JP6933547B2 - 電気ケーブル及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電気ケーブル及びその製造方法に関する。
電気ケーブルとして、例えば、3本のケーブル線心と、この3本のケーブル線心の撚り合せ間隙に充填された、発泡した架橋エチレン−プロピレン(EP)ゴム組成物からなる充実介在(以下、「発泡介在物」という)と、それらの外周に施されたシースとを含む電気ケーブルが提案されている(特許文献1参照)。
この電気ケーブルによれば、3本のケーブル線心の撚り合せ間隙に発泡介在物を押出により充填することによって断面を円形にし、かつ、発泡により屈曲性が良くなるとしている。
一方、この電気ケーブルでは、発泡した架橋EPゴム組成物からなる発泡介在物の製造において、発泡介在物の成形温度で吸着した水を放出する含水充填材、あるいは発泡介在物の成形温度で結晶水を放出する結晶水含有充填材を用い、この放出される水によってEPゴムを発泡させることができるとしている。
この場合、未架橋のEPゴム組成物中に、組成物の重量当たり1000ppm〜5000ppmの水を分散させるとしている。
特開平9−293415号公報
しかし、この電気ケーブルによれば、発泡介在物の成形温度で吸着した水を放出する含水充填材、あるいは発泡介在物の成形温度で結晶水を放出する結晶水含有充填材を用いて発泡介在物を製造するための吸着水量あるいは結晶水量の調整が困難であることから、発泡介在物の発泡度の制御が困難になっている。また、発泡介在物として非極性ポリマーである架橋EPゴムを用いているため、発泡介在物がケーブル線心を構成する導体外周の非極性ポリマーである架橋ポリエチレン絶縁体と融着するおそれがある。そのため、ともに非極性ポリマーである両者の剥離が困難になって端末作業性等を低下させることになる。
そこで、本発明の目的は、発泡介在物の発泡度の制御が容易であり、ケーブル線心と発泡介在物との融着を抑制して両者の剥離性を向上する電気ケーブル及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、下記の電気ケーブル及びその製造方法を提供する。
[1]導体、及び前記導体を被覆する架橋ポリエチレンからなる絶縁体を含む複数のケーブル線心と、前記複数のケーブル線心の間隙に介在する発泡介在物と、前記複数のケーブル線心、及び前記発泡介在物を一括被覆するシースと、を備えた電気ケーブルであって、前記発泡介在物は、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を60〜99質量%、ポリエチレン(PE)を1〜40質量%含有し、発泡度が20%以上であり、前記複数のケーブル線心と前記シースとの間隙に充填されている電気ケーブル。
[2]前記発泡介在物は、前記EVAの他に、EVA以外の1種以上のポリマを含有することを特徴とする前記[1]に記載の電気ケーブル。
[3]前記1種以上のポリマは、融点100℃以上のポリマであることを特徴とする前記[2]に記載の電気ケーブル。
[4]前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の電気ケーブルを製造するための電気ケーブルの製造方法であって、前記発泡介在物は、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を40質量%以上含有する樹脂組成物と、発泡用マスターバッチとを使用して発泡成形されたものであることを特徴とする電気ケーブルの製造方法。
[5]前記発泡用マスターバッチは、ベースポリマとしてエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレン及びポリスチレンから選ばれる1種以上を含むことを特徴とする前記[4]に記載の電気ケーブルの製造方法。
[6]前記発泡用マスターバッチは、発泡剤としてアゾジカルボンアミド(ADCA)を含有することを特徴とする前記[4]又は[5]に記載の電気ケーブルの製造方法。
[7]前記発泡介在物は、前記発泡用マスターバッチを2種以上使用して発泡成形されたものであることを特徴とする前記[4]〜[6]のいずれか1つに記載の電気ケーブルの製造方法。
[8]前記樹脂組成物に含有される前記EVAは、2種以上のEVAの混合物であることを特徴とする前記[4]〜[7]のいずれか1つに記載の電気ケーブルの製造方法。
[9]前記樹脂組成物に含有される前記EVAは、酢酸ビニル含量が5質量%以上50質量%未満であることを特徴とする前記[4]〜[8]のいずれか1つに記載の電気ケーブルの製造方法。
本発明によれば、発泡介在物の発泡度の制御が容易であり、ケーブル線心と発泡介在物との融着を抑制して両者の剥離性を向上する電気ケーブル及びその製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る電気ケーブルの一例を示す横断面図である。
図1は本発明の実施の形態に係る電気ケーブルの一例を示す横断面図である。以下、図1を参照しつつ、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の実施の形態に係る電気ケーブル10は、導体1及び導体1を被覆する架橋ポリエチレンからなる絶縁体2を含む複数のケーブル線心3と、複数のケーブル線心3の間隙に介在する発泡介在物5と、複数のケーブル線心3及び発泡介在物5を一括被覆するシース6と、を備え、発泡介在物5は、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を35質量%以上含有し、発泡度が20%以上であることを特徴とする。
また、本発明の実施の形態に係る電気ケーブルの製造方法は、上記本発明の実施の形態に係る電気ケーブル10を製造するための電気ケーブルの製造方法であって、発泡介在物5は、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を40質量%以上含有する樹脂組成物と、発泡用マスターバッチとを使用して発泡成形されたものであることを特徴とする。発泡用マスターバッチは、ベースポリマとしてエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレン及びポリスチレンから選ばれる1種以上を含むものであることが好ましい。
図1に示す本発明の実施の形態に係る電気ケーブル10は、三心CVケーブルであり、導体1の周囲に架橋ポリエチレンからなる絶縁体2が被覆されたケーブル線心3を3本撚り合せた撚り合せコア4と断面円形のシース6との間隙に、発泡した押出介在物からなる発泡介在物5が充填されている。
導体1の材料は特に限定されず、既知の材料を用いて形成することができる。導体1は、1本である場合に限られず、複数本の素線を撚合せたものであってもよい。絶縁体2の材料は、架橋ポリエチレンであることが好ましい。
図1に示す撚り合せた撚り合せコア4は、3本のケーブル線心3を撚り合せた実施形態であるが、ケーブル線心3は3本以外の複数本(2本又は4本以上)であってもよく、また、撚り合せたものに限られない。
シース6の材料は特に限定されず、既知の材料を用いて形成することができる。塩化ビニル(PVC)やハロゲンフリー難燃性樹脂を用いることが好ましい。
発泡介在物5は、EVAを主体とするポリマ構成の発泡体からなっているので屈曲性と伸縮性に富み、かつ耐寒性が優れている。従って、この発泡介在物5が形成された電気ケーブル10は、屈曲性に優れるだけでなく、低温取扱い時の外部からの衝撃に対する緩衝性も高くなっている。
発泡介在物5は、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を35質量%以上含有するものであって、発泡度が20%以上である。EVA含有量は、40質量%以上であることが好ましく、45質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましい。発泡度は25%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。また、発泡度は70%以下であることが望ましい。
発泡介在物5は、EVAを40質量%以上含有する樹脂組成物(以下、「介在用ポリマ」と言うことがある)と、ベースポリマとしてエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレン(PE)及びポリスチレン(PS)から選ばれる1種以上を含む発泡用マスターバッチとを使用して発泡成形されたものであることが好ましい。
上記樹脂組成物(介在用ポリマ)は、EVAを45質量%以上100質量%以下含有していることが好ましく、50質量%以上100質量%以下含有していることがより好ましく、55質量%以上100質量%以下含有していることがさらに好ましい。
ここで使用するEVAは、酢酸ビニル含量(VA量)が5質量%以上50質量%未満となるものが、耐寒性及び屈曲性の観点から好ましい。成形時の粘着性を考慮するならば、VA量を10質量%以上45質量%以下に調整したほうが良い。EVAは、1種であっても、2種以上のEVAの混合物であってもよい。
上記樹脂組成物(介在用ポリマ)は、EVAの他に、EVA以外の1種以上のポリマを含有することが好ましい。短時間冷却による発泡EVAの形状安定化やEVAとの融点差異効果がもたらす、コア−介在物間の剥離性付与の観点から、EVAと他の1種以上のポリマをブレンドすることが望ましい。具体的にはポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、ポリプロピレン(PP)或いはその他のポリオレフィン類などが挙げられる。その融点は100℃以上であることが好ましい。PEを例にするならば、EVA60質量〜99質量%、PE1質量〜40質量%のブレンド割合とすることが屈曲性や耐寒性の観点から好ましい。
上記樹脂組成物(介在用ポリマ)は、上記のEVAや、EVA以外の1種以上のポリマの他に、添加剤を含有していてもよい。添加剤はケーブルのコアの露出作業性を改良できる点で好ましいが、本発明の効果である屈曲性や耐寒性に悪影響を及ぼさない範囲内で添加する。具体的な添加剤としては、一般に流通している無機系充填剤が挙げられる。より具体的には、炭酸カルシウムや焼成クレー、タルクなど安価なものが良い。
上記発泡用マスターバッチは、アゾジカルボンアミド(ADCA)やp,p'−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)などの発泡剤がベースポリマに高濃度添加されているものをいう。ベースポリマとしては、PE、PP、PVC、PS、ABS、PS、EVAがあるが、このうちEVA、PE、PSのいずれか1種以上で構成されていることが好ましい。
発泡剤は、ADCA又はOBSHであることが好ましく、また、これらを併用することも好ましい。ADCAやOBSHと、その他の発泡剤を併用してもよい。
発泡用マスターバッチ中の発泡剤の濃度が10〜50質量%の範囲内にあるものが取扱いの観点からよく、20〜40質量%としたものがさらに取扱いやすい。
発泡用マスターバッチ中の発泡剤、ポリマ以外の副成分として、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩やクエン酸などを発泡核剤として用いても良い。また、必要に応じて、脱臭剤としてゼオライト系化合物を添加しても良い。更にはシリカやシリコーン系化合物、アクリレート系化合物などの分散性を向上させる添加剤が処方されていても良い。
発泡介在物5は、上記発泡用マスターバッチを2種以上使用して発泡成形されたものであることが好ましい。
発泡介在物5の発泡成形時における上記樹脂組成物と上記発泡用マスターバッチの混合割合は、上記樹脂組成物100質量部に対して上記発泡用マスターバッチ中の発泡剤が1質量部以下となる割合であることが好ましく、0.1質量部以上0.9質量部以下となる割合であることがより好ましい。
〔発泡用マスターバッチの設計〕
上記樹脂組成物(介在用ポリマ)のベースポリマがEVAのみ又はEVAを主体としたポリマ構成で20%以上の発泡度とする場合、発泡用マスターバッチのポリマや発泡剤は以下の観点から自由に設計できる。
(大径泡を発生させる場合)
発泡用マスターバッチのポリマは介在用ポリマのベースポリマと同様のEVAを選択したほうが良く、発泡剤はADCA、OBSHのどちらを用いても良い。発泡用マスターバッチ中のポリマにEVAを推奨する理由は介在用ポリマに用いたEVAと親和させ、発泡の起点となる核の数を減少させるためである。発泡核が少なくなることで大径発泡が形成される。発泡剤のADCAとOBSHを比較すると、発泡する成分の組成差から、OBSHの方が若干大きめの発泡を形成する。ここでいう大径とは250μmφ以上で構成されるものをいう。
(小径泡を発生させる場合)
発泡用マスターバッチのポリマは介在用ポリマのベースポリマとグレードの異なるポリマを選択したほうが良く、発泡剤はADCAを選定した方が良い。グレードの異なるポリマがEVAを主体とするマトリックス中で、細径分散し、そこを核に発泡するからである。ここでいう小径とは200μmφ以下で構成されるものをいう。
以下に、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔電気ケーブルの作製〕
(実施例1〜12のケーブル)
円形圧縮導体1(3mmφ)(品番5.5SQ)に絶縁体2としてシラン架橋ポリエチレンを肉厚が1.0mmtとなるように被覆してケーブル線心3を作製した。その後、3本のケーブル線心3をピッチ180mmでS撚り(右撚り)し、撚り合せコア4を得た。得られた撚り合せコア4の周囲に2層ヘッド付押出機を用いて発泡介在物5(内層)及びPVCシース6(外層)を設け、図1の構造の電気ケーブル10を得た。発泡介在物5は、表1に示す介在用ポリマ(P1〜P18)に表2に示す発泡用マスターバッチ(M1〜M9)を表3に示す組み合わせにしたがって混合した樹脂組成物(試料No.1〜12、21、22)及び表3に示す試料No.13〜20の樹脂組成物をそれぞれ押出機に供給し、充実押出法で撚り合せコア4の周囲に被覆した。PVCシース6の材料は既存の材料を用い、厚さは1.5mmtで固定し、仕上がり外径12.5mmφとした。発泡介在物5及びPVCシース6の押出条件は、表4の通り固定条件で行った。
(比較例1の電気ケーブル)
上記実施例と同様にして得た撚り合せコア4にPPヤーンを挿入しながらピッチ180mmでS撚り(右撚り)し、PETテープ巻を施した。その後、PVCシースを押出成形し、従来の電気ケーブルを得た。
(比較例2〜9の電気ケーブル)
発泡介在物5(内層)に替えて発泡させていない介在物を表1及び3に示す樹脂組成物を用いて設けた点を除き、上記実施例1〜12の電気ケーブルと同様にして製造した。
Figure 0006933547
Figure 0006933547
Figure 0006933547
Figure 0006933547
作製した各ケーブルについて、下記方法で撚り合せコア4(架橋ポリエチレンからなる絶縁体2)との剥離性、耐寒性及び屈曲性を評価した。また、発泡介在物5の発泡度を算出した。評価結果及び算出結果を表5〜6に示す。なお、本発明の目的は前述の通りであるが、電気ケーブルとして好ましい特性としての耐寒性及び屈曲性も評価した。
〔剥離性〕
PVCシース6を剥いで、介在物と撚り合せコア4とにした後、介在物の剥離作業を手作業で行った。介在物が手で容易に剥離できて、撚り合せコア4(架橋ポリエチレンからなる絶縁体2)側に介在物が残らないものを◎(合格:優良)、剥離時抵抗を感じたり、撚り合せコア4(架橋ポリエチレンからなる絶縁体2)から介在物を剥離できるが1回では付着を完全に除去できないものを○(合格:良)、撚り合せコア4から介在物を手作業で剥離できないものを×(不合格)とした。
〔耐寒性〕
PVCシース6を剥いで、発泡介在物5を撚り合せコア4から分離させた後、発泡介在物5をJISK6723準拠の型枠(幅6mm、長さ38mm)を用いて打ち抜き、試験片を作製した。この試験片を用いて耐寒性試験(JISK6723準拠)を実施した。試験結果が−20℃以下のものを◎(合格:優良)、−20℃未満−15℃以下のものを○(合格:良)、−15℃未満のものを×(不合格)とした。
〔屈曲性〕
電気ケーブルを300mm長に切断し、150mmを固定、150mmをフリーとした状態で、フリーとなる先端に紐で500gの錘を装着し、たわみ度合を求めた。たわみ量が70mm以上のものを◎(合格:優良)、70mm未満30mm以上のものを○(合格:良)、30mm未満のものを×(不合格)とした。
〔発泡介在物の発泡度〕
電気ケーブルを100mm長に切断し、PVCシース6を剥いで、発泡介在物5を取出し、その発泡度を比重法より算出した。具体的には、発泡度(%)=100−(発泡後の比重/発泡前の比重)×100という式により求めた。
Figure 0006933547
Figure 0006933547
・実施例1〜2は、介在用ポリマとしてEVA1種を用いた系である。
・実施例3〜4は、介在用ポリマとしてEVA2種を用いた系である。実施例4は、発泡用マスターバッチ2種をブレンドした系である。
・実施例5は、介在用ポリマとしてEVA3種を用いた系である。
・実施例6〜10は、介在用ポリマとしてEVAにLDPE又はPPをブレンドした系であり、発泡用マスターバッチ2種以上をブレンドした系である。
・実施例11〜12は、介在用ポリマとしてEVAにLDPEをブレンドし、かつ、炭酸カルシウム又は焼成クレーをブレンドした系であり、発泡用マスターバッチ2種以上をブレンドした系である。
・実施例1〜12では、発泡度の制御が容易であり、かつ剥離性、耐寒性、屈曲性のいずれも良好な結果を得ることができた。なお、実施例11〜12では、耐寒性及び屈曲性に若干性能低下が見られた。
・実施例1〜12では、発泡介在物5の発泡度を20%以上とすることができたため、比較例1の電気ケーブルの質量を100とした場合における質量を105以下に抑えることができた。
・実施例1、3、4、6〜12は、発泡介在物5の発泡度が30%以上となった。
・比較例1の従来の電気ケーブルの介在は、PPヤーンとPETテープで構成されているため、耐寒性の試験は行わず、屈曲性試験のみ実施したが、ケーブルがたわまず良好な結果を得られなかった。
・比較例2〜9は非発泡系で種々のポリマを試した系である。PPを用いた比較例2は剥離はできたものの硬く、他の性能を発現することができなかった。比較例3〜9は耐寒性のみ良好であったが他の性能は良くなかった。
以上述べた本発明を実施するための形態による電気ケーブル及びその製造方法によれば、前述した〔発明の効果〕を含んだ以下の効果を奏することができる。
(1)ケーブル線心を構成する絶縁体を非極性ポリマーである架橋ポリエチレンとし、発泡介在物を極性ポリマーであるエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)としたため、両者の融着を抑制することができる。
(2)発泡介在物を発泡させるために水を用いることを条件としないために、水以外の発泡剤を用いることにより発泡介在物の発泡度を容易に制御することができる。
(3)発泡介在物を、一般的に耐寒性が低いポリエチレン、ポリプロピレン等のホモポリマーに代えて、一般的に耐寒性に優れたコポリマーであるエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)としたため、耐寒性を向上することができる。
(4)発泡介在物を20%以上の適切な発泡度にしたため、電気ケーブルの屈曲性を所望のものにすることができる。
なお、本発明は、上記本発明の実施の形態及び実施例に限定されない。例えば、請求項1の発明では、「複数のケーブル線心」としたが、「複数のケーブル線心」は、例えば、「一本のケーブル線心」と「導波管」等の長尺部材の組み合わせであっても良い。
1:導体、2:絶縁体、3:ケーブル線心、4:撚り合せコア
5:発泡介在物、6:シース
10:電気ケーブル

Claims (9)

  1. 導体、及び前記導体を被覆する架橋ポリエチレンからなる絶縁体を含む複数のケーブル線心と、
    前記複数のケーブル線心の間隙に介在する発泡介在物と、
    前記複数のケーブル線心、及び前記発泡介在物を一括被覆するシースと、
    を備えた電気ケーブルであって、
    前記発泡介在物は、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を60〜99質量%、ポリエチレン(PE)を1〜40質量%含有し、発泡度が20%以上であり、前記複数のケーブル線心と前記シースとの間隙に充填されている電気ケーブル。
  2. 前記発泡介在物は、前記EVAの他に、EVA以外の1種以上のポリマを含有することを特徴とする請求項1に記載の電気ケーブル。
  3. 前記1種以上のポリマは、融点100℃以上のポリマであることを特徴とする請求項2に記載の電気ケーブル。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気ケーブルを製造するための電気ケーブルの製造方法であって、
    前記発泡介在物は、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を40質量%以上含有する樹脂組成物と、発泡用マスターバッチとを使用して発泡成形されたものであることを特徴とする電気ケーブルの製造方法。
  5. 前記発泡用マスターバッチは、ベースポリマとしてエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレン及びポリスチレンから選ばれる1種以上を含むことを特徴とする請求項4に記載の電気ケーブルの製造方法。
  6. 前記発泡用マスターバッチは、発泡剤としてアゾジカルボンアミド(ADCA)を含有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の電気ケーブルの製造方法。
  7. 前記発泡介在物は、前記発泡用マスターバッチを2種以上使用して発泡成形されたものであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の電気ケーブルの製造方法。
  8. 前記樹脂組成物に含有される前記EVAは、2種以上のEVAの混合物であることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の電気ケーブルの製造方法。
  9. 前記樹脂組成物に含有される前記EVAは、酢酸ビニル含量が5質量%以上50質量%未満であることを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の電気ケーブルの製造方法。
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