JP2011228161A - ポリ塩化ビニルケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】高い発泡度を有しながら引張強度等の機械的強度にも優れる発泡塩化ビニル樹脂組成物を、絶縁層及びシースの少なくとも1方に用いたポリ塩化ビニルケーブルの製造方法を提供する。
【解決手段】導線を絶縁層で被覆してなる絶縁電線の1本又は2本以上、及び前記絶縁電線を被覆するシースからなり、前記絶縁層及びシースが、塩化ビニル樹脂組成物によりなるポリ塩化ビニルケーブルであって、前記絶縁層及びシースの少なくとも1方が、発泡剤マスターバッチを混合してなる塩化ビニル樹脂組成物により形成され、発泡されており、該発泡剤マスターバッチが、密度が0.94g/cm以下のポリエチレンをベース樹脂とし、発泡剤を10〜50重量%含有していることを特徴とするポリ塩化ビニルケーブル。
【選択図】 なし

Description

本発明は、塩化ビニル樹脂組成物の発泡体を、絶縁層及びシースの少なくとも1方に用いた電線・ケーブルに関する。
電線やケーブルの絶縁材料としては、低価格で、電気絶縁性、機械的特性、可撓性等が優れている軟質塩化ビニル樹脂組成物が知られている。この軟質塩化ビニル樹脂組成物を用いた電線・ケーブルとしては、例えば、絶縁層(絶縁被覆)及び絶縁層を被覆するシースの両方に軟質塩化ビニル樹脂組成物を用いたビニル絶縁ビニルシースケーブル(VV)があり、日本工業規格(JIS C 3342)で定められており、特に、ケーブルを平型とした平型ビニル絶縁ビニルシースケーブル(VVF)が、住宅等の屋内配線に広く用いられている。VVFは、図1に示すような構造を有するケーブルであり、絶縁層3で被覆された導体2からなる絶縁電線4を複数本含み、この複数本の絶縁電線4が、断面が平型のシース5により被覆されて保護されている。
VVFには、軽量化、低コスト化が望まれている。又、この電線・ケーブルを、電気器具等と接続する際に、被覆している絶縁層やシースを導線から剥離、除去する必要があるが、この剥離、除去を容易に行える性質(ストリッパ性)が求められている。そこで、VVFの軽量化、低コスト化及びストリッパ性の向上のために、シースや絶縁層を発泡させる方法が行われている。
シースや絶縁層を発泡させるためには、塩化ビニル樹脂組成物に、化学発泡剤を添加し、発泡押出する方法が知られている。そして、発泡剤の添加において、樹脂との混合作業を容易にし発泡剤の分散性を高めるために、あらかじめベース樹脂に化学発泡剤を高濃度で混練したマスターバッチを用いる方法が行われている。
例えば、特許文献1には、発泡剤の添加を、マスターバッチにより行う方法が記載されている。さらに特許文献1では、このマスターバッチのベース樹脂を、絶縁層やシースを形成する塩化ビニル樹脂組成物と同等又は低度の平均重合度を有する塩化ビニル樹脂とすることにより、微粒子かつ高分散な発泡セルを形成できると記載されている。
又、特許文献2には、VVFにおいて発泡したシースを形成するために、発泡剤としてアゾジカルボンアミドを用い、エチレン−酢酸ビニル共重合体をベース樹脂としたマスターバッチを塩化ビニル樹脂組成物に配合する方法が記載されている。そして、アゾジカルボンアミドをエチレン−酢酸ビニル共重合体に混練したマスターバッチを用いることにより、発泡効率が向上し、アゾジカルボンアミドの使用量をごく少なく抑えることができること、その結果、アゾジカルボンアミドの分解生成物による絶縁体への電気的悪影響を大幅に軽減でき、電気絶縁特性に優れた発泡ビニルシース電線・ケーブルを効率よく製造できると述べられている(段落0010)。
特公平05−64981号公報 特開平11−203941号公報
近年、VVFについてのストリッパ性の向上、軽量化、低コスト化の要請はさらに高度になり、それにともないシースや絶縁層の発泡度をより高めたいという要請がある。一方、VVF等の絶縁電線・ケーブルについては、使用時の破損等を抑制するために、優れた機械的強度が求められており、例えば、VVFについては、引張強度>10MPaとのJIS規格が定められている。
発泡度を高める方法としては、樹脂に添加する発泡剤を増量する方法を挙げることができる。しかし、前記従来技術、すなわち塩化ビニル樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合体をベース樹脂としたマスターバッチを用いた方法において発泡度を高めると、引張強度等の機械的強度が低下する。そのため、VVFについては、10MPaを越えるとの引張強度を満たすためには、発泡度15%程度が限界であった。
5th International Conference on Thermoplastic Foam, FOAMS 2006, SPE(VOL.7−1,pp.1−5)によれば、発泡樹脂においては気泡のセル径が小さいほど機械強度が高いと述べられているが、前記従来技術では、発泡度を高めるために発泡剤を増量すると、気泡が粗大になり、引張強度が低下すると考えられる。
このように、従来技術によっては、規格を満たすような高い機械的強度を有しながら、近年の要請を満たすような高い発泡度は得られなかったので、より高い発泡度を有しながら引張強度等の機械的強度にも優れる発泡塩化ビニル樹脂組成物の開発が望まれていた。
本発明は、発泡塩化ビニル樹脂組成物を、絶縁層及びシースの少なくとも1方に用いたポリ塩化ビニルケーブルであって、高い発泡度を有しながら引張強度等の機械的強度にも優れるポリ塩化ビニルケーブルを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を達成するために鋭意検討した結果、密度が0.94g/cm以下のポリエチレンをベース樹脂とし、発泡剤が10〜50重量%添加されている発泡剤マスターバッチを用い、該発泡剤マスターバッチを塩化ビニル樹脂に混合してなる塩化ビニル樹脂組成物により、絶縁層及び/又はシースを形成して発泡させることにより、高い発泡度を有しながらも引張強度等の機械的強度にも優れる絶縁層及び/又はシースを有するポリ塩化ビニルケーブルが得られることを見出し、以下に示す構成からなる本発明を完成した。
請求項1の発明は、導線を絶縁層で被覆してなる絶縁電線の1本又は2本以上、及び前記絶縁電線を被覆するシースからなり、前記絶縁層及びシースが、塩化ビニル樹脂組成物によりなるポリ塩化ビニルケーブルであって、前記絶縁層及びシースの少なくとも1方が、発泡剤マスターバッチを混合してなる塩化ビニル樹脂組成物により形成され、発泡されており、該発泡剤マスターバッチが、密度が0.94g/cm以下のポリエチレンをベース樹脂とし、発泡剤を10〜50重量%含有していることを特徴とするポリ塩化ビニルケーブルである。
本発明のポリ塩化ビニルケーブルのようなビニル絶縁ビニルシース電線・ケーブルは、例えば、図1で表されるように、導線を絶縁層で被覆してなる絶縁電線と、その1本又は2本以上を被覆して保護するシースからなる。図1中、2は、導体からなる導線であり、その外周が塩化ビニル樹脂組成物からなる絶縁層3で被覆されており、導線2と絶縁層3により絶縁電線4が構成されている。図の例では、2本の絶縁電線4がシース5により被覆され、ビニル絶縁ビニルシース電線・ケーブル1が形成されている。
本発明のポリ塩化ビニルケーブルでは、絶縁層及びシースの少なくとも1方が、発泡塩化ビニル樹脂組成物により形成されている。発泡塩化ビニル樹脂組成物とは、化学発泡剤を含有する塩化ビニル樹脂組成物であるが、本発明で用いられる発泡塩化ビニル樹脂組成物は、あらかじめベース樹脂に化学発泡剤を高濃度で混練したマスターバッチを用いて、発泡剤が添加されたものである。発泡剤の添加をマスターバッチを用いて行うことにより、樹脂との混合作業を容易にし発泡剤の分散性を高めることができる。
本発明のポリ塩化ビニルケーブルは、このマスターバッチとして、密度が0.94g/cm以下のポリエチレンをベース樹脂とし、発泡剤が10〜50重量%添加されている発泡剤マスターバッチを用いることを特徴とする。この特徴により、優れた機械的強度、例えば優れた引張強度を有しながら、高い発泡度のポリ塩化ビニルケーブル(ビニル絶縁ビニルシース電線・ケーブル)を得ることができ、その結果、ストリッパ性の向上、軽量化、低コスト化を図ることができる。すなわち、従来の、塩化ビニル樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合体をベース樹脂に用いたマスターバッチを用いる方法によっては、JIS規格で定められる10MPaを越える引張強度を得るためには、15%程度以下の発泡度しか得られなかったが、前記の本発明の特徴を有するマスターバッチを用いる方法により、発泡度20%以上でも前記JIS規格をクリアする引張強度を得ることができる。
本発明で用いるマスターバッチは、ベース樹脂としてポリエチレンを用いることを特徴とする。前記のように、ベース樹脂として、塩化ビニル樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合体を用いた場合は、前記の本発明の効果は得られない。
ベース樹脂としてポリエチレンは、その密度が0.94g/cm以下であることを特徴とする。密度が0.94g/cmを超えるポリエチレンをベース樹脂として用いると、発泡した樹脂の引張強度が低下し、規格を満たす引張強度が得られにくくなる。なお、0.86g/cm未満の密度を有するポリエチレンは、製造困難なので、ベース樹脂としてポリエチレンは、通常、その密度は0.86g/cm以上のものである。
本発明で用いるマスターバッチは、前記ベース樹脂と化学発泡剤を混合してなるものであるが、化学発泡剤の含有量が、マスターバッチの全重量に対して、10〜50重量%の範囲であることを特徴とする。化学発泡剤の含有量が10重量%未満の場合は、十分な発泡率を得るためには、塩化ビニル樹脂組成物に添加するマスターバッチを増量する必要があり、その結果、発泡塩化ビニル樹脂組成物中に含まれるポリエチレン量が増えて、発泡樹脂の機械的強度の低下等の問題を生じる。化学発泡剤の含有量が50重量%を超える場合は、マスターバッチの製造時に発泡が生じ、塩化ビニル樹脂組成物を発泡させるときに気泡が粗大化して、その結果、機械的強度の低下等の問題を生じる。
請求項2の発明は、前記シースが、前記発泡剤マスターバッチを混合してなる塩化ビニル樹脂組成物により形成され、発泡されていることを特徴とする請求項1に記載のポリ塩化ビニルケーブルである。絶縁層又はシースのいずれについても、前記発泡塩化ビニル樹脂組成物を用いて発泡させることができ、発泡させることにより、ストリッパ性が向上しかつ軽量化、低コスト化を図ることができる。中でも、シースを高い発泡度で発泡させた場合は、ストリッパ性の向上は大きく、かつシースはその体積が大きいので、軽量化、低コスト化への寄与が大きい。なお、絶縁層及びシースの両方を、前記発泡塩化ビニル樹脂組成物を用いて発泡させることができ、この場合、ストリッパ性の向上、軽量化、低コスト化の程度をより大きくすることができるが、ビニル絶縁ビニルシース電線・ケーブルにおいては絶縁層の電気的絶縁性は安全上重要であり、発泡による機械強度の低下は避けられないため特に注意が必要である。
請求項3の発明は、発泡剤マスターバッチを混合してなる前記塩化ビニル樹脂組成物中の発泡剤の含有量が0.1〜2重量%の範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリ塩化ビニルケーブルである。発泡剤が添加される塩化ビニル樹脂組成物の全量に対し、該発泡剤の添加量が0.1重量%未満の場合は、近年の要請を満たすような高い発泡度が得られにくくなる。一方、該発泡剤の添加量が2重量%より大きい場合は、気泡の破れを生じやすくなり、ガスが表面から抜けてしまい発泡度が上がりにくくなる。
請求項4の発明は、前記発泡剤が、アゾジカルボンアミドであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のポリ塩化ビニルケーブルである。本発明に用いられる化学発泡剤としては、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、ベンゼンスルホニルヒドラジド(BSH)、アゾジカルボンアミド(ADCA)、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)等、加熱により化学分解して窒素ガス(N)を挙げることができるが、中でもアゾジカルボンアミド(ADCA)は、分解温度が200℃程度と高く、塩化ビニル樹脂組成物の混練温度よりも高いために混練中の発泡を防ぐことが出来、又、単位重量当たりの発生ガス量が多いため好ましい。又、亜鉛化合物の添加によって必要に応じて分解温度を調整できるメリットもある。
本発明のポリ塩化ビニルケーブルは、高い発泡度を有しながら引張強度等の機械的強度にも優れる絶縁層及び/又はシースを有し、従って、ストリッパ性に優れ、軽量化、低コスト化の点でも優れた電線・ケーブルである。
ポリ塩化ビニルケーブルの構造を概略的に示す概略図である。
次に、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明の範囲はこの形態に限定されるものではなく本発明の趣旨を損なわない範囲で種々の変更をすることができる。
本発明のポリ塩化ビニルケーブルの絶縁層やシースの形成に用いる塩化ビニル樹脂組成物としては、軟質塩化ビニル樹脂組成物が用いられ、特に、JIS K 6723に規定された電線、ケーブル用軟質塩化ビニル樹脂組成物を挙げることができる。一般に塩化ビニル樹脂100重量部に対して、可塑剤30〜100重量部、安定剤1〜10重量部、充填材0〜100重量部、さらに必要に応じて滑剤、酸化防止剤、光安定剤等の各種添加剤及び改質剤を配合したものが使用できる。
可塑剤としては、例えばフタル酸系、トリメリット酸系、アジピン酸系、ポリエステル系等のものが挙げられる。安定剤としては、鉛安定剤やCa/Zn系安定剤、スズ系安定剤、ホスファイト系安定剤、エポキシ化合物等が挙げられる。その他、安定化剤として協和化学工業社製アルカマイザー1〜5として市販されているハイドロタルサイトや、過塩素酸型ハイドロタルサイトを添加してもよい。充填材は、塩化ビニル樹脂組成物に一般に使用される増量剤で炭酸カルシウム、カオリンクレー、タルク等が挙げられる。
本発明のポリ塩化ビニルケーブルの製造に使用するマスターバッチには、前記の必須成分(ポリエチレン、発泡剤)に加えて、本発明の趣旨を損ねない範囲で、酸化防止剤、着色剤等の添加物を配合してもよい。又、ベース樹脂には、本発明の趣旨を損ねない範囲で、密度が0.94g/cm以下のポリエチレン以外の樹脂を含んでいてもよい。
マスターバッチは、ポリエチレン、発泡剤等の成分を溶融混練することにより製造することができる。溶融混練の温度は、発泡剤の分解が生じない温度で行われる。アゾジカルボンアミドの分解温度は200℃付近であるが、鉛化合物や亜鉛化合物が触媒として作用して分解温度が低くなる。又、ベース樹脂中に発泡剤を十分に分散させることが重要である。分散が十分でないと発泡ムラが生じ、気泡径が不均一となりやすい。そこで、溶融混合は、例えば、加圧ニーダーを用いて、150℃程度以下で行うことができる。
得られたマスターバッチは、通常ペレット化され、塩化ビニル樹脂組成物のペレットと溶融混練され、導線上及び/又は絶縁電線上に押出被覆される。溶融混練及び押出被覆の際に発泡剤が分解し、発泡した樹脂層が、導線上及び/又は絶縁電線上に形成され、それぞれ発泡した絶縁層及び/又は発泡したシースとなり、本発明のポリ塩化ビニルケーブルが得られる。
[実施例、比較例で使用した樹脂、薬剤]
工ンゲージ8150(ダウケミカル日本社製 VLDPE、密度:0.868g/cm、MFR0.5)
ノバテックLD LJ902(日本ポリエチレン社製 LDPE、密度:0.915g/cm、MFR45)
ノバテックLL UJ990(日本ポリエチレン社製 LLDPE、密度:0.937g/cm、MFR35)
ノバテックHD HJ490(日本ポリエチレン社製 HDPE、密度:0.958g/cm、MFR20)
工バフレックスP1407(三井・デュポンポリケミカル社製 エチレン−酢酸ビニル、酢酸ビニル含量14wt%、MFR15)
ビニホールDW#6 発泡剤(永和化成社製、ADCA)
ステアリン酸亜鉛 ADCA発泡助剤(堺化学社製)
[発泡剤マスターバッチの製造]
発泡剤マスターバッチの製造は、表1、2に示す比率でベース樹脂及び発泡剤を配合し、3Lの加圧ニーダーで、樹脂温が150℃以下になるようにして約10分間混練し、ペレタイズすることで行った。そして、ペレット断面を光学顕微鏡で観察して発泡の有無を確認した。比較例3では発泡が見られたが、他は良好であった。
[発泡剤マスターバッチの製造]
上記で製造した発泡剤マスターバッチを用いて、表3〜5に示す比率で塩化ビニル樹脂の原材料とともに配合し、3Lの加圧ニーダーで樹脂温が150℃程度になるようにして約10分間混練を行い、ペレタイズした。そして、スクリュー径30mmφの押出機を使用し、シリンダー、クロスヘッド、ダイスの温度をいずれも170℃として、外径0.6mmφの錫メッキ軟銅線上に絶縁外径1.5mmφになるように押出被覆を行った。その後、下記の方法により、引張強度、発泡率、平均気泡径を評価した。その結果を表3〜5に示す。
[引張強度の評価]
120mmの電線サンプルを切り取った後に導体を引抜き、引抜いた後の絶縁被覆のチューブについて、島津製作所社製のオートグラフAG−Xを使用し、引張速度500mm/分で引張破断強度と引張破断伸びを測定した。合否の基準として、引張破断強度が10MPa以上を合格と判定した。
[発泡率の評価]
絶縁層を導体から剥離し、空気中の重量とアルコール中の重量を測定して比重を求め、更に発泡剤マスターバッチを添加せず発泡させない状態の樹脂組成物の比重も求め、次の計算式で比重を求めた。
発泡率=100−(発泡絶縁層の比重)/(発泡させていない樹脂組成物の比重)
[平均気泡径の評価]
絶縁層の断面を走査型電子顕微鏡で観察し、1個1個の気泡径を計測して平均値を求めた。
Figure 2011228161
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表1〜5に示された結果より次のことが明らかである。
(1)実施例1〜5のマスターバッチを用いて製造された発泡塩化ビニル樹脂組成物を被覆してなる絶縁電線の被覆層(実施例6〜13)は、規格の10MPaを超える高い引張強度、規格の15%を超える高い発泡率が得られ、平均気泡径も、規格の200μm未満であった。なお、実施例6〜13における、材料中に占める発泡剤の割合は、0.1〜1重量%の範囲であった。
(2)密度が0.94g/cmを越えるポリエチレン(密度:0.958g/cm)をベース樹脂とした比較例1のマスターバッチを用いた比較例5、及び、エチレン−酢酸ビニルをベース樹脂とした比較例4のマスターバッチを用いた比較例10では、規格の10MPaを満たす引張強度は得られなかった。この結果より、マスターバッチのベース樹脂としては、密度が0.94g/cm以下のポリエチレンを用いる必要があることが示されている。
(3)材料中に占める発泡剤の割合が、0.1重量%未満の比較例6では、規格の15%を満たす発泡率は得られなかった。一方、材料中に占める発泡剤の割合が、1重量%を超える比較例7では、規格の10MPaを満たす引張強度は得られなかった。この結果より、材料中に占める発泡剤の割合は、0.1〜1重量%の範囲が好ましいことがわかる。
(4)発泡剤の割合が、10重量%未満の比較例2のマスターバッチを用いた比較例8では、規格の15%を満たす発泡率は得られなかった。又、比較例8と実施例10は、材料中に占める発泡剤の割合は同じであるにも関わらず、比較例8の方が発泡率は低かった。一方、発泡剤の割合が、50重量%を超える比較例3のマスターバッチでは、マスターバッチ作成中に発泡を生じた。一方、マスターバッチ中の発泡剤の割合が10重量%である実施例4、50重量%である実施例5を用いた例ではこのような問題は生じなかった。この結果より、マスターバッチ中の発泡剤の割合は、10〜50重量%とする必要があることが示されている。
1 ビニル絶縁ビニルシース電線・ケーブル
2 導体
3 絶縁層
4 絶縁電線
5 シース

Claims (4)

  1. 導線を絶縁層で被覆してなる絶縁電線の1本又は2本以上、及び前記絶縁電線を被覆するシースからなり、前記絶縁層及びシースが、塩化ビニル樹脂組成物によりなるポリ塩化ビニルケーブルであって、前記絶縁層及びシースの少なくとも1方が、発泡剤マスターバッチを混合してなる塩化ビニル樹脂組成物により形成され、発泡されており、該発泡剤マスターバッチが、密度が0.94g/cm以下のポリエチレンをベース樹脂とし、発泡剤を10〜50重量%含有していることを特徴とするポリ塩化ビニルケーブル。
  2. 前記シースが、前記発泡剤マスターバッチを混合してなる塩化ビニル樹脂組成物により形成され、発泡されていることを特徴とする請求項1に記載のポリ塩化ビニルケーブル。
  3. 発泡剤マスターバッチを混合してなる前記塩化ビニル樹脂組成物中の発泡剤の含有量が0.1〜2重量%の範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリ塩化ビニルケーブル。
  4. 前記発泡剤が、アゾジカルボンアミドであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のポリ塩化ビニルケーブル。
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