現在、ツイストネマティック(TN)型液晶、スーパーツイストネマティック(STN)型液晶、複屈折を電気的に制御するECB型液晶、垂直配向ネマティック(VA)型液晶等が液晶表示装置に用いられている。これらの液晶は、単安定タイプに分類され、液晶層に電場を印加しない場合には液晶分子は単一のテクスチャとなる。液晶層に電場を印加する場合には、液晶分子のテクスチャは連続的に変形し、テクスチャの変形とともに光特性が変化する。液晶層に電場が無くなると、再び単一テクスチャ(単安定テクスチャ)に戻る。これらの液晶表示装置には、メモリ効果が無い。そのため、スタティック駆動、マルチプレックス駆動、またはアクティブマトリクス駆動によって連続的に駆動する必要がある。一方、双安定やマルチ安定型の液晶表示装置にはメモリ効果がある。これらの液晶表示装置は、液晶層に電場が印加されない状態でもセル内に異なるテクスチャを形成することができる。そして、液晶層に特定の電場を印加することでテクスチャを変えることができる。このような表示装置は、いったんテクスチャが決まると、電場が失われた場合でもその双安定性によりそのテクスチャの状態を維持する。このようなメモリ効果を持つ双安定性液晶表示装置では、画像リフレッシュレートが大幅に低減し、消費電力が減少する。
近年、電極と配向膜が設けられた一対の基板間に、カイラルネマティック液晶を封入した双安定液晶パネルを用いた双安定液晶表示装置が提唱された(例えば、特許文献1を参照)。図5は液晶分子の挙動を説明する模式図である。図示するように、第一基板31と第二基板32にはそれぞれ電極33が形成され、さらにその上に第一配向膜34及び第二配向膜35が設けられる。第一基板31と第二基板32の間隙に液晶6を封入する。このような双安定液晶パネルの電極界面では、配向膜層によって液晶分子が所望の向きに向けられている。ここで、第一配向膜34は第二配向膜35よりもアンカリング力が強くなっている。そのため、第一配向膜34の界面では、液晶層6の液晶分子のアンカリング力は強く少し角度を有し、第二配向膜35の界面では、アンカリング力は弱く分子はほぼ水平になる。液晶の界面では分子のアンカリングは単安定性を示すが、液晶層6のレベルでは電場が印加されないとき二つの安定状態が存在する。一つは、一様な、あるいは少しねじれたUテクスチャ(uniform-texture)7であり、もう一つはねじれたTテクスチャ(twisted-texture)である。この2つのテクスチャのねじれは約180°異なり、個々には共存し得ない。ネマティック型の液晶分子の自発的ピッチp0は、一様なUテクスチャとねじれたTテクスチャとのエネルギーが本質的に同一となるように、最大でも、セルの厚さdの約4倍となるように選択される。従って、電場が印加していない時は、より低いエネルギーレベルを持つ他の状態は存在せず、Uテクスチャ7とTテクスチャ8のいずれかの状態で安定する(双安定性)。
いずれのテクスチャにあっても、アンカリングを破壊することにより、一方のテクスチャから他方へ変化する。UテクスチャからTテクスチャ(あるいは、TテクスチャからUテクスチャ)への変換は、外部から強い電場を印加し、配向膜表面のアンカリング力を破壊することで起こる。Uテクスチャ、Tテクスチャいずれの状態でも、特定の電界を加えると、液晶層6はホメオトロピックテクスチャ(Homeotropic-texture)となる。以下、Hテクスチャと略す。液晶層をHテクスチャ9にする電界閾値をVc(アンカリング破壊閾値)と定義する。アンカリング破壊閾値Vcは、液晶材料と配向膜の材料が固有に持つ極角アンカリングエネルギー(zenithal-anchoring-energy)Azによって決まる。アンカリング破壊閾値以上の電場を加えると、アンカリングが破壊される。また、この電場が配向膜の表面近傍における液晶分子の再配列を促す。最終的にHテクスチャ9が形成されるまで、十分な時間この電場を加えることが必要となる。最小時間は、加える電場の大きさ(振幅)、液晶や配向膜の物理特性に依存する。電場が1〜3ミリ秒或いはそれ以上加えられる場合に、アンカリング破壊閾値Vcは次の式1のように定義できる。
(式1) Vc=d×Az/(K33×ε0×Δε)1/2
ここで、dは液晶セルの厚さ、Azは極角アンカリングエネルギー、K33は液晶の弾性ねじれ係数、Δεは液晶の誘電異方性、ε0は液晶の真空中の誘電率を表す。
このアンカリング破壊閾値Vcが印加されると、配向膜界面での液晶分子の向きと垂直との間の角度が十分に小さく(例えば、0.5°以下)なり、配向膜界面の液晶分子に影響する応力が十分に低くなる。この状態では、配向膜の表面近傍の液晶分子は、電場が切られると不安定な平衡状態となり、元の向きに戻るか、または反対の方向に回転し元のテクスチャとは異なる180°ねじれた新たなテクスチャのどちらかに誘発される。最終的にどちらのテクスチャになるかは、加えられる電気信号の形状、具体的にはこの電場(電圧)が零に戻される方法に依存する。
電場を段階的に下げた場合は、フロー(液晶分子の流体力学的な力)は最小となり、強いアンカリングの配向膜の表面近傍の液晶分子はゆるやかに平衡状態に落ち着き、中央の液晶分子との弾性結合によって液晶分子が同一方向に回転される。この運動が、弱いアンカリング側基板へと広がり、同一方向に素早く次々と回転し、セル内に一様な状態(Uテクスチャ7)が形成される。
一方、電場を急に落とした場合、例えば短い時間内でスイッチングした場合、強いアンカリングの配向膜の表面近傍で強いフロー(液晶分子の流体力学的な力)が誘発され、これが液晶層全体に広がり、瞬時に弱いアンカリングの配向膜の表面に到達する。弱いアンカリングの配向膜の表面では流体力学的な力の方が強くなり、ねじれたTテクスチャ8が誘発される。このように、各画素に印加する電場をコントロールすれば、一方のテクスチャから他方のテクスチャへ変化させることができる。
テクスチャを変化させる電場について、図6を用いて説明する。図6は液晶層に印加する電圧波形を示す模式図である。図6(a)、(b)は、UテクスチャからTテクスチャへ変化させる場合の波形である。図6(a)では、第一期間τ1で、アンカリング破壊閾値より大きな電圧パルスP1を加える。この破壊閾値電圧は、概ね2ボルトから10ボルト程度である。波形のパルス幅である期間τ1は、2〜3ミリ秒である。この第一期間τ1で、UテクスチャからHテクスチャに変る。次に、2〜3マイクロ秒、或いは最大でも20〜30マイクロ秒で、この電圧を素早く低下する。すなわち、第二期間τ2で、電圧パルスP1よりΔVだけ低い電圧パルスP2を印加する。この電圧差ΔVだけ素早く低下させることによって、液晶層内に十分に強い流体力学的効果が誘発され、Tテクスチャとなる。Tテクスチャ生成に必要な第二期間τ2は、第一期間τ1の10分の1程度、長いパルスの場合でも最大500マイクロ秒で、この期間内に電圧低下させる必要がある。電位差ΔVは、τ1とτ2期間で印加される電圧パルスP1とP2の差で決まる。実験では第一期間τ1の電圧パルスP1を24Vとした場合、第二期間τ2の電圧パルスP2を8V以下程度印加する。次に、第三期間τ3で0Vを印加する。この期間τ1〜τ2〜τ3の連続動作を行うと、UテクスチャからHテクスチャを経由してTテクスチャへ変化する。図6(b)では、第一期間τ1と第二期間τ2の電位差より第二期間τ2と第三期間τ3期間の電位差を大きくした場合を示している。このとき、第一期間τ1で、UテクスチャからHテクスチャに変り、第一期間τ1でUテクスチャからHテクスチャに変り、第三期間τ3でHテクスチャからTテクスチャに変る。具体的には、P2を10V以上程度にすると同じ効果が得られる。
図6(c)、(d)はTテクスチャからUテクスチャへ変化させる場合の波形である。上記と同様に、第一期間τ1では、アンカリング破壊閾値より大きな電圧パルスP1を加える。この第一期間τ1で、UテクスチャからHテクスチャに変る。次に、第2期間τ2では緩やかに下降させる。図6(c)に第2期間τ2にスロープ状に電圧を下げた場合を示し、図6(d)に階段状に電圧を降下させた場合を示す。スロープ状に電圧を下げるのが理想的であるが、通常は段階的に降下させる。具体的には、第一期間τ1で印加する電圧パルスP1が16Vの場合、第二期間τ2では8V以上から12V以下の電圧パルスP2を印加し、第三期間τ3で0Vを印加する。この期間τ1〜τ2〜τ3の連続動作を行うと、TテクスチャからTテクスチャを経てUテクスチャへ変化する。このように、どちらのテクスチャに落ち着くかは、第二期間τ2にどういう電圧を印加するかに依存する。
次に、ドットマトリックス型の双安定液晶表示パネルの駆動方法について説明する。図7に双安定液晶表示パネルに印加される信号波形を示す。図7(a)にコモン電極に印加するコモン信号(COM)を、図7(b)にセグメント電極に印加するセグメント信号(SEG)を、図7(c)にコモン−セグメント間の電圧、即ちコモン電極とセグメント電極で挟持された液晶層に印加される波形(COM−SEG)を示す。図中、左側の波形は、コモン電極とセグメント電極が交叉する画素をUテクスチャとする場合であり、右側の波形は、この画素をTテクスチャとする場合である。図7(d)に、印加波形と液晶分子の状態の関係を模式的に示す。
まず、左側の波形について説明する。図7(a)に示すコモン信号と図7(b)に示すセグメント信号が印加されると、画素(液晶層)には図7(c)に示す電圧波形が加わることになる。液晶層に印加される+V、−Vがアンカリング破壊閾値Vc以上なので、信号印加前の液晶層がどのようなテクスチャであっても、液晶層に−Vが印加される期間ではHテクスチャである。次の階段状に0Vとなる波形により弱い液晶フォローが起き、0V電位まで到達した段階でUテクスチャになる。一方、右側の波形について説明する。信号印加前の液晶層がどのようなテクスチャであっても、液晶層に−Vが印加される期間ではHテクスチャとなるのは左側の波形の場合と同様である。次の期間では、ある程度の電位差を持って素早く0V電位まで到達する。このときHテクスチャからTテクスチャへ大きな液晶のフローに伴って変化していく。図から解るように、左右のUテクスチャにする場合もTテクスチャにする場合も、コモン信号は同一であるが、セグメント信号が異なっている。液晶パネルの表示は、選択信号が供給された1ラインのコモンと、全セグメントの信号状態によって1ライン分の白黒(テクスチャの状態)が決定し、全コモンを順次スキャンすることにより画面全体の表示(白黒)が決定する。スキャンを行う瞬間においては、画面全体のうちの1本のコモンのみ選択信号が供給される。残りの大多数のコモンには、非選択信号の電圧波形が供給される。このとき液晶層に印加される波形はアンカリング破壊を起こすような波形ではないので、選択信号により決定したテクスチャが維持される。この一連の動作は、制御回路(MPU)がCOMドライバ、SEGドライバをコントロールすることで行われる。このように、双安定液晶表示パネルに全てのコモンをスキャンし表示を決定した後は、コモンとセグメントを無印加状態にしても、表示画像は保持されている。すなわち、画像を書いた後に電源を切っても双安定液晶表示パネルの画像は表示が維持される。従って、書き換え時の電力は必要であるが、その後は無電力でも表示可能である(例えば、特許文献2を参照)。
本発明の双安定液晶表示装置の駆動方法では、まず、全表示画素に初期化リセットパルスを印加して液晶層をTテクスチャにする。次に、Uテクスチャに変化させたい画素にはアンカリング破壊閾値以上の高い電圧パルスを加え(この電圧印加期間を第一選択期間とする)、0Vに降下する前にアンカリング破壊閾値Vcより低い電圧を加える(この電圧印加期間を第二選択期間とする)。このような波形を液晶層に印加させると、第一選択期間でTテクスチャからHテクスチャに変化し、第二選択期間が終了した段階でUテクスチャに変化する。第二選択期間が終了した直後に0Vの電圧を所定期間印加し(この0V印加期間を第三選択期間とする)、Uテクスチャを維持させる。このように、第一から第三選択期間で、液晶のテクスチャ状態を変化させることができる。一方、Tテクスチャを維持させたい画素には第一選択期間にアンカリング破壊閾値Vcより低い電圧を加える。さらに、第二選択期間にもアンカリング破壊閾値Vcより低い電圧を加える。このような波形を液晶層に印加させると、リセットパルスにより形成されたTテクスチャが第一選択期間でも第二選択期間でも他のテクスチャに変化することがなく、Tテクスチャが維持される。さらに、第二選択期間の直後にライン信号休止期間(第三選択期間)を設け、ライン信号休止期間で0Vの電圧を印加する。これにより、Tテクスチャを維持させる。
このような駆動方法により、表示画面内にUテクスチャの画素とTテクスチャの画素を混在させることができる。このときのTテクスチャ状態は、Hテクスチャから変化してTテクスチャになっていない。そのため、液晶分子がフローを起こさずにTテクスチャが得られる。したがって、Uテクスチャがフローの影響を受けることがない。
また、コモンラインは線順次に選択されて駆動される。非選択状態のコモンラインには常にアンカリング破壊閾値Vcより低い電圧を加える必要がある。
また、ライン信号休止期間は、第一選択期間と第二選択期間の和より長くなるように設定するとよい。
次に、本実施例の双安定液晶パネルの駆動方法を説明する。図1に、双安定カイラルネマティック液晶を用いたドットマトリクス液晶パネルに印加される駆動波形を示す。図1(a)にセグメントライン(SEG1)に印加される信号を、図1(b)にコモンライン(COM1)に印加される信号を、図1(c)にCOM1とSEG1の交点に印加される波形を、図1(d)にCOM2に印加される信号を、図1(e)にCOM2とSEG1の交点に印加される波形を示す。
本実施例では、図1(c)に示した波形が印加される画素はTテクスチャとなり、図1(e)に示した波形が印加される画素はUテクスチャとなる。どちらの場合でも、初めにリセットパルス1を印加し、液晶パネルの全面をTテクスチャへ変化させる。実際の動作は、図1(a)に示すセグメントリセット信号S1をセグメントラインに、図1(b)に示すコモンリセット信号C1をコモンラインに供給する。例えば、V0=30、V5=GND(0V)とする。これらの信号を合成した波形は、0Vを中心にV0の2倍の振幅をもつリセット波形1となる。リセット波形1により、正のレベル+4の矩形波に続いて負のレベル−4の矩形波が印加される。したがって、液晶には直流が印加されず、電荷成分が液晶層に滞留することがない。ここで、アンカリング破壊値+vcは、電位レベル+4と電位レベル+3の間にある。
次に、リセットパルス1印加後の時間間隔Dでは、コモン信号もセグメント信号もV5へ変化させる。したがって、画素にも図1(c)に示したように0Vが印加される。これがライン信号休止期間に印加される休止期間波形3である。この休止期間波形3は、全面がTテクスチャへ変化した後、この状態を安定させるために必要となる。
以降、Tテクスチャを維持する画素に印加する波形を図1(a)〜(c)に基づいて説明する。SEG1に供給する信号の具体例を図1(a)に基づいて説明する。セグメントリセット信号S1の後で、S2信号とS4信号を交互に供給する。S2信号は選択状態のコモン信号と協働してTテクスチャを維持し、S4信号は選択状態のコモン信号と協働してUテクスチャに変化させる。S2信号は時間間隔EとFに対応し電圧値はV34、S4信号は時間間隔HとIに対応し電圧値はV0である。S2信号とS4信号に続く時間間隔G,Jの電圧値はV5となる。COM1に供給する信号の具体例を図1(b)に基づいて説明する。コモンリセット信号C1の後で、C2信号を供給し、その後、C4信号が供給される。各信号間では電圧値V5をとり、休止期間波形に対応している。コモンラインは線順次で駆動されているので、コモンラインの選択期間にC2信号が供給される。すなわち、COM1は時間間隔E,Fが選択期間であり、この時間後は、すべてのコモンラインに画像を書き込み終えるまでC4信号が供給される。したがって、COM1とSEG1が交わる画素の液晶層には図1(c)に示す波形が印加される。Tテクスチャを維持するために、図1(c)に示す波形はリセットパルス1の後はアンカリング破壊電圧Vc以下の電位で構成されている。時間間隔E,Fには、この画素の液晶層に図1(c)に示した第一選択波形2が印加される。ここでは、第一選択波形2は第一選択期間2aの電圧レベルが「−2」であり、第二選択期間2bの電圧レベルが「+1」である。第一選択波形2はアンカリング破壊閾値Vc以下となる電圧レベルで構成されていなければならない。具体的には、第一選択期間2aで約−4V程度の電圧と1ミリ秒程度の波形幅とし、第二選択期間2bで+2から+4V程度の電圧と50から500マイクロ秒程度の波形幅とした。
環境温度によって最適な印加電圧や時間が変わるので、これを考慮して設定される。そして、第二選択期間2bの直後にライン信号休止期間となり、この時間間隔Gではレベル0Vの電圧、すなわち、休止期間波形3になる。このような第一選択波形2と休止期間波形3を液晶層に印加すると、Tテクスチャが維持されるため液晶フローが発生しない。このとき、最後に休止期間波形3が印加される時間は、第一選択期間2aと第二選択期間2bの和より長い時間である。具体的には2ミリ秒以上に設定する。
図1中の時間間隔Gに示したライン信号休止期間の後では、この画素の液晶層には図1(b)に示したC4信号(非選択コモン波形)と図1(b)に示したS4信号またはS2信号の合成波形が交互に印加される。すなわち、図1(c)に示した非選択期間波形4がすべてのコモンラインに画像データが書き込まれるまで継続して印加される。ここでは、非選択期間波形4は電圧レベル−2または+2の矩形波である。異なる電圧レベルの非選択期間波形4の間には0Vの電圧が、すなわち、休止期間波形3が印加される。このように、初期リセットパルス1で全面をTテクスチャにした後、休止期間波形3、第一選択波形2、休止期間波形3、さらにその後に非選択期間波形4と休止期間波形3を残りのライン数繰り返すことにより、Tテクスチャが維持される。
以降、TテクスチャからUテクスチャに変換する画素に印加する波形を説明する。ここでは、COM2とSEG1が交わる画素の液晶層をUテクスチャに変換するものとする。図1(d)はCOM2に供給する信号であり、図1(e)はCOM2とSEG1が交わる画素の液晶層に印加される波形である。図1(d)に示すように、COM2には、コモンリセット信号C1の後で、C4信号が供給され、その後、C2信号が供給される。コモンラインは線順次で駆動されているので、COM1とCOM2の選択期間がずれている。すなわち、COM2は時間間隔H,Iが選択期間であり、この時間後は、全てのコモンラインに画像を書き込み終えるまでC4信号が供給される。
図1(e)を参照してCOM2とSEG1が交わる画素の液晶層の状態を説明する。まず、時間間隔B,Cでリセットパルス1が印加されると、液晶層はTテクスチャとなる。そしてCOM2の選択期間である時間間隔H,Iで第二選択波形5が印加される。第二選択波形5はアンカリング破壊閾値Vc以上となる電圧レベルを含んでいる必要がある。第二選択波形5は図1(a)に示したセグメント信号S4と図1(d)に示したコモン選択信号C2の合成波形である。第二選択波形5は、第一選択期間5aの電圧レベルが「−4」であり、アンカリング破壊閾値Vc以上の電圧レベルである。第二選択期間5bの電圧レベルが「−3」であり、アンカリング破壊閾値Vc以下の電圧レベルである。第二選択期間5bの直後はライン信号休止期間となり、この時間間隔Jの間はレベル0Vの電圧(すなわち、休止期間波形3)が印加される。このような第二選択波形5がTテクスチャの液晶層に印加されると、第一選択期間5aでアンカリングが破壊され、Hテクスチャに変る。そして、第二選択期間5bが終わった段階でUテクスチャに変化する。これは、第一選択期間5aと第二選択期間5bに印加される電圧の差、及び、第二選択期間5bとライン信号休止期間に印加される電圧の差のいずれもアンカリング破壊閾値Vcより低いからである。このように、第二選択波形5によりTテクスチャの液晶層はHテクスチャを経てUテクスチャに変る。そして、休止期間波形3によりUテクスチャが維持される。さらに、これ以降は非選択期間波形4と休止期間波形3が印加されるが、アンカリング破壊閾値Vc以下の電圧が設定されているので、Uテクスチャが維持されることとなる。
具体的には、第一選択期間5aに印加される電圧を−13Vから−20V程度に、印加時間を1ミリ秒程度に設定する。また、第二選択期間5bでは、−8から−13V程度の電圧と50から500マイクロ秒程度の時間に設定する。ライン信号休止期間Gは、第一選択期間5aと第二選択期間5bの和の時間より長い、具体的には2ミリ秒以上に設定する。また、時間間隔EとH、FとI、GとJは同じ時間幅である。時間間隔J以降は非選択期間波形4と休止期間波形3が残りのライン数繰り返される。また、図1(c)、(e)に示すように、非選択期間波形4は+側と−側に交互に現われているため、液晶層が直流成分による影響を受けることがない。
ここで、双安定液晶パネルの構成について説明する。双安定液晶パネルは、配向角度から略45度の角度の吸収軸をもつ偏光板が、液晶層の両側に平行(ニコル)配置されている。液晶層がTテクスチャのときは、透過率は高くなり、反射モードで観察すると白表示となる。これは、Tテクスチャでは、直線偏光に位相差があまり発生せず、そのまま偏光板を通過するからである。一方、液晶層がUテクスチャのときは、液晶分子がほぼ0度で配列し、Δndの位相差が発生する。例えば、液晶の屈折率Δnと液晶層厚dの積を波長λ/2に設定した場合は、直線偏光は180度の位相差が発生し方位が90度回転する。したがって、平行ニコル配置した場合は透過率が低くなるため反射モードでは黒の表示となる。つまり、Tテクスチャでは白、Uテクスチャでは黒となるモードを利用して表示を行う。なお、直交ニコルにした偏光板配置を行う場合はTテクスチャでは黒表示、Uテクスチャでは白表示となり平行ニコルと比較して反転した表示が可能となる。以降、偏光板を平行ニコル配置した構成の場合で説明する。
図3に、双安定液晶表示装置の回路構成を模式的に示す。双安定液晶パネル30は、水平方向のコモンラインを駆動するコモンドライバ41、垂直方向のセグメントラインを駆動するセグメントドライバ42、駆動電位(V0、V12、V34、V5、VCX)を生成する電源回路43、コモンドライバ41とセグメントドライバ42と電源回路43を制御する制御回路(MPU)44で駆動される。制御回路44がコモンドライバ41とセグメントドライバ42に供給する制御信号は、通常のSTN駆動回路と同様である。すなわち、コモンドライバ41には、初期化信号(RESETX)、スキャンタイミングを決める信号(C-data)、書き込み用クロック(CL)、交流化信号(FRCOM)や表示消去信号(DispOffx)が入力され、セグメントドライバ42には、初期化信号(RESETX)、表示画像データ信号(S-data)、書き込み用クロック(XCK)、交流化信号(FRSEG)や表示消去信号の(DispOffx)が入力される。また、温度センサ45が制御回路(MPU)44に接続されている。電源回路43をコモンドライバ41の中に取り込むこと、さらにセグメントドライバ42をも取り込んで1つのICにすることも可能である。初めにMPU44は、温度センサ45から環境温度値を読み取り、MPU内に記憶されている温度テーブルから各電圧情報を取得し、テーブルに従った値を電源43へ設定後各電位(V0、V12、Vcx、V34、V5)を出力するシーケンスを行う。同時に温度テーブルから各時間間隔の幅情報を取得し、逐次出力ごとにパルス幅を決定する。そして、これらの情報に基づいて温度に合ったパルス幅で液晶パネルを駆動する。
上述したように、Uテクスチャ(黒表示)にしたいときは、第一選択期間においてアンカリング破壊閾値Vc以上の±4レベルを印加し、Tテクスチャ(白表示)を維持したいときには第一選択期間においてアンカリング破壊閾値Vc以下の±2レベルを印加している。また、いずれの場合も第二選択期間ではアンカリング破壊閾値Vc以下の電圧レベルを印加している。第二選択期間の直後の第三選択期間では0Vの電圧レベル(すなわち、休止期間波形3)が印加される。さらに、非選択期間においてもアンカリング破壊閾値Vc以下の電圧レベル(±2レベル)がライン信号休止期間を挟んで印加されている。このように、第一選択期間でアンカリング破壊閾値Vc以上の電圧レベルが印加された画素はTテクスチャ(白表示)からUテクスチャ(黒表示)へ変化し、第一選択期間でアンカリング破壊閾値Vc以下の電圧レベルが印加された画素はTテクスチャ(白表示)を維持し続けることとなる。なお、これらの波形情報は、リセットパルスと同様に温度センサにより環境温度データを読み取り、その温度にあった波形の電圧および幅情報を予め設定した温度テーブルから取得し、波形に反映させている。この駆動は、Hテクスチャから変化してTテクスチャを得ていないため、液晶のフローが発生しない。そのため、画素間での干渉も発生しない。したがって、スムーズに書き換えが行われ画素間に表示干渉が起こらない。非選択期間に印加される波形はアンカリング破壊閾値に達しないためにテクスチャは変わらない。双安定液晶パネル30は、1画面分順次コモンをスキャンすることにより画面全体の表示が決定する。上述のように双安定液晶パネル30に画像を書き込んだ後は、コモン電圧とセグメント電圧をGNDにして双安定液晶パネル30を無印加状態にしても書き込んだ表示画像は保持されている。すなわち画像書き込み後は、電源を切っても双安定液晶パネル30の表示画像は維持される。従って、書き込み時に電力は必要であるが、その後は無電力で表示可能である。
次に、本実施例の駆動方法について図2を用いて説明する。図2は、双安定カイラルネマティック液晶を用いたドットマトリクス液晶パネルに印加される駆動波形を表す模式図である。実施例1とは第一選択波形と第二選択波形を構成する第一選択期間と第二選択期間の詳細が相違している。すなわち、本実施例では、第一選択期間12aと第二選択期間12bが一つの選択波形の中に2回ずつ現われている。その他は実施例1と同様なので、重複する説明は適宜省略する。
図2(a)にセグメントライン(SEG1)に印加される信号を、図2(b)にコモンライン(COM1)に印加される信号を、図2(c)にCOM1とSEG1の交点に印加される波形を、図2(d)にCOM2に印加される信号を、図2(e)にCOM2とSEG1の交点に印加される波形を示す。本実施例でも、図2(c)に示した波形が印加される画素はTテクスチャとなり、図2(e)に示した波形が印加される画素はUテクスチャとなる。
初めに、Tテクスチャを維持する画素(COM1とSEG1の交点)に印加される波形について、図2(c)に基づいて説明する。まず、セグメントリセット信号S1とコモンリセット信号C1の合成波であるリセットパルス1が画素に印加される。リセットパルス1はアンカリング破壊値Vc以上の電圧を持つので、液晶層はTテクスチャとなる。リセットパルス1が印加される初期化期間の直後にライン信号休止期間が設けられる。ライン信号休止期間で休止期間波形3(0Vの電位)が印加される。この休止期間波形3は、全面をTテクスチャへ変化した後安定させるために必要である。
次に、S12信号とC12信号の合成波である第一選択波形12が画素に印加される。C12信号はコモンラインの選択期間に印加される信号である。Tテクスチャを維持するために、第一選択波形12はアンカリング破壊電圧Vc以下の電位で構成されている。本実施例では、時間間隔Eでレベル+2、時間間隔Fでレベル−1、時間間隔Gでレベル−2、時間間隔Hでレベル+1の波形である。そして、第一選択波形12の後にライン信号休止期間が設けられ、この期間で0Vの電圧(休止期間波形3)が印加される。このように、時間間隔E〜Hの期間内ではアンカリング破壊閾値Vc以下の電位レベルが設定されていなければならない。このような波形によりTテクスチャが維持されることとなる。そのため、液晶層にフローは発生しない。具体的には、第一選択期間12aでは、約±4V程度の電圧と1ミリ秒程度に設定し、第二選択期間12bの電位レベル±1は、±2から±4V程度の電圧と50から500マイクロ秒程度の波形幅を設定する。ここで、第一選択期間12aは時間間隔EとGであり、第二選択期間12bは時間間隔FとHである。したがって、第一選択波形12では、第一選択期間12aと第二選択期間12bのセットが2回繰り返されていると見なすことができる。ここで、ライン信号休止期間は、時間間隔E〜Hまでの時間より長く、具体的には2ミリ秒以上であることが好ましい。
このような第一選択波形12を得るために、SEG1とCOM1に供給される信号を以下に説明する。図2(a)に示すように、S12信号のセグメント電圧波形は、最初の時間間隔EとFでV12、時間間隔GとHでV34となる波形である。そしてS12信号の直後の時間間隔IではV5が印加される。時間間隔E,Fと、時間間隔G,HはFRSEG信号で反転される。また、図2(b)に示すように、C12信号のコモン電圧波形は、最初の時間間隔EでV0、時間間隔FでVcx、時間間隔GでV5、時間間隔HでVcxとなる波形である。そしてC12信号の直後の時間間隔IではV5が印加される。時間間隔E,Fと時間間隔G,HはFRCOM信号で反転される。ここで、アンカリング破壊値vcは、電位レベル±4と±3の間、V12とV34の間である。また、例えば、V0=30V、V5=GND(0V)とする。
次に、Uテクスチャに変換して維持する画素(COM2とSEG1の交点)に印加される波形について、図2(e)に基づいて説明する。ここで示した波形は、図2(a)のSEG1信号と図2(d)のCOM2信号の合成波形である。図2(c)と同様に、まず、セグメントリセット信号S1とコモンリセット信号C1の合成波であるリセットパルス1が画素に印加される。リセットパルス1はアンカリング破壊値Vc以上の電圧を持っているので、液晶層はTテクスチャとなる。リセットパルス1が印加された直後に休止期間波形3が印加される。この時間間隔Dにおける休止期間波形3は、全ての画素をTテクスチャへ変化した後、これを安定させるために必要である。COM2では、ライン信号休止期間(時間間隔Dに相当)の直後は非選択期間なので非選択期間波形14が印加される。
非選択期間波形14はアンカリング破壊閾値Vc以下の電圧で構成されていなければならない。そして、S14信号とC12信号の合成波である第二選択波形15が画素に印加される。C12信号はコモンラインの選択期間に印加される信号である。第二選択波形15も第一選択波形12と同様に、第一選択期間15aと第二選択期間15bのセットが2回繰り返されていると見なすことができる。第一選択期間15aには、アンカリング破壊閾値Vc以上の電圧で印加される。この第一選択期間15aで、液晶層はTテクスチャからHテクスチャに変る。そして、第二選択期間15bでアンカリング破壊閾値Vc以下の電圧を印加してから0Vの電圧である休止期間波形3を印加する。これにより、液晶層はHテクスチャからUテクスチャに変わり、Uテクスチャが維持されることになる。このような駆動により、液晶フローを発生させずにUテクスチャを得ることができる。
本実施例では、非選択期間波形14は、時間間隔EとFで電位レベル−2、時間間隔GとHで電位レベル+2である。具体的には、±4Vから±8V程度の電圧を設定する。また、第二選択波形15は、時間間隔J(第一選択期間15a)で電位レベル+4、時間間隔K(第二選択期間15b)で電位レベル+3、続く時間間隔L(第一選択期間15a)で電位レベル−4、時間間隔M(第二選択期間15b)で電位レベル−3である。具体的には、第一選択期間15aの電位レベル±4は±13V〜±20V程度で1ミリ秒程度に設定し、第二選択期間15bの電位レベル±3は、±8V〜±13V程度で50〜500マイクロ秒程度に設定した。第一選択期間、第二選択期間は温度テーブルから取得した時間データを使用している。また、ライン信号休止期間は、時間間隔E〜Hまでの時間より長く、具体的には2ミリ秒以上であることが好ましい。また、非選択期間とその直後のライン休止期間の幅は選択期間とその直後のライン休止期間と同じである。また、時間間隔EとJ、FとK、GとL、HとM、IとN、の各々は同じ時間幅である。
上述した波形から明らかなように、Uテクスチャに変化させるときは、第一選択期間にアンカリング破壊閾値Vc以上の電位レベル±4を印加し、Tテクスチャを維持するときは第一選択期間にアンカリング破壊閾値Vc以下の電位レベル±2を印加する。また、いずれのテクスチャでも、第二選択期間ではアンカリング破壊閾値Vc以下の電位レベル±2を印加し、その後のライン信号休止期間に休止期間波形を印加する。この波形により、液晶フローを起こすことなく画面内にTテクスチャとUテクスチャが存在できる。
また、第一選択期間12a、15aと第二選択期間12b、15bは極性を逆にして繰り返される。さらに、非選択期間波形14も、実施例1と同様に+側と−側に交互に現われている。このように、液晶層に印加される波形が交流化されているため、液晶層は直流成分による影響を受けることがない。
次に、本実施例の駆動方法について図3を用いて説明する。図3は、ドットマトリクス液晶パネルに印加される駆動波形を表す模式図である。実施例2とは第一選択波形と第二選択波形の第二選択期間を細分化した点で相違している。その他は実施例2または1と同じなので重複する説明は適宜省略する。
図3(a)にセグメントライン(SEG1)に印加される信号を、図3(b)にコモンライン(COM1)に印加される信号を、図3(c)にCOM1とSEG1の交点に印加される波形を、図3(d)にCOM2に印加される信号を、図3(e)にCOM2とSEG1の交点に印加される波形を示す。本実施例でも、図3(c)に示した波形が印加される画素はTテクスチャとなり、図3(e)に示した波形が印加される画素はUテクスチャとなる。いずれの場合でも、初めに、セグメントリセット信号S1とコモンリセット信号C1の合成波であるリセットパルス1が画素に印加される。リセットパルス1はアンカリング破壊値Vc以上の電圧を持つので、液晶層はTテクスチャとなる。リセットパルス1が印加される初期化期間の直後にライン信号休止期間が設けられる。ライン信号休止期間で休止期間波形3(0Vの電位)が印加される。この休止期間波形3は、リセットパルス1により変化したTテクスチャを安定させる。この直後は、COM1は選択期間となり、COM2は非選択期間となる。
選択期間には、COM1に図3(c)に示す第一選択波形22が印加される。第一選択波形22はS22信号とC22信号の合成波である。C22信号はコモンラインの選択期間に供給される信号である。第一選択波形22はアンカリング破壊電圧Vc以下の電位で構成されているため、Tテクスチャが維持される。実施例2と同様に、第一選択波形22では、第一選択期間22aと第二選択期間22bのセットが2回繰り返されていると見なすことができる。第一選択期間22aは一つの電位(一パルス)で構成されているが、本実施例では、第二選択期間22bは三つの電位(三つの期間)で構成されている。具体的な電位を図3に示す。第一選択波形22の後には、休止期間波形3を経て、非選択期間波形24が印加される。非選択期間波形24もアンカリング破壊電圧Vc以下の電位で構成されているため、引き続きTテクスチャが維持される。
COM2には、図3(e)に示すように、第二選択波形25の前に非選択期間波形24が印加される。この非選択期間波形24はS22信号とC24信号の合成波である。非選択期間波形24はアンカリング破壊電圧Vc以下の電位で構成されているため、Tテクスチャが維持される。第二選択波形25はS24信号とC22信号の合成波である。実施例2と同様に、第二選択波形25では、第一選択期間25aと第二選択期間25bのセットが2回繰り返されていると見なすことができる。第一選択期間25aは一つの電位(一パルス)で構成されているが、本実施例では、第二選択期間25bは三つの電位(三つの期間)で構成されている。第二選択波形25は、第一選択期間25aでアンカリング破壊電圧Vc以上の電圧を印加する。そのため、TテクスチャからHテクスチャに変化する。次に、階段状に低下する電位が印加される第二選択期間25bを経てライン信号休止期間になる。すなわち、第一選択期間25aの電位が徐々に低下して0Vになるように駆動される。したがって、液晶層はHテクスチャからUテクスチャに変化する。具体的な電位を図3に示す。
図3に示すように、Uテクスチャに変化させる場合には、第一選択期間25aにアンカリング破壊閾値以上の電圧レベル±5を印加する。Tテクスチャを維持する場合には、第一選択期間25aにアンカリング破壊閾値以下の電圧レベル±2レベルを印加する。いずれの場合にも、第一選択期間25aに続く第二選択期間25bでは、アンカリング破壊閾値以下の電圧レベルを印加し、テクスチャが変化しないようにする。そして、第二選択期間25bの後にライン信号休止期間を設ける。
本実施例のように、第二選択期間25bで段階的に電圧を降下させると、TテクスチャからUテクスチャになり易い。スロープ状に電圧降下を行ってもよい。
本発明は上述した各実施例に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更や改善などは何ら差し支えない。実施例で示した以外の波形でも同じ効果が得られる。例えば、パルス幅をコントロールすることにより、段階的に電圧を下げる波形でなくても同じ効果が得られる。これは、アンカリング破壊電圧値とパルス幅には密接の関係があり、特に低温時の場合、パルス幅を長くすることで電圧をかなり低くすることも可能である。その場合、高耐圧ドライバを使用しないで同様な作用効果が得られる。
上述の各実施例のような駆動を行えば、液晶のフォローが起きないために、Uテクスチャになり易くLCDの歩留りを向上させることが可能となる。また、マトリックス駆動においても、画素間で干渉することなしに表示の書き換えが可能となる。さらには、アイコン、キャラクター表示やセグメント表示(数字の8の字やアルファベットのアルファニューメリック文字)でも、表示画素のエッジまで鮮明な表示が可能となった。