JPH08170941A - 残留農薬分析方法 - Google Patents

残留農薬分析方法

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JPH08170941A
JPH08170941A JP33399294A JP33399294A JPH08170941A JP H08170941 A JPH08170941 A JP H08170941A JP 33399294 A JP33399294 A JP 33399294A JP 33399294 A JP33399294 A JP 33399294A JP H08170941 A JPH08170941 A JP H08170941A
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広明 石澤
Masako Nakamura
昌子 中村
Tatsuo Okamura
達雄 岡村
Eiji Toba
栄治 鳥羽
Katsuhiko Ichimura
克彦 市村
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Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 農作物の残留農薬の濃度が許容値以下か否か
を短時間で判別する。 【構成】 赤外吸収スペクトルとガスクロマトグラフィ
による濃度値に基づく判別分析により、正準変数及び二
次判別関数の式を導出しておく(a)。その後、未知試料
に対しFTIR−ATR法により得られた赤外吸収スペ
クトルを用いて、正準変数の式により残留農薬の有無を
判定し、有りと判定された場合は二次判別関数の式によ
り残留濃度が許容値以下か否かを判定する(b)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、野菜などの農作物にお
ける農薬の残留濃度が許容値以下か否かを判別する残留
農薬分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、農作物における残留農薬の測定に
は、ガスクロマトグラフィや液体クロマトグラフィが用
いられている。また、最近、農薬成分が呈する抗体抗原
反応を利用した残留農薬の検定法(J. H. Gibbons : Pe
sticide Residues in Food, 37/46 Technomic Publishi
ng Co,Inc. (1992))や、農薬成分が発する蛍光を測定
するオプティカルバイオセンサを用いた分析法(M. Eld
efrawi, K. Rogers, A.Eldefrawi : Optical Biosensor
for Detection of Anticholinesterase, Reviews In P
esticide Toxicology 1,329/335 (1991))、細管式電気
泳動法を利用した機器分析法(葛原茂広、春見隆文、北
村義明:高性能キャピラリー電気泳動(HPCE)を用
いた食品中のタール系色素および残留農薬の分析、日本
農芸化学会1993年大会要旨集、321 (1993))が、残留農
薬の測定法として提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】野菜などの農作物に農
薬が残留している場合には人の健康を徐々に損ねるおそ
れがあるとして、残留農薬に対する消費者の関心が高ま
っている。これを受けて厚生省は、平成4年以来現在に
至るまでに新たに60種以上の農薬について残留規準を
追加設定している。このような背景の下、安全性が保証
された農作物を供給するために、農作物が収穫されてか
ら出荷されるまでの限定された時間内に、残留農薬の濃
度が許容値以下か否かを精度よく判別することが要求さ
れている。
【0004】しかし、従来のガスクロマトグラフィや液
体クロマトグラフィという化学測定は、試料である農作
物の細断、均一化、抽出、及び/又は分離、精製などの
前処理を必要とし、この前処理に長時間(4〜5時間以
上)を要する。また、この前処理の内容は、測定対象の
農薬成分毎に異なっているため、測定に熟練を要する。
したがって、従来の化学測定では、農作物が収穫されて
から出荷されるまでの限定された時間内に測定を終了さ
せ、農作物の安全性を流通前に確認するという要求に応
えることができない。
【0005】また、最近提案された前述の測定法におい
ても、試料の均一化及び抽出などの前処理が必要である
という従来の化学測定と同様の問題があり、抗体抗原反
応を利用する場合には、この反応の選択性のため測定可
能な農薬成分が限定されるという問題もある。
【0006】そこで、本発明は、農作物の安全性を流通
前に確認するために、残留農薬の濃度が許容値以下か否
かを短時間で判別し、かつ分析対象の農薬成分が限定さ
れない残留農薬分析方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明では、農作物の表面に残留している農
薬成分の濃度が許容値以下か否かを判別する残留農薬分
析方法において、 a)前記農薬成分の残留濃度が既知の種々の値である複
数の農作物の表面における前記農薬成分による赤外吸収
スペクトルのデータを、赤外分光光度計を利用したAT
R法により採取する第1ステップと、 b)第1ステップにおいて採取されたデータを用い、前
記複数の農作物を所定の検出限界値に基づいて農薬成分
非残留農作物群と農薬成分残留農作物群とに分類して判
別分析を行なうことにより、該分類に対応する正準変数
の式及び第1の境界値を導出する第2ステップと、 c)第1ステップにおいて採取されたデータを用い、残
留している前記農薬成分の濃度が許容値以下か否かによ
り前記農薬成分残留農作物群を二つの農作物群に分類し
て判別分析を行なうことにより、該分類に対応する二次
判別関数の式及び第2の境界値を導出する第3ステップ
と、 d)赤外分光光度計を利用したATR法により、前記農
薬成分の残留濃度が未知である分析対象の農作物の表面
における前記農薬成分による赤外吸収スペクトルのデー
タを採取する第4ステップと、 e)第4ステップにおいて採取されたデータを用いて前
記正準変数の式により正準変数の値を算出し、該値を第
1の境界値と比較することにより前記分析対象の農作物
の表面に前記農薬成分が残留しているか否かを判定する
第5ステップと、 f)第5ステップにおいて前記農薬成分が残留している
と判定された場合に、第4ステップにおいて採取された
データを用いて前記二次判別関数の式により二次判別関
数の値を算出し、該値を第2の境界値と比較することに
より前記分析対象の農作物の表面に残留している前記農
薬成分の濃度が許容値以下か否かを判定する第6ステッ
プと、を有することを特徴としている。
【0008】
【作用】まず、農薬成分の残留濃度が既知の種々の値で
ある複数の農作物に対し、それらの表面に残留している
農薬成分による赤外吸収スペクトルのデータが、赤外分
光光度計を利用したATR(Attenuated Total Refrect
ance)法により採取される(第1ステップ)。すなわ
ち、その農作物の葉などを密着させたATRプリズムに
赤外光を入射させ、内部で全反射を繰り返してATRプ
リズムを透過した赤外光を検出することにより、赤外吸
収スペクトルのデータが採取される。次に、このスペク
トルデータを用い、前記複数の農作物を農薬成分非残留
農作物群と農薬成分残留農作物群とに分類して判別分析
が行なわれ、これにより、その分類に対応する判別関数
としての正準変数の式及び判別の分点としての第1の境
界値が導出される(第2ステップ)。また、前記スペク
トルデータを用い、農薬成分の残留濃度が許容値以下か
否かにより農薬成分残留農作物群を二つの農作物群に分
類して判別分析が行なわれ、これにより、その分類に対
応する二次判別関数の式及び判別の分点としての第2の
境界値が導出される(第3ステップ)。以後、未知の農
作物における農薬成分の残留濃度が許容値以下か否かが
第4ステップ〜第6ステップにより迅速に判別できる状
態となる。
【0009】以後において、未知の農作物における農薬
成分の残留濃度が許容値以下か否かを判別する際には、
第1ステップと同様に、赤外分光光度計を利用したAT
R法により、その農作物の表面における農薬成分による
赤外吸収スペクトルのデータが採取される(第4ステッ
プ)。次に、このスペクトルデータを用いて、前記正準
変数の式により正準変数の値が算出され、その値が第1
の境界値よりも大きいか否かにより農薬成分がその農作
物の表面に残留しているか否かが判定される(第5ステ
ップ)。ここで残留していると判定された場合は、更
に、第4ステップにおいて採取されたスペクトルデータ
を用いて、前記二次判別関数の式の値が算出され、その
値が第2の境界値よりも大きいか否かにより、その農作
物の表面に残留している農薬成分の濃度が許容値以下か
否かが判定される(第6ステップ)。
【0010】
【実施例】
[全体構成]図2は、本発明の一実施例である残留農薬
分析システムのハードウェア構成を示す図である。この
残留農薬分析システムは、干渉計10、ATR測定装置
20、制御部30、及びパーソナルコンピュータ(パソ
コン)40から構成される。
【0011】干渉計10は、ビームスプリッタ14、固
定鏡16、及び移動鏡18を備えており、光源12から
発せられた赤外光が入射される。入射された赤外光は、
まず、ビームスプリッタ14で二つの光束に分割され、
一方の光束は固定鏡16により、他方の光束は移動鏡1
8により、それぞれ反射される。反射された両光束はビ
ームスプリッタ14で再び一つの光束となって干渉計か
ら出射していく。この干渉計10では移動鏡18が直線
状に往復運動し、これにより二つの光束の光路差が変化
する。これらの光束を合わせることによって干渉光(赤
外干渉光)が得られ、この干渉光が干渉計10から出射
される。
【0012】ATR測定装置20は、ATRプリズム2
2、グリッパ24、及びミラーM1〜M4を備えてお
り、分析対象の試料(農作物)26がグリッパ24によ
ってATRプリズム22に押し付けられてATRプリズ
ム22に密着した状態となっている。上記干渉計10か
ら出射された干渉光は、このATR測定装置20に導入
され、ミラーM1を経てATRプリズム22に一方の端
面から入射される。ATRプリズム22は、赤外光を透
過させる屈折率の大きい材質(例えばZnSe、Geな
ど)から成り、このATRプリズム22に入射した干渉
光(赤外光)は、その内部で全反射を繰り返しながら透
過する。このとき、干渉光はATRプリズム22に密着
した試料26に多少入り込んでから反射する。このた
め、ATRプリズム22の内部で全反射を繰り返した後
の干渉光を測定することにより、試料26の表面に残留
する農薬による赤外吸収スペクトルを得ることができる
(このようにして試料表面の赤外吸収スペクトルを得る
方法は「ATR法」と呼ばれる)。そこで本実施例で
は、ATR測定装置20に赤外光を検出する検出器28
が設けられており、ATRプリズム22の内部で全反射
を繰り返して他方の端面から出射した干渉光は、ミラー
M2〜M4を経てこの検出器28で受光される。これに
より、ATRプリズム22から出射した干渉光に応じた
検出信号Sdが検出器28から出力される。
【0013】制御部30は、この検出信号Sdを入力
し、これをA/D変換して干渉信号データを得る。そし
て、この干渉信号データをフーリエ変換することによっ
て赤外エネルギースペクトルのデータを生成する。実際
にATR法により試料26の赤外吸収スペクトルを測定
する場合は、まず、試料26が無い状態で赤外エネルギ
ースペクトルを測定する。これがバックグランドスペク
トルである。次に、試料26をATRプリズムに密着さ
せて赤外エネルギースペクトルを測定する。この試料2
6の赤外エネルギースペクトルを前述のバックグランド
スペクトルで除算することにより、ATR法による赤外
吸収スペクトルのデータ(以下「スペクトルデータ」と
いう)が得られる。このスペクトルデータに基づき、制
御部30内の表示部に赤外吸収スペクトルが表示され
る。また、このスペクトルデータは、RS−232C等
のインタフェイスを介してパソコン40に転送される。
【0014】パソコン40は、その内部のメモリに正準
変数の式及び二次判別関数の式を予め記憶しており、こ
れらの式に基づき制御部30から転送されてきたスペク
トルデータを用いて、正準変数の値及び二次判別関数の
値を算出する。そして、この算出値に基づき、試料26
に残留する農薬の濃度が許容値以下か否かを判別する。
【0015】[判別関数の式の導出]上記構成の残留農
薬分析システムにおいて、パソコン40内のメモリに記
憶させておくべき正準変数の式及び二次判別関数の式
(以下、これらの式を総称して「判別関数の式」とい
う)は、図1(a)に示す手順で導出される。以下、図
1(a)を参照しつつ、判別関数の式の導出について説
明する。
【0016】判別関数の式を導出するためには、まず、
上記と同様の測定法すなわちFTIR(Fouier Transfo
rm Infrared Spectrophotometer)を利用したATR法
(以下「FTIR−ATR法」という)による測定S1
0により、複数の試料について赤外吸収スペクトルのデ
ータ(スペクトルデータ)を得る。また、これら複数の
試料について、前処理S12を行なった後、ガスクロマ
トグラフによる分析S14を行なって分析対象の農薬成
分の濃度を測定する(以下、この測定値を「GC値」と
いう)。次に、分析対象の農薬成分の特徴吸収波数に対
応するスペクトルの面積強度を前記スペクトルデータか
ら算出し、この面積強度を変数(観測値)とする判別分
析S16を行なう。ただし、面積強度の計算は赤外吸収
スペクトルをLog変換して得られる吸光度スペクトル
に対して行なう。また、この判別分析S16ではGC値
を分析対象の農薬成分の残留濃度の真値とする。このよ
うな判別分析により判別関数の式を導出し、それらをパ
ソコン40内のメモリに記憶する。
【0017】本実施例では、赤外吸収スペクトルの上記
測定において、波数分解能は2cm-1、積算回数は100
回であり、ATRプリズム22はZnSe製であってその
測定面寸法は7mm×90mmであり、干渉光の試料26へ
の入射角は45度である。
【0018】また本実施例では、試料として、実栽培さ
れた76個体のレタスにおける最も外側の葉の内側先端
部が使用されており、分析対象の農薬成分はTetrachlor
oisophthalonitrile(以下「T.P.N.」という)である。
ここでレタスは、T.P.N.を含有する殺菌剤であるダコニ
ールの散布回数を、1週間間隔で0ないし3回と変えて
散布し、収穫の14日前に散布を終了したものが用いら
れている。1回の散布では、通常散布される標準的な濃
度および量であるダコニールの1000倍希釈溶液が、
100m2当たり0.4m3の割合で散布されている。ま
た、ダコニール以外の農薬はレタスの栽培慣行法にした
がって散布されている。
【0019】本実施例における判別関数の変数は、T.P.
N.の特徴吸収波数である3つの波数帯での吸光度スペク
トルの面積強度、すなわち、1378.3cm-1、1265.5cm-1
980.0cm-1のそれぞれを中心波数とし、±5cm-1の領域で
スペクトルを積分して得られる面積強度である。本実施
例における判別分析S16では、まず、図3に示すよう
に、ガスクロマトグラフィS14によるT.P.N.の測定値
(GC値)によって試料を3群に分類する。すなわち、
GC値が0.005ppm未満の試料をA群、0.005ppm〜1.0ppm
の試料をB群、1.0ppmを越える試料をC群とする。次
に、FTIR−ATR法による測定S10によって得ら
れた各試料に対するスペクトルデータを用いて、各試料
毎に、前記3波数帯でのスペクトルの面積強度を算出
し、この算出値を用いて正準分析を行なう(参考文献:
田中、垂水、脇本、「統計解析ハンドブックII」、72/1
59、共立出版(1988))。すなわち、第1正準変数Z1
を Z1=a1+b11・A1+b21・A2+b31・A3 …(1) とおき、図3に示したA群〜C群について第1正準変数
Z1に関する群間平方和SBと群内平方和SWとの比SB/
SWが最大となるように、上式における係数b11、b2
1、b31の値を決定する。ここでA1、A2、A3は、T.P.
N.の特徴吸収波数帯でのスペクトルの面積強度である。
なお定数a1は、判別分析において本質的なものではな
いため、後の処理に都合の良い値を適宜選べばよい。
【0020】次いで、二次元特徴空間において試料群の
判別を検討するために、第2正準変数を求める。すなわ
ち、第2正準変数Z2を Z2=a2+b21・A1+b22・A2+b23・A3 …(2) とおき、第1正準変数Z1と第2正準変数Z2との相関が
最も低くなるように、上式における定数a2及び係数b1
2、b22、b32の値を決定する。
【0021】以上のようにして第1及び第2正準変数Z
1、Z2を求めると、 Z1=0.618+0.031A1+0.308A2+0.768A3 …(3) Z2=1.532+0.619A1−0.067A2+0.804A3 …(4) が得られる。
【0022】図4は、上記二つの正準変数Z1及びZ2に
よる二次元特徴空間における試料群の散布図である。す
なわち図4は、試料としての76個体のレタスそれぞれ
についてのスペクトルデータを用いて、前記正準分析に
よって決定された第1正準変数の式(3)及び第2正準変
数の式(4)の値を算出し、これを二次元空間に図示した
ものである。この図4において、A群の試料(GC値が
ガスクロマトグラフィの検出限界である0.005ppm未満の
試料、すなわちT.P.N.が検出されない試料)は'□'で、
B群の試料(GC値が0.005ppm〜1.0ppmの試料)は'○'
で、C群の試料(GC値が1.0ppmを越える試料)は'●'
で示されている。図4より明かなように、第1正準変数
Z1の符号により、ガスクロマトグラフィでT.P.N.が検
出されない群('□'で示された試料の群)を明瞭に判別
することができる。しかし、図4の第4象限において、
B群の試料('○'で示された試料)とC群の試料('●'
で示された試料)とが混在している。したがって、T.P.
N.が検出された試料群を、正準変数Z1、Z2に基づきT.
P.Nの濃度1ppmを境界として二つの群に分けるのは困難
である。
【0023】そこで、本実施例の判別分析では二次判別
関数を利用する。二次判別関数は、マハラノビス汎距離
のより小さい群に試料を分類する判別法であり、分類す
べき二群の分散共分散行列が異なる場合に適用される
(参考文献:田中、垂水、脇本、「統計解析ハンドブッ
クII」、72/159、共立出版(1988))。そこで、図3に
示したように、ガスクロマトグラフィでT.P.N.が検出さ
れた試料群を、T.P.N.の厚生省登録保留規準濃度である
1ppmを境界値として二群(B群とC群)に分類し、こ
れらの分散共分散行列を比較し、それらが異なることを
確認する。そして、正準分析の場合と同様の三つの面積
強度A1、A2、A3を変数として、B群とC群との分類
に基づく判別分析を行なうことにより、二次判別関数を
導出する。前記76個体のレタスのうちガスクロマトグ
ラフィS14によりT.P.N.が検出された39個体のレタ
スに対するスペクトルデータを用いて、このような判別
分析を行なうことにより、二次判別関数Qとして、 Q=−0.091A12+0.038A22−1.082A32−0.077A1A2−0.144A2A3 −0.825A3A1−1.493A1−0.88A2−3.55A3+0.335 …(5) が得られる。
【0024】ガスクロマトグラフィS14によりT.P.N.
が検出された39個体のレタスに対するスペクトルデー
タを用いて、上記(5)式により二次判別関数の値(以下
「Q値」という)を算出すると、図5に示すようにな
る。この図5では、T.P.N.の残留濃度を示すGC値が許
容値1ppm以下か否かにより、39個の試料(レタス)
がB群とC群の二群に分類されている。この図5より、
境界値をQ=0として判別した場合又は境界値をQ=-
0.5として判別した場合には、T.P.N.の残留濃度が許容
値1ppm以下であるB群の試料のうち88.2%が正しく判
別され、T.P.N.の残留濃度が許容値1ppmを越えるC群
の試料のうち72.7%が正しく判別されることがわかる。
また、境界値を調整することにより、許容値を越える濃
度の農薬が残留している試料をより精度良く判別するこ
とができる。例えば境界値をQ=0.5とすると、図5に
示すようにC群についての正答率は90.9%となる。これ
は、残留農薬の濃度が許容値を越える試料については、
その90%以上を上記の二次判別関数により正しく判別で
きることを意味する。なお、上記B群とC群とについて
の分散共分散行列の差異を検定した結果、5%の有意差
でこれら二群の分散共分散行列が異なることが確認され
ている。以上より、厚生省登録保留規準濃度である1pp
mを境界としてレタスを二群に判別する上で、二次判別
関数の適用は有効である。
【0025】以上の説明からわかるように、スペクトル
データを用いて試料(レタス)がA群に属するか否か
(T.P.N.が検出されるか否か)を判別するには、判別関
数の式として第1正準変数の式(3)を用い、判別の分点
(Z1の境界値)として0を採用すればよい(図4参
照)。また、スペクトルデータを用いて試料(レタス)
がB群とC群のいずれに属するか(T.P.N.の残留濃度が
1.0ppm以下か否か)を判別するには、判別関数の式とし
て二次判別関数の式(5)を用い、判別の分点(Qの境界
値)として-0.5〜0.5の範囲の適切な値を採用すればよ
い(図5参照)。
【0026】そこで本実施例では、未知の試料に対する
残留農薬の分析のために、第1正準変数の式(3)及び二
次判別関数の式(5)が、それらに対応するZ1の境界値及
びQの境界値とともに、パソコン40内のメモリに記憶
される。
【0027】[残留農薬の分析]判別関数の式(第1正
準変数の式及び二次判別関数の式)が導出され、これが
パソコン40内のメモリに記憶されると、未知の試料で
ある農作物(レタス)における残留農薬(T.P.N.)の分
析が可能となる。この残留農薬の分析は図1(b)に示
す手順で行なわれる。
【0028】すなわち、まず、干渉計10、ATR測定
装置20及び制御部30を用い、FTIR−ATR法に
よる測定S20により、試料である農作物の赤外吸収ス
ペクトルを測定する。この赤外吸収スペクトルのデータ
(スペクトルデータ)は、パソコン40に転送され、パ
ソコン40において正準変数による判別S22が行なわ
れる。すなわち、試料のスペクトルデータを用いて、パ
ソコン40内のメモリに記憶された第1正準変数の式 Z1=0.618+0.031A1+0.308A2+0.768A3 の値を算出し、この値をZ1の境界値である0と比較す
ることにより、試料が「良品」か否かを判別する。すな
わち、Z1≦0ならば、試料からは残留農薬であるT.P.
N.は検出されないと判定して、「良品」という判別結果
をパソコン40の表示部に出力する。
【0029】一方、Z1>0ならば、T.P.N.が検出され
たと判断し、T.P.N.の残留濃度が許容値以下が否かを判
定するために、二次判別関数による判別S24を行な
う。すなわち、試料のスペクトルデータを用いて、パソ
コン40内のメモリに記憶された二次判別関数の式 Q=−0.091A12+0.038A22−1.082A32−0.077A1A2−0.144A2A3 −0.825A3A1−1.493A1−0.88A2−3.55A3+0.335 の値を算出し、この値を許容値に対応するQの境界値と
比較することにより、試料が「良品」か「不良品」を判
別する。既述のように、T.P.N.の厚生省登録保留規準濃
度である1ppmが許容値として採用されており、ここで
は、この許容値1ppmに対応するQの境界値として0を
採用するものとする。この場合、Q≧0ならば、試料に
おけるT.P.N.の残留濃度は許容値1ppm以下であると判
定して、「良品」という判別結果をパソコン40の表示
部に出力し、Q<0ならば、試料におけるT.P.N.の残留
濃度は許容値1ppmを越えていると判定して、「不良
品」という判別結果をパソコン40の表示部に出力す
る。
【0030】[効果]本実施例の残留農薬分析システム
は、従来のクロマトグラフ等による分析におけるような
前処理を必要としない。また、FTIR−ATR法によ
る測定S20に要する時間は約10分であり、その後の
パソコン40での判別のためのデータ処理は約5分であ
る。したがって、本実施例によれば、4〜5時間以上必
要とした従来の分析システムに比べ、分析結果を得るま
での時間が大幅に短縮される。また、本実施例で採用さ
れた判別分析は、赤外吸収スペクトルのパターンが明瞭
であればT.P.N.以外の他の農薬成分についても適用でき
る。したがって、抗体抗原反応を利用する場合のように
分析可能な農薬成分が限定されることはない。
【0031】[変形例]上記実施例では、レタスに残留
するT.P.N.の分析が行なわれているが、本発明は試料を
レタスに限定するものではない。例えば、上記実施例と
同様の構成(判別関数の式もレタスについて求めたもの
と同様)の残留農薬分析システムにより、ハクサイやセ
ルリに残留するT.P.N.が検出されるか否か及びT.P.N.の
残留濃度が1ppm以下か否かの判別において、80%前後
の正答率が得られている。したがって、上記実施例の残
留農薬分析システムはハクサイやセルリなど、他の農作
物にも適用可能である。
【0032】また上記実施例では、FTIR−ATR法
によって得られたスペクトルデータが制御部30からパ
ソコン40に転送され、パソコン40において上記判別
関数による判別が行なわれているが、制御部30がパソ
コン又はそれと同等のデータ処理能力を有するデータ処
理装置によって実現されている場合には、制御部30に
おいて上記判別関数による判別を行なう構成としてもよ
い。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、レ
タスやハクサイ、セルリ等に残留する農薬の濃度が許容
値以下か否かを判別するのに要する時間が、従来に比べ
大幅に短縮される。このため、農作物が収穫されてから
出荷されるまでの限定された時間内に残留農薬の分析を
終了させ、農作物の安全性を流通前に確認することがで
きる。また、本発明では、赤外吸収スペクトルの明瞭な
パターンが得られれば分析可能であるため、抗体抗原反
応を利用する場合のように分析可能な農薬成分が限定さ
れることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である残留農薬分析システ
ムにおける判別関数の導出手順を示す図(a)及び分析
手順を示す図(b)。
【図2】 本発明の一実施例である残留農薬分析システ
ムのハードウェア構成を示す図。
【図3】 農薬の残留濃度による試料の分類を示す図。
【図4】 二つの正準変数による二次元特徴空間におけ
る試料群の散布図。
【図5】 ガスクロマトグラフィによって残留農薬T.P.
N.が検出された各試料についての二次判別関数の値を示
す図。
【符号の説明】
10 …干渉計 20 …ATR測定装置 30 …制御部 40 …パーソナルコンピュータ S10…FTIR−ATR法による測定 S16…判別分析 S20…FTIR−ATR法による測定 S22…正準変数による判別 S24…二次判別関数による判別
フロントページの続き (72)発明者 鳥羽 栄治 長野県上田市大字上野14番地6 (72)発明者 市村 克彦 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会 社島津製作所三条工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 農作物の表面に残留している農薬成分の
    濃度が許容値以下か否かを判別する残留農薬分析方法に
    おいて、 a)前記農薬成分の残留濃度が既知の種々の値である複
    数の農作物の表面における前記農薬成分による赤外吸収
    スペクトルのデータを、赤外分光光度計を利用したAT
    R法により採取する第1ステップと、 b)第1ステップにおいて採取されたデータを用い、前
    記複数の農作物を所定の検出限界値に基づいて農薬成分
    非残留農作物群と農薬成分残留農作物群とに分類して判
    別分析を行なうことにより、該分類に対応する正準変数
    の式及び第1の境界値を導出する第2ステップと、 c)第1ステップにおいて採取されたデータを用い、残
    留している前記農薬成分の濃度が許容値以下か否かによ
    り前記農薬成分残留農作物群を二つの農作物群に分類し
    て判別分析を行なうことにより、該分類に対応する二次
    判別関数の式及び第2の境界値を導出する第3ステップ
    と、 d)赤外分光光度計を利用したATR法により、前記農
    薬成分の残留濃度が未知である分析対象の農作物の表面
    における前記農薬成分による赤外吸収スペクトルのデー
    タを採取する第4ステップと、 e)第4ステップにおいて採取されたデータを用いて前
    記正準変数の式により正準変数の値を算出し、該値を第
    1の境界値と比較することにより前記分析対象の農作物
    の表面に前記農薬成分が残留しているか否かを判定する
    第5ステップと、 f)第5ステップにおいて前記農薬成分が残留している
    と判定された場合に、第4ステップにおいて採取された
    データを用いて前記二次判別関数の式により二次判別関
    数の値を算出し、該値を第2の境界値と比較することに
    より前記分析対象の農作物の表面に残留している前記農
    薬成分の濃度が許容値以下か否かを判定する第6ステッ
    プと、を有することを特徴とする残留農薬分析方法。
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