JP2011229225A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固定子コア12は、第1ティースユニット31と第2ティースユニット32とを軸方向に積層して構成された分割コア30の端部同士を連結ピン18により回動可能に連結して円環状に構成されている。第1ティースユニット31は、2つの第1ティースブロック34を連結ピン19により回動可能に連結して構成され、第2ティースユニット32は、第1乃至第3ティースブロック34〜36を連結ピン19により回動可能に連結して構成されている。第1および第2ティースブロック34,35は、打ち抜きピースを所定枚積層一体化されたピース積層体の端部同士を回動可能に連結して構成され、第3ティースブロック36は、打ち抜きピースを所定枚積層一体化されたピース積層体で構成されている。
【選択図】図3
Description
しかし、このような円環状の固定子コアに巻線を巻装する方法では、導体線のスロット部内での整列が悪くなるため、導体線の長さが長くなり巻線の抵抗が増加する、また導体線の占積率が低下するという問題があった。さらに、巻線のコイルエンドが固定子コアの端面から大きくはみ出すため、回転電機の体格が大きくなるという問題もあった。
さらに、特許文献1に記載された従来の固定子の製造方法では、巻線部を備えるコアシートを平板の幅方向に1列に並んだ状態で打ち抜いているので、プレス加工機の制約上、1列に打ち抜かれる巻線部の個数が制限される。そこで、径が大きな固定子を特許文献1に記載された製造方法で製造する場合、固定子コアの周方向長さを複数に分割した長さの分割コア直列体を作製し、分割コア直列体の端部同士を溶接などにより連結して所望の長さのコア直列体を作製することになる。そこで、分割コア直列体の端部同士の溶接箇所が増えるので、固定子コアの真円度の悪化が顕著となる。
図1はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の構成を示す縦断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される固定子を軸方向から見た端面図、図3は図2のIII−III矢視断面図、図4はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される固定子コアを構成する分割コアを示す断面図、図5はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される固定子コアを構成する分割コアの構成を説明する図である。なお、図3および図4中、一点鎖線はティースの周方向中心位置を示している。
固定子11は、第1および第2ブラケット2,3に軸方向両側から支持されたフレーム4に内嵌状態に嵌合され、回転子8を囲繞するように同軸に配設されている。
固定子コア12は、図2に示されるように、2つの分割コア30を連結ピン18により回動可能に連結して円環状に構成されている。分割コア30は、後述するようにピース積層体37(37A〜37D)を周方向および軸方向に配列して構成されている。
分割コア30は、図3に示されるように、第1ティースユニット31と第2ティースユニット32とを軸方向に連結して構成されている。
第1ティースユニット31は、図3および図4の(a)に示されるように、2つの第1ティースブロック34を直列状に配列し、連結ピン19を連結穴25に挿通して、回動可能に連結して構成されている。第2ティースユニット32は、図3および図4の(b)に示されるように、第1ティースブロック34と第2ティースブロック35と第3ティースブロック36とを直列状に配列し、連結ピン19を連結穴25に挿入して回動可能に連結して構成されている。
まず、第1ティースブロック34は、それぞれティース部21とコアバック部22とからなるT字状の第1乃至第7打ち抜きピース20A〜20Gを多数枚積層して構成されている。なお、第1乃至第7打ち抜きピース20A〜20Gは磁性鋼板や電磁鋼板などの磁性薄板から打ち抜かれる。
第2打ち抜きピース20Bは、図5の(b)に示されるように、嵌合凸部23がコアバック部22の周方向一側に形成され、被嵌合凹部24がコアバック部22の周方向他側に形成されている。円形の連結凸部26が、嵌合凸部23の表面に突設されている。さらにまた、連結凹部が、図示していないが、嵌合凸部23の裏面に、連結凸部26と同軸に、かつ連結凸部26の外径より僅かに大きい内径に凹設されている。
第4打ち抜きピース20Dは、図5の(c)に示されるように、被嵌合凹部24がコアバック部22の周方向一側に形成され、嵌合凸部23がコアバック部22の周方向他側に形成されている。さらに、連結凸部26が、嵌合凸部23の表面に突設され、連結凹部(図示せず)が、嵌合凸部23の裏面に、連結凸部26と同軸に凹設されている。
第6打ち抜きピース20Fは、図5の(d)に示されるように、被嵌合凹部24がコアバック部22の周方向一側に形成され、嵌合凸部23がコアバック部22の周方向他側に形成されている。さらに、連結穴25が、嵌合凸部23の表面に穿設されている。
第7打ち抜きピース20Gは、図5の(e)に示されるように、嵌合凸部23がコアバック部22の周方向両側に形成されている。さらに、連結凸部26が、周方向一側の嵌合凸部23の表面に突設され、連結凹部(図示せず)が、周方向一側の嵌合凸部23の裏面に、連結凸部26と同軸に凹設されている。さらにまた、連結穴25が、周方向他側の嵌合凸部23に穿設されている。
まず、2枚の第1打ち抜きピース20Aを嵌合凸部23と被嵌合凹部24とを嵌め合わせて配列させた状態で4層積層する。ついで、1枚の第1打ち抜きピース20Aと1枚の第2打ち抜きピース20Bとを嵌合凸部23と被嵌合凹部24とを嵌め合わせて配列させた状態と、1枚の第3打ち抜きピース20Cと1枚の第5打ち抜きピース20Eとを嵌合凸部23と被嵌合凹部24とを嵌め合わせて配列させた状態とを、交互に2層ずつ積層する。
まず、8枚の第1打ち抜きピース20Aを積層する。ついで、8枚の第6打ち抜きピース20Fを積層する。
このように積層した8層ずつの積層体を積層し、軸方向に押圧しつつ、第1および第6抜き打ちピース20A,20Fの群をカシメや溶接により一体化し、第3ティースブロック36を作製する。この第3ティースブロック36は、8枚の第1打ち抜きピース20Aと8枚の第6打ち抜きピース20Fとを積層一体化したピース積層体37Dから構成される。
ついで、連結穴25内に連結ピン19を挿入して、第1ティースユニット31と第2ティースユニット32とを軸方向に連結する。これにより、第1ティースユニット31と第2ティースユニット32とが、ピース積層体37A〜37Dの配列方向に位置決めされ、連結ピン19周りに回動可能に、かつ配列方向(周方向)および径方向の移動を規制されて連結され、分割コア30が組み立てられる。
そこで、分割コア30の端部同士の溶接が不要となり、固定子コア12の真円度が高められる。また、プレス加工機の制約に影響されずに、固定子コア12の真円度を悪化させることなく、大径の固定子コア12を簡易に製造できる。さらに、2つの分割コア30を直列状に配列させた状態で固定子コイル13を装着できるので、固定子コイル13のコイルエンドの固定子コア12の端面からのはみ出しが抑えられ、固定子11の小型化が図れるとともに、巻線機を用いることができ、固定子11の量産性を高めることができる。
また、上記実施の形態1では、第2ティースユニットが第1ティースブロックを第1ティースユニットに対してピース積層体1個分周方向にシフトするものとしているが、シフト量はピース積層体1個分に限定されない。例えば、ティースブロックがN個(Nは2以上の整数)のピース積層体から構成されている場合、シフト量をピース積層体M個分(Mは、N>M≧1を満足する整数)とし、(N−M)個のピース積層体とM個のピース積層体とをティースブロックの周方向の両側に配列させればよい。
図6はこの発明の実施の形態2に係る回転電機に適用される固定子コアを構成する分割コアを示す断面図である。なお、図6中、一点鎖線はティースの周方向中心位置を示している。
そして、分割コア30Aの端部に形成された連結穴25内に連結ピンを挿入して2つの分割コア30Aを連結して、固定子コアが作製される。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
図7はこの発明の実施の形態3に係る回転電機に適用される固定子コアを構成する分割コアを径方向外方から見た図である。なお、図7中、一点鎖線はティースの周方向中心位置を示している。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
また、溶接部38がティースの周方向中心位置でピース積層体の外周面に施されるので、溶接に起因する回転電機の特性の劣化を抑えることができる。
図8はこの発明の実施の形態4に係る回転電機に適用される固定子コアを構成する分割コアを示す断面図である。なお、図8中、一点鎖線はティースの周方向中心位置を示している。
そして、第1ティースユニット31と第2ティースユニット32が連結凸部26と連結凹部27との嵌め合いにより連結され、分割コア30Cが構成される。そして、分割コア30Cの直列状の両端部には分割コア連結用の連結穴25が形成されている。
図9はこの発明の実施の形態5に係る回転電機に適用される固定子コアを構成する分割コアを軸方向から見た図、図10はこの発明の実施の形態5に係る回転電機に適用される固定子コアを構成する分割コアを径方向外方から見た図である。なお、図9および図10中、一点鎖線はティースの周方向中心位置を示している。
ガイド溝40が、分割コア30Dの外周面のティースの周方向中心位置に軸方向に延在している。そして、2つの連結部材41が、ガイド溝40に軸方向から嵌着されて、第1ティースユニット31と第2ティースユニット32との境界を跨ぐように配置され、連結凸部45を連結凹部46に嵌めてカシメ固定され、第1ティースユニット31と第2ティースユニット32とが連結されている。
また、上記各実施の形態では、周方向に隣り合うピース積層体が、固定子コアの隣り合うティース間の周方向の中央、かつコアバックの径方向幅の略中央に位置する回動中心周りに回動可能に連結されているものとしているが、回動中心は、固定子コアの隣り合うティース間の周方向の中央、かつコアバックの径方向幅の略中央の位置に限定されるものではなく、隣り合うティース間のコアバック内であればよい。
Claims (8)
- シャフトに固着されて回転可能に配設される回転子と、
コアバック部、およびティース部からなる複数枚のT字状のピースを積層一体化して作製された複数個のピース積層体が、該コアバック部の積層部の周方向の端部同士を半円形の嵌合凸部と半円形の被嵌合凹部との嵌め合いにより回動可能に連結して構成されたティースブロックを複数有し、該ティースブロックを円環状に配列してなるティースブロック列を軸方向に複数層積層して構成された固定子コア、および該固定子コアに巻装された固定子コイルを有し、上記回転子を囲繞するように同軸に配設される固定子と、を備え、
上記ティースブロックを構成する複数個のピース積層体は、周方向に隣り合う上記コアバック部の積層部の一方の積層部の端部に形成された上記嵌合凸部と他方の積層部の端部に形成された上記嵌合凸部とが積層方向に混在するように構成され、積層方向に混在する上記嵌合凸部を、該嵌合凸部の半円形の中心周りに回動可能に、かつ周方向および径方向の移動を規制されて連結され、
周方向に隣り合う上記ティースブロック対の少なくとも一対は、周方向に隣り合う上記コアバック部の積層部の一方の積層部の端部に形成された上記嵌合凸部と他方の積層部の端部に形成された上記嵌合凸部とが積層方向に混在するように構成され、積層方向に混在する上記嵌合凸部の半円形の中心にあけられた連結穴に連結ピンを挿通して、該中心周りに回動可能に連結され、
周方向に隣り合う上記ティースブロック対の残る対は、周方向に隣り合う上記コアバック部の積層部の一方の積層部の端部に形成された上記嵌合凸部と他方の積層部の端部に形成された上記嵌合凸部とが積層方向に混在するように構成され、積層方向に混在する上記嵌合凸部を、該嵌合凸部の半円形の中心周りに回動可能に、かつ周方向および径方向の移動を規制されて連結されていることを特徴とする回転電機。 - 上記ティースブロックは、N個の上記ピース積層体(但し、Nは2以上の整数)を周方向に連結して構成され、
軸方向に隣り合うティースブロック列は、上記ティースブロックが上記ピース積層体のM個分(但し、MはN>M≧1を満足する整数)周方向にシフトするように配列されていることを特徴とする請求項1記載の回転電機。 - 上記軸方向に隣り合うティースブロック列の一方のティースブロック列は、2つの上記ティースブロックを周方向に配列してなる第1ティースユニットを周方向に配列して構成され、他方のティースブロック列は、M個の上記ピース積層体と(N−M)個の上記ピース積層体とが上記ティースブロックの周方向両側に配列してなる第2ティースユニットを周方向に配列して構成され、
周方向に隣り合う上記第1および第2ティースユニット同士は、周方向に隣り合う上記コアバック部の積層部の一方の積層部の端部に形成された上記嵌合凸部と他方の積層部の端部に形成された上記嵌合凸部とが積層方向に混在するように構成され、積層方向に混在する上記嵌合凸部の半円形の中心にあけられた連結穴に連結ピンを挿通して、該中心周りに回動可能に連結されていることを特徴とする請求項2記載の回転電機。 - 軸方向に隣り合う上記ピース積層体が固定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
- 軸方向に隣り合う上記ピース積層体が溶接により固定されていることを特徴とする請求項4記載の回転電機。
- 軸方向に隣り合う上記ピース積層体が、該ピース積層体の相対する上記ピースに形成された連結凸部と連結凹部との嵌め合いにより固定されていることを特徴とする請求項4記載の回転電機。
- ガイド溝が軸方向に隣り合う上記ピース積層体の外周面に軸方向に延設され、連結部材が上記ガイド溝に嵌合されて軸方向に隣り合う上記ピース積層体の境界に位置して、軸方向に隣り合う上記ピース積層体が固定されていることを特徴とする請求項4記載の回転電機。
- シャフトに固着されて回転可能に配設される回転子と、
コアバック部、およびティース部からなる複数枚のT字状のピースを積層一体化して作製されたピース積層体が、該コアバック部の積層部の周方向の端部同士を半円形の嵌合凸部と半円形の被嵌合凹部との嵌め合いにより回動可能に連結されて円環状に配列された固定子コア、および該固定子コアに巻装された固定子コイルを有し、上記回転子を囲繞するように同軸に配設される固定子と、を備え、
周方向に隣り合う上記コアバックの積層部の一方の積層部の端部に形成された上記嵌合凸部と他方の積層部の端部に形成された上記嵌合凸部とが積層方向に混在するように構成され、
周方向に隣り合う上記ピース積層体の対の少なくとも一対は、積層方向に混在する上記嵌合凸部の半円形の中心にあけられた連結穴に連結ピンを挿通して該中心周りに回動可能に連結され、
周方向に隣り合う上記ピース積層体の対の残る対は、積層方向に混在する上記嵌合凸部を、該嵌合凸部の半円形の中心周りに回動可能に、かつ周方向の移動を規制されて連結されていることを特徴とする回転電機。
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