JP2017162569A - 多層シースケーブル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量化及び柔軟性を維持しつつ、耐熱性、耐寒性及び擦れ白化性の改善を実現する多層シースケーブル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
導体10に絶縁体15を被覆した絶縁導体20の外側に複数層からなるシース構造体30が設けられている多層シースケーブルであって、シース構造体30が、最外層シースとしての非発泡構造の外層シース31と、外層シース31の内側に設けられた、セル構造体を有する発泡シース32とを含む多層シースケーブル。
【選択図】図1

Description

本発明は、多層シースが発泡シースを含む複数層構造からなり、絶縁導体に当該多層シースを被覆してなる多層シースケーブル及びその製造方法に関するものである。
従来から、ケーブルの柔軟性の向上、ケーブルの軽量化、シースの剥離性の向上等を目的として、シースとして例えばポリ塩化ビニル等の発泡体が用いられている。このような発泡シースケーブルの例として、特許文献1には、発泡させたポリ塩化ビニル等からなる発泡シースを導体に被覆してなる発泡シースケーブルが開示されている。
図4(a)にこの発泡シースケーブルの一例を断面図で示す。図示されるように、この発泡シースケーブルは、2本の導体1を並列してその周囲を発泡シース2で一括被覆して構成されている。また、図4(b)は(a)において点線で囲まれた(イ)部を拡大して模式的に示した図である。この発泡シースケーブルでは、発泡シース2の発泡セルにより、シースの軽量化が図れ、ケーブルシースの剥離性が向上することが知られている。また、この発泡シースケーブルでは、擦れ等により容易に発泡セルが露出し、傷がつきやすくなるため、その対策として、発泡シース2が、表皮部2aの発泡率を深層部2bより小さくする構成を有している。
特開2001−291432号公報
しかし、従来の発泡シースケーブルによれば、発泡シースがセル構造体を有しているので、可塑剤等を含有するポリ塩化ビニル混和物(PVC混和物)自体の有酸素熱曝露面積が増加することになって、可塑剤の酸化による劣化やポリ塩化ビニルの塩化水素捕捉効率が低下すると考えられる。これによって耐熱性が低下する。また、発泡シースはセル構造体を有するので、変形量が大きくなる。また、寒冷環境下では、セル構造体を起点にして脆性破壊が生じるので、耐寒性が低下する。更に、ケーブル同士の擦れによる白化を完全に抑えることができないので、後述する3本のケーブルを撚り合わせて構成したトリプレックスケーブルに適用することが困難であった。
従って、本発明の目的は、軽量化及び柔軟性を維持しつつ、耐熱性、耐寒性及び擦れ白化性の改善を実現する多層シースケーブル及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、上記した目的を実現するため、以下に述べる[1]〜[4]の多層シースケーブル及び[5]〜[6]の多層シースケーブルの製造方法を提供する。
[1]導体に絶縁体を被覆した絶縁導体の外側に複数層からなる多層シース構造体が設けられている多層シースケーブルであって、前記多層シース構造体が、最外層シースとしての非発泡構造の外層シースと、前記外層シースの内側に設けられた、セル構造体を有する発泡シースとを含む多層シースケーブル。
[2]前記発泡シースの前記セル構造体のセル径が500μm以下である前記[1]に記載の多層シースケーブル。
[3]前記発泡シースの前記セル構造体による質量減少率が15%以上35%以下である前記[1]又は[2]に記載の多層シースケーブル。
[4]前記多層シース構造体が、前記発泡シースの内側に設けられた非発泡構造の内層シースを含む前記[1]〜[3]の何れか1つに記載の多層シースケーブル。
[5]前記[1]〜[4]の何れか1つに記載の多層シースケーブルの製造方法であって、前記発泡シースの前記セル構造体の形成のために用いる化学発泡剤の平均粒径が0.5μm以上10μm以下であり、その化学発泡剤が0.5質量%以上8質量%以下含有されたマスターバッチをポリ塩化ビニル混和物100質量部に対して0.2質量部以上5質量部以下で添加した発泡シース材料を押出して前記発泡シースを形成する多層シースケーブルの製造方法。
[6]前記[1]〜[4]の何れか1つに記載の多層シースケーブルの製造方法であって、前記外層シース、前記発泡シース及び前記内層シースの材料として、可塑剤含有量が15質量%以上30質量%以下であり、炭酸カルシウム含有量が5質量%以上30質量%以下であるポリ塩化ビニル混和物を用いる多層シースケーブルの製造方法。
本発明によれば、多層シース構造体が、発泡シースを含んでいるので、軽量化及び柔軟性を有し、また、発泡シースよりも外側に外層シースがあるので、擦れによる白化を抑えることができ、また、前述した耐熱性は、外層シースが設けられているので、その低下が抑制され、耐熱試験後に良好な強度残率と伸び残率が得られる。更に、耐寒性は、所定の構造の多層シース構造体を設けたので、その低下が抑制される。
図1は本発明の多層シースケーブルの第1の実施の形態を示す断面図である。 図2は本発明の多層シースケーブルの第2の実施の形態を示す断面図である。 図3は本発明の多層シースケーブルを適用したトリプレックスケーブルを示す断面図である。 図4(a)は従来の発泡シースケーブルを示す断面図であり、図4(b)は図4(a)の一部を拡大して示す断面図である。
[実施の形態]
以下、図1〜3を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る3層のシース構造体を有する多層シースケーブルの断面を示す図であり、図2は本発明の第2の実施の形態に係る2層のシース構造体を有する多層シースケーブルの断面を示す図であり、図3は本発明の多層シースケーブルを適用したトリプレックスケーブルの断面を示す図である。
〔多層シースケーブル〕
図1に示す第1の実施の形態において、3層からなるシース構造体30を有する多層シースケーブルは、絶縁導体20と、この絶縁導体20の外周に被覆される、非発泡構造の外層シース31、外層シース31の内側に設けられる発泡シース32、及び発泡シース32の内側に設けられる非発泡構造の内層シース33を備えたシース構造体30とから構成されている。
一方、図2に示す第2の実施の形態において、2層からなるシース構造体30を有する多層シースケーブルは、絶縁導体20と、この絶縁導体20の外周に被覆される、外層シース31及び発泡シース32を備えたシース構造体30とから構成されている。
なお、本発明の効果を奏する限り、外側シース31と発泡シース32の間や、発泡シース32と内層シース33の間に他の層を形成することもできる。
(シース構造体30)
図1及び2の電気絶縁性のシース構造体30は、外層シース31と発泡シース32を備える点で共通する。図1に示すようにシース構造体30が更に内層シース33を備えていることが耐熱性及び耐寒性の効果がより優れる点で好ましいが、軽量化及び柔軟性の点では図2に示す実施形態が好ましい。
<外層シース31>
外層シース31は、非発泡構造、すなわち、充実構造を有する。外層シース31の材料としては、ベース樹脂としてポリ塩化ビニル(PVC)を用いることが好ましいが、シース材料として使用できる樹脂であれば特に限定されることなく使用できる。外層シース材料の配合例(添加剤を含む)については、製造方法の説明において後述する。外層シース31の層厚は、例えば0.05mm以上0.5μm以下であることが好ましい。
<発泡シース32>
発泡シース32は、発泡により形成された多数のセル(空孔)を構造中に含むセル構造体を有する。セル構造体のセル径は、500μm以下であることが好ましく、450μm以下であることがより好ましい。セル構造体のセル径の下限は特に限定しないが、現状60μm以上である。
また、発泡シース32は、化学発泡剤が分散されたマスターバッチを添加したシース材料を押出成形することで形成されるが、化学発泡剤が分散されたマスターバッチを添加せずにシース材料が非発泡の構造で押出された際の質量を100%とした場合の、セル構造体(空孔)の形成による質量減少率が15%以上35%以下になっていることが好ましい。
上記マスターバッチ以外の発泡シース32の材料は、外層シース31の材料と同様である。外層シース31の材料と同一材料とすることが望ましい。発泡シース32の材料に添加するマスターバッチとしては、セル構造体のセル径を500μm以下とし、質量減少率を15%以上35%以下にコントロールするため、化学発泡剤の平均粒径が0.5μm以上10μm以下からなり、その化学発泡剤が0.5質量%以上8質量%以下含有されたマスターバッチを適用している。マスターバッチの添加量は、ベース樹脂と添加剤を含む樹脂組成物(例えばPVC混和物)100質量部に対して0.2質量部以上5質量部以下である。マスターバッチが押出工程で添加されてセル構造体が形成される。マスターバッチは、予めシース材料に添加混合しておいてもよい。発泡シース材料の配合例(添加剤を含む)については、製造方法の説明において後述する。発泡シース32の層厚は、例えば0.5mm以上1.5mm以下であることが好ましい。
<内層シース33>
内層シース33は、非発泡構造、すなわち、充実構造を有する。内層シース33の材料は、外層シース31の材料と同様である。外層シース31の材料と同一材料とすることが望ましい。内層シース材料の配合例(添加剤を含む)については、製造方法の説明において後述する。内層シース33の層厚は、例えば0.05mm以上0.5μm以下であることが好ましい。
(絶縁導体20)
絶縁導体20は、導体10と絶縁体15とを含んでいる。導体10及び絶縁体15の材料としては、ケーブルに使用できるものであればよく、特に限定されない。導体径や絶縁体厚さについても特に限定されない。
〔多層シースケーブルの製造方法〕
次に、本発明の多層シースケーブルの製造方法について説明する。
本発明の多層シースケーブルを製造するにあたっては、導体10に絶縁体15(例えばシラン架橋ポリエチレン)を被覆した絶縁導体20に、2層あるいは3層ヘッドを有する押出機を用いて各層のシース材料(例えばPVC混和物)を被覆し、シース構造体30を形成する。発泡シース32のシース材料には、押出成形時又は押出成形前に、樹脂組成物(例えばPVC混和物)に化学発泡剤が分散されたマスターバッチが添加される。
本実施の形態において好適なシース材料であるPVC混和物について以下に説明する。また、マスターバッチに添加される化学発泡剤について以下に説明する。
本実施の形態におけるPVC混和物としては、ベース樹脂であるPVCに可塑剤及び炭酸カルシウムが添加されたものが好ましい。なお、本発明の効果を奏する限り、シース材料に添加可能なその他の添加剤(例えば、安定剤、難燃剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、軟化剤、滑剤、加工助剤、架橋助剤)が添加されていてもよい。
発泡シース32のシース材料としては、化学発泡剤が分散されたマスターバッチをPVC混和物100質量部に対して0.2質量部以上5質量部以下で添加した発泡シース材料が好適である。マスターバッチの添加量の下限は、PVC混和物100質量部に対して0.5質量部以上であることが好ましく、1質量部以上であることがより好ましい。マスターバッチの添加量の上限は、PVC混和物100質量部に対して4質量部以下であることが好ましく、3質量部以下であることがより好ましい。
(PVC)
PVCの重合度は、コスト、成形性の面から平均重合度が1300付近のものが好ましい。押出時のフローを良化するため平均重合度が1000のPVCを用いても良い。
(可塑剤)
可塑剤は、例えばフタル酸エステル、トリメリット酸エステル、ポリエステルのうちから単独で選択しても良く、併用処方しても良い。また、耐熱性を追求する目的でエポキシ系可塑剤、耐寒性を追究する目的でジカルボン酸エステルを2次可塑剤として用いても良い。コスト、成形性からフタル酸エステルを用いることが好ましく、その中でも供給性の面からフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(DEHP)やフタル酸ジイソノニル(DINP)がより好ましい。可塑剤は、PVC混和物中に15質量%以上30質量%以下添加されていることが好ましく、18質量%以上28質量%以下添加されていることがより好ましい。
(炭酸カルシウム)
通常、炭酸カルシウムはPVCの充填剤として添加されるが、本発明の実施形態では、発泡シース32のセル構造体形成時の発泡径制御のために用いられる。炭酸カルシウムの添加量は5質量%以上30質量%以下が好ましく、10質量%以上25質量%以下がより好ましい。下限は15質量%以上であることが更に好ましい。炭酸カルシウムの添加量が5質量%未満だとセル構造体の径を均一にコントロールすることが難しく、31質量%以上だとセル構造体の形成を阻害することがある。炭酸カルシウムは、コストを考慮すると重質炭酸カルシウムを用いることが好ましく、レーザー回折式粒度分布計により測定した平均粒径は0.8μm以上3μm以下にコントロールされていることが好ましい。また、炭酸カルシウムには、ステアリン酸など脂肪酸による表面処理がなされていることが、ケーブルの擦れによる白化を抑制する観点から好ましい。
(化学発泡剤)
化学発泡剤としては、例えばアゾジカルボンアミド(ADCA)が好適である。レーザー回折式粒度分布計により測定した化学発泡剤の平均粒径は0.5μm以上10μm以下からなることが好ましく、0.5μm以上5μm以下にコントロールされていることがより好ましい。平均粒径が0.5μm未満だと、材料自体のコストが高くなり、11μm以上だとセル径が500μm以下のセル構造体が得られないためである。マスターバッチ中の化学発泡剤の添加量は0.5質量%以上8質量%以下が好ましく、0.5質量%以上6質量%以下がより好ましい。
〔トリプレックスケーブル〕
図3に示すトリプレックスケーブルは、本発明の実施の形態に係る上記の多層シースケーブル3本を撚り合わせて構成したものである。本発明の実施の形態に係る多層シースケーブルは擦れ白化性に優れるため、トリプレックスケーブルとして使用しても擦れ白化が抑制される。なお、トリプレックスケーブルに限らず、2本又は4本以上のケーブルを撚り合せた多芯ケーブルにおいても同様の効果を有する。
以下、本発明の多層シースケーブルの実施例1〜10、及び比較例1〜5を説明する。
シース構造体30の各層のシース材料として表1に記載の配合のPVC混和物を準備した。PVC混和物は、表1記載の各種材料を計量した後、100Lヘンシェルミキサーで混合し、ドライアップさせた材料をスクリュー径40mmの2軸混練押出機を用いてペレット状に成形した。混練押出機の成形温度は150℃以上170℃以下で行なった。
また、発泡シース32のシース材料に添加するマスターバッチを表2の配合にしたがって準備した。マスターバッチは、ドライアップさせた上記PVC混和物に表2に示す平均粒径の化学発泡剤(ADCA)を混合し、カッタミルで再粉砕した粉体を、スクリュー径40mmの2軸混練押出機を用いてペレット状に成形した。混練押出に関しては110℃以上130℃以下で低温混練を実施した。
次に、表3に示す配合比にて表1に示すPVC混和物と表2に示すマスターバッチとを混合して発泡シース32のシース材料を得た。
Figure 2017162569
Figure 2017162569
Figure 2017162569
(ケーブル作製)
38mmの円形圧縮導体10(外径7.3mm)にシラン架橋PEを絶縁体15として肉厚1.2mmとなるように被覆し、外径9.7mmの絶縁導体20を得た。その後、3層ヘッド付押出機を用いて充実構造の外層シース31、発泡シース32、充実構造の内層シース33を合計厚1.5mmとなるように被覆して対象となる多層シースケーブルを作製した。表3に示した発泡シース32のシース材料は、押出機の発泡シース形成用投入口に投入された。作製した多層シースケーブルのシース構造体30の各層の肉厚を表4に示し、各層の組成を表5に示す。また、実施例の多層シースケーブルにおいて採用した各層の肉厚及び組成を表6に示し、比較例の多層シースケーブルにおいて採用した各層の肉厚及び組成を表7に示す。表6〜7中のA〜Eは表4のA〜Eに相当し、a−1〜fは表5のa−1〜fに相当する。
Figure 2017162569
Figure 2017162569
Figure 2017162569
Figure 2017162569
(シース構造体30の評価及び測定)
次に、上記のようにして作製した多層シースケーブルのシース構造体30の評価及び測定を以下の方法にて行なった。評価結果及び測定結果を表6〜7に示す。いずれの評価試験も◎及び〇を合格、△及び×を不合格と評価した。
(耐熱性)
作製した多層シースケーブルからシース構造体30を剥いだ後、所定のダンベルで打ち抜いて、100℃×48hrの空気加熱老化試験(JIS K 6257)を実施した。加熱老化試験後の強度残率が90%以上、かつ伸び残率が85%以上となるものを◎とし、強度残率(JIS K 7113)が85%以上90%未満、かつ伸び残率(JIS K 7113)が80%以上85%未満となるものを○とした。また、強度残率が85%未満か、伸び残率が80%未満となるものを×とした。
(耐寒性)
作製した多層シースケーブルからシース構造体30を剥いだ後、JISK6723準拠の型枠を用いて幅6mm、長さ38mmの試験片を作製した。この試験片を用いて耐寒性試験(JIS K 6723)を実施した。試験結果が−20℃以下のものを◎、−20℃を超え−15℃以下のものを○、−15℃を超えるものを×とした。
(軽量化)
作製した多層シースケーブルからシース構造体30を剥いだ後、長さ30cmの試験片を作製し、質量を測定した。比較例1(組成1からなる外層シース31のみ)の試験片30cm当たりの質量を100とし、試験片30cm当たりの質量が85以下となるものを◎、85を超え90以下となるものを○、90を超え99未満となるものを△、99以上で変化がないとみなされるものを×とした。
(柔軟性)
作製した多層シースケーブルからシース構造体30を剥いだ後、100%モジュラス値(JIS K 7113)を測定した。軽量化の評価と同様に、比較例1(組成1からなる外層シース31のみ)を基準(指標)とした。比較例1の100%モジュラス値を100とし、90以下となるものを◎、90を超え95以下となるものを○、95を超え99未満となるものを△、99以上で変化がないとみなされるものを×とした。
(擦れ白化性)
作製した多層シースケーブルを30cmに切断したものを2本用意した。1本の両端を固定した状態で、これのほぼ中央部のシース面にもう1本のほぼ中央部のシース面を十字の状態で接触させ、手動で30回往復作業を実施して、擦れ白化性の指標とした。擦れ白化の少なかった比較例1(組成1からなる外層シース31のみ)を基準とした。比較例1と同等かもしくはより白化が少ないものを◎、比較例1より劣るが目視で許容範囲にあるものを○、白化が激しいもの(目視で許容範囲にないもの)を×とした。本判断基準の採用は、図3に示したトリプレックスケーブルの擦れ白化度合と3本撚り合せる時にケーブル外面が擦れ白化する度合との相関を示すためである。
(セル構造体のセル径)
作製した多層シースケーブルから発泡シース32を採取した。スライスした発泡シース32の断面写真を取得し、発泡シース32のセル構造体のセル径(μm)を寸法チェック付き電子顕微鏡にて測定した。発泡シース32を有していない比較例1〜3については測定を行わなかった。
(質量減少率)
作製した多層シースケーブルから外層シース31と発泡シース32を分別採取し、長さ30cmの試験片を作製し、各質量を測定した。100×(1−(発泡シース32の質量)/(外層シース31の質量))の計算式から発泡シース32のセル構造体形成による質量減少率(%)を求めた。比較例はいずれも単層なので測定を行わなかった。
(実施例1〜10と比較例1〜5の対比)
図1及び2に示した絶縁導体20に被覆してなるシース構造体30が2層もしくは3層構造からなり、発泡シース32にセル構造体を有している多層シースケーブルにおいて、耐熱性、耐寒性、軽量化、柔軟性、擦れ白化性を評価した結果、表6の通り良好な結果が得られた。いずれも発泡シース32のセル構造体の径が500μm以下で質量減少率が15%以上35%以下(表6)にコントロールされている。より良好な性能を有している構造は、実施例1〜4であり、発泡シース32のセル構造体の形成のために用いる化学発泡剤の平均粒径が0.5μm以上10μm以下、その化学発泡剤が0.5質量%以上8質量%以下含有されたマスターバッチをPVC混和物に対して0.5質量部以上5質量部以下添加した系である。また、シース構造体30の各層の材料として、同一のPVC混和物を用いる場合は、可塑剤含有量が15質量%以上30質量%以下、炭酸カルシウム含有量が5質量%以上30質量%以下であることが望ましいことが把握できた。
一方、シース構造体30を1層の外層シース31又は発泡シース32だけからなる構成とした場合は、表7の比較例の通り、耐熱性、耐寒性、軽量性、柔軟性、擦れ白化性を両立する結果は得られなかった。
以上、表6〜7に示してきた通り、本発明の多層シースケーブルによれば、耐熱性、耐寒性、軽量性、柔軟性を確保しつつ、擦れ白化性に優れることが理解できる。
このような特性、特に擦れ白化性に優れているので、図3に示すように、本発明の多層シースケーブル3本を撚り合わせたトリプレックスケーブルに適用することができる。
なお、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
1,10 導体、2,32 発泡シース、15 絶縁体、20 絶縁導体、30 シース構造体、31 外層シース、33 内層シース

Claims (6)

  1. 導体に絶縁体を被覆した絶縁導体の外側に複数層からなるシース構造体が設けられている多層シースケーブルであって、
    前記シース構造体が、最外層シースとしての非発泡構造の外層シースと、前記外層シースの内側に設けられた、セル構造体を有する発泡シースとを含む多層シースケーブル。
  2. 前記発泡シースの前記セル構造体のセル径が500μm以下である請求項1に記載の多層シースケーブル。
  3. 前記発泡シースの前記セル構造体による質量減少率が15%以上35%以下である請求項1又は2に記載の多層シースケーブル。
  4. 前記シース構造体が、前記発泡シースの内側に設けられた非発泡構造の内層シースを含む請求項1〜3の何れか1項に記載の多層シースケーブル。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の多層シースケーブルの製造方法であって、
    前記発泡シースの前記セル構造体の形成のために用いる化学発泡剤の平均粒径が0.5μm以上10μm以下であり、その化学発泡剤が0.5質量%以上8質量%以下含有されたマスターバッチをポリ塩化ビニル混和物100質量部に対して0.2質量部以上5質量部以下で添加した発泡シース材料を押出して前記発泡シースを形成する多層シースケーブルの製造方法。
  6. 請求項1〜4の何れか1項に記載の多層シースケーブルの製造方法であって、
    前記外層シース、前記発泡シース及び前記内層シースの材料として、可塑剤含有量が15質量%以上30質量%以下であり、炭酸カルシウム含有量が5質量%以上30質量%以下であるポリ塩化ビニル混和物を用いる多層シースケーブルの製造方法。
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