JP2011220460A - 二連式ボールカム機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】 二連式ボールカム機構において、第1、第2ボールの円周方向位置を適切に保持する。
【解決手段】 第1〜第3カム部材40,41R,41Lの間に第1、第2ボール43a,43bを挟持した二連式ボールカム機構において、第1,第2カム部材40,41R間の第1ボール43aの位置を規制する第1リテーナ50Rと、第1,第3カム部材40,41L間の第2ボール43bの位置を規制する第2リテーナ50Lとを、第1、第2連結部材51,52で一体に連結したので、第1、第2ボール43a,43bの一方が第2、第3カム部材41R,41Lの一方を軸線L方向に押圧しているときに、第1、第2ボール43a,43bの他方の円周方向位置を一方の円周方向位置と同じになるように規制し、二連式ボールカム機構の作動応答性を高めることができる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、第1カム部材の両側面を第2カム部材および第3カム部材で挟み、第1カム部材および第2カム部材間に第1ボールを配置し、第1カム部材および第3カム部材間に第2ボールを配置した二連式ボールカム機構に関する。
駆動回転体および被駆動回転体の対向面にそれぞれ形成した複数の凹入カム部にボールを嵌合させ、駆動回転体および被駆動回転体を相対回転させたときにボールが凹入カム部の斜面に乗り上げることで、被駆動回転体に対して駆動回転体を軸方向に移動させるボールカム機構において、複数のボールの位置をリテーナで規制するものが、下記特許文献1により公知である。
特許第2878010号公報
ところで、中央に位置する第1カム部材の両側に第2カム部材および第3カム部材を配置し、第1カム部材および第2カム部材間に第1ボールを挟持し、第1カム部材および第3カム部材間に第2ボールを挟持すれば、第1カム部材を中立位置から一方向に回転させることにより第2カム部材を第1カム部材から離間する方向に駆動し、第1カム部材を中立位置から他方向に回転させることにより第3カム部材を第1カム部材から離間する方向に駆動することができる。
後から発明の実施の形態において詳述するように、例えば第1カム部材の一方向の回転により第2カム部材を第1カム部材から離間する方向に駆動したとき、第2ボールは第1カム部材および第3カム部材間に挟み付けられることはないため、第2ボールの円周方向の位置が第1カム部材および第3カム部材に対して妄動してしまい、第1カム部材を中立位置に戻したときに第2ボールの円周方向の位置が本来の位置からずれてしまう可能性がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、二連式ボールカム機構において、第1、第2ボールの円周方向位置を適切に保持することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、軸線まわりに回転可能に配置された第1カム部材と、前記第1カム部材の一側面側で軸線まわりに回転不能かつ軸線方向に移動可能に配置された第2カム部材と、前記第1カム部材の他側面側で軸線まわりに回転不能かつ軸線方向に移動可能に配置された第3カム部材と、前記第1カム部材および前記第2カム部材の対向面にそれぞれ形成された第1、第2カム溝と、前記第1、第2カム溝に嵌合する第1ボールと、前記第1カム部材および前記第3カム部材の対向面にそれぞれ形成された第3、第4カム溝と、第3、第4カム溝に嵌合する第2ボールとを備え、前記第1カム部材の一方向の回転により、該第1カム部材に対して前記第2カム部材を軸線方向に離反させ、前記第1カム部材の他方向の回転により、該第1カム部材に対して前記第3カム部材を軸線方向に離反させる二連式ボールカム機構において、前記第1、第2カム部材の間に配置されて前記第1ボールを前記第1、第2カム溝の所定位置に保持する第1リテーナと、前記第1、第3カム部材の間に配置されて前記第2ボールを前記第3、第4カム溝の所定位置に保持する第2リテーナと、前記第1、第2リテーナを一体に連結する連結部とを備えることを特徴とする二連式ボールカム機構が提案される。
尚、実施の形態の第1、第2連結部材51,52、第1リテーナ50Rの係合腕部50Rcおよび第2リテーナ50Lの係合溝部50Lcは本発明の連結部に対応する。
請求項1の構成によれば、第1カム部材を軸線まわりに一方向に回転させると、第1カム部材の第1カム溝および第2カム部材の第2カム溝が第1ボールにより押し広げられるため、第2カム部材が第1カム部材から離反する方向に移動するが、第1カム部材の第3カム溝により第4カム部材の第4カム溝が第2ボールにより押し広げられることはないため、第3カム部材は第1カム部材から離反する方向に移動することはない。このとき、第2ボールは押圧荷重を伝達しないので第3、第4カム溝の間での円周方向位置が定まらないが、第1リテーナと第2リテーナとが連結部材で連結されているので、第1、第2カム溝に挟まれて円周方向位置が規制されている第1ボールに対して第2ボールを円周方向に整列させ、第2ボールの円周方向位置を安定させることができる。
逆に、第1カム部材を軸線まわりに他方向に回転させると、第1カム部材の第3カム溝および第3カム部材の第4カム溝が第2ボールにより押し広げられるため、第3カム部材が第1カム部材から離反する方向に移動するが、第1カム部材の第1カム溝により第2カム部材の第2カム溝が第1ボールにより押し広げられることはないため、第2カム部材は第1カム部材から離反する方向に移動することはない。このとき、第1ボールは押圧荷重を伝達しないので第1、第2カム溝の間での円周方向位置が定まらないが、第1リテーナと第2リテーナとが連結部材で連結されているので、第3、第4カム溝に挟まれて円周方向位置が規制されている第2ボールに対して第1ボールを円周方向に整列させ、第1ボールの円周方向位置を安定させることができる。
トランスミッションのスケルトン図。(第1の実施の形態) 図1の2部拡大図。(第1の実施の形態) 図2の3−3線断面図。(第1の実施の形態) 図1の4−4線断面図。(第1の実施の形態) 図4の5−5線矢視図。(第1の実施の形態) 二連式ボールカム機構の分解斜視図。(第1の実施の形態) 第1、第2連結部材の斜視図。(第1の実施の形態) 二連式ボールカム機構の作用説明図。(第1の実施の形態) 1速変速段の確立状態を示す図。(第1の実施の形態) 2速変速段の確立状態を示す図。(第1の実施の形態) 3速変速段の確立状態を示す図。(第1の実施の形態) 4速変速段の確立状態を示す図。(第1の実施の形態) 二連式ボールカム機構の分解斜視図。(第2の実施の形態) 第1、第2連結部材の斜視図。(第2の実施の形態) 二連式ボールカム機構の分解斜視図。(第3の実施の形態) 図15の要部拡大図。(第3の実施の形態)
以下、図1〜図12に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1に示すように、いわゆるツインクラッチ式の前進4段のトランスミッションTは、主入力軸11と、第1副入力軸12と、第2副入力軸13と、出力軸14とを備える。第2副入力軸13は主入力軸11の外周に同軸に嵌合し、第1副入力軸12は第2副入力軸13の外周に同軸に嵌合する。出力軸14は主入力軸11と平行に配置される。主入力軸11の右端にはエンジンEが発進クラッチ15を介して接続され、主入力軸11の左端と第1副入力軸12との間に第1クラッチC1が配置されるとともに、主入力軸11の左端と第2副入力軸13との間に第2クラッチC2が配置される。
第1副入力軸12には1速ドライブギヤ21および3速ドライブギヤ23が固設され、第2副入力軸13には2速ドライブギヤ22および4速ドライブギヤ24が固設される。出力軸14には1速ドライブギヤ21に噛合する1速ドリブンギヤ25と、3速ドライブギヤ23に噛合する3速ドリブンギヤ27と、2速ドライブギヤ22に噛合する2速ドリブンギヤ26と、4速ドライブギヤ24に噛合する4速ドリブンギヤ28とが相対回転自在に支持される。1速ドリブンギヤ25および3速ドリブンギヤ27は、1速−3速ドグクラッチ29により出力軸14に選択的に結合可能であり、2速ドリブンギヤ26および4速ドリブンギヤ28は、2速−4速ドグクラッチ30により出力軸14に選択的に結合可能である、
尚、1速−3速ドグクラッチ29および2速−4速ドグクラッチ30は、図示せぬ電磁アクチュエータまたは油圧アクチュエータにより作動する。
出力軸14の右端に固設されたファイナルドライブギヤ31は、ディファレンシャルギヤ33のファイナルドリブンギヤ32に噛合し、ディファレンシャルギヤ33は左右の駆動輪W,Wに接続される。
次に、図1および図2に基づいて、前記1速−3速ドグクラッチ29および2速−4速ドグクラッチ30をスムーズに係合するためのシンクロ装置Sの構造を説明する。
アイドル軸36には第1アイドルギヤ34が相対回転自在に支持されるとともに第2アイドルギヤ35が固設され、第1アイドルギヤ34は3速ドライブギヤ23に噛合し、第2アイドルギヤ35は4速ドライブギヤ24に噛合する。第1アイドルギヤ34は第1摩擦クラッチ38Rを介してケーシング37に拘束可能であり、第2アイドルギヤ35と一体のアイドル軸36は第2摩擦クラッチ38Lを介してケーシング37に拘束可能である。
第1摩擦クラッチ38Rは、第1アイドルギヤ34とケーシング37とに交互にスプライン嵌合する複数の摩擦係合要素39…と、アイドル軸36に軸方向移動不能かつ相対回転可能に支持した円環状の第1カム部材40と、ケーシング37に軸方向移動可能かつ相対回転不能にスプライン嵌合する円環状の第2カム部材41Rと、第2カム部材41Rを第1カム部材40に向けて付勢するリターンスプリング42とを備える、また第2摩擦クラッチ38Lは、アイドル軸36とケーシング37とに交互にスプライン嵌合する複数の摩擦係合要素39…と、アイドル軸36に軸方向移動不能かつ相対回転可能に支持した前記第1カム部材40と、ケーシング37に軸方向移動可能かつ相対回転不能にスプライン嵌合する円環状の第3カム部材41Lと、第3カム部材41Lを第1カム部材40に向けて付勢するリターンスプリング42とを備える、
アイドル軸36と平行に配置された減速軸44に第2減速ギヤ45および第3減速ギヤ46が固設されており、モータ47の回転軸47aに固設した第1減速ギヤ48が第2減速ギヤ45に噛合し、第1カム部材40の外周に設けた第4減速ギヤ49が第3減速ギヤ46に噛合する。
次に、図2〜図8に基づいて、第1カム部材40、第2カム部材41Rおよび第3カム部材41Lを備える二連式ボールカム機構の構造を説明する。
第1カム部材40および第2カム部材41Rの対向面にはそれぞれ6個の水滴状の第1カム溝40a…および第2カム溝41Ra…が相互に対向するように形成されており、第1、第2カム溝40a…,41Ra…に6個の第1ボール43a…が嵌合する。同様に、第1カム部材40および第3カム部材41Lの対向面にはそれぞれ6個の水滴状の第3カム溝40b…および第4カム溝41La…が相互に対向するように形成されており、第3、第4カム溝40b…,41La…に6個の第2ボール43b…が嵌合する。
相互に対向する第1カム溝40aおよび第2カム溝41Raは、平行部aと、傾斜部bと、平行部aおよび傾斜部bが接続する角部cとを備えており(図8参照)、第1カム部材40が中立位置にあるとき、第1カム溝40aの平行部a、傾斜部bおよび角部cが、第2カム溝41Raの傾斜部b、平行部aおよび角部cに対向する。また相互に対向する第3カム溝40bおよび第4カム溝41Laは、平行部aと、傾斜部bと、平行部aおよび傾斜部bが接続する角部cとを備えており、第1カム部材40が中立位置にあるとき、第3カム溝40bの平行部a、傾斜部bおよび角部cが、第4カム溝40Laの傾斜部b、平行部aおよび角部cに対向する。
図8(A)には第1カム部材40が中立位置にある状態が示されており、そこからモータ47を一方向に駆動すると、図8(B)に示すように、モータ47の回転軸47aの回転が第1減速ギヤ48、第2減速ギヤ45、減速軸44、第3減速ギヤ46および第4減速ギヤ49を介して伝達される第1カム部材40が第2カム部材41Rに対して矢印A方向に相対回転し、第1ボール43a…が矢印B方向に移動して第1、第2カム部材40,41Rの第1、第2カム溝40a…,41Ra…に乗り上げることで、第2カム部材41Rが矢印C方向に移動して第1摩擦クラッチ38Rが係合し、第1アイドルギヤ34がケーシング37に拘束されて制動される。
またモータ47を他方向に駆動すると、図8(C)に示すように、モータ47の回転軸47aの回転が第1減速ギヤ48、第2減速ギヤ45、減速軸44、第3減速ギヤ46および第4減速ギヤ49を介して伝達される第1カム部材40が第3カム部材41Lに対して矢印A′方向に相対回転し、第2ボール43b…が矢印B′方向に移動して第1、第3カム部材40,41Lの第3、第4カム溝40b…,41La…に乗り上げることで、第3カム部材41Lが矢印C′方向に移動して第2摩擦クラッチ38Lが係合し、アイドル軸36(つまり第2アイドルギヤ35)がケーシング37に拘束されて制動される。
第1カム部材40と第2カム部材41Rとの間には、第1ボール43a…を所定位置に保持するための第1リテーナ50Rが配置される。第1リテーナ50Rは6個の接続部50Ra…と6個のボール保持部50Rb…とを交互に配置した環状の部材であって、各ボール保持部50Rb…には第1ボール43a…が緩く嵌合する。第1カム部材40と第3カム部材41Lとの間には、第2ボール43b…を所定位置に保持するための第2リテーナ50Lが配置される。第2リテーナ50Lの構造は、第1リテーナ50Rの構造と同じである。
第1リテーナ50Rと第2リテーナ50Lとは、第1リテーナ50Rに設けた6個の第1連結部材51…と、第2リテーナ50Lに設けた6個の第2連結部材52…とによって一体に連結される。金属板を折り曲げて構成した第1連結部材51は、第1リテーナ50Rの外周面に溶接される固定部51aと、二連式ボールカム機構の軸線L方向に延びる係合腕部51bおよび係合溝部51cとを備え、同様に金属板を折り曲げて構成した第2連結部材52は、第2リテーナ50Lの外周面に溶接される固定部52aと、軸線L方向に延びる係合腕部52bと係合溝部52cとを備え、両係合腕部51b,52bが相手方の係合溝部52c,51cにそれぞれ係合することで、第1、第2リテーナ50R,50Lが円周方向に一体に移動するように連結される。
次に、本発明の実施の形態の作用を説明する。
先ず、トランスミッションTの各変速段の確立作用について説明すると、図9に示すように、1速変速段の確立時には、1速−3速ドグクラッチ29で1速ドリブンギヤ25を出力軸14に結合し、第1クラッチC1を係合して主入力軸11を第1副入力軸12に結合した状態で発進クラッチ15を係合すると、エンジンEの駆動力が、発進クラッチ15→主入力軸11→第1クラッチC1→第1副入力軸12→1速ドライブギヤ21→1速ドリブンギヤ25→1速−3速ドグクラッチ29→出力軸14→ファイナルドライブギヤ31→ファイナルドリブンギヤ32→ディファレンシャルギヤ33の経路で左右の駆動輪W,Wに伝達される。
図10に示すように、2速変速段の確立時には、2速−4速ドグクラッチ30で2速ドリブンギヤ26を出力軸14に結合し、それまで係合していた第1クラッチC1を係合解除すると同時に第2クラッチC2を係合すると、エンジンEの駆動力が、発進クラッチ15→主入力軸11→第2クラッチC2→第2副入力軸13→2速ドライブギヤ22→2速ドリブンギヤ26→2速−4速ドグクラッチ30→出力軸14→ファイナルドライブギヤ31→ファイナルドリブンギヤ32→ディファレンシャルギヤ33の経路で左右の駆動輪W,Wに伝達される。
図11に示すように、3速変速段の確立時には、1速−3速ドグクラッチ29で3速ドリブンギヤ27を出力軸14に結合し、それまで係合していた第2クラッチC2を係合解除すると同時に第1クラッチC1を係合すると、エンジンEの駆動力が、発進クラッチ15→主入力軸11→第1クラッチC1→第1副入力軸12→3速ドライブギヤ23→3速ドリブンギヤ27→1速−3速ドグクラッチ29→出力軸14→ファイナルドライブギヤ31→ファイナルドリブンギヤ32→ディファレンシャルギヤ33の経路で左右の駆動輪W,Wに伝達される。
図12に示すように、4速変速段の確立時には、2速−4速ドグクラッチ30で4速ドリブンギヤ28を出力軸14に結合し、それまで係合していた第1クラッチC1を係合解除すると同時に第2クラッチC2を係合すると、エンジンEの駆動力が、発進クラッチ15→主入力軸11→第2クラッチC2→第2副入力軸13→4速ドライブギヤ24→4速ドリブンギヤ28→2速−4速ドグクラッチ30→出力軸14→ファイナルドライブギヤ31→ファイナルドリブンギヤ32→ディファレンシャルギヤ33の経路で左右の駆動輪W,Wに伝達される。
次に、シンクロ装置Sの作用を説明する。
1速−3速ドグクラッチ29および2速−4速ドグクラッチ30はシンクロ機能を備えていないため、1速−3速ドグクラッチ29および2速−4速ドグクラッチ30を係合するとき、1速ドリブンギヤ25、2速ドリブンギヤ26、3速ドリブンギヤ27および4速ドリブンギヤ28の回転数と出力軸14の回転数とを一致させる必要がある。1速ドリブンギヤ25、2速ドリブンギヤ26、3速ドリブンギヤ27および4速ドリブンギヤ28の回転数は主入力軸11の回転数に対してギヤ比により決まる既知の関係があるため、主入力軸11の回転数(つまり第1、第2副入力軸12,13の回転数)を検出する入力軸回転数センサの出力と、出力軸14の回転数を検出する出力軸回転数センサの出力とを比較することで、1速ドリブンギヤ25、2速ドリブンギヤ26、3速ドリブンギヤ27および4速ドリブンギヤ28の回転数が出力軸14の回転数と一致したことを判定することができる。
出力軸14の回転数は車速に応じて一義的に決まってしまうため、1速ドリブンギヤ25、2速ドリブンギヤ26、3速ドリブンギヤ27および4速ドリブンギヤ28の回転数、つまり第1、第2副入力軸12,13の回転数をシンクロ装置Sで制御し、1速ドリブンギヤ25、2速ドリブンギヤ26、3速ドリブンギヤ27および4速ドリブンギヤ28の回転数を出力軸14の回転数に一致させれば、シンクロ機能を持たない1速−3速ドグクラッチ29および2速−4速ドグクラッチ30をスムーズに係合することができる。
シフトチェンジの際に次段の変速段を確立するためのインギヤ直前の状態では、現変速段以外の動力伝達経路の係合要素は全て非係合の状態にある。このとき、出力軸14は車速に応じた回転数で回転するが、非係合要素には差回転が存在してスムーズに係合できない状態にある。
そこで、次段の変速段において出力軸14に結合すべきドリブンギヤの回転数を、シンクロ装置Sにより減速して出力軸14の回転数に一致させ、その状態で非係合のドグクラッチを係合することで、スムーズなインギヤが可能になる。
即ち、シンクロ装置Sのモータ47を一方向に駆動して第1カム部材40を一方向に回転させると、第2カム部材41Rが右動して第1摩擦クラッチ38Rが係合し、第1アイドルギヤ34の回転を制動する。その結果、第1アイドルギヤ34に噛合する3速ドライブギヤ23の回転数、あるいは第3ドライブギヤ23と一体の1速ドライブギヤ21の回転数が減少し、それらに噛合する1速ドリブンギヤ25あるいは3速ドリブンギヤ27の回転数が減少することで、出力軸14との差回転を消滅させて1速−3速ドグクラッチ29をスムーズに係合することができる。
またシンクロ装置Sのモータ47を他方向に駆動して第1カム部材40を他方向に回転させると、第3カム部材41Lが左動して第2摩擦クラッチ38Lが係合し、アイドル軸36および第2アイドルギヤ35の回転を制動する。その結果、第2アイドルギヤ35に噛合する4速ドライブギヤ24の回転数、あるいは第4ドライブギヤ24と一体の2速ドライブギヤ22の回転数が減少し、それらに噛合する2速ドリブンギヤ26あるいは4速ドリブンギヤ28の回転数が減少することで、出力軸14との差回転を消滅させて2速−4速ドグクラッチ30をスムーズに係合することができる。
以上のように、通常は1速−3速シンクロ装置および2速−4速シンクロ装置を用いるところ、シンクロ機能を持たない代わりに安価で軸方向寸法が小さい1速−3速ドグクラッチ29および2速−4速ドグクラッチ30を用いたことで、トランスミッションTの軸方向寸法を小型化することができ、しかも各変速段に対して共通のシンクロ装置Sを設けることで、全ての変速段の確立時にシンクロ機能を発揮させることができる。
次に、二連式ボールカム機構の第1、第2リテーナ50R,50Lの作用を説明する。尚、第1カム部材40および第2カム部材41Rによる作用は、第1カム部材40および第3カム部材41Lによる作用と実質的に同じであるため、前者の作用を中心に説明する。
図8(A)に示すように、第1カム部材40が中立位置にあるとき、第1ボール43aは相互に対向する第1、第2カム溝40a,41Raの角部c,cに係合して位置決めされている。この状態から第1カム部材40が図8(B)の矢印A方向に回転すると、第1ボール43aが第1カム部材40の第1カム溝40aの傾斜部bおよび第2カム部材41Rの第2カム溝41Raの傾斜部bに挟まれるように円周方向(矢印B方向)に移動することで、第1カム部材40に対して第2カム部材41Rが矢印C方向に移動する。
このとき、第1、第2リテーナ50R,50Lが相互に接続されていないと仮定すると、第1カム部材40の第3カム溝40bおよび第3カム部材41Lの第4カム溝41Laに挟まれた第2ボール43bは、第3カム溝40bおよび第4カム溝41Laの角部c,cから離れて平行部a,a間に移動するが、両平行部a,aには第2ボール43bを挟み付ける軸方向荷重が作用しないため、平行部a,aにおける第2ボール43bの円周方向位置が定まらない。そのために、第1カム部材40が図8(A)に示す中立位置に戻ったとき、相互に対向する第3カム溝40bおよび第4カム溝41Laの角部c,cに第2ボール43bがスムーズに係合しない可能性がある。
しかしながら本実施の形態によれば、第1、第2リテーナ50R,50Lが第1連結部材51…および第2連結部材52…で相互に接続されて一体で円周方向に移動するため、第1ボール43aの位相(円周方向位置)に第2ボール43bの位相(円周方向位置)を追従させ、第3カム溝40bおよび第4カム溝41Laの平行部a,a間に挟まれた第2ボール43bの位相を安定させることができる。これにより、第1カム部材40が図8(A)に示す中立位置に戻ったとき、相互に対向する第3カム溝40bおよび第4カム溝41Laの角部c,cに第2ボール43bをスムーズに係合させることができる。
以上、第1カム部材40が一方向に移動した場合について説明したが、第1カム部材40が他方向に移動した場合(図8(C)参照)の作用も実質的に同じである。
次に、図13および図14に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第2の実施の形態は第1連結部材51および第2連結部材52の形状が第1の実施の形態と異なっており、その他の構成は第1の実施の形態と同じである。
即ち、第1リテーナ50Rに固定される第1連結部材51に設けた係合溝部51dと、第2リテーナ50Lに固定される第2連結部材52に設けた係合腕部52dとが軸線L方向に摺動自在に嵌合することで、第1、第2リテーナ50R,50Lが一体に連結される。この第2の実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様の作用効果を達成することができる。
次に、図15および図16に基づいて本発明の第3の実施の形態を説明する。
第3の実施の形態は第1、第2連結部材51,52を備えていない点で第1の実施の形態と異なっており、その他の構成は第1の実施の形態と同じである。
即ち、第1リテーナ50Lから軸線L方向に突出する複数の係合腕部50Lc…が第1カム部材40に円周方向に形成したスリット40c…を貫通し、第2リテーナ50Rに形成した係合溝部50Rc…に軸線L方向摺動自在に係合することで、第1、第2リテーナ50R,50Lが一体に連結される。この第2の実施の形態によれば、第1、第2連結部材51,52を廃止して部品点数を削減することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本実施の形態の二連式ボールカム機構の用途は、車両用のトランスミッションに限定されるものではない。
またトランスミッションTの変速段数は4段に限定されるものではなく、第1ボール43aの数および第2ボール43bの数は6個に限定されるものではない。
40 第1カム部材
40a 第1カム溝
40b 第3カム溝
41R 第2カム部材
41Ra 第2カム溝
41L 第3カム部材
41La 第4カム溝
43a 第1ボール
43b 第2ボール
50R 第1リテーナ
50Rc 係合腕部(連結部)
50L 第2リテーナ
50Lc 係合溝部(連結部)
51 第1連結部材(連結部)
52 第2連結部材(連結部)
L 軸線

Claims (1)

  1. 軸線(L)まわりに回転可能に配置された第1カム部材(40)と、
    前記第1カム部材(40)の一側面側で軸線(L)まわりに回転不能かつ軸線(L)方向に移動可能に配置された第2カム部材(41R)と、
    前記第1カム部材(40)の他側面側で軸線(L)まわりに回転不能かつ軸線(L)方向に移動可能に配置された第3カム部材(41L)と、
    前記第1カム部材(40)および前記第2カム部材(41R)の対向面にそれぞれ形成された第1、第2カム溝(40a,41Ra)と、
    前記第1、第2カム溝(40a,41Ra)に嵌合する第1ボール(43a)と、
    前記第1カム部材(40)および前記第3カム部材(41L)の対向面にそれぞれ形成された第3、第4カム溝(40b,41La)と、
    第3、第4カム溝(40b,41La)に嵌合する第2ボール(43b)とを備え、
    前記第1カム部材(40)の一方向の回転により、該第1カム部材(40)に対して前記第2カム部材(41R)を軸線(L)方向に離反させ、前記第1カム部材(40)の他方向の回転により、該第1カム部材(40)に対して前記第3カム部材(41L)を軸線方向(L)に離反させる二連式ボールカム機構において、
    前記第1、第2カム部材(40,41R)の間に配置されて前記第1ボール(43a)を前記第1、第2カム溝(40a,41Ra)の所定位置に保持する第1リテーナ(50R)と、
    前記第1、第3カム部材(40,41L)の間に配置されて前記第2ボール(43b)を前記第3、第4カム溝(40b,41La)の所定位置に保持する第2リテーナ(50L)と、
    前記第1、第2リテーナ(50R,50L)を一体に連結する連結部(51,52,50Rc,50Lc)とを備えることを特徴とする二連式ボールカム機構。
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