JP2011224620A - クランクシャフトの振れ矯正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】クランクシャフトの振れを短時間で且つ高精度に矯正する。
【解決手段】製品クランクシャフト10bの軸部18、26の振れ量Za、Zb及び延在方向(振れ位相)の値は、振れセンサ52a〜52dによって実測される。これらの値を情報として得た判断部64は、サンプルクランクシャフトを用いて得られたマップ70に基づき、フランジ部20、28の適正押圧位置、及びロッド54a、54bの適正ストローク量を導出する。ロッド54a、54bは、このようにして求められた適正押圧位置を、適正ストローク量をもって押圧する。押圧後の軸部18、26の振れ量Za、Zb及び延在方向の値を再度実測し、振れ量Za、Zbが許容範囲外であるときには、適正押圧位置及び適正ストローク量の導出と、ロッド54a、54bによる押圧が再度行われる。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車の内燃機関を構成するクランクシャフトを構成するクランク軸半体の振れを矯正するクランクシャフトの振れ矯正方法に関する。
自動車の内燃機関を運転するに際しては、燃料と空気との混合気が吸気口を介してシリンダに導入及び圧縮され、次に、圧縮された混合気が燃焼されて膨張する。燃焼した混合気は、排気口を介して排出される。
この過程では、シリンダ内をピストンが上下往復運動する。ピストンは、コネクティングロッド(コンロッド)を介してクランクシャフトに連結されており、このため、クランクシャフトは、ピストンの上下往復運動に伴って回転動作を行う。
このような動作を営むクランクシャフトの1種として、図11に示す圧入組立型のものが知られている。このクランクシャフト10は、第1クランク軸半体12と、第2クランク軸半体14とがクランクピン16を介して連結されることで構成される。なお、実際には、クランクピン16にコンロッドが通されるが、理解を容易にするべく、コンロッドの図示を省略する。
第1クランク軸半体12は、第1軸部18と、該第1軸部18の一端部に形成された第1フランジ部20及び第1ウェイト部22とを有する。この中の第1フランジ部20には、前記クランクピン16を通すための第1ピン孔24が貫通形成されている。
残余の第2クランク軸半体14も同様に、第2軸部26と、該第2軸部26の一端部に形成された第2フランジ部28及び第2ウェイト部30とを有し、この中の第2フランジ部28及び第2ウェイト部30のそれぞれが、第1クランク軸半体12の第1フランジ部20及び第1ウェイト部22と対向する。
第2フランジ部28において、第1フランジ部20の第1ピン孔24に対応する箇所には、第2ピン孔32が貫通形成されている。クランクピン16は、この第2ピン孔32にも圧入される。通常は、第1ピン孔24、図示しないコンロッドに形成された挿通孔、第2ピン孔32の順序でクランクピン16が圧入され、これにより、図11に示すクランクシャフト10が構成される。このクランクシャフト10は、主に自動二輪車の内燃機関に採用される。
上記したような構成のクランクシャフト10においては、図11に示すように、第1軸部18、第2軸部26の軸線J1、J2が理想的な直線軸(以下、理想軸とも表記し、その参照符号をJ0とする)上に位置することが理想的であるが、実際には、第1軸部18、第2軸部26の軸線J1、J2と、理想軸J0との間には不可避的なズレが発生する。このズレは「振れ」と呼称され、その大きさは「振れ量」と呼称される。
第1軸部18、第2軸部26の振れ量が大きくなる程、振動や共振が大きくなる。特に、クランクシャフト10が高速で回転される自動二輪車では、このような振動・共振が顕著に発生するので、第1軸部18、第2軸部26の軸線J1、J2を可及的に理想軸J0に一致させること、換言すれば、振れ量を可及的に低減することが要請される。
そこで、振れを矯正することが一般的に行われている。例えば、特許文献1には、クランクシャフト10の振れ量を測定した後、その測定結果に基づいて、振れ量に見合った量だけ矯正パンチを移動させ、これにより振れを矯正する装置が開示されている。
このような矯正を行っても、何らかの要因によって振れが十分に矯正されていないこともあり得る。勿論、この場合、振動や共振を十分に抑制することができなくなる。
しかしながら、引用文献1記載の装置では、振れ量が十分に低減しているか否かを確認することができない。すなわち、この装置を用いての矯正では、振動や共振を十分に抑制することができないことがあり得る。
この観点から、本出願人は、特許文献2において、振れ量を高精度に低減させることが可能な回転体の振れ矯正方法を提案している。
特開2002−172424号公報 特開2009−279617号公報
本発明は上記した従来技術に関連してなされたもので、振れを短時間で一層高精度に矯正することが可能なクランクシャフトの振れ矯正方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、フランジ部と軸部を有するクランク軸半体同士を、前記フランジ部に形成されたピン孔に挿入されたクランクピンを介して連結することで構成されるクランクシャフトにおける前記クランク軸半体の振れを矯正するクランクシャフトの振れ矯正方法であって、
サンプルクランクシャフトを位置決め固定した後に該サンプルクランクシャフトのフランジ部を矯正子で複数回押圧するにあたり、前記矯正子の押圧前後でのストローク量、又は前記矯正子の前記フランジ部に対する接触位置の少なくともいずれか一方を変更し、各回の軸部の押圧後の延在方向、及び押圧前後での移動量を予め取得するマップ作成工程と、
クランク軸半体の振れを実際に矯正する製品クランクシャフトを位置決め固定した後、前記製品クランクシャフトの軸部の延在方向、及び矯正目標位置からの振れ量を求める実測工程と、
前記製品クランクシャフトの軸部を前記矯正目標位置に接近させるための矯正方向及び目標矯正量を求める目標設定工程と、
前記サンプルクランクシャフトによって予め取得された軸部の延在方向、及び押圧前後での移動量と、前記製品クランクシャフトにおける前記矯正方向及び前記目標矯正量とを対比し、前記製品クランクシャフトのフランジ部の適正押圧位置、及び前記矯正子の適正ストローク量を求める最適化工程と、
前記矯正子のストローク量を前記適正ストローク量として前記適正押圧位置を前記矯正子で押圧する押圧工程と、
を有し、
前記実測工程から前記押圧工程までを、前記押圧工程が終了した前記製品クランクシャフトの軸部の矯正目標位置からの振れ量が許容範囲内となるに至るまで行うことを特徴とする。
すなわち、本発明においては、押圧工程での押圧が終了する毎に、軸部の振れ量及び延在方向を求め、その振れ量及び延在方向を矯正するためのフランジ部の押圧位置、及び矯正子のストローク量を最適化するようにしている。このように、押圧の度に押圧位置及びストローク量を最適化することにより、短時間で且つ高精度に矯正を行うことができる。
なお、サンプルクランクシャフト及び製品クランクシャフトの位置決め固定は、各々のクランクピンをクランプすることによって行うことが好ましい。2個のフランジ部をクランプするよりもクランクピンをクランプする方が容易である上、フランジ部をクランプした状態で該フランジ部を押圧するよりも、クランクピンをクランプした状態でフランジ部を押圧する方が容易であるからである。
なお、実測工程から押圧工程までを、押圧工程が終了した製品クランクシャフトの軸部の矯正目標位置からの振れ量が許容範囲内となるに至るまで、繰り返し回数に制限なく行うようにしてもよい。この場合、高精度に矯正されたクランクシャフトが得られる。
又は、実測工程から押圧工程までの繰り返し回数を4回以内とするようにしてもよい。このように繰り返し回数を制限することにより、振れ矯正が困難である製品クランクシャフトを早期に除外することができる。従って、高精度に矯正されたクランクシャフトが効率よく得られるようになる。
本発明によれば、矯正子による押圧(矯正)が終了する毎に、クランクシャフトを構成するクランク軸半体の軸部の振れ量及び延在方向を求めるとともに、その振れ量及び延在方向を適切に矯正するためのフランジ部の押圧位置、及び矯正子のストローク量を最適化するようにしている。この押圧毎の押圧位置及びストローク量の最適化より、クランクシャフトの振れ矯正を短時間で且つ高精度に行うことができる。
振れが発生した状態のクランクシャフトの全体概略側面図である。 振れ矯正装置のブロック構成図である。 前記振れ矯正装置の全体概略斜視図である。 図4Aは、振れセンサの設置箇所を示す側面図であり、図4Bは、その正面図である。 軸部の延在方向(振れ位相)の定義を説明するためのクランクシャフトの正面図である。 クランクシャフトのフランジ部の押圧位置を適宜変更した場合の矯正子のストローク量と矯正量の相関関係を示すグラフである。 矯正子のストローク量を所定量としてフランジ部を押圧した際の押圧位置と、軸部の移動方向(矯正方向)の相関関係を示すグラフである。 前回の押圧位置と次回の押圧位置との差(位相差)と、軸部の実際の矯正方向との相関関係を示すグラフである。 押圧前の軸部の振れ量及び延在方向(振れ位相)と、押圧後の軸部の振れ量及び延在方向(振れ位相)とを座標にして示した説明図である。 図9における振れ量及び振れ位相の実測値と、目標矯正量、適正押圧位置及び適正ストローク量の値とを示した図表である。 理想的な状態にあるクランクシャフトの全体概略側面図である。
以下、本発明に係るクランクシャフトの振れ矯正方法につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、図11に示す構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図11に示すように、クランクシャフト10は、第1軸部18、第2軸部26の軸線J1、J2が理想軸J0上に存在することが本来は望ましい。しかしながら、第1クランク軸半体12及び第2クランク軸半体14を鍛造加工等によって作製する際の製造誤差や、第1ピン孔24及び第2ピン孔32にクランクピン16を挿入する圧入工程での組立誤差等があるため、実際には、図1に示すように、第1軸部18、第2軸部26の軸線J1、J2の理想軸J0からのズレ、すなわち、振れが不可避的に発生する。図1においては、第1軸部18、第2軸部26の各々の振れの大きさ(振れ量)を、Za、Zbとして表している。
なお、図1では、振れを誇張して示しているが、実際には、振れ量Za、Zbは微量であり、典型的には0.5mmを下回る程度である。
上記したように、振れ量Za、Zbが過度に大きい場合、振動や共振が発生することを防止することが容易でなくなる。そこで、本実施の形態では、第1軸部18、第2軸部26の軸線J1、J2が理想軸J0に接近するように位置矯正を実施することにより、振れ量Za、Zbを低減する。換言すれば、振れの矯正を行う。
なお、振れの矯正は、第1軸部18、第2軸部26の軸線J1、J2が理想軸J0に完全に一致するまで行われるのではなく、振れ量Za、Zbが、内燃機関の実際の運転に際して問題とならない範囲、すなわち、許容範囲内となるまで行われる。許容範囲は、クランクシャフト10を適用した内燃機関の使用条件に応じて規定される。
図2及び図3は、それぞれ、振れの矯正を実施するための振れ矯正装置40のブロック構成図、全体概略斜視図である。この振れ矯正装置40は、クランクシャフト10を保持して振れ矯正作業を行う作業機構42と、該作業機構42を制御する制御部44とを有する。
作業機構42は、定盤46を基盤として構成されており、クランクピン16を基準としてクランクシャフト10を保持するチャック48と、該チャック48を駆動してクランクシャフト10を保持・解放するチャック用シリンダ50とを有する。チャック48は、クランクシャフト10におけるクランクピン16の両端を把持して、正確に位置決め固定可能である。
さらに、作業機構42は、振れセンサ52a〜52dと、第1フランジ部20の図2における左方端面、第2フランジ部28の図2における右方端面を押圧するための矯正子であるロッド54a、54bと、ロッド54a、54bの各々を駆動する押圧用シリンダ56a、56bと、搬送用クランプ58とを有する。
この中、振れセンサ52a、52bは、第1クランク軸半体12の第1軸部18の振れ量Zaを計測するとともに後述する振れ位相(第1軸部18の延在方向)を求めるためのものであり、一方、振れセンサ52c、52dは、第2クランク軸半体14の第2軸部26の振れ量Zbを計測するとともに振れ位相(第2軸部26の延在方向)を求めるためのものである。これら振れセンサ52a〜52dは、例えば、接触式であり、振れ量Za、Zb及び振れ位相を計測するべく、図4A及び図4Bに示すように、互いに別位相で且つクランクピン16の両端から所定距離D1、D2(図4A参照)だけ離間した位置に配設され、各々の接触子が第1軸部18、第2軸部26の断面中心を指向するように設置される。なお、図4A及び図4Bでは、振れセンサ52c、52dを代表的に示している。
第2クランク軸半体14の第2軸部26を例示して説明すると、該第2軸部26の直径は予め実測によって求められた既知の値である。従って、振れセンサ52c、52dの各接触子の先端から第2軸部26の中心までの距離を求め、この距離と、第2軸部の直径(既知の値)とから、振れ量Zb、及び振れ位相を求めることができる。
なお、振れ量Za、Zb及び振れ位相は、クランクシャフト10を回転させることなく測定される。
また、ロッド54a、54bは、それぞれ、ディスク状支持盤60a、60bを介して支軸62a、62bに支持されている。なお、ロッド54a、54bは、ディスク状支持盤60a、60bの周縁近傍に設置されている。
前記支軸62a、62bは、その中心軸を回転中心として回転動作することが可能であり、この回転動作に追従してディスク状支持盤60a、60bが回転動作する。これに伴って、ディスク状支持盤60a、60bの周縁近傍に設置されたロッド54a、54bが、該ディスク状支持盤60a、60bの円周方向に沿って周回動作する。すなわち、第1フランジ部20、第2フランジ部28に対するロッド54a、54bのインデックス位置を変更することが可能である。
後述するように、ロッド54aは、押圧用シリンダ56aの作用下に第1フランジ部20の左方端面を右方に向かって押圧し、残余のロッド54bは、押圧用シリンダ56bの作用下に第2フランジ部28の右方端面を左方に向かって押圧する。これにより、第1フランジ部20、第2フランジ部28の振れ量Za、Zb及び振れ位相が変化する。
前記制御部44は、判断部64と、入力部66と、駆動部68とを有する。入力部66には、振れセンサ52a〜52dによって求められた振れ量Za、Zb、及び振れ位相が入力される。振れ量Za、Zb、及び振れ位相の各値は、上方として判断部64に供給される。
判断部64は、振れ量Za、Zbを低減する一連の矯正手順を制御するようにプログラムされており、駆動部68を介して支軸62a、62b、チャック用シリンダ50、押圧用シリンダ56a、56b、及び前記搬送用クランプ58を駆動制御する。判断部64には、後述するマップ70が記録されている。
なお、搬送用クランプ58は、振れが矯正されたクランクシャフト10を搬出するためのものである。
次に、本実施の形態に係るクランクシャフト10の振れ矯正方法につき、基本的には上記のように構成される振れ矯正装置40の動作との関係で説明する。
本実施の形態に係るクランクシャフト10の振れ矯正方法は、サンプルクランクシャフト10aを用いてマップ化を行うマップ作成工程と、製品クランクシャフト10bにおける振れ位相(軸部の延在方向)及び振れ量Za、Zbを求める実測工程と、製品クランクシャフト10bの矯正方向及び目標矯正量を求める目標設定工程と、製品クランクシャフト10bのフランジ部の適正押圧位置を求める適正押圧位置設定工程と、前記適正押圧位置を前記矯正子によって押圧する押圧工程とを有する。
はじめに、チャック用シリンダ50を駆動し、図2及び図3に示すように、サンプルクランクシャフト10aのクランクピン16をチャック48によって両底面側からクランプする。これにより、サンプルクランクシャフト10aを位置決め固定する。この場合、クランクピン16が下方に臨み、第1フランジ部20及び第2フランジ部28における押圧されるべき箇所が上方に臨む。
第1軸部18、第2軸部26の振れを矯正する際、第1フランジ部20、第2フランジ部28は、クランクピン16を支点として揺動する。従って、クランクピン16をクランプすることにより、他の部位をクランプする場合に比して短時間で高精度に矯正することが可能となる。
また、第1フランジ部20及び第2フランジ部28をクランプするよりもクランクピン16をクランプする方が容易である。その上、第1フランジ部20及び第2フランジ部28をクランプした状態でロッド54a、54bによって第1フランジ部20及び第2フランジ部28を押圧するよりも、クランクピン16をクランプした状態でロッド54a、54bによって第1フランジ部20及び第2フランジ部28を押圧する方が容易である。
この状態で、マップ作成工程が行われる。
第1フランジ部20側を例示して説明すると、先ず、振れセンサ52a、52bにより、第1軸部18の振れ量Za及び振れ位相が求められる。なお、振れ量Zaは、図1に示すように、第1軸部18の軸線J1、J2の理想軸J0からのズレの大きさであり、一方、振れ位相は、図5に示すように、第1軸部18の延在方向である。
これら振れ量Za及び振れ位相は、クランクシャフト10を回転させることなく計測される。従って、迅速且つ効率よく計測することができる。また、チャック48によるクランプを解放した後にクランクシャフト10を回転させて計測を行い、再度チャック48によってクランプを行う場合に比して位置決め精度が大きく向上する。クランプ位置が同一であるので、クランプ位置に誤差が生じることがないからである。
ここで、振れ位相(第1軸部18の延在方向)の定義につき説明する。
本実施の形態においては、図5に示すように、第1フランジ部20の左方端面における第1軸部18の軸線J1から第1ピン孔24に向かう方向の位相を0°と定義する。そして、この場合、0°から時計回りに9時の方向の位相が90°、12時の方向の位相が180°、3時の方向の位相が270°となる。勿論、1時、2時、4時の方向の位相は、それぞれ、210°、240°、300°である。
第1軸部18の振れ位相は、該第1軸部18が上記のようにして定義される位相(方向)中の如何なる位相(方向)に指向して延在しているかを表す。具体的には、図5に示す場合、第1軸部18が位相295°の方向に指向して延在する。従って、この場合の振れ位相は295°である。
また、図示しないが、第1軸部18が9時の方向に指向して延在している場合、振れ位相は90°である。さらに、3時の方向に指向して延在している場合、振れ位相は270°となる。
このようにして第1軸部18の振れ量Za及び振れ位相を求めた後、例えば、位相が180°である部位、すなわち、第1軸部18を挟んで第1ピン孔24に対向する部位を、押圧用シリンダ56aの作用下に、ロッド54aによって押圧する。この際のロッド54aの変位方向(すなわち、押圧方向)は、図2及び図3における右方である。
この押圧により、第1フランジ部20の傾斜の度合いや傾斜方向等が変化する。従って、第1軸部18の振れ量Za及び振れ位相の少なくともいずれか一方も変化する。制御部44に含まれる入力部66には、押圧前の振れ量Za及び振れ位相、ロッド54aの変位開始から変位終了までの移動量(すなわち、ストローク量)、押圧後の振れ量Za及び振れ位相に関する情報が入力される。
この押圧を、例えば、押圧位置を変更することなく、ストローク量のみを変化させながら繰り返し、第1軸部18の振れ量Zaの変化(すなわち、矯正量)を入力部66に逐一入力する。この矯正量から、図6に示すように、各位相におけるストローク量と矯正量の相関関係を示すグラフが得られる。
なお、図6は、位相が180°、210°、240°、270°、300°である部位から押圧位置をそれぞれ変更することなく、ストローク量のみを変化させたときの第1軸部18の矯正量をプロットして得られたものである。この図6から、ロッド54aのストローク量が同一であっても、押圧位置(位相)が相違する場合、矯正量が相違することが諒解される。
また、図6からは、各直線において、矯正量が15μm以下である場合と、15μmを超える場合とで傾きが相違することが分かる。すなわち、押圧位置の位相が相違することを位相係数として含めると、矯正量が15μm以下である場合には下記の式(1)が成り立つ。
ストローク量=(矯正量×13+45)/位相係数 …(1)
また、矯正量が15μmを超える場合には、下記の式(2)が成り立つ。
ストローク量=(矯正量×6.38+145)/位相係数 …(2)
ここで、位相係数は、押圧位置の位相が240°未満であるときには下記の式(3)によって求められる。
位相係数=0.003×押圧位置の位相の値+0.406 …(3)
また、押圧位置の位相が240°以上であるときには、下記の式(4)によって算出することができる。
位相係数=0.013×押圧位置の位相の値−1.92 …(4)
以上とは別に、ストローク量を変更することなく、押圧位置(位相)のみを変化させながら押圧を繰り返し、第1軸部18の延在方向の変化(すなわち、矯正方向)を入力部66に逐一入力する。なお、押圧位置(位相)を変更するためには、支軸62a及びディスク状支持盤60aを回転動作させ、これによりロッド54aを周回動作させればよい。
その結果、図7に示すように、所定のストローク量で押圧した際の押圧位置(位相)と、矯正方向の相関関係を示すグラフが得られる。
図7を参照し、押圧位置が180°である場合には、第1軸部18が概ね180°に向かうように矯正される(換言すれば、矯正方向が概ね180°である)が、押圧位置の位相の数値が大きくなるにつれ、押圧位置の位相と矯正方向とのズレ量が大きくなることが分かる。例えば、押圧位置が240°、300°である場合、それぞれの矯正方向は、概ね225°、270°程度である。
従って、図7に基づいて、押圧位置の位相と矯正方向の位相との間の関係式を求めると、下記の式(5)が成り立つ。
押圧位置の位相=1.33×(矯正方向の位相)−59° …(5)
例えば、押圧前の第1軸部18の振れ位相(延在方向)が0°〜90°である場合、矯正方向は、位相が180°〜270°である方向となる。すなわち、この場合、振れ位相と矯正方向の位相との間には、下記の式(6)が成立する。
矯正方向の位相=振れ位相+180° …(6)
一方、押圧前の第1軸部18の振れ位相(延在方向)が270°〜360°である場合、矯正方向は、位相が90°〜180°である方向となる。すなわち、この場合、振れ位相と矯正方向の位相との間に下記の式(7)が成立する。
矯正方向の位相=振れ位相−180° …(7)
入力部66には、以上の情報が併せて入力される。勿論、第2フランジ部28
に関しても同様である。
なお、クランクシャフト10に対して重力が鉛直下方に作用する関係上、第1フランジ部20、第2フランジ部28の振れ位相が90°超〜270°未満となることはほとんどない。
ここで、矯正後の第1軸部18の延在方向(振れ位相)には、若干のバラツキがあることが認められる。従って、押圧を複数回行うと、バラツキが加算される結果、矯正後の振れ位相が目標の矯正位置と異なることが懸念される。これを回避するべく、本実施の形態においては、前回の押圧時の位置と、次回の押圧時の位置との位相差を所定範囲内とする。具体的には、以下の通りである。
図8は、押圧位置を変更したときに振れ位相が如何に変化するかの傾向を調べた結果である。すなわち、この図8は、ストローク量を一定とし、前回の押圧時と次回の押圧時とでの位相差を種々変更したときの、第1軸部18の実際の振れ位相(矯正方向)を示すものである。図8において、横軸は位相差であり、縦軸は、上記式(5)から算出される矯正方向の予想位相と、実際の振れ位相との差を表す。
なお、矯正方向の予想位相は、式(5)を変形した下記の式(8)によって求められる。
矯正方向の予想位相=(押圧位置の位相+59°)/1.33 …(8)
一方、第1軸部18の実際の振れ位相は、振れセンサ52a、52bによって実測され、入力部66に逐一入力される。このため、縦軸の差は、式(8)によって求められる予想位相と、入力部66に入力された実際の振れ位相とに基づいて求めることができる。
図8から、式(5)、(8)及び図7に示される関係が成立するのは、押圧位置の位相差が15°以内(標準偏差は概ね13°)であるときであり、15°を超えると、予想位相と実際の振れ位相との差異が大きくなることが諒解される。換言すれば、前回の押圧時の位置と、次回の押圧時の位置との位相差を15°よりも大きくすると、第1軸部18を目標とする方向に矯正することが容易でなくなる。
従って、本実施の形態では、製品クランクシャフト10bの振れを矯正する際、前回の押圧位置の位相と、次回の押圧位置の位相との位相差が15°以内に設定される。なお、押圧位置(位相)を変更するためには、上記したように、支軸62a及びディスク状支持盤60aを回転動作させ、これによりロッド54aを周回動作させればよい。
以上のようにして入力部66に上記の情報を逐一入力することにより、該入力部66から情報が伝達された判断部64において、ロッド54a、54bのストローク量と振れ量Za、Zbの変化量との関係や、ロッド54a、54bによる第1フランジ部20、第2フランジ部28の押圧位置の位相と、押圧後の振れ位相との関係等がマップ化される。
次に、実測工程を行うべく、チャック用シリンダ50を駆動してチャック48からサンプルクランクシャフト10aを解放し、さらに、該サンプルクランクシャフト10aを搬送用クランプ58で搬出した後、製品クランクシャフト10bのクランクピン16をチャック48でクランプする。なお、製品クランクシャフト10bとサンプルクランクシャフト10aの構成は同一であり、従って、同一の構成要素には同一の参照符号を付すこととする。
そして、振れセンサ52a〜52dにより、製品クランクシャフト10bにおける第1軸部18、第2軸部26の振れ量Za、Zb及び振れ位相(第1軸部18、第2軸部26の延在方向)を実測する。第1フランジ部20を座標化した図9においては、第1軸部18の初期振れ量Zaが43μm、初期振れ位相が295°であった場合を代表的に示している。この情報は、入力部66を経て判断部64に伝達される。
次に、判断部64は、矯正目標位置である理想軸J0に第1軸部18、第2軸部26を接近させるための矯正方向及び目標矯正量を求める。すなわち、目標設定工程が実施される。
以降を、図9に示す例につき説明する。判断部64は、式(7)に基づき、「矯正方向を位相115°の方向とする」と判断する。判断部64は、さらに、目標矯正量を求める。
目標矯正量が大きい場合、ロッド54aのストローク量を大きくする必要があるが、ストローク量が過度に大きいと、実矯正量を制御することが容易ではない。そこで、本実施の形態では、判断部64は、振れ量Zaが小さいときには該振れ量Zaを目標矯正量と判断し、一方、振れ量Zaが所定の閾値以上であるときには振れ量Zaの0.55倍を目標矯正量と判断する。閾値は、例えば、33μmに設定することができる。
図9に示す例では、振れ量Zaは43μmであり、閾値である33μm以上での値である。従って、判断部64は、43μmの0.55倍である24μmを目標矯正量として設定する。
このようにして、第1軸部18を位相115°の方向に向かって24μm移動させる(矯正させる)と判断した判断部64は、次に、最適化工程において、この矯正を行うための第1フランジ部20の押圧すべき位置(適正押圧位置)、及びロッド54aのストローク量(適正ストローク量)を求める。
適正押圧位置は、押圧前の振れ位相に基づき、上記の式(5)、(6)、又は式(5)、(7)から求められるが、図9に示す例では、初期振れ位相が270°を超えているため、式(7)が選択される。すなわち、適正押圧位置の位相は下記の式によって算出され、その値は94°である。
適正押圧位置の位相=1.33×115°−59°
=94°
また、適正ストローク量は、マップ70に記憶された式(1)〜(4)に基づいて設定される。適正押圧位置の位相が94°であり、且つ目標矯正量が24μmである上記の場合には、式(2)、(3)が選択される。すなわち、式(3)に基づいて位相係数を算出すると、
位相係数=0.003×94+0.406
=0.688
である。
また、式(2)に基づいて適正ストローク量を算出すると、
適正ストローク量=(24×6.38+145)/0.688
=433μm
となる。
次に、判断部64の制御作用下に、押圧工程が実施される。具体的には、先ず、支軸62aを回転動作させることでディスク状支持盤60aを介してロッド54aを周回動作させ、そのインデックス位置を、第1フランジ部20における位相が94°である箇所に合わせる。
その後、判断部64は、ロッド54aのストローク量が上記の適正ストローク量(433μm)となるように押圧用シリンダ56aを駆動する。この適正ストローク量をもって移動するロッド54aによって第1フランジ部20における位相が94°の位置が押圧され、その結果、第1フランジ部20が揺動する。これに追従して、第1軸部18の位置が変化する。その後、ロッド54aが元の位置に戻る。
押圧後の第1軸部18の振れ量Za及び振れ位相は、再度、振れセンサ52a、52bによって求められる。理論的には、押圧後の第1軸部18の振れ量Za及び振れ位相は、19(=43−24)μm、295°であるが、この通りにならないことが多い。この理由は、第1フランジ部20の揺動支点が、クランクピン16の上端部であったり、中央部であったり、又は下端部であったり等、その都度相違するからである。
このため、本実施の形態では、上記した実測工程を再度実施し、振れ量Zaが許容範囲内であれば振れ矯正を終了する。一方、許容範囲外であれば、実測工程以降を全て実施する。
図9に示す例では、1回目の押圧後の第1軸部18の振れ量Za及び振れ位相が、それぞれ、34μm、295°であった場合を示している。この際の振れ量Za(34μm)は、未だ許容範囲外である。
この情報が入力部66から伝達された判断部64は、目標設定工程において、第1軸部18の矯正方向及び目標矯正量を求める。すなわち、上記に準拠し、「矯正方向を位相115°の方向とし、目標矯正量を17(=33×0.55)μmとする」と判断する。
さらに、判断部64は、上記の判断に基づき、適正押圧位置の位相を94°に設定する。1回目の押圧時の押圧位置との位相差が0°であるので、判断部52は、「2回目の押圧を実行する」との判断を下す。
また、この場合、適正押圧位置の位相が94°であり、且つ目標矯正量が17μmであるので、位相係数及び適正ストローク量を求めるに際しては、式(2)、(3)が選択される。すなわち、式(3)に基づいて位相係数を算出すると0.688であり、式(2)に基づいて適正ストローク量を算出すると368μmである。
この場合、適正押圧位置の位相が1回目の押圧時と同一の94°(位相差0°)であるので、ロッド54aのインデックス位置が変更されることなく2回目の押圧工程が実施される。そして、判断部64は、ロッド54aのストローク量が368μmとなるように押圧用シリンダ56aを駆動する。
これにより、第1フランジ部20における位相が94°の位置がロッド54aによって押圧される。その結果、第1フランジ部20が揺動するとともに、第1軸部18の位置が変化する。
次に、2回目の押圧後の第1軸部18の振れ量Za及び振れ位相を、再度、振れセンサ52a、52bによって求める。理論的には、押圧後の第1軸部18の振れ量Za及び振れ位相は、17(=34−17)μm、295°であるが、図9に示すように、実際の振れ量Za及び振れ位相が17μm、302°となることもある。上記したように、第1フランジ部20の揺動支点がその都度相違するからである。
2回目の押圧後の振れ量Za(17μm)が許容範囲外である場合、上記に準拠して実測工程以降を全て実施する。
振れ量Za及び振れ位相が17μm、302°であるとの情報が入力部66から伝達された判断部64は、目標設定工程において、第1軸部18の矯正方向及び目標矯正量を求める。すなわち、上記に準拠し、「矯正方向を位相122°の方向とし、目標矯正量を17μmとする」と判断する。
判断部64は、さらに、上記の判断と式(7)に基づき、適正押圧位置の位相を103°に設定する。2回目の押圧時の押圧位置との位相差が9°であるので、判断部64は、「3回目の押圧を実行する」との判断を下す。
また、この場合、適正押圧位置の位相が103°であり、且つ目標矯正量が17μmであるので、位相係数及び適正ストローク量を求めるに際しては、式(2)、(3)が選択される。すなわち、式(3)に基づいて位相係数を算出すると、
位相係数=0.003×103+0.406
=0.715
である。また、式(2)に基づいて適正ストローク量を算出すると、
適正ストローク量=(17×6.38+145)/0.715
=354μm
である。
このようにして適正押圧位置及び適正ストローク量を導出した判断部64は、支軸62aを回転動作させることでディスク状支持盤60aを介してロッド54aを周回動作させ、そのインデックス位置を、第1フランジ部20における位相が103°である箇所に合わせる。
さらに、判断部64は、ロッド54aのストローク量が354μmとなるように押圧用シリンダ56aを駆動する。これにより、第1フランジ部20における位相が103°の位置がロッド54aによって押圧され、その結果、第1フランジ部20が揺動するとともに、第1軸部18の位置が変化する。
次に、3回目の押圧後の第1軸部18の振れ量Za及び振れ位相を、再度、振れセンサ52a、52bによって実測する。図9に示す例では、押圧後の第1軸部18の振れ量Za及び振れ位相は、1.5μm、80°と極めて小さい値となっている。
この値を情報として得た判断部64は、振れ量Zaが許容範囲内であると判断し、振れ矯正を終了する。図10には、以上の過程における振れ量Za、振れ位相の実測値と、目標矯正量、適正押圧位置及び適正ストローク量の値とが併せて示されている。
以上のように、本実施の形態においては、第1軸部18の振れ量Zaとともに振れ位相を求め、これらの値に基づいて、押圧を行う都度、適正押圧位置及び適正ストローク量を導出するようにしている。従って、第1フランジ部20の揺動支点が異なる場合であっても、高精度の振れ矯正が可能となる。
なお、3回目の押圧でも振れ量Zaが許容範囲外である場合、4回目の実測工程〜押圧工程が実施される。そして、4回目の押圧工程が終了した時点でも振れ量Zaが許容範囲外である場合、再組み立てが必要な製品クランクシャフト10bであるとして、5回目の振れ矯正が行われることなく振れ矯正装置40から搬出される。
このように、所定の回数で振れ矯正作業を停止することにより、振れ矯正に要する時間が長期化することを回避することができる。
勿論、以上説明した第1フランジ部20側の第1軸部18の振れ矯正と同時に、第2フランジ部28側の第2軸部26の振れ矯正も実施される。これにより、第1軸部18、第2軸部26が可及的に理想軸J0に近接した製品クランクシャフト10bが得られるに至る。
以上の振れ矯正が終了した後、判断部64は、チャック用シリンダ50の作用下に製品クランクシャフト10bをチャック48から解放する。製品クランクシャフト10bは、搬送用クランプ58によって搬出される。
その後、別の製品クランクシャフト10bのクランクピン16がチャック48によって位置決め固定され、上記の振れ矯正が再実施される。
なお、上記した実施の形態では、4回目の押圧工程が終了した時点で、振れ量Za、Zbが許容範囲内又は許容範囲外のいずれであっても振れ矯正作業を終了するようにしているが、振れ矯正作業を終了する押圧工程の繰り返し回数を任意の回数に設定し得ることは勿論である。
また、振れ量Za、Zbが許容範囲内となるまで振れ矯正作業を繰り返すようにしてもよい。
さらに、前回の適正押圧位置に対する次回の適正押圧位置の相違限界量は、クランクシャフト10の寸法や重量等によって異なる。従って、クランクシャフト10の種類毎に相違限界量を求めるようにすればよい。
10、10a、10b…クランクシャフト 12、14…クランク軸半体
16…クランクピン 18、26…軸部
20、28…フランジ部 24、32…ピン孔 40…振れ矯正装置 42…作業機構 44…制御部 48…チャック 52a〜52d…振れセンサ 54a、54b…ロッド 56a、56b…押圧用シリンダ 62a、62b…支軸 64…判断部 66…入力部 68…駆動部 70…マップ J0…理想軸 Za、Zb…振れ量

Claims (4)

  1. フランジ部と軸部を有するクランク軸半体同士を、前記フランジ部に形成されたピン孔に挿入されたクランクピンを介して連結することで構成されるクランクシャフトにおける前記クランク軸半体の振れを矯正するクランクシャフトの振れ矯正方法であって、
    サンプルクランクシャフトを位置決め固定した後に該サンプルクランクシャフトのフランジ部を矯正子で複数回押圧するにあたり、前記矯正子の押圧前後でのストローク量、又は前記矯正子の前記フランジ部に対する接触位置の少なくともいずれか一方を変更し、各回の軸部の押圧後の延在方向、及び押圧前後での移動量を予め取得するマップ作成工程と、
    クランク軸半体の振れを実際に矯正する製品クランクシャフトを位置決め固定した後、前記製品クランクシャフトの軸部の延在方向、及び矯正目標位置からの振れ量を求める実測工程と、
    前記製品クランクシャフトの軸部を前記矯正目標位置に接近させるための矯正方向及び目標矯正量を求める目標設定工程と、
    前記サンプルクランクシャフトによって予め取得された軸部の延在方向、及び押圧前後での移動量と、前記製品クランクシャフトにおける前記矯正方向及び前記目標矯正量とを対比し、前記製品クランクシャフトのフランジ部の適正押圧位置、及び前記矯正子の適正ストローク量を求める最適化工程と、
    前記矯正子のストローク量を前記適正ストローク量として前記適正押圧位置を前記矯正子で押圧する押圧工程と、
    を有し、
    前記実測工程から前記押圧工程までを1回以上行うことを特徴とするクランクシャフトの振れ矯正方法。
  2. 請求項1記載の振れ矯正方法において、前記サンプルクランクシャフト及び前記製品クランクシャフトの双方を、各々のクランクピンをクランプすることによって位置決め固定することを特徴とするクランクシャフトの振れ矯正方法。
  3. 請求項1又は2記載の振れ矯正方法において、前記実測工程から前記押圧工程までの繰り返しを、前記押圧工程が終了した前記製品クランクシャフトの軸部の矯正目標位置からの振れ量が許容範囲内となるに至るまで行うことを特徴とするクランクシャフトの振れ矯正方法。
  4. 請求項1又は2記載の振れ矯正方法において、前記実測工程から前記押圧工程までの繰り返し回数を4回以内とすることを特徴とするクランクシャフトの振れ矯正方法。
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