JP2011223717A - 電動機およびロータの製造方法 - Google Patents

電動機およびロータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ロータコアに形成された冷却通路からの冷却媒体の漏れにより引き摺り損失が生じるのをより簡易且つ適正に抑制する。
【解決手段】ロータコアの冷却通路の内壁面のうちロータコア外周側の一面を形成するコア部材50の端部を、コア部材50間の隙間が覆われるようにコア部材50の一貫通方向すなわちロータコアの一積層方向に曲げて曲げ端部52を形成する。これにより、電磁鋼板によるコア部材50の他に樹脂材などの部材を用いずに冷却通路からコア部材50間の隙間への冷却媒体の漏れを抑制することができ、また、ロータコア外周側の一面を曲げ端部52により形成することにより冷却媒体がロータとステータとの隙間に到達するのを抑制することができる。この結果、ロータコアの冷却通路からの冷却媒体の漏れにより電動機の引き摺り損失が生じるのをより簡易且つ適正に抑制することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、電動機およびロータの製造方法に関し、詳しくは、電磁鋼板により略円環状に形成された複数のコア部材を積層することにより略円筒状に形成されたロータコアに冷却通路がロータコアの周方向に並ぶよう複数形成されてなるロータと、内径がロータコアの外径よりも若干大きくなるよう略円筒状に形成されたステータコアを有するステータと、を備える電動機およびこうした電動機におけるロータの製造方法に間する。
従来、この種の電動機のロータとしては、ロータ回転軸の軸方向に円環状の電磁鋼板を複数積層してなるロータコアに、ロータコアを軸方向に貫通し永久磁石が収容される複数の収容孔と共に軸方向に直交する面内で各収容孔を拡張させた空間を設け、収容孔に樹脂材を充填して永久磁石を固定すると共に、収容孔を拡張させた空間の内壁を形成する電磁鋼板の端部を樹脂材により被覆し、この電磁鋼板の端部を被覆する樹脂材の内部を冷媒が供給される冷媒通路とするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この電動機のロータでは、こうしてロータコアに冷媒通路を設けることにより、電磁鋼板の隙間を樹脂材により塞ぎ、冷媒通路から電磁鋼板の隙間に冷媒が漏れるのを抑制している。
特開2009−303293号公報
しかしながら、上述の電動機のロータのように冷媒通路を樹脂材の内部に形成すると、ロータコアにおける磁束の流れや向きが適切なものとするなどの理由により永久磁石から離れた位置に冷媒通路を設けるロータの場合、永久磁石の収容孔への樹脂材の充填とは別に、冷媒通路を形成するために樹脂材を充填する必要が生じ、ロータの製造に要する工数が増えてしまう。したがって、冷媒通路から電磁鋼板の隙間への冷媒の漏れを樹脂材などを用いずに簡易に抑制することが望ましいが、電動機が回転しているときにロータとステータとのギャップに冷媒が到達するといわゆる引き摺り損失が生じることから、こうした冷媒の漏れの抑制は電動機の回転時を考慮して行なうことが好ましい。
本発明の電動機およびロータの製造方法は、ロータコアに形成された冷却通路からの冷却媒体の漏れにより引き摺り損失が生じるのをより簡易且つ適正に抑制することを主目的とする。
本発明の電動機およびロータの製造方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の電動機は、
電磁鋼板により略円環状に形成された複数のコア部材を積層することにより略円筒状に形成されたロータコアに、該ロータコアを積層方向に貫通し冷却媒体が供給される冷却通路が該ロータコアの周方向に並ぶよう複数形成されてなるロータと、内径が前記ロータコアの外径よりも若干大きくなるよう略円筒状に形成されたステータコアを有するステータと、を備える電動機であって、
前記ロータコアは、前記冷却通路の内壁面のうち少なくとも前記ロータコア外周側の所定範囲を形成する前記複数のコア部材の端部が、それぞれ該複数のコア部材間に生じる隙間を覆うように前記ロータコアの一積層方向に向かって曲げられてなる、
ことを要旨とする。
この本発明の電動機では、ロータコアを積層方向に貫通し冷却媒体が供給される冷却通路の内壁面のうち少なくともロータコア外周側の所定範囲を形成する複数のコア部材の端部が、それぞれ複数のコア部材間に生じる隙間を覆うようにロータコアの一積層方向に向かって曲げられてなる。したがって、コア部材の端部を曲げることによりコア部材間の隙間が覆われるから、コア部材の他に樹脂材などの部材を用いずに、冷却通路からコア部材間の隙間への冷却媒体の漏れを抑制することができる。また、冷却通路の内壁面のうち少なくともロータコア外周側の所定範囲でコア部材の端部を曲げるから、電動機の回転時に冷却通路からコア部材間の隙間への冷却媒体の漏れによって引き摺り損失が生じるのを抑制することができる。これらの結果、ロータコアに形成された冷却通路からの冷却媒体の漏れにより引き摺り損失が生じるのをより簡易且つ適正に抑制することができる。ここで、「所定範囲」は、冷却通路から漏れた冷却媒体が電動機の回転時にロータとステータとの隙間に到達する可能性がある予め定められた範囲などを用いることができる。
こうした本発明の電動機において、前記冷却通路は、前記ロータコアの積層方向に垂直な方向の断面形状が一辺を前記ロータコア外周側に配置した多角形状であり、前記ロータコアは、前記冷却通路の内壁面のうち前記一辺を形成する前記複数のコア部材の端部が前記ロータコアの一積層方向に向かって曲げられてなる、ものとすることもできる。こうすれば、冷却通路からコア部材間の隙間への冷却媒体の漏れにより引き摺り損失が生じるのをより確実に抑制することができる。
また、本発明の電動機において、前記ロータは、前記ロータコアに埋め込まれた複数の永久磁石を有する、ものとすることもできる。こうすれば、ロータコアに形成された冷却通路の冷却媒体により複数の永久磁石を冷却することができる。
本発明のロータの製造方法は、
電磁鋼板により略円環状に形成された複数のコア部材を積層することにより略円筒状に形成されたロータコアに、該ロータコアを積層方向に貫通し冷却媒体が供給される冷却通路が該ロータコアの周方向に並ぶよう複数形成されてなるロータと、内径が前記ロータコアの外径よりも若干大きくなるよう略円筒状に形成されたステータコアを有するステータと、を備える電動機におけるロータの製造方法であって、
前記略円環状に形成されたコア部材に対して周方向に並ぶよう該コア部材を貫通する複数の貫通孔を形成する際に、前記貫通孔の内周部のうち少なくとも前記コア部材外周側の所定範囲を形成する前記コア部材の端部を、積層時に前記複数のコア部材間に生じる隙間を覆うよう前記貫通孔の一貫通方向に向かって曲げた状態として、前記コア部材に前記複数の貫通孔を形成し、
前記複数の貫通孔が形成されたコア部材を該複数の貫通孔の位置と該コア部材の端部の曲げ方向とを一致させた状態で複数積層することにより前記ロータコアに前記複数の冷却通路を形成し、前記ロータを製造する、
ことを要旨とする。
この本発明のロータの製造方法では、略円環状に形成されたコア部材に対して周方向に並ぶようコア部材を貫通する複数の貫通孔を形成する際に、貫通孔の内周部のうち少なくともコア部材外周側の所定範囲を形成するコア部材の端部を、積層時に複数のコア部材間に生じる隙間を覆うよう貫通孔の一貫通方向に向かって曲げた状態として、コア部材に複数の貫通孔を形成する。そして、複数の貫通孔が形成されたコア部材を複数の貫通孔の位置とコア部材の端部の曲げ方向とを一致させた状態で複数積層することによりロータコアに複数の冷却通路を形成し、ロータを製造する。したがって、コア部材の端部を曲げることによりコア部材間の隙間が覆われるから、コア部材の他に樹脂材などの部材を用いずに、冷却通路からコア部材間の隙間への冷却媒体の漏れを抑制することができる。また、貫通孔の内周部のうち少なくともコア部材外周側の所定範囲でコア部材の端部を曲げるから、電動機の回転時などに冷却通路からコア部材間の隙間への冷却媒体の漏れによって引き摺り損失が生じるのを抑制することができる。しかも、コア部材を積層する前に、冷却通路を形成する貫通孔をコア部材に形成するから、冷却通路をより適正に形成することができる。これらの結果、ロータコアに形成された冷却通路からの冷却媒体の漏れにより引き摺り損失が生じるのをより簡易且つ適正に抑制することができる。ここで、「所定範囲」は、冷却通路から漏れた冷却媒体が電動機の回転時にロータとステータとの隙間に到達する可能性がある予め定められた範囲などを用いることができる。
こうした本発明のロータの製造方法において、前記貫通孔は、一辺を前記コア部材外周側に配置した多角形状であり、前記略円環状に形成されたコア部材に前記複数の貫通孔を形成する際に、前記一辺を形成する前記コア部材の端部の周方向両側にそれぞれ該周方向に略垂直な方向へ切り込みを入れ、前記貫通孔の内周部のうち前記周方向両側に切り込みが入れられたコア部材の端部を曲げた状態として、前記コア部材に前記複数の貫通孔を形成する、ものとすることもできる。こうすれば、冷却通路を形成する貫通孔の内周部をなすコア部材の端部を曲げやすくすることができる。
本発明の一実施例としての電動機20の構成の概略を示す構成図である。 図1の電動機20のA−A断面を示す断面図である。 実施例のコア部材50の構成の概略を説明する説明図である。 図2の冷却通路36の内壁面のうちロータコア32外周側の要部Bを拡大して模式的に示す説明図である。 所定の切削工具を用いてコア部材50に貫通孔56を形成する様子の一例を示す説明図である。 曲げ端部52が設けられていないコア部材50Bを積層してロータコアを構成した比較例の様子を示す説明図である。 変形例のコア部材150の構成の概略を説明する説明図である。 変形例のコア部材250の構成の概略を説明する説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例としての電動機20の構成の概略を示す構成図であり、図2は図1の電動機20のA−A断面を示す断面図であり、図3は実施例のコア部材50の構成の概略を説明する説明図であり、図4は図2の冷却通路36の内壁面のうちロータコア32外周側の要部Bを拡大して模式的に示す説明図である。実施例の電動機20は、図1や図2に示すように、中空円筒状の回転シャフト22に取り付けられた円筒状のロータ30と、内径がロータ30の外径よりも若干大きくなるよう円筒状に形成されたステータ40と、を備える同期発電電動機として構成されている。
ロータ30は、無方向性電磁鋼板を打ち抜き加工などにより円環状に形成したコア部材50を複数積層して構成された円筒状のロータコア32と、ロータコア32に埋め込まれた複数の永久磁石38と、を備える。コア部材50は、図3に示すように、中央を円盤状に貫通する貫通孔54と、周方向等間隔に8個設けられた窪みとしての凹部55と、一辺を円環の外周側に配置した三角形状で周方向等間隔に8箇所を貫通する貫通孔56と、貫通孔56より円環の外周側に短辺を径方向に配置した矩形状で周方向等間隔に8箇所を貫通する貫通孔58と、が形成されている。図3や図4に示すように、貫通孔56の内周では、三角形状の各辺のうち円環の外周側に配置された一辺について、この一辺を形成するコア部材50の端部52の周方向両側に、それぞれ周方向に略垂直な方向への切り込み51a,51bが入れられており、貫通孔56は、切り込み51a,51bが入れられた端部(以下、曲げ端部という)52を一貫通方向へ曲げた状態の三角形状の孔として形成されている。ロータコア32は、こうして形成されたコア部材50を複数積層する際に、凹部55を重ねてカシメにより積層状態を保持するカシメ部35を形成し、これにより、貫通孔54,56,58の各位置および曲げ端部52の曲げ方向を全てのコア部材50について一致させ、結果的に、貫通孔54により形成され回転シャフト22が取り付けられる取り付け部34と、貫通孔56により形成され冷却媒体(例えば、潤滑油など)が供給される8個の冷却通路36と、貫通孔58により形成され永久磁石38が嵌挿される8個のスロット37とが形成されると共に、三角柱状の冷却通路36の内壁面のうちロータコア32外周側の一面全体がコア部材50の曲げ端部52により形成される。また、ロータコア32の積層方向の両端面には、図1では省略したが、図2に示すように、中央から放射状に溝が設けられた円環状のエンドプレート24と、冷却通路36に対応する位置に穴が設けられた円環状のエンドプレート25とが取り付けられており、図2に点線矢印で示すように、図示しないポンプにより圧送され回転シャフト22の中空部23から供給された冷却媒体は、エンドプレート24に設けられた溝とロータコア32の一方の端面との間を通じて、ロータコア32を貫通する冷却通路36を流れ、ロータコア32の他方の端面からエンドプレート25に設けられた穴を通じて排出され、循環している。実施例の電動機20では、こうしてロータコア32の冷却通路36に冷却媒体を循環させることにより、ロータコア32や永久磁石38が冷却され、永久磁石38の減磁を抑制することができるようになっている。なお、ロータコア32のスロット37に嵌挿された永久磁石38は、図2に示すように、それぞれ軸方向(積層方向)の長さを略等しく分割した矩形状の2つの永久磁石38a,38bを軸方向に組み合わせたものとして構成されている。
ロータ30の製造は、まず、円盤状の板材に各8個の貫通孔54,58および凹部55を形成すると共に、板材の貫通孔56に相当する位置に切り込み51a,51bを入れてから所定の切削工具を用いて曲げ端部52の形成を伴って8個の貫通孔56を形成することによりコア部材50を形成し、その後、コア部材50を複数積層し、8個のスロット37に永久磁石38を嵌挿することによって行なわれる。図5に、所定の切削工具を用いてコア部材50に貫通孔56を形成する様子の一例を示す。図の例では、切削工具の一部として貫通孔56の曲げ端部52側を切削する先端部60に、刃先62とテーパー部64とが設けられており、テーパー部64の押し当てによってコア部材50の面方向から所定角度θだけ曲げられた曲げ端部52が塑性変形により形成されたタイミングで、先端部60をもつ所定の切削工具は一貫通方向(図中、下向き矢印の方向)への移動を停止する。所定角度θは、実施例では、図4に示すように、コア部材50を積層したときに曲げ端部52が重なり合う他のコア部材50に当接しない範囲でコア部材50間の隙間が覆うことができる最も大きい角度またはそれより若干小さい角度であるものとした。実施例のロータ30の製造工程では、こうしてコア部材50に曲げ端部52を形成した後にコア部材50を積層するから、複数のコア部材50の各々に均一な形状の曲げ端部52をより確実に形成することができる。なお、複数のコア部材50は、各々の位置決めを伴ってカシメにより積層されるため、均一な形状の曲げ端部52もコア部材50間の隙間を覆うように積層されることになる。
ステータ40は、12個の分割コア41を円環状に組み付けてなるステータコア42と、分割コア41間の複数のスロットに券回された図示しないコイルと、を備える。分割コア41は、無方向性電磁鋼板を打ち抜き加工などにより形成したコア部材を複数積層して構成されている。なお、図2では、コイルの一部がステータコア42から積層方向に突出した部分としてコイルエンド44のみが示してある。
ここで、冷却通路36の内壁面のうちロータコア32外周側の一面をコア部材50の曲げ端部52により形成した理由を説明する。図6に、図4の実施例の要部Bの様子と比較するため、曲げ端部52が設けられていないコア部材50Bを積層してロータコアを構成した比較例の様子を示す。複数のコア部材50をカシメにより積層するとコア部材50間に若干の隙間ができる。また、膨張率の異なるロータコア32と永久磁石38との各温度変化により、2つの永久磁石38a,38bの当接部分(ロータコア32の積層方向の中央部分)はコア部材50間の隙間の大きさが変化しやすい。比較例では、図6に点線矢印で示すように、冷却通路からコア部材50B間の隙間に冷却媒体が漏れ、漏れた冷却媒体が電動機の回転による遠心力によってロータとステータとのギャップに到達しやすく、引き摺り損失が生じやすいが、実施例では、コア部材50に曲げ端部52を形成し、冷却通路36の内壁面の一面にできるコア部材50間の隙間を覆うから、冷却通路36からコア部材50間の隙間に漏れるのを抑制することができ、電動機20の引き摺り損失を抑制することができる。しかも、三角柱状の冷却通路36の内壁面のうちロータコア32外周側に相当する一面、即ち、冷却通路36から漏れた冷却媒体が電動機20の回転時にロータ30とステータ40とのギャップに到達する可能性がある一面をコア部材50の曲げ端部52により形成するから、電動機20の回転時に冷却通路36から冷却媒体が漏れるのをより適正に抑制することができる。
以上説明した実施例の電動機20によれば、ロータコア32の冷却通路36の内壁面のうちロータコア32外周側の一面を形成するコア部材50の端部を、コア部材50間の隙間が覆われるようにコア部材50の一貫通方向すなわちロータコア32の一積層方向に曲げて曲げ端部52を形成するから、電磁鋼板によるコア部材50の他に樹脂材などの部材を用いずに冷却通路36からコア部材50間の隙間への冷却媒体の漏れを抑制することができ、また、ロータコア32外周側の一面を曲げ端部52により形成することにより冷却媒体がロータ30とステータ40との隙間に到達するのを抑制することができる。この結果、ロータコア32の冷却通路36からの冷却媒体の漏れにより電動機20の引き摺り損失が生じるのをより簡易且つ適正に抑制することができる。
実施例の電動機20では、ロータ30はロータコア32に埋め込まれた複数の永久磁石38を備える同期発電電動機のロータであるものとしたが、例えば誘導電動機などのように、ロータのロータコアには永久磁石が埋め込まれていないものとしてもよい。
実施例の電動機20では、コア部材50の貫通孔56は一辺を円環の外周側に配置した三角形状で、この一辺に曲げ端部52を形成するものとしたが、図7の変形例のコア部材150に示すように、貫通孔が一辺を円環の外周側に配置した四角形状で、この一辺に曲げ端部152(図中の太線部分)を形成するものとしてもよい。
実施例の電動機20では、コア部材の50の貫通孔56は一辺を円環の外周側に配置した三角形状で、この一辺に曲げ端部52を形成するものとしたが、図8の変形例のコア部材250に示すように、貫通孔がその内周に曲線を含む形状で、少なくともコア部材250外周側を含む所定範囲(図中の太線部部分)を一貫通方向に曲げて曲げ端部252を形成するものとしてもよい。この場合、コア部材250の所定範囲は、冷却通路から漏れた冷却媒体が電動機の回転(正回転及び負回転)時にロータとステータとのギャップに到達する可能性がある範囲として予め実験などにより定めることができる。
実施例の電動機20では、ロータコア32の冷却通路36の内壁面の一面を曲げ端部52により形成するものとしたが、冷却通路36の内壁面の全面を、コア部材の端部がロータコアの一積層方向に曲げられてなる曲げ端部により形成するものとしてもよい。
実施例の電動機20では、コア部材50の曲げ端部52の周方向両側に切り込み51a,51bを入れてから曲げ端部52を貫通孔56の一貫通方向に曲げるものとしたが、切り込みを入れることなく曲げ端部を貫通孔の一貫通方向に曲げるものとしてもよい。
実施例の電動機20では、ロータ30の製造は、貫通孔56の一貫通方向に曲げられてなる曲げ端部52をコア部材50に形成した後に、このコア部材50を複数積層することにより行なうものとしたが、三角形状の貫通孔は形成されているが曲げ端部が形成されていないコア部材を複数積層して貫通孔の積層による貫通路を形成した後に、この貫通路のロータコア外周側の一面を形成するコア部材の端部を一括で曲げ加工により曲げるなどとしてもよい。
実施例では、本発明を電動機20の形態として説明したが、こうした電動機を製造する製造方法の形態としても構わない。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、コア部材50が「コア部材」に相当し、ロータコア32が「ロータコア」に相当し、冷却通路36が「冷却通路」に相当し、ステータコア42が「ステータコア」に相当する。また、永久磁石38が「永久磁石」に相当し、コア部材150,250も「コア部材」に相当する。
ここで、「コア部材」としては、冷却通路を形成する8個や16個の貫通孔を有するコア部材50やコア部材150,250に限定されるものではなく、貫通孔の数は複数であれば幾つであってもよく、電磁鋼板により略円環状に形成されたものであれば如何なるものとしても構わない。「ロータコア」としては、ロータコア32に限定されるものではなく、複数のコア部材を積層することにより略円筒状に形成され、冷却通路がロータコアの周方向に並ぶよう複数形成されて、冷却通路の内壁面のうち少なくともロータコア外周側の所定範囲を形成する複数のコア部材の端部がそれぞれ複数のコア部材間に生じる隙間を覆うようにロータコアの一積層方向に向かって曲げられてなものであれば如何なるものとしても構わない。「冷却通路」としては、断面形状が三角形状の冷却通路36に限定されるものではなく、断面形状が四角形状や略楕円状など、ロータコアを積層方向に貫通し冷却媒体が供給されるものであれば如何なるものとしても構わない。「ステータコア」としては、分割コア41によるステータコア42に限定されるものではなく、一体コアなど、内径がロータコアの外径よりも若干大きくなるよう略円筒状に形成されたものであれば如何なるものとしても構わない。また、「永久磁石」としては、軸方向に分割された2つの永久磁石38a,38bの組み合わせによる永久磁石38に限定されるものではなく、ロータコアに埋め込まれたものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、電動機の製造産業などに利用可能である。
20 電動機、22 回転シャフト、23 中空部、24,25 エンドプレート、30 ロータ、32 ロータコア、34 取り付け部、35 カシメ部、36 冷却通路、37 スロット、38,38a,38b 永久磁石、40 ステータ、41 分割コア、42 ステータコア、44 コイルエンド、50,50B,150,250 コア部材、51a,51b 切り込み、52,152,252a,252b 曲げ端部、54,56,58 貫通孔、55 凹部、60 先端部、62 刃先、64 テーパー部。

Claims (4)

  1. 電磁鋼板により略円環状に形成された複数のコア部材を積層することにより略円筒状に形成されたロータコアに、該ロータコアを積層方向に貫通し冷却媒体が供給される冷却通路が該ロータコアの周方向に並ぶよう複数形成されてなるロータと、内径が前記ロータコアの外径よりも若干大きくなるよう略円筒状に形成されたステータコアを有するステータと、を備える電動機であって、
    前記ロータコアは、前記冷却通路の内壁面のうち少なくとも前記ロータコア外周側の所定範囲を形成する前記複数のコア部材の端部が、それぞれ該複数のコア部材間に生じる隙間を覆うように前記ロータコアの一積層方向に向かって曲げられてなる、
    電動機。
  2. 請求項1記載の電動機であって、
    前記冷却通路は、前記ロータコアの積層方向に垂直な方向の断面形状が一辺を前記ロータコア外周側に配置した多角形状であり、
    前記ロータコアは、前記冷却通路の内壁面のうち前記一辺を形成する前記複数のコア部材の端部が前記ロータコアの一積層方向に向かって曲げられてなる、
    電動機。
  3. 請求項1または2記載の電動機であって、
    前記ロータは、前記ロータコアに埋め込まれた複数の永久磁石を有する、
    電動機。
  4. 電磁鋼板により略円環状に形成された複数のコア部材を積層することにより略円筒状に形成されたロータコアに、該ロータコアを積層方向に貫通し冷却媒体が供給される冷却通路が該ロータコアの周方向に並ぶよう複数形成されてなるロータと、内径が前記ロータコアの外径よりも若干大きくなるよう略円筒状に形成されたステータコアを有するステータと、を備える電動機におけるロータの製造方法であって、
    前記略円環状に形成されたコア部材に対して周方向に並ぶよう該コア部材を貫通する複数の貫通孔を形成する際に、前記貫通孔の内周部のうち少なくとも前記コア部材外周側の所定範囲を形成する前記コア部材の端部を、積層時に前記複数のコア部材間に生じる隙間を覆うよう前記貫通孔の一貫通方向に向かって曲げた状態として、前記コア部材に前記複数の貫通孔を形成し、
    前記複数の貫通孔が形成されたコア部材を該複数の貫通孔の位置と該コア部材の端部の曲げ方向とを一致させた状態で複数積層することにより前記ロータコアに前記複数の冷却通路を形成し、前記ロータを製造する、
    ロータの製造方法。
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