JP2011218614A - 液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加圧クリーニングと液体中に発生した気泡の分離とを実行可能としながら、液体
噴射装置の大型化を抑制する。
【解決手段】液体貯留タンク内に、液体中の気泡を大気に放出可能な第1液体貯留部と、
第1液体貯留部の下流側で、液体を密閉状態で貯めておく第2液体貯留部とを設けておく
。そして、噴射ヘッドから第1液体貯留部へと液体を還流させることで、気泡を第1液体
貯留部に分離し、また、第2液体貯留部を加圧することで、第2液体貯留部の下流側へと
液体を圧送することにより加圧クリーニングを行う。こうして液体貯留タンク内に気泡の
分離機構と液体の加圧機構とを設けることで、装置全体の小型化を図ることが可能となる
。尚、第2液体貯留部の底面には遮蔽部材が立設されており、第2液体貯留部に沈殿した
液体中の成分が、下流側の液体通路へと流れ込むことが防止されるようになっている。
【選択図】図4

Description

本発明は、噴射ヘッドから液体を噴射する技術に関する。
いわゆるインクジェットプリンターでは、微細な噴射ノズルから、正確な分量のインク
を正確な位置に噴射することによって、高画質の画像を印刷することが可能である。また
、この技術を利用して、インクの代わりに各種の液体を基板に向けて噴射すれば、電極や
、センサ、バイオチップなどを製造することも可能である。
このような技術では、噴射ノズルを備えた噴射ヘッドを用いてインクなどの液体を噴射
する。噴射ヘッド内の液体が増粘するなどして性状が劣化した場合には、噴射ヘッドを上
流側から加圧することで噴射ヘッド内の液体を押し出してキャップに排出する動作である
加圧クリーニングが行われることもある。
また、噴射ヘッド内や噴射ヘッドに液体を供給する通路内では、液体中に溶け込んでい
た空気が溶け出して気泡が発生したり、あるいは外部の空気を巻きこむなどして気泡が発
生することがある。こうして生じた気泡が噴射ノズルや流路を塞ぐと、液体を上手く噴射
することが出来なくなって印刷画質が低下してしまう。そこで、噴射ヘッドに液体を供給
するための流路中に、液体を一時的に貯めるサブタンクを設けておき、サブタンクと噴射
ヘッドとの間で液体を循環させることで、サブタンク内で液体と気泡とを分離する技術が
提案されている(特許文献1)。
特開2008−246843号公報
しかし、加圧クリーニングを行うための液体の加圧機構と、気泡の分離を行うためのサ
ブタンクとを液体噴射装置内に設けようとすると、装置全体が大型化してしまうという問
題があった。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、
加圧クリーニングと液体中の気泡の分離とを実行可能としながら、液体噴射装置の大型化
を抑制することが可能な技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の液体噴射装置は次の構成を
採用した。すなわち、
噴射ヘッドに設けられた噴射ノズルから液体を噴射する液体噴射装置であって、
前記噴射ヘッドの上流側に設けられて前記液体を貯めておくとともに、該液体内に混入
した気泡を大気に放出可能に構成された第1液体貯留部と、該第1液体貯留部の下流側で
液体を密閉状態で貯めておく第2液体貯留部と、前記第2液体貯留部から前記第1液体貯
留部へと液体が逆流することを防止する逆流防止手段とが、内部に設けられた液体貯留タ
ンクと、
前記液体貯留タンクの前記第2液体貯留部から前記噴射ヘッドに液体を供給する液体通
路と、
前記噴射ヘッド内の液体を吸い出すことによって前記第1液体貯留部に還流させる液体
還流手段と、
前記第2液体貯留部内の前記液体を加圧することによって前記噴射ヘッドに該液体を圧
送する液体圧送手段と
を備え、
前記液体貯留タンクの前記第2液体貯留部には、前記液体通路が該第2液体貯留部に開
口する開口部の上流側の位置に、該第2貯留部の底面から遮蔽部材が立設されていること
を要旨とする。
このような本発明の液体噴射装置においては、噴射ヘッドから第1液体貯留部へと液体
を還流させて装置内の液体を循環させることにより、噴射ヘッド内や噴射ヘッドに液体を
供給する通路内に発生した気泡を第1液体貯留部に分離する。第1液体貯留部では、分離
した気泡が大気に放出されるので、液体中の気泡を取り除くことができる。また、加圧ク
リーニングを行う場合には、第2液体貯留部を加圧する。このとき、逆流防止手段によっ
て、第2液体貯留部内から第1液体貯留部へと液体が逆流することが防止されるので、第
2液体貯留部の下流側へと十分な圧力によって液体を圧送することができ、これにより噴
射ヘッド内の液体を排出させることが可能である。
このため、液体中の気泡の分離と加圧クリーニングとを実行可能しながら、気泡を分離
する機構と、加圧クリーニングを行う液体の加圧機構とを、一体として液体貯留タンク内
に設けることができる。その結果、これらの機構を液体噴射装置内に別々に設ける場合と
比較して、装置全体が大型化することを抑制可能となる。
尚、第1液体貯留部、および第2液体貯留部は、噴射ヘッドや液体の通路などに比べて
通路断面が大きく、液体の流れが緩やかな場所となっているので、液体中の成分が時間の
経過とともに重力によって沈殿する。沈殿した液体中の成分が、液体の噴射時(あるいは
、加圧クリーニング時)に生ずる液体の流れによって第2液体貯留部から液体通路の開口
部へ流れ込むと、液体通路が詰まるなどの弊害が生じ得るが、開口部の上流側には第2液
体貯留部の底面から遮蔽部材が立設されているので、第2液体貯留部内の沈殿が液体通路
へと流れ込むことがない。
また、上述した本発明の液体噴射装置においては、遮蔽部材の先端部を、第2液体貯留
部の開口部の反対方向に折り曲げることとしてもよい。
こうすれば、第2液体貯留部から液体通路に流入する液体の流れが強い場合(例えば、
加圧クリーニング時)などに、遮蔽部材の位置でせき止められた沈殿物が遮蔽部材に沿っ
て浮上してきたとしても、沈殿物が遮蔽部材を乗り越えてしまうことが無い。従って、第
2液体貯留部から液体通路に沈殿物が流れ込むことをより確実に防止することが可能とな
る。
ラインプリンターを例に用いて本実施例の液体噴射装置の大まかな構造を示した説明図である。 ヘッドユニットを底面側から見たときの状態を示す説明図である。 噴射ヘッド内のインクを循環させる機構を示した説明図である。 本実施例のサブタンクの詳細な構造を示した斜視図である。 サブタンクに分離された気泡を除去する方法を示した説明図である。 サブタンク内で加圧クリーニングを実行するための加圧力を発生させる方法を示した説明図である。 防御壁によって加圧室内の沈澱物がインク供給通路に流れ込むことが防止される様子を示した説明図である。 変形例の防御壁の形状を示した説明図である。 変形例の防御壁を用いることで、加圧室内から沈殿物が流出することが効果的に防止される理由を示した説明図である。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施
例を説明する。
A.装置構成:
B.本実施例のサブタンクの構造:
C.変形例:
A.装置構成 :
図1は、ラインプリンター1を例に用いて本実施例の液体噴射装置の大まかな構造を示
した説明図である。図示されているように、本実施例のラインプリンター1は、大まかに
は箱型の外形形状をしており、上面には、モニターパネル2や、ユーザーが操作するため
の操作パネル3などが設けられている。また、ラインプリンター1の前面には、インクカ
ートリッジを交換する際に開けるカートリッジ交換扉4や、印刷用紙を装填する際に開け
る給紙扉5が設けられており、更に、向かって右側面には、印刷された印刷用紙が排出さ
れる排紙口6が設けられている。
ラインプリンター1の内部には、各種の機能を実行する複数のユニットあるいは部品が
搭載されている。先ず、ラインプリンター1のほぼ中央の位置には、印刷用紙にインクを
噴射するヘッドユニット30が設けられている。ヘッドユニット30の下方には、ヘッド
ユニット30にインクを供給するインク供給部60が設けられており、このインク供給部
60には、インクが充填されたインクカートリッジ62が装着される。尚、本実施例のラ
インプリンター1では、黒インク(Kインク)、シアンインク(Cインク)、マゼンタイ
ンク(Mインク)、イエローインク(Yインク)の4色のインクを印刷に使用することが
可能であり、このことに対応して、インク供給部60には、各色のインクが充填された4
つのインクカートリッジ62が装着されるようになっている。
図1の紙面上で、ヘッドユニット30の左下の位置には、印刷用紙が装填される給紙カ
セット10が設けられており、給紙カセット10の右端の上面に接する位置に、給紙ロー
ラー20が設けられている。更に、給紙ローラー20の奥側には給紙モーター22が接続
されており、給紙モーター22を駆動して給紙ローラー20を回転させると、給紙カセッ
ト10から印刷用紙が1枚ずつ、ヘッドユニット30に向かって搬送されるようになって
いる。尚、図1では、印刷用紙の搬送経路が太い破線で示されている。
また、図1の紙面上で、ヘッドユニット30の右側の領域は空きスペースとなっており
、この空きスペースの下方には、キャップ40や、吸引ポンプ50、廃液タンク52など
が設けられている。尚、詳細には後述するが、本実施例のラインプリンター1では、時間
の経過などによってヘッドユニット30内のインクの性状が劣化した場合には、ヘッドユ
ニット30を右側の空きスペースへ移動させた後に、ヘッドユニット30内のインクを加
圧することで、性状の劣化したインクをキャップ40に排出するメンテナンス動作(加圧
クリーニング)を行うことが可能となっている。また、加圧クリーニングによってキャッ
プ40に排出されたインクは、吸引ポンプ50によって吸引され、廃液タンク52に溜め
られる。
また、モニターパネル2や操作パネル3が設けられている部分の直ぐ下の位置には、ラ
インプリンター1に電力を供給するための電源ユニット70や、ラインプリンター1の各
種の動きを制御する制御ユニット80などが搭載されている。
続いて、図1を参照しながら、ラインプリンター1の印刷動作について説明する。先ず
、給紙カセット10には、複数枚の印刷用紙が装填される。給紙カセット10に装填され
た印刷用紙は図示しないバネによって押し上げられて、上方に設けられた給紙ローラー2
0に押し付けられている。給紙ローラー20は、金属製の細長い円柱を長さ方向に半分に
割って形成した略半円形断面の細長い部材であり、円周部分に対応する側面はゴム材料に
よって形成されている。この給紙ローラー20の一端には給紙モーター22が接続されて
おり、給紙モーター22によって給紙ローラー20を回転させることにより、給紙カセッ
ト10から印刷用紙を1枚ずつ、ヘッドユニット30に向かって送り出す。
給紙ローラー20とヘッドユニット30との間には、複数のガイドローラー24が設け
られている。ガイドローラー24は、図示しないモーターによって駆動されて回転するこ
とにより、印刷用紙をガイドしながら、ヘッドユニット30へと搬送する。
ヘッドユニット30は、印刷用紙の搬送経路上に、印刷用紙を跨ぐような状態で設けら
れており、ヘッドユニット30の底面側(すなわち、印刷用紙に面する側)には、インク
を噴射する複数の噴射ヘッドが設けられている(図2を参照)。また、ヘッドユニット3
0には、インク供給部60のインクカートリッジ62が図示しない通路を介して接続され
ており、インクカートリッジ62内に収容されたインクが、ヘッドユニット30の下面側
に設けられた複数の噴射ヘッドから噴射される。
図2は、ヘッドユニット30を底面側(印刷用紙に面した側)から見たときの状態を示
す説明図である。図示されるように、本実施例のヘッドユニット30の底面には、略矩形
形状をした噴射ヘッド32が、6つずつを一組として4組(合計24個)設けられている
。また、各組の6つの噴射ヘッド32は、3つずつ二列に並べられるとともに、互いの列
の噴射ヘッド32が互い違いとなるように配列されている。更に、各噴射ヘッド32には
、インクを噴射する複数の噴射ノズルが列状に設けられている。
このような噴射ヘッド32は、互い違いに配列されることにより、6つの噴射ヘッド3
2が一体となって1つの噴射ユニット33を構成している。上述したように、本実施例の
ヘッドユニット30には、24個の噴射ヘッド32が設けられているから、結局、4つの
噴射ユニット33が設けられており、各噴射ユニット33が、Yインクを噴射する噴射ユ
ニット33y、Mインクを噴射する噴射ユニット33m、Cインクを噴射する噴射ユニッ
ト33c、Kインクを噴射する噴射ユニット33kとなっている。
ヘッドユニット30の下方には、ヘッドユニット30の底面に向かい合うようにして、
印刷用紙を背面から支持するプラテンが設けられている(図示は省略)。給紙ローラー2
0およびガイドローラー24によって搬送されてきた印刷用紙はプラテン上を搬送され、
この間にヘッドユニット30の底面に設けられた複数の噴射ヘッド32からインクが噴射
されて印刷用紙に画像が印刷されていく。こうして画像が印刷された印刷用紙は、ヘッド
ユニット30の下流側に設けられたガイドローラー24によって進行方向を下方に曲げら
れた後、廃液タンク52の下側を通って排紙口6からラインプリンター1の外部に排出さ
れる。
また、インク中に溶け込んでいた空気が溶け出したり、あるいは外部の空気を巻きこむ
などにより、インク中に気泡が発生することがある。こうして発生した気泡が複数の噴射
ヘッド32の何れか1つに流入すると、その噴射ヘッド32では適切にインクを噴射する
ことができなくなる。そこで、以下のような機構を用いて噴射ヘッド32内のインクを循
環させることにより、インク中に混入した気泡を分離している。
図3は、本実施例のラインプリンター1に設けられたインクの循環機構を示した説明図
である。尚、図1および図2を用いて前述したように、本実施例のラインプリンター1に
は、C(シアン)インク、M(マゼンタ)インク、Y(イエロー)インク、K(ブラック
)インクの4種類のインクが搭載されており、それらのインクは、インクの種類毎に設け
られた噴射ユニット33の噴射ヘッド32に供給されている。そして、インクの循環機構
は、噴射ユニット33毎にインクを循環させている。もっとも、それぞれの循環機構の構
成は全く同様であるため、図3では、代表として1つの噴射ユニット33についてのみ表
示されている。
図2を用いて前述したように、噴射ユニット33は6つの噴射ヘッド32で構成されて
おり、このことと対応して、図3には6つの噴射ヘッド32が表示されている。これら6
つの噴射ヘッド32には、インクカートリッジ62から次のような経路でインクが供給さ
れている。先ず、インクカートリッジ62は、インク通路110および切替弁100を介
して循環ポンプ102に接続されており、そして循環ポンプ102からインク通路112
を介してサブタンク114に接続され、サブタンク114からインク供給通路116を介
して噴射ヘッド32に接続されている。また、サブタンク114の下流側では、インク供
給通路116が分岐して、6つの噴射ヘッド32の各々に接続されている。図3では、サ
ブタンク114から噴射ヘッド32までのインク供給通路116が、太い実線で表示され
ている。従って、循環ポンプ102を作動させることにより、インクカートリッジ62内
のインクを吸い出してサブタンク114に供給し、サブタンク114を介して噴射ヘッド
32にインクを供給することが可能となっている。
また、噴射ヘッド32内のインクを循環させる経路は次のようにして構成されている。
すなわち、6つの噴射ヘッド32の各々には、インク循環通路118が設けられており、
各噴射ヘッド32からのインク循環通路118は合流して、切替弁100に接続される。
図3では、噴射ヘッド32から切替弁100までのインク循環通路118が、太い破線で
表示されている。
以上のようなインクの循環機構を有する本実施例のラインプリンター1では、次のよう
にしてインクを循環させることで、インクに混入した気泡を分離する。まず、切替弁10
0の接続状態を切り替えて、噴射ヘッド32からのインク循環通路118と、循環ポンプ
102に続くインク通路112とを連通させ、この状態で循環ポンプ102を駆動させる
。すると、噴射ヘッド32内のインクがインク循環通路118を介して循環ポンプ102
によって吸い出され、インク通路112を経由してサブタンク114に供給される。こう
して噴射ヘッド32からインクを吸い出すと、噴射ヘッド32内の圧力が低下するので、
サブタンク114からインク供給通路116を介して噴射ヘッド32にインクが供給され
る。その結果、サブタンク114と噴射ヘッド32との間でインクが循環する。サブタン
ク114は、噴射ヘッド32や、インクの通路(インク供給通路116、インク循環通路
118、インク通路112)、などに比べて通路断面が大きく、インクの流れが緩やかな
場所となっている。従って、サブタンク114内では、インクと共に流されてきた気泡が
上方へと浮き上がって、インクと気泡とが分離される。
ここで、本実施例のサブタンク114には、以上のようにしてインク中に混入した気泡
を分離する機構に加えて、前述した加圧クリーニングを行うための加圧力を発生させる機
構が設けられている。すなわち、後に詳しく説明するように、本実施例のラインプリンタ
ー1では、サブタンク114内に貯められたインクを圧送して噴射ヘッド32内を加圧す
ることで、噴射ヘッド32から性状が劣化したインクを排出させることが可能となってい
る。そこで以下では、これらの機構を備える本実施例のサブタンク114の構造について
説明する。
B.本実施例のサブタンクの構造 :
図4は、本実施例のサブタンク114の詳細な構造を示した斜視図である。本実施例の
サブタンク114の外形は、幅の狭い略直方体の形状となっており、サブタンク114の
内部には、インク中に混入した気泡の分離を行う分離室120と、噴射ヘッド32に供給
するインクの加圧を行う加圧室130とが設けられている。また、分離室120と加圧室
130との間には隔壁140が設けられている。
インク通路112を通ってサブタンク114内に供給された液体は、先ず始めに、分離
室120に流入する。分離室120は、サブタンク114の上方に向かって室内が狭まっ
ていくように成形されており、サブタンク114の上面に達したところで分離室120は
開口している。分離室120が開口する部分の少し下の位置には分離板122が設けられ
ており、また、分離室120が開口した先では通路を介して真空ポンプ124に接続され
ている。詳細には後述するが、分離板122や真空ポンプ124を分離室120に設けて
おくことにより、インクの循環によって運ばれてきた気泡を分離室120から除去するこ
とが可能となっている。
分離室120に供給されたインクは、隔壁140に設けられた内部通路142を通って
加圧室130に流入する。内部通路142内には逆止弁144が設けられており、加圧室
130内に流入したインクが分離室120へと逆流することが防止される。また、内部通
路142が加圧室130に接続する部分にはフィルター146が設けられており、インク
中に混入したゴミなどの夾雑物がフィルター146で取り除かれるようになっている。
加圧室130の内部には、略水平な加圧板131が設けられている。加圧板131は、
連結棒132を介して駆動機構133に接続されており、駆動機構133を用いて連結棒
132を上下動させることにより、加圧板131を加圧室130の下方に押し込んだり、
あるいは上方に引き上げたりすることが可能となっている。この加圧板131は、通常は
、所定の高さに設けられた状態となっており、従って加圧室130に流入したインクは、
加圧室130内を通過してインク供給通路116へと流れ込んだ後、噴射ヘッド32へと
供給される。また、インク供給通路116が加圧室130に開口する流入口134の少し
上流側の位置には、加圧室130の奥行とほぼ同じ幅の防御壁135が立設されている。
こうした防御壁135を設ける理由については後に詳しく説明する。
以上のように構成される本実施例のサブタンク114では、インクの循環によって噴射
ヘッド32内から運ばれてきたインクに混入する気泡を除去することができると共に、サ
ブタンク114内で加圧クリーニングに必要な加圧力を発生させることが可能である。以
下ではその方法について説明するが、先ず始めに、噴射ヘッド32内からの気泡を除去す
る方法について説明する。
図5は、サブタンク114でインク中の気泡を除去する方法を示した説明図である。前
述したように、噴射ヘッド32からのインク循環通路118とサブタンク114へのイン
ク通路112とを連通させた状態で循環ポンプ102を駆動させると、サブタンク114
と噴射ヘッド32との間でインクが循環する(図3を参照)。このとき、インクの流れが
緩やかな分離室120では、図5(a)に示されるように、インクと共に流されてきた気
泡が分離室120の上方へと浮き上がり、分離室120の上方に設けられた分離板122
の高さまで到達する。
ここで、本実施例の分離板122は、気体を僅かに通すことが可能な素材を用いて製造
されている。従って、分離室120の開口部に接続された真空ポンプ124を駆動させて
、分離板122の上面側に負圧を作用させることにより、図5(b)に示されるように、
分離板122の下面側の気泡を吸い出して分離板122の上面側へと透過させることがで
きる。その結果、インクの循環によって分離室120に分離された気泡を分離室120か
ら除去することが可能となる。また、本実施例のサブタンク114では、次のようにして
加圧クリーニングに必要な加圧力を発生させる。
図6は、サブタンク114内で加圧クリーニングを実行するための加圧力を発生させる
方法を示した説明図である。前述したように、本実施例のサブタンク114内に設けられ
た加圧室130内では、通常、加圧板131が所定の高さに設けられているが、加圧クリ
ーニングを行う場合には、先ず、図6(a)に示されるように、駆動機構133を用いて
加圧板131を引き上げる。すると、加圧室130の内容積が大きくなり、これに伴って
加圧室130内に負圧が発生する。その結果、分離室120から内部通路142を介して
加圧室130へとインクが供給される。尚、加圧室130はインク供給通路116にも接
続しているので、加圧室130内の負圧が急激に高まることによって、下流側から加圧室
130にインクが逆流することを抑制する為、加圧板131はゆっくりと引き上げるよう
になっている。
こうして加圧室130内にインクを取り込んだら、続いて、駆動機構133を用いて加
圧板131を加圧室130の底面に向かって押し込むことで、加圧室130内のインクを
加圧する。このとき、加圧板131によって加圧されたインクは、加圧室130に接続す
る2つの通路(内部通路142、インク供給通路116)の両方へと流出しようとするが
、前述したように、内部通路142には逆止弁144が設けられているので、内部通路1
42を介してインクが逆流することはない。従って、加圧されたインクはインク供給通路
116のみに流れ込み、その結果、インクが噴射ヘッド32へと圧送される。こうして加
圧板131を用いて加圧室130内のインクを圧送することで、噴射ヘッド32から性状
が劣化したインクを排出させること(加圧クリーニング)が可能となっている。
以上のように、本実施例のサブタンク114では、サブタンク114内で気泡の除去を
行うと共に、加圧クリーニング時に必要な加圧力を発生させることが可能である。ここで
、加圧クリーニング時の加圧力を発生させる別の方法としては、例えば専用の加圧機構を
設けておき、この加圧機構を用いて噴射ヘッド32にインクを圧送することも考えられる
が、これでは加圧機構を設けることでラインプリンター1が大型化してしまう。こうした
方法と比べて、本実施例のように、サブタンク114内で加圧力を発生させることとすれ
ば、加圧機構を別体で設ける必要が無いので、ラインプリンター1が大型化することを抑
制可能となる。
また、前述したように、サブタンク114は、噴射ヘッド32やインクの通路などに比
べて通路断面が大きく、インクの流れが緩やかな場所となっているので、サブタンク11
4内では、インク中に含まれる成分が時間の経過とともに重力によって沈殿することがあ
る。沈殿したインク中の成分が加圧室130内からインク供給通路116に流れ込むと、
沈殿物が詰まってしまうなどの弊害が生じ得るが、本実施例のサブタンク114には、前
述した防御壁135が設けられているので、こうした弊害が起こることが防止される。以
下ではこの点について説明する。
図7は、防御壁135によって、加圧室130内の沈澱物がインク供給通路116に流
れ込むことが防止される様子を示した説明図である。噴射ヘッド32でインクが噴射され
ることによって(あるいは、加圧室130内のインクを加圧して加圧クリーニングを行う
ことによって)、加圧室130内のインクがインク供給通路116に流入すると、図7に
示されるように、加圧室130の底面に沈殿したインク中の成分が流入口134の方向に
向かって徐々に流されていく。しかし、前述したように、流入口134の少し上流側には
加圧室130の奥行とほぼ同じ幅の防御壁135が設けられている。従って、沈殿物は防
御壁135の位置でせき止められるので、通路に沈殿物が詰まるなどの弊害を防止するこ
とが可能となる。
また、上述したように、加圧室130の底面から防御壁135が立設されているので、
インクの加圧時に加圧板131が下方に押し込まれすぎないように、加圧板131を下方
から支えるストッパーの役目も果たすようになっている。従って、加圧板131が防御壁
135の上端よりも下方に押し込まれることがないので、加圧板131が加圧室130の
底面に沈殿したインク中の成分を押し出すなどして、加圧室130の下流側へと沈殿物を
流出させてしまう事態を回避可能となる。
C.変形例 :
前述した実施例のラインプリンター1では、インクの加圧時に加圧室130内の沈殿物
が下流に流出しないように、十分な高さを有する防御壁135を流入口134の上流側に
設けるものと説明した。ここで、加圧室130内の沈殿物が下流に流出すること防止する
効果を高める目的で、防御壁135を次のような形状としてもよい。
図8は、変形例の加圧室130内に設けられた防御壁135の形状を示した説明図であ
る。図8に示した防御壁135は、防御壁135の先端部分が、流入口134に対して反
対方向に折り曲げられると共に、折り曲げられた部分が加圧室130の底面と略平行とな
るように成形されている。こうした形状の防御壁135を用いると、以下に示すように、
加圧室130内の沈殿物が下流に流出することを効果的に防止することが可能となる。
図9は、変形例の防御壁135を用いることで、加圧室130内の沈殿物が流出するこ
とが効果的に防止される理由を示した説明図である。前述したように、加圧室130内に
は流入口134に向かってインクの流れが生ずるが、こうした流れの中には防御壁135
を乗り越えようとする流れも含まれる。従って、加圧室130内に沈殿したインク中の成
分が上方に巻き上げられて、防御壁135を乗り越えてしまうことも起こり得る。そこで
、前述したように、防御壁135の先端を流入口134の反対側に折り曲げると共に、折
り曲げた部分を加圧室130の底面に対して略平行としておけば、図9に示されるように
、沈殿物が上方に巻き上げられたとしても、防御壁135の上端部分によって妨げられる
。このため、沈殿物が防御壁135を乗り越えることができないので、加圧室130内の
沈殿物が下流に流出することを効果的に防止することが可能となる。
また、前述したように、防御壁135は、インクの加圧時に加圧板131が押し込まれ
すぎないよう、下方から支えるストッパーの役目も果たしている。この点から図9に示し
た防御壁135を見てみると、防御壁135の上端が折り曲げられ、かつ底面と略平行に
成形されることで、加圧板131と防御壁135との接触部分の面積を広く取ることがで
きる。従って、防御壁135との接触時に加圧板131にかかる圧力を分散させることが
できるので、加圧板131の傷みを軽減することが可能となる。
以上、本願発明の実施例について説明したが、本発明は上記に限られるものではなく、
その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
1…ラインプリンター、 30…ヘッドユニット、 32…噴射ヘッド、
40…キャップ、 50…吸引ポンプ、 60…インク供給部、
62…インクカートリッジ、 100…切替弁、 102…循環ポンプ、
110…インク通路、 112…インク通路、 114…サブタンク、
116…インク供給通路、 118…インク循環通路、 120…分離室、
122…分離板、 124…真空ポンプ、 130…加圧室、
131…加圧板、 132…連結棒、 133…駆動機構、
134…流入口、 135…防御壁、 140…隔壁、
142…内部通路、 144…逆止弁、 146…フィルター

Claims (2)

  1. 噴射ヘッドに設けられた噴射ノズルから液体を噴射する液体噴射装置であって、
    前記噴射ヘッドの上流側に設けられて前記液体を貯めておくとともに、該液体内に混入
    した気泡を大気に放出可能に構成された第1液体貯留部と、該第1液体貯留部の下流側で
    液体を密閉状態で貯めておく第2液体貯留部と、前記第2液体貯留部から前記第1液体貯
    留部へと液体が逆流することを防止する逆流防止手段とが、内部に設けられた液体貯留タ
    ンクと、
    前記液体貯留タンクの前記第2液体貯留部から前記噴射ヘッドに液体を供給する液体通
    路と、
    前記噴射ヘッド内の液体を吸い出すことによって前記第1液体貯留部に還流させる液体
    還流手段と、
    前記第2液体貯留部内の前記液体を加圧することによって前記噴射ヘッドに該液体を圧
    送する液体圧送手段と
    を備え、
    前記液体貯留タンクの前記第2液体貯留部には、前記液体通路が該第2液体貯留部に開
    口する開口部の上流側の位置に、該第2貯留部の底面から遮蔽部材が立設されている液体
    噴射装置。
  2. 請求項1に記載の液体噴射装置であって、
    前記遮蔽部材は、先端部が、前記開口部に対して反対方向に折り曲げられた部材である
    液体噴射装置。
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