JP2011218336A - 排気ガス浄化用触媒 - Google Patents
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Abstract
【課題】触媒層に含まれるロジウムが外部に放出されるのを抑制できる排気ガス浄化用触媒を提供すること。
【解決手段】担体基材11と、ロジウム(Rh)および酸化物を含む触媒層15とを備える排気ガス浄化用触媒10において、触媒層15の担体基材11と反対側に、酸化物を含む多孔質層13が設けられている。多孔質層13に含まれる酸化物は、触媒層15に含まれる酸化物と同じ酸化物である、または、触媒層15に含まれる酸化物よりも酸性を示す酸化物である。
【選択図】図5
【解決手段】担体基材11と、ロジウム(Rh)および酸化物を含む触媒層15とを備える排気ガス浄化用触媒10において、触媒層15の担体基材11と反対側に、酸化物を含む多孔質層13が設けられている。多孔質層13に含まれる酸化物は、触媒層15に含まれる酸化物と同じ酸化物である、または、触媒層15に含まれる酸化物よりも酸性を示す酸化物である。
【選択図】図5
Description
本発明は、排気ガス浄化用触媒に関する。
車両エンジンからの排気路には、通常、排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)などを浄化する触媒が設けられている。この触媒は、ハニカム状の担体基材と、貴金属および酸化物を含む触媒層とを備える。貴金属および酸化物は、微粒子の形態で含まれている。
触媒層に含まれる貴金属としては、ロジウム(Rh)が用いられる。ロジウムと、他の貴金属(例えば、白金またはパラジウム)とを組み合わせて用いることが望ましい。ロジウムは、排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)を還元する性質を有する。白金(Pt)やパラジウム(Pd)は、排気ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)を酸化する性質を有する。
ロジウムを他の貴金属と組み合わせて用いる場合、ロジウムの合金化による劣化を防止するため、ロジウム以外の貴金属を含む第1触媒層と、ロジウムを含む第2触媒層とが別々に設けられる。
また、触媒層において、排気ガスの熱によって貴金属が酸化物に固溶するのを防止するため、酸化物の微粒子の表面にバリア層を設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このバリア層は、触媒層の内部に設けられている。
ところで、触媒層が第1触媒層と第2触媒層とを積層してなる場合、担体基材上にロジウム以外の貴金属(例えば、白金またはパラジウム)を含む第1触媒層が設けられ、第1触媒層上にロジウムを含む第2触媒層が設けられる。排気ガスは、第2触媒層を通過した後、第1触媒層に接触するので、窒素酸化物(NOx)の浄化効率を高めることができる。
図1は、従来の触媒の要部の顕微鏡写真であって、触媒に排気ガスを流した後の顕微鏡写真である。図1に示すように、第2触媒層1上には、リン酸カルシウム粒子2が付着していた。このリン酸カルシウム粒子2は、排気ガス中に含まれるリン(P)やカルシウム(Ca)から成長したものと考えられる。
図2は、図1の領域Xの拡大顕微鏡写真である。図2に示すように、リン酸カルシウム粒子2にはロジウム微粒子3が付着しており、ロジウム微粒子3は第2触媒層1からリン酸カルシム粒子2に移動可能であることがわかった。
図3は、従来の触媒に含まれるリン(P)の割合の経時変化のグラフである。図3において、横軸は触媒に排気ガスを流した時間であり、縦軸は触媒に含まれるリン(P)の割合の測定結果である。
図3に示すように、触媒に含まれるリンの割合は、経時的に増えているが、その増加率は徐々に小さくなっていた。このことから、第2触媒層上に付着したリン酸カルシウム粒子の一部が、排気ガスと共に外部に放出されていると考えられる。
図4は、従来の触媒に含まれるロジウム(Rh)の減少率の経時変化のグラフである。図4において、横軸は触媒に排気ガスを流した時間であり、縦軸はロジウムの減少率の測定結果である。ロジウムの減少率は、触媒に排気ガスを流す前の状態を基準としている。
図4に示すように、触媒に含まれるロジウムの減少率が経時的に増えており、ロジウムが外部に放出されていることがわかった。
以上の結果から、リン酸カルシウム粒子が排気ガスと共に外部に放出される際に、ロジウムが外部に放出されていると考えられる。ロジウムが外部に放出されると、排気ガスの浄化効率が低下してしまう。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、触媒層に含まれるロジウムが外部に放出されるのを抑制できる排気ガス浄化用触媒を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、担体基材と、ロジウム(Rh)および酸化物を含む触媒層とを備える排気ガス浄化用触媒において、
前記触媒層の前記担体基材と反対側に、酸化物を含む多孔質層が設けられており、
前記多孔質層に含まれる酸化物は、前記触媒層に含まれる酸化物と同じ酸化物である、または、前記触媒層に含まれる酸化物よりも酸性を示す酸化物である。
前記触媒層の前記担体基材と反対側に、酸化物を含む多孔質層が設けられており、
前記多孔質層に含まれる酸化物は、前記触媒層に含まれる酸化物と同じ酸化物である、または、前記触媒層に含まれる酸化物よりも酸性を示す酸化物である。
本発明によれば、触媒層に含まれるロジウムが外部に放出されるのを抑制できる排気ガス浄化用触媒を提供することができる。
以下、図面を参照し、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、以下の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
(排気ガス浄化用触媒)
図5は、本発明の一実施形態における触媒の要部の断面図である。図5に示すように、触媒10は、担体基材11と、触媒層12と、多孔質層13とを備える。担体基材11上に触媒層12が設けられ、触媒層12上に多孔質層13が設けられている。この触媒10は、車両エンジンからの排気路の途中に設けられ、内部を通過する排気ガスを浄化する。排気ガスは、多孔質層13を通過し、触媒層12に接触することで浄化される。以下、各構成について詳説する。
図5は、本発明の一実施形態における触媒の要部の断面図である。図5に示すように、触媒10は、担体基材11と、触媒層12と、多孔質層13とを備える。担体基材11上に触媒層12が設けられ、触媒層12上に多孔質層13が設けられている。この触媒10は、車両エンジンからの排気路の途中に設けられ、内部を通過する排気ガスを浄化する。排気ガスは、多孔質層13を通過し、触媒層12に接触することで浄化される。以下、各構成について詳説する。
担体基材11は、触媒層12を担持する基材である。担体基材11の形状は、排気ガスとの接触面積が大きなものであれば特に限定されず、例えばハニカム状、網状、ペレット状などであって良い。
担体基材11の材料としては、例えばコージェライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)や炭化ケイ素(SiC)などが挙げられる。コージェライトは、一般的なセラミックス材料に比べて、比重が軽く、また、熱膨張係数が小さいので耐熱衝撃性に優れている。炭化ケイ素は、一般的なセラミックス材料に比べて、融点が高いので耐熱性に優れている。
触媒層12は、排気ガスを浄化するものである。例えば、触媒層12は、排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)などを浄化する。この触媒層12は、貴金属および酸化物を含んでいる。これらの貴金属や酸化物は、微粒子の形態で含まれている。
触媒層12に含まれる貴金属としては、ロジウム(Rh)が用いられる。ロジウムと、他の貴金属(例えば、白金またはパラジウム)とを組み合わせて用いることが望ましい。ロジウムは、排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)を還元する性質を有する。白金(Pt)やパラジウム(Pd)は、排気ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)を酸化する性質を有する。
ロジウムを他の貴金属と組み合わせて用いる場合、ロジウムの合金化による劣化を防止するため、ロジウム以外の貴金属を含む第1触媒層14と、ロジウムを含む第2触媒層15とが別々に設けられる。
このように、触媒層12が第1触媒層14と第2触媒層15とを積層してなる場合、図5に示すように、担体基材11上にロジウム以外の貴金属を含む第1触媒層14が設けられ、第1触媒層14上にロジウムを含む第2触媒層15が設けられる。排気ガスは、第2触媒層15を通過した後、第1触媒層14に接触するので、窒素酸化物(NOx)の浄化効率を高めることができる。
第1触媒層14や第2触媒層15に含まれる酸化物としては、例えばアルミナ(Al2O3)、ジルコニア(ZrO2)、セリア(CeO2)などが用いられる。アルミナやジルコニアは、耐熱性に優れ、粒成長し難いので、貴金属を数nm程度の微粒子として分散して保持することが可能であり、貴金属を効率よく活用することができる。セリアは、必要に応じて酸素を吸蔵、放出するので、複数種の貴金属の浄化効率を最適化することができる。
これらの酸化物は、単独で用いられても良いし、複数種を混合して用いても良く、複数種の複合酸化物を用いることもできる。例えばセリアは、単独で用いると、排気ガスの熱によって粒成長しやすいので、ジルコニア・セリア複合酸化物として用いられることが望ましい。ジルコニア・セリア複合酸化物を用いる場合、アルミナを混ぜて用いると、互いに粒成長を抑制することができる。
第1触媒層14に含まれる酸化物と、第2触媒層15に含まれる酸化物とは、同種の酸化物であっても良いし、異種の酸化物であっても良い。また、第1触媒層14に含まれる酸化物と、第2触媒層15に含まれる酸化物とは、平均粒径が同じであっても良いし、異なっていても良い。
第1触媒層14や第2触媒層15に含まれる酸化物の微粒子の表面には、バリア層(不図示)が設けられても良い。バリア層は、排気ガスの熱によって貴金属が酸化物に固溶するのを防止する。このバリア層は、第1触媒層14や第2触媒層15の内部に設けられる。
なお、本実施形態の触媒層12は、ロジウム以外の貴金属を含む第1触媒層14と、ロジウムを含む第2触媒層15とを積層してなるとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1触媒層14がなくても良いし、第1触媒層14と担体基材11との間に別の貴金属を含む第3触媒層がさらに設けられても良い。
多孔質層13は、第2触媒層15の担体基材11と反対側に設けられ、酸化物を含む層である。この酸化物は、微粒子の形態で含まれている。多孔質層13に含まれている酸化物は、第2触媒層15に含まれる酸化物と同じ酸化物ある、または、第2触媒層15に含まれる酸化物よりも酸性を示す酸化物である。
本明細書において、「酸性を示す酸化物」とは、酸素原子の電子密度が低い酸化物を意味し、「塩基性を示す酸化物」とは、酸素原子の原子密度が高い酸化物を意味する。酸素原子の電子密度は、市販のX線光電子分光装置(XPS)などによって測定することができる。酸化物を構成する金属原子の電気陰性度が大きいほど、酸化物を構成する酸素原子の電子密度が低くなる傾向にある。
多孔質層13に含まれる酸化物の具体例としては、ジルコニア(ZrO2)、アルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)、チタニア(TiO2)などが挙げられる。セリアと比較してジルコニアは酸性を示し、ジルコニアと比較してアルミナは酸性を示し、アルミナと比較してシリカやチタニアは酸性を示す。これらの酸化物は、単独で用いられても良いし、複数種を混合して用いても良く、複数種の複合酸化物を用いることもできる。
複数種を混合して用いる場合、上記「同じ酸化物」とは、種類が一致しており、且つ、その配合比が同じあることを意味する。
また、複数種を混合して用いる場合、上記「酸性を示す酸化物」とは、全体として酸性を示すことを意味し、種類が一致しており、且つ、酸性を示す酸化物の配合比が高いことも含んでいる。
本発明者の知見によると、ロジウムは、塩基性を示す酸化物と親和性があり、よって、塩基性を示す酸化物と接していると、塩基性を示す酸化物に移動していく傾向がある。しかし、ロジウムは、酸性を示す酸化物、または同じ酸化物と接していると、そのような移動が抑制される。なお、酸性を示す酸化物の方が、そのような移動がより抑制される。よって、ロジウムが排気ガスと共に外部に放出され減少するのを抑制することができる。
多孔質層13に含まれる酸化物は、第2触媒層15に含まれる酸化物よりも、平均粒径が大きくても良いし、小さくても良く、特に限定されない。
多孔質層13の厚さは、5〜30μmであることが好ましい。多孔質層13の厚さが過小であると、ロジウムの放出を抑制する効果が十分に得られない。一方、多孔質層13の厚さが過大であると、排気ガスが触媒層12に到達するのが難しく、貴金属による排気ガスの浄化効率が悪くなる。
多孔質層13の開気孔率は、排気ガスが多孔質層13を通過し触媒層12に接触できる限り、特に限定はない。
(排気ガス浄化用触媒の製造方法)
次に、上記触媒の製造方法について説明する。
次に、上記触媒の製造方法について説明する。
図6は、図5の触媒の製造方法の工程図である。図6に示すように、触媒の製造方法は、担体基材11の表面に触媒層12を形成する第1工程と、触媒層12上に多孔質層13を形成する第2工程とを備える。
図6の第1工程(ステップS11)では、担体基材11の表面に、ロジウムの微粒子および酸化物の微粒子を含むスラリーを塗布し、乾燥、焼成することで、触媒層12を形成する。
触媒層12が第1触媒層14と第2触媒層15とを積層してなる場合、まず、担体基材11の表面に、ロジウム以外の貴金属の微粒子および酸化物の微粒子を含むスラリーを塗布し、乾燥、焼成することで、第1触媒層14を形成する。次いで、第1触媒層14上に、ロジウムの微粒子および酸化物の微粒子を含むスラリーを塗布し、乾燥、焼成することで第2触媒層15を形成する。
スラリーに含まれる酸化物としては、例えばアルミナ(Al2O3)、ジルコニア(ZrO2)、セリア(CeO2)などが用いられる。これらの酸化物は、単独で用いられても良いし、複数種を混合して用いても良く、複数種の複合酸化物を用いることもできる。これらの酸化物は、ロジウムなどの貴金属の微粒子を分散して保持することができるように、あらかじめ十分に微粒子化される。
スラリーには、貴金属の微粒子や、酸化物の微粒子の他、必要に応じて、有機バインダや無機バインダなどが含まれてよい。有機バインダとしては、例えばポリビニルアルコールなどが用いられる。無機バインダとしては、例えばアルミナバインダなどが用いられる。
スラリーの塗布方法は、一般的な方法であって良く、例えば、ウォッシュコート法などであって良い。
スラリーの乾燥、焼成条件は、特に限定されないが、例えば、乾燥は大気中120℃程度で実施され、焼成は大気中550℃程度で実施される。
なお、第1または第2触媒層14、15を形成した後、別のスラリーを含浸させ、乾燥、焼成して、第1または第2触媒層14、15に含まれる酸化物の微粒子の表面に、バリア層を設けても良い。バリア層は、排気ガスの熱によって貴金属が酸化物に固溶するのを防止する。バリア層の形成に用いられるスラリーには、例えば、オキシ硝酸ジルコニウムなどが用いられる。
図6の第2工程(ステップS12)では、第2触媒層15上に、第2触媒層15に含まれる酸化物と同じ酸化物の微粒子、または第2触媒層15に含まれる酸化物よりも酸性を示す酸化物の微粒子を含むスラリーを塗布し、乾燥、焼成することで、多孔質層13を形成する。
スラリーに含まれる酸化物としては、ジルコニア(ZrO2)、アルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)、チタニア(TiO2)などが挙げられる。セリアと比較してジルコニアは酸性を示し、ジルコニアと比較してアルミナは酸性を示し、アルミナと比較してシリカやチタニアは酸性を示す。これらの酸化物は、単独で用いられても良いし、複数種を混合して用いても良く、複数種の複合酸化物を用いることもできる。
このスラリーにも、酸化物の微粒子の他、必要に応じて、有機バインダや無機バインダなどが含まれてよい。有機バインダとしては、例えばポリビニルアルコールなどが用いられる。無機バインダとしては、例えばアルミナバインダなどが用いられる。
スラリーの塗布方法は、一般的な方法であって良く、例えば、ウォッシュコート法などであって良い。
スラリーの乾燥、焼成条件は、特に限定されないが、例えば、乾燥は大気中120℃程度で実施され、焼成は大気中550℃程度で実施される。
このようにして、図5に示す触媒を得ることができる。
以下に、実施例などにより本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例などによって限定されるものではない。
(実施例1)
担体基材として、コージェライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)製のハニカム形状のモノリス基材(セル数:400/in2、容積:1リットル)を用意した。このモノリス基材に、白金(Pt)微粒子と、ジルコニア・セリア複合酸化物(ZrO2:33質量%、CeO2:67質量%)微粒子120質量部と、アルミナ(Al2O3)微粒子40質量部とを含むスラリーをウォッシュコートし、大気中120℃で2時間乾燥した後、大気中550℃で2時間焼成して、第1触媒層を形成した。第1触媒層には、担体基材の単位容積(1リットル)あたり1gの白金(Pt)が含まれていた。
担体基材として、コージェライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)製のハニカム形状のモノリス基材(セル数:400/in2、容積:1リットル)を用意した。このモノリス基材に、白金(Pt)微粒子と、ジルコニア・セリア複合酸化物(ZrO2:33質量%、CeO2:67質量%)微粒子120質量部と、アルミナ(Al2O3)微粒子40質量部とを含むスラリーをウォッシュコートし、大気中120℃で2時間乾燥した後、大気中550℃で2時間焼成して、第1触媒層を形成した。第1触媒層には、担体基材の単位容積(1リットル)あたり1gの白金(Pt)が含まれていた。
次いで、第1触媒層付きの担体基材に、ロジウム(Rh)微粒子と、ジルコニア・セリア複合酸化物(ZrO2:75質量%、CeO2:25質量%)微粒子60質量部と、アルミナ(Al2O3)微粒子25質量部とを含むスラリーをウォッシュコートし、大気中120℃で2時間乾燥した後、大気中550℃で2時間焼成して、第2触媒層を形成した。第2触媒層には、担体基材の単位容積(1リットル)あたり0.3gのロジウム(Rh)が含まれていた。
次いで、第1および第2触媒層付きの担体基材に、ジルコニア・セリア複合酸化物(ZrO2:75質量%、CeO2:25質量%)微粒子60質量部と、アルミナ(Al2O3)微粒子25質量部とを含むスラリーをウォッシュコートし、大気中120℃で2時間乾燥した後、大気中550℃で2時間焼成して、多孔質層を形成した。多孔質層の厚さは、約10μmであった。
なお、上記3種類のスラリーのいずれにも、アルミナバインダや水が含まれている。
このようにして、多孔質層に含まれる酸化物と第2触媒層に含まれる酸化物とが同じである、触媒を得た。
(実施例2)
多孔質層を形成する際に、アルミナ(Al2O3)微粒子80質量部と、シリカ(SiO2)微粒子20質量部とを含むスラリー(アルミナバインダや水も含む)をウォッシュコートした以外は、実施例1と同様にして、触媒を得た。この触媒は、多孔質層に含まれる酸化物が第2触媒層に含まれる酸化物よりも酸性を示す。
多孔質層を形成する際に、アルミナ(Al2O3)微粒子80質量部と、シリカ(SiO2)微粒子20質量部とを含むスラリー(アルミナバインダや水も含む)をウォッシュコートした以外は、実施例1と同様にして、触媒を得た。この触媒は、多孔質層に含まれる酸化物が第2触媒層に含まれる酸化物よりも酸性を示す。
(比較例1)
多孔質層を形成しない以外は、実施例1と同様にして、触媒を得た。
多孔質層を形成しない以外は、実施例1と同様にして、触媒を得た。
<試験・評価>
実施例1〜2、比較例1のそれぞれの触媒を、車両エンジン(ガソリンエンジン)からの排気路の途中に設け、排気ガスを200時間流す耐久試験を行った。その後、それぞれの触媒から、車両エンジン側の部分(約2cm)を切り出し、粉砕して、その粉末に含まれるロジウム量を測定した。結果を図7に示す。図7において、縦軸は、耐久試験前後におけるロジウム(Rh)の減少率である。ロジウムの減少率は、触媒に排気ガスを流す前の状態を基準としている。
実施例1〜2、比較例1のそれぞれの触媒を、車両エンジン(ガソリンエンジン)からの排気路の途中に設け、排気ガスを200時間流す耐久試験を行った。その後、それぞれの触媒から、車両エンジン側の部分(約2cm)を切り出し、粉砕して、その粉末に含まれるロジウム量を測定した。結果を図7に示す。図7において、縦軸は、耐久試験前後におけるロジウム(Rh)の減少率である。ロジウムの減少率は、触媒に排気ガスを流す前の状態を基準としている。
図7から、実施例1〜2の触媒は、比較例1の触媒に比べて、ロジウムの減少率が極めて小さいことがわかる。これは、多孔質層を設けた効果である。また、実施例2のロジウムの減少率(3.2%)は、実施例1のロジウムの減少率(4.1%)に比べて小さいことがわかる。これは、多孔質層に含まれる酸化物が第2触媒層に含まれる酸化物よりも酸性を示すので、第2触媒層に含まれるロジウム微粒子が多孔質層に移動し難いためと推定される。
10 触媒
11 担体基材
12 触媒層
13 多孔質層
14 第1触媒層
15 第2触媒層
11 担体基材
12 触媒層
13 多孔質層
14 第1触媒層
15 第2触媒層
Claims (3)
- 担体基材と、ロジウム(Rh)および酸化物を含む触媒層とを備える排気ガス浄化用触媒において、
前記触媒層の前記担体基材と反対側に、酸化物を含む多孔質層が設けられており、
前記多孔質層に含まれる酸化物は、前記触媒層に含まれる酸化物と同じ酸化物である、または、前記触媒層に含まれる酸化物よりも酸性を示す酸化物である排気ガス浄化用触媒。 - 前記触媒層に含まれる酸化物は、ジルコニア(ZrO2)、セリア(CeO2)のいずれかを少なくとも含む請求項1に記載の排気ガス浄化用触媒。
- 前記多孔質層に含まれる酸化物は、ジルコニア(ZrO2)、アルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)、チタニア(TiO2)のいずれかを少なくとも含む請求項2に記載の排気ガス浄化用触媒。
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