JP2011220817A - 沸騰水型原子炉の制御棒 - Google Patents

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Abstract

【課題】沸騰水型原子炉の制御棒の隙間構造部分の腐食を抑制することを課題としている。
【解決手段】水平断面が十字型をした制御棒のシース4のシース内面4aの表面粗さを、日本工業規格JISB0601にて規定される算術平均高さRa表示で0.6a以下に酸洗処理にて低下させ、シース内面4aとシース4内のハフニウム楕円管5との間の隙間内に腐食生成物等が堆積することを抑制してその隙間の縮小による、隙間腐食の発生を抑制する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、沸騰水型原子炉に用いられる制御棒の腐食防止技術に関する。
原子炉の制御棒に採用されたハフニウム材の表面に化学研磨を施して、ハフニウムが高温水と反応して生成された水素を蓄積して腐食生成物を形成するという形態の腐食反応を抑制する技術が示唆されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、構造材同士間の隙間で、酸素濃淡電池の形成に由来して腐食反応が継続することへの防食対策は施されていなかった。
構造材同士が近接または接触する部分(以下では隙間部と記載)の酸素は消費され、豊富にある隙間外の酸素と酸素濃淡電池が形成されるため、腐食反応が継続しやすい環境となると考えられる。
また、原子炉で用いられるステンレス鋼による隙間部は、放射線照射,溶接残留応力,隙間構造の3つの要因が重畳するため、更に腐食反応が進みやすい環境になる。
例えば、沸騰水型原子炉に用いられる制御棒は原子炉炉心に設置されることから、ステンレス鋼製のシースには核燃料の核分裂反応により発生する中性子やγ線照射による材料劣化や酸化環境におかれる。その上、制御棒の製造過程でのシースとタイロッド、シースとハンドルとの溶接により発生する引張残留応力、シースとシース内に収められる中性子吸収材としてのハフニウム楕円管との間の隙間が発生している。
このように、制御棒には、その構造や使用環境によって、上述の隙間腐食環境の3つの要因が重なって影響するため、制御棒の構造や使用環境は、隙間腐食が発生しやすい条件となることが懸念される。
沸騰水型原子炉の制御棒として用いられている形状の一つに、中性子吸収材となる管状のハフニウム楕円管2枚をU字形シースに内包することで1枚のブレードを形成し、ブレード4枚を十字形に組み合わせたものがある(例えば、特許文献2,特許文献3,特許文献4参照)。
従来技術によるハフニウム楕円管を用いた沸騰水型原子炉の制御棒の一例を以下に説明する。十字形の平断面形状を有するタイロッド1の上端部にハンドル2が取り付けられ、下端部に下部支持部材3(または落下速度リミッタ)が取り付けられてフレームと呼ばれる骨格構造が形成される。
このフレームに、タイロッド1の上下長さの約半分の長さを持ち、中空楕円形の平断面形状を持つハフニウム楕円管5を、上部ハフニウムとしてハンドル2の舌状部位2aへピン6にて固定する。同じ形状のハフニウム楕円管5を下部ハフニウムとして下部支持部材3(または落下速度リミッタ)の舌状部位3aへピン6にて固定する。
さらに上記の上部ハフニウム及び下部ハフニウムは、ステンレス鋼製の概略U字形の断面形状を持つシース4により内包され、そのシース4の端部をハンドル2,タイロッド1,下部支持部材3(または落下速度リミッタ)に固定することにより、一つのブレードを形成する。
同様に、他の3つのブレードを平断面形状が概略十字形となるように形成することにより、制御棒が構成される。
特開昭60−39180号公報 特開平2−10299号公報 特開2002−71868号公報 特開平9−61576号公報
沸騰水型原子炉に用いられる制御棒においては、上述の隙間における腐食を防止する観点からシース4とハフニウム楕円管5で形成される隙間構造を回避する設計や、なるべく隙間間隔を拡大する方策を検討してきた。
しかし、制御棒の内部に納められる中性子吸収材であるハフニウム楕円管5の表面温度は高くなるため、制御棒の周囲から沸騰水型原子炉の冷却材をシース4内に導入することでハフニウム楕円管5の表面を冷却する構造を採用せざる得ず、おのずと、シース4とハフニウム楕円管5の間に隙間が設けられることになる。
その隙間幅をできるだけ大きくすることで冷却効果を得ることができるが、隙間幅を大きくすると、シース4の厚みが増すことになり制御棒全体を大きくすることになる。炉心部スペースの制約上制御棒の大型化は困難となっていることから、シース4の厚みを現在の設計値から大幅に増加することはできない。
さらには、冷却材中には、不純物や腐食生成物等が含まれており、狭い隙間部ではこれらが堆積しやすくなるため、初期に確保した隙間幅が時間の経過とともに縮小してしまう可能性がある。
制御棒の大型化を犠牲にしてまでも隙間幅を拡大する方策に転じても、経時的には、その隙間の不純物や腐食生成物等の堆積による狭あい化を十分防ぐことができない可能性がある。
従って、本発明の目的は、沸騰水型原子炉の制御棒において、シースと中性子吸収材の間の隙間幅を極力長い期間に渡り維持するもので、ひいては制御棒のシースと中性子吸収材との隙間部で発生する酸素濃淡電池の形成に由来しての腐食の発生を抑制することにある。
本発明の目的を達成するための手段は、中性子吸収材を内包するシースを備えた沸騰水型原子炉の制御棒において、前記シースの内面又は前記シースと対向する前記中性子吸収材外面の少なくとも一方の面の粗さを、日本工業規格JISB0601にて規定される算術平均高さRa表示で0.6a以下にしてあることを特徴とする沸騰水型原子炉の制御棒である。
また、少なくとも前記シースの上端から下方へ前記シース全長の10分の1の範囲の前記シース内面又は前記中性子吸収材の前記範囲に位置する外面を前記算術平均高さRa表示で0.6a以下にすることが好ましい。
また、前記シース内面又は中性子吸収材外面に機械研磨又は化学処理を施して前記シース内面又は前記中性子吸収材外面を前記算術平均高さRa表示で0.6a以下にすることが好ましい。
また、前記化学処理は酸洗処理であることが好ましい。
本発明によれば、沸騰水型原子炉の制御棒において、シースの内面又は中性子吸収材の外面の少なくとも一方の面について表面粗さを調整してシースの内面と中性子吸収材の外面との間の隙間に腐食生成物が堆積することを抑制したので、経時的にその隙間の幅が縮小しにくくなるため、制御棒のその隙間部における腐食発生を抑制することができる。
沸騰水型原子炉の制御棒の立面図である。 沸騰水型原子炉の制御棒が原子炉内で受ける中性子照射量の高さ方向の分布を説明する図である。 従来技術におけるハフニウム楕円管を用いた制御棒のタイロッドおよびブレード1枚の部分(シースとハフニウム楕円管)を示す平断面図である。 本発明の実施例1におけるハフニウム楕円管を用いた制御棒のタイロッドおよびブレード1枚の部分を示す平断面図である。 本発明の実施例2におけるハフニウム楕円管を用いた制御棒のハンドルおよび下部支持部材並びにブレード1枚の部分を示す立面図である。 本発明の実施例3におけるハフニウム楕円管を用いた制御棒のハンドルおよびブレード1枚の部分を示す立面図である。 本発明の実施例4におけるハフニウム棒を用いた制御棒のタイロッドおよびブレード1枚の部分を示す平断面図である。 各種表面仕上げ後のステンレス鋼の算術平均高さを測定した結果示すグラフ図である。 各種表面仕上げ後のステンレス鋼表面における乾燥残渣の大きさを測定した結果を示すグラフ図である。 従来技術における制御棒の製造方法の主な手順を示す図である。 本発明を適用した制御棒の第1の製造方法の主な手順を示す図である。 本発明を適用した制御棒の第2の製造方法の主な手順を示す図である。 本発明の実施例にシースとして採用するステンレス板の酸洗処理方法を示す図である。 本発明の実施例にシースとして採用するステンレス板曲げ加工後における酸洗処理方法を示す図である。 本発明の実施例にシースとして採用するステンレス板曲げ加工後における限定範囲の酸洗処理方法を示す図である。 本発明の実施例に中性子吸収材として採用するハフニウム楕円管の酸洗処理方法を示す図である。
本発明の発明者は、原子炉内にて用いられる制御棒の腐食抑制について、以下のように考察した。隙間腐食は、中性子照射,応力,隙間構造のどれか1つの要因を除くことにより防ぐことができる。しかし、制御棒は原子炉内で使用されることから中性子の照射環境を除くことは困難である。特に、図2に示すように、制御棒に内包された中性子吸収材の上端部、全長の1/10程度が高い中性子照射を受ける。
また、ハフニウム楕円管5を用いた制御棒はシース4とハンドル2およびシース4とタイロッド1との溶接に伴い、シース4の表面には引張残留応力が発生する。従来の技術で使用されている残留応力を低減させる方法として考えられる溶接後熱処理は、制御棒の構造や寸法精度の制約上、適用が困難である。
さらに、隙間部の腐食環境はシース4とハフニウム楕円管5との隙間部に、炉心冷却材に含まれる不純物や腐食生成物などが堆積することで、腐食の発生に寄与すると考える。シース4とハフニウム楕円管5の隙間は設計値に従って製作されるが、その隙間に腐食生成物等が堆積すると、その隙間の幅は縮小することになる。
以上のことから、原子炉内で用いられる制御棒の隙間腐食を抑制するための方策として、隙間構造が回避できない部位では腐食環境の経時的な悪化を抑制することが有効であると考えた。そこで、本発明の実施例では、シース4の内面またはハフニウム楕円管5やハフニウム棒7などの中性子吸収材の外面に不純物や腐食生成物の堆積を抑制できる制御棒を提供している。
本発明の実施例では、以下の技術的事項(1),(2),(3)のいずれかが採用されている。
(1)横断面が概略十字形のタイロッドと、概略U字形の横断面形状を有し、内部に中性子吸収材を内包するシースを備えた沸騰水型原子炉用制御棒において、シースの内面またはシースと対向する中性子吸収材外面の表面粗さを調整することで、腐食生成物の堆積を抑制し、ひいては隙間幅の縮小を抑制する。
(2)本発明においては、放射線の照射を特に強く受ける中性子吸収材上端部の範囲のシース内面またはシースと対向する中性子吸収材外面の表面粗さを調整することで、腐食生成物の堆積を抑制し、ひいては隙間幅の縮小を抑制する。
(3)本発明においては、横断面が概略十字形のタイロッドと、概略U字形の横断面形状を有し、内部に中性子吸収材を内包するシースを備えた沸騰水型原子炉用制御棒において、シースの内面またはシースと対向する中性子吸収材外面を酸洗処理することで、表面粗さを調整することで、腐食生成物の堆積を抑制し、ひいては隙間幅の縮小を抑制する。
中性子吸収材としてハフニウム楕円管5を用いた沸騰水型原子炉の制御棒の一例を以下に説明する。図3に示すような十字形の平断面形状を有するタイロッド1の上端部には図1のようにハンドル2が取り付けられる。そのタイロッド1の下端部には下部支持部材3(落下速度リミッタとも称せられる。)が取り付けられてフレームと呼ばれる制御棒の骨格構造が形成される。
このフレームに、タイロッド1の上下長さの約半分の長さを持ち、図3のような中空楕円形の平断面形状を持つハフニウム楕円管5を二列にして、上部ハフニウムとしてハンドル2の舌状部位2aへピン6にて固定する。同じ形状のハフニウム楕円管5を上部ハフニウムの下へ同じく二列にして下部ハフニウムとして配置して下部支持部材3(または落下速度リミッタ)の舌状部位3aへピン6にて固定する。
さらに上記の上部ハフニウム及び下部ハフニウムとして採用された各ハフニウム楕円管5は、図1,図3のようにステンレス鋼製の概略U字形の平断面形状を持つシース4の内側に、図3のように二列にして収納され、内包されている。
そのシース4の上下及び側の各端部はハンドル2やタイロッド1や下部支持部材3に固定されてフレームと一体化することにより、図3の平断面を有する一つのブレードを形成する。
同様にして、他の3つのブレードをフレームに装着して、計4枚のブレードがフレームの周囲に概略十字形となるように装備され、制御棒が構成される。
本発明の第1の実施例では、図4のようにシース4のシース内面4aの表面粗さを調整することで、シース内面4aとハフニウム楕円管5との間の隙間に腐食生成物が堆積することを抑制し、ひいてはその隙間の隙間幅の縮小を抑制する例である。
図4において、制御棒のシース4のシース内面4aの表面粗さを、表面粗さを表すパラメータである算術平均高さが規定値以下となるように化学処理として酸洗処理を施す。図4では、制御棒の長手方向軸に垂直な平断面のうち、タイロッド1及びブレード1枚の部分を示すが、その他のブレード3枚についても同様に酸洗処理する。
表面粗さを表すパラメータである算術平均高さは、たとえば、日本工業規格JISB0601で定められる算術平均高さRaを用いることができる。
図8は、ステンレス鋼の表面を機械研磨(耐水研磨紙、600番)した場合、酸洗処理した場合、鏡面仕上げした場合の三つの場合それぞれの算術平均高さRaを測定した図である。
その三つの場合のステンレス鋼の表面状態による腐食性を比較した結果、機械研磨した場合の試験片は腐食試験で腐食が見られたが、酸洗処理した場合の試験片は腐食しなかった。その腐食試験は、同じ処理をした2枚の試験片を重ね合わせて隙間を構成し、288℃の高温水中に500時間浸漬させた。試験期間中の水質条件は、溶存酸素濃度8ppm,導電率100μS/mに管理した。浸漬試験後に、重ね合わせた面において、腐食が起きているかどうかを電子顕微鏡で観察し、腐食の有無を判断した。
また、三つの場合のそれぞれの試験片上で鉄酸化物を混合した純水を常温で乾燥させると、図9のように残渣の大きさに差異が生じることがわかった。これは、機械研磨の残渣が一番大きく広がっており、鏡面仕上げのケースが一番小さくなることから、鏡面仕上げや酸洗処理の場合に比べ機械研磨の場合は親水性が高いと考えられる。
これらの結果から、算術平均高さが大きな表面のステンレス鋼は、鉄酸化物がなじみやすいため、2枚重ね合わせた隙間部で生成した腐食生成物(鉄酸化物)が堆積しやすく、より一層隙間を狭くしやすくなる。一方、滑らかな表面の場合は疎水性の特徴から、腐食生成物が堆積しにくく、隙間幅の低下を抑制することできるため、腐食が発生しなかったと考えられる。
そのため、この実施例のように、ステンレス製のシース4のシース内面4aを算術平均高さRaが0.6a以下となるよう表面の粗さを調製することにより、その表面に腐食生成物が堆積しにくく、シース4とハフニウム楕円管5との間の隙間の幅の縮小を抑制することができるため、制御棒の構成部材間の隙間における腐食環境の経時的な悪化を抑制することができる。
また、本実施例では、表面粗さを調整する対象をシース4の内面としたが、それに代えて、或いはそれに加えて、シース内面4aに対向するハフニウム楕円管5の外表面に対象を代える或いは対象を加えることであっても良い。
図5は本発明の第2の実施例を表している。この実施例では、既述の第1の実施例の制御棒に施したシース内面4aの表面に対する表面粗さの調製領域をシース内面4aのうち、シース4の上端から下方へシース4の全長Loの10分の1の範囲に限定した。
この実施例では、その限定した範囲について、酸洗処理を施して表面粗さを表すパラメータである算術平均高さRaを0.6aの規定値以下に調製したものである。
この実施例では、腐食環境のひとつである中性子照射量が多い上述の範囲について、腐食生成物が堆積しにくく、シース4とハフニウム楕円管5との間の隙間の幅の縮小を抑制することができるため、腐食環境が最も厳しい範囲において制御棒の構成部材間の隙間における腐食環境の経時的な悪化を抑制することができる。
また、シース4の内面に代えて、上部ハフニウムのハフニウム楕円管5の上端からシース4の全長Loの10分の1の範囲に存在しているハフニウム楕円管5外面の前述算術平均高さRaが前記の規定値以下になるように酸洗処理して採用しても良いし、ハフニウム楕円管5もシース4aも前述のように限定した範囲の前述算術平均高さRaが前記の規定値以下になるように酸洗処理して採用しても良い。
その他の技術的事項は第1の実施例と同じである。本実施例によれば、第1の実施例に比べ、表面粗さを調整する範囲を腐食環境がもっとも厳しくなる範囲に限定して、制御棒の腐食と制御棒の製作費用とを共に抑制するようにできる。
図6は本発明の第3の実施例を表している。この実施例では、既述の第2の実施例の制御棒に施したシース内面4a或いは上部ハフニウムの外表面或いはその両方に対する表面粗さの調製領域を、第2実施例に既述した上下方向範囲(シース4の全長Loの10分の1の範囲)に限定した上、さらにブレードの十字方向への水平突き出し方向においても、シース4と上部ハフニウムの間の隙間が他部所よりも縮小している、即ち、シース内面4aとハフニウム楕円管5の外表面との実質的な正対向する部分に限定した面について酸洗処理を施して表面粗さを表すパラメータである算術平均高さRaを0.6aの規定値以下に調製したものである。
従って、この実施例では、制御棒のブレードの水平突き出し方向に、間隔を開けて粗さが規定値以下に調製された領域が分割されて設定されていることになる。
その他の技術的事項は第2の実施例と同じである。本実施例によれば、粗さの調製範囲を第2の実施例に比較して一層縮小できる。
図7は本発明の第4の実施例を表している。第4の実施例では、既述の第1の実施例において上下各ハフニウムとして採用したハフニウム楕円管5に代えてハフニウム棒7を用いた場合の例である。
概略U字型のシースの内側には水平断面が円形中実であって上下方向に長い棒型のハフニウム棒7が複数列にも収納されている。シース内面4aの表面粗さが第1の実施例で述べた規定値以下になるように酸洗処理にて調整されている。
図示しないが、この実施例においても、既述の第2の実施例や第3の実施例と同様に、シース内面4a或いはハフニウム棒7外面或いはその両方について、表面粗さを調製する領域を限定して酸洗処理費用などを含む制御棒の製作費用を抑えるようにしても良い。
次に各実施例において、表面粗さを表すパラメータである算術表面高さRaを調整する方法としては既存のいずれの方法でも良いが、一例として、酸洗処理方法による場合について手順を以下に説明する。
図10は従来技術による制御棒製造方法のステップの一例を示している。図10において、STEP1でステンレス鋼板材であるシース素材をシース4の大きさに対応して所定の大きさに切り出した後、STEP2で概ねU字状に折り曲げ成型加工を実施してタイロッド1と接合一体化する、STEP3で通水孔の穴あけ加工や中性子吸収材としてのハフニウム楕円管5のシース4内への充填を行い、STEP4でハンドル2などの上部支持部材や下部支持部材(図示しない)をシース4などに接合して、完成となる。
図11は本発明の第1の実施例などで適用した制御棒製造方法の一例である。ここでは、従来どおりのSTEP1とSTEP2との間にSTEP10が実施される。STEP10では、シース4のシース内面4aに酸洗処理工程を施す。ここで、シース外面に同処理を実施しても制御棒の性能が低下することはない。その他のステップは従来と同じである。
具体的には図13に示すように、温度調節器11で液温を調節した酸洗処理液13を処理液循環器10で送水し、噴射ノズル12からシース4となるべきステンレス鋼板材8へ噴射する。
ステンレス鋼板材8から垂れ落ちるなどした余剰の酸洗処理液はステンレス鋼板材8下端から処理液回収容器9に落ちて回収され、再度処理液循環器10で噴射ノズル12側へ送水されて再利用する。酸洗処理液としては、硫酸,塩酸,硝酸,ふっ酸,クロム酸のいずれかを含む溶液を用いる。
また、図12は制御棒製造方法の別の一例を表している。即ち、シースを接合するSTEP1からSTEP3までは従来例の通りであるが、そのSTEP3とSTEP4の間にSTEP11が実施される。STEP11では、タイロッド1に接合したシース4のシース内面4aに酸洗処理工程を施す。
その酸洗処理工程は、具体的には、図14に示すように、シース4内部に上下に長い噴霧ノズル12aを挿入する。その噴霧ノズル12aはその上下方向と周方向に噴霧口が分散して装備されている。噴霧ノズル12aをシース4内に挿入し、温度調節器11で酸洗処理液13の液温を調節しながら処理液循環器10で噴霧ノズル12aへ送水し、噴霧ノズル12aから酸洗処理液13をシース4の内面に噴射する。
余剰の酸洗処理液13はシース4下端から処理液回収容器9へ垂れ落ちて回収され、再度処理液循環器10で噴霧ノズル12a側へ送水されて再利用する。
また、図15に示すように、噴霧ノズル12aの噴霧口をシース4の端部付近にのみ限定的に装備することによって、シース4の一端部から全長の1/10の範囲のみに概ね限定して酸洗処理液13を塗布することができる。このような限定範囲の酸洗処理は第2の実施例などにおいて採用される。
ハフニウム楕円管5やハフニウム棒7の酸洗処理方法が図16に示されている。一例としてハフニウム楕円管5の酸洗処理方法について以下に述べる。ハフニウム楕円管5の外表面全域への被覆処理を施す場合には、温度調節器11で処理液回収容器9内の酸洗処理液13の液温を調節しながら、ハフニウム楕円管5を水平にして酸洗処理液13の液面下に没して全体を浸漬する。その浸漬状態のハフニウム楕円管5を酸洗処理を受けるハフニウム楕円管部分5aとして鎖線にて図示してある。このような工程は第1の実施例などの制御棒を製造する際に用いられる。
ハフニウム楕円管5の外表面の端部の一部分に限定的に酸洗処理を施す場合には、温度調節器11で処理液回収容器9内の酸洗処理液13の液温を調節しながら、ハフニウム楕円管5を垂直にして酸洗処理を施したい範囲を酸洗処理液13の液面下に没して浸漬する。その没した範囲の部分は酸洗処理を受けるハフニウム楕円管5aとして鎖線にて図示してある範囲であって、その範囲は例えばシース4の上端部から下方へシース全長の10分の1に対向する範囲であって、酸洗処理して表面粗さを既述の規定の範囲に調整される範囲である。このような工程は第2の実施例などの制御棒を製造する際に用いられる。
酸洗処理は以上に限定されることなく、例えば、施工の時期などはSTEP4の後であっても良く、その場合には、制御棒の上部通水孔から酸洗処理液を通水し、下部通水孔から排水することで酸洗処理をシース4の内面とハフニウム楕円管5の外面に同時に実施することも可能である。
本発明は、原子炉の制御棒の隙間構造部分の腐食抑制対策として利用可能性がある。
1 タイロッド
2 ハンドル
3 下部支持部材
4 シース
5 ハフニウム楕円管
5a 酸洗処理を受けるハフニウム楕円管
6 ピン
7 ハフニウム棒
8 ステンレス鋼板材
9 処理液回収容器
10 処理液循環器
11 温度調節器
12 噴射ノズル
12a 噴霧ノズル
13 酸洗処理液

Claims (5)

  1. 中性子吸収材を内包するシースを備えた沸騰水型原子炉の制御棒において、前記シースの内面又は前記シースと対向する前記中性子吸収材外面の少なくとも一方の面の粗さを、日本工業規格JISB0601にて規定される算術平均高さRa表示で0.6a以下にしてあることを特徴とする沸騰水型原子炉の制御棒。
  2. 請求項1において、少なくとも前記シースの上端から下方へ前記シース全長の10分の1の範囲の前記シース内面又は前記範囲の前記中性子吸収材の外面を前記粗さにしてあることを特徴とする沸騰水型原子炉の制御棒。
  3. 請求項2において、前記制御棒のブレードの水平突き出し方向に、間隔を開けて前記粗さに調製された領域が分割されて設定されていることを特徴とする沸騰水型原子炉の制御棒。
  4. 請求項1から請求項3に記載のいずれか一項において、前記シース又は前記中性子吸収材に機械研磨又は化学処理で前記粗さの表面処理が施されていることを特徴とする沸騰水型原子炉の制御棒。
  5. 請求項1から請求項4に記載のいずれか一項において、前記化学処理は酸洗処理であることを特徴とする沸騰水型原子炉の制御棒。
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