JP2011220520A - 水配管用内面被覆鋼管 - Google Patents

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Abstract

【課題】幅広い温度領域の接水環境において耐剥離性が高い水配管用内面被覆鋼管を提供する。
【解決手段】鋼管の内側にリン酸塩化成処理を施してなる化成処理皮膜層を有し、該化成処理皮膜層の上層には、平均厚さが10〜40μmであるプライマー層を有し、該プライマー層の上層には、変性ポリエチレン系樹脂層を有している。さらに、前記プライマー層は(1)エポキシ当量が170〜280であるビスフェノールA系エポキシ樹脂および/またはエポキシ当量が156〜280であるビスフェノールF系エポキシ樹脂、および(2)複素環状アミンとフェニルグリシジルエーテルの反応により生成される変性複素環状アミン、さらに好ましくはペンタエリスリトールテトラアクリレートを用いて形成される。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂層と鋼管との間の密着力が高く、防食性能に優れた水配管用内面被覆鋼管に関するものである。
従来から、排水等に使われる配管には、鋼管内面に防食性を付与するため、塩化ビニル樹脂を鋼管内面に貼り付けた内面硬質塩ビ被覆鋼管が使用されている。しかし、塩化ビニル樹脂は低温での耐衝撃性が低いため、水配管用などとして内面硬質塩ビ被覆鋼管を寒冷地で使用する際や施工時に内面硬質塩ビ被覆鋼管を屋外に放置する際に、内面被覆層がダメージを受ける場合がある。さらに、近年では、塩化ビニル樹脂を廃却する際の有害物の発生、塩化ビニル樹脂を処理ルートに乗せるための鋼管と塩化ビニル樹脂の分離処理などの負荷が大きく、環境負荷が大きい材料としての認識ももたれてきている。
上記以外の被覆鋼管として、化成処理、プライマー処理等の表面処理が施された鋼管の内面にポリエチレン樹脂粉体等を加熱した状態で粉体塗装することで内面被覆層を形成した内面ポリエチレン被覆鋼管も使用されている(例えば、日本水道協会規格 JWWA K132)。しかし、この内面ポリエチレン被覆鋼管は、環境によっては管端部での接水により端部から被覆が剥離することがある。
また、架橋ポリエチレン管に形状復元性を付与し、鋼管内で加熱復元することにより拡径して内面被覆する方法が知られている(例えば、特許文献1)。しかしながら、特許文献1に記載の方法では、架橋剤からの溶出成分があるため水道水の衛生性を確保できないなどの問題がある。
また、ポリエチレン管に形状復元性を付与して鋼管の内面を被覆する方法も開示されている(例えば、特許文献2)。しかしながら、特許文献2に記載の方法では、一旦ポリエチレンなどからなる樹脂管を作製し、それに形状復元性などを付加する必要があるため、コスト的に高いものとなる。さらに、工業的な速度では均一な内面被覆が困難となる。
さらに、排水等の水配管用に使用される配管は、鋼管と内面被覆層の界面が露出する管端を防食するために、通常、管端防食継手などが使用され配管されている。しかし、施工時の不良や長期の使用により管端が接水環境にさらされることもあり、内面被覆層には低温から高温まで幅広い温度領域における接水環境での耐剥離性が求められる。そして、内面被覆層の耐剥離性が低いと、管端が接水環境にさらされた時、内面被覆層の剥離が起こり剥離した部分の鋼管が錆びてしまい、その結果、赤水などの原因となる。
特開2001−9912号公報 特開2002−257265号公報
本発明は、かかる事情に鑑み、上記問題点を有利に解決し、塩化ビニル樹脂を使用しない内面被覆鋼管であって、幅広い温度領域の接水環境においても耐剥離性が高く防食性能に優れた水配管用内面被覆鋼管を提供することを目的とする。
本発明による、水配管用内面被覆鋼管の要旨は以下の通りである。
[1]鋼管の内側にリン酸塩化成処理を施してなる化成処理皮膜層を有し、該化成処理皮膜層の上層には、平均厚さが10〜40μmであるプライマー層を有し、該プライマー層の上層には、変性ポリエチレン系樹脂層を有した水配管用内面被覆鋼管であって、前記プライマー層は下記(1)および(2)を用いて形成されることを特徴とする水配管用内面被覆鋼管。
(1)エポキシ当量が170〜280であるビスフェノールA系エポキシ樹脂および/またはエポキシ当量が156〜280であるビスフェノールF系エポキシ樹脂。
(2)複素環状アミンとフェニルグリシジルエーテルの反応により生成される変性複素環状アミン。
[2]鋼管の内側にリン酸塩化成処理を施してなる化成処理皮膜層を有し、該化成処理皮膜層の上層には、平均厚さが10〜40μmであるプライマー層を有し、該プライマー層の上層には、変性ポリエチレン系樹脂層を有した水配管用内面被覆鋼管であって、前記プライマー層は下記(1)、(2)およびペンタエリスリトールテトラアクリレートを用いて形成されることを特徴とする水配管用内面被覆鋼管。
(1)エポキシ当量が170〜280であるビスフェノールA系エポキシ樹脂および/またはエポキシ当量が156〜280であるビスフェノールF系エポキシ樹脂。
(2)複素環状アミンとフェニルグリシジルエーテルの反応により生成される変性複素環状アミン。
本発明によれば、耐剥離性が高い水配管用内面被覆鋼管が得られる。本発明の水配管用内面被覆鋼管は耐剥離性が高いため、従来の内面ポリエチレン被覆鋼管に比べ、内面被覆層と鋼管との密着力が高く、施工不良や長期使用などにより管端部が接水環境にさらされた時にもより優れた防食性能を有する。
本発明の水配管用内面被覆鋼管の一部を模式的に示す図である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の水配管用内面被覆鋼管の一部を図1に模式的に示す。図1に示す通り、本発明の水配管用内面被覆鋼管は、鋼管1の内側にリン酸塩化成処理を施してなる化成処理皮膜層2を、前記化成処理皮膜層2の上層に平均厚さが10〜40μmであるプライマー層3を、
前記プライマー層3の上層に変性ポリエチレン系樹脂層4を有した水配管用内面被覆鋼管である。さらに、前記プライマー層3は下記(1)および(2)、もしくは、下記(1)、(2)およびペンタエリスリトールテトラアクリレートを用いて形成されることを特徴とする。
(1)エポキシ当量が170〜280であるビスフェノールA系エポキシ樹脂および/またはエポキシ当量が156〜280であるビスフェノールF系エポキシ樹脂。
(2)複素環状アミンとフェニルグリシジルエーテルの反応により生成される変性複素環状アミン。
上記のような構成かつ順序の被覆層としたのは、以下の理由による。最上層である変性ポリエチレン樹脂は無極性であるため、直接、鋼管表面と接着しない。そこで、本発明では、鋼管と変性ポリエチレン系樹脂層との間に、化成処理皮膜層とプライマー層を設けることにより密着性を確保している。
1)まず、リン酸塩化成処理を施してなる化成処理皮膜層について説明する。
本発明の化成処理皮膜層は、リン酸亜鉛、リン酸亜鉛カルシウムなどのリン酸塩系の化成処理を単独、もしくは併用して鋼管に施すことにより得られる。化成処理は、化成処理液を鋼管内面に吹き付けたり、流し込んだり、もしくは化成処理液の浴に鋼管を浸すなどの方法で行うことができ、適宜、促進剤などを併用しても良い。また、60℃以上に加温した状態で行うこともできる。
2)次いで、前記化成処理皮膜層の上層に積層される平均厚さ:10〜40μmのプライマー層について説明する。
本発明のプライマー層は、主剤として下記(1)に示されるエポキシ樹脂と、硬化剤として下記(2)に示される変性複素環状アミン、もしくは、主剤として下記(1)に示されるエポキシ樹脂と、硬化剤として下記(2)に示される変性複素環状アミンと、ペンタエリスリトールテトラアクリレートとを配合し、硬化させて形成される層である。
(1)エポキシ当量が170〜280であるビスフェノールA系エポキシ樹脂および/またはエポキシ当量が156〜280であるビスフェノールF系エポキシ樹脂。
(2)複素環状アミンとフェニルグリシジルエーテルの反応により生成される変性複素環状アミン。
主剤として用いる、上記(1)のエポキシ樹脂のうち、エポキシ当量が170〜280であるビスフェノールA系エポキシ樹脂の分子構造を化学式1に、エポキシ当量が156〜280であるビスフェノールF系エポキシ樹脂の分子構造を化学式2に、それぞれ示す。
Figure 2011220520
Figure 2011220520
上記化学式1および化学式2に示すように、ビスフェノールA系エポキシ樹脂およびビスフェノールF系エポキシ樹脂は、対称性が高く、かつ、剛直なビスフェノール骨格を持つため、安定した高温特性(耐温水性)を有する。また、骨格中にエーテル結合を有するため適度の可撓性を有する。その結果、幅広い温度領域において耐剥離性が向上することになる。さらに、エポキシ基が反応した結果、水酸基が生成することから接着力が上がり、この点からも耐剥離性が向上することになる。
ビスフェノールA系エポキシ樹脂としては、エポキシ当量170〜280のものが使用できる。エポキシ当量が170よりも小さくなると満足した性能が得られず、280よりも大きくなると取り扱い作業性が悪くなる。取り扱い作業性を考慮すると、好ましくは、エポキシ当量が184〜194の範囲のものであり、例えば、ジャパンエポキシレジン(株)製の商品名jER828が挙げられる。
ビスフェノールF系エポキシ樹脂としては、エポキシ当量156〜280のものが使用できる。エポキシ当量が156よりも小さくなると満足した性能が得られず、280よりも大きくなると取り扱い作業性が悪くなる。取り扱い作業性を考慮すると、好ましくは、エポキシ当量が160〜175の範囲のものであり、例えば、ジャパンエポキシレジン(株)製の商品名jER807が挙げられる。
エポキシ樹脂に、酸化チタン、シリカ、タルク、白雲母、酸化クロム、リン酸亜鉛等の無機顔料を添加しても良い。また、エポキシ樹脂との接着性を良くするために、無機顔料にシランカップリング処理等の化学処理を施しても良い。さらに、性能を変えない範囲内で他のエポキシ樹脂を添加しても良い。
上記主剤と同様に、本発明者らは、硬化剤に関しても耐温水性および可撓性を有する材料を得るべく検討した。その結果、硬化剤として複素環状アミンとエーテルの反応により生成される変性複素環状アミンを用いることで、耐温水性および可撓性の向上した硬化物(プライマー層)が得られることがわかった。そして更に鋭意検討した結果、エーテルとしてフェニルグリシジルエーテルを用いることで、より一層高い耐温水性および可撓性を示す硬化物(プライマー層)が得られることがわかった。なお、上記複素環状アミンの分子構造を化学式3に示す。
Figure 2011220520
変性複素環状アミンは、化学式3に示すように複素環状アミンの変性物である。この変性複素環状アミンを合成するときに生成する不純物や未反応の複素環状アミンが残留していても良い。複素環状アミンと反応させるエーテルは種々あるが、特にフェニルグリシジルエーテルを用いることで、複素環状アミンと容易に反応する。また、副反応も少なく、生成する不純物も少ない。そして、得られる変性複素環状アミンを硬化剤として使用した場合、十分な可撓化効果を与えることができる。
また、複素環状アミンにフェニルグリシジルエーテルを加え反応させて変性複素環状アミンを生成させるときの混合比は、複素環状アミンのモル数に対するフェニルグリシジルエーテルのモル数比が、0.4〜0.6の範囲内であることが望ましく、0.5であればさらに望ましい。
なお、上記変性複素環状アミンを合成するにあたっての条件は特に限定されず、通常行われる反応条件を本発明においても採用することができる。
主剤と硬化剤の配合に関しては、以下の通りである。主剤であるエポキシ樹脂中のエポキシ基のモル数(a)と、硬化剤である変性複素環状アミンの全活性水素のモル数(b)の比(b/a)が0.7〜1.2の範囲になるように配合するのが好ましい。0.7未満あるいは1.2超えでは硬化物のガラス転移温度が低下してしまい、耐温水性、すなわち耐剥離性が低下する可能性がある。
さらに、プライマー層を形成するに際して、主剤であるエポキシ樹脂と硬化剤である変性複素環状アミンに加え、添加剤としてペンタエリスリトールテトラアクリレートを加えることにより、より耐温水性が向上する。
添加量としては、主剤であるエポキシ樹脂中のエポキシ基のモル数(a)とペンタエリスリトールテトラアクリレートのアクリレート基のモル数(c)と、硬化剤である変性複素環状アミンの全活性水素のモル数(b)の比(b/(a+c))が0.7〜1.2の範囲になるように配合するのが好ましい。0.7未満あるいは1.2超えでは硬化物のガラス転移温度が低下してしまい、耐温水性、すなわち耐剥離性が低下する可能性がある。また主剤であるエポキシ樹脂中のエポキシ基のモル数(a)とペンタエリスリトールテトラアクリレートのアクリレート基のモル数の(c)比(c/a)は、0.05〜0.10の範囲が好ましい。0.05〜0.10の範囲でペンタエリスリトールテトラアクリレートを添加することで耐温水性の効果が顕著となる。
また、以上からなるプライマー層の平均厚さは10〜40μmとする。10μm未満では、十分な密着性が得られない場合があり、一方、40μm超えでは塗布時に垂れが生じて膜厚が不均一になりやすく、均一な塗布のためには製造能率が悪くなり、また密着性も飽和するためである。
以上からなるプライマー層は本発明において最も重要な用件であり、このようなプライマー層を有することで、本発明の水配管用内面被覆鋼管は、変性ポリエチレン系樹脂層と鋼管との間の密着力が向上し、長期間にわたって耐温水性に優れ、高温接水環境下における耐温水性まで含めて耐剥離性が良好となる。
3)次いで、最上層の変性ポリエチレン系樹脂層について説明する。
変性ポリエチレン樹脂は、直鎖状低密度ポリエチレン、もしくは高圧法低密度ポリエチレン、もしくは高密度ポリエチレンを無水マレイン酸などの酸無水物によりグラフト変性したものを用いることができる。変性量は通常6質量%以下が好ましく、定法により変性することができ、通常、メルトインデックスが2以上8以下のものが好ましい。
また、変性ポリエチレン樹脂には本発明の性能を損なわない範囲で、上記樹脂組成物を主成分として他の樹脂を混ぜ合わせても良く、必要に応じて酸化防止剤や顔料などを加えることができる。
この変性ポリエチレン層の厚みは、0.3mm〜1.0mmが好ましく、より好ましくは0.5mm〜0.9mmである。0.3mmより薄いと施工時の疵付きなどで変性ポリエチレン層に穴があきやすくなり、透水性の高いエポキシ樹脂層がむき出しになるため防食性が損なわれる場合がある。1.0mmより厚いと、粉体塗装での効率が低くなる。
また、変性ポリエチレン系樹脂層は、鋼管を210℃以上に加熱した状態で変性ポリエチレン粉末を塗装し、さらに必要により140℃以上で保熱することにより、形成することができる。
また、変性ポリエチレン系樹脂層として、上記変性ポリエチレン樹脂層の上にさらに既知の直鎖状低密度ポリエチレン、もしくは高圧法低密度ポリエチレン、もしくは高密度ポリエチレンなどのポリエチレンの粉末を同様に塗装して、変性ポリエチレン層とポリエチレン層の合計厚みが0.5mm〜1.0mmになるような層を形成しても良い。この際、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂などのエチレンと不飽和結合を有するモノマーとの共重合樹脂は、その軟化温度が低くなりすぎるため、使用することはできない。
4)鋼管
以上よりなる被覆層を有する鋼管としては、特に限定はしないが、外径が10〜170mm程度、長さは通常4〜6m程度、肉厚は1.0〜6.0mm程度のものを用いるのが好ましい。本発明で用いられる鋼管は、鋼管外面にブラスト処理、酸洗処理、化成処理、メッキ処理、プライマー処理もしくは樹脂被覆を行っても良い。また、鋼管内面は、通常、ブラスト処理、酸洗処理等を行い、その後の化成処理などが行なわれやすいようにすることもできる。
次に、本発明の実施例について説明する。
変性ポリエチレン樹脂内面被覆鋼管(水配管用内面被覆鋼管)を製造し、得られた水配管用内面被覆鋼管より試験片を採取して、防食性能を調査した。試験片1〜6、9〜16が本発明例、試験片7、8が比較例に該当する。詳細を以下に示す。
(試験片1〜6)
酸洗処理を施した鋼管(内径27.6mmφ、外径34mmφ×4m)を80℃のリン酸亜鉛カルシウム系処理液に浸漬し、化成処理を行った。次いで、鋼管の内側に表1に記載の主剤(a)および硬化剤(b)からなるプライマーを、表1に記載の平均厚さとなるように塗布し、130℃に加熱硬化させて、プライマー層を形成した。次いで、鋼管を230℃に加熱した。加熱後、鋼管内面に、密度0.923、メルトインデックス4.9の直鎖状低密度ポリエチレンを無水マレイン酸により変性した粉状の変性ポリエチレン樹脂を粉体塗装し、厚さ0.6〜0.8mmの変性ポリエチレン系樹脂層を形成した。塗装後、150℃以上の炉内で保熱した後、自然冷却して内面被覆鋼管を得た。
なお、試験片1〜6では、エポキシ樹脂(主剤:a)としてjER828、jER807の2種類を使用した。硬化剤(b)として、複素環状アミン2モルに対してフェニルグリシジルエーテル1モルを加え反応させて生成した変性複素環状アミンを使用した。
(試験片7、8)
酸洗処理を施した鋼管(内径27.6mmφ、外径34mmφ×4m)を80℃のリン酸亜鉛カルシウム系処理液に浸漬し化成処理を行った。次いで、鋼管の内側に表1に記載の主剤(a)および硬化剤(b)からなるプライマーを、表1に記載の平均厚さとなるように塗布し、130℃に加熱硬化させて、プライマー層を形成した。次いで、鋼管を230℃に加熱した。加熱後、鋼管内面に、密度0.923、メルトインデックス4.9の直鎖状低密度ポリエチレンを無水マレイン酸により変性した粉状の変性ポリエチレン樹脂を粉体塗装し、厚さ0.6〜0.8mmの変性ポリエチレン樹脂層を形成した。塗装後、150℃以上の炉内で保熱した後、自然冷却して内面被覆鋼管を得た。
なお、試験片7と8では、エポキシ樹脂(主剤:a)としてjER828の1種類を使用した。硬化剤(b)としてB002を使用した。ここで、B002は、化学式3の分子構造を有する複素環状アミン2モルに対してブチルグリシジルエーテル1モルを加え反応させて生成した変性複素環状アミンである。
(試験片9〜16)
プライマー層を形成するに際し、表2に記載の主剤(a)および硬化剤(b)および添加剤(c)からなるプライマーを用い、表2に記載の平均厚さとなるように塗布した他は、試験片1〜6と同様の方法で試験片を作製した。
以上により得られた試験片に対して、防食性能評価を行った。防食性能評価は、耐温水性について行った。
内面被覆鋼管を50cm長さに切断し、60℃の3%食塩水に浸漬した。28日後、鋼管端部の被覆層の剥離状況を観察し、端部からの剥離がなかったものもしくは5mm未満のものを「◎」、5mm以上10mm未満のものを「○」、10mm以上のものを「×」とした。
以上により得られた評価結果を実験条件と併せて表1、表2に示す。
Figure 2011220520
Figure 2011220520
本発明例では、耐温水性に優れているのがわかる。一方、比較例では、耐温水性が劣っている。
本発明の水配管用内面被覆鋼管は、耐剥離性が高く防食性能に優れているため、例えば、水配管用などとして寒冷地で使用する際や施工時に屋外に放置する際などに用いる内面被覆鋼管として最適である。
1 鋼管
2 化成処理被覆層
3 プライマー層
4 変性ポリエチレン系樹脂層

Claims (2)

  1. 鋼管の内側にリン酸塩化成処理を施してなる化成処理皮膜層を有し、該化成処理皮膜層の上層には、平均厚さが10〜40μmであるプライマー層を有し、該プライマー層の上層には、変性ポリエチレン系樹脂層を有した水配管用内面被覆鋼管であって、前記プライマー層は下記(1)および(2)を用いて形成されることを特徴とする水配管用内面被覆鋼管。
    (1)エポキシ当量が170〜280であるビスフェノールA系エポキシ樹脂および/またはエポキシ当量が156〜280であるビスフェノールF系エポキシ樹脂。
    (2)複素環状アミンとフェニルグリシジルエーテルの反応により生成される変性複素環状アミン。
  2. 鋼管の内側にリン酸塩化成処理を施してなる化成処理皮膜層を有し、該化成処理皮膜層の上層には、平均厚さが10〜40μmであるプライマー層を有し、該プライマー層の上層には、変性ポリエチレン系樹脂層を有した水配管用内面被覆鋼管であって、前記プライマー層は下記(1)、(2)およびペンタエリスリトールテトラアクリレートを用いて形成されることを特徴とする水配管用内面被覆鋼管。
    (1)エポキシ当量が170〜280であるビスフェノールA系エポキシ樹脂および/またはエポキシ当量が156〜280であるビスフェノールF系エポキシ樹脂。
    (2)複素環状アミンとフェニルグリシジルエーテルの反応により生成される変性複素環状アミン。
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