iが配置されるように形成されている。
階段94−iは、船首部分71に配置され、プラント側エスケープルート86−iと上甲板81との間を乗員が移動することができるように、プラント側エスケープルート86−iと上甲板81とを接続している。建家95−iは、船首部分71の上甲板81の上に配置されている。建家95−iは、階段94−iとプラント側エスケープルート86−iとが雨風に曝されないように、建家95−iの内部に階段94−iが配置されるように形成されている。
プラント側エスケープルート86−1〜86−2は、さらに、マシナリールーム83にいる乗員がプラント側エスケープルート86−1〜86−2に移動することができるように、マシナリールーム83に接続されている。
浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備61の乗員は、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備61に火災等に例示される事故が発生したときに、エスケープルート77−1〜77−2を通って、居住区67とヘリポート68と複数の救命艇69−1〜69−2とに避難する。このようなエスケープルート77−1〜77−2は、既述の実施の形態におけるエスケープルート17−1〜17−2と同様にして、使い勝手が良い。
メンブレンタンク65−1とメンブレンタンク65−2とは、それぞれ、全体がタンク部分75の上甲板81の下に配置されている。このため、上甲板81のうちのメンブレンタンク65−1とメンブレンタンク65−2との上部に配置されているエリアは、平坦である床に形成され、その床の上に様々な設備を設置することができ、エリアを有効活用出来る。
本発明による液化天然ガス生産貯蔵積出方法は、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1の船首と船尾とを交換した浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備61を用いて実行されることができ、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備61は、既述の実施の形態における浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1と同様にして、様々なリクスを低減することができる。すなわち、浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備61は、メンブレンタンク65−1またはメンブレンタンク65−2が半載状態となる期間を短縮することができ、スロッシングにより被害を受ける確率を低減することができる。
浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備61は、さらに、既述の実施の形態における浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備1と同様にして、上甲板81のうちのメンブレンタンク65−1またはメンブレンタンク65−2の上の領域に他のプラントを追加して備えることもでき、エリアを有効活用出来る。
1 :浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備
2 :浮体
3 :プラント
4 :輸送システム
5−1〜5−3:液化ガスタンク
5−1:メンブレンタンク
5−2:メンブレンタンク
5−3:モス独立球形タンク
6−1〜6−3:ローディングアーム
7 :居住区
8 :ヘリポート
9−1〜9−2:複数の救命艇
10:船首方向
11:船首部分
12:タンク部分
14:中央部分
15:プラント部分
16:船尾部分
17−1〜17−2:エスケープルート
20:下側甲板
21:上甲板
22:ポンプルーム
23:マシナリールーム
24:コンデンセートタンク
25:バラストタンク
26−1〜26−2:プラント側エスケープルート
27−1〜27−2:タンク側エスケープルート
31−1〜31−2:階段
32−1〜32−2:建家
34−1〜34−2:階段
35−1〜35−2:建家
41:タンカー
42−1〜42−4:複数のタンク
43−1〜43−2:接続口
44:係船索
45:タンカー
46−1〜46−4:複数のタンク
47−1〜47−2:接続口
48:係船索
61:浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備
62:浮体
63:プラント
64:輸送システム
65−1〜65−3:複数の液化ガスタンク
65−1:メンブレンタンク
65−2:メンブレンタンク
65−3:モス独立球形タンク
66−1〜66−3:複数のローディングアーム
67:居住区
68:ヘリポート
69−1〜69−2:複数の救命艇
70:船首方向
71:船首部分
72:プラント部分
74:中央部分
75:タンク部分
76:船尾部分
77−1〜77−2:エスケープルート
80:下側甲板
81:上甲板
82:ポンプルーム
83:マシナリールーム
84:コンデンセートタンク
85:バラストタンク
86−1〜86−2:プラント側エスケープルート
87−1〜87−2:タンク側エスケープルート
91−1〜91−2:階段
92−1〜92−2:建家
94−1〜94−2:階段
95−1〜95−2:建家

Claims (7)

  1. 採掘された天然ガスから液化ガスを生成するプラントと、
    前記液化ガスを貯蔵する複数のタンクと、
    前記プラントと前記複数のタンクとを支持する浮体とを具備し、
    前記複数のタンクは、
    第1タンクと、
    前記第1タンクの種類と異なる他の種類の第2タンクとを含む
    浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備。
  2. 請求項1において、
    前記第1タンクと前記第2タンクとの間で前記液化ガスを詰め替える輸送システム
    をさらに具備する浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備。
  3. 請求項1〜請求項2のいずれかにおいて、
    前記浮体は、上甲板を備え、
    前記第1タンクは、前記上甲板の上に突出するように配置され、
    前記第2タンクは、前記上甲板の下に配置される
    浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備。
  4. 請求項3において、
    前記プラントは、前記上甲板のうちの前記第2タンクが配置される領域に配置される
    浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備。
  5. 採掘された天然ガスから液化ガスを生成するプラントと、
    前記液化ガスを貯蔵する複数のタンクと、
    前記プラントと前記複数のタンクとを支持する浮体
    とを具備する浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備
    を用いて実行される液化天然ガス生産貯蔵積出方法であり、
    前記プラントから前記複数のタンクのうちの第1タンクに前記液化ガスを輸送するステップと、
    前記第1タンクから前記複数のタンクのうちの第2タンクに前記液化ガスを輸送するステップと、
    前記複数のタンクから前記浮体に係船されるタンカーに前記液化ガスを輸送するステップ
    とを具備する液化天然ガス生産貯蔵積出方法。
  6. 請求項5において、
    前記第1タンクは、球形タンクであり、
    前記第2タンクは、メンブレンタンクである
    液化天然ガス生産貯蔵積出方法。
  7. 請求項5において、
    前記第1タンクは、独立方形タンクであり、
    前記第2タンクは、メンブレンタンクである
    液化天然ガス生産貯蔵積出方法。
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