JP2011220710A - 液体の検査方法および液体検査装置 - Google Patents

液体の検査方法および液体検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】検査前に調べておく検量データをより少なくしながら、多様化する製品に対応した検査が可能であると共に、濃度推定において推定誤差の低減を図ることが可能な爆発物原料などの検査方法および検査装置を提供する。
【解決手段】容器の外より容器内の液体に対して近赤外光を照射する近赤外光照射工程と、液体を透過した近赤外光または液体により散乱された近赤外光を受光する近赤外光受光工程と、受光した近赤外光の吸収スペクトルを分析して、容器内の液体における爆発物、爆発物原料および/または不正薬物の含有状況を検査する吸収スペクトル分析工程とを有し、吸収スペクトル分析工程が、吸収スペクトルを多変量解析することにより導かれた複数の判別式により分別した後、予め爆発物原料などの濃度が既知濃度の複数の液体の吸収スペクトルに基づいて作成された濃度推定式に代入して、爆発物原料などの濃度を測定する工程である液体の検査方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、光透過性の容器内に充填された液体の検査方法および液体検査装置に関し、詳しくは、光透過性の容器内に充填された液体における爆発物や爆発物原料あるいは不正薬物の含有状況を検査する検査方法および検査装置に関する。
2005年にイギリスで起きた同時爆破テロ事件を初めとして、近年、公共施設や公共交通機関を狙った爆破テロ事件が多発している。最近では旅客を装ったテロリスト等が、爆発物や爆発物原料等を混入あるいは溶解させた液体を、例えばペットボトルやガラス瓶等光透過性の飲料用容器に充填して、航空機等の内に持ち込むケースが増えている。また、麻薬や覚醒剤等の不正薬物を溶解させた液体を光透過性の容器に充填して密輸を行うケースも増えている。
前記の航空機内への爆発物や爆発物原料あるいは不正薬物の持ち込みに関しては、テロや密輸等の事件発生を防止する観点から、空港において旅客に対して手荷物検査が行われているが、多数の旅客を処理するためには迅速に検査を行う必要があり、短時間の検査で容器内に充填された液体が爆発物や爆発物原料あるいは不正薬物を含有しているか否かを判定することは容易ではない。
このような状況の下に、容器を開栓することなく、容器の外から充填されている液体を検知する方法として、ガソリン等の可燃性液体か否かを速やかに判断する検知方法が既に提案されている(特許文献1、非特許文献1)。ここに示された検知方法では、正規に充填された飲料の主成分である水と、ガソリン等液体可燃物において誘電率に相違があること、具体的には、水の誘電率に比べてガソリンの誘電率が小さいことを利用して危険物であるか否かの判断をしている。
しかしながら、最近、誘電率が水に近い危険物が用いられるケースが増えており、例えば、前記したイギリスで起きた事件の場合は、爆発物として、過酸化水素とアセトンとの混合溶液が用いられていた。このように、誘電率が水に近い液状の危険物の検知に対しては、前記非特許文献1に示された検知方法は、有効な方法とはいえない。
これに対して、アメリカでは、ラマン分光を用いることにより、過酸化水素水を光透過性の容器の外から探知できる装置が市販されている。しかしながら、ラマン分光を用いた場合には、光透過性の容器や充填された液体の蛍光が強く出るために感度をほとんど採ることができず、実用配備がほとんどなされていないのが現状である。
特開2005−274255号公報
東京ガス株式会社、東京ガス・エンジニアリング株式会社、"ボトル内液体物検査装置SLC−211Dの発売について"、[online]、平成16年11月1日、[平成20年9月22日検索]、インターネット、(URL:http://www.tokyo−gas.co.jp/Press/20041101.html)
このように、短時間で種々の爆発物や爆発物原料あるいは不正薬物等を検知する適切な手法がないため、テロ対策を行う必要がある公共施設や公共交通機関の内でも特に重要な航空機等では、現在飲料水等の持ち込みが禁止されているのが実状である。
そこで、本出願人は、本発明に先立って、ペットボトルやガラス瓶等の光透過性の容器内に充填された液体における爆発物や爆発物原料あるいは不正薬物の含有状況を、容器の外から迅速かつ確実に検知することができる検査方法および検査装置につき特許出願を行った(特願2008−259789号)。
以下、上記の本発明に先立つ特許出願(以下、「先願発明」という)につき、その概略を説明する。
即ち、先願発明は、
光透過性の容器内に充填された液体における爆発物、爆発物原料および/または不正薬物の含有状況を検査する液体の検査方法であって、
前記容器の外より、前記液体に対して近赤外光を照射する近赤外光照射工程と、
前記液体を透過した前記近赤外光または前記液体により散乱された前記近赤外光を受光する近赤外光受光工程と、
受光した前記近赤外光の吸収スペクトルを分析する吸収スペクトル分析工程とを有し、
前記吸収スペクトルを解析して、前記容器内に充填された液体における爆発物と爆発物原料および/または不正薬物の含有状況を検査することを特徴とする液体の検査方法(請求項1)であり、またこれらの工程を手段として有する検査装置(請求項8)である。
即ち、水は光に対して大きな吸収を示すが、近赤外光では比較的吸収が少なくなる。このため、危険物が含有された液体に近赤外光を照射し、得られた吸収スペクトルを分析することにより、危険物の含有状況を検査することができる。また、近赤外光の場合、ラマン分光のように容器や液体の蛍光が強く出て感度がとれないような問題がなく、充分に分析可能な吸収スペクトルを得ることができる。
また、過酸化水素水のように水と同じような特性を有する危険物であっても、得られた近赤外光の吸収スペクトルの解析方法を工夫することにより、危険物の含有状況を正確に検査することができる。
また、例えば、容器内に充填された液体が、水、お茶、ジュース、コーラ、コーヒー等異なっていても、各々の真正な吸収スペクトルを準備することにより、危険物の含有状況を容易に検査することができる。さらに、容器についても同様であり、無色、着色を問わず、各々の真正な吸収スペクトルを準備することにより、液体における危険物の含有状況を容易に検査することができる。
そして、上記検査方法を用いることにより、爆発物と爆発物原料および/または不正薬物の種類を特定する(請求項2)と共に、吸収スペクトル分析工程により分析した吸収スペクトルにおける所定の波長に対する吸光度を、予め爆発物、爆発物原料および/または不正薬物の濃度が既知濃度の複数の液体を用いて分析された吸収スペクトルに基づいて作成された濃度推定式に代入して、爆発物、爆発物原料および/または不正薬物の濃度を測定(請求項3)している。
これにより、ペットボトルやガラス瓶等の光透過性の容器内に充填された液体における爆発物や爆発物原料あるいは不正薬物の含有状況を、容器の外から迅速かつ確実に検知することが可能となる。
このように、先願発明においては、予め爆発物、爆発物原料および/または不正薬物の濃度が既知濃度の複数の液体を用いて分析された吸収スペクトルに基づいて濃度推定式を作成して、検査を行っている。
このため、先願発明においては、製品の全てについて吸収スペクトルを得ていた。しかし、容器の材質や形状、また内容物の種類、濃度、液量など製品の多様化に伴い、吸収スペクトルに変動が生じ、濃度推定の精度が下がる恐れがあった。また、このように商品の全てについて吸収スペクトルを得ること、さらに濃度推定式を作成することは、時間的にも、コスト的にも大きな負担となっていた。また、検査時においても大きな負担となっていた。
そこで、本発明は、前記した先願発明を利用しながら、さらに、より少ないデータで、多様化する製品に対応した検査が可能であると共に、濃度推定における推定精度の上昇を図ることが可能な検査方法および検査装置を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、以下の各請求項に示す発明により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。以下、各請求項毎に分けて説明する。
請求項1に記載の発明は、
光透過性の容器内に充填された液体における爆発物、爆発物原料および/または不正薬物の含有状況を検査する液体の検査方法であって、
前記容器の外より、前記液体に対して近赤外光を照射する近赤外光照射工程と、
前記液体を透過した前記近赤外光または前記液体により散乱された前記近赤外光を受光する近赤外光受光工程と、
受光した前記近赤外光の吸収スペクトルを分析することにより、前記容器内に充填された液体における爆発物、爆発物原料および/または不正薬物の含有状況を検査する吸収スペクトル分析工程とを有し、
前記吸収スペクトル分析工程が、前記吸収スペクトルを多変量解析することにより導かれた複数の判別式により分別した後、予め前記爆発物、爆発物原料および/または不正薬物の濃度が既知濃度の複数の液体の吸収スペクトルに基づいて作成された濃度推定式に代入して、前記爆発物、爆発物原料および/または不正薬物の濃度を測定する工程である
ことを特徴とする液体の検査方法である。
吸収スペクトルを多変量解析することにより導かれた複数の判別式により分別することにより、濃度推定式を適用する検査対象をしぼり込むことができるため、濃度推定を行う必要がある検査対象のデータ数を限定させることができ、濃度測定式(検量線)を作成するためのデータ数も限定させることができる。このとき、各データのスペクトルは限定した液体物の範囲内にあるため、濃度推定において推定誤差の低減、即ち、推定精度の上昇を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、
前記多変量解析が、主成分分析または判別分析であることを特徴とする請求項1に記載の液体の検査方法である。
主成分分析や判別分析は、情報の損失を小さくしながら、効率的に解析することができ、本発明に効果的に適用することができる。
請求項3に記載の発明は、
前記爆発物原料が、過酸化水素であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体の検査方法である。
過酸化水素水は水と物理的、化学的、光学的性質が似ており、従来の検査方法では短時間に検査することが難しいため、飲料用容器に充填して持ち込まれ易い。本発明は、このような過酸化水素水に対しても正確に検査することが可能であり、本発明の効果を顕著に発揮することができる。
請求項4に記載の発明は、
前記吸収スペクトル分析工程が、主成分分析により得られた主成分を用いて、液体可燃物の有無を判定する判別工程を有していることを特徴とする請求項3に記載の液体の検査方法である。
本発明者による種々の実験と検討により、主成分分析により得られた主成分を用いることにより、一連の検査工程の中で、液体可燃物を有する検査対象を分離できることが分かった。そして、このように液体可燃物を有する検査対象を分離することにより、濃度推定を行う必要がある検査対象のデータ数を限定させることができ、効率的な検査が可能となる。
請求項5に記載の発明は、
前記吸収スペクトル分析工程が、主成分分析により得られた主成分を用いて、過酸化水素の有無を判定する判別工程を有していることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の液体の検査方法である。
同様に、主成分分析により得られた主成分を用いることにより、検査対象が過酸化水素を含んでいるか否かを確実に判別できることが分かった。過酸化水素を含んでいないことが判明した検査対象を取り除くことにより、濃度推定を行う必要がある検査対象を限定させることができ、効率的な検査が可能となる。
なお、本請求項における判別工程を、請求項4に記載の判別工程と組み合わせることにより、濃度推定を行う必要がある検査対象をさらに限定させることができるため好ましい。なお、この組み合わせはいずれを先に行ってもよいが、請求項4に記載の判別工程を先に行う方が好ましい。
請求項6に記載の発明は、
前記吸収スペクトル分析工程が、主成分分析により得られた主成分を用いて、液量によるグループ分けを判定する判別工程を有していることを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載の液体の検査方法である。
本発明者の検討によれば、検査対象の液量によりスペクトルが大きく変動し、濃度推定に大きな影響を与えることが分かった。そこで、主成分分析により得られた主成分を用いて液量によるグループ分けを行ったところ、濃度推定において、スペクトルの変動による影響を抑制することができ、より正確な検査が可能となることが分かった。
なお、本請求項における判別工程も、前記した各判別工程と組み合わせてもよい。
請求項7に記載の発明は、
前記吸収スペクトル分析工程が、
第1の主成分分析により得られた主成分を用いて、液体可燃物の有無を判定する第1判別工程と、
第2の主成分分析により得られた主成分を用いて、過酸化水素の有無を判定する第2判別工程と、
第3の主成分分析により得られた主成分を用いて、液量によるグループ分けを判定する第3判別工程と
を有していることを特徴とする請求項3に記載の液体の検査方法である。
請求項4に記載の判別工程、請求項5に記載の判別工程および請求項6に記載の判別工程をこの順に行うことにより、液体可燃物を有する検査対象および過酸化水素を含んでいない検査対象を予め取り除いているため、グループ分けを行う必要がある検査対象を限定することができ、その後、各グループ毎に精度の高い濃度推定を行うことができる。
請求項8に記載の発明は、
前記吸収スペクトル分析工程が、前記吸収スペクトルとその2次微分スペクトルを用いた分析工程であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の液体の検査方法である。
吸収スペクトルに2次微分を施すことにより、重なり合った吸収バンドを分離することができ、また、バックグラウンド効果を除去することができるため、吸収スペクトルに生じた微妙な変化を鮮明に捉えることができる。この結果、濃度推定において、推定誤差のさらなる低減を図ることができる。
請求項9に記載の発明は、
前記濃度推定式が、回帰分析を用いて作成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の液体の検査方法である。
回帰分析を用いて濃度推定式を作成することにより、容器の材質や形状、また内容物の種類、濃度、液量などの変動要因に基づくスペクトルの変動をデータに組み込むことができるため、より精度の高い検査を行うことができる。
請求項10に記載の発明は、
前記回帰分析が、PLS回帰分析であることを特徴とする請求項9に記載の液体の検査方法である。
本請求項の発明においては、PLS回帰分析を用いているため、波長選択が不要で、全波長のデータを使用して、スペクトルの変動に強く、予測性能が高い(推定精度が高い)検査を行うことができる。
請求項11に記載の発明は、
光透過性の容器内に充填された液体における爆発物、爆発物原料および/または不正薬物の含有状況を検査する液体検査装置であって、
前記容器の外より、前記液体に対して近赤外光を照射する近赤外光照射手段と、
前記液体を透過した前記近赤外光または前記液体により散乱された前記近赤外光を受光する近赤外光受光手段と、
受光した前記近赤外光の吸収スペクトルを分析することにより、前記容器内に充填された液体における爆発物、爆発物原料および/または不正薬物の含有状況を検査する吸収スペクトル分析手段とを有し、
前記吸収スペクトル分析手段が、前記吸収スペクトルを多変量解析することにより導かれた複数の判別式により分別した後、予め前記爆発物、爆発物原料および/または不正薬物の濃度が既知濃度の複数の液体の吸収スペクトルに基づいて作成された濃度推定式に代入して、前記爆発物、爆発物原料および/または不正薬物の濃度を測定するように構成されている
ことを特徴とする液体検査装置である。
本請求項の発明は、検査方法の発明である請求項1の発明を、検査装置の面から捉えた発明であり、本請求項の発明に係る液体検査装置を用いることにより、爆発物、爆発物原料および/または不正薬物の含有状況を精度高く検査することができる。また、検査時間の短縮化を図ることができる。
本発明により、ペットボトルやガラス瓶等の光透過性の容器内に充填された液体における爆発物や爆発物原料あるいは不正薬物の含有状況を、容器の外から迅速かつ確実に検知することができる検査方法および検査装置であって、より少ないデータで、多様化する製品に対応した検査が可能であると共に、濃度推定において推定精度の上昇を図ることが可能な検査方法および検査装置を提供することができる。
本発明の一実施の形態の液体検査装置の要部の構成を示す図である。 本発明の一実施の形態における危険物検知のアルゴリズムを説明するフロー図である。 PLS回帰分析により過酸化水素の濃度推定式を求める手順を説明する図である。 各種の試料の2次微分吸収スペクトルとその主成分分析結果を示す図である。 液体可燃物を排除したサンプルについて、吸光度スペクトルの第2主成分と2次微分スペクトルの第5主成分のスコアプロットおよびローディンクプロットを示す図である。 黒色の飲料水とさらに一部の飲料水を排除したサンプルの2次微分吸収スペクトルの主成分分析結果を示す図である。 クラスAのPLS回帰分析における回帰ベクトル、検量線を示す図である。 クラスBのPLS回帰分析における回帰ベクトル、検量線を示す図である。 クラスAおよびクラスBの過酸化水素濃度測定結果を示す図である。 PLS回帰分析における回帰モデルである。
以下、本発明を実施の形態に基づき説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
1.液体検査装置
最初に、本実施の形態に係る液体検査装置の構成について、図1に基づいて説明する。図1は、本実施の形態に係る液体検査装置の主要部を模式的に示す図である。図1において、10は光源であり、11は集光レンズであり、12はシャッタであり、21は照射用光ファイバであり、22は受光用光ファイバであり、23は較正用光ファイバであり、30は容器載置台であり、31はリング状照射部であり、32は受光部であり、40は受光回折部であり、41はフィルタであり、42はスリットであり、43は光学格子であり、44はスペクトル用の光電変換センサであり、50はパーソナルコンピュータ(PC)であり、70はペットボトルである。また、ペットボトル70内の破線は反射および散乱により受光部32に入射する光である。
光源10から出た近赤外光を含む光(以下、単に「光」とも記す)は、シャッタ12を通り、集光レンズ11と照射用光ファイバ21により、効率良く容器載置台30上部のリング状照射部31に導かれ、ペットボトル70の底面から内部に照射される。そして、その内部で散乱された光の一部は、容器載置台30の上部中心の受光部32に入射し、受光用光ファイバ22を介して受光回折部40に導かれ、フィルタ41、スリット42を経て光学格子43に達し、スペクトル分解された後、スペクトル用の光電変換センサ44で対応する電気信号に変換され、電気信号がPC50に入力される。PC50は、予め入力されているプログラムとデータに従った数学的処理を施して、ペットボトル70内の液体の検査を行う。
ペットボトル70の内部で反射された光の正確な吸収スペクトルを得るために、光源10からのリファレンス光も較正用光ファイバ23を介して受光回折部40、さらにはPC50に入力可能となっている。
2.検査方法
次に、前記の液体検査装置を用いた検査の手順について説明する。なお、容器としてはペットボトルを用いている。
(1)試料の載置
検査対象のペットボトル70が容器載置台30に載置されると、自動的にセンタリング等がなされ、シャッタ12が開き、照射用光ファイバ21によりペットボトル70の底へ光が照射される。
(2)光の照射と散乱光の受光
前記の通り、光源10から発せられた光は集光レンズ11により集光され、照射用光ファイバ21を経由して容器載置台30に設けられたリング状照射部31に導かれ、近赤外光がペトボトル70およびペットボトル70内の液体に照射される。照射された近赤外光は前記液体により散乱されて破線で示した散乱近赤外光となる。散乱近赤外光は、容器載置台30に設けられた受光部32において受光され、受光用光ファイバ22を介して受光回折部40に導かれる。受光回折部40に導かれた散乱近赤外光はフィルタ41、スリット42を通って光学格子43に送られ、分光されて吸収スペクトルが得られる。
なお、前記の近赤外光には散乱されずに液体を通過するものもあり、この透過光を対象に分析を行うことも可能であり、この場合には受光部を照射部に対向して設けることにより、同様の処理を行うことができる。
(3)吸収スペクトルの分析
取得された吸収スペクトルの所定の複数の波長における吸光度は2次微分されて2次微分吸収スペクトルが求められる。2次微分を施すことにより、重なり合った吸収バンドを分離し、またバックグラウンド効果を除去することができ、採取された吸収スペクトルに生じた微細な変化を捉えることができる。そして、この吸収スペクトルおよび2次微分吸収スペクトルを多変量解析して、以下に示す検知アルゴリズムに従って検査がなされ、検査対象の危険物の種類や濃度等の含有状況が特定される。検査結果は、PC50やその他の表示手段、あるいは音声手段により伝達される。
なお、この検知アルゴリズムに基づく各処理は、PC50内にプログラムとして記録することができ、この場合には、ペットボトル70を容器載置台30に載置して近赤外光を照射するだけで検査結果を表示することができる。
3.検知アルゴリズム
次に、検査の内容を説明する。なお、以下の検知アルゴリズムにおいては、多変量解析として主成分分析を採用している。
(1)危険物検知のアルゴリズム
はじめに、危険物検知のアルゴリズムについて、図2に示すフロー図を用いて説明する。なお、本実施の形態で検査対象とするのは、液体可燃物、水、過酸化水素水、過酸化水素を含んでいない水以外の飲料水(以下、単に「飲料水」ともいう)である。
(2)液体可燃物の判別
最初に判別式1を用いて検査対象が液体可燃物か否かを判別し、液体可燃物と判別された検査対象を液体危険物として報知する。
(3)飲料水の判別
次に、判別式1において報知されなかった検査対象を判別式2、3を用いて2段階の検査で検査対象が過酸化水素を含んでいるか否かを判別する。このように、2段階の検査を行うのは、飲料水の性質による。過酸化水素を含んでいないと判別された検査対象は、危険性のない飲料水として報知される。
(4)液量に応じて設けられたグループの判別
次に、判別式2、3を用いて判別されなかった検査対象を、判別式4を用い、液量に応じて検査対象がいずれのグループに該当するかを判別する。
(5)過酸化水素の濃度の測定
次に、該当するグループの濃度推定式を用いて検査対象の過酸化水素の濃度を測定し、測定値が基準値以上である場合は危険物として報知する。
次に、濃度推定式の作成方法について説明する。なお、判別式の作成方法については実施例の中で具体的に説明する。
4.濃度推定式の作成
前記の濃度推定式は種々のペットボトルに入れられた各種濃度(既知)の過酸化水素水についての多数の測定データを用いて各グループ毎にPLS回帰分析や重回帰分析等の回帰分析を行い、各グループ毎の濃度推定式を作成する。
(1)PLS回帰分析による濃度推定式の作成と測定精度の評価
イ.PLS回帰分析による濃度推定式の作成
過酸化水素の濃度の検量線の作成には、波長選択が不要、全波長の情報を使用、スペクトルの変動に強い、予測性能が高い等の理由からPLS回帰分析が好ましく用いられる。PLS回帰分析における回帰モデルを図10に示す。
図3はPLS回帰分析により過酸化水素の濃度推定式を求める手順を説明する図である。具体的には、例えば過酸化水素の濃度が0%、8%、26%、31%であり、液量が100ml、200ml、300ml、400ml、500mlで4種類のペットボトルに入れられた各試料について図3(a)に示す690〜980nmの範囲における2次微分スペクトルを求め、得られた結果から上記回帰モデルにより図3(b)に示すβ(回帰ベクトル)を求めることにより、過酸化水素の濃度推定式が求まる。図3(c)は、回帰モデル作成に用いた検量データに評価データを加えて、実際の濃度と濃度推定式を用いて計算した濃度(推定濃度)との相関を示している。
なお、ペットボトルの形状の相違等による測定誤差は、濃度推定式の作成に際して用いるペットボトルの種類を多くすると小さくなるが、8種類以上用いてもそれ以上には小さくならない。従って、濃度推定式を導くには、ペットボトルの種類が多いほどよいが、実用上は、8種類程度のペットボトルを用いれば十分である。
ロ.測定精度の評価
評価には予測標準誤差(SEP:Standard Error of Prediction)を用いる。SEPは、誤差(残差)ベクトルfとその転置ベクトルf、および評価サンプル数nにより以下の式で表すことができ、過酸化水素の濃度が既知の試料の測定結果を用いてSEPを求めることにより、測定精度を評価することができる。
Figure 2011220710
但し、SEP:Standard Error of Prediction
(予測標準誤差)
f:誤差(残差)ベクトル
:fの転置ベクトル
n:評価サンプル数
である。
(2)重回帰分析による濃度推定式の作成
重回帰分析を用いる場合には、一般的な下記の(1)式に示す濃度の推定値と各波長における吸光度の関係を表す重回帰式を立て、(1)式に各種濃度の液体の濃度と吸収スペクトルの選定した複数の波長(λ)における吸光度を代入した方程式を必要数作成し、最小二乗法を用いて(1)式の回帰定数β、偏回帰係数βを決定する。
y=β+β+β+β+・・・+β (1)
x:選定した各波長λにおける吸光度(i=1〜p)
y:濃度
β:回帰定数(液量、容器、溶液等により決まる)
β:偏回帰係数(液量、容器、溶液等により決まる)
次に、β、βが決定された重回帰式(1)に別途用意した危険物の濃度が既知の液体の吸光度測定結果を代入して重回帰式(1)を評価し、必要に応じて補正を行って最終的に下記(2)式に示す濃度推定式を作成する。
c=K+K+K+K+・・・+K (2)
c :濃度(推定値)
:所定の各波長におる吸光度
、K(i=1〜p):定数
次に、実施例により液体危険物等の判別および過酸化水素の濃度測定について具体的に説明する。なお、本実施例では液量が100〜500mlのペットボトル入りの試料を検査対象とした。
1.主成分分析による液体危険物の判別
未開封の飲料水のデータ、水と過酸化水素水(0%、8%、26%、31%、45.5%)を液量100ml、200ml、300ml、400ml、500mlと変化させて容量が500mlの形状の異なる8種類のペットボトルに入れた試料のデータ、液体可燃物(アルコール、アセトン、ガソリン、サラダ油)を3段階で量を変えた試料のデータを使用し、主成分分析による液体危険物の判別を行った。
(1)液体可燃物か否かの判別
飲料水、水、45.5%の過酸化水素水、液体可燃物(アルコール、アセトン、ガソリン、サラダ油)をサンプリング試料として、それらの散乱・反射光から得られた吸収スペクトルを主成分分析により解析した。その結果、主成分分析により求められた第1主成分と第2主成分を用いることにより判別できることが分かった。
解析結果を図4に示す。図4は各種の試料の2次微分吸収スペクトルとその主成分分析結果を示す図であり、(a)は2次微分吸収スペクトルを示す図であり、(b)は2次微分吸収スペクトルを主成分分析して求めた第1主成分と第2主成分のローディング(判別式)プロットであり、(c)は第1主成分と第2主成分のスコアプロットである。(c)において、横軸は第1主成分の特徴量(スコア)であり、縦軸は第2主成分のスコアである。また、◇は飲料水や水であり、■は過酸化水素水であり、▲はアルコールであり、×はガソリンであり、□はサラダ油であり、◆はアセトンである。
(c)に示すように、第1主成分のスコアが0以上であれば液体可燃物(液体危険物)であり、0以下であれば液体可燃物ではないと判別できることが分かった。即ち、上記した図4に示した解析結果が図2の判別式1として好ましいことが分かった。
なお、第1主成分は水の特徴を反映したものであると考えられる。これにより、950nm付近の水の吸収バンドと少し短波長側にある吸収バンドを判別している。このため、水の吸収バンドを持つスペクトルはスコアが負の値になり、液体可燃物のように少し短波長(930nm付近)側に吸収バンドがあるスペクトルはスコアが正の値になる。このように、検査対象が液体可燃物であるか否は、2次微分吸収スペクトルの第1主成分のスコアだけで判別することができる。
また、(c)において液体可燃物の場合は種類ごとに液量の変化が直線状に表れており、この傾きにより液体可燃物の種別の判別が可能であることが分かる。
(2)飲料水の判別
液体可燃物でないと判定された場合には、「水、過酸化水素水」とお茶やコーラ等の「飲料水」との分離を行うこととなるが、この検査は前記したように第2判別式と第3判別式を用いた2段階に分けてなされる。
例えばコーラやサイダー等の炭酸飲料、緑茶、ウーロン茶、紅茶等の茶系飲料、スポーツ飲料、果汁、ミネラルウォーター等の水、乳性飲料など市販の各種飲料を、100ml、200ml、300ml、400ml、500ml(容量500ml未満のサンプルについては最大容量まで)で2回ずつ測定した。さらに、それぞれの容器(同種の容器を除く)で水、30%過酸化水素水を同様に測定し、合計952のスペクトルデータを得た。
次に、前記のデータについて主成分分析を行った。図5は、液体可燃物を排除した水、過酸化水素水、飲料水のサンプルについて、吸光度スペクトルの第2主成分と2次微分スペクトルの第5主成分のスコアプロットおよびローディングプロットを示す図であり、スコアプロットを図5(a)に、ローディングプロットを図5(b)に示す。図5(a)において、横軸は吸光度スペクトルの第2主成分であり、縦軸は2次微分スペクトルの第5主成分である。なお、◇は飲料水であり、□は水と過酸化水素水である。図5において2次微分スペクトルの第5主成分の値が0.001以上、あるいは吸光度スペクトルの第2主成分の値が2.5以上であれば、飲料水であると判別できることが分かった。これにより、図5を図2の判別式2、3とした。以上より、検査対象が飲料水であるか否かは、吸光度スペクトルの第2主成分のスコアと2次微分スペクトルの第5主成分のスコアを測定するだけで判別することができる。
なお、図5(b)より可視領域の波長を使って分離を行ったことが分かる。これにより、黒色の飲料水、お茶などが分離でき、過酸化水素水と共に、水、各種の飲料水(スポーツ飲料、カルピスソーダ等の白色液体、100%果汁飲料、サイダー、ミネラルウォーター、液量が少ないお茶等)の合計824種のデータが残った。
(3)液量によるグループ分け
過酸化水素の濃度測定について、種々の検討を行った結果、液量によるスペクトル変動は大きく、過酸化水素水中の過酸化水素の濃度の測定に大きな影響を与えるため、試料を液量(バンド強度)に応じてグループ分けし、各グループそれぞれに対応する濃度推定式を適用して濃度測定を行うことが望ましいことが分かった。そして、2次微分スペクトルの主成分分析により液量でグループ分けできることを見出した。
具体的には、前記のしぼり込んだ試料について、液量によるバンド強度変化が主成分として反映されやすいように、波長範囲を690〜900nmとした。図6は、黒色の飲料水とさらに一部の飲料水を排除したサンプルの2次微分吸収スペクトルの主成分分析結果を示す図であり、2次微分吸収スペクトルの第1主成分と第2主成分のスコアプロットを図6(a)に、ローディングプロットを図6(b)に示す。これを図2の判別式4とした。なお、図6(a)において、横軸は第1主成分であり、縦軸は第2主成分である。また、◇は水であり、□は過酸化水素水であり、△は飲料水である。
図6(a)において、第1主成分の判別基準値を0.0025とした。これにより、試料を100〜200ml程度のクラスAと200〜500ml程度クラスBの2グループにグループ分けした。このように、検査対象がどのグループに該当するかのグループ分けは、波長範囲が690〜900nmにおける2次微分吸収スペクトルの第1主成分のスコアを測定するだけで行うことができる。
上記した判別およびグループ分けに必要な測定は、いずれも短時間で行うことができる。そして、このように短時間に過酸化水素の濃度測定を必要とする検査対象を絞り込むことができるため、短時間に多数の検査対象を検査することができる。また、濃度測定の検査対象が水、過酸化水素水に絞り込まれる結果、液体の種別やペットボトルの形状等測定精度に影響を与えるファクターが低減されるため、測定精度が向上する。
2.回帰分析による過酸化水素水の濃度推定式の作成
前記したクラスA、クラスBのそれぞれについてPLS回帰分析により濃度推定式(検量線)を作成した。具体的には、クラスA、クラスBのそれぞれについて2回ずつ測定したデータの波長範囲690〜980nmにおける測定データの片方を検量データとして前記した回帰モデルにより濃度推定式(検量線)を作成した。なお、クラスAではファクター数を8とし、クラスBではファクター数を10とした。
(1)クラスA
クラスAの回帰ベクトル、検量線をそれぞれ図7(a)、(b)に示す。
(2)クラスB
クラスBの回帰ベクトル、検量線をそれぞれ図8(a)、(b)に示す。
図7(a)、図8(a)の横軸は波長、縦軸は回帰ベクトルである。図7(b)、図8(b)の横軸は検量線の作成に用いた試料の過酸化水素の実際の濃度であり、縦軸は推定(測定)濃度である。
3.濃度測定結果
(1)測定結果
2回ずつ測定した測定データのうち、検量線の作成に用いていない他方の測定データに基づいて検量線から求められる推定濃度、即ち測定値と実際の濃度に基づいてプロットした。クラスA、クラスBのプロットした結果をそれぞれ図9(a)、(b)に示す。図の横軸は実際の濃度、縦軸は推定濃度である。(a)(b)共に推定濃度は実際の濃度である0%と30%を中心にして狭い範囲に分布しており、精度の高い良好な測定が行われたことが分かる。
(2)測定精度の評価
図9(a)、(b)に示した結果に基づいて前記したSEPを算出し、測定精度を定量的に評価した。(a)においてSEPは2.81%、(b)においてSEPは2.78%と小さく、グループ分けしない場合の例えば4.25%に比べて測定精度が大幅に向上していることが確認された。
なお、実際の検査においては、過酸化水素の測定濃度が例えば図2に示すように15%以上の場合は、高濃度化酸化水素水(危険物)と判定される、即ち危険物として検知され、15%未満の場合には危険物としては検知されないようにする。
上記したように、本実施例においては、多数の検査対象を短時間に検査することができ、また、過酸化水素の濃度を精度良く測定することができる。
このように、本実施の形態によれば、多数の試料を相手にしても系統的に分析を行うことにより、効率的に判別を行って濃度推定が必要な試料を絞り込むことができる。そして、推定精度も向上させることができる。
以上説明した本発明の飲料用容器内の液体の検査技術は、空港における乗客が持ち込もうとする飲料用容器の検査に特に大きな効果を発揮する。
10 光源
11 集光レンズ
12 シャッタ
21 照射用光ファイバ
22 受光用光ファイバ
23 較正用光ファイバ
30 容器載置台
31 リング状照射部
32 受光部
40 受光回折部
41 フィルタ
42 スリット
43 光学格子
44 スペクトル用の光電変換センサ
50 パーソナルコンピュータ
70 ペットボトル

Claims (11)

  1. 光透過性の容器内に充填された液体における爆発物、爆発物原料および/または不正薬物の含有状況を検査する液体の検査方法であって、
    前記容器の外より、前記液体に対して近赤外光を照射する近赤外光照射工程と、
    前記液体を透過した前記近赤外光または前記液体により散乱された前記近赤外光を受光する近赤外光受光工程と、
    受光した前記近赤外光の吸収スペクトルを分析することにより、前記容器内に充填された液体における爆発物、爆発物原料および/または不正薬物の含有状況を検査する吸収スペクトル分析工程とを有し、
    前記吸収スペクトル分析工程が、前記吸収スペクトルを多変量解析することにより導かれた複数の判別式により分別した後、予め前記爆発物、爆発物原料および/または不正薬物の濃度が既知濃度の複数の液体の吸収スペクトルに基づいて作成された濃度推定式に代入して、前記爆発物、爆発物原料および/または不正薬物の濃度を測定する工程である
    ことを特徴とする液体の検査方法。
  2. 前記多変量解析が、主成分分析または判別分析であることを特徴とする請求項1に記載の液体の検査方法。
  3. 前記爆発物原料が、過酸化水素であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体の検査方法。
  4. 前記吸収スペクトル分析工程が、主成分分析により得られた主成分を用いて、液体可燃物の有無を判定する判別工程を有していることを特徴とする請求項3に記載の液体の検査方法。
  5. 前記吸収スペクトル分析工程が、主成分分析により得られた主成分を用いて、過酸化水素の有無を判定する判別工程を有していることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の液体の検査方法。
  6. 前記吸収スペクトル分析工程が、主成分分析により得られた主成分を用いて、液量によるグループ分けを判定する判別工程を有していることを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載の液体の検査方法。
  7. 前記吸収スペクトル分析工程が、
    第1の主成分分析により得られた主成分を用いて、液体可燃物の有無を判定する第1判別工程と、
    第2の主成分分析により得られた主成分を用いて、過酸化水素の有無を判定する第2判別工程と、
    第3の主成分分析により得られた主成分を用いて、液量によるグループ分けを判定する第3判別工程と
    を有していることを特徴とする請求項3に記載の液体の検査方法。
  8. 前記吸収スペクトル分析工程が、前記吸収スペクトルとその2次微分スペクトルを用いた分析工程であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の液体の検査方法。
  9. 前記濃度推定式が、回帰分析を用いて作成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の液体の検査方法。
  10. 前記回帰分析が、PLS回帰分析であることを特徴とする請求項9に記載の液体の検査方法。
  11. 光透過性の容器内に充填された液体における爆発物、爆発物原料および/または不正薬物の含有状況を検査する液体検査装置であって、
    前記容器の外より、前記液体に対して近赤外光を照射する近赤外光照射手段と、
    前記液体を透過した前記近赤外光または前記液体により散乱された前記近赤外光を受光する近赤外光受光手段と、
    受光した前記近赤外光の吸収スペクトルを分析することにより、前記容器内に充填された液体における爆発物、爆発物原料および/または不正薬物の含有状況を検査する吸収スペクトル分析手段とを有し、
    前記吸収スペクトル分析手段が、前記吸収スペクトルを多変量解析することにより導かれた複数の判別式により分別した後、予め前記爆発物、爆発物原料および/または不正薬物の濃度が既知濃度の複数の液体の吸収スペクトルに基づいて作成された濃度推定式に代入して、前記爆発物、爆発物原料および/または不正薬物の濃度を測定するように構成されている
    ことを特徴とする液体検査装置。
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