JP2011227045A - 放射線撮像装置 - Google Patents

放射線撮像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011227045A
JP2011227045A JP2010258225A JP2010258225A JP2011227045A JP 2011227045 A JP2011227045 A JP 2011227045A JP 2010258225 A JP2010258225 A JP 2010258225A JP 2010258225 A JP2010258225 A JP 2010258225A JP 2011227045 A JP2011227045 A JP 2011227045A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
detection unit
radiation
radiation detection
unit
casing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010258225A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5666259B2 (ja
Inventor
Naoyuki Nishino
直行 西納
Haruyasu Nakatsugawa
晴康 中津川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2010258225A priority Critical patent/JP5666259B2/ja
Priority to PCT/JP2011/057259 priority patent/WO2011125528A1/ja
Priority to CN201180016192.XA priority patent/CN102821692B/zh
Priority to US13/636,698 priority patent/US8939640B2/en
Publication of JP2011227045A publication Critical patent/JP2011227045A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5666259B2 publication Critical patent/JP5666259B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus or devices for radiation diagnosis; Apparatus or devices for radiation diagnosis combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/42Arrangements for detecting radiation specially adapted for radiation diagnosis
    • A61B6/4283Arrangements for detecting radiation specially adapted for radiation diagnosis characterised by a detector unit being housed in a cassette
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus or devices for radiation diagnosis; Apparatus or devices for radiation diagnosis combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/42Arrangements for detecting radiation specially adapted for radiation diagnosis
    • A61B6/4208Arrangements for detecting radiation specially adapted for radiation diagnosis characterised by using a particular type of detector
    • A61B6/4233Arrangements for detecting radiation specially adapted for radiation diagnosis characterised by using a particular type of detector using matrix detectors
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus or devices for radiation diagnosis; Apparatus or devices for radiation diagnosis combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/44Constructional features of apparatus for radiation diagnosis
    • A61B6/4429Constructional features of apparatus for radiation diagnosis related to the mounting of source units and detector units
    • A61B6/4452Constructional features of apparatus for radiation diagnosis related to the mounting of source units and detector units the source unit and the detector unit being able to move relative to each other
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus or devices for radiation diagnosis; Apparatus or devices for radiation diagnosis combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/54Control of apparatus or devices for radiation diagnosis
    • A61B6/547Control of apparatus or devices for radiation diagnosis involving tracking of position of the device or parts of the device
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus or devices for radiation diagnosis; Apparatus or devices for radiation diagnosis combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/54Control of apparatus or devices for radiation diagnosis
    • A61B6/548Remote control of the apparatus or devices

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)
  • Radiography Using Non-Light Waves (AREA)

Abstract

【課題】繰り返し使用しても、一枚の放射線検出部の中で放射線による劣化の影響が偏ることがない電子カセッテを提供する。
【解決手段】2つの筐体のそれぞれに放射線検出部を収容可能な駆動機構を備え、外部に露出する放射線検出部の面積および放射線検出部上の露出位置を変更可能とし、同じ露出位置のみが繰り返し使用されることがないようにしたため、放射線による放射線検出部の劣化を分散することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射線撮像装置に係り、特に可撓性を有した放射線検出部を備えた放射線撮像装置に関する。
医療診断を目的とする放射線撮影において、被写体を透過した放射線を検出して電気信号に変換する放射線撮像装置(以下電子カセッテという)を使用した放射線画像検出装置が知られている。電子カセッテには、放射線を直接電気信号に変換し電荷を蓄積する直接変換方式と、放射線を一度シンチレータで可視光に変換し、その可視光を固体検出素子で電気信号に変換して電荷を蓄積する間接変換方式がある。電子カセッテは、撮影後直ちに放射線画像を表示できるメリットがあり、広く普及し始めている。
ところで、これまでは撮影部位および撮影手技に応じて、大きさの異なるフィルムまたは電子カセッテで撮影が行われていた。しかし、電子カセッテは高価であるため、大きさの異なる複数台の電子カセッテをそろえることが困難な場合があった。この問題を解決するために、近年では特許文献1のように一枚の可撓性基体を用いて、撮影部位に合わせて撮影面積を可変とすることができる電子カセッテが提案されている。
特開2009−205155号公報
電子カセッテは繰り返し使用することができるが、放射線を受けるため使用するごとに劣化していく。具体的には、放射線により半導体の特性劣化が進み、検出器の検出感度の劣化やスイッチング素子のスイッチング特性等が劣化する懸念がある。特に特許文献1のような電子カセッテにおいては、引出口に近い領域が何度も使用されることになり、1枚の放射線検出部の中でも領域によって劣化具合に差が生じていた。1枚の放射線検出部の中で領域によって劣化具合に差が出ると、例えば、放射線検出部を最大限引き出すような大きさの被写体を撮影する場合に、1枚の画像の中で画質に差が生じる恐れがあった。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、放射線検出部の大きさおよび使用する領域が可変で、繰り返し使用による放射線検出部の劣化が一つの領域に集中することなく、長期使用が可能な電子カセッテを提供することを目的とする。
本発明に係る放射線撮像装置は、可撓性を有する放射線検出部と、第1の筐体と、第2の筐体と、前記放射線検出部を前記第1の筐体内に収容または引出しを行う第1の駆動機構と、前記放射線検出部を前記第2の筐体内に収容または引出しを行う第2の駆動機構と、を有し、前記第1の駆動機構に前記放射線検出部の一端部が取り付けられ、前記第2の駆動機構に前記放射線検出部の他端部が取り付けられた、ことを特徴とする。
また、前記第1の筐体または前記第2の筐体の少なくとも一方に、前記第1の駆動機構または前記第2の駆動機構を自動で駆動させる自動駆動機構と、該自動駆動機構を制御する制御部と、を設けたことを特徴とする。
また、前記放射線検出部に対する前記第1の筐体の位置および/または第2の筐体の位置を検出する位置検出手段をさらに有することを特徴とする。
本発明によれば、高画質で長期間使用可能な電子カセッテを提供することができる。
実施の形態1に係る電子カセッテの斜視図である。 実施の形態1に係る電子カセッテの断面図である。 放射線検出部の平面図である。 電子カセッテの回路構成ブロック図である。 入力部の模式図である。 表示部の模式図である。 実施の形態1に係る電子カセッテの使用例である。 (A)放射線検出部を一の撮影方向に使用していく制御例である。(B)放射線検出部をもう一方向の撮影方向に使用していく制御例である。 放射線検出部の同じ領域を複数回使用する制御例である。 放射線検出部の使用領域を毎回異なるものとする制御例である。 放射線検出部の使用状況を表示部に表示した表示例である。 実施の形態2に係る電子カセッテの斜視図である。 実施の形態2に係る電子カセッテを収容する状態にした図である。 実施の形態2に係る電子カセッテの斜視図である。 支持棒の構造を示した図である。 モータが支持棒を駆動する構造の図である。 間接変換方式の放射線検出部の概略的な構成に示す断面模式図である。 信号出力部の概略的な構成を示す断面図である。 表面読取方式と裏面読取方式を説明するための断面側面図である。 放射線検出部をTFT基板が内側側となるように巻取部に巻き取らせた状態を示す断面図である。 放射線検出部のシンチレータを柱状結晶で形成する場合の構成の一例を示す断面図である。 放射線検出部のシンチレータを柱状結晶で形成する場合の構成の一例を示す平面図である。 CsIの累積被曝量と感度の関係を示すグラフである。 駆動回路を形成した放射線検出部の構成を示す平面図である
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態に係る電子カセッテ100の外観斜視図である。図1を用いて電子カセッテ100の概略構成について説明する。図1の斜線は筐体の断面を表す。電子カセッテ100は、外形がほぼ直方体状の形状を有する筐体102および筐体104と、筐体102または筐体104内に収容され、被写体を透過した放射線源からの放射線を検出し、放射線画像情報に変換する可撓性の放射線検出部106を有する。放射線検出部106は、撮影位置を変えて複数回の撮影ができるような十分な長さを持った矩形のシート状に形成されている。放射線検出部106は、具体的には、長辺が約5メートル、短辺が約1メートルである。
筐体102内には、筐体102内で回転自在に収容された円柱状の巻取部108が設けられている。巻取部108の内部には、巻取部108の中心軸に沿って回転軸112が設けられている。回転軸112は、巻取部108の中心軸より長く、両端は円柱状の巻取部108の上面および下面から露出して、筐体102内の内壁に回転自在に取り付けられている。このような構成により、巻取部108は回転軸112を軸として回転する。筐体104内には、筐体104内で回転自在に収容された円柱状の巻取部110がある。巻取部110の内部には、巻取部110の中心軸に沿って回転軸114がある。巻取部110および回転軸114の構成は、巻取部108および回転軸112と同じである。よって、巻取部110は回転軸114を軸として回転する。筐体102は開口部116を有し、筐体104は開口部118を有する。放射線検出部106は、一端が開口部116および巻取部108を通って回転軸112に固定され、他端部が開口部118および巻取部110を通って回転軸114に固定されている。このような構成により、電子カセッテ100は、放射線検出部106を巻取部108または巻取部110へ巻回することで、筐体102または筐体104内へ放射線検出部106を収容可能となっている。また、このような構成により、外部へ露出している放射線検出部106の面積(以下露出面積という)を、放射線検出部106の面積の範囲内で自在に変更することができ、放射線検出部106全体の中での露出している領域の位置(以下露出位置という)も変更することができる。これにより撮影に使用する放射線検出部106の領域をユーザーが自由に決定することができる。ただし、放射線検出部106の両端部、具体的には、両端部から開口部116から回転軸112までの領域または開口部118から回転軸114までの領域は、筐体102または筐体104にから露出させることはできない。放射線検出部106の表面には、目盛り166が付されている。これにより放射線検出部106を引き出した量が目視にて確認することができる。
図2は、筐体102の断面図である。図2を用いて筐体102の構成について詳細に説明する。筐体102は、内部に中空部120を有する円柱状の巻取部108、巻取部108の中心軸に沿って巻取部108を貫通した回転軸112および回転軸112に取り付けられた図示しないバネを有する。回転軸112は、円柱状の巻取部108の上面および下面に設けられた図示しない円状の部材を介して巻取部108と接続されている。回転軸112の両端は、軸受けを介して筐体102の内壁に回転自在に取り付けられている。この構成により、巻取部108は、内部に中空部を設けつつ、回転軸112を軸として回転する。回転軸112には、回転軸の回転を制御するモータ122Aが取り付けられている。モータ122Aが回転することで回転軸112が回転し、巻取部108が回転駆動する。巻取部108は、長手方向に開口部124を有している。放射線検出部106は、開口部124を通って巻取部108内部の中空部120へ収容され、回転軸112に巻きつけられて固定されている。
放射線検出部106の一端部106Aには、電子回路126Aが実装されている。電子回路126Aは、中空部120内に収容されている。また、筐体102上には、表示部142、入力部136が設けられ、筐体102内には、放射線検出部106の巻取量を検出する巻取量検出センサ140Aが設けられている。入力部136は、ユーザーから、放射線検出部106の巻取り命令、放射線検出部106の引き出し命令、患者情報の入力、撮影部位の指定および放射線検出部106が露出する面積の入力操作等を受け付ける。巻取量検出センサ140Aには、既知のセンサを用いることができる。ここでは、巻取部108の回転数を検出するセンサを用いる。巻取量検出センサ140Aは、巻取部108の半径の長さおよび巻取部108の回転角度から放射線検出部106の引出量を演算し、表示部142へ出力する。表示部142は、巻取量検出センサ140Aからの出力を受けて、放射線検出部106の露出面積を表示する。さらに、筐体102の開口部116付近には、放射線検出部106の引出量を制御するためのストッパ144Aが設けられている。ストッパ144Aは、放射線検出部106を上面および下面から挟んで巻取り引出しを不可にする。ストッパ144Aは、放射線検出部106を巻取りおよび引き出し可能なOFF状態と巻取りおよび引き出し不可なON状態を切り替えることができる。
また、筐体102内には、着脱可能なバッテリ146および入出力インターフェース148が収容されている。バッテリ146は、回転軸112の一端まで伸びる外部端子150を有し、この外部端子150の先端には、回転軸112に常時接触するブラシ152が設けられている。ブラシ152、回転軸112、放射線検出部106、電子回路126A、モータ122A、入力部136、巻取量検出センサ140A、表示部142およびストッパ144Aは電気的に接続されており、バッテリ146からの電力は、ブラシ152および回転軸112を介して放射線検出部106、電子回路126A、モータ122A、入力部136、巻取量検出センサ140A、表示部142およびストッパ144Aへ供給される。
さらに、筐体102の内壁には図示しない鉛または銅の板が配設されている。この鉛の板により、筐体102へ放射線が照射されることによる、筐体102内に収容されている放射線検出部106および電子回路126A等の損傷を防いでいる。
筐体104の構成は筐体102とほぼ同様である。筐体104内のモータ122B、電子回路126B、巻取量検出センサ140Bおよびストッパ144Bは、放射線検出部106を介して電子回路126Aおよびバッテリ146と電気的に接続されている。このような構成により、筐体102内部のバッテリ146が筐体104内に電源を供給することができ、筐体104内にバッテリを設ける必要がなくなる。
図3は、放射線検出部106の平面図である。図3を用いて放射線検出部106の構成について説明する。放射線検出部106は可撓性を有する。具体的には、多数の画素154が形成された放射線変換部156と、多数の画素154に対して配線される多数のゲート線158が形成された第1フレキシブル配線部160と、多数の画素154に対して配線される多数の信号線162が形成された第2フレキシブル配線部164とを有する。
図4は、放射線検出部106の回路構成およびその周辺構成のブロック図である。図4を用いて放射線検出部106の詳細な構成について説明する。放射線検出部106は、端部に電子回路126Aを有する。電子回路126Aは、カセッテ制御部128、読出回路130、送受信部132、画像メモリ134、入力部136、画像記憶部137、撮影面積記憶部138および使用状況記憶部139を有する。
カセッテ制御部128は、放射線検出部106の回路の駆動、電子回路126Aの駆動、回転駆動電子回路126Bの駆動、モータ122Aの駆動、モータ122Bの駆動、ストッパ144AのON/OFFの制御およびストッパ144BのON/OFFを制御する。読出回路130は、放射線検出部106によって変換された放射線画像情報を読み出す。送受信部132は、読出回路130によって読出された放射線画像情報を含む信号を送受信する。画像メモリ134は、読出回路130によって読出された放射線画像情報を記憶する。画像記憶部137は、書き込み読み出しが可能なメモリであり、撮影した放射線画像および撮影した患者の情報等が記憶される。撮影面積記憶部138は、電子カセッテ100の動作プログラムおよび入力部136によって指定される撮影部位毎に対応した放射線検出部106の露出面積の値を記憶してある。使用状況記憶部139は、放射線検出部106の使用状況を記憶している。具体的には、前回の撮影で使用した放射線検出部106の領域の記憶および放射線検出部106を複数の領域に分けてそれぞれの領域毎の撮影回数を記憶している。使用状況記憶部139に記憶した放射線検出部106の使用状況を基に、同じ領域のみが繰り返し撮影に使用されないように制御することで、放射線検出部106の劣化が特定の領域に偏ることが無くなる。画像記憶部137、撮影面積記憶部138および使用状況記憶部139は、ハードディスク等の既知の記憶装置を用いることができる。入出力インターフェース148は、送受信部132との間で、放射線画像情報を含む信号を送受信する。送受信部132と入出力インターフェース148との信号のやりとりは、周波数が3kHz以上3T(テラ)Hz以下の電波や、赤外線で行うことができる。電波で行う場合は、送受信部132および入出力インターフェース148に、それぞれ送受信用のアンテナを設けることによって実現することができる。
光電変換層168は、放射線を感知して電荷を発生させるアモルファスセレン(a−Se)等の物質からなり、行列状に並んだ薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)170のアレイの上に配置してある。光電変換層168は、発生した電荷を蓄積容量172に蓄積した後、各行毎にゲート線158を通してTFT170を順次オンにして、電荷を画像信号として読み出す。図4では、光電変換層168及び蓄積容量172からなる1つの画素154と1つのTFT170との接続関係のみを詳細に示し、その他の画素の構成については省略してある。各画素154に接続されるTFT170には、行方向と平行に延びるゲート線158および列方向と平行に延びる信号線162が接続される。各ゲート線158は、第1フレキシブル配線部160を介して読出回路130のライン走査駆動部174に接続される。各信号線162は、第2フレキシブル配線部164を介して読出回路130のマルチプレクサ176に接続される。ゲート線158には、行方向に配列されたTFT170をオンオフ制御する制御信号Von、Voffがライン走査駆動部174から供給される。ライン走査駆動部174は、ゲート線158を切り替える複数のスイッチSW1およびスイッチSW1の1つを選択する選択信号を出力する第1アドレスデコーダ178を備える。第1アドレスデコーダ178には、カセッテ制御部128からアドレス信号が供給される。また、信号線162には、列方向に配列されたTFT170を介して各画素154の蓄積容量172に保持されている電荷が流出する。この電荷は、読出回路130の増幅器180によって増幅される。増幅器180には、読出回路130のサンプルホールド回路182を介してマルチプレクサ176が接続される。マルチプレクサ176は、信号線162を切り替える複数のスイッチSW2およびスイッチSW2の1つを選択する選択信号を出力する第2アドレスデコーダ184を備える。第2アドレスデコーダ184には、カセッテ制御部128からアドレス信号が供給される。マルチプレクサ176には、読出回路130のA/D変換器186が接続される。放射線画像情報が、A/D変換器186によってデジタル信号に変換され、カセッテ制御部128を介して画像メモリ134に記憶される。画像メモリ134に記憶された放射線画像情報は、送受信部132および入出力インターフェース148を介して、図示しない携帯情報端末等に送信される。また放射線画像情報は、画像記憶部137に記憶することもできる。放射線画像情報は、必要に応じて、データ圧縮される。
続いて図5を用いて入力部136の有する各ボタンについて説明する。図5は、入力部136の模式図である。入力部は、メニューボタン188、決定ボタン190、上ボタン192、下ボタン194、筐体102への放射線検出部106の巻取りボタン196、筐体102からの放射線検出部106の引き出しボタン198、筐体104への放射線検出部106巻取りボタン200、筐体104への放射線検出部106の引き出しボタン202、筐体102のストッパ144のON/OFF切り替えスイッチ204および筐体104のストッパON/OFF切り替えスイッチ206を有する。
ユーザーが、メニューボタン188を所定時間押すと、電子カセッテ100の電源がONされる。メニューボタン188は、撮影メニューを表示させるボタンで、メニューボタン188を押すと表示部142へ撮影メニューが表示される。撮影メニューには、撮影部位に基づく撮影面積の指定モード、撮影面積の直接指定モード、表示図からの撮影面積の指定モードおよび患者情報の入力モード等がある。撮影メニューの選択は上ボタン192、下ボタン194および決定ボタン190を用いて行う。
撮影部位の指定モードは、例えば、胸部、頭部、腹部、腕部、脚部、足部等の中から、ユーザーが、撮影する部位を指定することができる。撮影部位が指定されると、カセッテ制御部128は、撮影面積記憶部138に予め記憶されている各部位に応じた撮影面積の読出しを行う。撮影面積の直接指定モードは、ユーザーがテンキー198を用いて数値を入力して面積を入力することができる。
撮影面積の直接指定モードは、部位の指定だけでは対応できない大きさの撮影面積を選択したい場合に使用する。表示図からの撮影面積の指定モードは、表示部142に表示されている放射線検出部106の全領域図、露出面積および露出位置から、露出面積および露出位置を手動で調節する。
表示図からの撮影面積の指定モードは、放射線検出部106の露出面積および露出位置をユーザーが自由に指定することができる。患者情報の入力モードは、ユーザーがテンキー198を用いて患者の情報を入力することができる。
筐体102への放射線検出部106の巻取りボタン196、筐体102への放射線検出部106の引き出しボタン198、筐体104への放射線検出部106巻取りボタン200および筐体104への放射線検出部106の引き出しボタン202は、筐体102または筐体104に対して、放射線検出部106の巻取りおよび引き出し操作を指定できる。露出面積を大きくしたい場合または小さくしたい場合等に使用することで、露出面積の大きさの調節ができる。筐体102のストッパ144のON/OFF切り替えスイッチ204および筐体104のストッパON/OFF切り替えスイッチ206は、筐体102および筐体104に設けられたストッパのON/OFFを手動で切り替えることができる。切り替えスイッチ204または切り替えスイッチ206をOFFにすることで、筐体102または筐体104から、放射線検出部106を手動で引き出すことができる。
図6は、表示部142の表示例である。表示部142は、指定された撮影部位、放射線検出部106の筐体102および筐体104への収容面積、放射線検出部106の全領域208A、露出面積および露出位置208Bが表示される。図6では、各筐体内に巻回されている面積の数値が表示部142に表示されているが、胸部x回分、足部y回分など、撮影部位で考えると何回分の面積が巻回されているかという表示にすることもできる。具体的には、各部位に対応した面積で各筐体内に巻回されている面積を除算することで、各撮影部位に対応した面積の何個分の面積が巻回されているかを算出することができる。このように各撮影部位に対応した表示とすると、各筐体内に巻回されている面積を、ユーザーが直感的に把握しやすい。
続いて電子カセッテ100の動作について説明する。
電子カセッテ100は、ユーザーが使用しない場合は、筐体102または筐体104に放射線検出部106が巻回され、放射線検出部106の露出面積が0となった状態で保存される(以下収容状態という)。
電子カセッテ100を使用する時は、ユーザーが電源をONし、入力部136で患者情報を入力する。具体的には測定する患者の名前やID等を入力する。続いて入力部136で放射線検出部106の露出面積を設定する。例えば入力部136で撮影部位が指定されると、カセッテ制御部128は、指定された撮影部位に応じた露出面積を撮影面積記憶部138から読み出す。カセッテ制御部128は、撮影面積記憶部138から読みだされた撮影部位に応じた露出面積、巻取部108に巻回された放射線検出部106の面積および巻取部110へ巻回された放射線検出部106の面積から、巻取部110および巻取部108が回転すべき角度を計算する。通常は一の引き出し方向へ放射線検出部106の巻取りおよび引き出しを行うことで、放射線検出部106の露出位置を変更する。具体的には、撮影部位に応じた露出面積と、巻取部108または巻取部110の半径の長さとから、巻取部108または巻取部110が回転する角度を演算する。角度の演算が終了した後に、カセッテ制御部128はストッパをOFFにする命令を与え、演算した角度だけモータに回転命令を与える。モータの回転が終了した後、カセッテ制御部はストッパをONにする命令を与えて放射線検出部106の巻取りおよび引き出しを不可とする。このようにしてカセッテ制御部128は、巻取部108を回転させ、放射線検出部106の露出面積が撮影面積記憶部138から読みだされた露出面積と同一となるように調節する。
図7は、電子カセッテ100の使用時の模式図である。ベッド214の上に患者210が寝ていて、患者210の胸部を撮影している場面を表す。患者210とベッド214の間に電子カセッテ100を置く。具体的には、患者210の胸部とベッド214の間に放射線検出部106が位置するように電子カセッテ100を置く。患者の上部にある放射線照射部212から、患者210を通って放射線検出部106へ向けて放射線を照射して撮影を行う。
患者210を透過した放射線は、露出した放射線検出部106を構成する各画素154の光電変換層168によって電気信号に変換され、蓄積容量172に電荷として保持される。次いで、各蓄積容量172に保持された患者210の放射線画像情報である電荷情報は、カセッテ制御部128からライン走査駆動部174及びマルチプレクサ176に供給されるアドレス信号に従って読み出される。
ライン走査駆動部174の第1アドレスデコーダ178は、カセッテ制御部128から供給されるアドレス信号に従って選択信号を出力してスイッチSW1の1つを選択し、対応するゲート線158に接続されたTFT170のゲートに制御信号Vonを供給する。一方、マルチプレクサ118の第2アドレスデコーダ184は、カセッテ制御部128から供給されるアドレス信号に従って選択信号を出力してスイッチSW2を順次切り替え、ライン走査駆動部174によって選択されたゲート線158に接続された各画素154の蓄積容量172に保持された電荷情報である放射線画像情報を、信号線162を介して順次読み出す。
選択されたゲート線158に接続された各画素154の蓄積容量172から読み出された放射線画像情報は、各増幅器180によって増幅された後、各サンプルホールド回路182によってサンプリングされ、マルチプレクサ176を介してA/D変換器186に供給され、デジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された放射線画像情報は、カセッテ制御部128の画像メモリ134に一旦記憶される。
ライン走査駆動部174の第1アドレスデコーダ178は、カセッテ制御部128から供給されるアドレス信号に従ってスイッチSW1を順次切り替え、各ゲート線158に接続されている各画素154の蓄積容量172に保持された電荷情報である放射線画像情報を、信号線162を介して読み出し、マルチプレクサ176及びA/D変換器186並びにカセッテ制御部134を介して画像メモリ134に記憶する。放射線画像情報が画像メモリ134に記憶されると、カセッテ制御部128は、撮影で使用した放射線検出部106の位置を特定する。具体的には、筐体102および筐体104の巻取量検出センサの値から、放射線検出部106の露出面積および露出位置を特定する。カセッテ制御部128は、特定した露出面積および露出位置を使用状況記憶部139へ記憶する。
さらに、カセッテ制御部128は、放射線検出部106の露出位置ごとの使用回数を使用状況記憶部139へ記憶する。具体的には、放射線検出部106の全領域を、放射線検出部106が引き出される方向に1cm刻みで分割し、筐体102および筐体104の巻取量検出センサの値から使用された領域を特定し、特定した領域の使用回数を1インクリメントして記憶する。このようにして放射線検出部106を、引き出し方向へ1cm刻みで使用回数を記憶することができる。画像メモリ134に記憶された放射線画像情報は、圧縮処理された後、画像記憶部137へ記憶または送受信部132および入出力インターフェース148を介して無線通信により携帯情報端末に送信される。
続いて撮影を行う場合は、使用状況記憶部139に記憶された、直前の撮影で使用された領域と異なる領域が露出するようにカセッテ制御部128は巻取部108および巻取部110の回転を制御する。この場合、前の撮影で使用した露出面積と次の撮影で使用する露出面積とが同じ場合は、モータ122Aおよびモータ122Bを、等速で回転駆動し、前の撮影で使用した面積だけ巻取りまたは引き出しを行うことで、露出面積を変更せず露出位置のみを変更する。前の撮影で使用した露出面積と次の撮影で使用する露出面積とが異なる場合は、モータ122Aおよびモータ122Bの回転駆動の速さまたは回転数に差をつけることで露出面積を異ならせる。例えば、露出面積を前の撮影の露出面積より小さくしたい場合には、引き出し側のモータの回転量を巻取り側のモータの回転量より少なくするか、所望の露出面積になった時に引き出し側のストッパをONにするという制御を行う。
放射線画像の撮影が終了すると、ユーザーは筐体102への放射線検出部106の巻取りボタン196または筐体104への放射線検出部106の巻取りボタン198を押す。巻取りボタン196または巻取りボタン198の操作に応じて、カセッテ制御部128は、ストッパのOFF命令を出した後に、筐体102または筐体104内のモータに巻き取り命令を出し、放射線検出部106を巻取部108または巻取部110へ巻回して、収容状態とする。
このように本実施の形態の電子カセッテ100は、放射線検出部106の露出面積および露出位置が可変で、直前の露出位置と異なる露出位置を使用する制御としたため、放射線による放射線検出部の劣化が同じ領域に集中することがなくなる。
続いて電子カセッテ100を用いて複数回の撮影を行う場合の放射線検出部106の露出位置の変更動作の一例について図8を用いて説明する。図8(A)(B)は放射線検出部106を模式的に描いた図である。前述のように、電子カセッテ100は、撮影ごとに放射線検出部106の露出面積、露出位置、および露出位置ごとの使用回数を使用状況記憶部139へ記憶して撮影を終了する。電子カセッテ100は、ユーザーからの患者情報および露出面積の入力操作を撮影終了毎に受け付ける。
ユーザーから患者情報および露出面積についての指定を受けたカセッテ制御部128は、図8(A)に示すように、初め一方の巻取部(巻取部Aという)のみに巻回された放射線検出部106を引き出し方向に順に引き出して使用していく。この場合、前回の撮影で使用した領域は、次の撮影では外部へ露出しないように制御する。ユーザーから指定された面積が、巻取部Aに巻回されていた面積より大きい場合(図8(A)のn回目の場合)、カセッテ制御部128は、巻取部Aから全て引き出しを行い、もう一方の巻取部(巻取部Bという)の巻取りまたは引き出しを行って、放射線検出部106の露出面積を指定された露出面積と同一とする制御を行う(図8(B))。言いかえれば巻取部Bにのみ放射線検出部106が巻回された状態から、巻取部Aに向けて引き出しを行うことで、ユーザーによって指定された露出面積を露出させる。このように制御することで、同一方向に引き出して使用すると面積が足りない場合でも、直前に使用した領域を再び使用する範囲を狭くすることができる。また、放射線検出部106を端から順に使用していくため、撮影毎に異なる面積で撮影したい場合にも対応可能で、放射線検出部106の使用状況を平均化することができる。
以上述べたように実施の形態1の電子カセッテ100によれば、筐体102または筐体104へ放射線検出部106を収容可能な構成としたため、放射線検出部106の露出面積および露出位置が可変で、撮影に使用した放射線検出部106の領域を記憶し、直前に使用した露出位置と異なる露出位置を外部へ露出させる制御としたため、放射線による劣化が同じ露出位置に集中することがなくなる。また、使用しない時は放射線検出部106を巻取り、収容状態にすることで、コンパクトに仕舞うことができ、持ち運びにも便利となる。
本実施の形態のように、各筐体内部に自動で巻取部を回転させるモータを設けると、放射線検出部106の露出面積および露出位置の調節を自動で行うことができる。また、電子カセッテ100を収容状態とする場合も、2個のモータがそれぞれ巻取りを行うことで、素早く収容状態に変更することができる。
本実施の形態のように、放射線検出部106を長方形状のシートとすると、短辺の長さは一定なため、巻取り方向の長さ変化のみを見て面積の計算ができる。そのため面積の計算が簡単となり、モータの回転の制御が行いやすい。
電子カセッテ100を用いて複数回の撮影を行う場合の放射線検出部106の露出位置の変更動作の別の例について図9を用いて説明する。図9は、放射線検出部を模式的に描いた図である。この例では、同じ露出位置で複数回の撮影を行い、予め設定された回数の撮影が行われると、露出面積および露出位置が可変となる。具体的には、カセッテ制御部128が、図9に示す領域1から使用を開始するように巻取部108および巻取部110の回転を制御して露出面積および位置を調節し、ストッパをONとする。図中の矢印はそれぞれの撮影で使った幅を表す。例えば、ユーザーが露出面積を入力し、カセッテ制御部128が、入力された露出面積に対応した幅Mの領域1が外部に露出するように巻取部108および巻取部110を回転させたとする。撮影で使用した幅(図中矢印の長さで表す)に関わらず、領域1で3回撮影が行われると、カセッテ制御部128は、ストッパをOFFにする。続いてユーザーからの露出面積の入力を受け付ける。カセッテ制御部128は、ユーザーが入力した露出面積に対応した幅Nを持った領域2が外部へ露出するように巻取部108および巻取部110の回転を制御してストッパをONとする。領域2で3回撮影が行われると、領域3が使用される。これを繰り返し、3回撮影される毎に順に一つ隣の領域を使用していく。このように放射線検出部106を使用していくことで、放射線検出部106の端から順に所望の幅の領域を使用しつつ、撮影毎に領域の幅を調節する必要がなくなり、消費電力の低減をすることができる。また、同じ領域を所定回数だけ繰り返し使用するため、各領域毎の使用回数を同等とすることができる。
予め決められた回数だけ使用する前に電子カセッテ100を収容したい場合は、ストッパがOFFとなっている、またはストッパを設けていない筐体へ収容を行い、片方のストッパのみONとすることで、現在使用している位置が変更されないようにする。このように制御することで、放射線検出部106の露出位置を変更せずに収納状態とすることができる。そのため、撮影中に急に運搬または収容したい場合にも、使用していた領域を固定したまま収容状態とすることができる。なお、ここでは3回の使用を例に挙げたがこれは3回に限られない。
また、撮影回数を基にして領域を変更することにも限られない。例えば放射線検出部106の複数の箇所に累積線量を測定する機能を設け、累積線量を基に使用する領域を変更することが考えられる。累積線量を測定する場合は、同一の露出位置を複数回使用し、当該露出位置が予め設定した線量に達すると、カセッテ制御部128から命令が出てストッパがOFFとなり、放射線検出部106の位置を変更可能となる制御とする。このように制御することで、累積放射線量が所定の値になった段階で使用領域を変更することができ、放射線検出部106の累積放射線量が全体で略等しくなるように使用することができる。また、累積放射線量は、必ずしも累積線量を検出する機能によって測定するものでなくてもよい。例えば、X線源と通信を行い、放射線検出部106の露出領域と対応させて累積線量の概算値を求めることが考えられる。
電子カセッテ100を用いて複数回の撮影を行う場合の放射線検出部106の露出位置の変更動作の別の例について図10を用いて説明する。図10は、放射線検出部を模式的に描いた図である。図10の斜線および点線で囲まれた部分は、撮影に使用された領域を表す。この例では、放射線検出部106は幅Lで等分され、毎回の撮影での露出面積は等しい。この例では、一度の撮影でどれだけの面積を使用したかに係わらず、一度の撮影毎に右隣りの領域を使用する。図10に示す左端の領域から使用を開始し、1回目の撮影で図10の斜線で囲まれた1回目撮影の部分を使用したとする。1回目の撮影終了後、カセッテ制御部128は、予め設定された右隣りの領域が露出するように巻取部108および巻取部110を駆動する。2回目の撮影後も1回目の撮影後と同様に、全領域を使用したか否かに拘らず、さらに右隣りの領域を露出させる。これを繰り返し、n+1回目で右端の領域まで使用すると、次の撮影ではn回目で使用した領域を使用する。その次の撮影ではn-1回目の撮影で使用した領域を使用する。このように放射線検出部106を使用していくと、前回使用した領域を次の撮影で使用することがなくなり、使用状況の分散化を図ることができる。また、露出面積が毎回の撮影で等しいため、カセッテ制御部128によるモータおよび巻取部の回転の制御が毎回同様の制御となり、処理速度が向上する。
電子カセッテ100を用いて複数回の撮影を行う場合の放射線検出部106の露出位置の変更動作の別の例について図11を用いて説明する。図11は、表示部142の表示例である。放射線検出部106の全領域208A、露出面積および露出位置208Bが表示される領域の上部に、横軸を放射線検出部106の領域、縦軸を放射線検出部106の領域毎の使用回数としたグラフ216が表示されている。グラフ216は、放射線検出部106の1cm刻みの使用回数を記憶した結果をグラフ化して表示している。点線218は、放射線検出部106の推奨使用回数の上限を表す。ユーザーはグラフ216を見て、使用回数が少ない露出位置を選択することができる。特に、前回使用したユーザーと今回使用するユーザーが異なる場合、前回使用したユーザーがどの領域を何回使用したかも記憶されるため、グラフ216を見ることで放射線検出部106の使用状況を一目で把握することができる。さらに、ユーザーごとの使用状況を色分けして表示すると、各ユーザーがどの領域を重点的に使用しているかを把握することができる。
また、ユーザーが撮影部位または撮影に使用する面積を指定し、電子カセッテ100が、当該撮影部位または撮影に使用する面積に最適な露出位置を自動で決定して外部に露出するよう制御してもよい。具体的には、指定された撮影部位または面積に応じて決定された露出面積と、放射線検出部106の全領域に対して1cm毎に記憶している使用回数とから、当該露出面積を使用した場合の使用回数の合計が最も少なくなる領域を露出位置として決定する。例えば引き出し方向に10cm引き出す幅で撮影を行う場合、カセッテ制御部128は、放射線検出部106の全領域の左端から10cm分の使用回数を合計して記憶する。次に、計算を行った領域を右に1cmずらし、使用回数を合計して記憶する。この動作を順に行い、右端までの領域毎の使用回数を合計してそれぞれ記憶する。その後、使用回数の合計が最も少ない領域を露出位置として決定する。カセッテ制御部128は、決定された露出位置が露出するように巻取部108および巻取部110の回転を制御する。このように、自動的に使用回数が少ない露出位置を決定すると、ユーザーが特に意識せずに、放射線検出部106の領域毎の使用回数を平均化することができる。これにより、放射線撮影による放射線検出部106の領域毎の劣化具合がより均一になるように使用することができる。また、推奨使用回数の上限を超えている領域は、使用不可と判断し、外部に露出しないように制御してもよい。このように制御すると、ユーザーが、画質に劣化が生じる可能性のある領域を使用することがなくなる。
なお、図8から図11の説明で述べた、複数回撮影する場合における放射線検出部の露出位置の変更は、どれか一つの制御のみを使い続ける必要はなく、使用するユーザーが自由に選択することができる。特に、使用開始後、図8から図10の説明で述べた制御による撮影を何度か繰り返した後は、図11の説明で述べた制御を行うことが望ましい。図8から図10の説明で述べた制御を行っても、ユーザーの使用形態によっては放射線検出部106の劣化具合の偏りが生じる可能性がある。その場合においても、図11の説明で述べたように、放射線検出部106の使用状況を厳密に把握し、最も使用回数の少ない領域を使用することで、既に使用状況の偏りが生じてしまった放射線検出部106においても、使用状況の平均化を図ることができる。これにより領域ごとに画質に差が生じてしまった放射線検出部106においても、画質を略同一とすることができる。
なお、本実施の形態では、放射線検出部106を、放射線を電気信号に変換する固体検出素子を用いた、いわゆる直接変換型としたが、放射線検出部106は、放射線画像情報が得られれば必ずしも直接変換型に限られない。例えば、放射線を可視光に一旦変換するシンチレータと可視光を電気信号に変換する固体検出素子とを用いた間接変換型としてもよい。シンチレータとしては、GOS(Gd22S:Tb)又はCsI:Tl等を母体とする蛍光体を用いることができる。間接変換型の場合は、シンチレータと、TFTのアレイが形成され、アモルファスシリコン等の物質からなる固体検出素子を用いて可視光を電気信号に変換する光電変換層とを積層することにより形成される。
ここで、放射線検出部106を間接変換方式とした場合の構成について説明する。なお
、上記実施の形態1の電子カセッテ100及び放射線検出部106の構成(図1〜図4)と対応する部分には同一の符号を付して説明する。
図17は、間接変換方式の放射線検出部106の3つの画素154部分の構成を概略的に示す断面模式図である。
この放射線検出部106は、可撓性を有する絶縁性の基板400上に、信号出力部402、センサ部403、及びシンチレータ404が順次積層しており、信号出力部402、センサ部403により画素154が構成されている。画素154は、基板400上に複数配列されており、各画素154における信号出力部402とセンサ部403とが重なりを有するように構成されている。
シンチレータ404は、センサ部403上に透明絶縁膜406を介して形成されており、入射してくる放射線を光に変換して発光する蛍光体を成膜したものである。このようなシンチレータ404を設けることで、被写体を透過した放射線を吸収して発光することになる。
シンチレータ404が発する光の波長域は、可視光域(波長360nm〜830nm)であることが好ましく、この放射線検出部106によってモノクロ撮像を可能とするためには、緑色の波長域を含んでいることがより好ましい。
シンチレータ404に用いる蛍光体としては、具体的には、放射線としてX線を用いて撮像する場合、ヨウ化セシウム(CsI)を含むものが好ましく、X線照射時の発光スペクトルが420nm〜600nmにあるCsI(Tl)を用いることが特に好ましい。なお、CsI(Tl)の可視光域における発光ピーク波長は565nmである。
シンチレータ404は、例えば、CsI(Tl)等の柱状結晶で形成しようとする場合、蒸着基板への蒸着によって形成されしてもよい。このように蒸着によってシンチレータ404を形成する場合、蒸着基板は、X線の透過率、コストの面からAlの板がよく使用されるがこれに限定されるものではない。なお、シンチレータ404としてGOSを用いる場合、蒸着基板を用いずにGOSを塗布することにより、シンチレータ404を形成してもよい。
センサ部403は、上部電極410、下部電極412、及び該上下の電極間に配置された光電変換膜414を有している。
上部電極410は、シンチレータ404により生じた光を光電変換膜414に入射させる必要があるため、少なくともシンチレータ404の発光波長に対して透明な導電性材料で構成することが好ましく、具体的には、可視光に対する透過率が高く、抵抗値が小さい透明導電性酸化物(TCO;TransparentConducting Oxide)を用いることが好ましい。なお、上部電極410としてAuなどの金属薄膜を用いることもできるが、透過率を90%以上得ようとすると抵抗値が増大し易いため、TCOの方が好ましい。例えば、ITO、IZO、AZO、FTO、SnO、TiO、ZnO等を好ましく用いることができ、プロセス簡易性、低抵抗性、透明性の観点からはITOが最も好ましい。なお、上部電極410は、全画素154で共通の一枚構成としてもよく、画素154毎に分割してもよい。
光電変換膜414は、シンチレータ404から発せられた光を吸収し、吸収した光に応じた電荷を発生する。光電変換膜414は、光が照射されることにより電荷を発生する材料により形成すればよく、例えば、アモルファスシリコンや有機光電変換材料などにより形成することができる。アモルファスシリコンを含む光電変換膜414であれば、幅広い吸収スペクトルを持ち、シンチレータ404による発光を吸収することができる。有機光電変換材料を含む光電変換膜414であれば、可視域にシャープな吸収スペクトルを持ち、シンチレータ404による発光以外の電磁波が光電変換膜414に吸収されることがほとんどなく、X線等の放射線が光電変換膜414で吸収されることによって発生するノイズを効果的に抑制することができる。
光電変換膜414を構成する有機光電変換材料は、シンチレータ404で発光した光を最も効率良く吸収するために、その吸収ピーク波長が、シンチレータ404の発光ピーク波長と近いほど好ましい。有機光電変換材料の吸収ピーク波長とシンチレータ404の発光ピーク波長とが一致することが理想的であるが、双方の差が小さければシンチレータ404から発された光を十分に吸収することが可能である。具体的には、有機光電変換材料の吸収ピーク波長と、シンチレータ404の放射線に対する発光ピーク波長との差が、10nm以内であることが好ましく、5nm以内であることがより好ましい。
このような条件を満たすことが可能な有機光電変換材料としては、例えばキナクリドン系有機化合物及びフタロシアニン系有機化合物が挙げられる。例えばキナクリドンの可視域における吸収ピーク波長は560nmであるため、有機光電変換材料としてキナクリドンを用い、シンチレータ404の材料としてCsI(Tl)を用いれば、上記ピーク波長の差を5nm以内にすることが可能となり、光電変換膜414で発生する電荷量をほぼ最大にすることができる。
次に、間接変換方式の放射線検出部106に適用可能な光電変換膜414について具体的に説明する。
間接変換方式の放射線検出部106における電磁波吸収/光電変換部位は、1対の下部電極412,上部電極410と、該下部電極412,上部電極410間に挟まれた有機光電変換膜414を含む有機層により構成することができる。この有機層は、より具体的には、電磁波を吸収する部位、光電変換部位、電子輸送部位、正孔輸送部位、電子ブロッキング部位、正孔ブロッキング部位、結晶化防止部位、電極、及び層間接触改良部位等の積み重ねもしくは混合により形成することができる。
上記有機層は、有機p型化合物または有機n型化合物を含有することが好ましい。
有機p型半導体(化合物)は、主に正孔輸送性有機化合物に代表されるドナー性有機半導体(化合物)であり、電子を供与しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物をいう。したがって、ドナー性有機化合物としては、電子供与性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。
有機n型半導体(化合物)は、主に電子輸送性有機化合物に代表されるアクセプター性有機半導体(化合物)であり、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物をいう。したがって、アクセプター性有機化合物は、電子受容性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。
この有機p型半導体及び有機n型半導体として適用可能な材料、及び光電変換膜414の構成については、特開2009−32854号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。なお、光電変換膜414は、さらにフラーレン若しくはカーボンナノチューブを含有させて形成してもよい。
光電変換膜414の厚みは、シンチレータ404からの光を吸収する点では膜厚は大きいほど好ましいが、ある程度以上厚くなると光電変換膜414の両端から印加されるバイアス電圧により光電変換膜414に発生する電界の強度が低下して電荷が収集できなくなるため、30nm以上300nm以下が好ましく、より好ましくは、50nm以上250nm以下、特に好ましくは80nm以上200nm以下である。
なお、図17に示す放射線検出部106では、光電変換膜414は、全画素154で共通の一枚構成であるが、画素154毎に分割してもよい。
下部電極412は、画素154毎に分割された薄膜とする。下部電極412は、透明又は不透明の導電性材料で構成することができ、アルミニウム、銀等を好適に用いることができる。
下部電極412の厚みは、例えば、30nm以上300nm以下とすることができる。
センサ部403では、上部電極410と下部電極412の間に所定のバイアス電圧を印加することで、光電変換膜414で発生した電荷(正孔、電子)のうちの一方を上部電極410に移動させ、他方を下部電極412に移動させることができる。本実施形態の放射線検出部106では、上部電極410に配線が接続され、この配線を介してバイアス電圧が上部電極410に印加されるものとする。又、バイアス電圧は、光電変換膜414で発生した電子が上部電極410に移動し、正孔が下部電極412に移動するように極性が決められているものとするが、この極性は逆であっても良い。
各画素154を構成するセンサ部403は、少なくとも下部電極412、光電変換膜414、及び上部電極410を含んでいればよいが、暗電流の増加を抑制するため、電子ブロッキング膜416及び正孔ブロッキング膜418の少なくともいずれかを設けることが好ましく、両方を設けることがより好ましい。
電子ブロッキング膜416は、下部電極412と光電変換膜414との間に設けることができ、下部電極412と上部電極410間にバイアス電圧を印加したときに、下部電極412から光電変換膜414に電子が注入されて暗電流が増加してしまうのを抑制することができる。
電子ブロッキング膜416には、電子供与性有機材料を用いることができる。
実際に電子ブロッキング膜416に用いる材料は、隣接する電極の材料および隣接する光電変換膜414の材料等に応じて選択すればよく、隣接する電極の材料の仕事関数(Wf)より1.3eV以上電子親和力(Ea)が大きく、かつ、隣接する光電変換膜414の材料のイオン化ポテンシャル(Ip)と同等のIpもしくはそれより小さいIpを持つものが好ましい。この電子供与性有機材料として適用可能な材料については、特開2009−32854号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。
電子ブロッキング膜416の厚みは、暗電流抑制効果を確実に発揮させるとともに、センサ部403の光電変換効率の低下を防ぐため、10nm以上200nm以下が好ましく、さらに好ましくは30nm以上150nm以下、特に好ましくは50nm以上100nm以下である。
正孔ブロッキング膜418は、光電変換膜414と上部電極410との間に設けることができ、下部電極412と上部電極410間にバイアス電圧を印加したときに、上部電極410から光電変換膜414に正孔が注入されて暗電流が増加してしまうのを抑制することができる。
正孔ブロッキング膜418には、電子受容性有機材料を用いることができる。
正孔ブロッキング膜418の厚みは、暗電流抑制効果を確実に発揮させるとともに、センサ部403の光電変換効率の低下を防ぐため、10nm以上200nm以下が好ましく、さらに好ましくは30nm以上150nm以下、特に好ましくは50nm以上100nm以下である。
実際に正孔ブロッキング膜418に用いる材料は、隣接する電極の材料および隣接する光電変換膜414の材料等に応じて選択すればよく、隣接する電極の材料の仕事関数(Wf)より1.3eV以上イオン化ポテンシャル(Ip)が大きく、かつ、隣接する光電変換膜414の材料の電子親和力(Ea)と同等のEaもしくはそれより大きいEaを持つものが好ましい。この電子受容性有機材料として適用可能な材料については、特開2009−32854号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。
なお、光電変換膜414で発生した電荷のうち、正孔が上部電極410に移動し、電子が下部電極412に移動するようにバイアス電圧を設定する場合には、電子ブロッキング膜416と正孔ブロッキング膜418の位置を逆にすれば良い。又、電子ブロッキング膜416と正孔ブロッキング膜418は両方設けなくてもよく、いずれかを設けておけば、ある程度の暗電流抑制効果を得ることができる。
各画素154の下部電極412下方の基板400の表面には信号出力部402が形成されている。
図18には、信号出力部402の構成が概略的に示されている。
信号出力部402には、下部電極412に対応して、下部電極412に移動した電荷を蓄積する蓄積容量172と、蓄積容量172に蓄積された電荷を電気信号に変換して出力するTFT170が形成されている。蓄積容量172及びTFT170の形成された領域は、平面視において下部電極412と重なる部分を有しており、このような構成とすることで、各画素154における信号出力部402とセンサ部403とが厚さ方向で重なりを有することとなる。なお、放射線検出部106の画素154の平面積を小さくするためには、蓄積容量172及びTFT170の形成された領域が下部電極412によって完全に覆われていることが望ましい。
蓄積容量172は、基板400と下部電極412との間に設けられた絶縁膜419を貫通して形成された導電性材料の配線を介して対応する下部電極412と電気的に接続されている。これにより、下部電極412で捕集された電荷を蓄積容量172に移動させることができる。
TFT170は、ゲート電極420、ゲート絶縁膜422、及び活性層(チャネル層)424が積層され、さらに、活性層424上にソース電極426とドレイン電極428が所定の間隔を開けて形成されている。活性層424は、例えば、アモルファスシリコンや非晶質酸化物、有機半導体材料、カーボンナノチューブなどにより形成することができる。なお、活性層424を構成する材料は、これらに限定されるものではない。
活性層424を構成可能な非晶質酸化物としては、In、Ga及びZnのうちの少なくとも1つを含む酸化物(例えばIn−O系)が好ましく、In、Ga及びZnのうちの少なくとも2つを含む酸化物(例えばIn−Zn−O系、In−Ga−O系、Ga−Zn−O系)がより好ましく、In、Ga及びZnを含む酸化物が特に好ましい。In−Ga−Zn−O系非晶質酸化物としては、結晶状態における組成がInGaO(ZnO)(mは6未満の自然数)で表される非晶質酸化物が好ましく、特に、InGaZnOがより好ましい。なお、活性層424を構成可能な非晶質酸化物は、これらに限定されるものではない。
活性層424を構成可能な有機半導体材料としては、フタロシアニン化合物や、ペンタセン、バナジルフタロシアニン、ペリキサンテノキサンテン(peri-Xanthenoxanthene)誘導体などのジオキサアンタントレン系化合物等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。なお、フタロシアニン化合物の構成については、特開2009−212389号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。また、ジオキサアンタントレン系化合物の構成については、特開2010−6794号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。
TFT170の活性層424を非晶質酸化物や有機半導体材料、カーボンナノチューブで形成したものとすれば、X線等の放射線を吸収せず、あるいは吸収したとしても極めて微量に留まるため、信号出力部402におけるノイズの発生を効果的に抑制することができる。
また、活性層424をカーボンナノチューブで形成した場合、TFT170のスイッチング速度を高速化することができ、また、可視光域での光の吸収度合の低いTFT170を形成できる。なお、カーボンナノチューブで活性層424を形成する場合、活性層424に極微量の金属性不純物が混入するだけで、TFT170の性能は著しく低下するため、遠心分離などにより極めて高純度のカーボンナノチューブを分離・抽出して形成する必要がある。
ここで、上述した非晶質酸化物、有機半導体材料、カーボンナノチューブや、有機光電変換材料は、いずれも低温での成膜が可能である。従って、基板400としては、プラスチック等の可撓性基板、アラミド、バイオナノファイバを用いることもできる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の可撓性基板を用いることができる。このようなプラスチック製の可撓性基板を用いれば、軽量化を図ることもでき、例えば持ち運び等に有利となる。
また、基板400には、絶縁性を確保するための絶縁層、水分や酸素の透過を防止するためのガスバリア層、平坦性あるいは電極等との密着性を向上するためのアンダーコート層等を設けてもよい。
アラミドは、200度以上の高温プロセスを適用できるために,透明電極材料を高温硬化させて低抵抗化でき、また、ハンダのリフロー工程を含むドライバICの自動実装にも対応できる。また、アラミドは、ITO(indium tin oxide)やガラス基板と熱膨張係数が近いため、製造後の反りが少なく、割れにくい。また、アラミドは、ガラス基板等と比べて薄く基板を形成できる。なお、超薄型ガラス基板とアラミドを積層して基板400を形成してもよい。
バイオナノファイバは、バクテリア(酢酸菌、Acetobacter Xylinum)が産出するセルロースミクロフィブリル束(バクテリアセルロース)と透明樹脂との複合したものである。セルロースミクロフィブリル束は、幅50nmと可視光波長に対して1/10のサイズで、かつ、高強度、高弾性、低熱膨である。バクテリアセルロースにアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂を含浸・硬化させることで、繊維を60−70%も含有しながら、波長500nmで約90%の光透過率を示すバイオナノファイバが得られる。バイオナノファイバは、シリコン結晶に匹敵する低い熱膨張係数(3−7ppm)を有し、鋼鉄並の強度(460MPa)、高弾性(30GPa)で、かつフレキシブルであることから、ガラス基板等と比べて薄く基板400を形成できる。
図17では、基板400上に、信号出力部402、センサ部403、透明絶縁膜406を順に形成し、当該基板400上に光吸収性の低い接着樹脂等を用いてシンチレータ404を貼り付けることにより放射線検出部106を形成している。以下、透明絶縁膜406まで形成された基板400をTFTアクティブマトリクス基板(以下「TFT基板」ともいう。)450と称する。
間接変換方式の放射線検出部106も、図3、図4に示すように、上述のセンサ部403、蓄積容量172を含んで構成される画素154が一定方向(図3の行方向)及び一定方向に対する交差方向(図3の列方向)に2次元状に複数設けられている。
また、間接変換方式の放射線検出部106は、一定方向(行方向)に延設され各TFT170をオン・オフさせるための複数本のゲート線158と、交差方向(列方向)に延設されオン状態のTFT170を介して電荷を読み出すための複数本の信号線162が設けられている。
各ゲート線158は、放射線検出部106の幅方向一端側の第1フレキシブル配線部160を介して電子回路126Aに接続され、各信号線162は、放射線検出部106の長手方向一端側の第2フレキシブル配線部164を介して電子回路126Aに接続されている。
この間接変換方式の放射線検出部106は、図19に示すように、シンチレータ404が形成された側から放射線が照射されて、当該放射線の入射面の裏面側に設けられたTFT基板450により放射線画像を読み取る、いわゆる裏面読取方式(所謂PSS(Penetration Side Sampling)方式)とされた場合、シンチレータ404の同図上面側(TFT基板450の反対側)でより強く発光し、TFT基板450側から放射線が照射されて、当該放射線の入射面の表面側に設けられたTFT基板450により放射線画像を読み取る、いわゆる表面読取方式(所謂ISS(Irradiation Side Sampling)方式)とされた場合、TFT基板450を透過した放射線がシンチレータ404に入射してシンチレータ404のTFT基板450側がより強く発光する。TFT基板450に設けられた各センサ部403には、シンチレータ404で発生した光により電荷が発生する。このため、放射線検出部106は、表面読取方式とされた場合の方が裏面読取方式とされた場合よりもTFT基板450に対するシンチレータ404の発光位置が近いため、撮影によって得られる放射線画像の分解能が高い。
放射線検出部106は、センサ部403の光電変換膜414を有機光電変換材料により構成した場合、放射線がほとんど吸収されず、表面読取方式により放射線がTFT基板450を透過する場合でも光電変換膜414による放射線の吸収量を少ないため、放射線Xに対する感度の低下を抑えることができる。このように、TFT基板450の光電変換膜414を有機光電変換材料により構成した場合、光電変換膜414での放射線の吸収が殆どなく放射線の減衰を少なく抑えることができるため、表面読取方式に適している。
また、TFT170の活性層424を構成する非晶質酸化物や光電変換膜414を構成する有機光電変換材料は、いずれも低温での成膜が可能である。このため、基板400を放射線の吸収が少ないプラスチック樹脂、アラミド、バイオナノファイバで形成することができる。このように形成された基板400は放射線の吸収量を少ないため、表面読取方式により放射線がTFT基板450を透過する場合でも、放射線Xに対する感度の低下を抑えることができる。
ここで、例えば、間接変換方式の放射線検出部106の光電変換膜414を有機光電変換材料により構成し、TFT170の活性層424を非晶質酸化物により構成し、基板400を放射線の吸収が少ないプラスチック樹脂、アラミド、バイオナノファイバなどの可撓性に基板により形成する。
そして、電子カセッテ100では、図20に示すように、放射線検出部106をTFT基板450が内側側となるように巻取部108、110に巻き取らせるものとする。これにより、図7に示すように、撮影に際に筐体102と筐体104を離間させて放射線検出部106を引き出し、引き出した放射線検出部106上に患者210を配置し、患者210の上方にある放射線照射部212から放射線を照射した場合、放射線検出部106は、TFT基板450が患者210側となるため、表面読取方式で撮影が行われるようになる。
シンチレータ404は、CsI:Tlの柱状結晶で形成してもよい。CsI:Tlの柱状結晶は、硬くて脆いため、そのままでは巻取部108、110に巻き取らせることができない。そこで、例えば、図21に示すように、TFT基板450上にシンチレータ404として、非柱状結晶領域404Aを形成し、その上に柱状結晶領域404Bを形成する。そして、例えば、図21、図22に示すように、レーザカット等により巻取部108、110の巻き取り方向に対して垂直方向に、巻取部108、110に巻き取ったとして柱状結晶領域404Bの柱状結晶が割れない程度の所定の深さ及び所定の間隔で平行にシンチレータ404の柱状結晶領域404Bをカットして切目452を設け、シンチレータ404の柱状結晶領域404B側の表面を弾力性を有する保護シート454で封止する。このようなシンチレータ404が形成された放射線検出部106を、図20に示すように、TFT基板450が内側側となるように巻取部108、110に巻き取らせるものとする。シンチレータ404は、非柱状結晶領域404Aを設けたことにより、柱状結晶領域404BのCsI:Tlの柱状結晶がバラバラになることが防止され、撮影した際に切目452部分で画像が欠落することを抑制できる。また、シンチレータ404の柱状結晶領域404Bに切目452が設けたことにより、放射線検出部106を巻取部108、110に巻き取らせることができる。また、シンチレータ404をTFT基板450が内側側となるように巻取部108、110に巻き取らせることにより、柱状結晶領域404Bの各柱状結晶がぶつかり合うことを防止できる。
ところで、CsIは、図23に示すように、連続して撮影が行われて累積被曝量の増加と共に感度が低下する。この感度の低下は、放射線が照射されない状態で維持されると回復し、高温環境に保存することでより早く回復する。
しかし、図20に示すように、放射線検出部106を巻取部108に巻き取らせることにより、中空部120内に収容された電子回路126Aからの熱により、巻取部108に巻き取られた放射線検出部106のシンチレータ404の感度が低下した場合でも早く回復させることができる。
なお、実施の形態1では、図3に示すように、ライン走査駆動部174及び読出回路130が内蔵された電子回路126Aを放射線検出部106の長手方向の端部に設け、放射線検出部106の各ゲート線158を第1フレキシブル配線部160を介して電子回路126Aに接続し、放射線検出部106の各信号線162を第2フレキシブル配線部164を介して電子回路126Aに接続さした場合について説明したが、これに限定されるものではない。
ライン走査駆動部174及び読出回路130などの駆動回路は、従来、固いシリコンのドライバICにより構成していた。しかし、上述のようにTFT170の活性層424を、例えば、アモルファスシリコンや非晶質酸化物、有機半導体材料、カーボンナノチューブなどにより形成した場合、TFT170などのスイッチ素子を可撓性に基板に形成できる。
そこで、図24に示すように、放射線検出部106の幅方向一端側に、例えば、有機TFTなどのスイッチ素子を用いてライン走査駆動部174を形成して各ゲート線158を駆動するようにしてもよい。これにより、放射線検出部106にライン走査駆動部174及び読出回路130などの駆動回路を形成した場合でも放射線検出部106の可撓性を維持できる。
なお、本実施の形態では、放射線検出部106を巻取部108および巻取部110へ巻回することで筐体102および筐体104への収容を行ったが、放射線検出部106が筐体102および筐体104への収納、引き出しが自在にできればどんな構成でもよく、例えば放射線検出部106を、筐体102または筐体104内で折りたたむことで収容する機構でもよい。その場合は、筐体102または筐体104内に、放射線検出部106を収容する駆動機構および、放射線検出部106の折りたたみを行う駆動機構を設ければ良い。折りたたみを行う駆動機構は、例えば放射線検出部106を上下から挟み、引き出し方向と垂直な方向に移動させて折りたたみ状態を実現するものが考えられる。また収容する機構は蛇腹構造などでもよい。
なお、本実施の形態では筐体102および筐体104の双方にモータを設けたが、モータは無くてもよい。モータがない場合は、ユーザーが手動でストッパをOFFにして、表示部142を見て露出面積を把握しながら手動で筐体筐体102または筐体104から放射線検出部106を引き出す。その場合、露出面積が入力部136によって指定された面積になると、アラームが鳴るまたは自動でストッパがONとなるような構成であることが望ましい。筐体102および筐体104内にモータを設けない場合は、実施の形態1で述べた放射線検出部106の自動巻取り、引出し機構は、増設可能であることが望ましい。このようにすると、自動巻取り、引出し機構が無い分コストダウンすることができ、電子カセッテの購入後にユーザーが自動巻取り、引き出し機構を設けたい場合に、新たに増設することで対応することができる。モータを設けない場合は、手動で放射線検出部106の巻き取りが出来る巻取部駆動レバーを設けることが望ましい。モータを設けない場合は、モータの分だけコストダウンすることができ、電力消費量も下がる。
また、モータは筐体102または筐体104のどちらか一方に1個だけ設けてもよい。モータが1個のみでも、モータが設けられていない方の筐体へ放射線検出部106を収容する制御以外は、自動で行うことができる。例えば、ある領域が撮影に使用され次の撮影のために露出位置を変更したい場合、モータが設けられた筐体へ前回使用した領域と同じ面積だけ放射線検出部106を巻取りすることで、放射線検出部106の露出位置を変更することができる。また、前回使用した面積より多めに巻取りを行ってから少し引き出しを行うことで、前回使用した領域の面積より露出面積を大きくすることもできる。前回使用した領域の面積より、露出面積を小さくしたい場合は、前回使用した領域の面積よりも多く巻き取ることで実現できる。このように、モータが設けられている筐体内への巻取りを行う方向に撮影していく場合には、自動で露出面積および露出位置を変更することができる。モータが設けられていない筐体へ放射線検出部106の巻取りを行う場合は、ユーザーが手動で巻取部駆動レバーを動かして放射線検出部106の巻取りまたは引き出しを行って、露出面積の調節を行う。ユーザーが手動で巻取りまたは引き出しを行う場合は、予め設定された露出面積になったらアラームが鳴るなどしてユーザーに報知することが望ましい。このように片方の筐体の内部にのみにモータを設けると、モータが設けられている筐体内への巻取りを行う方向に撮影していく場合は、露出面積および撮影位置の制御を自動で行うことができる。また、電子カセッテ100を自動で収容状態とすることもできる。モータを片方の筐体内のみに設ける場合は、モータを設けない方の筐体内に、巻取部駆動レバーを回すことで発電できる機構を設け、レバーを回すことでバッテリの充電ができることが望ましい。このように構成することで、モータで自動調節可能な方向への撮影においては、自動で露出面積および露出位置を調節し、モータで自動調節不可な方向への撮影においては、巻取部駆動レバーを回転させて露出面積および露出位置を調節し、同時にバッテリの充電を行うことができる。
なお、本実施の形態では、筐体102にのみバッテリ146を設けたが、筐体102および筐体104の双方に着脱可能なバッテリを設けてもよい。筐体102および筐体104の双方にバッテリを設けると、いずれか一方の電池容量が無くなった場合においても、電源を落とすことなく新たな電池に付け替える、いわゆるホットスワップを行うことができる。また、筐体102および筐体104の双方にバッテリを設けると、筐体102および筐体104の質量差が小さくなり、電子カセッテ100全体の重量バランスが向上する。
なお、本実施の形態では、ストッパを筐体102および筐体104の双方に設けたが、どちらか一方のみに設けても良い。この場合は一つのストッパのみが放射線検出部106の巻取りおよび引き出しの可否を制御する。
なお、本実施の形態では撮影毎に放射線検出部106の露出面積および露出位置を使用状況記憶部139へ記憶したが、これは放射線検出部106の領域毎の使用状況および直前に使用した領域を把握できればどのような方法でもよい。また、露出面積および露出位置の記憶は、必ずしも装置が自動で行う必要はない。例えばユーザーが表示部142に表示される露出面積および露出位置を見てメモを行って、後で電子カセッテ100へ入力するような態様でも良い。また、必ずしも使用毎に行う必要はない。
また、本実施の形態に係る電子カセッテ100は、放射線検出部106の露出面積および露出位置が把握できるため、撮影して得られた放射線画像情報に、放射線検出部106の露出面積または露出位置を特定する情報をメタデータとして紐付けして記憶しても良い。このようにすると、ユーザーが、撮影画像を見て放射線検出部106の問題を発見した場合に、放射線検出部106のどの領域に問題があったのかを特定することができる。この場合は、放射線検出部106において問題の発生した領域を、放射線による劣化が起こった領域(以下、劣化領域という)としてユーザーが電子カセッテ100へ入力できることが望ましい。ユーザーからの劣化領域の入力を受け付け、劣化領域を特定した電子カセッテ100は、劣化領域を使用しないように放射線検出部の露出位置を制御することが望ましい。このように制御すると、劣化の発生を確認した領域を再び使用することがなくなり、画質に問題が発生することを防止できる。また、ユーザーからの劣化領域の入力を受け付けた電子カセッテ100は、劣化が発生した領域を表示部142へ表示することが望ましい。例えば、図6の208Aにおいて、劣化が発生した領域を黒く塗りつぶす等の表示が考えられる。このように表示すると、ユーザーが放射線検出部106の劣化領域を一目で把握することができる。この場合は、劣化領域が多くなるに従い、ユーザーに修理を促す表示をすることが望ましい。例えば、修理を進める表示を、劣化領域が増える毎に強調して表示する態様が考えられる。
劣化領域の特定は、電子カセッテ100が自動で行って使用状況記憶部等へ記憶するようにしてもよい。劣化領域は、例えば固定パターンノイズの生じ方から算出することができる。別の算出方法としては、ある画素が、隣の画素と比べて明らかに異常な値を持つ場合は、その画素が劣化していると判断する。このように放射線画像情報の中に明らかに異常な値がある場合は、異常な値を用いず、周辺の画素値を用いる等して補正を行う。他に、待機時間等の撮影を行わない任意の時間に画素値の読出しを行って異常な値を持つ画素を検出し、異常な値を持っていた画素が劣化していると判断する態様でも良い。このようにして劣化領域を自動で特定した場合においても、電子カセッテ100は、劣化領域を使用不可とすることが望ましい。
また、放射線画像情報に、電子カセッテ100または放射線検出部106を特定するID等をメタデータとして紐付けしてもよい。このようにすると、複数の電子カセッテがある場合に、どの電子カセッテに問題があるのかを特定することができる。
また、本実施の形態に係る巻取量検出センサ140Aおよび140Bは、巻取部108または巻取部110の半径の長さを基準に巻取部108または巻取部110の回転角度を演算し、放射線検出部106が筐体102および筐体104内へ巻取りされている面積を求めることで放射線検出部106に対する筐体102および筐体104の位置を特定したが、必ずしも放射線検出部106が筐体102および筐体104へ巻取りされている面積を記憶して放射線検出部106に対する筐体102および筐体104の位置を特定する必要はない。例えば、放射線検出部106が有する目盛りを読み取り、筐体102または筐体104の放射線検出部106上の位置を判断するものであってもよい。また、巻取量検出センサは、必ずしも筐体内に設けられている必要はない。
筐体102または筐体104が、放射線検出部106上のどこに位置するかを把握する形態とする場合は、放射線検出部106の露出面積および露出位置を調整する目安は、放射線検出部106に対する筐体102および筐体104の位置とする。筐体102および筐体104が放射線検出部106上のどの位置にあり、次にどの位置へ移動すべきかの指定をカセッテ制御部128が行えば、放射線検出部106の露出面積および露出位置は調節できる。このように構成することで、筐体102および筐体104が、放射線検出部106上における1次元の位置を把握するだけで、露出面積および露出位置を調節することができる。他の形態としては、放射線検出部106の全領域の読出しを行い、ノイズとは考えられない値以上のデータを読み出せた領域を、使用した領域として特定する形態や、放射線検出部106へバーコードなどを設け、バーコードを読み取ることで巻取量を判断する形態でもよい。
また、巻取量検出センサは、必ずしも2つ設ける必要はない。例えば一つの巻取量検出センサで放射線検出部106の露出面積および露出位置を変更する場合は、巻取り量検出センサによって片方の筐体の放射線検出部上の位置を把握し、筐体102および筐体104を接近させ、放射線検出部106の露出面積を0としてから、放射線検出部106の引出しを行うことで、1つの巻取量検出センサの値の変化で露出面積を調節することができる。
また、巻取部108または巻取部110の半径の長さは、放射線検出部106が巻回されるごとに長くなるため、放射線検出部106が何層巻回されているかに応じて、巻取部108または巻取部110の半径に放射線検出部106の厚みを足して演算をしても良い。この構成をとれば放射線検出部106の露出面積が、より正確に調節することができる。
なお、本実施の形態では、撮影終了時に巻取りボタン196または巻取りボタン198を使って放射線検出部106を筐体102または筐体104内へ収容したが、撮影終了ボタンを設けて、そのボタンが押されると、収容状態となるまで筐体102または筐体104へ自動で巻き取られるという制御を行ってもよい。
また、巻取部108または巻取部110の内部に着脱自在な冷却部材を設けることが望ましい。冷却部材を設けることで、巻取部108または巻取部110へ巻き取られている放射線検出部106への伝熱または放射線検出部106からの発熱を防止することができる。放射線検出部106が通常の温度より高い温度を持ったまま撮影されると、放射線画像に乗るノイズ量が多くなる。特に本実施の形態のように、放射線検出部106が何層も巻回されている状態では、放射線検出部106の広い範囲に亘って熱が伝わってしまうため、冷却部材を設けることが有効である。冷却部材は、例えば回転軸112と同心の円柱状の部材などが考えられる。
また、筐体102または筐体104の内部に加速度センサおよび報知器を設けることが望ましい。放射線検出部106が巻き取りまたは引き出しされている時に、筐体102または筐体104が移動されると、放射線検出部106が誤った方向に巻回されたりして、放射線検収部106が破損する場合がある。そのため、筐体102または筐体104の内部に加速度センサを設け、放射線検出部106が巻き取りまたは引き出しされて筐体102または筐体104の位置が移動している時に、筐体102または筐体104が、放射線検出部106の巻取りまたは引出し方向と別の方向に移動されたことを検知すると、報知器を鳴らしてユーザーに知らせることが望ましい。その場合、同時に放射線検出部106の巻取りおよび引き出しを停止することがさらに望ましい。放射線検出部106の巻取りおよび引き出しを停止すると、放射線検出部106が誤った方向に巻回されることを防ぐことができる。
なお、本実施の形態では、入力部136および表示部142を筐体102上に設けたが、筐体104に設けても良いし、筐体と分離するリモコンであってもよい。
なお、撮影面積記憶部138は筐体内部に設けたが、着脱自在の外部メモリでも良い。撮影面積記憶部138を外部メモリとすると、撮影面積記憶部138に記憶されている、撮影部位に対応した露出面積の値を、別の値を持つものと入れ替えることができる。また、患者ごとに撮影面積記憶部138を入れ替えるといった使い方が考えられる。同様に画像記憶部137は着脱自在の外部メモリでも良い。画像記憶部137を外部メモリとすると、例えば撮影毎にメモリを取り替えることで、他人を撮影した放射線画像と混同することがなくなる。
また、筐体102または筐体104に取っ手を設けても良い。取っ手を設けることで、電子カセッテ100が収容状態にある場合に、取っ手を持って持ち運ぶことができる。
なお、本実施の形態では、電源ボタン187で電源をONすることで電子カセッテ100の電源がONされたが、電源のONの方法はこれに限られない。例えばユーザーが筐体102または筐体104を引き、放射線検出部を外部に露出させると電源がONとなるような制御が考えられる。同様にユーザーが手動で放射線検出部106を巻取り、収容状態にすることで自動に電源をOFFにする制御が考えられる。例えば巻取量検出センサには常に通電しておき、露出面積が0でなくなった場合に電源をONとし、露出面積が0となった場合に電源をOFFとする。この他にも、巻取部108または巻取部110に加速度センサを設け、巻取部108または巻取部110が回転したことを検知して電源ONにする制御などが考えられる。
また、電源コンセントが着脱自在に接続できるインターフェースを設け、電源コンセントが電源に繋がっている場合は、バッテリが充電可能であることが望ましい。電源コンセントが使用されている場合は、電源からの電力で電子カセッテ100を駆動してもよい。
また、電子カセッテ100が撮影可能な状態でない時は、電源をONできない、筐体102および筐体104を離間できないなどの制御をすることが考えられる。具体的には、バッテリ146の充電が不十分で、使用中に電力が足りなくなるような場合や、放射線検出部106の温度が許容される範囲より高い場合などにおいては、電源をONできない、または筐体102および筐体104を離間できない制御をする。筐体102および筐体104を離間できない構造は既知の構造を用いることができる。例えば筐体102および筐体104の接触を維持するストッパを設け、当該ストッパを電気的に制御することで実現可能である。
また、巻取部108および巻取部110に加え、開口部116および開口部118付近に、放射線検出部106の巻き取りおよび引き出しを行う機構を別に設けてもよい。巻取部108および巻取部110が放射線検出部106を引き出す方向に回転すると、放射線検出部106は、筐体102または筐体104内で弛むことがある。開口部116または開口部118付近に放射線検出部106の巻き取りおよび引き出しを行う機構を設けることで、放射線検出部106が、筐体102または筐体104内でたるむことなく外部へ露出させることができる。
なお、本実施の形態では、放射線検出部106は長方形状としたが、複数回の放射線撮影がすることができる程度の面積があれば放射線検出部106の形状は長方形に限られず、回転軸112および回転軸114を繋ぐことができ、筐体102および筐体104へ収納可能であればどのような形状でも良い。例えば放射線検出部106を縦に長い台形とし、台形の上底を回転軸112に接続し、台形の下底を回転軸114へ接続することが考えられる。このように構成すると、巻取部の巻取りに応じて、放射線検出部106の巻取り方向と垂直な方向における放射線検出部106の長さを変化させることができる。これにより、放射線検出部106の巻取り方向の長さを可変にすることに加え、放射線検出部106の巻取り方向と垂直な方向の長さを可変とすることが可能となる。また、放射線検出部106の形状は、長方形や台形といった整った形には限られず、さらに複雑な形状でも良く、例えば患者の身体に合わせた形状としても良い。放射線検出部106の形状を変える場合は、予め放射線検出部106の形状をいずれかの記憶部に記憶しておくことが望ましい。予め放射線検出部106の形状を記憶しておけば、記憶された放射線検出部106の形状を基に、表示部142が放射線検出部106の形状を表示することができる。ユーザーは表示部142による放射線検出部106の形状の表示をもとに、所望の撮影領域を選択することができる。このように構成すると、より複雑な形状を持った放射線検出部106を使用しても、ユーザーが容易に所望の形状を探して使用することができる。
また、放射線検出部106は、回転軸112または回転軸114から着脱自在であることが望ましい。放射線検出部106が着脱自在であれば、例えば図7に示すように寝ている患者210の下に放射線検出部106を潜らせたい場合においても、放射線検出部106を回転軸から取り外し、取り外した側の放射線検出部のみを患者210の下へ潜らせ、その後に筐体を接続するということが可能となる。これにより、必要以上に身体を浮かせるという負担を寝ている患者210にかけることなく撮影が可能となる。また、放射線検出部106が、回転軸112および回転軸114の双方から着脱可能であれば、放射線検出部106が全体的に劣化した場合に、放射線検出部106を交換することができる。この構成をとれば、電子カセッテ100の放射線検出部106以外の部分は再利用することができ、放射線検出部106が全体的に劣化しても、電子カセッテ100全てを新たに購入する必要がなくなる。また、放射線検出部106の形状または特性を変更したい場合にも、放射線検出部106の交換で対応することができる。例えば、異なる形状を有した放射線検出部106を追加で購入し、使用目的に応じて放射線検出部106の付け替えを行うことで、様々な形状の放射線検出部を持った電子カセッテを構成することができる。放射線検出部106を付け替える場合は、新たに接続した放射線検出部106の情報を自動で電子カセッテ100が読み取ることが望ましい。例えば放射線検出部106にICタグを埋め込み、電子カセッテ100と通信を行って、新たに接続した放射線検出部106の使用状況および放射線検出部106の形状の読み取りを行うことが考えられる。
電子カセッテ100を自動で収容状態とする場合は、筐体の下面にキャスターを付けることが望ましい。筐体の下面にキャスターを設けると、放射線検出部106を収容する動作で、筐体102および筐体104が自動で近づく。これにより、ユーザーが自分で筐体を持って収容状態とする必要がなくなる。
(実施の形態2)
図12は、本実施の形態に係る電子カセッテ300の外観斜視図である。電子カセッテ300の外観は、放射線検出部306の上部および下部に、放射線検出部306の巻取り引き出し方向と平行で、伸縮自在な支持棒308および支持棒310を設けた点と、筐体302の外面に取っ手312A、筐体304の外面に取っ手312Bを設けた点とが実施の形態1と異なる。
図13は、本実施の形態に係る電子カセッテ300が収容状態にある場合の外観斜視図である。電子カセッテ300が収容状態にあると、筐体302および筐体304が密着し、取っ手312Aおよび取っ手312Bが密着して一つの取っ手314となる。この取っ手314により、電子カセッテ300が収容状態にある場合の運搬が容易となる。
図14は、電子カセッテ300の外観斜視図である。実施の形態1と同様の部分の説明は省略する。本実施の形態では、筐体302内にあるモータが、巻取部に加えて支持棒308および支持棒310も伸縮させる。具体的には、露出面積の変化に応じて、モータが支持棒308および310を伸縮駆動させて支持棒308および支持棒310の長さを調節する。より具体的には、放射線検出部306が張架された状態になるまで支持棒308および支持棒310は伸長する。例えば、放射線検出部306の露出面積を広げる場合は、モータによって巻取部316または巻取部318が回転するが、片方の巻取部のみが巻回して引き出し動作を行うと、放射線検出部306は弛んだ状態となる。このような場合に支持棒308および支持棒310が伸長することで、放射線検出部306は弛まずに張架される。放射線検出部306が張架された状態になると、支持部材308または支持部材310に伸縮ストッパが作用して伸縮不可能となる。ストッパは、放射線検出部306の露出位置の変化に合わせてOFFとなる。このように支持棒308または支持棒310が、放射線検出部306の露出面積の変化に合わせて伸縮することで、筐体302および筐体304が離間した場合における電子カセッテ300の安定性が高まる。なお、その他の部分の制御は実施の形態1と同様のため省略する。
図15(A)は、支持棒310の模式図である。図15(A)を用いて支持棒310の具体的な構造について説明する。支持棒310は、それぞれ半径が異なりかつ上面の半径が下面の半径より小さい円柱状の複数の部材を多段に連結したものである。円柱状部材310Aは最も半径が大きく最も外側にあり、円柱状部材310Bは円柱状部材310Aよりわずかに半径が小さく、円柱状部材310Aの内側に重ねられている。円柱状部材310Cは円柱状部材310Bより半径が小さく、円柱状部材310Bの内側に重ねられている。このように半径がわずかに小さい円柱状部材を順に内側に重ねることで、支持棒310は構成されている。このような構造により、支持棒310は、短縮させた場合は図15(B)に示すように円柱状の部材一つ分の長さになり、伸ばした場合は、円柱状部材の定数倍の長さとなる。なお、支持棒308も支持棒310と同じ構成である。支持棒308および支持棒310は、伸ばした状態でも曲がらない程度の剛性を備えることが望ましい。
円柱状部材は、モータ320によって駆動されて伸縮する。モータによる伸縮駆動は既知の構成を用いることができる。例えば図16のようにモータ320の回転駆動をギヤ322を介して棒324の上下運動に変換するような構造が考えられる。棒324を、支持棒308または支持棒310の内部に収容し、支持棒308または支持棒310と接続することで、棒324の上下運動を支持棒308または支持棒310の伸縮とすることができる。
以上述べたように本実施の形態の電子カセッテ300によれば、放射線検出部306の露出面積の変化に応じて支持棒308および310が伸縮する構造としたため、放射線検出部306が弛むことなく撮影を行うことができる。また、支持棒308または支持棒310を設けたことで、筐体302および筐体304が、放射線検出部306のみで繋がれるという不安定な状態を解消することができ、装置全体の剛性が向上する。特に支持棒308または支持棒310が剛性を有すると、筐体302または筐体304のどちらか一方が倒れたりして、放射線検出部306が捻じれて破損すること防止できる。放射線検出部306を引き出す筐体内にあるストッパのみをOFFとし、支持棒308および支持棒310が伸びることで、次に使用される放射線検出部306の領域の引き出しを行うこともできる。この場合、使用されない領域は、モータによって巻回か、手動で巻回すればよい。これにより放射線検出部306の引き出しを行う時のモータの電力消費を削減することができる。
また、支持棒308および支持棒310は中空のため、内部にケーブル等を通すことができる。例えば筐体302にのみバッテリを設け、当該バッテリの電力を筐体304内の電子回路に供給するような場合に、バッテリから出る電源供給ラインを支持棒308または支持棒310の中を通すことが考えられる。このように構成すると、バッテリ供給ラインが放射線検出部306を通ることがないため、放射線検出部306の各画素に影響を与えることがなく、ノイズを減らすことができる。
なお、支持棒の構造はここで説明したものに限られず、伸縮自在な構造であれば良い。例えば蛇腹構造などを用いることができる。
以上述べたように本発明によれば、2つの筐体の双方へ放射線検出部を収容可能な構成としたため、放射線検出部の露出面積および露出位置が可変とすることができる。これにより、放射線検出部の劣化が一つの領域に集中することなく、一枚の放射線検出部の中で画質に極端な差が生じない電子カセッテを提供することができる。
また、放射線検出部を筐体へ巻き取りおよび引き出しを自動で行う自動駆動機構を設け、放射線検出部の使用状況を記憶し、直前に使用した領域と異なる領域を露出させる制御を行うことで、同じ領域を繰り返し使用することがなくなり、放射線検出部の劣化を分散させることができる。
また、放射線検出部の領域毎の使用状況を記憶しておき、最も使用していない領域を用いて撮影を行うようにすれば、放射線検出部の使用状況の平均化を図ることができ、放射線検出部の劣化具合の平均化を図ることができる。
本発明は放射線撮影装置に用いることができる。
100 電子カセッテ
106 放射線検出部
108 巻取部
110 巻取部
128 カセッテ制御部
136 入力部
137 画像記憶部
138 撮影面積記憶部
139 使用状況記憶部
140 巻取量検出センサ
142 表示部
144 ストッパ
146 バッテリ
148 入出力インターフェース
154 画素
156 放射線変換部
166 目盛り
208A 放射線検出部106の全領域
208B 放射線検出部106の露出面積および露出位置
212 放射線照射部
216 放射線検出部の使用状況を示したグラフ
308 支持棒
310 支持棒
312A 取っ手
312B 取っ手
314 取っ手

Claims (28)

  1. 可撓性を有する放射線検出部と、
    第1の筐体と、
    第2の筐体と、
    前記放射線検出部を前記第1の筐体内に収容または引出しを行う第1の駆動機構と、
    前記放射線検出部を前記第2の筐体内に収容または引出しを行う第2の駆動機構と、を有し、
    前記第1の駆動機構に前記放射線検出部の一端部が取り付けられ、
    前記第2の駆動機構に前記放射線検出部の他端部が取り付けられた、
    ことを特徴とする放射線撮像装置。
  2. 前記第1の筐体または前記第2の筐体の少なくとも一方に、前記第1の駆動機構または前記第2の駆動機構を自動で駆動させる自動駆動機構と、
    該自動駆動機構を制御する制御部と、
    を設けたことを特徴とする請求項1の放射線撮像装置。
  3. 前記放射線検出部に対する前記第1の筐体の位置および/または第2の筐体の位置を検出する位置検出手段をさらに有する
    請求項1又は2の放射線撮像装置。
  4. 前記第1の筐体または前記第2の筐体の少なくとも一方に、前記放射線検出部の使用状況を記憶する記憶部をさらに有し、
    前記制御部は、前記放射線検出部の使用状況の記憶を制御するものであり、
    前記位置検出手段に基づいて、撮影に使用した前記放射線検出部の領域を特定し、
    特定した放射線検出部の領域を前記記憶部に記憶する
    請求項3の放射線撮像装置。
  5. 前記制御部は、
    撮影に使用した前記放射線検出部の領域を撮影毎に記憶部へ記憶させることで前記放射線検出部の使用状況を記憶し、
    直前の撮影で使用した前記放射線検出部の領域と異なる領域が外部へ露出するように前記自動駆動機構を制御することを特徴とする請求項4の放射線撮像装置。
  6. 前記制御部は、前記記憶部に記憶した前記放射線検出部の使用状況から、
    前記放射線検出部の領域毎の使用状況が略等しくなるように前記自動駆動機構を制御する請求項5の放射線撮像装置。
  7. 前記制御部は、
    前記第1の筐体または前記第2の筐体のどちらか一方から前記放射線検出部を引き出す方向に前記放射線検出部を使用し、
    前記方向に使用すると、前記放射線検出部が不足する場合は、
    前記方向と逆の方向における前記放射線検出部の端部から前記放射線検出部を使用するように前記自動駆動機構を制御する請求項6の放射線撮像装置。
  8. 前記制御部は、
    前記記憶部に記憶した前記放射線検出部の使用回数が、予め定められた回数を超えると、前記放射線検出部の露出する位置を変更可能とする請求項7の放射線撮像装置。
  9. 前記放射線検出部の累積放射線量を検出する累積放射線検出機能をさらに有し、
    前記累積放射線量検出昨日で測定された放射線量が、予め設定された閾値を超えると、前記制御部は前記放射線検出部の露出位置を変更可能とする請求項8の放射線撮像装置。
  10. 前記制御部は、
    前記放射線検出部を所定の間隔で分割した領域毎の使用状況を前記記憶部に記憶するものである請求項5の放射線撮像装置。
  11. 前記制御部は、
    前記記憶部に記憶した、前記放射線検出部の所定の間隔毎に分割した領域毎の使用状況から、
    前記放射線検出部の使用状況が最も少ない領域が外部に露出するように制御する請求項10の放射線撮像装置。
  12. 前記第1の筐体または前記第2の筐体の少なくとも一方に入力部をさらに有し、
    前記記憶部は、複数の撮影面積が記憶され、
    前記入力部は、前記記憶部に記憶されている複数の撮影面積から一の撮影面積を設定する
    請求項5乃至11のいずれか1項記載の放射線撮像装置。
  13. 前記制御部は、前記位置検出手段に基づいて前記放射線検出部が外部へ露出している面積を特定し、
    前記入力部によって設定された撮影面積と、前記放射線検出部が筐体外部へ露出している面積とが、略同一となるように前記自動巻取機構を制御する請求項12の放射線撮像装置。
  14. 前記位置検出手段は、前記放射線検出部が、前記第1の筐体内へ収容されている面積と、前記放射線検出部が、前記第2の筐体内へ収容されている面積と、
    前記放射線検出部全体の面積とから、
    前記放射線検出部に対する前記第1の筐体または前記第2の筐体の位置を検出することを特徴とする請求項3乃至13のいずれか1項記載の放射線撮像装置。
  15. 前記制御部は、
    放射線撮像によって得られた放射線画像情報に、
    前記位置検出手段に基づいて特定した、放射線撮像に使用した前記放射線検出部の領域を関連付けて保存することを特徴とする
    請求項4乃至14のいずれか1項記載の放射線撮像装置。
  16. 前記第1の駆動機構は、前記第1の筐体内に回転自在に設けられた第1の巻取部であり、
    前記第2の駆動機構は、前記第2の筐体内に回転自在に設けられた第2の巻取部である、ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項記載の放射線撮像装置。
  17. 前記第1の巻取部または前記第2の巻取部が前記放射線検出部を巻き取る方向に回転する巻取操作によって、前記放射線検出部が前記第1の筐体または前記第2の筐体内に巻回されて収容され、
    前記第1の巻取軸または前記第2の巻取軸に巻き取られた前記放射線検出部を、前記第1の筐体または前記第2の筐体内から引き出す方向へ引く引出操作によって、前記放射線検出部が前記第1の筐体または前記第2の筐体から引き出される
    ことを特徴とする請求項16の放射線撮像装置。
  18. 前記第1の筐体または前記第2の筐体の少なくとも一方に、表示部を設けた請求項1乃至17のいずれか1項記載の放射線撮像装置。
  19. 前記第1の筐体または前記第2の筐体の少なくとも一方に、前記放射線検出部の巻取りおよび引出しの可否を制御するストッパが設けられたことを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項記載の放射線撮像装置。
  20. 前記第1の駆動機構または前記第2の駆動機構の少なくとも一方が中空構造を持ち、前記中空構造に前記制御部が収容されていることを特徴とする請求項2乃至19のいずれか1項記載の放射線撮像装置。
  21. 前記中空構造に着脱可能な冷却部材を有する請求項1乃至20のいずれか1項記載の放射線撮像装置。
  22. 前記第1の筐体は第1の保持部をさらに有し、
    前記第2の筐体は第2の保持部をさらに有し、
    前記第1の筐体および前記第2の筐体が重なった場合、
    前記第1の保持部および前記第2の保持部が重なり一の保持部を形成することを特徴とする請求項1乃至21のいずれか1項記載の放射線撮像装置。
  23. 前記第1の筐体または前記第2の筐体は、加速度センサをさらに有し、
    前記位置検出手段によって前記第1の筐体または第2の筐体の位置の前記放射線検出部の収容または引出し方向の位置の変化が検出されている状態で、
    前記第1の筐体または前記第2の筐体が、前記放射線検出部の収容または巻取り方向と異なる方向に移動したことを前記加速度センサが検出すると、警告を行う警告部をさらに有する
    請求項3乃至22のいずれか1項記載の放射線撮像装置。
  24. 前記第1の筐体または前記第2の筐体の少なくとも一方に、バッテリが着脱自在であることを特徴とする請求項2乃至23のいずれか1項記載の放射線撮像装置。
  25. 前記放射線検出部は、放射線が照射されることにより発光する蛍光体の柱状結晶を含んで構成されたシンチレータ及び当該シンチレータで発生した光を電気信号に変換して電荷を蓄積する固体検出素子を積層させて形成された
    請求項1乃至24のいずれか1項記載の放射線撮像装置。
  26. 前記蛍光体を、CsIとした
    請求項25項記載の放射線撮像装置。
  27. 前記放射線検出部は、前記固体検出素子側が内側となるように巻き取られて収容され、
    前記シンチレータは、巻き取り方向に対して垂直方向に所定の間隔で切目が設けられた
    請求項25又は請求項26項記載の放射線撮像装置。
  28. 前記固体検出素子は、有機光電変換材料を用いて形成され、
    前記放射線検出部は、非晶質酸化物、有機半導体材料、カーボンナノチューブの何れかにより活性層が形成され、前記固体検出素子から電荷を読み出す薄膜トランジスタが形成された
    請求項25〜請求項27の何れか1項項記載の放射線撮像装置。
JP2010258225A 2010-03-31 2010-11-18 放射線撮像装置 Expired - Fee Related JP5666259B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010258225A JP5666259B2 (ja) 2010-03-31 2010-11-18 放射線撮像装置
PCT/JP2011/057259 WO2011125528A1 (ja) 2010-03-31 2011-03-24 放射線撮像装置
CN201180016192.XA CN102821692B (zh) 2010-03-31 2011-03-24 放射线摄像装置
US13/636,698 US8939640B2 (en) 2010-03-31 2011-03-24 Radiographic imaging device

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010084581 2010-03-31
JP2010084581 2010-03-31
JP2010258225A JP5666259B2 (ja) 2010-03-31 2010-11-18 放射線撮像装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011227045A true JP2011227045A (ja) 2011-11-10
JP5666259B2 JP5666259B2 (ja) 2015-02-12

Family

ID=44762482

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010258225A Expired - Fee Related JP5666259B2 (ja) 2010-03-31 2010-11-18 放射線撮像装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8939640B2 (ja)
JP (1) JP5666259B2 (ja)
CN (1) CN102821692B (ja)
WO (1) WO2011125528A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011257200A (ja) * 2010-06-07 2011-12-22 Toyota Motor Corp 放射線撮像方法および放射線撮像システム
JP2014032158A (ja) * 2012-08-06 2014-02-20 Canon Inc 放射線撮影装置、その制御方法およびプログラム
JP2016532511A (ja) * 2013-08-26 2016-10-20 ネクスト サイト エッセ.エッレ.エッレ 医療データを収集するための装置及び方法
WO2022030157A1 (ja) * 2020-08-06 2022-02-10 パナソニックIpマネジメント株式会社 電離放射線変換デバイスおよび電離放射線の検出方法

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5995482B2 (ja) * 2012-03-29 2016-09-21 キヤノン株式会社 放射線画像撮影装置及びそのシステム
CN104780609B (zh) * 2014-01-15 2020-10-02 索尼公司 终端到终端资源分配方法、用户设备、基站和通信系统
JP6611449B2 (ja) * 2015-03-31 2019-11-27 キヤノン株式会社 放射線撮像システム及び放射線撮影システム
JP6735215B2 (ja) * 2016-11-21 2020-08-05 株式会社東芝 放射線検出器
US10302782B1 (en) * 2017-11-15 2019-05-28 Varex Imaging Corporation Flexible detector for x-ray imaging

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6252537A (ja) * 1985-09-02 1987-03-07 Minolta Camera Co Ltd ロ−ルフイルムの終端検出方法
JPH01140139A (ja) * 1987-11-27 1989-06-01 Hitachi Medical Corp X線間接撮影装置
JP2009130209A (ja) * 2007-11-26 2009-06-11 Fujifilm Corp 放射線撮像素子
JP2010075439A (ja) * 2008-09-26 2010-04-08 Fujifilm Corp 放射線検出装置及び放射線画像撮影システム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7935932B2 (en) * 2008-01-31 2011-05-03 Fujifilm Corporation Radiation detection apparatus
JP2009212389A (ja) 2008-03-05 2009-09-17 Fujifilm Corp 透明有機薄膜トランジスタ
JP5470935B2 (ja) 2008-05-26 2014-04-16 ソニー株式会社 ジオキサアンタントレン系化合物及び半導体装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6252537A (ja) * 1985-09-02 1987-03-07 Minolta Camera Co Ltd ロ−ルフイルムの終端検出方法
JPH01140139A (ja) * 1987-11-27 1989-06-01 Hitachi Medical Corp X線間接撮影装置
JP2009130209A (ja) * 2007-11-26 2009-06-11 Fujifilm Corp 放射線撮像素子
JP2010075439A (ja) * 2008-09-26 2010-04-08 Fujifilm Corp 放射線検出装置及び放射線画像撮影システム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011257200A (ja) * 2010-06-07 2011-12-22 Toyota Motor Corp 放射線撮像方法および放射線撮像システム
JP2014032158A (ja) * 2012-08-06 2014-02-20 Canon Inc 放射線撮影装置、その制御方法およびプログラム
JP2016532511A (ja) * 2013-08-26 2016-10-20 ネクスト サイト エッセ.エッレ.エッレ 医療データを収集するための装置及び方法
WO2022030157A1 (ja) * 2020-08-06 2022-02-10 パナソニックIpマネジメント株式会社 電離放射線変換デバイスおよび電離放射線の検出方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5666259B2 (ja) 2015-02-12
CN102821692B (zh) 2015-11-25
US8939640B2 (en) 2015-01-27
US20130010930A1 (en) 2013-01-10
WO2011125528A1 (ja) 2011-10-13
CN102821692A (zh) 2012-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5666259B2 (ja) 放射線撮像装置
JP5676632B2 (ja) 放射線画像撮影装置、当該装置によって実行されるプログラム、放射線画像撮影方法
US9592017B2 (en) Radiographic imaging device and computer readable medium
JP6033363B2 (ja) 放射線検出パネル
JP5620249B2 (ja) 放射線画像撮影システム
JP5666412B2 (ja) 放射線画像検出装置、放射線画像検出方法およびプログラム
JP2011133860A (ja) 放射線撮像装置
WO2013015267A1 (ja) 放射線撮影装置
JP2011212427A (ja) 放射線画像撮影システム
JP2013076679A (ja) 放射線画像検出装置、放射線画像検出方法およびプログラム
JP2011133859A (ja) 放射線撮像装置
JP5489951B2 (ja) 撮影領域特定装置、放射線画像撮影システム、及び撮影領域特定方法
JP2011203237A (ja) 放射線撮影装置
JP5490026B2 (ja) 放射線画像撮影装置
JP5595940B2 (ja) 放射線画像撮影装置
WO2013015062A1 (ja) 放射線撮影装置
JP5616237B2 (ja) 放射線画像撮影装置
JP2012063343A (ja) 放射線検出パネル
US8314397B2 (en) Radiographic imaging device
WO2012056950A1 (ja) 放射線検出器および放射線画像撮影装置
WO2013062052A1 (ja) 放射線画像表示システム、放射線画像表示装置、放射線画像撮影装置、プログラム、放射線画像表示方法、及び記憶媒体
JP5616238B2 (ja) 放射線画像撮影装置
JP2013066602A (ja) 放射線画像撮影システム、放射線画像撮影装置、放射線画像撮影方法およびプログラム
JP2011194214A (ja) 放射線画像撮影装置
JP2015034823A (ja) 放射線画像撮影装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130522

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140805

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141111

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5666259

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees