JP2011225388A - 成形型及びその製造方法、並びに、光学素子及び光学機器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】成形型10は、成形面211、311を有する型母材21、31と、成形面211、311上に設けられた保護膜23、33と、を備える成形型10であって、保護膜23、33は、Ir及びReを、Irの含量に対するReの含量のモル比が2.5倍以下になる含量で含有し、成形型10は、ランタン系ガラスの成形に用いられる。
【選択図】図1
Description
SiO2成分 0〜20%
B2O3成分 10〜30%
La2O3成分 15〜40%
ZrO2成分 0〜15%
Nb2O5成分 0〜20%
Ta2O5成分 0〜20%
WO3成分 0〜20%
ZnO成分 10〜30%
Li2O成分 0〜5%
の各成分を含有し、転移点(Tg)が500〜590℃、屈伏点(At)が530〜630℃であり、950℃、2時間の条件の失透試験にて失透が見られないものを用いる(8)記載の光学素子の製造方法。
SiO2成分 0〜20%
B2O3成分 10〜30%
La2O3成分 15〜40%
ZrO2成分 0〜15%
Nb2O5成分 0〜20%
Ta2O5成分 0〜20%
WO3成分 0〜20%
ZnO成分 10〜30%
Li2O成分 0〜5%
の各成分を含有し、転移点(Tg)が500〜590℃、屈伏点(At)が530〜630℃であり、950℃、2時間の条件の失透試験にて失透が見られないものを用いる(11)記載の光学機器の製造方法。
本発明の一実施形態は、ガラスGを押圧する下型20及び上型30を備える成形型10である。図1は、本発明の第1実施形態に係る成形型の断面図である。
成形型10は、図1に示すように、下型20及び上型30を有する。このうち、下型20の上側の面は、上側にガラスGが設置される成形面211を有する。また、上型30の下側の面は、下型20の成形面211に対向し、この成形面211に接近及び離隔してガラスGを押圧する成形面311を有する。ここで、下型20は、成形面211を有する型母材21と、成形面211の表面に設けられる保護膜23と、から構成される。また、上型30は、成形面311を有する型母材31と、成形面311の表面に設けられる保護膜33と、から構成される。
成形型10に設けられる保護膜23、33は、少なくともIr及びReを、Irの含量に対するReの含量のモル比(Re/Ir)が2.5倍以下になる含量で含有する。これにより、成形されたガラスGへの曇りを生じ難くすることができる。また、高価なReの含量が低減されるため、保護膜23、33の材料コストを低減できる。ここで、Irの含量に対するReの含量のモル比は、2.5倍以下であることが好ましく、2.3倍以下であることがより好ましく、2.2倍以下であることが最も好ましい。
下型20及び上型30の型母材21、31は、保護膜23、33の形成された成形面211、311を有する。ここで、型母材21、31の材質は、ガラスGの硬さやガラス転移点(Tg)等に応じて適宜設定されるが、その熱膨張係数が、保護膜23、33の熱膨張係数と略等しい材質であることが好ましい。これにより、保護膜23、33の形成された型母材21、31を加熱及び冷却した際に、保護膜23、33が型母材21、31から剥離し難くなる。そのため、保護膜23、33の長寿命化を図ることができる。なお、保護膜23、33は、成形面211、311を覆うように設けられていればよく、必ずしも下型20及び上型30が当接する当接面213、313に設けられている必要はない。
保護膜23、33と型母材21、31との間には、図示しない中間膜を設けてもよい。これにより、保護膜23、33が剥離した場合にも型母材21、31が露出し難くなる。そのため、型母材21、31の成形面211、311への傷を低減でき、型母材21、31の長寿命化を図ることができる。また、保護膜23、33と型母材21、31とが直接接触しなくなるため、密着強度が弱くなるような保護膜23、33と型母材21、31の組み合わせであっても、保護膜23、33の剥離を低減できる。ここで、保護膜23、33は、中間膜の外側にある最外膜(すなわち、ガラスGと直接接触する膜)を指す。
成形型10は、下型20及び上型30の一部と当接し且つこれらの側面を包囲するように、図示しない胴型を有してもよい。これにより、下型20及び上型30の接近及び離隔の軌道が規定されるので、成形面211と成形面311との位置関係を一定に保つことができる。従って、所望の形状を有するガラスGの成形体を安定的に作製できる。
成形型の製造方法は、型母材21、31の成形面211、311上に、Ir及びReを、Irの含量に対するReの含量のモル比が2.5倍以下になる含量で含有する保護膜23、33を形成する工程を有する。
この成形型10を用いて、ガラスGをプレスして光学素子を製造する。ここで用いるプレス成形装置は、ガラスGを加熱してプレス成形することが可能な装置である限り特に限定されないが、例えば成形型10の下型11及び上型12の間にガラスGを供給する機構と、成形型10に供給されたガラスGを加熱して軟化する機構と、軟化したガラスGを押圧する機構と、押圧したガラスGを冷却する機構と、を備えたプレス成形装置を用いることが好ましい。これにより、ガラスGが軟化した後で押圧され、その後冷却されるため、ガラスGの成形を円滑に行うことができ、例えば光学素子の生産性を高めることができる。
(好ましい範囲)
SiO2成分 0〜20%
B2O3成分 10〜30%
La2O3成分 15〜40%
ZrO2成分 0〜15%
Nb2O5成分 0〜20%
Ta2O5成分 0〜20%
WO3成分 0〜20%
ZnO成分 10〜30%
Li2O成分 0〜5%
SiO2成分 1〜15%
B2O3成分 13〜27%
La2O3成分 20〜40%
ZrO2成分 1〜15%
Nb2O5成分 1〜17%
Ta2O5成分 1〜15%
WO3成分 1〜15%
ZnO成分 12〜30%
Li2O成分 0.1〜5%
SiO2成分 1〜7.5%
B2O3成分 15.5〜25%
ただし、SiO2成分+B2O3成分 16.5〜30%未満
La2O3成分 25〜40%
ZrO2成分 1.5〜10%
Nb2O5成分 1〜15%
Ta2O5成分 1〜10%
WO3成分 1〜10%
ZnO成分 15.5〜30%
Li2O成分 0.6〜5%
この方法によって、レンズやプリズム等の光学素子が作製される。また、この光学素子を用いて、カメラやプロジェクタ等の光学機器を製造することも好ましい。これにより、ガラスGのプレス成形による割れや傷、曇りが低減されるため、光学素子及び光学機器の信頼性を高めつつ、これらの生産効率を高めることができる。
成形型の型母材として、各々直径15.0mm、高さ12.5mmのWCからなる下型用母材及び上型用母材を用いた。ここで、下型用母材の上側の面と上型用母材の下側の面には、互いに対向するように成形面を形成した。この成形面は、内径15.0mmの円筒形状の胴型を下型用母材に嵌め込み、上型用母材をこの胴型に嵌め込んだ状態で、下型用母材の上側の面と上型用母材の下側の面とを対向させつつ接触させたときに、直径12mm、高さ2.5mmの略扁球面形状の空隙が形成されるように形成した。
下型用母材の上側の面と上型用母材の下側の面の全面に、Ir:60%、Re:40%を含有する、厚さ500nmの保護膜を形成し、下型及び上型を形成した(Re/Ir=0.67)。その他の工程は、実施例1と同様に行った。
下型用母材の上側の面と上型用母材の下側の面の全面に、Ir:50%、Re:40%、Rh:10%を含有する、厚さ300nmの保護膜を形成し、下型及び上型を形成した(Re/Ir=0.8)。その他の工程は、実施例1と同様に行った。
下型用母材の上側の面と上型用母材の下側の面の全面に、Ir:80%、Re:20%を含有する、厚さ300nmの保護膜を形成し、下型及び上型を形成した(Re/Ir=0.25)。その他の工程は、実施例1と同様に行った。
下型用母材の上側の面と上型用母材の下側の面の全面に、Ir:20%、Re:80%を含有する、厚さ300nmの保護膜を形成し、下型及び上型を形成した(Re/Ir=4.0)。その他の工程は、実施例1と同様に行った。
実施例1と同様に形成された下型及び上型を用い、フッ化物ガラスのプレス成形を行った。ここで、フッ化物ガラスとして、株式会社オハラ製のS−FPL51(商品名)を用いた。また、このガラスは、転移点(Tg)が458℃、屈伏点(At)が489℃であり、且つ950℃、2時間の条件の失透試験にて失透が見られないものであった。その他の工程は、実施例1と同様に行った。
比較例1と同様に形成された下型及び上型を用い、フッ化物ガラスのプレス成形を行った。ここで、フッ化物ガラスとして、株式会社オハラ製のS−FPL51(商品名)を用いた。このガラスは、950℃、2時間の条件の失透試験にて失透が見られないものであった。その他の工程は、比較例1と同様に行った。
11 下型
12 上型
20 下型
21 型母材
23 保護膜
30 上型
31 型母材
33 保護膜
211 成形面
213 当接面
311 成形面
313 当接面
Claims (12)
- 成形面を有する型母材と、前記成形面上に設けられた保護膜と、を備える成形型であって、
前記保護膜は、Ir及びReを、Irの含量に対するReの含量のモル比が2.5倍以下になる含量で含有し、
前記成形型は、ランタン系ガラスの成形に用いられる成形型。 - Irの含量に対するReの含量のモル比は、0.5倍以上である請求項1記載の成形型。
- 前記保護膜は、Rhを実質的に含有しない請求項1又は2記載の成形型。
- 型母材の成形面上に、Ir及びReを、Irの含量に対するReの含量のモル比が2.5倍以下になる含量で含有する保護膜を形成する工程を有するランタン系ガラスの成形に用いられる成形型の製造方法。
- Irの含量に対するReの含量のモル比を、0.5倍以上にする請求項4記載の成形型の製造方法。
- 前記保護膜にRhを実質的に含有させない請求項4又は5記載の成形型の製造方法。
- 請求項1から3いずれか記載の成形型を用いてランタン系ガラスをプレス成形する工程を有する光学素子の製造方法。
- 前記ランタン系ガラスとして、B2O3成分、La2O3成分及びZnO成分と、Nb2O5成分、Ta2O5成分及びWO3成分からなる群より選ばれる1種以上と、を含有するものを用いる請求項7記載の光学素子の製造方法。
- 前記ランタン系ガラスとして、屈折率(nd)が1.75〜1.85及びアッベ数(νd)が35〜45の範囲の光学定数を有し、酸化物基準の質量%で、
SiO2成分 0〜20%
B2O3成分 10〜30%
La2O3成分 15〜40%
ZrO2成分 0〜15%
Nb2O5成分 0〜20%
Ta2O5成分 0〜20%
WO3成分 0〜20%
ZnO成分 10〜30%
Li2O成分 0〜5%
の各成分を含有し、転移点(Tg)が500〜590℃、屈伏点(At)が530〜630℃であり、950℃、2時間の条件の失透試験にて失透が見られないものを用いる請求項8記載の光学素子の製造方法。 - 請求項1から3いずれか記載の成形型を用いてランタン系ガラスをプレス成形し、得られる光学素子を用いる光学機器の製造方法。
- 前記ランタン系ガラスとして、B2O3成分、La2O3成分及びZnO成分と、Nb2O5成分、Ta2O5成分及びWO3成分からなる群より選ばれる1種以上と、を含有するものを用いる請求項10記載の光学機器の製造方法。
- 前記ランタン系ガラスとして、屈折率(nd)が1.75〜1.85及びアッベ数(νd)が35〜45の範囲の光学定数を有し、酸化物基準の質量%で、
SiO2成分 0〜20%
B2O3成分 10〜30%
La2O3成分 15〜40%
ZrO2成分 0〜15%
Nb2O5成分 0〜20%
Ta2O5成分 0〜20%
WO3成分 0〜20%
ZnO成分 10〜30%
Li2O成分 0〜5%
の各成分を含有し、転移点(Tg)が500〜590℃、屈伏点(At)が530〜630℃であり、950℃、2時間の条件の失透試験にて失透が見られないものを用いる請求項11記載の光学機器の製造方法。
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JP2000319027A (ja) * | 1999-04-30 | 2000-11-21 | Canon Inc | 光学素子成形用型およびこれを用いた成形方法 |
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