JP2011219606A - ゴム製品の固着防止用塗料及びその固着防止用塗膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゴム製品の弾性を確保すると共に、フッ素樹脂微粒子やシリコーン微粒子を用いなくても金属製品との固着を十分に防止できるゴム製品の固着防止用塗料を提供する。
【解決手段】繊維状又は針状のフィラーと、バインダー樹脂と、を含有する、ゴム製品の固着防止用塗料、及び繊維状又は針状のフィラーと、バインダー樹脂と、を含有する、ゴム製品の固着防止用塗膜。更に好ましくは、表面粗さRzが20〜60μmである、前記ゴム製品の固着防止用塗膜。
【選択図】なし
【解決手段】繊維状又は針状のフィラーと、バインダー樹脂と、を含有する、ゴム製品の固着防止用塗料、及び繊維状又は針状のフィラーと、バインダー樹脂と、を含有する、ゴム製品の固着防止用塗膜。更に好ましくは、表面粗さRzが20〜60μmである、前記ゴム製品の固着防止用塗膜。
【選択図】なし
Description
本発明は、ゴム製品の固着防止用塗料及びその固着防止用塗膜に関するものである。
従来、例えば自動車等の構造部品に用いられるパッキンなど、金属製品に直接接触するゴム製品が知られている。ゴム製品は、その弾性(可撓性)により金属製品の表面形状に対して高い追従性を実現できる一方、高温状態で又は長時間、金属製品と密着した状態にあると、金属製品に貼り付いてしまい、固着が発生する。固着が発生すると、ゴム製品と金属製品とを引き剥がすことが困難となり、製品の機能が損なわれることがある。
そのゴム製品の、接触相手となる金属製品への固着を低減させる手段として、ゴム製品の表面にテフロン(登録商標)シートを貼り付ける手段、ゴム製品の表面にグリースを塗布する手段、ゴム製品の表面にオイルやワックスをブリードさせる手段、ゴム製品の表面にオイルやワックス、固体潤滑剤などを含有させた塗料をコーティングする手段などが採用されている。
例えば、特許文献1には、固着防止効果が高く、耐油性に優れ、低摩擦な被膜を表面に有する耐熱、耐油性ゴムシール部材、及びこの表面被膜を形成するための塗料組成物の提供を意図して、ゴム弾性体の表面に塗布される塗料組成物であって、該樹脂塗料は、シリコーン成分と、熱硬化性樹脂成分と、これらシリコーン成分及び熱硬化性樹脂成分から選ばれた少なくとも1つの成分と反応し得る官能基を有する硬化剤と、フッ素樹脂微粒子及びシリコーン微粒子から選ばれた少なくとも1つの微粒子とを含む塗料組成物が提案されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載の塗料組成物は、その材料コストが高いため、フッ素樹脂微粒子やシリコーン微粒子を用いなくても十分な固着防止効果を奏する代替の手段が求められる。
そこで、本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、ゴム製品の弾性を確保すると共に、フッ素樹脂微粒子やシリコーン微粒子を用いなくても金属製品との固着を十分に防止できるゴム製品の固着防止用塗料及びその塗膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ゴム製品の固着防止用塗料に特定形状のフィラーを含有させることにより、固着防止の効果を有効に発揮できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、繊維状又は針状のフィラーと、バインダー樹脂とを含有するゴム製品の固着防止用塗料を提供する。また、本発明は、繊維状又は針状のフィラーと、バインダー樹脂とを含有するゴム製品の固着防止用塗膜を提供する。上記固着防止用塗料をゴム製品の表面に塗布して上記固着防止用塗膜を形成すると、繊維状又は針状のフィラーの一部が塗膜表面に露出することにより、塗膜全体が金属製品と密着するのを防ぐことができるので、ゴム製品が金属製品に固着するのを十分に防止できる。また、本発明の固着防止用塗膜は、繊維状又は針状のフィラーをバインダー樹脂で結合した形態を有しているため、その塗膜を形成したゴム製品の弾性を保持した状態にある。
本発明に係るフィラーが繊維状又は針状の形状を有することにより、本発明の上記目的を達成できる要因、特に固着防止効果を奏することのできる要因は、現在のところ詳細には明らかにされていない。本発明者らは、その要因の一つを下記のとおりと考えている。ただし、要因はこれに限定されない。
すなわち、金属製品への固着は、ゴム製品の表面又はその表面に形成された塗膜表面の広い領域が金属製品の表面と密着することにより生じると考えられる。なお、固着は、いわゆるアンカー効果のような物理的な結合、あるいは、表面に存在する官能基同士の化学的な結合(例えば水素結合)によるものと推測される。
そのような固着を低減させる方法として、フィラーを塗膜に含有させ、フィラーの一部を塗膜表面に突出して露出させることで塗膜の表面を粗くして、物理的に金属との固着を低減する方法が考えられる。ところが、フィラーとして球状若しくはそれに近い形状又は不定形のフィラーを用いると、ゴム製品と金属製品とを互いに押し付ける方向に力を付与した際に、その押し付ける方向の反対方向にのみ応力が発生し、その結果、押し付ける力の分散が不十分となる。そうすると、塗膜がその膜厚方向に圧縮され、フィラーが塗膜内に埋没しやすくなるため、その表面の広い領域が金属製品と密着してしまい、固着が発生する。また、板状、鱗片状のフィラーを用いた場合、上述のような押し付ける力の分散性は良好になる。しかしながら、板状、鱗片状のフィラーは塗膜中に積層した形で存在するため、塗膜表面に突出して露出する部分が小さくなる結果、金属製品の表面に密着する塗膜の面積が大きくなり、固着が発生するものと推測される。
一方、本発明の固着防止用塗料及び塗膜によると、そこに含まれる繊維状又は針状のフィラーが塗膜表面に部分的に突出して露出することにより、塗膜表面に凹凸を形成し、金属製品の表面に直接接触する部分の面積が小さくなるため、固着を低減することができる。さらに、ゴム製品と金属製品とを互いに押し付ける方向に力を付与すると、それらのフィラーの繊維状又は針状の形状に依存して、その押し付ける方向の反対方向だけでなく、様々な方向に応力が発生する。これにより、押し付ける力が十分に分散される。そうすると、微視的に見たときに、塗膜がその膜厚方向のみに圧縮され難くなるため、その表面の金属製品と直接接触する部分の面積が小さくなり、固着の発生が十分に抑制されると推測される。
本発明のゴム製品の固着防止用塗膜は、その表面粗さRzが20〜60μmであると、その表面の金属製品の表面と直接接触する部分の面積が更に小さくなるため、一層固着を抑制することができて好ましい。
本発明によれば、ゴム製品の弾性を確保すると共に、フッ素樹脂微粒子やシリコーン微粒子を用いなくても金属製品との固着を十分に防止できるゴム製品の固着防止用塗料及びその塗膜を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
本実施形態のゴム製品の固着防止用塗料(以下、単に「固着防止用塗料」という。)は、繊維状又は針状のフィラー(以下、「繊維状又は針状フィラー」という。)と、バインダー樹脂とを含有するものである。繊維状又は針状のフィラーは、塗膜を形成したときに、塗膜表面にその一部を突出して露出することにより、塗膜表面に凹凸を生じさせ、それにより、固着防止の効果を発揮させるものである。繊維状又は針状フィラーとしては、例えば、有機系の繊維状又は針状フィラー及び無機系の繊維状又は針状フィラーが挙げられる。有機系の繊維状又は針状フィラーとしては、例えば、カーボンファイバー、並びに、ナイロン(登録商標)及びアラミドなどのポリアミド繊維、セルロース系繊維が挙げられる。無機系の繊維状又は針状フィラーとしては、例えば、二酸化ケイ素繊維、炭化ケイ素繊維、窒化ケイ素繊維、ケイ酸カルシウム繊維、ガラス繊維などのケイ素系繊維、チタン酸カリウム繊維などの針状鉱物が挙げられる。
これらは、常法により合成されてもよく、市販品を入手してもよい。市販品としては、呉羽化学工業社製のカーボンファイバーである製品名「KCF−100」、巴工業社が販売している針状鉱物のウォラスナイト(ケイ酸カルシウム)である製品名「NYGLOS12」が挙げられる。繊維状又は針状フィラーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記繊維状又は針状フィラーの中では、特に固着防止効果が高いことから、カーボンファイバーが好ましい。
繊維状又は針状フィラーは、そのアスペクト比(繊維径(針径)に対する繊維長さ(針長さ)の比)が2〜30であると好ましく、6〜12であるとより好ましい。このアスペクト比が上記下限値を下回ると、繊維状又は針状フィラーによる上述の固着防止効果が低減する傾向にある。また、このアスペクト比が上記上限値を超えると、固着防止用塗料の塗布時に、例えばスプレーガンを用いたスプレーコート法ではスプレーガンが目詰まりを発生しやすくなるなど、塗装性が低下する傾向にある。
繊維状又は針状フィラーは、その繊維径が5〜20μmであると好ましい。繊維径が上記下限値を下回ると、固着防止効果が低減する傾向にある。また、繊維径が上記上限値を超えると、固着防止用塗膜からフィラーが脱落しやすくなる結果、固着防止効果が低減する傾向にある。また、繊維状又は針状フィラーは、その繊維長さが50〜200μmであると好ましい。繊維長さが上記下限値を下回ると、固着防止効果が低減する傾向にある。また、繊維長さが上記上限値を超えると、固着防止用塗料の塗布時に、塗装性が低下して、安定的に固着防止用塗膜を形成し難くなる傾向にある。繊維径(針径)及び繊維長さ(針長さ)は、SEMなどの顕微鏡観察により測定される。
繊維状又は針状フィラーは、固着防止用塗料中での分散性を良好にするために、例えば後述のバインダー樹脂が水溶性又は水分散性の樹脂である場合、その比重が0.90〜1.10であると好ましく、0.95〜1.05であるとより好ましい。比重が水に近い繊維状又は針状フィラーは、固着防止用塗料中での分散性が良好となり、固着防止用塗膜を形成した際も、塗膜の全体に分散することができる。
本実施形態の固着防止用塗料に含有されるバインダー樹脂は、繊維状又は針状フィラーを結合して塗膜を形成可能にするものである。そのバインダー樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂;フルオロエチレン−ビニルエーテルなどのフッ素系樹脂;エポキシ樹脂;ナイロン(登録商標)などのポリアミド樹脂;ポリエステル樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂;及び酢酸ビニル樹脂が挙げられる。あるいは、それらの樹脂を構成するモノマー同士の共重合体であってもよい。バインダー樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。バインダー樹脂の分子量は、塗膜を形成できる範囲であれば特に限定されない。
バインダー樹脂は、その取扱い性等の観点から、水溶性の樹脂又は水分散性の樹脂(樹脂エマルジョン)であると好ましい。そのような樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。また、バインダー樹脂は、ゴム製品の弾性を更に良好に保持する観点から、塗膜にしたときに可撓性を有するものが好ましい。そのような樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂が挙げられる。さらに、バインダー樹脂は、固着防止用塗膜を形成する下地のゴム製品との密着性が良好なものが好ましい。例えば、ゴム製品がブチルゴム製の製品である場合、バインダー樹脂は、ブチルゴムとの密着性が良好である観点から、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂であると好ましい。
これらのバインダー樹脂は、常法により合成されてもよく、市販品を入手してもよい。市販品としては、例えばオレフィン系樹脂として、鉛市社製の製品名「SG−2000」が挙げられる。
本実施形態の固着防止用塗料において、繊維状又は針状フィラーの含有量は、繊維状又は針状フィラーとバインダー樹脂との合計量に対して、30〜70質量%であると好ましく、40〜60質量%であるとより好ましい。繊維状又は針状フィラーの含有量が上記下限値未満であると、それらのフィラーによる固着防止効果が低減する傾向にある。また、繊維状又は針状フィラーの含有量が上記上限値を上回ると、バインダー樹脂によってそれらのフィラーを結合し難くなるため、固着防止用塗膜を安定的に形成することが困難となり、塗膜を形成できてもゴム製品から剥離しやすくなる傾向にある。
本実施形態の固着防止用塗料には、上記樹脂の硬化剤が含まれてもよい。そのような硬化剤としては公知ものであればよく、例えば、イソシアネート、メラミン及びオキサゾリン系の硬化剤が挙げられる。これらの中でオキサゾリンは、樹脂や固着防止用塗膜の耐水性を向上でき、低温で硬化できる観点から好ましい。
本実施形態の固着防止用塗料には、上記繊維状又は針状フィラー及びバインダー樹脂を分散したり、溶解したりする溶媒が含まれてもよい。溶媒としては、繊維状又は針状フィラーを溶解せずに分散でき、かつ、バインダー樹脂を溶解又は分散できるものであれば特に限定されず、水であってもよく、公知の有機溶媒であってもよい。ただし、取扱い性等の観点から、溶媒が水であると好ましい。
本実施形態の固着防止用塗料が溶媒を含有する場合、その含有量は、固着防止用塗膜を形成できる量であれば特に限定されないが、固着防止用塗料における固形分濃度が15〜40質量%となるような量であると好ましい。固形分濃度が上記下限値を下回っても上回っても、適度な膜厚の固着防止用塗膜を形成するのが困難となる傾向にある。
本実施形態の固着防止用塗料は、本発明の効果を阻害しない範囲において、ゴム製品に塗布される塗料に含まれる、上記以外の各種の添加剤を含有してもよい。
本実施形態のゴム製品の固着防止用塗膜(以下、単に「固着防止用塗膜」という。)は、上記固着防止用塗料をゴム製品に塗布した後、必要に応じて乾燥処理及び/又は硬化処理を施されて形成される。したがって、本実施形態の固着防止用塗膜は、上記繊維状又は針状フィラーと、上記バインダー樹脂とを含有する。ここで、本実施形態の固着防止用塗料及び固着防止用塗膜におけるバインダー樹脂は、前者と後者が同一のものであってもよく、前者が硬化前のもので後者が硬化後のものであってもよい。バインダー樹脂の硬化は、常法により行われ、光硬化であってもよく熱硬化であってもよい。
固着防止用塗料のゴム製品への塗布方法は公知の塗布方法であればよく、例えば、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、フローコート法などが挙げられる。また、乾燥処理は固着防止用塗料中の溶媒などの液体成分を揮発させるための処理であり、その処理温度及び処理時間は、液体成分を揮発除去でき、かつ、固着防止用塗料中の各成分を不必要に変性させない範囲であれば特に限定されない。さらに、硬化処理は、固着防止用塗料中のバインダー樹脂を光又は熱により硬化する処理であり、その処理条件は、バインダー樹脂を硬化でき、かつ、固着防止用塗料中の各成分を不必要に変性させない範囲であれば特に限定されない。
なお、ゴム製品への固着防止用塗膜の形成に際し、所望の膜厚を得るために、固着防止用塗料を塗布して、更に必要に応じて乾燥処理及び/又は硬化処理を施した後、更に固着防止用塗料の塗布、並びに必要に応じて乾燥処理及び/又は硬化処理を繰り返してもよい。もちろん、それらの各処理は各一回のみであってもよい。
本実施形態の固着防止用塗膜の膜厚(平均膜厚)は、本発明の上記効果を奏する範囲であれば特に限定されないが、15〜45μmであると好ましい。膜厚が上記下限値を下回ると、本発明による固着防止効果が十分に発揮され難くなる傾向にあり、上記上限値を超えると、ゴム製品の寸法に対して塗膜を形成した製品の寸法が大きくなりすぎるため、実用的でなくなる傾向にある。
本実施形態の固着防止用塗膜の表面粗さRzは、20μm以上であると好ましい。表面粗さRzが20μm未満であると、本発明による固着防止効果が低減する傾向にある。なお、その表面粗さRzの上限は特に限定されないが、固着防止用塗膜を形成する容易性の観点から、例えば60μm以下であると好ましい。なお、本明細書において、表面粗さRzは、JIS B0601(1994)に準拠して測定される十点平均粗さRzを意味し、評価長さを10mm、測定速度を0.3mm/sとする。
本実施形態において、固着防止用塗膜を形成する対象となるゴム製品は、そのゴム製品が金属製品の表面形状に追従するようなものであれば、特に限定されず、例えば、マグネットクラッチにおけるゴム製部材、窓枠やO−リングにおけるパッキンとしてのゴム製部材が挙げられる。
本実施形態の固着防止用塗料及び固着防止用塗膜によると、そこに含まれる繊維状又は針状フィラーが塗膜表面に部分的に突出して露出することにより、塗膜表面に凹凸を形成し、金属製品の表面に直接接触する部分の面積が小さくなる等の理由により、固着を低減することができる。また、本実施形態によると、オイル、ワックスや固体潤滑剤を用いる必要がないため、風雨に曝されるような環境で用いられるゴム製品に用いても、固着防止用塗膜の固着防止効果が低減し難い。このように、本実施形態の固着防止用塗膜は、耐水性、耐候性に優れたものである。さらには、本実施形態の固着防止用塗料及び固着防止用塗膜は、固着防止用にテフロン(登録商標)シート等を用いる必要もなく、比較的取扱いが容易であるという利点も有する。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上記本実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(固着防止用塗料の調製)
下記表1に示す各成分を表1に示す組成で容器内に添加し、室温にて十分に撹拌混合することで、固着防止用塗料を得た。なお、表中の各成分における数字は固着防止用塗料中の含有量(組成比、単位:質量%)を示す。また、表中の各成分としては、下記のものを用いた。
カーボンファイバー:呉羽化学工業社製、製品名「KCF−100」
ケイ酸カルシウム:巴工業社が販売、製品名「NYGLOS12」
カーボン粉末:日清オイリオグループ社製、製品名「SH−0930」
PTFE:住友スリーエム社製、製品名「TF9205」
タルク:浅田製粉社製、製品名「JA−68G」
銅粉:ダイヤ工業社製、製品名「3L3」
オレフィン系樹脂:鉛市社製、製品名「SG−2000」
オキサゾリン系硬化剤:日本触媒社製、製品名「WS−700」
下記表1に示す各成分を表1に示す組成で容器内に添加し、室温にて十分に撹拌混合することで、固着防止用塗料を得た。なお、表中の各成分における数字は固着防止用塗料中の含有量(組成比、単位:質量%)を示す。また、表中の各成分としては、下記のものを用いた。
カーボンファイバー:呉羽化学工業社製、製品名「KCF−100」
ケイ酸カルシウム:巴工業社が販売、製品名「NYGLOS12」
カーボン粉末:日清オイリオグループ社製、製品名「SH−0930」
PTFE:住友スリーエム社製、製品名「TF9205」
タルク:浅田製粉社製、製品名「JA−68G」
銅粉:ダイヤ工業社製、製品名「3L3」
オレフィン系樹脂:鉛市社製、製品名「SG−2000」
オキサゾリン系硬化剤:日本触媒社製、製品名「WS−700」
(固着防止用塗膜の作製)
厚さ2mmのブチルゴム製平板に、上記各固着防止用塗料を、得られる固着防止用塗膜の膜厚(平均膜厚)が30μmとなるように、スプレーコート法により塗布した。次いで、大気雰囲気中、120℃で30分間放置することにより乾燥処理と硬化処理とを施して、ブチルコム製平板の表面上に固着防止用塗膜を形成した。各固着防止用塗膜の表面粗さRzを測定した。結果を表1に示す。なお、実施例1〜3の固着防止用塗膜を指で押したところ、弾性(可撓性)を有していることが確認できた。
厚さ2mmのブチルゴム製平板に、上記各固着防止用塗料を、得られる固着防止用塗膜の膜厚(平均膜厚)が30μmとなるように、スプレーコート法により塗布した。次いで、大気雰囲気中、120℃で30分間放置することにより乾燥処理と硬化処理とを施して、ブチルコム製平板の表面上に固着防止用塗膜を形成した。各固着防止用塗膜の表面粗さRzを測定した。結果を表1に示す。なお、実施例1〜3の固着防止用塗膜を指で押したところ、弾性(可撓性)を有していることが確認できた。
(固着試験)
上述のようにしてブチルコム製平板の表面上に形成した固着防止用塗膜を、金属板に0.1MPaの圧力で押し付けた状態で、大気雰囲気中、120℃で72時間放置した。その後、室温まで自然冷却して、固着の発生の有無を確認した。上記圧力を解除した際に、両方の板が密着したままであり、軽く振動を与えても密着したままである場合は、固着が発生し、その固着性が高いと判断し「×」と評価した。また、上記圧力を解除した際に、両方の板が密着したままであり、軽く振動を与えると両方の板が互いに離れた場合は、固着が発生したものの固着性は低いと判断し「△」と評価した。上記圧力を解除した際に、両方の板が互いに離れた場合は、固着が発生していないと判断し「○」と評価した。結果を表1に示す。
上述のようにしてブチルコム製平板の表面上に形成した固着防止用塗膜を、金属板に0.1MPaの圧力で押し付けた状態で、大気雰囲気中、120℃で72時間放置した。その後、室温まで自然冷却して、固着の発生の有無を確認した。上記圧力を解除した際に、両方の板が密着したままであり、軽く振動を与えても密着したままである場合は、固着が発生し、その固着性が高いと判断し「×」と評価した。また、上記圧力を解除した際に、両方の板が密着したままであり、軽く振動を与えると両方の板が互いに離れた場合は、固着が発生したものの固着性は低いと判断し「△」と評価した。上記圧力を解除した際に、両方の板が互いに離れた場合は、固着が発生していないと判断し「○」と評価した。結果を表1に示す。
Claims (3)
- 繊維状又は針状のフィラーと、バインダー樹脂と、を含有する、ゴム製品の固着防止用塗料。
- 繊維状又は針状のフィラーと、バインダー樹脂と、を含有する、ゴム製品の固着防止用塗膜。
- 表面粗さRzが20〜60μmである、請求項2に記載のゴム製品の固着防止用塗膜。
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