JP2011226213A - 機能性内装パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】板状に形成された機能材とパネル内空間を流通する空気との接触効率を向上させ、板状の機能材が有する機能を効率的に発揮させ得るように、パネル内空間において板状の機能材を保持し得る機能性内装パネルを提供する。
【解決手段】機能性内装パネル1は、パネル内空間を形成するように設けられた表面材11及び背面材13と、前記パネル内空間に収容された板状機能材20と、この板状機能材の両端部21,21を保持する一対の保持金具30,30とを備え、前記保持金具は、前記表面材及び背面材のいずれか一方の内側面11aに固定される固定片部31と、前記板状機能材の表面側及び背面側のそれぞれに通気路16,17が形成されるように、前記固定片部から他方の内側面13a側に向けて立ち上がるように形成され、かつ、前記板状機能材の端部を受け入れ、この端部を表面側及び背面側から挟むように保持する挟持片34,36を有した保持片部32とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、板状の機能材をパネル内空間に収容した機能性内装パネルに関する。
近時の住居等の建物においては、高断熱化や高気密化の傾向が進み、建物内空間の空気環境を改善することが望まれている。そこで、建物の内装建材等として利用される調湿機能や脱臭機能などの機能性を有したパネル(板状の機能材)が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
ところで、このような板状の機能材は、一般的に、粉粒体状の調湿材や脱臭剤などの機能粉粒体を繊維材やバインダーに混練し、圧縮して板状に成形したり、または、上記機能粉粒体を、通気性を有した表裏のシート材で捕捉したりして板状に形成したりされている。
このような板状の機能材は、通気性や透湿性を確保する観点から強度が低くなる傾向があり、内装建材としてはそのまま施工し難く、パネル内空間に収容することが考えられる。
例えば、下記特許文献2では、空気が流通する通路の途中部位に、調湿浄化部材を装着した構造とされた空気浄化装置が提案されている。このものでは、上記通路を横断する方向の略全体に亘って直方体形状の調湿浄化部材を配設した構造とされている。
特開平10−8633号公報 特開2002−239326号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載された空気浄化装置では、空気が流通する通路の途中部位に、この通路を横断する方向の略全体に亘って直方体形状の調湿浄化部材を配設した構造とされ、通路内を流通する空気の調湿浄化機能を効率的に発揮し難い場合があった。つまり、このような空気浄化装置を内装パネルとして利用する場合には、薄型化が望まれるが、パネル自体の薄型化によって、調湿浄化部材も薄く形成する必要があり、調湿浄化部材の調湿浄化機能を効率的に発揮し難いことが考えられる。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、板状に形成された機能材とパネル内空間を流通する空気との接触効率を向上させ、板状の機能材が有する機能を効率的に発揮させ得るように、パネル内空間において板状の機能材を保持し得る機能性内装パネルを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明に係る機能性内装パネルは、パネル内空間を形成するように設けられた表面材及び背面材と、前記パネル内空間に収容された板状機能材と、この板状機能材の両端部を保持する一対の保持金具とを備え、前記保持金具は、前記表面材及び背面材のいずれか一方の内側面に固定される固定片部と、前記板状機能材の表面側及び背面側のそれぞれに通気路が形成されるように、前記固定片部から他方の内側面側に向けて立ち上がるように形成され、かつ、前記板状機能材の端部を受け入れ、この端部を表面側及び背面側から挟むように保持する挟持片を有した保持片部とを備えていることを特徴とする。
本発明においては、前記保持金具の保持片部を、前記板状機能材の端部の端面の略全体を覆う構造とし、前記保持金具の固定片部を、前記板状機能材の端部の略全体に亘って設けるようにしてもよい。
また、本発明においては、前記保持金具の保持片部に、前記一方の内側面側に形成された通気路に連通する通気開口を形成してもよい。
また、本発明においては、前記通気開口を、前記固定片部から立ち上がるように形成された部位を切り起こすようにして形成し、この切り起こされた切起片を前記板状機能材の端部の背面側に当接される背面側の挟持片としてもよい。
また、本発明においては、前記保持金具の保持片部を、前記固定片部から立ち上がった両側のそれぞれに前記挟持片を有したものとしてもよい。
また、本発明においては、前記板状機能材を、厚さ方向両側に開口した多数のセルを備えたハニカム状構造体を含んだものとしてもよい。
本発明に係る機能性内装パネルは、上述のような構成としたことで、板状に形成された機能材とパネル内空間を流通する空気との接触効率を向上させ、板状の機能材が有する機能を効率的に発揮させることができる。
(a)、(b)は、いずれも本発明の一実施形態に係る機能性内装パネルを模式的に示し、(a)は、概略斜視図、(b)は、(a)におけるX−X線矢視に対応させた一部破断概略拡大縦断面図である。 同機能性内装パネルを模式的に示す一部分解概略斜視図、及び一点鎖線内を拡大して示す部分拡大図である。 (a)は、図1(a)におけるY−Y線矢視に対応させた一部破断概略拡大横断面図、(b)は、同機能性内装パネルが備える保持金具の一例を模式的に示す概略斜視図、(c)は、同機能性内装パネルが備える板状機能材の一例を概念的に示し、図1(b)におけるZ部に対応させた概略縦断面図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1〜図3は、本実施形態に係る機能性内装パネル1を示し、本実施形態では、図1(a)に示すように、壁面に沿って、または室内空間に鉛直に立てて設置される縦長で扁平矩形状とされたものを例示している。
この機能性内装パネル1は、図1(b)に示すように、パネル内空間を有し、上下方向の両端部には、表面側にそれぞれが開口し、パネル内空間に連通する一対の通気開口部3a,6aが設けられている。
本実施形態では、これら一対の通気開口部3a,6aは、上下に長い中間部のパネル本体10の下端部に接続された下側部としての吸気部3に一方が設けられ、パネル本体10の上端部に接続された上側部としての吹出部6に他方が設けられている。
吸気部3は、図1に示すように、前方及び上方に向けて開口するケーシングの前面をカバーで覆い、この前面カバーに、通気開口部としての横長矩形状の吸気口3aが設けられている。この吸気口3aには、図1(a)に示すように、複数の羽板を並設して構成されたルーバーが設けられている。
また、吸気部3は、図1(b)に示すように、この吸気口3aと上方開口3bとを連通させた中空形状とされており、この上方開口3bがパネル本体10の下端部開口18に接続される。この吸気部3の中空部には、吸気口3aの背面側に設けられたフィルタ4と、このフィルタ4の背面側に設けられた送風手段5とが内蔵されている。
フィルタ4は、塵埃等の捕捉性や脱臭性を有した活性炭フィルタとしてもよい。
送風手段5は、当該機能性内装パネル1の幅方向に複数個のシロッコファンを設置して構成するようにしてもよい。
吹出部6は、概ね上記した吸気部3を上下に反転させたような外郭形状とされ、前方及び下方に向けて開口したケーシングの前面をカバーで覆い、この前面カバーに通気開口部としての横長矩形状の吹出口6aが設けられている。この吹出口6aには、図1(a)に示すように、複数の羽板を並設して構成されたルーバーが設けられている。また、この吹出部6には、吹出口6aを開閉する開閉自在とされた開閉扉6cが設けられている。また、吹出部6は、図1(b)に示すように、この吹出口6aと下方開口6bとを連通させた中空形状とされており、この下方開口6bがパネル本体10の上端部開口19に接続される。
また、この吹出部6には、帯電微粒子水を吐出する静電霧化装置8が内蔵されている。この静電霧化装置8は、詳細な説明は省略するが、例えば、ピン状の放電電極(霧化電極)と、この放電電極に対向して配置され、放電電極と同軸状の開口を有してリング形状とされた対向電極とを備えたものとしてもよい。そして、これら放電電極と、対向電極との間に高電圧を印加することで放電現象を生じさせ、放電電極に保持された水分を静電霧化させることで、帯電微粒子水を電極間から吐出する構成とされたものとしてもよい。また、この帯電微粒子水としては、ナノメートルサイズの粒子径のもの(例えば、5nm〜20nm程度)を含む帯電した微粒子液滴で、空気中にミスト状態で浮遊可能なものとしてもよい。
また、本実施形態では、この吹出部6には、吸気部3に設けられた送風手段5、当該機能性内装パネル1の操作部(コントローラー)2及び吹出部6に設けられた静電霧化装置8のそれぞれと電気的に接続された制御部7が内蔵されている。
この制御部7が操作部2からの操作信号を受信し、送風手段5の駆動制御(ON/OFF制御、風量制御など)や、静電霧化装置8の駆動制御がなされる。
なお、これら送風手段5、制御部7及び操作部2、並びに静電霧化装置8の放電電極に水分を保持させる冷却手段としてのペルチェ素子及び各電極への給電は、適宜部位の背面側に引出した図示しない電源コード等を介してなされる。
また、図1(a)では、当該機能性内装パネル1にコードを介して接続され、パネル外に設けられた操作部2を例示しているが、当該機能性内装パネル1の表面側の適所に操作部を設けるようにしてもよい。
また、上記した吸気部3及び吹出部6は、合成樹脂系材料や金属系材料などから形成するようにしてもよい。
パネル本体10は、表面材を構成する化粧パネル11と背面材を構成する背面カバー12とによって板状機能材20を収容するパネル内空間を形成している。
化粧パネル11は、図1に示すように、上下に長い矩形平板状とされており、基材の表面に突板や樹脂化粧シートなどの表面化粧材を貼着した構成とされている。この基材としては、合板やLVL(単板積層材)等の木質積層板、パーティクルボード等の木質ボード、またはインシュレーションボードやMDF(中密度繊維板)等の木質繊維板などの木質系材料を板状に加工したものが挙げられる。または、化粧パネル11としては、このような木質系材料から形成されたものに限られず、合成樹脂系材料や金属系材料から形成されたものとしてもよい。
背面カバー12は、図1(b)及び図2に示すように、前方及び上下に開口し、縦長の凹溝状に形成されたダクト部を構成する。この背面カバー12は、背面部13と、この背面部13の幅方向両側縁部から手前側に突出した両側面部14,14とを備えている。これら両側面部14,14の前端部には、幅方向外方側に向けて突出した取付片15,15がそれぞれに設けられている(図3(a)も参照)。この背面カバー12は、図3(a)に示すように、両側の取付片15,15を化粧パネル11の背面(内側面)11aに当接させ、木ねじ等の固定止具9によって化粧パネル11に固定され、これら背面カバー12と化粧パネル11とによってパネル内空間が形成される。
この背面カバー12は、鋼板等の金属板をプレス加工等によって形成するようにしてもよい。または、合成樹脂系材料から形成するようにしてもよい。
上記のようにパネル内空間が形成されたパネル本体10には、複数(図例では、三つ)の板状機能材20が収容されている。
板状機能材20は、図2に示すように、矩形平板状とされており、図例では、上下に比較的長く形成されたものを示している。この板状機能材20の幅寸法は、パネル内空間において、この板状機能材20の幅方向(当該機能性内装パネル1の幅方向と同方向)両側に通気路が形成されるように、パネル内空間の幅寸法よりも小さく形成されている。また、この板状機能材20の厚さ寸法は、パネル内空間において、この板状機能材20の厚さ方向(当該機能性内装パネル1の厚さ方向と同方向)両側に通気路16,17が形成されるように、パネル内空間の厚さ寸法よりも小さく形成されている。
この板状機能材20は、本実施形態では、図3(c)に示すように、厚さ方向両側に開口した中空筒状の多数のセル23を備えたハニカム状構造体22を含んでいる。本実施形態では、このハニカム状構造体22のセル23は、機能材としての多数の機能粉粒体24を収容する収容セル23とされ、これら多数の収容セル23は、上下方向及び幅方向に、それぞれ多段に区画されている。また、このハニカム状構造体22の表裏は、各収容セル23の両側開口を封止するように、通気性及び透湿性を有した膜状保持部材25,25によって被覆されている。つまり、本実施形態では、板状機能材20は、ハニカム状構造体22をコア材として、その表裏を膜状保持部材25,25によって被覆した構造とされている。
収容セル23を形成するハニカム状構造体としては、段ボール原紙やクラフト紙質等の紙材を接着剤で重積接着して形成するようにしてもよい。また、このような紙材に、エポキシ樹脂等の補強用の樹脂を更に含浸させたものとしてもよい。その他、アルミ材等の金属系材料や硬質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂系材料から製されたものとしてもよい。
また、収容セル23のセル形状は、蜂の巣状のハニカム形状、方形状、菱形状、JIS A6931に規定されているような円筒形状や、リブを平行に連続させたリブ形状、「く」字状のような折り紙形状を連続させた折り紙形状等としてもよい。
また、収容セル23のセルサイズ(セルの幅)は、10mm程度〜30mm程度としてもよく、例えば、厚さが0.3mm程度の通気性の少ない、または、通気性のない板紙(難通気性材料)により、セルサイズが20mm程度とされたハニカム形状の収容セル23としてもよい。
収容セル23に充填される機能粉粒体24としては、吸放湿性を有した調湿材や、消臭性を有した消臭剤、芳香性を有した芳香剤、防虫性を有した防虫剤、抗菌性を有した抗菌剤、または種々の機能を有した触媒若しくは天然素材等が挙げられる。また、機能粉粒体24としては、粒状、細片状(薄片状や短繊維片状)、粒子状、微粒子状及び粉状のものなどとしてもよい。
上記調湿材としては、例えば、木炭、竹炭などの炭類、タルク、ゼオライト、珪藻土、シリカゲル(好ましくはB型シリカゲル)、モンモリロナイト、セピオライトなどの粘土鉱物、アルミナ、シリカなどの無機物等が挙げられる。または、調湿材としては、可逆的な吸湿機能、放湿機能を有する粒子状の高分子吸放湿材(有機系ポリマー吸放湿材)としてもよい。
なお、上記各種の機能粉粒体24は、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
ハニカム状構造体22の表面側及び裏面側に貼り付けられた膜状保持部材25,25は、通気性及び透湿性を有した布状部材や紙材としてもよい。または、合成樹脂系材料や金属系材料を、通気孔を形成するようにメッシュ状に加工した網状部材、若しくは多数の通気孔を形成したシート部材としてもよい。布状部材としては、繊維を平織したクロスシートや種々の織態様により編み込み形成されたものとしてもよく、または不織布としてもよい。
このような膜状保持部材25は、機能粉粒体24の粒径に応じて、機能粉粒体24を通過させずに保持し得る構成とすればよい。
上記構成とされた板状機能材20は、図1(b)及び図2に示すように、パネル内空間において、その端部21が保持金具30によって保持される。
保持金具30は、化粧パネル11の内側面11aに固定される固定片部31と、この固定片部31に連成された保持片部32とを備えている。この保持片部32は、パネル内空間において、板状機能材20の表面20a側及び背面20b側のそれぞれに通気路16,17が形成されるように、固定片部31から背面カバー12の背面部13の内側面(手前面)13a側に向けて立ち上がるように形成されている。また、この保持片部32は、板状機能材20の端部21を受け入れ、この端部21を表面20a側及び背面20b側から挟むように保持する挟持片34,36を有している
固定片部31は、本実施形態では、図3(a)、(b)に示すように、薄板状とされ、板状機能材20の幅方向に沿って細長状に形成されており、その端部21の幅方向の略全体に亘って設けられる構造とされている。この固定片部31の長手方向に沿って複数箇所に形成された止具挿通孔を介して固定止具9を化粧パネル11の内側面11aに捻じ込み、当該保持金具30を化粧パネル11に対して固定するようにしてもよい。
保持片部32は、本実施形態では、図2及び図3(a)に示すように、板状機能材20の端部21の端面20cの略全体を覆う構造とされている。また、本実施形態では、この保持片部32には、化粧パネル11の内側面11a側(板状機能材20の表面20a側)に形成された表面側通気路16に連通する通気開口33が形成されている。また、本実施形態では、この保持片部32は、固定片部31から立ち上がった両側のそれぞれに挟持片34,36を有している
本実施形態では、保持金具30は、一枚の矩形金属板を折曲加工及び切起加工して形成された例を示しており、細長状とされた固定片部31の短手方向一側縁部から折り曲げられるようにして保持片部32が固定片部31に連成されている。図例では、これら固定片部31と保持片部32とによって側面視して略L字状の形状とされている。
また、保持片部32の通気開口33は、固定片部31から立ち上がった部位を切り起こすようにして形成されており、この切り起こされた切起片が、板状機能材20の端部21の背面20b側に当接される背面側挟持片34とされている。図例では、保持金具30の長手方向(板状機能材20の幅方向と同方向)に沿って交互に切り起こされて、立ち上がった部位の両側のそれぞれに複数(図例では、二つづつ)の背面側挟持片34が設けられている。このように切り起こされた背面側挟持片34によって、保持片部32の固定片部31から立ち上がった部位には、複数(図例では、二つ)の通気開口33が形成され、この立ち上がった部位の概ね全体に亘って通気開口33が形成されている。なお、この立ち上がった部位に占める通気開口33の割合は、当該保持金具30が受ける板状機能材20の荷重等に応じて、保持片部32に座屈等の変形が生じないような割合としてもよい。つまり、通気開口33が設けられていない部位において保持片部32の強度が確保できるように通気開口33を設けるようにしてもよい。
また、保持金具30は、保持片部32の立ち上り方向先端部位を切り起こすようにして形成された第2の切起片を有し、この第2の切起片が板状機能材20の端部21の表面20a側に当接される表面側挟持片36とされている。図例では、背面側挟持片34と同様、保持金具30の長手方向に沿って交互に切り起こされて、立ち上り方向先端部位の両側のそれぞれに複数(図例では、二つづつ)の表面側挟持片36が設けられている。また、図例では、これら表面側挟持片36と背面側挟持片34とは、当該保持金具30の長手方向において対応した位置に設けられており、その対応した位置において同方向に向けて切り起こされた構造とされている。
このように切り起こされて形成された表面側挟持片36と背面側挟持片34との間に、板状機能材20の端部21の端面20cの略全体を覆う端面当接部35が形成されている。この端面当接部35は、固定片部31と同様、薄板状とされ、板状機能材20の幅方向に沿って細長状に形成されており、その端面20cの略全体を覆う構造とされている。なお、この端面当接部35に通気孔等を設けるようにしてもよい。
上記構成とされた各部材を組み付けてパネル本体10を形成する際には、図2に示すように、化粧パネル11の長手方向一端部近傍の内側面11aに、一つ目の保持金具30を固定する。そして、化粧パネル11の長手方向他端部側に向けて開口したこの保持金具30の挟持片34,36に一つ目の板状機能材20の一端部21を嵌め込み保持させる。また、その他端部21側を、化粧パネル11の長手方向一端部側に向けて開口した二つ目の保持金具30の挟持片34,36に嵌め込み、この保持金具30を化粧パネル11の内側面11aに固定する。次いで、化粧パネル11の長手方向他端部側に向けて開口したこの二つ目の保持金具30の挟持片34,36に二つ目の板状機能材20の一端部21を嵌め込み保持させる。以下、上記と同様にして、板状機能材20の端部21を各保持金具30の挟持片34,36に嵌め込み保持させるようにしてもよい。
このように、保持金具30によって保持された板状機能材20の表面20aと化粧パネル11の内側面11aとの間には、表面側通気路16を構成する空間が形成される。
次いで、図2に示すように、背面カバー12の取付片15,15を、化粧パネル11の内側面11aに固定し、パネル本体10を組み付けるようにしてもよい。
このように、背面カバー12が化粧パネル11に固定された状態では、保持金具30によって保持された板状機能材20の背面20bと背面カバー12の背面部13の内側面13aとの間に、背面側通気路17を構成する空間が形成される。
図例では、表面側通気路16と背面側通気路17とは、板状機能材20の表面20a側及び背面20b側において、略同厚さ程度とされている。また、図3(a)に示すように、板状機能材20の幅方向両側にも、これら各通気路16,17の厚さ寸法と同程度の幅寸法とされた通気路がそれぞれ形成される。
また、図例では、パネル内空間に上下に並設されるようにして収容された複数の板状機能材20,20,20は、パネル内空間の上下方向の概ね全体を占めるように設けられている。
上記のように構成された機能性内装パネル1では、操作部2をして送風手段5を起動させれば、図1(b)の二点鎖線で示すように、吸気口3aから室内(パネル外)の空気が取り込まれ、吸気部3を介してパネル内空間に導入される。
この導入された空気は、板状機能材20の表面20a側及び背面20b側に形成された表面側通気路16及び背面側通気路17を上方に向けて送風されながら、図3(c)に示すように、板状機能材20の各収容セル23を通過し、調湿等がなされる。
このパネル内空間を上方に向けて送風される空気は、吹出部6に至り、吹出口6aから室内空間に向けて排出される。
また、上記のように、送風手段5を起動させた状態で、静電霧化装置8を起動させれば、静電霧化装置8から吐出された帯電微粒子水が、上記のように室内に向けて吹き出される空気の気流に乗って室内空間に放出される。
以上のように、本実施形態に係る機能性内装パネル1は、パネル内空間において板状機能材20の表面20a側及び背面20b側に通気路16,17が形成されるように、板状機能材20の両端部21,21を保持する一対の保持金具30,30を備えている。従って、パネル内空間を流通する空気と板状機能材20との接触効率を効率的に向上させることができる。つまり、パネル内空間において、板状機能材20を、その両端部21,21のそれぞれに配設された保持金具30,30によって浮かせて保持することができるので、この板状機能材20の表面20a側及び背面20b側を流通する空気と板状機能材20との接触効率を効率的に向上させることができる。この結果、板状機能材20が有する機能を効率的に発揮させることができる。また、板状機能材20の表面20a側及び背面20b側に通気路16,17を設けているので、当該機能性内装パネル1の表裏において温度差があるような場合にも、パネル内空間における結露の発生を防止することもできる。
また、保持金具30の保持片部32は、板状機能材20の端部21を受け入れ、この端部21を表面20a側及び背面20b側から挟むように保持する挟持片34,36を有した構造とされている。従って、脆弱で損傷したり、変形したりし易い板状機能材20の端部21に特別な加工等を施す必要がなく、板状機能材20を簡易な構造とできる。
さらに、本実施形態では、保持金具30の保持片部32を、板状機能材20の端部21の端面20cの略全体を覆う構造としているので、板状機能材20の端面20cを保持片部32によって保護することができる。つまり、板状機能材20は、比較的、脆弱であったり、変形し易いものであることが多く、このような板状機能材の端面と保持金具との接触面積が小さければ、板状機能材の端部が保持金具の保持片部に食い込んで損傷したり、変形したりするようなことが考えられる。本実施形態では、上記構成とすることで、板状機能材20の端部21の損傷や変形を防止することができる。
さらにまた、本実施形態では、固定片部31を板状機能材20の端部21の幅方向の略全体に亘って設けた構造としているので、保持金具30が固定される化粧パネル11を当該保持金具30によって補強でき、幅方向の反り等を低減することができる。
また、本実施形態では、保持金具30の保持片部32に、化粧パネル11の内側面11a側に形成された表面側通気路16に連通する通気開口33を形成しているので、この通気開口33を通じて、表面側通気路16の空気を流通させることができる。従って、パネル内空間の空気の通気効率を効率的に向上させることができ、パネル内空間を流通する空気と板状機能材20との接触効率をより効率的に向上させることができる。
さらに、本実施形態では、この通気開口33を、固定片部31から立ち上がるように形成された部位を切り起こすようにして形成し、この切り起こされた切起片を板状機能材20の端部21の背面20b側に当接される背面側挟持片34としている。従って、例えば、通気開口を打ち抜き等によって開設するような態様とした場合と比べて、通気開口33を効率的に形成することができる。
さらにまた、本実施形態では、保持金具30の保持片部32を、固定片部31から立ち上がった両側のそれぞれに挟持片34,36を有したものとしている。従って、本実施形態のように、複数の板状機能材20をパネル内空間に並設する際に、隣り合う板状機能材20,20の各端部21,21を一つの保持金具30で保持することができ、部品点数を削減することができる。
また、本実施形態では、両側の挟持片34,36のそれぞれを、切り起こすようにして形成された切起片によって構成しているので、これら両側の挟持片34,36を効率的に形成することができる。
さらに、本実施形態では、板状機能材20を、厚さ方向両側に開口した多数のセル23を備えたハニカム状構造体22を含んだものとしている。従って、上記のように表面側通気路16及び背面側通気路17を備えた構造としたことと相俟って、これら各通気路16,17を流通する空気と、板状機能材20が有する機能材(機能粉粒体24)との接触効率をより効率的に向上させることができる。
さらにまた、本実施形態では、当該機能性内装パネル1の両端部に、表面側にそれぞれが開口し、各通気路16,17に連通する一対の通気開口部3a,6aを設けている。従って、表面側に開口する一対の通気開口部3a,6aを通じて、パネル外空間の空気をパネル内空間に取り込み、パネル外空間に放出することができる。また、表面側に開口する一対の通気開口部3a,6aを設けた構成とすることで、室内空間の壁面や天井面等に沿うようにして配設されたり、または、これらの壁面や天井面等を構成するように配設されたりする内装パネルとして好適なものとなる。
また、本実施形態では、送風手段5を内蔵しているので、パネル外空間の空気を、吸気口3aを介してパネル内空間に強制的に取り込み、パネル内空間を送風して、吹出口6aからパネル外空間に吹き出すことができる。これにより、室内の空気を循環させ、攪拌させながら、その空気を効率的に調湿等することができる。特に、本実施形態のように、吸気口3aを下端側に、吹出口6aを上端側にして、壁面や室内空間に鉛直に立てて設置するようにすれば、室内の床面付近に位置される下側の吸気口3aから吸気した空気を、室内の天井付近に位置される上側の吹出口6aから吹き出すことができる。従って、室内の空気をより効率的に循環させ、攪拌することができ、その空気をより効率的に調湿等することができる。
なお、上記構成とされた本実施形態に係る機能性内装パネルを取り付け対象に取り付ける際には、他の壁面材などの表面と略面一状となるように、一部(例えば、化粧パネル以外の背面側部位)を壁内部に埋め込ませるようにして取り付けるようにしてもよい。若しくは、略全体を埋め込ませて取り付けるようにしてもよく、さらには、既設の壁面に付設するようにして取り付けるようにしてもよい。または、下端部等に適宜の支持部材等を設けて、間仕切りパネルのように室内空間に立設させるようにして設置するようにしてもよい。
また、本実施形態では、機能性内装パネルとして、縦長扁平矩形状の縦型パネルを例示したが、横長扁平矩形状のものとしてもよく、また、吸気口及び吹出口のそれぞれを図例とは逆側に設けるようにしてもよい。
さらに、機能性内装パネルの表面に開口させた一対の通気開口部を構成する吸気口と吹出口とを上下に離間させて形成した態様を例示しているが、左右に離間させて形成するようにしてもよい。すなわち、当該機能性内装パネルを横型パネルとして横置きにして設置するような態様にしてもよい。さらには、天井面等に沿って設置したり、天井面を構成するように設置したりする態様としてもよい。
さらにまた、室内空間側に開口させずに、天井裏空間側や内壁内空間側、さらには床下空間に開口させるように背面側に一対の通気開口部を設ける態様としてもよい。
さらには、このような一対の通気開口部を設けずに、表面材乃至は背面材を、通気性及び透湿性を有したものとしてもよい。
また、本実施形態では、空気を送風するための送風手段として、シロッコファンを下側部の吸気部に設けた例を説明したが、上側部の吹出部に設けるようにしてもよい。または、シロッコファンに代えて、パネル内空間の途中部位に、クロスフローファンや軸流ファン等を送風手段として設けるようにしてもよい。さらには、このような送風手段を設けずに、自然対流によって設置環境の空気の調湿等をする態様としてもよい。
さらに、本実施形態では、静電霧化装置を内蔵した例を説明したが、静電霧化装置を設けないようにしてもよい。
さらにまた、パネル内空間を形成する表面材及び背面材としては、図例のような化粧パネルと背面カバーとによって構成する態様に限られず、板状機能材の収容が可能で、表面側及び背面側の通気路を形成し得るる構成とすればよい。
また、本実施形態では、板状機能材の幅方向両側に通気路をそれぞれ形成した例を示しているが、板状機能材の幅方向両端部とパネル本体の両側面部の各内面とをそれぞれ近接乃至は密接させる態様としてもよい。
さらに、本実施形態では、パネル本体の長手方向に沿って複数の板状機能材を並設した例を示しているが、単一の板状機能材を配設する態様としてもよい。この場合は、この単一の板状機能材の両端部をそれぞれに保持する一対の保持金具を設けるようにすればよい。
さらにまた、本実施形態では、ハニカム状構造体の多数の収容セルに機能粉粒体を収容させ、その表裏を膜状保持部材で被覆した構造とされた板状機能材を例示しているが、このようなものに限られない。例えば、セラミックファイバー等の繊維状材料によって、厚さ方向両側に開口する多数の中空筒状セルを形成し、その中空筒状セルの隔壁に、機能材を含浸乃至は捕捉させたハニカム状構造体としてもよい。
また、このような厚さ方向両側に開口する多数のセルを備えたハニカム状構造体に限られず、幅方向両側または上下方向両側に開口する多数のセルを備えたハニカム状構造体を含んだ板状機能材としてもよい。
さらには、板状機能材としては、このようなハニカム状構造体に限られず、機能材を繊維材やバインダーに混練し、圧縮して板状に成形されたものとしてもよく、または、機能材を、通気性を有した表裏のシート材で捕捉、保持して板状に形成されたものとしてもよい。
また、本実施形態では、保持金具を、表面材としての化粧パネルの内側面に固定した例を示しているが、背面材としての背面カバーの背面部の内側面に固定するようにしてもよい。
さらに、板状機能材の端部を保持する保持金具としては、板状機能材の端部の幅方向の略全体に亘って設けられる構造とされたものに限られず、幅方向に沿って複数の保持金具を配設して、板状機能材の端部を保持する態様としてもよい。
さらにまた、図例では、板状機能材の上下方向両端部を一対の保持金具によって保持した例を示しているが、幅方向両端部を一対の保持金具によって保持する態様としてもよい。この場合は、この端部の長手方向の略全体に亘って設けられる構造とされた保持金具としてもよく、または、長手方向に沿って複数の保持金具を配設して、この端部を保持する態様としてもよい。
また、保持金具としては、図例のように固定片部と保持片部とによって側面視して略L字形状とされたものに限られず、T字状の形状とされたものとしてもよい。つまり、保持片部の基端部の厚さ方向両側に固定片部を有したものとしてもよい。
さらに、保持金具の保持片部の表面側及び背面側の挟持片としては、それぞれが切り起こすようにして形成された切起片とされたものに限られず、いずれか一方または両方を、切り起こさずに、一体的乃至は溶接等によって接合して形成するようにしてもよい。この場合は、通気開口を設けないようにしてもよく、または、別加工(例えば、打ち抜き加工等)により通気開口を開設するようにしてもよい。
さらにまた、本実施形態では、保持金具の保持片部を、固定片部から立ち上がった両側のそれぞれに挟持片を有したものとしているが、いずれか一方側にのみ挟持片を設ける態様としてもよい。この場合において、複数の板状機能材を並設する場合には、隣接する板状機能材の各端部を別々の保持金具によって保持させるようにすればよい。
1 機能性内装パネル
11 化粧パネル(表面材)
11a 化粧パネルの内側面(一方の内側面)
13 背面カバーの背面部(背面材)
13a 背面部の内側面(他方の内側面)
16 表面側通気路
17 背面側通気路
20 板状機能材
20c 板状機能材の端面
21 板状機能材の端部
22 ハニカム状構造体
23 収容セル(セル)
30 保持金具
31 固定片部
32 保持片部
33 通気開口
34 背面側挟持片(切起片)

Claims (6)

  1. パネル内空間を形成するように設けられた表面材及び背面材と、前記パネル内空間に収容された板状機能材と、この板状機能材の両端部を保持する一対の保持金具とを備え、
    前記保持金具は、前記表面材及び背面材のいずれか一方の内側面に固定される固定片部と、前記板状機能材の表面側及び背面側のそれぞれに通気路が形成されるように、前記固定片部から他方の内側面側に向けて立ち上がるように形成され、かつ、前記板状機能材の端部を受け入れ、この端部を表面側及び背面側から挟むように保持する挟持片を有した保持片部とを備えていることを特徴とする機能性内装パネル。
  2. 請求項1において、
    前記保持金具の保持片部は、前記板状機能材の端部の端面の略全体を覆う構造とされ、前記保持金具の固定片部は、前記板状機能材の端部の略全体に亘って設けられていることを特徴とする機能性内装パネル。
  3. 請求項1または2において、
    前記保持金具の保持片部には、前記一方の内側面側に形成された通気路に連通する通気開口が形成されていることを特徴とする機能性内装パネル。
  4. 請求項3において、
    前記通気開口は、前記固定片部から立ち上がるように形成された部位を切り起こすようにして形成されており、この切り起こされた切起片が前記板状機能材の端部の背面側に当接される背面側の挟持片とされていることを特徴とする機能性内装パネル。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項において、
    前記保持金具の保持片部は、前記固定片部から立ち上がった両側のそれぞれに前記挟持片を有していることを特徴とする機能性内装パネル。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項において、
    前記板状機能材は、厚さ方向両側に開口した多数のセルを備えたハニカム状構造体を含んでいることを特徴とする機能性内装パネル。
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