JP2011228732A - 光電変換素子、固定撮像デバイス、撮像装置、および画像読み取り装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、波長(色)分離精度の良く、また望ましくは暗電流の発生を抑制することができる、光電変換素子等を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係わる光電変換素子は、半導体基板1、フォトダイオード部2、凹レンズ3、凸レンズ4を備えている。フォトダイオード部2は、半導体基板1内において、p型の半導体領域2a,2c,2eとn型の半導体領域2b,2dとが、交互に順次積層することにより構成されている、複数のフォトダイオードから成る。また、凸レンズ4は、フォトダイオード部2に入射光を集光させるレンズである。また、凹レンズ3は、フォトダイオード部2と凸レンズ4との間で保護膜上の光路上に、フォトダイオード部2に対して垂直な光軸を持つ並行光を入射させ、並行光の到達距離を一定にするように配設されている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係わる光電変換素子は、半導体基板1、フォトダイオード部2、凹レンズ3、凸レンズ4を備えている。フォトダイオード部2は、半導体基板1内において、p型の半導体領域2a,2c,2eとn型の半導体領域2b,2dとが、交互に順次積層することにより構成されている、複数のフォトダイオードから成る。また、凸レンズ4は、フォトダイオード部2に入射光を集光させるレンズである。また、凹レンズ3は、フォトダイオード部2と凸レンズ4との間で保護膜上の光路上に、フォトダイオード部2に対して垂直な光軸を持つ並行光を入射させ、並行光の到達距離を一定にするように配設されている。
【選択図】図1
Description
この発明は、光電変換素子、固定撮像デバイス、撮像装置、および画像読み取り装置に係る発明であり、特に、半導体基板内において、縦方向に複数のフォトダイオードの接合面が形成されている、光電変換素子等に適用することができる。
次のような構造の光電変換素子が、既に存在している(特許文献1,2)。
当該特許文献1に係わる光電変換素子は、半導体基板の表面内にフォトダイオード部が形成されている。ここで、当該フォトダイオード部は、複数のフォトダイオードから成る。また、当該フォトダイオード部は、半導体基板内において、第一の導電型の第一の半導体領域と第二の導電型の第二の半導体領域とが、交互に順次積層することにより構成されている。
当該光電変換素子の構成により、半導体基板内には、深さ方向に進むに連れて、順次接合面が形成されている。そして、各接合面において、波長の異なる光が各々入射すると、夫々の接合面において光電変換が起こる。
ところで、各波長の光毎に、効率良く光電変換できる位置は、半導体基板内における当該光の透過距離に応じて異なる。
たとえば、第一の波長を有する光を光電変換する場合を考える。ここで、所定の波長の光を効率良く光電変換できる位置は、半導体基板内における当該光がXμm進んだ位置であるとする。したがって、当該所定の波長を有する光を光電変換するための接合面は、通常、半導体基板の水平な表面からの、垂直深さがXμmの位置に形成される。ここで、当該垂直深さXμmの位置に存する接合面は、半導体基板の表面と略並行である。
なお、波長の短い光を効率良く光電変換するためには、比較的浅い位置に、当該波長の短い光を光電変換する接合面を形成する必要がある。これに対して、波長の長い光を効率良く光電変換するためには、比較的深い位置に、当該波長の長い光を光電変換する接合面を形成する必要がある。
上記で説明した位置に、各接合面が形成されるので、従来技術に係わる光電変換素子は、以下に示す問題が生じていた。
つまり、半導体基板の表面に対して入射してくる光は、当該表面に対してあらゆる角度を有している。つまり、半導体基板の表面に対して垂直に入射する光(垂直光と称する)のみではなく、斜めに入射される光(斜光と称する)も含まれている。そして、垂直光と斜光とでは、半導体基板の表面から、所定の接合面に到達するまでの到達距離に差が発生する。
ここで、上述の通り、各波長の光毎に、効率良く光電変換できる位置は、半導体基板内における当該光の進行距離に応じて異なる。したがって、上述の接合面の形成位置(つまり、半導体基板の表面と、所定の深さに存する各接合面とは、略平行であり、当該表面からの垂直深さに応じて、各接合面を適正な位置に形成する)を考慮すると、垂直光に対しては、所望の波長を有する光を各接合面において、各々効率良く光電変換できる。しかし、斜光に対しては、所望の波長を有する光を各接合面において、各々効率良く光電変換できない。
言い換えれば、斜光に対しては、当該所望の波長と多少異なる波長を有する光が、各接合面において各々効率良く光電変換されてしまう。そして、当該事項に起因して、白色光に対する波長(色)分離精度を低下する、という問題があった。
そして、当該構成の光電変換素子を複数個配列して構成した固体撮像デバイスを構成した場合には、撮像画像の色彩強度が低下し、色再現性が悪くなる、という問題があった。
さらに、従来の技術に係わる光電変換素子は、各接合面が半導体基板の表面に現れている。したがって、たとえば当該光電変換素子の製造過程において、当該表面付近の接合面が容易に汚染されていた。
このように、接合面が汚染されてしまうと、暗電流が発生してしまう。当該暗電流は、ノイズである。よって、当該暗電流が多く発生する光電変換素子を用いて、固体撮像デバイスを構成した場合には、当該固体撮像デバイスの性能は低下する。
以上により、極力暗電流の発生を抑制することができる、光電変換素子が望まれている。
そこで、本発明は、波長(色)分離精度の良く、また望ましくは暗電流の発生を抑制することができる、光電変換素子を提供することを目的とする。さらに、当該光電変換素子を有する固体撮像デバイス、および当該固体撮像装置を備える撮像装置および画像読み取り装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る光電変換素子は、半導体基板と、前記半導体基板内において、第一の導電型の第一の半導体領域と第二の導電型の第二の半導体領域とが、交互に順次積層することにより構成されている、複数のフォトダイオードから成るフォトダイオード部と、前記半導体基板上の保護膜と、前記フォトダイオード部に入射光を集光させる凸レンズと、前記フォトダイオード部と前記凸レンズとの間で前記保護膜上の光路上に、前記フォトダイオード部に対して垂直な光軸を持つ並行光を入射させ、前記並行光の到達距離を一定にするように配設される凹レンズとが配設される。
本発明に係る光電変換素子は、半導体基板と、前記半導体基板内において、第一の導電型の第一の半導体領域と第二の導電型の第二の半導体領域とが、交互に順次積層することにより構成されている、複数のフォトダイオードから成るフォトダイオード部と、前記半導体基板上の保護膜と、前記フォトダイオード部に入射光を集光させる凸レンズと、前記フォトダイオード部と前記凸レンズとの間で前記保護膜上の光路上に、前記フォトダイオード部に対して垂直な光軸を持つ並行光を入射させ、前記並行光の到達距離を一定にするように配設される凹レンズとが配設される。
したがって、凸レンズから出射した光は、凹レンズを経由して、フォトダイオード部に入射する。したがって、フォトダイオード部には、略平行な光を入射させることができる。よって、各接合面が半導体基板の表面と略並行に配設されている場合には、当該表面から当該接合面までの上記光の到達距離を略同一にすることができる。したがって、色分離精度が向上した光電変換素子を提供することができる。
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。なお、各実施の形態において、同一部材には同一の符号を付している。
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態1に係わる光電変換素子の構成を示す、断面図である。
図1は、本実施の形態1に係わる光電変換素子の構成を示す、断面図である。
図1に示すように、本実施の形態に係わる光電変換素子は、半導体基板1、フォトダイオード部2、凹レンズ3、凸レンズ4等を備えている。図1に示すように、半導体基板1内に、フォトダイオード部2が形成されている、また、半導体基板1上には、パッシベーション膜5、遮光膜6、凹レンズ3、平坦化膜7、および凸レンズ4の順に積層して、各部材が形成されている。
半導体基板1内において、第一の導電型の第一の半導体領域と第二の導電型の第二の半導体領域とが、交互に順次積層することにより、複数のフォトダイオードが形成されており、当該複数のフォトダイオードによりフォトダイオード部2が形成されている。
図1では、半導体基板1内において、第一の半導体領域と第二の半導体領域とは、入れ子状に形成されている。したがって、第一の半導体領域と第二の半導体領域との接合面は、半導体基板1の上面に存する。
図1に示すように、半導体基板1はn型である。当該n型の半導体基板1の上層部には、p型の半導体領域2aが形成されている。また、当該p型の半導体領域2aの上層部には、n型の半導体領域2bが形成されている。また、当該n型の半導体領域2bの上層部には、p型の半導体領域2cが形成されている。また、当該p型の半導体領域2cの上層部には、n型の半導体領域2dが形成されている。また、当該n型の半導体領域2dの上層部には、p型の半導体領域2eが形成されている。
当該各半導体領域2a〜2eにより、半導体基板1内に、複数のフォトダイオードが形成されており、当該複数のフォトダイオードにより、フォトダイオード部2が構成されている。また、半導体基板1の表面から所定の深さ位置に存する、各フォトダイオードの接各合面は、当該表面と略並行である。
本実施の形態では、一例として、フォトダイオード部2は、pnpnpの5層の半導体領域2a〜2eにより構成されている。
ところで、各波長の光毎に、効率良く光電変換できる位置は、半導体基板1内における当該光の透過距離に応じて異なる。ここで、波長が長い光ほど半導体基板1の深くまで到達する。
たとえば、可視光線において波長が短い青成分の光は、半導体基板1の表面に近い領域で、効率良く光電変換される。また、可視光線において波長が長い赤成分の光は、半導体基板1の深い領域で、効率良く光電変換される。また、それらの波長の中間にある緑成分の光は、半導体基板1の中間領域で、効率良く光電変換される。
したがって、所望の波長の光を光電変換したい場合には、当該光の波長と当該波長を有する光の透過距離とを考慮して、各半導体領域2a〜2eの各接続面の形成する位置を決定する必要がある。なお、各接合面は、通常、半導体基板の水平な表面からの垂直深さを基準にして、設定される。
たとえば、第一の波長を有する光を効率良く光電変換する場合を考える。ここで、所定の波長の光を効率良く光電変換できる位置は、半導体基板1内における当該光がXμm進んだ位置であるとする。
したがって、第一の波長を有する光を効率良く光電変換させたい場合には、通常、半導体基板1の水平な表面からの垂直深さXμmの位置に、当該光を光電変換させるフォトダイオードの接合面を設定する。
なお、各半導体領域2a〜2eの深さは、可視光線の波長と当該波長を有する光の半導体基板1内の透過距離との関係から、0.3μm〜8.0μmの間で設定する必要がある。
また、図1に示すように、半導体基板1上には、フォトダイオード部2を覆うように、SiO2膜、SiON膜、SiN膜等(以下、パッシベーション膜5と称する)が形成されている。ここで、パッシベーション膜5を反射防止膜として機能させても良い。さらに、当該パッシベーション膜5は、光透過性を有している。当該パッシベーション膜5の形成方法として、たとえば分子堆積法を採用することができる。
また、図1に示すように、パッシベーション膜5上には、遮光膜6が形成されている。
ここで、遮光膜6には、フォトダイオード部2の所定の領域を望む、開口部が形成されている。当該遮光膜6は、たとえば、次のようにして形成される。まず、パッシベーション膜5上に、樹脂を塗布する。当該樹脂は、黒色素を含む顔料からなる。次に、当該樹脂に対して、写真製版工法を施す。これにより、開口部を有する遮光膜6を形成することができる。
次に、図1に示すように、当該遮光膜6の開口部内に、凹レンズ3を形成する。凹レンズは、図1から分かるように、フォトダイオード部2と後述する凸レンズ4との間の光路上に、配設されている。当該凹レンズ3は、たとえば次のようにして形成される。
まず、遮光膜6の開口部を埋めるように、パッシベーション膜5および遮光膜6上に、樹脂を塗布する。当該樹脂は、光透過性、感光性を有している。次に、当該樹脂に対して、写真製版工法を施す。これにより、上記開口部内の樹脂に窪みを形成する。その後、当該窪みを有する樹脂に対して、加熱溶融処理を施す。これにより、当該開口部内に、丸みを帯びた凹レンズ3を形成することができる。
当該方法により、形成された凹レンズ3は、感光性を有する樹脂から形成されている、ことが分かる。なお、本実施の形態では、凹レンズ3は、単数である。
次に、図1に示すように、凹レンズ3を覆うように、平坦化層7を形成する。ここで、図1から分かるように、平坦化層7は、凹レンズ3と後述する凸レンズ4との間に形成されている。
また、当該平坦化層7の屈折率は、凹レンズ3の屈折率とは異なる。より好ましくは、平坦化層7の屈折率は、凹レンズ3および後述する凸レンズ4の屈折率と、異なる。本実施の形態では、凹レンズ3の屈折率と凸レンズ4の屈折率とは、略同一であり、かつ、平坦化層7の屈折率は、両レンズ3,4の屈折率よりも小さい、として話を進める。
当該平坦化層7は、たとえば次のようにして形成される。
まず、凹レンズ3上に、光透過性の樹脂を塗布する。その後、当該樹脂に対して、熱硬化(キュア)処理および平坦化処理を施す。これにより、平坦化層7を形成することができる。
また、図1に示すように、平坦化層7上には、凸レンズ4が形成されている。ここで、凸レンズ4は、フォトダイオード部2に入射光を集光させるレンズである。当該凸レンズ4は、たとえば以下のようにして形成される。
まず、平坦化層7上に、樹脂を塗布する。当該樹脂は、光透過性、感光性を有している。次に、当該樹脂に対して、写真製版工法を施す。これにより、当該樹脂を略円筒形状等の突起部にする。その後、当該突起部である樹脂に対して、加熱溶融処理を施す。これにより、丸みを帯びた凸レンズ4を形成することができる。
当該方法により、形成された凹レンズ4は、感光性を有する樹脂から形成されている、ことが分かる。
以上のように、本実施の形態に係わる光電変換素子では、フォトダイオード部2と凸レンズ4との間に、凹レンズ3が配設されている。
したがって、半導体基板1に入射してくる各光を、当該半導体基板1の水平な表面に対して、略垂直にすることができる。つまり、半導体基板1の水平な表面に対して、斜めに入ってくる光を極力なくすことができる。
よって、フォトダイオード部2に入射されてくる各光において、半導体基板1の表面から、所定の接合面(半導体基板1の表面から所定の垂直深さに存する各接合面は、当該表面に略平行である)に到達するまでの到達距離に差が発生することを抑制できる。
したがって、所定の接合面では、当初予定していた波長の光のみを、効率良く光電変換することができる。つまり、本実施の形態に係わる光電変換素子では、白色光に対する波長(色)分離精度を向上させることができる(つまり、光電変換信号の混色を抑制することができる)。
また、凹レンズ3および凸レンズ4は、感光性を有する樹脂から形成されている。したがって、写真製版工法により、容易に所望の形状のレンズ(具体的には、加熱溶融前のレンズ形状)を作製することができる。
また、本実施の形態に係わる光電変換素子では、凹レンズ3と凸レンズ4との間に、平坦化層7が形成されている。そして、平坦化層7の屈折率は、凹レンズ3の屈折率と異なる。
したがって、凸レンズ4を通ってきた光に対して、当該凹レンズ3が有する、当該光を光軸に対して略平行にする機能を、より有効に働かせることができる。
また、凹レンズ3の屈折率と凸レンズ4の屈折率とは、略同一であり、平坦化層7の屈折率は、凹レンズ3の屈折率および凸レンズ4の屈折率よりも、小さい。したがって、簡単な構成により、上記凹レンズ3が有する機能を、凸レンズ4を通ってきた光に対して、さらに有効に働かせることができる。
また、本実施の形態に係わる光電変換素子は、フォトダイオード部2を覆う、SiO2膜、SiON膜、SiN膜等のパッシベーション膜5を備えている。
したがって、当該パッシベーション膜5により、フォトダイオード部2の保護を行うことができる。さらに、当該パッシベーション膜5上に凹レンズ3を形成させると、半導体基板1とパッシベーション膜5との密着性およびパッシベーション膜5と凹レンズ3との密着性が、向上する。したがって、結果的に、半導体基板1に対して、密着良く凹レンズ3を固定することができる。
また、本実施の形態に係わる光電変換素子は、上記開口部を有する遮光膜6が形成されている。したがって、必要以上にフォトダイオード部2内に光が入射することを防止する。つまり、当該不必要な光の光電変換により生じる電子を減少させることができる。よって、当該光電変換素子を用いて固体撮像デバイスを作製したとしても、当該固体撮像デバイスの誤作動を防止することができる。
また、本実施の形態に係わる光電変換素子の製造方法では、樹脂に窪みを形成した後、当該樹脂に対して、加熱溶融処理を施すことにより、凹レンズ3を作製している。つまり、透過性の良く、また屈折率高いとされている樹脂を用いて、凹レンズ3の作製を行っている。よって、光学特性の良い凹レンズ3を提供することができる。
また、当該樹脂は、感光性を有しており、写真製版工法により、当該樹脂に窪みを作製している。したがって、凹レンズ3の光学的形状の制御を容易に行うことができる。
<実施の形態2>
図2は、本実施の形態2に係わる光電変換素子の構成を示す、断面図である。図2において、半導体基板1、フォトダイオード部2、パッシベーション膜5、平坦化層7および凸レンズ4の構成、形成方法等は、実施の形態1と同じである。したがって、これらについては、ここでの詳細な説明は省略する。
図2は、本実施の形態2に係わる光電変換素子の構成を示す、断面図である。図2において、半導体基板1、フォトダイオード部2、パッシベーション膜5、平坦化層7および凸レンズ4の構成、形成方法等は、実施の形態1と同じである。したがって、これらについては、ここでの詳細な説明は省略する。
さて、本実施の形態に係わる光電変換素子においても、図2に示すように、パッシベーション膜5上には、遮光膜11が形成されている。ここで、本実施の形態では、遮光膜11は、金属または金属シリサイド膜から構成されている。
たとえば、遮光膜11として、タングステンシリサイド(WSi)、モリブデンシリサイド(MoSi)、チタンシリサイド(TiSi)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)等を採用することができる。
なお、当該遮光膜11は、たとえば、スパッタリング法やCVD法を用いて形成することができる。また、本実施の形態では、遮光膜11は、遮光膜として機能している以外に、配線としても機能している。また、本実施の形態においても、遮光膜11は、実施の形態1と同様に、開口部を有している。
次に、本実施の形態では、図2に示しているように、遮光膜11上と、遮光膜11が有する開口部の側面および底面とに、ガラス層12が形成されている(ガラス層12は、少なくとも前記開口部の側面部に形成されている)。
ここで、図2から分かるように、ガラス層12は、遮光膜11と凹レンズ13との間に介在する部材である。ここで、ガラス層12として、ボロンリンシリサイドガラス(BPSG)を採用することが望ましい。また、当該ガラス層12は、たとえばCVD法を用いて形成することができる。
次に、本実施の形態では、図2に示すように、ガラス層12上に凹レンズ13が形成されている。より具体的に、凹レンズ13は、遮光膜11の開口部内において、形成されている。なお、凹レンズ13は、当然に透過性を有している。ここで、凹レンズ13は、次のようにして形成できる。
遮光膜11の開口部において、ガラス層12に対して、所定量の樹脂を塗布する。ここで、当該樹脂は、光透過性を有している。ここで、ガラス層12の存在により、当該ガラス層12と当該樹脂との間に、表面張力が働く。
したがって、樹脂の上記塗布量を調整することにより、当該表面張力を利用して、前記開口部に凹状の樹脂を形成することができる。なお、当該表面張力により、樹脂は、前記開口部の隅部に至って形成される。
その後、当該樹脂に対して、熱硬化(キュア)処理を施す。以上により、前記開口部内に凹レンズ13を形成することができる。
なお、上述したように、図2において、平坦化層7および凸レンズ4の構成および形成方法は、実施の形態1と同様である。
本実施の形態では、遮光膜11は、金属シリサイド膜または金属膜から構成されている。したがって、光をより確実に遮断することができる。
また、当該遮光膜11は、導電性を有しているので、配線として有効利用できる。また、このように、遮光膜11を配線として利用することにより、光電変換素子全体の体積をより小さくすることができる。
なお、金属性を有する遮光膜11に直接、凹レンズ13を形成するための樹脂を塗布したとする。この場合、当該樹脂は、遮光膜11の有する開口部の隅部まで行き渡らない。しかし、本実施の形態では、ガラス層12を形成した上で、当該ガラス層12に対して、上記樹脂を塗布している。
したがって、上述したように、ガラス層12と当該樹脂との表面張力を利用して、遮光膜11が有する開口部の隅部にまで、当該樹脂を行き渡らせることができる。さらに、上述しように、凹レンズ13の形成に際して、樹脂の塗布量を調整している。したがって、ガラス層12と当該樹脂との表面張力を利用して、遮光膜11の開口部に、容易に凹形状の樹脂を形成することができる。
特に、ガラス層12として、組成が密に構成されているBPSGを用いることにより、当該ガラス層12内での光の乱反射を抑制することができる。
また、その後に、当該凹形状の樹脂に対して、熱硬化(キュア)処理を施しているので、簡易な工程により、当該樹脂から、硬化した凹レンズ13を形成することができる。
<実施の形態3>
図3は、本実施の形態3に係わる光電変換素子の構成を示す、断面図である。
図3は、本実施の形態3に係わる光電変換素子の構成を示す、断面図である。
本実施の形態に係わる光電変換素子は、図3に示すように、フォトダイオード部2と凸レンズ4との間に、複数(本実施の形態では2つ)の凹レンズ13a,13bが直列的に配設されている。なお、1段目の凹レンズ13aが配設される層には、金属配線22が配設されている。
図3において、半導体基板1、フォトダイオード部2、パッシベーション膜5の構成、形成方法等は、実施の形態1と同じである。したがって、これらについては、ここでの詳細な説明は省略する。
さて、本実施の形態に係わる光電変換素子は、図3に示すように、パッシベーション膜5上には、金属配線22が配設されている。ここで、金属配線22は、図3の表裏方向に延設されている。また、当該金属配線22は、たとえば分子堆積法と写真製版工法との組み合わせにより、形成することができる。
また、図3に示すように、当該金属配線22を覆うように、パッシベーション膜5上には、ガラス層21が形成されている。ここで、ガラス層21として、ボロンリンシリサイドガラス(BPSG)を採用することが望ましい。また、当該ガラス層21は、たとえばCVD法を用いて形成することができる。
次に、図3に示すように、ガラス層21上に凹レンズ13aが形成されている。より具体的に、凹レンズ13aは、フォトダイオード部2の上方に形成されている。また、凹レンズ13aは、平行して配設されている、2本の金属配線22の配線間に形成されている。なお、凹レンズ13aは、当然に透過性を有している。
凹レンズ13aの形成方法は、実施の形態2と同様なので、ここでの説明は省略する。ここで、樹脂の塗布量を調整することにより、ガラス層21と樹脂との表面張力を利用して、前記金属配線間に凹状の樹脂を形成することができる。なお、当該表面張力により、樹脂は、金属配線22によって生じる段差の隅部に至って形成される。
また、図3に示しているように、凹レンズ13a等を覆うように、平坦化層23が形成されている。当該平坦化層23の構成および形成方法等は、実施の形態1で説明した平坦化層7のそれらと同様である。したがって、ここでの詳細な説明は、省略する。
また、図3に示しているように、平坦化層23上には、遮光膜11、ガラス層12、凹レンズ13b、平坦化層7および凸レンズ4等が形成されている。これらの構成および形成方法等は、実施の形態1,2で説明した内容と同様である。したがって、ここでの詳細な説明は、省略する。
以上のように、本実施の形態では、凹レンズ13a,13bは、直列的に配設されている。したがって、本実施の形態に係わる光電変換素子は、たとえば、凹レンズのパワーが小さい場合に、より有効である。
つまり、当該凹レンズ13a,13bを直列的に配設することにより、当該パワーの弱い凹レンズが一つの場合よりも、より、凸レンズ4からの光を光軸に平行にすることができる。
<実施の形態4>
図4は、本実施の形態4に係わる光電変換素子の構成を示す、断面図である。
図4は、本実施の形態4に係わる光電変換素子の構成を示す、断面図である。
本実施の形態に係わる光電変換素子は、図4に示すように、フォトダイオード部2の上方において、凸レンズ4a,4bが複数(本実施の形態では2つ)直列的に配設されている。
半導体基板1から平坦化層23までの構成、製造方法等は、実施の形態3と同様である。したがって、ここでの詳細な説明は省略する。なお、金属配線22は、遮光膜としても機能している。
本実施の形態に係わる光電変換素子では、図4に示すように、平坦化層23上に、凸レンズ4aが配設されている。さらに、平坦化層31を介して、凸レンズ4bが、当該凸レンズ4aの上方に配設されている。つまり、上述の通り、凸レンズ4a,4bは、平坦化層31を介して、直列的に配設されている。ここで、凸レンズ4a,4bは、フォトダイオード部2の上方に配設されている。
なお、平坦化層31および各凸レンズ4a,4bの構成や形成方法は、実施の形態1で説明した、平坦化層7および凸レンズ4のそれらと同じである。したがって、詳細な説明については省略する。
以上のように、本実施の形態では、凸レンズ4a,4bは、直列的に配設されている。したがって、本実施の形態に係わる光電変換素子は、たとえば、凸レンズのパワーが小さい場合に、より有効である。
つまり、当該凸レンズ4a,4bを直列的に配設することにより、当該パワーの弱い凸レンズが一つの場合よりも、より、入射光を集光させることができる。
<実施の形態5>
図5は、本実施の形態5に係わる光電変換素子の構成を示す、断面図である。
図5は、本実施の形態5に係わる光電変換素子の構成を示す、断面図である。
本実施の形態に係わる光電変換素子は、図5に示すように、フォトダイオード部2の上方において、赤外線カットフィルター35が形成されている。
図5に示すように、実施の形態2に係わる光電変換素子上(具体的には、平坦化層7上であり、フォトダイオード部2の上方)に、赤外線カットフィルター35が形成されている。当該赤外線カットフィルター35は、フォトダイオード部2に、赤外光が入射することを抑制(防止)するための部材である。赤外線カットフィルター35は、以下のようにして形成することができる。
図5において、平坦化層7上に、光透過性を有する樹脂を塗布する。ここで、当該樹脂には、顔料が混合されている。その後、当該樹脂を、写真製版工法により整形する。その後、当該整形された樹脂に対して熱硬化(キュア)処理を施す。以上により、赤外線カットフィルター35が形成される。
また、赤外線カットフィルター35上には、平坦化層36が形成されており、当該平坦化層36上には、凸レンズ4が配設されている。ここで、平坦化層36および凸レンズ4の構成および形成方法は、実施の形態1で説明した平坦化層7および凸レンズ4のそれらと同じである。したがって、ここでの詳細な説明は、省略する。
以上のように、フォトダイオード部2の上方には、赤外線カットフィルター35が配設されている。したがって、赤外光を半導体基板1内部に入射することを抑制(防止)することができる。よって、当該赤外光に起因した、フォトダイオード部2、その他の回路部の誤動作等および、半導体基板1の劣化等を防止することができる。さらに、赤の色分離特性の向上も図ることができる。
<実施の形態6>
図6は、本実施の形態6に係わる光電変換素子の構成を示す、断面図である。
図6は、本実施の形態6に係わる光電変換素子の構成を示す、断面図である。
本実施の形態に係わる光電変換素子は、図6に示すように、フォトダイオード部2において、各半導体領域2a〜2dが接合する接合面に、不純物濃度の高い高濃度不純物拡散層41が形成されている。
ここで、高濃度不純物拡散層41は、特に、半導体基板1の上面に存する各接合面に形成されている(つまり、半導体基板1の上面から露出している各接合面を覆うよう、形成されている)。当該高濃度不純物拡散層41の導電型は、p型でもn型でも良い(本実施の形態では、p型である)。また、当該高濃度不純物拡散層41の不純物濃度は、接合面を形成している半導体領域2a〜2dの不純物濃度よりも高い。
図6に示すように、高濃度不純物拡散層41は、n型の半導体基板1とp型の半導体領域2aとの接合面、p型の半導体領域2aとn型の半導体領域2bとの接合面、n型の半導体領域2bとp型の半導体領域2cとの接合面、および、p型の半導体領域2cとn型の半導体領域2dとの接合面に、各々形成されている。
ここで、各高濃度不純物拡散層41により、なるべく、フォトダイオード部2が形成されている部分の半導体基板1の表面内を、完全またはほぼ全面を覆うようにすることが、望ましい。
なお、極力、半導体基板1の表面から接合面が露出しないように、各接合面において、高濃度不純物拡散層41を形成することが望ましい。しかし、少なくとも一箇所の接合面に、当該高濃度不純物拡散層41を形成すれば、当該接合面に関しては、後に説明する効果を奏することができる。
また、図6に示すように、高濃度不純物拡散層41が形成されている、半導体基板1の上面には、パッシベーション膜5が形成されている。
半導体基板1内に形成されるフォトダイオード部2の構成は、実施の形態1で説明したフォトダイオード部2のそれと同様である。したがって、ここでの詳細な説明は、省略する。ここで、図6では、パッシベーション膜5上方の構成は、省略されている。当該パッシベーション膜5上方には、たとえば、図1ないし図5に示したレンズ構成等が形成される。
以上のように、本実施の形態においては、半導体基板1の表面から露出している各接合面が、高濃度不純物拡散層41により、覆われている。つまり、比較的濃度の低い半導体領域2a〜2d同士の接合面を、半導体基板1の表面から露出させることを防止している。
ここで、不純物濃度が低い半導体領域2a〜2dの接合面は、たとえば製造工程中に発生するNイオン等の汚染物に対して、電気的特性が容易に変化する。つまり、当該汚染物に起因した、暗電流の発生が起こり易い。
これに対して、不純物濃度が比較的高い高濃度不純物拡散層41、および当該高濃度不純物拡散層の他の半導体領域との接合部は、多少汚染物により汚染されたとしても、電気的特性が変化することはない。つまり、当該汚染物に起因した暗電流の発生を抑制することができる(暗電流の原因となる電子(もしくは、正孔)を、当該高濃度不純物拡散層41において、トラップすることができるとも把握できる)。
したがって、本実施の形態に係わる光電変換素子を採用することにより、暗電流の発生の少ない光電変換素子を提供することができる。
なお、高濃度不純物拡散層41の不純物濃度が高ければ高いほど、暗電流の発生抑制効果は、より顕著となる。
<実施の形態7>
図7は、本実施の形態7に係わる光電変換素子の構成を示す、断面図である。ここで、図7に示す断面図は、上記各図の断面と異なる断面を示している。
図7は、本実施の形態7に係わる光電変換素子の構成を示す、断面図である。ここで、図7に示す断面図は、上記各図の断面と異なる断面を示している。
なお、図7において、半導体基板1内に形成されるフォトダイオード部2、高濃度不純物拡散層41の構成等、および、半導体基板1上に形成されるパッシベーション膜5の構成等は、実施の形態1、6で説明したフォトダイオード部2等の構成等と同様である。また、異なる断面のため図7には図示されていないが、パッシベション膜5上方には、たとえば、図1ないし図5に示すレンズ構成等が形成される。
本実施の形態に係わる光電変換素子は、図7に示すように、フォトダイオード部2を形成している各半導体領域2a〜2eと、各々接続している配線用金属45が形成されている(配線用金属45は、第一の半導体領域および/または第二の半導体領域と、接続されている)。当該配線用金属45は、パッシベーション膜5の所定の箇所を開口し、各半導体領域2a〜2eを露出させ、当該開口部に金属等の導電体を充填することにより、形成される。
ここで、上記パッシベーション膜5の選択的開口処理は、たとえば、写真製版工法により行うことができる。また、開口部内の導電体の充填は、たとえば、分子堆積法と写真製版工法の組み合わせにより、成し得る。
なお、パッシベーション膜5上において、各配線用金属45は、図7に示すように、各々分離して形成されている。
ここで、配線用金属45と各半導体領域2a〜2dとの接続部には、オーミックコンタクト領域46が形成されている。ここで、本実施の形態では、高濃度不純物拡散層41は、オーミックコンタクト領域を兼ねている。
具体的に、p型の半導体領域2aと配線用金属45との間には、オーミックコンタクト機能を有する高濃度不純物拡散層41が形成されている。当該高濃度不純物拡散層41の導電型は、半導体領域2aと同じ導電型である。また、当該高濃度不純物拡散層41の不純物濃度は、半導体領域2aの不純物濃度よりも高い。
また、n型の半導体領域2bと配線用金属45との間には、オーミックコンタクト領域46が形成されている。当該オーミックコンタクト領域46の導電型は、半導体領域2bと同じ導電型である。また、当該オーミックコンタクト領域46の不純物濃度は、半導体領域2bの不純物濃度よりも高い。
p型の半導体領域2cと配線用金属45との間には、オーミックコンタクト機能を有する高濃度不純物拡散層41が形成されている。当該高濃度不純物拡散層41の導電型は、半導体領域2cと同じ導電型である。また、当該高濃度不純物拡散層41の不純物濃度は、半導体領域2cの不純物濃度よりも高い。
また、n型の半導体領域2dと配線用金属45との間には、オーミックコンタクト領域46が形成されている。当該オーミックコンタクト領域46の導電型は、半導体領域2dと同じ導電型である。また、当該オーミックコンタクト領域46の不純物濃度は、半導体領域2dの不純物濃度よりも高い。
また、p+型の半導体領域2eは、直接、配線用金属45と接続されている。
以上のように、各半導体領域2a〜2eは、配線用金属45と各々接続されている。したがって、たとえば、フォトダイオード部2における光電変換の結果生じた電子を、当該配線用金属45を介して、取り出すことができる。
また、各半導体領域2a〜2dと各配線用金属45との間には、接続している半導体領域2a〜2dよりも不純物濃度の高い、オーミックコンタクト領域46(または、高濃度不純物拡散層41もオーミックコンタクト領域と把握できる)が形成されている。したがって、各半導体領域2a〜2dと各配線用金属45との間において、良好なオーミックコンタクトを実現することができる。
また、所定の配線用金属45を、接地電位または固定電位に接続しても良い。当該構成を採用することにより、当該接地電位または固定電位と電気的に接続されている半導体領域2a〜2eで、光電変換により発生した電子を、消滅させることができる。つまり、所定の波長の光の光電変換が発生しなかったとみなすことができる。以上から分かるように、当該構成により、光学フィルター特性と等価の機能を持たせることができる。
また、所定の配線用金属45を、電気信号を増幅させる増幅器に接続しても良い。当該構成を採用することにより、フォトダイオード部2の所定の半導体領域2a〜2eにおいて、光電変換により発生した電子を、所定の回路において電気的に映像信号として処理することができる程の電位にまで、増幅させることができる。
また、所定の配線用金属45を、導通先の変更を可能とさせるスイッチに接続しても良い。当該構成を採用することにより、所定の半導体領域において光電変換により発生した電子の導通先を、任意に変更することができる。たとえば、撮像装置の動作の際に、所定の色を強調させたり、所定の色同士の混同をしたり、所定の色を消去したりする等の変更処理を行う場合に、当該スイッチを含めた光電変換素子の構成が有益となる。
また、図7に示した構造において、配線用金属45を、半導体基板1上に形成されるMOSトランジスタ等の能動素子(図示せず)や、コンデンサまたは抵抗等の受動素子(図示せず)に接続しても良い。当該場合には、半導体基板1全体を、光電変換素子を含む半導体集積回路として機能させることができる。
上記各実施の形態において、半導体領域2a〜2eを以下のように構成しても良い。つまり、半導体領域2a〜2eに所定の電圧(完全空乏化電圧と把握できる)を印加することにより、(完全)空乏化状態となるように、当該各半導体領域2a〜2eを構成しても良い。当該半導体領域2a〜2eを構成する方法として、たとえば、不純物濃度の調整等がある。
当該構成を採用することにより、上記所定の電圧の印加に基づいて半導体領域2a〜2eに所定の電荷を蓄えておき、光電変換が発生した際に蓄えられている電荷から、当該光電変換に起因した量の電荷を消滅させる方式の光電変換素子を提供することができる。
当該方式の光電変換素子は、光電変換により発生した電荷を蓄えている方式の光電変換素子よりも、光電変換後に半導体領域2a〜2eに蓄えられている電荷の量が大きい。したがって、前者の方式の光電変換素子を用いて、たとえば固体撮像デバイスを構成することにより、撮像精度の高い固体撮像デバイスを提供することができる。
また、半導体領域間の接合面の形状として、以下の形状を採用しても良い。つまり、当該接合面の一部において、略同心円状の形状を有していても良い。具体的に、図8に示された遮光膜6の端部の下方に注目すると、各接合面a〜dは、一部において、当該遮光膜6の端部を中心とした略同心円状の形状を有している。
接合面の形状として上記のものを採用することにより、遮光膜6の端部において光の屈折、回折が起こり、光の進行方向が変更したとしても、以下に示す効果がある。つまり、回折等により進行方向が変更した光の、半導体基板1の表面からの接合面(つまり、光電変換場所)までの距離と、半導体基板1に対して垂直な方向に進む光の、半導体基板1の表面からの接合面(つまり、光電変換場所)までの距離とを、略同一にすることができる(図9参照)。
以上により、上記形状の接合面を採用することにより、たとえ遮光膜6の端部において、光の回折等が発生したとしても、光電変換素子の色分離特性が劣化することを防止できる。
なお、上記各実施の形態では、半導体領域2a〜2eは5層で、フォトダイオード部2を構成した例を示した。しかし、当該5層以外の複層(たとえば、2層から4層、または6層以上)の半導体領域から、フォトダイオード部2を構成しても良い。
また、上記各実施の形態では、半導体基板1は、n型を用いた例を示した。しかし、半導体基板1にp型を用いても良い。この場合、各半導体領域2a〜2eの導電型は、上記で示したものと逆となる。
また、上記各実施の形態に係わる光電変換素子を、平面視において、半導体基板1上に配列することにより、固体撮像デバイスを構成することができる。当該固体撮像デバイスは、センサ部として機能する複数の光電変換素子と、当該光電変換素子と配線で接続された電子回路とから成る。
なお、当該固体撮像デバイスを用いて、デジタルカメラ等の撮像装置や、スキャナー等の画像読み取り装置などの構成が可能となる。ここで、固体撮像デバイスを用いて撮像装置を構成する場合には、光電変換素子は、通常2次元的に配列される。また、固体撮像デバイスを用いて画像読み取り装置を構成する場合には、光電変換素子は、通常1次元的に配列される。
1 半導体基板、2 フォトダイオード部、2a〜2e 半導体領域、3,13,13a,13b 凹レンズ、4,4a,4b 凸レンズ、5 パッシベーション膜、6,11 遮光膜、7 平坦化層、12 ガラス層、35 赤外線カットフィルター、41 高濃度不純物拡散層、45 配線用金属、46 オーミックコンタクト領域。
Claims (24)
- 半導体基板と、
前記半導体基板内において、第一の導電型の第一の半導体領域と第二の導電型の第二の半導体領域とが、交互に順次積層することにより構成されている、複数のフォトダイオードから成るフォトダイオード部と、
前記半導体基板上の保護膜と、
前記フォトダイオード部に入射光を集光させる凸レンズと、
前記フォトダイオード部と前記凸レンズとの間で前記保護膜上の光路上に、前記フォトダイオード部に対して垂直な光軸を持つ並行光を入射させ、前記並行光の到達距離を一定にするように配設される凹レンズとが配設される、
ことを特徴とする光電変換素子。 - 前記凹レンズと前記凸レンズとの間で前記保護膜上に形成される平坦化層と、
前記フォトダイオード部の所定の領域を望む開口部を有する遮光膜とを、さらに備え、
前記遮光膜は、
前記保護膜と前記平坦化層との間に形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。 - 前記凹レンズは、
少なくとも2以上であり、
前記フォトダイオード部と前記凸レンズとの間に、直列的に配設されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。 - 前記凹レンズは、
感光性を有する樹脂で形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。 - 前記凸レンズは、
感光性を有する樹脂で形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。 - 前記平坦化層の屈折率は、
前記凹レンズの屈折率とは、異なる、
ことを特徴とする請求項2に記載の光電変換素子。 - 前記凹レンズの屈折率は、
前記凸レンズの屈折率と、略同一であり、
前記平坦化層の屈折率は、
前記凹レンズの屈折率および前記凸レンズの屈折率よりも、小さい、
ことを特徴とする請求項6に記載の光電変換素子。 - 前記フォトダイオード部を覆うように形成される、SiO2膜、SiON膜、またはSiN膜を、さらに備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。 - 前記遮光膜は、
金属または金属シリサイドで構成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の光電変換素子。 - 前記遮光膜は、
配線として機能している、
ことを特徴とする請求項9に記載の光電変換素子。 - 前記遮光膜と前記凹レンズとの間に形成される、ガラス層を、さらに備えている、
ことを特徴とする請求項9に記載の光電変換素子。 - 前記ガラス層は、
BPSGである、
ことを特徴とする請求項11に記載の光電変換素子。 - 前記フォトダイオード部上に配設される、赤外線カットフィルターを、さらに備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。 - 前記第一の半導体領域と前記第二の半導体領域とは、入れ子状に形成されており、
前記半導体基板の上面に存する、前記第一の半導体領域と前記第二の半導体領域との接合面の、少なくとも一部を覆うように形成される、前記第一の半導体領域または前記第二の半導体領域の不純物濃度よりも、不純物濃度の高い高濃度不純物拡散層を、さらに備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。 - 前記第一の半導体領域または前記第二の半導体領域と、接続している配線用金属を、さらに備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。 - 前記第一の半導体領域または前記第二の半導体領域と、前記配線用金属との間には、接続している前記半導体領域よりも不純物濃度の高い、オーミックコンタクト領域が形成されている、
ことを特徴とする請求項15に記載の光電変換素子。 - 前記配線用金属は、複数であり、
少なくとも一の前記配線用金属は、
接地電位または固定電位に接続されている、
ことを特徴とする請求項15に記載の光電変換素子。 - 前記配線用金属は、複数であり、
少なくとも一の前記配線用金属は、
電気信号を増幅させる増幅器に接続されている、
ことを特徴とする請求項15に記載の光電変換素子。 - 前記配線用金属は、複数であり、
少なくとも一の前記配線用金属は、
導通先の変更を可能とさせるスイッチに接続されている、
ことを特徴とする請求項15に記載の光電変換素子。 - 前記第一の半導体領域および前記第二の半導体領域は、
当該各半導体領域に所定の電圧を印加することにより、空乏状態となる、
ことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。 - 前記第一の半導体領域と前記第二の半導体領域とは、入れ子状に形成されており、
前記第一の半導体領域と前記第二の半導体領域との接合面は、
前記遮光膜の下方において、前記遮光膜の端部を中心とした略同心円状の形状を有している、
ことを特徴とする請求項2に記載の光電変換素子。 - 請求項1ないし請求項21のいずれかに記載の光電変換素子を、平面視において、複数配列することにより、構成される、
ことを特徴とする固体撮像デバイス。 - 請求項22に記載の固体撮像デバイスを、備えている、
ことを特徴とする撮像装置。 - 請求項22に記載の固体撮像デバイスを、備えている、
ことを特徴とする画像読み取り装置。
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